JP2011131532A - 光学フィルム製造用ロール金型の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学フィルムを連続して製造するためのロール金型の洗浄方法であって、該ロール金型にダメージを与えることなく、その汚染された表面を効果的に洗浄することができる洗浄方法を提供する。
【解決手段】光学フィルム製造用ロール金型を、水および水溶性溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有する洗浄剤中で超音波洗浄を行なう第1の洗浄工程と、該第1の洗浄工程の後に、該ロール金型を高圧水で噴射洗浄する第2の洗浄工程とを含む光学フィルム製造用ロール金型の洗浄方法である。洗浄剤はノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤を含むことができる。
【選択図】なし
【解決手段】光学フィルム製造用ロール金型を、水および水溶性溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有する洗浄剤中で超音波洗浄を行なう第1の洗浄工程と、該第1の洗浄工程の後に、該ロール金型を高圧水で噴射洗浄する第2の洗浄工程とを含む光学フィルム製造用ロール金型の洗浄方法である。洗浄剤はノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤を含むことができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶表示装置等において使用されるプリズムフィルム、拡散フィルムおよび防眩フィルム等の光学フィルムの製造の技術分野に属するものであり、更に詳しくは、光学フィルムを連続して製造する際に使用されるロール金型の洗浄方法に関するものである。
通常、エンボス法を用いて光学フィルムを製造する方法は、たとえばUVエンボス法を例に挙げれば、透明支持体の表面に光硬化性樹脂組成物を溶剤等で希釈した塗布液を塗布し、光硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、該光硬化性樹脂組成物層を乾燥機中で乾燥する工程と、光硬化性樹脂組成物層が金型側となるように、乾燥後のフィルムをエンボス用金型の凹凸面にゴムロールなどで押し付けて密着させた状態で硬化させるエンボス工程と、透明支持体および硬化後の光硬化性樹脂組成物層からなる積層体(光学フィルム)を金型から剥離する工程とで構成されている。いずれの工程も必要不可欠であるが、その中でも金型の表面凹凸形状を転写するエンボス工程は、光学フィルムの光学特性を決定する重要な工程である。
このようなエンボス法を用いた光学フィルムの製造において、金型をロール状にすると、たとえばロール・トゥ・ロール方式を採用して、光学フィルムを連続的に製造することが可能となるため、量産性を向上させることができる。しかしこの場合、エンボス工程で使用されるロール金型は連続かつ繰り返し使用されるため、ロール金型(エンボスロール)の表面は次第に汚染され、また、フィルム端部では硬化後の樹脂組成物の離型性が悪いことがあり、硬化後の樹脂組成物が金型の表面に残存し、堆積されていくことがある。ロール金型の表面に付着した樹脂組成物の硬化物などの付着物は、金型の表面に強固に付着しているため、簡単には除去することはできない。しかしながら、これらを確実に除去できなければ、光学フィルム製品が規定の光学特性に達しないなどの成形不良に繋がる場合がある。よって、ロール金型は定期的に取り外して洗浄し、表面に付着した付着物を除去しなければならない。
このような背景から、従来、ロール金型の洗浄方法として種々の方法が提案されており、たとえば、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン等の塩素系炭化水素を主成分とする有機溶剤を用いて洗浄する方法や、アルカリ溶液を用いた洗浄方法(特開平6−270161号公報(特許文献1))がある。しかしながら、上記塩素系炭化水素は、毒性・引火性などの危険性を有し、環境法規制から使用が制限ないし全廃の方向にある。また、特許文献1に記載の方法は、高濃度のアルカリ溶液を使用するため、人体に及ぼす危険性が大きいという課題があった。
一方、有機溶剤やアルカリ溶液を使用しない方法として、特開2002−86461号公報(特許文献2)には、光学シート製造用円筒形状型を、起泡剤とノニオン系界面活性剤と金属イオン封鎖剤とを含む水性洗浄剤で洗浄する方法が開示されている。また、特開2007−217234号公報(特許文献3)には、実質的に界面活性剤を含まず、エタノール、アセトンなどの、相対蒸発速度が1〜6である溶剤中に金型を浸漬して超音波洗浄する方法が開示されている。これらの方法は、比較的小さな力で付着している付着物の除去や、金型への汚染物の再付着を防止する観点からは有効であるが、金型表面に強固に付着した金型汚染物質を効果的に除去するという点では不十分であり、より一層の改良が望まれていた。
特開平6−55151号公報(特許文献4)には、超音波発生装置を備えた洗浄槽内で水流を発生させることで、洗浄液をオーバーフローさせ、このオーバーフローした洗浄液から異物を分離除去した後、洗浄液を洗浄槽内に再度循環させる、機械加工部品等の洗浄方法が開示されており、このような方法においては、異物の再付着が防止され、短時間かつ連続的に洗浄することが可能となることが記載されている。しかしながら、金型表面に強固に付着した金型汚染物質を効果的に除去するという点では不十分であり、より一層の改良が望まれていた。
