JP4693950B2 - 計量システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、組合せ秤と、この組合せ秤により計量されて排出された組合せ物品を再計量して重量をチェックする再計量手段、例えば重量選別機と、を備え、夫々の計量値に基づいてそれぞれの計量の状態を診断し、いずれか一方に故障あれば警報し、異常状態であれば正常状態に復帰させることができる計量システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、計量器は使用している間に零点異常が生じたり、スパン変動が生じることがある。組合せ秤は、複数の計量器からの各計量信号を種々に組合わせて、これら各計量信号の組合せの中から合計値が許容し得る値である組合せを選択し、その選択された組合せを構成している計量器から物品を排出するものである。従って、組合せ秤の計量器に零点異常やスパン変動が生じると、組合せ秤から排出された組合せ物品の合計重量(組合せ計量値)が、許容し得る値から外れることがある。
従来、組合せ秤から排出された組合せ物品を重量選別機により再計量することにより組合せ計量値が許容し得る値であるか否か検査すると共に、組合せ秤に設けられている複数の計量器のうち不良計量器を自動的に検出する方法が提案されている(特開昭62−284211号公報)。
【0003】
この方法は、組合せ秤から組合せ物品が排出されるごとに、その排出された組合せ物品の組合せ計量値を生成し、その排出された組合せ物品を重量選別機により再計量するごとにその再計量値を生成し、組合せ計量値と再計量値が所定の許容範囲内で一致しているか否かを判定し、両者が不一致であると判定するごとにそのとき排出された組合せ物品を計量した組合せ秤の計量器に対応するカウンタのカウント値を増加させ、これらカウント値のうち最大値を示すものを不良計量器として検出するものである。
【0004】
次に、組合せ計量値と再計量値が一致しているか否かの判定について説明する。図1(a)は組合せ計量値の許容重量範囲を示しており、WTが組合せ目標重量であり下限重量を示しており、WUが上限重量である。組合せ計量値、再計量値が目標重量WTから上限重量WUまでの範囲内であるときに適量と判定し、許容重量範囲外であるときに非適量と判定する。ここで、組合せ計量値と再計量値がいずれも上記許容重量範囲内であるときに両者が一致していると判定し、いずれか一方が許容重量範囲内であり、他方が許容重量範囲外であるときに不一致であると判定する。
そして、判定が順次行われて不一致である旨の判定が何度か行われると、その都度、不良計量器と対応するカウンタのカウント値が増加して、そのカウント値が正常な計量器と対応するカウンタのカウント値よりも少なくとも1だけ大きくなる状態となる。そこで、各計量器と対応する複数のカウンタのカウント値の中で最大値をとるカウンタを検出してその検出したカウンタと対応する計量器が異常であると判定することができる。
【0005】
なお、図1(a)は、組合せ物品の真の重量値がWas1であり、組合せ秤及び重量選別機がそれぞれ正常な状態で組合せ計量値及び再計量値を生成したときのばらつきを示す図である。組合せ計量値の標準偏差がσrとすると、99.7%の確率で組合せ計量値がWas1+3σrからWas1−3σrまでの間(p〜q)にばらつくことになる。そして、再計量値の標準偏差がσxとすると、99.7%の確率で再計量値がWas1+3σxからWas1−3σxまでの間(r〜s)にばらつくことになる。このように、図1(a)に示すように、q及びsとWUとの間隔が比較的広く、p及びrとWTとの間隔が比較的広い場合は、組合せ計量値及び再計量値がばらついていても、正常である組合せ秤及び重量選別機を正常であるこということを高い確率で正確に判定することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図1(b)において、組合せ物品の真の重量値がWas2の如く極めて目標重量Wtに近いとき、組合せ計量値と再計量値が極く僅かの差であっても、それぞれWas2を挟んで片方の計量値がWas2よりも大きく適量と判定され、片方の計量値がWas2よりも小さく非適量と判定される場合がある。この場合、両者の判定結果が不一致となる。この様な現象は大きい確率で生ずる。
