JP4694784B2 - 慢性関節炎の処置 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は、CD3抗原で標的化された抗体を用いる、慢性関節炎、特に慢性炎症性滑膜炎、さらに特にリウマチ様関節炎および関連する病気の処置方法およびその処置に使用するための薬物の製造のためのかかる抗体の使用に関する。
発明の背景
リウマチ様関節炎は、関節および他の組織に発症する慢性炎症性疾患であり、先進国において成人集団の10,000分の1〜10の年間発生率および約1%の罹患率を有する。病気によりもたらされる疼痛および苦痛は別として、疾患の進行性質は、罹患率および死亡率に有意な影響を有し、3.0までの標準的な死亡率をともなう。米国単独における疾患の年間費用は、十億ドルを相当上回ると見積もられている(Brooks,The Lancet, 30th 1993年、286頁)。現在の疾患の処置方法は満足できるものではなく、問題は、応答の予測不可能さ、および多くの薬剤が十分には許容されず、および/または潜在的に危険な有害な影響を有する事実を含む。滑膜組織の匹敵する炎症を伴う多数の他の関連する「リウマチ様」疾患が存在し、硬直性脊髄炎、乾癬性関節炎および慢性滑膜炎症の見出しの下にあると考えられうるいくつかの型の変形性関節炎が含まれる。
国際公開第93/97899号は、CDw52抗原を認識する抗体を単独で、または抗CD4抗体と組み合わせて用いる関節のT-細胞媒介炎症の処置に関する。リウマチ様関節炎を処置するためのヒト化モノクローナル抗体、Campath-1Hの使用が特に記載されている。かかる治療は有意な改善の望みを提供するが、全身のTリンパ細胞の重篤な枯渇を含む。患者のTリンパ球のレベルが低い間、少なくとも理論的には、彼らは免疫無防備状態であり、感染に対して脆弱になり、疾患の症状は回復する。感染の危険性と治療有効性との間のバランスは、リウマチ様関節炎などの慢性の病気に対して医師にCampath-1Hの使用を魅力のないものにする。抗CD4抗体はまた、他者により慢性関節炎の処置について示唆されたが、かかる抗体が臨床において適切に効果的であるとはずっと示されなかった。
CD3抗原の考察は、例えば、ヒト白血球抗原に関する第1回国際ワークショップおよび会議(First International Workshop and Conference on Human Leukocyte Differentiation Antigens)のレポート中に見出されうる。CD3抗原に対する種々のグリコシル化抗体もまた、この一連のワークショップおよび会議(Workshops and Conferences)のレポート、特に、オックスフォード大学出版(Oxford University Press)により刊行された第3回および第4回に記載されている。抗CD3抗体は、従って、約20年間知られているが、重篤となりうる初回投薬反応のために、例えば、腎臓、肝臓および心臓同種移植片の移植後の拒絶エピソードの処置における免疫抑制剤としての限られた使用のみを有する。
抗CD3モノクローナル抗体は、IL1(インターロイキン1)およびIL2(インターロイキン2)等の二次増殖刺激に対してT細胞を感作するために使用されうることが知られている。さらに、所定のCD3モノクローナル抗体は、それ自身、T細胞に対して分裂促進性である。この特性は、イソ型依存性であり、CD3抗体Fcドメインとアクセサリー細胞の表面上のFcレセプターとの相互作用から生じる。げっ歯類のCD3抗体は、抗原に対するT細胞応答を抑制、増強または再指向(re-direct)することにより免疫学的状態に影響を及ぼすために使用されている。
米国特許第5,968,509号は、CD3に標的化されたヒト化モノクローナル抗体に関し、移植片拒絶を制御し、リンパ腫を処置するためのそれらの使用を記載している。米国特許第5,585,097号は、米国特許第5,968,509号に記載される型の改善された抗CD3抗体に関し、それらがアグリコシル化されている限りは、治療に使用される場合、「初回投薬応答」に関連する副作用を減少した。
Malfaitら、Arthritis and Rheumatism Vol44, No5, 2001年5月、pp1215-1224は、疾患改変および回復誘導治療を試験するためのモデルとしてDBA/1マウスにおける慢性再発性コラーゲン誘導性関節炎に関する。調査された1つの治療は、56日間の研究期間の残りの間、マウスにおいて関節炎の進行をブロックした症状の開始後に投与される抗CD3抗体+抗腫瘍壊死因子抗体の組み合わせ治療であった。
上記のマウスモデルは、T細胞反応性を刺激する抗原誘導刺激に大いに依存する。かかる誘発抗原は、ヒトリウマチ様関節炎、硬直性脊髄炎または乾燥性関節症についてはまだ同定されているものはない。マウス疾患がヒト滑膜障害と比較できる指標の非存在下では、それゆえ、データからヒトリウマチ様関節炎および関連する滑膜炎症障害への治療的利益を推定することができない。