特開2007−15229号公報(特許文献5)には、電解洗浄と超音波洗浄を併用することで効率良く短時間で金型の付着物を除去し、かつ洗浄工程での金型の移送を無くすことで金型表面へのウォーターマークや損傷の発生を防止した方法が開示されている。このような方法では、金型表面に付着した金型汚染物質の除去効果は比較的高いが、アルカリ成分を含む洗浄液中で金型を電解洗浄する場合、金型を構成する金属の種類によっては、金型と金型保持部との電位差の影響で置換反応が生じるため、洗浄可能な金型の種類が限定されてしまうという問題があった。
特開2009−213996号公報(特許文献6)には、洗浄槽内に、洗浄流体に超音波を印加する超音波発生手段と、被洗浄物の洗浄エリアに対応する位置に開口部を持つ流体噴出手段とを備えた洗浄装置を用い、超音波が印加された洗浄流体を噴出することにより被洗浄物の洗浄を行なう方法が開示されている。このような方法によれば、洗浄エリアのみを洗浄できるため、洗浄エリア以外のエリアから剥離した異物による汚染が抑制され、また乾燥時間の短縮が可能となる。しかしながら、大面積の被洗浄物を洗浄する場合に、完全洗浄が難しいという課題があった。
また、光学フィルム製造用ロール金型の最表面には、硬度が高く、摩擦係数が低く、かつ、離型性に優れることから、クロムめっき層が形成されていることが多いが、通常、クロムめっき層にはクロムめっきに起因する微細なクラックが存在している。このようなクラックの存在する金型に対して上記従来の洗浄法を用いて洗浄を行なう場合、クラックの拡大の恐れがある。また、このようなクロムめっき層が他のめっき層上に形成されている金型に対して上記従来の洗浄法を適用する場合、めっき層の剥離などが懸念される。
本発明は、光学フィルムを連続して製造するためのロール金型の洗浄方法であって、該ロール金型にダメージを与えることなく、その汚染された表面を効果的に洗浄することができる洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明の洗浄方法は、光学フィルム製造用ロール金型を、水および水溶性溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有する洗浄剤中で超音波洗浄を行なう第1の洗浄工程と、該第1の洗浄工程の後に、該ロール金型を高圧水で噴射洗浄する第2の洗浄工程とを含むことを特徴とする。
本発明の洗浄方法においては、上記第1の洗浄工程で用いられる洗浄剤がノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤を含むことが好ましい。洗浄剤中に含まれるノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤の含有量は0.1〜10重量%であることが好ましい。
本発明の洗浄方法においては、上記第1の洗浄工程における洗浄剤の温度は30〜65℃であることが好ましい。
本発明の洗浄方法においては、上記第2の洗浄工程における高圧水の噴射圧力が5MPa以上であることが好ましい。
本発明の洗浄方法は、表面に凹凸形状を有する防眩フィルムを製造するために使用されるロール金型に対して好ましく用いることができる。
本発明の光学フィルム製造用ロール金型の洗浄方法によれば、ロール金型にダメージを与えることなく、特定の洗浄剤中での超音波洗浄によって離脱もしくは離脱しやすい状態になった金型汚染物質を高圧水噴射洗浄により完全に離脱、除去させることができるとともに、再付着物の除去も効果的に行なうことができる。
<光学フィルム製造用ロール金型の洗浄方法>
本発明の洗浄方法は、光学フィルム製造用ロール金型を、水および水溶性溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有する洗浄剤中で超音波洗浄を行なう第1の洗浄工程と、該第1の洗浄工程の後に、該ロール金型を高圧水で噴射洗浄する第2の洗浄工程とを含むものである。本発明の方法によれば、大面積の洗浄部位を有するロール金型に対しても、ダメージを与えることなく、十分な洗浄力(金型汚染物質およびその再付着物の除去能力)が得られる。従来の洗浄方法では、大面積の洗浄エリアを効果的に洗浄するのが困難であったり、ロール金型へのダメージ防止と十分に高い洗浄力とを両立することが困難であった。以下、本発明の洗浄方法について詳細に説明する。
本発明の洗浄方法は、光学フィルム製造用ロール金型を、水および水溶性溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有する洗浄剤中で超音波洗浄を行なう第1の洗浄工程と、該第1の洗浄工程の後に、該ロール金型を高圧水で噴射洗浄する第2の洗浄工程とを含むものである。本発明の方法によれば、大面積の洗浄部位を有するロール金型に対しても、ダメージを与えることなく、十分な洗浄力(金型汚染物質およびその再付着物の除去能力)が得られる。従来の洗浄方法では、大面積の洗浄エリアを効果的に洗浄するのが困難であったり、ロール金型へのダメージ防止と十分に高い洗浄力とを両立することが困難であった。以下、本発明の洗浄方法について詳細に説明する。
[第1の洗浄工程]
第1の洗浄工程は、水および水溶性溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有する洗浄剤中で超音波洗浄を行なう工程である。この超音波洗浄により、ロール金型に付着した金型汚染物質が離脱もしくは離脱しやすい状態となり、続く第2の洗浄工程における高圧水洗浄によって、完全に離脱させることが可能となる。ここで、金型汚染物質とは、光学フィルム用ロール金型表面(微細凹凸表面等)に付着している塊状もしくは薄膜状の樹脂(硬化樹脂や熱可塑性樹脂等)などである。