つまり、組合せ秤及び重量選別機の両方のはかりが正常であるにも拘わらず判定結果に不一致の出ることがたびたび起きるという問題がある。そして、Was3の如くWuに近いところにあるとき、また、WtとWuの差が小さく設定されるときも同様の現象の起きる確率が高くなる。従って、従来の方法では、組合せ秤の計量器(計量ホッパ)が不良でなくとも不良判定が出やすい状態となり、正しい良否判定に支障を来していた。
【0007】
更に、目標重量値Wtに対する上限重量値Wuの設定幅を大きくし過ぎると、図1(c)に示すように、真の重量値がWas4で組合せ秤の計量器の内1台がWas4−we>WTとなるような比較的大きい偏り誤差weを持つときでも両方のはかりの判定結果が常に一致し、警報が出ないことが起きるという問題がある。
故に、あまり目標重量値WTに対する上限重量値WUの設定間隔を大きくすると、組合せ秤又は重量選別機に大きい計量誤差を有する場合しか異常検出が出来なくなるのでこれも不都合である。
従って、従来の方法では、組合せ計量値及び再計量値のばらつきによる誤差の存在によって、組合せ秤の各計量器、及び重量選別機の異常、正常を正確に判定することができないという問題がある。
【0008】
本発明は、組合せ計量値及び再計量値のばらつきによる誤差の存在に拘わらず、組合せ秤の各計量器の異常、正常を正確に判定することができる計量システムを提供することを目的の1つとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、複数台の計量器を有し、これら計量器で計量された物品の重量を種々に組合せ、これら組合せのうち合計重量が許容重量範囲内に入るものを構成する物品からなる組合せ物品を排出する組合せ秤と、前記組合せ物品が前記組合せ秤から排出されるごとに、再計量する再計量手段と、前記排出された組合せ物品の合計重量と、この排出された組合せ物品の再計量手段での再計量値との差である減算値を算出する算出手段と、前記計量器ごとに、その計量器で計量された物品が参加している組合せ物品に対応する前記減算値の予め定めた個数以上の合計値または平均値である演算値を算出する演算手段と、前記計量器ごとの演算値のうち絶対値が最大値のものが、予め定めた異常境界値と、この異常境界値よりも大きく設定した故障境界値との間に存在するとき、前記最大値の演算値に対応する計量器が、零点補正または零点補正とスパン補正とを行うことで正常に計量可能となる自己復帰可能な異常状態であると判定する判定手段とを、具備するものである。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記判定手段が、前記計量器ごとの演算値のうち絶対値が最大値のものが、前記故障境界値よりも大きいとき、前記最大値の演算値に対応する計量器が、零点補正または零点補正とスパン補正を行っても正常な計量が不能な故障状態であると判定するものである。
【0011】
第3の発明は、第1の発明において、前記判定手段が、前記計量器ごとの演算値のうち絶対値が最大値のものが、前記異常境界値よりも小さいとき、前記最大値の演算値に対応する計量器が正常であると判定するものである。
【0012】
第4の発明は、第1の発明において、前記異常境界値及び前記故障境界値は、前記計量器による計量値の標準偏差と、前記再計量手段の再計量値の標準偏差とを使用して決定され、前記計量器による計量値の標準偏差を標準偏差算出手段が算出し、この標準偏差算出手段は、前記計量システムの本稼働前のテストモードにおいて、前記組合せ秤の前記各計量器による物品の重量を本稼働時に対応する時点で計量して得られた本稼働時計量値と、前記本稼働時よりも後の計量器が安定した時点に対応する安定時計量値との偏差に基づいて前記標準偏差を算出するものである。
【0013】
第5の発明は、第1の発明において、前記判定手段が、前記異常状態と判定したとき、前記最大値の演算値に対応する計量器の零点補正をする零点補正手段を具備するものである。
【0014】
第6の発明は、第5の発明において、前記零点補正手段による零点補正が行われた後、前記最大値の演算値に対応する計量器が異常であると前記判定手段によって再度判定されたとき、前記最大値の演算値に対応する計量器のスパンが異常であると判定するスパン誤差判定手段を具備するものである。
