JP4695856B2 - 気体圧制御弁 - Google Patents

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Description

本発明は、気体圧制御弁に係り、特に複数のランド部を有するスプールと、スプールを軸方向移動可能に支持するスリーブとを備え、スリーブに対するスプールの軸方向移動駆動により負荷圧を制御する気体圧制御弁に関する。
流体圧回路や流体供給回路において管路の圧力制御や流量調整を行うために、移送弁あるいはサーボ弁等と呼ばれるフィードバック機構を内蔵した制御弁装置が用いられる。例えば、特許文献1には、トルクモータでスプールを駆動する油圧回路の流量等を制御するサーボ弁が開示され、特許文献2にはフォースモータでスプールを駆動する流体回路の流量等を制御するパイロットバルブが開示される。これらにおいて、スプールは複数のランド部を有し、そのスプールは軸方向移動可能にスリーブにより支持され、スリーブには圧力流体の供給口と、排出口と、圧力等が制御された流体を負荷に出力する負荷口が設けられ、スリーブに対するスプールの軸方向移動駆動により、スプールのランド部と負荷口等の位置関係を変化させて負荷に出力する流体の圧力や流量を制御している。
例えば、負荷口の軸方向の開口長さとほぼ同じ長さで、スプールの中央ランド部を設定し、そのランド部の一方側に供給口から圧力流体を供給し、他方側を排出口側に接続する構成をとる。この構成の場合では、中立位置ではスプールの中央ランド部がちょうど負荷口をふさぐが、スプールを僅かに排出口側に移動すると、中央ランド部と供給口との間の位置関係が変わり、供給口側と負荷口が連通し、圧力気体が負荷口に流れ込む。これによりスプールはさらに排出口側に移動しようとするが、実際にはサーボ弁にはスプールを中立位置に戻す付勢力が与えられ、あるいは位置検出等のフィードバックが行われるので、スプールは逆に供給口側に戻される。スプールが供給口側に戻されると、中央ランド部と排出口との間の位置関係が変わり、排出口側と負荷口が連通し、負荷側の流体は大気に排出される。そこで再び付勢力又はフィードバックによりスプールは供給口側に戻される。
このように、スプールのランド部と負荷口等との位置関係と、スプールの付勢力又は運動検出のフィードバックにより、スプールは中立位置を中心に微妙に移動させることで、負荷に出力する流体の圧力や流量を制御することができる。
特開昭42−12880号公報 特公昭39−4958号公報
近年、位置決め装置において、その精度、分解能の向上の要求が著しい。例えば、半導体装置の露光装置では、半導体デバイスの最小寸法が100nmを切る。したがって、半導体デバイスの寸法精度の要求は10nm以下となり、そのための位置決めアクチュエータの位置決め精度は1nm以下、つまりサブnmのものが要望される。また、その高速性も同様に要求される。このような精密位置決め装置や、精密移動機構等に気体アクチュエータを用いることが期待されている。すなわち、気体圧アクチュエータを用いる移動機構は、他の機構に較べ、コンタミネーションの発生が少ないほか、電磁的ノイズを発生せず、振動、騒音も少ないからである。
そのためには、気体アクチュエータに供給する気体圧を精密に制御する必要があるが、従来技術のスプールとスリーブを用いる気体圧制御弁においては限界がある。すなわち、上記のように、この方式ではスプールの僅かな変化で、負荷口の出力、例えば出力圧力を大きく変化させることができることに特徴があるが、そのために、スプールの移動量に対する出力圧力の関係は、ゲインは大きいが非線形となる。したがって、スプールの移動をいかに細かく調整しても、負荷口の出力圧力は非線形で大きく変化し、気体アクチュエータに供給する気体圧を精密に制御することに限度がある。
なお、特許文献1のようにトルクモータでアーマチュアを回転させ、その揺動をスプールの直線移動に変換する方式は、その回転自体で磁気ギャップが変化し、アーマチュアの運動にヒステリシスが生じ、駆動信号に対し、アーマチュアの位置、すなわちスプールの位置が不確定になる問題がある。
その観点からは、特許文献2のようなフォースモータにより直接スプールを直線駆動する方式の方が望ましい。フォースモータは、直線方向に配置された固定子磁気ギャップの中をコイルの可動子が移動するもので、いわゆるリニアモータである。この方式では、コイルに流す電流に比例して可動子の推力が決まり、可動子にスプールを接続することで、スプールの位置をコイルに流す電流で精度よく容易に制御できる。しかし、スプールの移動駆動を精密に調整しても、上記のように、負荷口の出力圧力は非線形で大きく変化してしまうので、そのままでは、気体アクチュエータに供給する気体圧を精密に制御することに限度がある。
また、負荷口において、供給口側から圧力気体が流れ込むとき、あるいは負荷側の気体が大気に連通する排出口に流れるとき、中央ランド部と供給口側、あるいは中央ランド部と排出口側のところでは狭い隙間を圧力気体が高圧側から低圧側に流れる。このように狭い隙間で気体が絞られるのは、オリフィスによって気体が絞られるのと同じで、乱流や渦流等が生ずることがあり、特に、高圧かつ高速の気体を扱うときはオリフィスのエッジ等から衝撃波が生ずることがあることが知られている(例えば、白倉等,「機械工学全書12 流体力学」,株式会社コロナ社,1982年7月1日,第1刷,p181,p200等参照)。このような乱流、渦流、特に衝撃波は、絞られた後の気体の圧力に対し、ノイズとなる。したがって、負荷に供給される気体に衝撃波等のノイズが伴うことがあり、気体アクチュエータに供給する気体圧に好ましくない影響を与える。