第1の洗浄工程は、水および水溶性溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有する洗浄剤中で超音波洗浄を行なう工程である。この超音波洗浄により、ロール金型に付着した金型汚染物質が離脱もしくは離脱しやすい状態となり、続く第2の洗浄工程における高圧水洗浄によって、完全に離脱させることが可能となる。ここで、金型汚染物質とは、光学フィルム用ロール金型表面(微細凹凸表面等)に付着している塊状もしくは薄膜状の樹脂(硬化樹脂や熱可塑性樹脂等)などである。
本工程の超音波洗浄は、たとえば図1に示されるような超音波洗浄装置を用いて行なうことができる。図1に示される超音波洗浄装置は、洗浄剤1を入れる洗浄槽2と、洗浄されるロール金型3を保持する軸を備え、当該軸を回転させることによりロール金型3を回転させる、装置上部に配置された回転体4と、洗浄槽2の底部に配設された超音波発振機5とを備え、ロール金型3の全部または一部が洗浄剤1に浸漬した状態で、ロール金型3を回転させながら、超音波を照射して洗浄できる構成となっている。
超音波洗浄中、ロール金型3は、その全体が洗浄剤1中に浸漬された状態であってもよいし、その一部〔たとえば、図1に示されるように、ロール金型3の外周面(洗浄される面)の約1/2〕が洗浄剤1中に浸漬された状態であってもよい。また、超音波洗浄は、ロール金型3を回転させながら行なうこともできるし、回転させることなく行なうこともできる。たとえば、ロール金型3の一部が洗浄剤1中に浸漬されている場合、超音波洗浄中、ロール金型3を連続的に回転させることにより、または、ロール金型3を静止した状態で超音波洗浄を行ない、ついでロール金型3を回転させて異なる洗浄面を洗浄剤1に浸漬させること(あるいはこの操作の繰り返し)により、洗浄面全体を超音波洗浄することができる。
また、図1に示されるように、洗浄槽2が給水口6および排水口7を有し、給水口6、恒温循環装置(図示せず)および排水口7を接続する洗浄剤給排水用の配管からなる循環ラインが設けることが好ましい。これにより、洗浄槽2内の洗浄剤1を一定温度に保持することができ、温度上昇による金型へのダメージを防止することができる。さらに、洗浄剤を常に清潔に保つことができ、金型汚染物質の再付着をより効果的に防止できることから、循環ラインにフィルターを取り付けることがより好ましい。
本発明においては、上記洗浄剤として、水および水溶性溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有したものを用いる。水溶性溶剤としては特に限定されないが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;ジエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール;酢酸エチル、アセトン、プロピレングリコール、テトラヒドロフラン等が挙げられる。環境面や安全面の観点、および超音波洗浄装置の防爆対策を不要とできることから、水溶性溶剤としては、エタノールもしくはイソプロパノールを使用することが好ましい。水には純水を好適に用いることができる。
上記洗浄剤中の水および水溶性溶剤の合計含有量は、良好な洗浄力を得るためには、好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上であり、さらに好ましくは100重量%である。洗浄剤中における水溶性溶剤と水との含有比は、重量比で0/1〜1/0とすることができ、好ましくは0/1〜0.25/1である。
上記洗浄剤は、ノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤の併用により、金型汚染物質の除去能力をより向上させることができる。これら界面活性剤としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。ノニオン系界面活性剤の例を挙げれば、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(たとえば、登録商標エマルゲンLS−110型:花王株式会社)、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(エチレンオキシドとプロピレンオキシドはランダム、ブロック何れでもよい。)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテル(エチレンオキシドとプロピレンオキシドはランダム、ブロック何れでもよい。)、ポリエチレングリコールプロピレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物、グリセリン脂肪酸エステルまたはそのエチレンオキシド付加物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸モノエタノールアミドまたはそのエチレンオキシド付加物、脂肪酸−N−メチルモノエタノールアミドまたはそのエチレンオキシド付加物、脂肪酸ジエタノールアミドまたはそのエチレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グリセリンエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸メチルエステルエトキシレート、N−長鎖アルキルジメチルアミンオキシドなどである。これらの中でも、安価で加水分解しないことから、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテルなどを用いることが好ましい。