発明の要旨
1つの局面によれば、本発明は、慢性関節炎の処置用薬物の製造のためのCD3抗原複合体に対する結合親和性を有する抗体の使用に関する。
さらなる局面によれば、本発明は、抗CD3抗体を含むことを特徴とする慢性関節炎の処置のための治療用組成物に関する。
なおさらなる局面によれば、本発明は、患者に抗CD3抗体の治療有効量を投与することを含む慢性関節炎に対する治療を必要とする患者の処置方法に関する。
本明細書中で使用する場合、以下の用語は提示される定義を有する:
「CD3」はクラスター名(Cluster Designation)3を意味する;
「アグリコシル化」は、本明細書中では、297位のアスパラギンからアラニンへの変異によりその主要なグリコシル化部位を失った抗体を意味する;
「初回投薬反応(first dose reaction)」は、CD3抗体の初回用量投与の結果、起こることが知られているサイトカイン放出反応を意味し、患者に対する有意な病的状態および不快感にしばしば関連する;
抗体に関する「親和性」は、そのリガンド(抗原)に結合する抗体の結合アームの各々の能力を意味する。
抗CD3抗体を使用する本発明の処置は、持続性のある長期の利益を提供するために必要とされるのは短期間の処置のみであるという大きな利点を有する。例えば、処置は、少なくとも6ヶ月間、引き続く再投与なしで、2週間までの期間、例えば、1〜5日間で行われ得る。この処置は、少なくとも6ヶ月の期間にわたって、多くの場合には、大いにより長く、例えば、24ヶ月以上、患者に持続性のある長期の利益を提供する。
本発明の抗CD3抗体の使用はまた、Campath1-Hを用いる場合のようなTリンパ球の枯渇を生じないという利点を有する。
本発明の抗CD抗体での治療は、抗CD3抗体に関連する初回投薬反応が、回避されるか、または少なくとも患者により許容されうるレベルに低減されるような様式で行われるべきである。初回投薬反応は、抗体の改変および/または反応を低減する別の物質を伴う抗体の投与により低減されうる。
初回投薬反応を低減しうる抗体の改変の例は、FabまたはF(ab')2断片およびFcレセプターへの結合が防止されるように設計された抗体のFc領域における他の変異の使用である。
抗CD3抗体とともに投与された場合、初回投薬反応を低減しうる物質の例は、ステロイドおよび抗ヒスタミンでの予防である。
抗CD3抗体は、慢性関節炎を処置するための他の治療剤とともに投与され得、抗体は病気に対する全体の治療の一部としてかかる薬剤とともに使用されうる。かかる他の治療剤の例としては、ステロイド、抗TNF抗体が挙げられる。慢性関節炎に対する多くの治療は免疫抑制性であり、これらはまた、抗CD3抗体に対する初回投薬反応の低減において有効でありうる。また、抗CD3抗体の投与と任意の治療利益を経験する患者との間にタイムラグがあり得、このタイムラグは数週間に達しうる。他の治療剤をともなう全体のストラテジーの一部としての抗CD3抗体の使用は、このラグタイムの間、病気の徴候を緩和することにおいて補助しうる。
発明の詳細な説明
PCT/GB99/02380号は、好ましいキメラ抗CD3抗体の全配列を開示しており、これは部分的にヒト化されており、本発明における使用に適切である。
本発明の方法における使用に好ましい抗体は、1つ以上のヒト化モノクローナル抗体、アグリコシル化抗体ならびに抗体OKT3およびYTH12.5.14.2に含まれるCDRを有する抗体である。
抗体OKT3は、Chatenoudら、Transplantation,1991, 51, 334およびNew England Journal of Medicine paper, 1985, 313, 339、さらに欧州特許第0018 795号および米国特許第4,361,539号等の刊行物で考察されている。抗体YTH 12.5.14.2(以下、本明細書中ではYTH12.5と呼ぶ)は、Cobbold, S.P.&Waldmann, H. 1984Nature 308, 460-462およびClarkら、European J.Immunol.,1989, 19, 381-388等の刊行物で考察されており、作り変えたYTH 12.5抗体は米国特許第5,968,509号の主題およびその等価物であり、この出願は、この抗体に存在するCDRを詳細に記載している。本発明は、いかなる特定の抗CD3抗体の使用にも限定されず、本発明の抗体は、好ましくは、アミノ酸配列:
およびその保存的改変バリアントから選択された少なくとも1つのCDRを有する。
用語「保存的改変バリアント」は当該分野で周知の用語であり、抗体-抗原親和性に対して実質的に影響しない変化を含むバリアントを表す。
CDRは、(a)、(b)および(c)の重鎖および(d)、(e)の軽鎖および(f)可変ドメインのフレームワーク領域内に位置する。前記抗体はまた、定常ドメインを含む。