このように、従来技術のスプール・スリーブ方式気体圧制御弁では、スプールの移動駆動に対し出力圧力が非線形となり、また、出力される気体に衝撃波等のノイズを伴うことがある。したがって、従来技術のスプール・スリーブ方式気体圧制御弁を用いて、例えば、精密位置決め装置や、精密移動機構等の気体アクチュエータに気体圧を供給すると、それらが要求する気体圧の精度に比べ不十分なことがある。
本発明の目的は、スプールの移動駆動に対する出力圧力の非線形性を抑制できる気体圧制御弁を提供することである。他の目的は、出力圧力のノイズを抑制することができる気体圧制御弁を提供することである。以下に述べる手段は、これらの目的の少なくとも1つに奉仕するものである。
本発明に係る気体圧制御弁は、間隔をおいて軸方向に配列された複数のランド部と、隣接するランド部を接続するステム部とを含むスプールと、スプールを軸方向移動可能に支持する内壁を有し、スプールと協働してスプールの隣り合うランド部の間の空間を内壁で囲むことで少なくとも第1圧力室と第2圧力室とを形成するスリーブであって、第1圧力室に対し1次側気体圧を有する気体を供給する供給口と、第2圧力室から気体を排気する排気口と、第1圧力室又は第2圧力室から2次側気体圧を有する気体を取出して出力する負荷口とを含むスリーブと、スプールを軸方向に直線駆動する駆動機構であって、軸方向に配置された固定子磁気ギャップと、駆動電流信号が入力されるコイルを有し固定子磁気ギャップと協働して軸方向に駆動される可動子とを含む駆動機構と、を備え、第1圧力室は、負荷口に向かい合う負荷口ランドと、負荷口ランドの一方側に隣接する一方側ランドとの間に形成され、第2圧力室は、負荷口ランド部の他方側に隣接し一方側ランドの外径よりも小さい外径を有する他方側ランドとの間に形成され、負荷口ランド部は、第1圧力室側に設けられ、一方側ランド部の外径と同じ外径を有する第1フランジと、第2圧力室側に設けられ、他方側ランドの外径と同じ外径を有する第2フランジと、第1フランジと第2フランジとの間を接続し第2フランジの外径と同じかそれより小さい外径の接続ランドと、を有し、駆動機構は、スプールに加わる軸方向の気体圧による推力である気体圧推力が、第1フランジの受圧面積と第2フランジの受圧面積の差である受圧面積差に負荷口の2次側気体圧を乗算した値となることを利用し、2次側気体圧に比例した駆動電流信号による駆動力をこの気体圧推力に釣り合わせてスプールを軸方向に駆動し、スリーブに設けられる負荷口は、一方の開口が負荷口に面し、他方の開口がスリーブの外周に設けられる複数のスリットを含み、スリットの整流作用により流れる気体を乱れなく形成することを特徴とする。
また、本発明に係る気体圧制御弁において、スリーブに設けられる負荷口は、スリーブの円周に沿って一定間隔で設けられる複数のスリットで構成されることを特徴とする。
また、複数のスリットのそれぞれは、所定の平行隙間を有する平行隙間スリットであることが好ましい。また、複数のスリットのそれぞれは、一方の開口の隙間より他方の開口の隙間が広い隙間広がりスリットであることが好ましい。
また、本発明に係る気体圧制御弁において、スリーブに設けられる負荷口は、複数のスリットに代えて、一方の開口が負荷口に面し、他方の開口がスリーブの外周に設けられ、気体の流れ方向に沿い並列に配置された所定の断面積を有する複数の管路を含み、管路の整流作用により流れる気体を乱れなく形成することを特徴とする。
また、本発明に係る気体圧制御弁において、スプールに対し、軸方向に沿った任意のオフセット位置を中心に付勢するつり合いばねを備えることが好ましい。
また、本発明に係る気体圧制御弁において、スプールの軸方向の変位を検出する変位センサ又は軸方向の速度を検出する速度検出センサのうち少なくとも一方を備えることが好ましい。
上記構成により、スプールとスリーブを用いる気体圧制御弁において、軸方向に配置された固定子磁気ギャップと、可動子とを含む駆動機構により、スプールが軸方向に移動駆動される。この駆動機構は、いわゆるリニアモータ又はフォースモータと呼ばれることがある。固定子磁気ギャップは、可動子の移動方向である軸方向に配置され、可動子すなわちスプールの移動により磁気ギャップが変動することがなく、したがって、スプールの駆動においてヒステリシスを抑制することができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、負荷口に向かい合うスプールのランド部は、両端にフランジを有し、1次側気体圧が供給される第1圧力室側の第1フランジの受圧面積の方が、排気口につながる第2圧力室側の第2フランジの受圧面積よりも大きい。これにより、以下に説明するように、リニアモータの駆動電流と、負荷口からの出力圧力との関係がほぼ直線関係とすることができる。
図1に、上記構成の要部を示す。図1において、スプール10はスリーブ12に軸方向移動可能に支持され、スプール10は、軸方向に間隔を置いて配列された3つのランド部14,16,18と、隣接するランド部を接続するステム部とを含む。スプール10は図示されていないリニアモータによって、図1に示すX方向、すなわち軸方向に移動駆動される。