また、アニオン系界面活性剤の例を挙げれば、たとえば、脂肪酸塩類型アニオン、アルキルベンゼンスルホン酸塩型アニオン、アルキル硫酸エステル塩型アニオン、直鎖2級スルホン酸塩型アニオン、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩型アニオン、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩型アニオン、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルキルフェニルエーテルのリン酸エステル型アニオン、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルキルフェニルエーテルのリン酸エステル塩型アニオン、アルファオレフィンスルホン酸塩型アニオン、アルファスルホ脂肪酸エステル塩型アニオン、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルキルフェニルエーテルの酢酸または酢酸塩型アニオン、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルキルフェニルエーテルのスルホン酸塩型アニオン、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルキルフェニルエーテルのスルホコハク酸エステル塩型アニオンなどである。これらの中でも、安価である点、洗浄性に優れる点などから、登録商標US−CLEAN USC−700シリーズ(株式会社エヌエスディ)が好ましく用いられる。
洗浄剤中のノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤の含有量は0.1〜10重量%であることが好ましく、1〜5重量%であることがより好ましい。界面活性剤の含有量は0.1重量%未満であると、界面活性剤の添加による金型汚染物質の除去能力向上効果が得られにくく、また、10重量%を超えると、後のすすぎ工程が困難になり、ロール金型の表面に洗浄剤が残存する可能性が高くなる。
第1の洗浄工程における洗浄剤の温度は、良好な洗浄力が得られることから、30〜65℃の範囲であることが好ましい。洗浄剤の温度が65℃を超えると、ロール金型の表面(洗浄面)にクラックが存在する場合、クラックが拡大して割れが生じる恐れがある。また、超音波によるキャビテーション効果を阻害するような大きな気泡が発生しないような温度で行なうことが好ましい。さらに、洗浄剤がノニオン系界面活性剤を含有する場合には、洗浄剤の温度は、ノニオン系界面活性剤の曇点未満であることが好ましい。
超音波発振機の周波数は、ロール金型の材質や除去する金型汚染物質の大きさ等によって決まってくるため、特に限定されるものではないが、28kHz〜50kHzの範囲であることが好ましい。また、超音波発振機の出力も、特に限定されるものではないが、洗浄槽の大きさや、ロール金型の材質、大きさ等に応じて最適な出力のものを使用することが好ましい。
第1の洗浄工程の処理時間(ロール金型の洗浄面全体を超音波洗浄する時間)は、通常、0.5〜24時間程度である。
以上の第1の洗浄工程により、ロール金型の表面に強固に付着している塊状または薄膜状の樹脂等の金型汚染物質を、金型表面から脱離もしくは、脱離しやすい状態にすることができる。
[第2の洗浄工程]
続く、第2の洗浄工程においては、第1の洗浄工程を経たロール金型表面に対して、高圧水を噴射させて洗浄を行なう。この、高圧水の噴射によって、第1の洗浄工程において離脱もしくは離脱しやすい状態となった金型汚染物質が、完全に除去される。
続く、第2の洗浄工程においては、第1の洗浄工程を経たロール金型表面に対して、高圧水を噴射させて洗浄を行なう。この、高圧水の噴射によって、第1の洗浄工程において離脱もしくは離脱しやすい状態となった金型汚染物質が、完全に除去される。
図2は、第2の洗浄工程における高圧水噴射洗浄の様子を模式的に示す図である。図2を参照して、本工程では、第1の洗浄工程を完了し、超音波洗浄装置から引き上げ、必要に応じてすすぎを行なったロール金型に対して、高圧水噴射ノズル8からロール金型の洗浄面に対して高圧水を噴射することにより、第1の洗浄工程で脱離しやすくなった金型汚染物質を完全に除去、かつ再付着物を洗浄除去する。このとき、より高い洗浄効果を得るために、高圧水噴射ノズル8の先端と洗浄面との距離は、開口部のサイズに依存するものの、概して150〜600mmが好ましく、また、噴射角度10(0°≦噴射角度≦90°を満たす)は、30〜90°の範囲内であることが好ましい。なお、噴射角度10とは、高圧水噴射ノズルから放射される高圧水の噴射方向と、洗浄面の噴射部位における接線とがなす角度である。
より高い洗浄効果を得るために、高圧水の噴射圧力は5MPa以上であることが好ましく、8MPa以上であることがより好ましい。噴射圧力の上限に特に制限はないが、ロール金型にダメージを与えない範囲であることが好ましい。
なお、高圧水として、たとえば35℃程度以上の温水を利用することで、金型汚染物質を軟化促進させる効果により、より低圧での洗浄が可能になる。
第2の洗浄工程の処理時間は、特に限定されるものではないが、検討の結果から、長時間行なっても洗浄効果は大きく変化しなかったため、短時間で行なうことが好ましい。ロール金型の表面積によって洗浄時間は変化するが、ロール金型の洗浄面全体を高圧水噴射洗浄する時間は、5〜20分程度で十分である。また、この処理時間中、ロール金型を回転させながら洗浄を行なうことが好ましい。
<ロール金型の製造方法および光学フィルムの製造方法>