好ましい態様では、アグリコシル化抗体は、上記アミノ酸配列(a)、(b)および(c)に対応する3つのCDRまたはその保存的改変バリアントおよび/またはアミノ酸配列(d)、(e)および(f)に対応する3つのCDRまたはその保存的改変バリアントを有し、重鎖CDR(a)、(b)および(c)が最も重要である。
CD3抗原に対する結合親和性を有する本発明の使用または方法に好ましいアグリコシル化抗体は、従って、少なくとも1つのCDRおよび特に、アミノ酸配列番号1〜6(a〜f)およびその保存的改変バリアントから選ばれる3つのCDRを有する。
本発明のアグリコシル化抗体が本明細書上記に記載された好ましいCDRを含む場合、これは、1つ以上の特定化された重鎖CDRおよび1つ以上の特定化された軽鎖CDRの両方を都合よく含む。CDR(a)、(b)および(c)は、リーダー->定常ドメイン(N末端〜C末端)方向にて配列:フレームワーク領域1/(a)/フレームワーク領域2/(b)/フレームワーク領域3/(c)/フレームワーク領域4で重鎖に配置され、CDR(d)、(e)および(f)は、リーダー->定常ドメイン方向にて配列:フレームワーク領域1/(d)/フレームワーク領域2/(e)/フレームワーク領域3/(f)/フレームワーク領域4で軽鎖中に配置される。それゆえ、3つ全てが存在する場合、重鎖CDRは、リーダー->定常ドメイン方向配列にて配列(a)、(b)、(c)で配置され、軽鎖CDRは、リーダー->定常ドメイン方向にて配列(d).(e).(f)で配置される。
しかし、本発明の使用のためのアグリコシル化抗体は、本明細書上記に記載のものとは全く異なるCDRを含み得、この場合ではなくても、CDR(a)、(b)および(c)ならびに(d)、(e)および(f)のそれぞれ1つまたは2つのみを含む重鎖および特に軽鎖を有することは可能であることが理解されるべきである。しかし、それゆえ上記の6つ全てのCDRの存在が本発明のアグリコシル化抗体に必ずしも必要ではないが、6つ全てのCDRは最も好ましい抗体に通常は大抵存在する。
それゆえ、特に好ましいアグリコシル化抗体は、アミノ酸配列(a)、(b)および(c)を含む3つのCDRまたはその保存的改変バリアントを有する重鎖ならびにアミノ酸配列(d)、(e)および(f)またはその保存的改変バリアントを含む3つのCDRを有する軽鎖を有し、ここで重鎖CDRはリーダー定常領域方向にて順番(a)、(b)、(c)で配置され、軽鎖CDRは、リーダー定常領域方向にて順番(d)、(e)、(f)で配置される。
CDRは、可変フレームワーク領域および/または定常領域と異なる起源のものであり得、CDRは通常ラットまたはマウス起源であるので、これは、ヒトにおける抗グロブリン応答を回避するのに有利であるが、本発明はかかるラットまたはマウス起源の領域を有する抗体にまで及ぶ。
より通常には、CDRは、可変フレームワーク領域等の同じ起源のいずれかであるが、定常領域とは異なる起源であり、例えば、部分的ヒトキメラ抗体であるか、またはより一般的には、CDRは、可変フレームワーク領域とは異なる起源のものである。
本明細書中上記で考察された好ましいCDRは、ラットCD3抗体から得られる。従って、可変ドメインフレームワーク領域は種々の形態をとりうるが、げっ歯類、例えば、ラットまたはマウスのものであるかもしくはそれに由来し、より好ましくはヒト起源のものであるかもしくはそれに由来することが好都合である。1つの可能性は、抗体がYTHI2.5ハイブリドーマのものに対応する可変ドメインフレームワーク領域を有することであるが、定常領域は、ヒト起源のものであるかもしくはそれに由来することがさらに好ましい。しかし、本発明の抗体は、可変ドメインフレームワーク領域および明細書中以下で考察されるような、定常領域、または他の非免疫原性形態の両方に関してヒト起源の形態であることが好ましい。
従って、本発明は、ヒトCD3抗原に対する結合親和性を有し、可変性ドメインフレームワーク領域および/または定常領域がヒト起源のものであるかまたはそれに由来するアグリコシル化抗体の使用をさらに含む。所定のヒト可変ドメインフレームワーク配列は、好ましいCDR配列の移植に好適である。なぜなら、CDRの3次元コンフォメーションがかかる配列ではより良好に維持され、抗体は、抗原に対して高いレベルの結合親和性を保持するからである。かかる可変ドメインフレームワークの所望の特徴は、CD3抗原に対する抗体の親和性および特異性を確実にするためのCDRループの構造を維持するキーアミノ酸の存在であり、λ型が軽鎖に好ましい。