【0015】
第7の発明は、第6の発明において、前記スパン誤差判定手段により異常であると判定された前記計量器が計量した物品が含まれている組合せ物品の再計量値から、当該組合せ物品を計量した当該異常な計量器以外の計量器が生成した計量値の合計重量値を減算して、当該異常な計量器により計量された物品の重量と対応する減算値を算出する減算手段と、
この減算手段の減算値と前記異常な計量器が生成した異常な計量値との比率を使用して、前記異常な計量器のスパンを補正するスパン補正手段とを、具備するものである。
【0016】
第8の発明は、第7の発明において、前記減算手段が、同一の異常な計量器に対して減算値を複数個算出し、前記スパン補正手段は、当該同一の異常な計量器に対して前記比率を複数個算出し、これら複数の比率の平均値を使用して、前記異常な計量器のスパン補正するものである。
【0017】
第9の発明は、複数台の計量器を有し、これら計量器で計量された物品の重量を種々に組合せ、これら組合せのうち合計重量が許容重量範囲内に入るものを構成する物品からなる組合せ物品を排出する組合せ秤と、前記組合せ物品が前記組合せ秤から排出されるごとに、再計量する再計量手段と、前記排出された組合せ物品の合計重量と、この排出された組合せ物品の再計量手段での再計量値との差である減算値を算出する算出手段と、前記計量器ごとに、その計量器で計量された物品が参加している組合せ物品に対応する前記減算値の予め定めた個数以上の合計値または平均値である演算値を算出する演算手段と、前記計量器ごとの演算値のうち絶対値が最大値のものを選択する第1選択手段と、前記選択された演算値に対応する前記計量器である第1選択計量器以外の計量器ごとの前記第1選択計量器が不参加の組合せ物品に対応する前記各演算値のうち絶対値が最大のものを選択する第2選択手段と、第1及び第2の選択手段で選択された各演算値の絶対値を、予め定めた異常境界値と、この異常境界値よりも大きく設定した故障境界値と、それぞれ比較する判定手段とを、具備するものである。
【0018】
第10の発明は、複数台の計量器を有し、これら計量器で計量された物品の重量を種々に組合せ、これら組合せのうち合計重量が許容重量範囲内に入るものを構成する物品からなる組合せ物品を排出する組合せ秤と、前記組合せ物品が前記組合せ秤から排出されるごとに、再計量する再計量手段と、前記排出された組合せ物品の合計重量と、この排出された組合せ物品の再計量手段での再計量値との差である減算値を算出する算出手段と、前記計量器ごとに、その計量器で計量された物品が参加している組合せ物品に対応する前記減算値の予め定めた個数以上の合計値または平均値である演算値を算出する演算手段と、前記計量器ごとの演算値のうち絶対値が最大値のものを選択する第1選択手段と、この第1選択手段で選択された演算値に対応する前記計量器である第1選択計量器以外の計量器ごとの前記第1選択計量器が不参加の組合せ物品に対応する前記各演算値のうち絶対値が最大のものを選択する第2選択手段と、第2選択手段で選択された演算値に対応する前記計量器である第2選択計量器及び第1選択計量器以外の計量器ごとの前記第1及び第2選択計量器が不参加の組合せ物品に対応する前記各演算値のうち絶対値が最大のものを選択する第3選択手段と、第1乃至第3の選択手段で選択された各演算値の絶対値を、予め定めた異常境界値と、この異常境界値よりも大きく設定した故障境界値と、それぞれ比較する判定手段とを、具備するものである。
【0045】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に係る計量システムによる異常診断・復帰法の基本概念について説明する。
〔1.異常診断、復帰法の基本概念〕
〔1−1.組合せ秤における組合せ計量〕
組合せ秤は、複数のn台の計量器(計量ホッパ)を備えており、物品を一旦これら複数台の計量ホッパに略一定個数或いは略一定体積量ずつ投入して計量し、複数の既知重量物を作った上で、これら複数個の既知重量物の内から適当な組み合わせを選んで合計重量が予め設定した目標重量WTとなるように組みを選択し、この選択した組を構成する既知重量物の物品を集めて一個の略一定重量を持つ組合せ物品を作るはかりである。