本発明の洗浄方法が好ましく適用されるロール金型として、表面に微細な凹凸形状を有する防眩フィルム製造用のロール金型が挙げられる。このような表面に微細な凹凸形状を有する光学フィルム製造用のロール金型としては、たとえば、基材を研磨し、サンドブラスト加工を施した後、無電解ニッケルめっきを施してロール金型を作製する方法(特開2006−53371号公報);基材に銅めっきまたはニッケルめっきを施した後、研磨し、サンドブラスト加工を施した後、クロムめっきを施す方法(特開2007−187952号公報);銅めっきまたはニッケルめっきを施した後、研磨し、サンドブラスト加工を施した後、エッチング工程または銅めっき工程を施し、ついでクロムめっきを施す方法(特開2007−237541号公報);および、金型用基材の表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施した後、研磨し、研磨された面に感光性樹脂膜を塗布形成し、該感光性樹脂膜上にパターンを露光した後、現像し、現像された感光性樹脂膜をマスクとして用いてエッチング処理を行ない、感光性樹脂膜を剥離し、さらにエッチング処理を行ない、凹凸面を鈍らせた後、形成された凹凸面にクロムめっきを施す方法などが挙げられる。
本発明の洗浄方法が好ましく適用されるロール金型として、表面に微細な凹凸形状を有する防眩フィルム製造用のロール金型が挙げられる。このような表面に微細な凹凸形状を有する光学フィルム製造用のロール金型としては、たとえば、基材を研磨し、サンドブラスト加工を施した後、無電解ニッケルめっきを施してロール金型を作製する方法(特開2006−53371号公報);基材に銅めっきまたはニッケルめっきを施した後、研磨し、サンドブラスト加工を施した後、クロムめっきを施す方法(特開2007−187952号公報);銅めっきまたはニッケルめっきを施した後、研磨し、サンドブラスト加工を施した後、エッチング工程または銅めっき工程を施し、ついでクロムめっきを施す方法(特開2007−237541号公報);および、金型用基材の表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施した後、研磨し、研磨された面に感光性樹脂膜を塗布形成し、該感光性樹脂膜上にパターンを露光した後、現像し、現像された感光性樹脂膜をマスクとして用いてエッチング処理を行ない、感光性樹脂膜を剥離し、さらにエッチング処理を行ない、凹凸面を鈍らせた後、形成された凹凸面にクロムめっきを施す方法などが挙げられる。
上記した表面に微細な凹凸形状を有するロール金型を用いてエンボス法によって防眩フィルムを製造する方法について説明する。エンボス法では、目的に応じた凹凸表面を有するロール金型を製造し、製造されたロール金型の凹凸面を透明支持体上に転写し、次いで凹凸面が転写された透明支持体をロール金型から剥がすことによって、防眩フィルムを製造することができるため、微細凹凸表面を精度よく、かつ、再現性よく製造することができる。ここで、エンボス法としては、光硬化性樹脂を用いるUVエンボス法、熱可塑性樹脂を用いるホットエンボス法が例示され、中でも、生産性の観点から、UVエンボス法が好ましい。
UVエンボス法は、透明支持体の表面に光硬化性樹脂層を形成し、その光硬化性樹脂層を金型の凹凸面に押し付けながら硬化させることで、金型の凹凸面を光硬化性樹脂層に転写させる方法である。具体的には、透明支持体上に紫外線硬化性樹脂を塗工し、塗工した紫外線硬化性樹脂を金型の凹凸面に密着させた状態で透明支持体側から紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させ、その後金型から、硬化後の紫外線硬化性樹脂層が形成された透明支持体を剥離することにより、金型の形状を紫外線硬化型樹脂に転写する。
UVエンボス法を用いる場合、透明支持体としては、実質的に光学的に透明なフィルムであって、光硬化性樹脂が硬化可能な波長領域の活性エネルギー線を透過するものであれば特に制限されるものでなく、各種の透明樹脂フィルムを用いることができる。具体的には、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどの鎖状ポリオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン系樹脂;スチレン系樹脂;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリ塩化ビニルなどからなるフィルムが例示される。
透明支持体の光硬化性樹脂の塗工面および/またはその反対側の表面には、帯電防止層や易接着層が設けてあってもよい。帯電防止層や易接着層は、光硬化性樹脂の塗工性や密着性を低下させるもの、あるいは必要以上の色づきや曇化を起こすもの、透過率を著しく低下させるものでなければ特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。
上記光硬化性樹脂は、紫外線の照射により重合、硬化する紫外線硬化性樹脂であることが好ましいが、光重合開始剤の種類を適宜選択することにより紫外線より波長の長い可視光でも硬化が可能な樹脂を用いることもできる。紫外線硬化性樹脂の種類は特に限定されず、たとえば、多官能(メタ)アクリレート系化合物と光重合開始剤とを含むものであることができる。多官能(メタ)アクリレート系化合物および光重合開始剤は、市販品であってもよい。多くの場合、紫外線硬化性樹脂は、多官能(メタ)アクリレート系化合物、光重合開始剤、その他必要に応じて添加された添加剤を含むものとして市販されている。
多官能(メタ)アクリレート系化合物とは、分子中に少なくとも2個のアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する化合物である。多官能(メタ)アクリレート系化合物の具体例を挙げれば、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート;ホスファゼン化合物のホスファゼン環に(メタ)アクリロイルオキシ基が導入されたホスファゼン系(メタ)アクリレート化合物;分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基および水酸基を有するポリオール化合物との反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物;分子中に少なくとも2個のカルボン酸ハロゲン化物と少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基および水酸基を有するポリオール化合物との反応により得られるポリエステル(メタ)アクリレート化合物;ならびに、上記各化合物の2量体、3量体などのようなオリゴマーなどである。これらの化合物はそれぞれ単独または2種以上を混合して用いられる。