上記CDRと組み合わせた使用に特に適切なヒト可変領域フレームワークは、米国特許第5,968,509号において以前に同定された。重鎖可変(V)領域フレームワークは、B細胞ハイブリドーマ細胞株18/2(Genbank Code: Huminghat. Dersimonianら、Journal of Immunologv139, 2496 2501)に由来するヒトVH型III遺伝子 VH26.D.J.によりコードされるものである。軽鎖可変領域フレームワークは、ヒトVLλ型VI遺伝子SUT(Swissprot code; LV6CSHum, Solomonら、In Glennerら(編),Amyloidos's, Plenum Press N.Y., 1986, p.449)のものである。
ラット抗CD3抗体の重鎖の1つ以上の好ましいCDRは、それゆえ、リーダー->(矢印)定常領域方向にて、以下のアミノ酸配列読み枠を有するヒト可変ドメインフレームワークに好ましくは存在し、CDRは本明細書上記に規定のCDR(a)、(b)もしくは(c)、その保存的改変バリアントまたは代替CDRを示す。
3つ全ての好ましいCDRを含むアグリコシル化抗体において、重鎖可変領域は以下の配列:
を含む。
同様に、ラットCD3抗体の軽鎖の1つ以上の好ましいCDRは、それゆえ、リーダー->定常領域方向にて以下のアミノ酸配列読み枠を有するヒト可変ドメインフレームワークに好ましくは存在し、CDRは本明細書上記のCDR(d)、(e)および(t)、その保存的改変バリアントまたは代替CDRを示す。
3つ全ての好ましいCDRを含むアグリコシル化抗体において、軽鎖可変領域は以下の配列:
を含む。
好ましくは、ヒト抗体由来可変フレームワーク領域を有するヒト化形態において、例えば、1つ以上の上記の好ましいCDRを含む可変ドメインは、適切な定常ドメインに付着される。
重鎖および軽鎖定常領域は、抗体がIgG抗体であることを望ましい条件として種々の型の抗体に基づきうるが、それらは、ラットまたはマウス起源のものであるかまたはそれに由来するものであり得、それらは、好ましくはヒト起源のものであるかまたはそれに由来する。軽鎖に関して、定常領域は、好ましくは、λ型であり、重鎖に関して、IgGイソ型、特に、適切であるようにアグリコシル化に影響するように改変されたIgG1が好ましい。IgGイソ型の全てのヒト定常領域は、297位のアスパラギン残基でグリコシル化されていることが知られており、これは、N-グリコシル化モチーフアスパラギン297-X298-セリン299またはスレオニン299の一部を構成し、ここでXはプロリン以外の任意のアミノ酸の残基である。従って、本発明の抗体は、グリコシル化され得ない別のアミノ酸でのかかる定常領域のアスパラギン297の置換によりアグリコシル化されうる。任意の他のアミノ酸残基が、潜在的に使用され得るが、アラニンは最も好ましい。あるいは、アスパラギン297でのグリコシル化は、モチーフの他の残基の1つを変化させることにより、例えば、残基298をプロリンで置換することにより、または残基299をセリンまたはスレオニン以外の任意のアミノ酸で置換することにより防止されうる。この部位特異的変異誘発を行うための技術は当業者に周知であり、例えば、Amershamから市販されているような、例えば、部位特異的変異誘発キットを用いて行われうる。手順は本明細書中以下にさらに例証される。
同様の特性を有する別のアミノ酸でのCDRのあるアミノ酸の置換、例えば、アスパラギン酸残基でのグルタミン酸残基の置換は、単数または複数の置換が行われたペプチドまたはタンパク質の特性または構造を実質的には変化し得ない。従って、本発明における使用のためのアグリコシル化抗体は、CDRの結合親和性および特異性を実質的に変化させることなく単数または複数の置換が生じた特定のアミノ酸配列を有するが、好ましいCDRを含む抗体を含む。あるいは、欠失がCDRのアミノ酸残基配列になされ得、または配列は、活性をなおも保持しながらN-およびC-末端の一方または両方で伸長されうる。
本発明の好ましいアグリコシル化抗体は、抗体に対する親和性定数が105mole-1以上、例えば、1012mole-1までのものである。異なる親和性のリガンドは、異なる使用に適切であり得、例えば、106、107または108mole-1以上の親和性がある場合には適切でありうる。しかし、106〜108mole-1の範囲の親和性を有する抗体は、しばしば適切である。好都合なことに、抗体はまた、他の抗原に対していかなる実質的な結合親和性も示さない。抗体の結合親和性および抗体特異性は、以下の実施例のセクション(エフェクター細胞再標的化アッセイ)に記載されるものなどのアッセイ手順により、またはELISAおよび他のイムノアッセイなどの技術により試験されうる。
本発明の抗体は、2つの同一の軽鎖および2つの同一の重鎖を有しうる「Y」型形状を有するアグリコシル化IgG CD3抗体であり、従って、CD3抗原に対して親和性を有する各抗原結合部位を有し2価のものである。あるいは、本発明はまた、抗体のアームの一方のみがCD3抗原に対して結合親和性を有する抗体に適用可能である。かかる抗体は、種々の形態をとりうる。従って、抗体の他のアームは、CD3以外の抗原に対して結合親和性を有し得、その結果、抗体は、例えば、米国特許第4,474,893号および欧州特許出願第87907123.1および同第87907124.9号に記載されるような、二重特異性抗体である。あるいは、抗体は、結合親和性を示す1つのアームのみを有し得、かかる抗体は「一価」と呼ばれる。