従来一般的なスプールとスリーブの組み合わせは、スリーブの内径は軸方向に一様で、スプールの各ランド部の外径も、スリーブの内径よりやや小さめであるが同じである。図1においては、スリーブ12の内径が紙面の左側寄りの部分と右側寄りの部分とで異なり、それに応じ、左側ランド部16の直径Aは、右側ランド部18の直径Bより大きい。そして中央ランド部14は、左側ランド部16に面する方に直径Aの第1フランジ20、右側ランド部18に面する方に直径Bの第2フランジ22を有し、その間は第2フランジ22の直径Bと同じかそれよりさらに小さい直径Dの軸部で接続される。左側ランド部16と第1フランジ20との間、及び右側ランド部18と第2フランジ22との間は、いわゆるステム部で、その直径はdである。図1においては、A>B≧D>dの関係に設定される。このように、スプール10は段付き構造となり、スリーブ12もそれに対応し、内径が段付き構造となっている。
また、スリーブ12には、1次側気体圧Psが供給される供給口24と、大気Pに開放される排気口26と、中央ランド部14の軸方向の幅に対応する開口を有し、図示されていない負荷に気体圧Paを出力する負荷口28とが設けられる。そして、左側ランド部16と第1フランジ20とスリーブ12の内径と直径dのステムとにより第1圧力室30が形成され、第1圧力室30は供給口24に向かい合う。同様に、右側ランド部18と第2フランジ22とスリーブ12の内径と直径dのステムとにより第2圧力室32が形成され、第2圧力室32は排気口26に向かい合う。中央ランド部14においては、第1フランジ20と第2フランジ22とスリーブ12の段付き内径と直径Dの軸部分とで、負荷口28に向かい合う制御圧力室34が形成される。
したがって、第1フランジ20は、スリーブ12の内径と協働して、第1圧力室30と、制御圧力室34ないし負荷口28との間を仕切る機能を有し、第2フランジ22は、スリーブ12の内径と協働して、第2圧力室32と、制御圧力室34ないし負荷口28との間を仕切る機能を有する。これにより、スプール10が図1に示す−X方向に移動駆動されると、第1フランジ20が負荷口28の開口側に移動し、供給口24から1次側気体圧Psが負荷口28へ流れ込む。逆に、スプール10が図1に示す+X方向に移動駆動されると、第2フランジ22が負荷口28の開口側に移動し、図示されていない負荷から排気口26を介し大気Pに気体が開放される。そして、スプール10の移動を元に戻す付勢力又は適当なフィードバックにより、負荷口28に出力される2次側気体圧Paが所望の値に調整されることになる。
このような構成で、スプール10に図示されていないリニアモータから軸方向の駆動力Fが与えられると、この駆動力Fは、スプール10に加わる軸方向の気体圧による推力とつりあう。スプール10に加わる軸方向の気体圧による推力は、1次側気体圧Psが第1ランド部16と第1フランジ20にそれぞれ逆方向に加わり、大気Pが第2ランド部18と第2フランジ22にそれぞれ逆方向に加わるほか、制御圧力室34において、気体圧Paが第1フランジ20と第2フランジ22にそれぞれ逆方向に加わる。第1ランド部16の直径=第1フランジ20の直径=Aで、第2ランド部18の直径=第2フランジ22の直径=Bであるので、結局気体圧による推力は次の大きさとなる。
{(A−D)−(B−D)}×(π/4)×Pa=(A−B)×(π/4)×Pa
したがって、気体圧による推力は、負荷に供給したい所望の2次側気体圧Paに比例する大きさとなり、これが図示されていないリニアモータの駆動力Fとつりあう。リニアモータの駆動力は、可動子コイルに流す電流Iに比例するので、所望の2次側気体圧Paは駆動電流Iと比例関係にあることになる。その様子を図2に示す。
図2は、リニアモータの可動コイルに流す入力電流Iと、それによりスプール10が軸方向に移動駆動されて負荷口28から出力される出力圧力Pの関係を示す図である。このように、入力電流Iと出力圧力Pとは、ほぼ比例関係にある。
このように、スプールとスリーブとを用いる気体圧制御弁において、スリーブを段付き構造とし、スプールの中央ランド部の構成を、気体圧を受ける面積の異なる2つのフランジを両端に備える構成とすることで、スプールの移動駆動に対する出力圧力の非線形性を抑制して、ほぼ比例関係とすることができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、負荷口は、複数のスリットを含むものとし、スリットの整流作用により、流れる気体を乱れなく形成する。乱れなく形成された気体は、乱流、渦流を含まず、衝撃波を生ずることもない。したがって、出力圧力のノイズを抑制することができる。
また、スリットのそれぞれは平行隙間スリットとするので、負荷口を製作する加工が容易である。スリットのそれぞれは隙間広がりスリットとするので、気体の流れが下流側に向かって滑らかになる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、負荷口は、所定の断面積を有する複数の管路を並列に複数配置する。すなわち、気体流路をその断面積に渡り2次元的に多数の平行隙間に分割し、これを所定断面積の複数の管路としてその整流作用により流れる気体を乱れなく形成する。乱れなく形成された気体は、乱流、渦流を含まず、衝撃波を生ずることもない。したがって、出力圧力のノイズを抑制することができる。