紫外線硬化性樹脂は、上記多官能(メタ)アクリレート系化合物のほかに、単官能(メタ)アクリレート系化合物を含有していてもよい。単官能(メタ)アクリレート系化合物としては、たとえば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
光重合開始剤としては、たとえば、イルガキュアー907(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー184(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASF社製)などを挙げることができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[実施例1]
(1)ロール金型の作製
直径200mmのアルミロール(JISによるA5056)の表面に銅バラードめっきが施されたものを用意した。銅バラードめっきは、銅めっき層/薄い銀めっき層/表面銅めっき層からなるものであり、めっき層全体の厚みは、約200μmとなるように設定した。その銅めっき表面を鏡面研磨し、研磨された銅めっき表面に感光性樹脂を塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成した。ついで、図3に示すパターンを繰り返し並べたパターンを感光性樹脂膜上にレーザ光によって露光し、現像した。レーザ光による露光、および現像はLaser Stream FX((株)シンク・ラボラトリー製)を用いて行なった。なお、図3に示したパターンである画像データは20.9mm×20.9mmの大きさで、12800dpiで作成した。感光性樹脂膜にはポジ型の感光性樹脂を使用した。
(1)ロール金型の作製
直径200mmのアルミロール(JISによるA5056)の表面に銅バラードめっきが施されたものを用意した。銅バラードめっきは、銅めっき層/薄い銀めっき層/表面銅めっき層からなるものであり、めっき層全体の厚みは、約200μmとなるように設定した。その銅めっき表面を鏡面研磨し、研磨された銅めっき表面に感光性樹脂を塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成した。ついで、図3に示すパターンを繰り返し並べたパターンを感光性樹脂膜上にレーザ光によって露光し、現像した。レーザ光による露光、および現像はLaser Stream FX((株)シンク・ラボラトリー製)を用いて行なった。なお、図3に示したパターンである画像データは20.9mm×20.9mmの大きさで、12800dpiで作成した。感光性樹脂膜にはポジ型の感光性樹脂を使用した。
その後、塩化第二銅液で第1のエッチング処理を行なった。その際のエッチング量は3μmとなるように設定した。第1のエッチング処理後のロールから感光性樹脂膜を除去し、再度、塩化第二銅液で第2のエッチング処理を行なった。その際のエッチング量は10μmとなるように設定した。その後、クロムめっき加工(クロムめっき層の厚み4μm)を行ない、ロール金型を作製した。
(2)防眩フィルムの作製
光硬化性樹脂組成物「GRANDIC 806T」(大日本インキ化学工業(株)製)を酢酸エチルにて溶解して、50重量%濃度の溶液とし、さらに、光重合開始剤であるルシリンTPO(BASF社製、化学名:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)を、硬化性樹脂成分100重量部あたり5重量部添加して塗布液を調製した。厚み80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、この塗布液を乾燥後の塗布厚みが10μmとなるように塗布し、60℃に設定した乾燥機中で3分間乾燥させた。乾燥後のフィルムを、先に得られたロール金型の凹凸面に、光硬化性樹脂組成物層がロール金型側となるようにゴムロールで押し付けて密着させた。この状態でTACフィルム側より、強度20mW/cm2の高圧水銀灯からの光をh線換算光量で200mJ/cm2となるように照射して、光硬化性樹脂組成物層を硬化させた。この後、TACフィルムを硬化樹脂ごとロール金型から剥離して、表面に凹凸を有する硬化樹脂とTACフィルムとの積層体からなる、透明な防眩フィルムを作製した。以上のような防眩フィルムの製造を連続的に行なった。
光硬化性樹脂組成物「GRANDIC 806T」(大日本インキ化学工業(株)製)を酢酸エチルにて溶解して、50重量%濃度の溶液とし、さらに、光重合開始剤であるルシリンTPO(BASF社製、化学名:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)を、硬化性樹脂成分100重量部あたり5重量部添加して塗布液を調製した。厚み80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、この塗布液を乾燥後の塗布厚みが10μmとなるように塗布し、60℃に設定した乾燥機中で3分間乾燥させた。乾燥後のフィルムを、先に得られたロール金型の凹凸面に、光硬化性樹脂組成物層がロール金型側となるようにゴムロールで押し付けて密着させた。この状態でTACフィルム側より、強度20mW/cm2の高圧水銀灯からの光をh線換算光量で200mJ/cm2となるように照射して、光硬化性樹脂組成物層を硬化させた。この後、TACフィルムを硬化樹脂ごとロール金型から剥離して、表面に凹凸を有する硬化樹脂とTACフィルムとの積層体からなる、透明な防眩フィルムを作製した。以上のような防眩フィルムの製造を連続的に行なった。