一価抗体(または抗体断片)は、多数の方法で調製されうる。GlennieおよびStevenson(Nature, 295,712-713, (1982))は、酵素消化により一価抗体を調製する方法を記載している。Stevensonらは、酵素学的に産生されたFab'およびFe断片が化学的に架橋される一価抗体調製の第2のアプローチを記載している(Anticancer Drug Design, 3, 219 230 (1989))。これらの方法では、得られる一価抗体は、そのFab'アームの1つを失っている。一価抗体の第3の調製方法は、欧州特許第131424号に記載されている。このアプローチでは、抗体の「Y」形状は維持されるが、2つのFab'ドメインの一方のみが抗原に結合する。これは、抗体の重鎖と結合する無関係の軽鎖をコードする遺伝子をハイブリドーマに導入することにより達成され、一価抗体が目的の1つである産物の混合物を生成する。
しかし、さらに好ましくは、本発明の使用のための一価アグリコシル化CD3抗体は以下の方法により調製される。これは、重鎖および軽鎖をコードする遺伝子とともに、重鎖の可変領域ドメインおよび第一の定常領域ドメインが存在しない短縮重鎖をコードする遺伝子、これらのドメインの各々のエキソンが欠失した遺伝子の適切な発現系、例えば、以下に記載される細胞系への導入を含む。これは、(a)完全な二価抗体である抗体、(b)2つの短縮重鎖(すなわち、Fc断片)のみからなる抗体断片および(c)短縮重鎖および正常な重鎖に会合する軽鎖からなるCD3抗原に対して一価である抗体の断片の混合物の細胞系による産生を生じる。かかる抗体断片(c)は、任意の1つのみのFab'アームを有するので一価である。本方法によるかかる断片の形態における一価抗体の産生は多数の理由で好ましい。従って、得られた抗体断片は、細胞系により産生された抗体の混合物から精製することが容易である。なぜなら、例えば、それは、その分子量に基づいて単純に分離可能でありうるからである。これは、産生された一価抗体がそのサイズおよび外観において二価抗体と類似した特徴を有する欧州特許第131424の方法では不可能である。
さらに、新規の方法による一価抗体断片の産生は、より容易に制御されうる条件を使用し、従って複雑な反応の生成物の分離を必要とする酵素消化/化学的カップリング手順ほど偶然によるものではなく、酵素消化/化学的カップリング手順において必要とされるような連続的な合成手順を必要とすることなく、使用される細胞株が一価抗体断片を産生しつづけるというさらなる利点を有する。
使用または方法のためのアグリコシル化抗体は、一般に多数の方法で合成的に産生されうる。しかし、最も好都合には、抗体に存在する重鎖および軽鎖の定常領域および可変領域の適切な遺伝子構築物は、別々に得られ、次いで、適切な発現系に挿入される。
所望の構造のリガンドの可変ドメインをコードする遺伝子が産生され、部位特異的変異誘発を受けた抗体の定常ドメインをコードする遺伝子に都合よく付着されうる。これらの定常遺伝子は、ハイブリドーマcDNAまたは染色体DNAから得られ得、アグリコシル化定常領域を産生するために変異誘発(部位特異的に)されている。可変領域をコードする遺伝子はまた、本明細書中に含まれるCDRの同定に使用するための遺伝子合成技術により由来し得る。DNAのための適切なクローニングビヒクルは種々の型でありうる。
機能性CD3リガンドを産生するための細胞系の培養によるこれらの遺伝子の発現は、適切な原核生物または特に真核生物細胞系、特にミエローマ細胞株、例えば、YB2/3.01/Ag2O(以下ではYOとよぶ)ラットミエローマ細胞、またはチャイニーズハムスター卵巣細胞等の不死化した哺乳動物細胞系(植物細胞の使用もまた意図するが)を、種々の抗体領域をコードするDNAを含む発現ベクターで形質転換し、次いで形質転換細胞系を培養して、所望の抗体を得ることにより最も都合よく達成される。本発明のリガンドの製造のための使用のかかる一般的な技術は、遺伝子工学の非常に多くの分野で周知であり、「MolecularCloning」 Sambrook, EritschおよびManiatis, Cold Spring HarbourLaboratory Press, 1989 (第2版)等の刊行物に記載されている。この技術は、本明細書中に含まれる実施例によりさらに説明される。