また、つり合いばねを備えるので、スプールを任意のオフセット位置に設定でき、これによりスプールの中立位置あるいは駆動原点を正確に設定でき、スプールの駆動を正確なものとでき、出力圧力を精度よく制御できる。
また、スプールの運動について、変位センサ又は速度検出センサのうち少なくとも一方を備えるので、スプールの駆動に変位フィードバック又は速度フィードバック又はその双方のフィードバックが可能となり、正確なスプールの駆動を行うことができ、出力圧力を精度よく制御できる。
以下に図面を用いて、本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる寸法等の数値は、1例であり、気体圧制御弁に要求される性能、および全体の大きさ等を考慮して適宜変更することができる。
図3は、図示されていない負荷、例えば微小移動機構のアクチュエータに、精密に調整された気体圧Paを供給できる気体圧制御弁2の詳細な構成図である。ここで、図示されていない気体供給源からの供給圧Ps、大気P、負荷に供給される出力圧力である気体圧Paは、図1と同じ記号として示す。また、スプール10及びスリーブ12の内容も図1で説明したものと同じであるので、同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、スプール10の軸方向、すなわち移動方向をX方向として図1中に示す。
気体圧制御弁2は、気密構造の筐体4の中に、図1で説明したスプール10とスリーブ12と、スプール10を軸方向に移動駆動するリニアモータ40と、スプール10を軸方向に付勢するつり合いばね52,54と、スプール10の軸方向速度を検出するサーチコイル型の速度検出センサ60等を備える。
気体圧制御弁2の動作は、制御部80により制御される。制御部80には、速度検出センサ60の検出信号が入力され、これらに基づき、リニアモータ40へ駆動信号が出力される。かかる制御部80は、適当なアナログ電子回路又はディジタル電子回路や、コンピュータ等のデータ処理装置で構成することができる。制御部80は、気体圧制御弁2の一部として構成してもよく、また独立して構成してもよく、あるいは気体圧制御弁2の出力圧力が供給される負荷、例えば微小移動機構のアクチュエータ等における制御部の一部として構成することもできる。
筐体4は、内部に気体圧制御弁2の各構成要素を収納し、スリーブ12の供給口24、排気口26、負荷口28のそれぞれ接続されて外部に開口する各気体ポートを除いて気密であるケース体で、数個のブロックを組み立てて得ることができる。図3の例では、スリーブ12の外周を固定保持するブロックを中心に、リニアモータ40と速度検出センサ60を組み込みやすいように、全体として4つのブロックに分けられている。かかる筐体4は、適当な金属ブロックを加工し、適当な気密シーリングを用いながら気密に組み立て、適当な固定手段で固定して得ることができる。材質は、気密性、堅牢性等を満たせば金属以外のものを一部用いることができるが、少なくともリニアモータ40のヨーク及びサーチコイル型の速度検出センサ60のヨークを構成する部分は、磁性体であることを要する。
スプール10とスリーブ12は、図1で説明したものと同じである。なお、図3においては、記号等の輻輳を避けるため、図1で示してある寸法のA,B,D,dの表示を省略してある。スプール10とスリーブ12の構成をまとめると以下のとおりである。すなわち、スリーブ12の内径は、負荷口28のところで段付き構造となり、図3の紙面の左側すなわち+X側の内径の方が、−X側の内径より大きい。これに対応しスプール10において、左側ランド部16の直径Aのほうが右側ランド部18の直径Bよりも大きい。そして、中央ランド部14は、左側ランド部16に面する方に直径Aの第1フランジ20、右側ランド部18に面する方に直径Bの第2フランジ22を有し、その間は第2フランジ22の直径Bと同じかそれよりさらに小さい直径Dで接続される。左側ランド部16と第1フランジ20との間、及び右側ランド部18と第2フランジ22との間は、いわゆるステム部で、その直径はdである。図1においては、A>B≧D>dの関係に設定される。このように、スリーブ12は、内径が段付き構造となり、スプール10もそれに対応し、段付き構造となっている。
そして、スリーブ12には、1次側気体圧Psが供給される供給口24と、大気Pに開放される排気口26と、中央ランド部14の軸方向の幅に対応する開口を有し、図示されていない負荷に気体圧Paを出力する負荷口28とが設けられる。負荷口28は、後述するように、気体の流れを乱れなく形成するためのスリットを含む。これらは、それぞれ筐体4の供給ポート、排気ポート、負荷ポートに開口し、筐体4の供給ポートには図示されていない気体供給源が接続され、排気ポートは大気に開放され、負荷ポートには微小移動機構のアクチュエータ等の負荷が接続される。
そして、左側ランド部16と第1フランジ20とスリーブ12の内径と直径dのステムとにより第1圧力室30が形成され、第1圧力室30は供給口24に向かい合う。同様に、右側ランド部18と第2フランジ22とスリーブ12の内径と直径dのステムとにより第2圧力室32が形成され、第2圧力室32は排気口26に向かい合う。中央ランド部14においては、第1フランジ20と第2フランジ22とスリーブ12の段付き内径と直径Dの軸部分とで、負荷口28に向かい合う制御圧力室34が形成される。