(3)ロール金型の洗浄
図1に示されるような超音波洗浄装置を用い、第1の洗浄工程を実施した。洗浄剤としては、60℃の純水を用い、ロール金型の外周面の約1/2が洗浄剤中に浸漬された状態となるようにロール金型を設置し、回転体を用いてロール金型を回転させながら超音波洗浄を連続的に行ない、2時間かけて洗浄面全体を洗浄した。この際、超音波発振機として超音波洗浄機「WS−1200−40型」(本多電子株式会社製)を使用し、周波数40kHz、出力1200Wの条件で超音波洗浄を行なった。
図1に示されるような超音波洗浄装置を用い、第1の洗浄工程を実施した。洗浄剤としては、60℃の純水を用い、ロール金型の外周面の約1/2が洗浄剤中に浸漬された状態となるようにロール金型を設置し、回転体を用いてロール金型を回転させながら超音波洗浄を連続的に行ない、2時間かけて洗浄面全体を洗浄した。この際、超音波発振機として超音波洗浄機「WS−1200−40型」(本多電子株式会社製)を使用し、周波数40kHz、出力1200Wの条件で超音波洗浄を行なった。
次に、高圧洗浄機「AJP−2000型」(RYOBI株式会社製)を使用し、ロール金型を回転させながら、第2の洗浄工程である高圧水噴射洗浄を連続的に行ない、約10分かけて洗浄面全体を洗浄した。この際、噴射圧力は8.2MPa、高圧水の吐出量は7L/min、洗浄面と高圧水噴射ノズルの開口部との距離は300mm、噴射角度は約90°、高圧水の温度は約20℃とした。高圧水噴射ノズルの開口部の形状は円形で、直径が1.125mmである。
[実施例2]
第1の洗浄工程で使用する洗浄剤としてエタノールを用いた以外は、実施例1と同様にしてロール金型の洗浄を行なった。
第1の洗浄工程で使用する洗浄剤としてエタノールを用いた以外は、実施例1と同様にしてロール金型の洗浄を行なった。
[実施例3]
第1の洗浄工程で使用する洗浄剤として、ノニオン系界面活性剤であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(登録商標エマルゲンLS−110型:花王株式会社製)を1重量%含有する純水を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてロール金型の洗浄を行なった。
第1の洗浄工程で使用する洗浄剤として、ノニオン系界面活性剤であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(登録商標エマルゲンLS−110型:花王株式会社製)を1重量%含有する純水を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてロール金型の洗浄を行なった。
[実施例4]
第1の洗浄工程で使用する洗浄剤として、ノニオン系界面活性剤であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(登録商標エマルゲンLS−110型:花王株式会社製)を1重量%含有するエタノールを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてロール金型の洗浄を行なった。
第1の洗浄工程で使用する洗浄剤として、ノニオン系界面活性剤であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(登録商標エマルゲンLS−110型:花王株式会社製)を1重量%含有するエタノールを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてロール金型の洗浄を行なった。
[実施例5]
第1の洗浄工程で使用する洗浄剤として、ノニオン系界面活性剤であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(登録商標エマルゲンLS−110型:花王株式会社製)を1重量%含有する純水/エタノール混合液(純水/エタノールの重量比1:1)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてロール金型の洗浄を行なった。
第1の洗浄工程で使用する洗浄剤として、ノニオン系界面活性剤であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(登録商標エマルゲンLS−110型:花王株式会社製)を1重量%含有する純水/エタノール混合液(純水/エタノールの重量比1:1)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてロール金型の洗浄を行なった。
[実施例6]
第1の洗浄工程で使用する洗浄剤として、登録商標US−CLEAN USC−700(株式会社エヌエスディ製、アニオン系界面活性剤を99重量%以上含有)を1重量%含有する純水/エタノール混合液(純水/エタノールの重量比1:1)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてロール金型の洗浄を行なった。
第1の洗浄工程で使用する洗浄剤として、登録商標US−CLEAN USC−700(株式会社エヌエスディ製、アニオン系界面活性剤を99重量%以上含有)を1重量%含有する純水/エタノール混合液(純水/エタノールの重量比1:1)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてロール金型の洗浄を行なった。
[比較例1]
第2の洗浄工程を省略したこと以外は、実施例3と同様にロール金型の洗浄を行なった。