本発明に従って使用するための抗体は、生理学的に許容されうる希釈剤または担体とともに前記抗体を投与することにより患者への投与のために製剤化されうる。この抗体は、無菌であり、発熱物質を含まないかかる希釈剤または担体とともに注射可能な形態で好ましくは投与される。患者に投与される抗体の用量は、患者の状態に依存し、主治医の判断による。例えば、毎日約1〜40mg、好ましくは毎日10〜30mgの個々の用量が使用されうる。例えば、10日までの期間の総用量は、約50〜100mg、好ましくは約60〜80mgの範囲でありうる。
本発明の治療の治療利益は、局所/全身性炎症の減少および随伴する疼痛の減少および機能性容量および生活の質の改善により評価されうる。これは、EULARまたはACR応答判断基準(例えば、Van Gestelら、ArthritisRheum., 1996;39:34-40およびFelsonら、Arthritis Rheum.,1995; 38:727-35)により評価されうる。本発明は以下の実施例により説明される。
実施例1−抗体の産生
キメラ形態のアグリコシルCD3抗体を、制限酵素部位HindIIIおよびEcoR1を導入するプライマーを用いてラットCD3軽鎖可変領域をヒトλ定常領域に連結し、Celltech発現ベクターPEE12(Bebbingtonら(1992)Biotechnology)へのクローニングを可能にするためにPCRアセンブリ用いて産生した。PEE12にクローニングするためのCD3軽鎖のキメラ気体を可能にするプライマー配列は以下:
のとおりである。
最終構築物を配列決定し、ヒト化CD3アグリコシル重鎖を既に含んでいるPEE12にクローニングし、これをミエローマ細胞株N50(ECACC第851 10503-GalfreおよびMilstein (1981) Enzymology 73 (B)3-46)にトランスフェクトした。得られたクローンを、ヒトIgG1およびヒトλ軽鎖についてELISAを用いて、およびヒトI-細胞クローンジャーカット細胞株への結合についてFACSで抗体産生をスクリーニングした。ELISAは、捕獲抗体としてヤギ抗ヒトIgFc(Sigma12136)および検出抗体としてビオチン化ヒツジ抗ヒトIgG(Amersham RPN 1003)またはビオチン化ヤギ抗ヒトλ軽鎖(AmershamRPN 1188)を使用する(Routledgeら、Eur.1. Immunol(1991) 21:2717-2725)。
1回のトランスフェクション後、16クローンが60μg/ml〜100μg/mlを発現し、次いでトランスフェクタントを、限外希釈クローニングによりクローン化し、これらのいくつかは120μg/mlに改善された。これらは、長期培養において安定なままであり、大規模抗体産生は細胞増殖を伴い問題なかった。
実施例2
ヒト化重鎖、YTH12.5ラット抗体由来の配列に対応するCDRを含有するラット可変軽鎖、およびPCT1GB99102380の実施例1に記載のようなヒト化λ定常領域(上記の実施例1参照)を有するアグリコシル化二価抗CD3抗体を水性担体、すなわち、通常の食塩水で4名の患者に5日間にわたり70mgの容量で投与した。
患者1
患者は、血清陽性リウマチ様関節炎の5年間の病歴を有する50歳の女性であった。彼女はまたフェルティ症候群を有していたが、その他の関節徴候はなかった。以前の治療は、スルファサラジンおよびシクロスポリンAを含んでいた。研究の参加において、彼女は週にメトトレキセート20mgおよび1日当たりプレドニゾロン20mgを摂取していた。彼女は、疾患によりひどく体が不自由になり、歯科看護婦としての彼女の職を失った。彼女は、自分で服を着替えることも髪を洗うこともできなかった。彼女はまた、椅子から立ち上がることもベットに出入りすることも困難であった。彼女は、自分の肉をカットすることもミルクのカートンを開けることもできなかった。入浴は、手を伸ばすことおよび屈曲のために困難であった。彼女は、栓およびビン等のものを握ることができず、一人で買い物に行くこともできなかった。
アグリコシル抗CD3を5日間にわたり投与した。30mgを1日目に処方し、10mgを続いて4日間処方した。前投薬は与えなかった。最初の注入は、悪寒、吐き気、40.5℃に達した発熱を合併し、低血圧および下痢を伴った。血漿増補液を投与した。これらの徴候は36時間続き、第2の注入を24時間遅らせた。しかし、第2の注入により、罹患関節の疼痛および炎症における減少がすでにあった。続く第4の注入は合併症なしに与えられた。
彼女のリウマチ様関節炎は、43日目に発赤し、筋肉内デポメドロン(depomedrone)の単一投薬で処置した。彼女のベースライン抗リウマチ投薬を抗CD3処置の間続けた。この患者が治療を受けてから現在21ヶ月である。彼女は、リウマチ様関節炎のためにさらなる薬物を必要とせず、実際にベースラインよりも非常に良好に感じている。彼女の疾患は緩解していないが、彼女は、現在、比較的通常の生活を送ることができ、以前には不可能であった多くの仕事が一人でできる。有痛であり、弱い関節の数は、彼女の全体のスコアと同様に顕著に減少した。治療の前には、彼女のCRPは、一貫して100〜200mg/Lであった。現在は40〜60mg/Lの範囲である。彼女のリンパ球数は正常範囲内である。