また、スプール10の右側ランド部18の外周部と、それを支持するスリーブ12の内径との間に気体軸受が設けられる。具体的には、右側ランド部18の外周部に、軸方向に沿って複数の浅溝が設けられ、この各浅溝に、第1圧力室30の供給圧Psが供給される。そのために、スプール10の中心には、連通路36が設けられ、第1圧力室30と、右側ランド部18の外周部の各浅溝とが接続される。右側ランド部18の直径と、これに対応するスリーブ12の内径との間の隙間を例えば7μmとすると、浅溝の深さは、約3〜7μmとすることができる。このような浅溝から気体を噴出し、軸方向に流すことで、いわゆる表面絞り効果により、右側ランド部18すなわちスプール10をスリーブ12から浮上させることができる。このような気体軸受を用いることで、スプール10の軸方向移動の負荷を減少させて滑らかな移動とし、精度よくスプール10を移動させることができる。
かかるスプール10とスリーブ12は、金属材料を精密に加工して得ることができる。特に、スプール10のランド部14,16,18と、スリーブ12の内径は、お互いに摺動するので、滑らかに精度よく仕上げることが必要である。寸法例をあげると、スプール10において、左側ランド部16及び第1フランジ20の直径Aを10mm、右側ランド部18及び第2フランジ22の直径Bを9.5mm、ステムの直径dを5mm、第1フランジ20と第2フランジ22との間の軸の直径Dを9mmとすることができる。スリーブ12の内径は、上記のように、スプール10の直径A,Bに対応し、それより約7μm程度大きめにすることが好ましい。
リニアモータ40は、スプール10を軸方向に移動駆動する駆動機構で、スプール10の軸方向の一方側における先端部に固定して取り付けられる。図3の例では、左側ランド部16に近い先端部に取り付けられる。リニアモータ40は、軸方向、すなわち図3のX方向に沿って配置される固定子磁気ギャップと、その固定子磁気ギャップの中を軸方向に移動する可動子を含む直線駆動装置で、スプール10を軸方向に移動駆動する機能を有する。具体的には、磁性体である筐体4の一部に、X方向を軸方向とする円環状のギャップが設けられ、そのギャップの一方側に磁石42が取り付けられる。このことで、ギャップが、軸方向に配置された固定子磁気ギャップとなる。可動子は、この固定子磁気ギャップの中を軸方向に移動できる円環状の部分を有する移動体44と、移動体44の円環状の部分に軸方向に配列されたコイル46を含んで構成される。
このような固定子磁気ギャップと可動子の組み合わせにより、コイル46に駆動電流を流すことで、この電流と、コイル46を鎖交する固定子磁気ギャップの磁束との協働作用により、コイル46に軸方向の駆動力が与えられる。そして、このような構造において一般には、固定子磁気ギャップの中の磁束密度は、軸方向の場所により変化しない。したがって、固定子磁気ギャップの中をコイル46が軸方向に移動する分には、磁気ギャップとの協働作用に大きな変化がなく、いわゆる移動についてのヒステリシスがほとんど生じない。
磁石42は、固定子磁気ギャップを形成し、コイル46に鎖交する磁束を発生するためのものである。磁石42は、上記の円環状ギャップに合わせ、円環状としてもよく、また必要なトルクを得る程度に、円管状ギャップの一部に設けてもよい。かかる磁石としては、高性能の永久磁石を用いることができる。筐体4に磁石42を取り付けるには、適当な接着材を用いてもよく、あるいは、磁性体と磁石の吸引力のみで保持することもできる。
移動体44は、固定子磁気ギャップと協働して駆動力を発生するコイル46を搭載し、またスプール10が取り付けられる部品である。移動体44は、概略お椀形の形状のもので、お椀形の円環状側面にコイル46が円周方向に沿って巻きつけられる。お椀形の底にあたる部分は、スプール10との接続部である。かかる移動体44は、適当な強度を有する金属又は樹脂を用い、一体成形で得ることができる。また、必要なトルクを得られるならば、移動体44を完全な円環状とせずに、円環状の一部の形状として、そこにコイル46を巻回してもよい。
コイル46は、絶縁被服導線を移動体44の円環状側面に円周状に複数回巻回されたもので、導線の抵抗、巻数等は、固定子磁気ギャップの特性設定とともに、リニアモータ40の速度や応答性性能の面から設定される。また、コイル46の引き出し線は、移動体44の円環状側面に沿って適当に這わされたのち、たわみを十分に持った自由端となって、空中を経由して接続端子50に接続される。このたわみや、導線のしなやかさは、移動体44の高速移動や応答性等に影響が少ないように選ぶことが好ましい。
スプール10の軸方向の両端部には1対のつり合いばね52,54が設けられる。1対のつり合いばね52,54は、スプール10の両端にそれぞれ軸方向の付勢力が釣り合わさって加えられるように設けられるばねである。かかるつり合いばね52,54としては、適当なコイルばねを用いることができる。コイルばね以外の板ばね等の付勢手段を用いてもよい。図3の例では、一方のつり合いばね52には、スプール10の一方側の先端部と、筐体4との間の圧縮コイルばねが用いられ、他方のつり合いばね54は、スプール10の他方側の先端部と、筐体4にねじ込まれるゼロ点調整ねじ56の先端との間の圧縮コイルばねが用いられている。つり合いばねは1対でなくても、単一のばねでスプール10の中立位置を釣り合わせるものであればよい。