第2の洗浄工程を省略したこと以外は、実施例3と同様にロール金型の洗浄を行なった。
[比較例2]
第1の洗浄工程を省略したこと以外は、実施例1と同様にロール金型の洗浄を行なった。
第1の洗浄工程を省略したこと以外は、実施例1と同様にロール金型の洗浄を行なった。
(洗浄力およびロール金型へのダメージの評価)
洗浄前および洗浄後のロール金型について、目視および光学顕微鏡により微細凹凸表面を観察し、金型汚染物質(異物)の残存状態および微細凹凸表面のクラックの拡大、クロムめっき層の剥離や傷の有無を確認することにより、洗浄力およびロール金型へのダメージを評価した。評価基準は次のとおりであり、得られた評価結果を、洗浄条件とともに表1に示す。
洗浄前および洗浄後のロール金型について、目視および光学顕微鏡により微細凹凸表面を観察し、金型汚染物質(異物)の残存状態および微細凹凸表面のクラックの拡大、クロムめっき層の剥離や傷の有無を確認することにより、洗浄力およびロール金型へのダメージを評価した。評価基準は次のとおりであり、得られた評価結果を、洗浄条件とともに表1に示す。
(洗浄力の評価基準)
1:目視で異物が大部分で観察される、
2:目視で異物が一部観察される、
3:目視で異物が観察されないが、光学顕微鏡観察により異物が一部観察される、
4:目視で異物が観察されず、かつ光学顕微鏡観察でも異物が観察されない。
1:目視で異物が大部分で観察される、
2:目視で異物が一部観察される、
3:目視で異物が観察されないが、光学顕微鏡観察により異物が一部観察される、
4:目視で異物が観察されず、かつ光学顕微鏡観察でも異物が観察されない。
(ロール金型へのダメージの評価基準)
1:金型表面のクラックの拡大、クロムめっき層の剥離および傷が観察されない、
2:金型表面のクラックの拡大、クロムめっき層の剥離または傷が一部で観察される、
3:金型表面のクラックの拡大、クロムめっき層の剥離または傷が大部分で観察される。
1:金型表面のクラックの拡大、クロムめっき層の剥離および傷が観察されない、
2:金型表面のクラックの拡大、クロムめっき層の剥離または傷が一部で観察される、
3:金型表面のクラックの拡大、クロムめっき層の剥離または傷が大部分で観察される。
表1に示す結果から、本発明に係る実施例1〜6は、ロール金型へのダメージが発生することなく、効果的に洗浄されることがわかった。また、ノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤を添加することにより、洗浄力が増大し、光学顕微鏡観察においても異物が確認されなかった。一方、第2の洗浄工程を省略した比較例1は、十分な洗浄力が得られず、強固に付着した塊状樹脂を完全に除去しきれなかった。また、第1の洗浄工程を省略した比較例2は、十分な洗浄力が得られず、薄膜状に付着した樹脂の除去にはほとんど効果がみられなかった。このように、本発明に従う洗浄方法によれば、微細なクラックが形成された、比較的ダメージを受けやすいロール金型であっても、クラックの拡大やめっき層の剥離および傷等を発生させることなく、UV硬化等によって強固に付着した種々の形態(塊状、薄膜状等)の付着物を効果的に洗浄除去できることがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 洗浄剤、2 洗浄槽、3 ロール金型、4 回転体、5 超音波発振機、6 給水口、7 排水口、8 高圧水噴射ノズル、9 噴射部位における接線、10 噴射角度。
Claims (6)
- 水および水溶性溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有する洗浄剤中で超音波洗浄を行なう第1の洗浄工程と、
前記第1の洗浄工程の後に、高圧水で噴射洗浄する第2の洗浄工程と、
を含む、光学フィルム製造用ロール金型の洗浄方法。 - 前記洗浄剤がノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤を含む請求項1に記載の光学フィルム製造用ロール金型の洗浄方法。
- 前記洗浄剤における前記ノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤の含有量が0.1〜10重量%である請求項2に記載の光学フィルム製造用ロール金型の洗浄方法。
- 前記第1の洗浄工程において、前記洗浄剤の温度が30〜65℃である請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム製造用ロール金型の洗浄方法。
- 前記第2の洗浄工程において、前記高圧水の噴射圧力が5MPa以上である請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム製造用ロール金型の洗浄方法。
- 前記ロール金型が、表面に凹凸形状を有する防眩フィルム製造用の金型である請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルム製造用ロール金型の洗浄方法。
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JP2007015229A (ja) * | 2005-07-07 | 2007-01-25 | Somakkusu Kk | 金型洗浄装置および金型洗浄方法 |
JP2011073216A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | ロール金型の洗浄方法 |
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2009
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