患者2
患者は、血清陽性の小結節のリウマチ様関節炎の30年間の病歴を有する62歳の男性であった。以前の治療は筋肉内金、ペニシラミン、およびメトトレキセートを含んでいた。彼は経口ステロイドを決して受け入れなかった。研究へのエントリーのときには、彼は、週に1回の筋肉内メトトレキセート25mgおよび毎日のシクロスポリンA150mgを摂取していた。彼は、患者1よりも体は不自由ではなかったが、1日の仕事の大部分についていくらかの困難性を述べた。彼に、1日目に10mgの抗体、続く4日間に20mgを処方された。計画は、最初の投薬を緩徐に注入することであった。彼に、シクロスポリンAを止めるようにアドバイスしたが、治療の間メトトレキセートは続けた。
1日目に、1時間後、硬直をおこし、8時間目に彼はさらに12時間続く下痢および嘔吐をおこし、小さな血圧の低下を伴った。これらの徴候を、ヒドロコルチゾンおよびペチジンで処置した。2日目に、彼は、広範な黄斑の発疹をおこし、これは数週間続いた。完全な処置課程を目的の時間経過で投与した。急性の有害な事象は2〜5日目にはなかった。
患者1とは異なり、処置の急激な利益はなく、22日目に彼の疾患は悪化し、メチルプレドニゾロンの筋肉内投薬を必要とした。彼の関節痛は、非経口ステロイドでの処置に不応性であった。42日目に、彼は、スルファサラジン、1gbd、および毎日のプレドニゾロン7.5mgを開始した。筋肉内メトトレキセートを継続した。頭痛の結果のためにスルファサラジン治療を約150日目で止め、80mgのトリアムシノロンの単一筋肉注射を受けた。この時点から前進し、彼の疾患は実質的に改善した。彼は、彼の徴候の完全な寛解、および弱いかまたは腫大した関節を伴うことなく通常の生活を過ごすことができると述べた。処置前の彼のCRPは、70〜90mg/Lで変化していた。処置から18ヶ月、それは通常、正常範囲(<10mg/L)にあるか、または僅かに上昇した。リウマチ因子力価はまた、1:1280〜1:40に低下した。抗CD3前と比較すると、彼はまた、現在、1日当たりプレドニゾロン7.5mgを摂取しているが、この薬物の用量を次第に少なくしている。さらに、プレドニゾロンは、42日目で開始した場合、あまり高度には有効ではなかった。
患者3
患者は、虚血性心臓疾患、および慢性閉塞性気道疾患をも有する全ての標準的なリウマチ治療に抗療性である初老の紳士であった。彼はひどく体が不自由であった。計画は、患者2のとおりであったが、メチルプレドニゾロンを1日目に前投薬した。
メチルプレドニゾロン前投薬を用いた1日目には、反応はなかった。前投薬なしの2日目に患者は、重篤な下痢および呼吸の不足を起こした。約4分の1が注入された後に注入を止め、さらなる注入を与えなかった。有効性の短期または長期の証拠はなかった(現在約300日目)。
患者4
この患者は、30年間の血清陽性リウマチ様関節炎を有する58歳の女性であった。彼女は、以前に、ペニシルラミン、サルファサラジン、シクロスポリンA、ヒドロキシクロキン、メトトレキセート、レフルノミド(leflunomide)を試したが、失敗した。リウマチ様関節炎に加えて、彼女はまた、食事管理糖尿病および考えられうるアンギナを患った。彼女がリウマチ様関節炎のために服用していた承認された唯一の治療は毎日のプレドニゾロン2.5mgであった。彼女は、疾患により有意に体が不自由であり、服を着替えるのに助けが必要であり、移動においても制限されていた。彼女はまれに外出した。彼女は階段を登ることができ、洗濯および着替えに奮闘していた。彼女の治療は、1〜3日目に10mgの抗体および4〜5日目に20mgと計画された。最初の用量の前に、初回投薬反応に対する予防として50mgの可溶性TNFレセプターヒトIgG1融合タンパク質を投薬した。最初の注入の間、彼女は、いくらかの胸痛とともに気管支痙攣を起こした。彼女は非常に不安になり、末梢チアノーゼを起こした。血圧は225/100mmHgに達した。この反応をサルブタモールの噴霧およびヒドロコルチゾンで処置した。彼女は続いて硬直を起こした。注入の間、彼女の体温は39℃に達した。彼女の2回目の注入は、メチルプレドニゾロンを用いて前投薬し、合併症を起こさず、3回目の注入も同様であった。4日目に、彼女は、息切れおよび胸部緊張(chesttightness)で目覚め、続いて虚血性ECGとともに軽い心不全を起こした。彼女のその後の心エコーは、左心房拡張とともに軽い僧帽弁逆流を示した。わずかに拡張した左心室への軽い大動脈弁逆流もあった。心臓の酵素プロフィールは注入の日の間は正常であり、それゆえ、抗CD3のときの心筋梗塞の証拠はなかった。彼女のRA活性(TNFR-Ig前投薬)における臨床的改善にも関わらず、彼女は注入4および5を受けなかった。