ゼロ点調整ねじ56は、筐体4にねじ込まれる量を調整することで、つり合いばね52,54の全体の長さを変化させ、これによりスプール10を軸方向の任意のオフセット位置に設定できる機能を有するねじである。ここでゼロ点とは、X方向の幾何学的な原点という意味よりは、気体圧制御弁2の動作点のゼロ点という意味が強い。すなわち、ゼロ点調整ねじ56により、気体圧制御弁2の組み立て後に、その動作点を最適に設定することができる。
上記のように移動体44は、スプール10の軸方向の一方側における先端部、詳しくは左側ランド部16に近い先端部に取り付けられるが、スプール10の軸方向の他方側における先端部には、サーチコイル型の速度検出センサ60が取り付けられる。速度検出センサ60の構成は、リニアモータ40の構成と同様で、筐体4に軸方向に沿って設けられる磁石62、コイル66が巻回される移動体64を含む。この構成により、スプール10が軸方向に移動することで、筐体4と磁石62とで形成される固定子磁気ギャップの磁束をスプール10と一体として運動するコイル66が鎖交し、コイル66にスプール10の速度に比例する起電力が発生する。その出力を接続端子70を介して制御部80へスプール10の速度検出信号としてフィードバックすることができる。
スプール10の運動状態を制御部80にフィードバックするのは、スプール10の速度以外のものでもよい。図4は、速度検出センサ60に代えて、スプール10の軸方向の位置情報を検出する差動変圧器方式の変位センサ82を用いるときの構成を示す図である。ここでは、スプール10の他方側の先端部をさらに延ばし、その先に軟磁性体プローブ84を取り付け、これと協働するトランス巻線86を筐体4側に設ける。軟磁性体プローブ84は、スプール10と一体として軸方向に移動し、トランス巻線86の空洞部への挿入長さに応じた信号がトランス巻線86から出力される。トランス巻線86の各端子は、接続端子88を介して制御部80に接続されるので、必要な動作条件は制御部80から供給され、軟磁性体プローブ84の軸方向変位に応じた信号は制御部80に出力される。
この他に、光学式の位置検出センサ等を用いてもよい。また、位置検出及び速度検出をともに行い、制御部80にフィードバックしてもよく、さらに加速度のフィードバックを行うこととしてもよい。このように、スプール10の運動情報を検出して制御部80に供給することで、制御部80において、変位、速度、加速度等のフィードバック制御を行うことができ、精密な気体圧Paの制御が可能になる。
次に、スリーブ12の負荷口28について、特に、気体の流れを乱れなく形成するためのスリットを説明する。図5は、気体圧制御弁2のスリーブ12の部分を抜き出し、その外形を示す図である。スリーブ12の外周には、供給口24、排気口26とともに負荷口28が設けられる。一般的には、図5に示すように供給口24、排気口26は丸穴、負荷口28は矩形穴が用いられることが多いが、もちろんそれ以外の形状の穴でもよい。
スプール10とスリーブ12の相対的位置関係で気体圧を制御する気体圧制御弁2においては、負荷口28において、供給口24側から圧力気体が流れ込むとき、あるいは負荷側の気体が大気に連通する排出口に流れるとき、中央ランド部と供給口側、あるいは中央ランド部と排出口側のところでは狭い隙間を圧力気体が高圧側から低圧側に流れることになる。このように狭い隙間で気体が絞られると、オリフィスによって気体が絞られるのと同様に乱流や渦流、また衝撃波が生ずることがある。そこで、スリーブ12の負荷口28には、気体の流れを乱れなく形成するためのスリットが設けられる。
図6は、矩形穴の負荷口28にはめ込まれるスリット絞り100を示す図である。スリット絞り100全体の外形は、負荷口28の内側形状にはめ込んで固定できるように形作られる。図6の例では、4つのスリット104を形成するように2つの広溝付き板102が積層される。スリット絞り100全体としては、気体の流入側、つまりスリーブ12の内径側の方が小さい寸法で、気体の流出側であるスリーブ12の外周側の方が大きい寸法となっている。これは、矩形穴の負荷口28が、スプール10の中心軸から見て一定の見込み角で外周に向かって広がる形状となるのにあわせたものである。また、このように、気体の流入側のスリット開口面積より流出側のスリット開口面積を大きくすることで、気体の流れがより滑らかになる効果も有する。
スリット104の大きさは、気体圧Paを2〜5×10Paとし、流速を10〜30m/secとして、隙間をおよそ50μmとし、幅および長さを数mmとするのが好ましい。このようにすることで、スリット104を流れる気体を整流し、乱流や渦流、また衝撃波が生ずることを抑制できる。
図6のスリット絞り100は、気体の流入側の隙間より流出側の隙間のほうが広くなるいわば隙間広がりスリットであるが、もちろん隙間が一定の平行隙間であってもよい。また、スリット開口の長手方向をスリーブ12の軸方向としたが、これを軸方向と直交する方向あるいは傾いた方向としてもよい。
また、図5においては、スリーブ12の円周方向の一部に設けられた負荷口28にスリット絞りをはめ込むものとしたが、この場合、負荷口28は複数であってもよい。たとえば、スリーブ12の円周方向に沿い、90度毎に1つの負荷口28を配置し、合計4個の負荷口28にそれぞれスリット絞り100をはめ込むものとしてもよい。
また、スリーブ12の円周に沿い、一定間隔で、スリーブ12に直接、複数のスリットを設けることにしてもよい。図7は、スリーブ12の円周全体に渡って配置される、隙間がおよそ50μm程度、幅および長さが数mmの複数のスリット110で、負荷口28を構成する様子を示す図である。図7のM−M線における断面図を図8に示す。この例では、スリーブ12の円周全体に渡り、20個のスリット110を配置して負荷口28を構成している。各スリット110は、気体の流入側の隙間より流出側の隙間のほうが広くなるいわば隙間広がりスリットである。もちろん、隙間が一定の平行隙間スリットであってもよい。
上記において、乱れなく流れを形成するのに、負荷口28の矩形開口に広溝付き板102を積層したスリット絞り100をはめ込む構成を用いて説明したが、負荷口28の開口は矩形でなくてもよい。また、流れを乱れなく形成する絞り部は、溝つき板の積層でなくてもよい。図9〜図12は、他の絞り部の構成を示す模式図である。図9に示す絞り部250は、直径の異なる複数のパイプ252を同軸に配置し、パイプ間の隙間を平行隙間とし、その隙間を例えば約50μmとし、その長さを数mmとするものである。図10に示す絞り部260は、らせん状に巻いた管262からなり、らせん管の隣り合う隙間を平行隙間とし、その隙間を例えば約50μmとし、その長さを数mmとするものである。図11に示す絞り部270は、絞り部270の軸方向に平行な方向に複数の平行平板272を配置し、平行平板間の隙間を例えば約50μmとし、その長さを数mmとするものである。
これらの構成のように、約50μmの隙間で、数mmの長さを有する流路であれば、流れを乱れなく形成することができる。例えば、図11において、絞り部270の軸方向に平行な方向に複数の平行平板を配置したが、絞り部の断面を複数に区分し、区分されたそれぞれの小断面積の大きさを所定の大きさ、例えば、50μm角とすることでもよい。断面の形状は多角形でもよい。図12に示す絞り部280は、断面を円としたもの、すなわち、直径が約50μmの細長い管路282を複数束ね、絞り部としたものである。
なお、上記において、隙間の大きさを約50μmとし、その長さを数mmとして説明したが、そこを流れる気体を乱れなくできる隙間の大きさ、隙間の長さは、そこに流す気体の圧力及び流速等により異なり、上記の値は一例であり、例えば500μm程度の隙間でもある程度の効果がある。なお、かかる整流絞りは、ポートの数により3WAY、4WAY、5WAY等と呼ばれることのある通常の流量制御弁に応用しても同様の効果がある。
かかる構成の気体圧制御弁2の作用を説明する。制御部80からリニアモータ40に駆動信号がまだ与えられていないときに、ゼロ点調整ねじ56の調整によりつり合いばね52,54を釣り合わせて、スプール10の中央ランド部14がスリーブ12の負荷口28をちょうどふさぐようにする。これがリニアモータ40の初期位置となる。そして、気体圧制御弁2の供給口24に供給圧Psの気体が図示されていない気体供給源から供給され、排気口26は大気Pに開放される。このとき、負荷口28からは何も出力されない。
次に、負荷であるアクチュエータ等を作動させるために、必要な気体圧Paを負荷口28から供給する指令が制御部80に出されると、制御部80は所望の気体圧Paを出力するために必要なリニアモータ40への駆動電流値Iを予め決められているテーブルあるいはソフトウェアを用いて読み出す。図2で説明したように、スプール10とスリーブ12の段付き構造の効果で、リニアモータ40への駆動電流Iと、制御圧力室34の出力圧力Pとは比例関係にあるので、その換算は容易である。そして、駆動回路に指示し駆動電流値Iの電流を、接続端子50を経由してリニアモータ40のコイル46に供給する。電流Iが流れるコイル46は、ヨークを構成する筐体4と磁石42により形成される固定子磁気ギャップからの鎖交磁束と協働し、軸方向の駆動力を得る。これにより、リニアモータ40の移動体44と一体のスプール10は、電流Iに応じて軸方向に移動駆動される。
そして、スプール10の中央ランド部14とスリーブ12の負荷口28の位置関係が変化し、それに応じ制御圧力室34の出力圧力が変化し、上記のように駆動電流Iに略比例した気体圧Paとなる。
このとき、負荷口28には、供給口24から、又は排気口26へ、気体が流れるが、負荷口28に設けられるスリット絞り100により、気体の流れが整流され、乱流や渦流、また衝撃波が生ずることが抑制される。
このように、スプール10とスリーブ12とにおいて段付き構造を採用することで、スプールの移動駆動に対する出力圧力の非線形性を抑制でき、また、負荷口28に気体の流れを整流するスリットを設けたので出力圧力のノイズを抑制することができる。
本発明に係る気体圧制御弁は、以下の気体アクチュエータに供給する気体圧を制御するのに用いることができる。すなわち、微小移動機構用の気体アクチュエータ、粗動及び微小移動可能な機構の気体アクチュエータ、アクティブ除振用の気体アクチュエータ、精密位置決め装置の気体アクチュエータ、容器内の精密な圧力制御等に、精密に制御された気体圧を供給するのに用いることができる。