約2週間で、彼女は重篤な関節痛を起こし、彼女の後の過程は短期間では患者2と全く同様であった。彼女の関節徴候は、非経口ステロイドに不応性であることを示し、最終的には35日目に毎日のプレドニゾロン20mgを開始した。彼女は最も最近では90日目に調べられた。彼女は現在1日当たりプレドニゾロン10mgを服用している。彼女のCRPは処置当たり100〜200であり、処置後すぐでは7日目に30mg/リットルに減少した(これは同時発生的なTNF-α遮断を反映しうる)。CRPは続いて、ベースラインに近接したレベルに減少した。彼女は、まず23日目付近に明らかなリンパ球増加症を起こし、続いて回復した。
このように4名の患者をアグリコシル抗CD3で処置した。これらの内の2名は治療を完了し(合計70mgの抗体)、良好な長期応答がなされたと考えられる。患者3は、2回の注入に分けられた15mg未満を摂取し、明らかな有益な効果はなかった。患者4は3回の投薬で25〜30mgを摂取した。3ヶ月では治療的有効性の証拠はないが、経過観察が続けられている。

配列表

Claims (27)

  1. 慢性関節リウマチを有するヒト患者における慢性関節炎の治療用の薬物の製造のための抗CD3抗体の使用であって、該抗体がFcレセプターに対する結合を弱めるようにFc領域内に変異を導入されたものである、使用。
  2. Fc領域のアミノ酸残基297がアスパラギンからアラニンに置換されている、請求項1記載の使用。
  3. 抗CD3抗体が、CD3抗原複合体に対して結合親和性を有するアグリコシル化IgG抗体である請求項1記載の使用。
  4. アグリコシル化抗体が、ヒトCD3抗原複合体に対して結合親和性を有してなる請求項3記載の使用。
  5. アグリコシル化抗体が、ラットもしくはマウス起源であるか、またはラットもしくはマウス起源のものに由来する可変ドメインフレームワーク領域を有してなる請求項3記載の使用。
  6. アグリコシル化抗体が、可変フレームワーク領域とは異なる起源のCDRを有する請求項3記載の使用。
  7. アグリコシル化抗体が、ヒト起源であるか、またはヒト起源のものに由来する可変ドメインフレームワーク領域を有してなる請求項3記載の使用。
  8. アグリコシル化抗体が、ラットもしくはマウス起源であるか、またはラットもしくはマウス起源のものに由来する定常ドメインを有してなる請求項3記載の使用。
  9. アグリコシル化抗体が、定常領域とは異なる起源のCDRを有してなる請求項3記載の使用。
  10. アグリコシル化抗体が、ヒト起源であるか、またはヒト起源のものに由来する定常ドメインを有してなる請求項3記載の使用。
  11. アグリコシル化抗体が一価である請求項3記載の使用。
  12. アグリコシル化抗体が、生理学的に許容されうる希釈剤または担体を含有する医薬組成物の形態である請求項3記載の使用。
  13. 抗体が2週間までの期間投与され、該期間後、少なくとも6ヶ月間再投与を伴うことのない請求項1記載の使用。
  14. 抗体が、1〜5日の期間投与される請求項13記載の使用。
  15. 抗体が、ステロイドおよび/または抗ヒスタミン剤とともに投与される請求項13記載の使用。
  16. 抗体投与が、局所性および全身性炎症の低減を生じる請求項13記載の使用。
  17. 抗CD3抗体が50〜100mgの総用量で投与される請求項13記載の使用。
  18. 抗CD3抗体が、ステロイドおよび/または抗TNF抗体と組み合わせて投与される請求項13記載の使用。
  19. 前記抗体が、ラットもしくはマウス起源であるか、またはラットもしくはマウス起源のものに由来する可変ドメインフレームワーク領域を有してなる請求項1記載の使用。
  20. 前記抗体が、可変フレームワーク領域とは異なる起源のCDRを有する請求項1記載の使用。
  21. 前記抗体が、ヒト起源であるか、またはヒト起源のものに由来する可変ドメインフレームワーク領域を有してなる請求項1記載の使用。
  22. 前記抗体が、ラットもしくはマウス起源であるか、またはラットもしくはマウス起源のものに由来する定常ドメインを有してなる請求項1記載の使用。
  23. 前記抗体が、定常領域とは異なる起源のCDRを有してなる請求項1記載の使用。
  24. 前記抗体が、重鎖および軽鎖を含み、該重鎖が、以下の配列:
    を有する3つのCDRを有し、該軽鎖が、以下の配列:
    を有する3つのCDRを有する、請求項1記載の使用。
  25. 前記抗体が、1日あたり1mg〜40mgの用量で投与される請求項1記載の使用。
  26. 前記抗体が、1日あたり10mg〜30mgの用量で投与される請求項25記載の使用。
  27. 前記抗CD3抗体が、60mg〜80mgの総用量で投与される請求項17記載の使用。
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