本発明に係る実施の形態において、スプールとスリーブの要部を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、リニアモータへの入力電流Iと、負荷口からの出力圧力Pの関係を示す図である。 本発明に係る実施の形態における気体圧制御弁の詳細な構成図である。 本発明に係る実施の形態において、スプールの軸方向変位を検出する変位センサを用いるときの構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、気体圧制御弁のスリーブの外形を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、矩形穴の負荷口にはめ込まれるスリット絞りを示す図である。 本発明に係る実施の形態において、スリーブの円周全体に渡って配置される複数のスリットで負荷口を構成する様子を示す図である。 図7のM−M線における断面図である。 本発明に係る実施の形態において、負荷口に設けられ、流れを乱れなく形成する絞り部の他の例である。 本発明に係る実施の形態において、負荷口に設けられ、流れを乱れなく形成する絞り部のさらに他の例である。 本発明に係る実施の形態において、負荷口に設けられ、流れを乱れなく形成する絞り部の別の例である。 本発明に係る実施の形態において、負荷口に設けられ、流れを乱れなく形成する絞り部のさらに別の例である。
符号の説明
2 気体圧制御弁、4 筐体、10 スプール、12 スリーブ、14 中央ランド部、16 左側ランド部、18 右側ランド部、20 第1フランジ、22 第2フランジ、24 供給口、26 排気口、28 負荷口、30 第1圧力室、32 第2圧力室、34 制御圧力室、40 リニアモータ、42,62 磁石、44,64 移動体、46,66 コイル、50,70,88 接続端子、52,54 つり合いばね、60 速度検出センサ、80 制御部、82 変位センサ、84 軟磁性体プローブ、86 トランス巻線、100 スリット絞り、104,110 スリット、102 広溝付き板、250,260,270,280 絞り部、252 パイプ、262 らせん状に巻いた管、272 平行平板、282 細長い管路。

Claims (7)

  1. 間隔をおいて軸方向に配列された複数のランド部と、隣接するランド部を接続するステム部とを含むスプールと、
    スプールを軸方向移動可能に支持する内壁を有し、スプールと協働してスプールの隣り合うランド部の間の空間を内壁で囲むことで少なくとも第1圧力室と第2圧力室とを形成するスリーブであって、第1圧力室に対し1次側気体圧を有する気体を供給する供給口と、第2圧力室から気体を排気する排気口と、第1圧力室又は第2圧力室から2次側気体圧を有する気体を取出して出力する負荷口とを含むスリーブと、
    スプールを軸方向に直線駆動する駆動機構であって、軸方向に配置された固定子磁気ギャップと、駆動電流信号が入力されるコイルを有し固定子磁気ギャップと協働して軸方向に駆動される可動子とを含む駆動機構と、
    を備え、
    第1圧力室は、負荷口に向かい合う負荷口ランドと、負荷口ランドの一方側に隣接する一方側ランドとの間に形成され、
    第2圧力室は、負荷口ランドの他方側に隣接し一方側ランドの外径よりも小さい外径を有する他方側ランドとの間に形成され、
    負荷口ランド部は、
    第1圧力室側に設けられ、一方側ランドの外径と同じ外径を有する第1フランジと、
    第2圧力室側に設けられ、他方側ランドの外径と同じ外径を有する第2フランジと、
    第1フランジと第2フランジとの間を接続し第2フランジの外径と同じかそれより小さい外径の接続ランドと、
    を有し、
    駆動機構は、
    スプールに加わる軸方向の気体圧による推力である気体圧推力が、第1フランジの受圧面積と第2フランジの受圧面積の差である受圧面積差に負荷口の2次側気体圧を乗算した値となることを利用し、2次側気体圧に比例した駆動電流信号による駆動力をこの気体圧推力に釣り合わせてスプールを軸方向に駆動し、
    スリーブに設けられる負荷口は、
    一方の開口が負荷口に面し、他方の開口がスリーブの外周に設けられる複数のスリットを含み、スリットの整流作用により流れる気体を乱れなく形成することを特徴とする気体圧制御弁。
  2. 請求項1に記載の気体圧制御弁において、
    スリーブに設けられる負荷口は、
    スリーブの円周に沿って一定間隔で設けられる複数のスリットで構成されることを特徴とする気体圧制御弁。
  3. 請求項1に記載の気体圧制御弁において、
    複数のスリットのそれぞれは、所定の平行隙間を有する平行隙間スリットであることを特徴とする気体圧制御弁。
  4. 請求項1に記載の気体圧制御弁において、
    複数のスリットのそれぞれは、一方の開口の隙間より他方の開口の隙間が広い隙間広がりスリットであることを特徴とする気体圧制御弁。
  5. 請求項1に記載の気体圧制御弁において、
    スリーブに設けられる負荷口は、
    複数のスリットに代えて、
    一方の開口は負荷口に面し、他方の開口はスリーブの外周に設けられ、気体の流れ方向に沿い並列に配置された所定の断面積を有する複数の管路を含み、管路の整流作用により流れる気体を乱れなく形成することを特徴とする気体圧制御弁。
  6. 請求項1に記載の気体圧制御弁において、
    スプールに対し、軸方向に沿った任意のオフセット位置を中心に付勢するつり合いばねを備えることを特徴とする気体圧制御弁。
  7. 請求項1に記載の気体圧制御弁において、
    スプールの軸方向の変位を検出する変位センサ又は軸方向の速度を検出する速度検出センサのうち少なくとも一方を備えることを特徴とする気体圧制御弁。
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