この場合、高い確率で組み合せ物品の合計重量値が目標重量WTに近い値に選べるように、全計量ホッパの台数nの約1/2程度(nが大きいときは1/3程度の場合もある)の計量ホッパ数の組み合わせで合計重量値が目標重量値になるようにしてある。従って、それぞれの計量ホッパには約WT/m(m=n/2)の重量の物品が投入されるように設計・調整されている。
【0046】
次に、組合せ秤、及び例えば重量選別機、重量検査機等の再計量手段により得られるそれぞれの計量値に含まれているばらつき誤差の影響を押さえて偏り誤差を抽出するための対策法の基本概念を下記に事例を掲げて説明する。
6台の計量ホッパA、B、C、D、E、Fからなる組合せ秤の例を挙げる。この組合せ秤は、6台の計量ホッパから平均的に3台の計量ホッパの組み合わせを選んで1組の組合せ物品を作り出すものとする。例えば100gの組合せ物品を作りたいとき、1台の計量ホッパに対して約33.3gに相当する体積量または個数の物品を投入する。
6台の計量ホッパから3台の計量ホッパが選択される組み合わせは 63 =20通りあり、そのうちはかりAが参加する組み合わせは1/2の10通りである。これを図2に示す。計量ホッパAが組み合わせに参加していない残りの10通りは、図3に示す。ただし、いかに各計量ホッパや物品の投入装置を均一に揃えても連続してできる20個の組合せ物品をとりあげたとき、丁度図2、図3に表す20種類の組み合わせが出来るわけではないし、上で述べたように毎回計量ホッパ3台でもって目標重量と対応する組合せ計量値が成立するわけではないが、3台の計量ホッパへ投入された物品の合計重量値が目標重量となるように各計量ホッパへ略均等に物品を投入調整がなされているので、3台でもって組合せの成立する確率が極めて高くなっている。
そこで、この後の説明の理解をし易くするため常に3台の計量ホッパ内の物品により組み合わせが成立するとして考え、数多くの組み合わせを作れば図2と図3に表した種類の組み合わせがそれぞれほぼ等しい確率で現れると考える。
但し、本発明は組合せ秤の組合せ結果がこの条件を満たすことを前提とはしていない。多くの各種組合せ結果を一旦記憶させておき、その中から上記のような条件を満たすものを選ぶようにしてもよいし、条件を満たしていないサンプルを取り扱っても成立する。
【0047】
〔1−2.組合せ秤と再計量手段における偏り誤差の抽出〕
基本的に本発明は組合せ秤と再計量手段は、同時に異常状態は起きないこと、及び組合せ秤の全ての計量ホッパが同時に異常にはならないことを前提とする。そして、組合せ秤が正常であるときは組合せ秤によって再計量手段の異常状態・誤差量を、また再計量手段が正常なときは再計量手段と組合せ秤の複数の計量ホッパの内の正常な計量ホッパの計量値によって異常な組合せ秤のはかりの誤差量を検出し、正常な計量値によって異常なはかりを補正するものとする。再計量手段の異常状態・誤差量に対しては組合せ秤の計量値を正しいすれば、その値からの偏差を使用して補正する。
組合せ秤の各計量ホッパについては、各計量ホッパで計量された物品が個別に再計量手段で計量されることはなく、あくまでも正常、異常計量ホッパから排出された組合せ物品が再計量手段で計量されるので、単純に再計量手段の再計量値と組合せ秤の組合せ計量値を比較することでは組合せ秤の特定はかりの誤差量の検出はできない。そこで次のような方法を採るものとする。
【0048】
図2、図3は計量ホッパAの参加する組み合わせグループ(組合せに選択されたグループ)と参加しない組み合わせグループにそれぞれ分けたものであるが2つの図によって全ての組み合わせが表されている。そして、この20組の中にはAからFの全ての計量ホッパが同数ずつ参加している。
図2と図3において、wa1、wa2、・・・、wa10、wb1、・・・、wb4、wc1、・・・、wd2、・・・、we3、・・・、wf4、・・・、wb11、・・・、wc11、・・・、wd11、・・・、we12、・・・、wf13、・・・、wf20は組合せ秤の計量ホッパA、B、C、D、E、Fの計量値であり、Wc1、Wc2、・・・、Wc10、・・・、Wc19、Wc20はそれぞれ20組の組合せ物品の再計量手段による再計量値である。組合せ秤において組み合わせの成立した(許容重量範囲内の)組合せ物品の組合せ計量値とこの組合せ物品を再計量手段で計量したとき得られる再計量値とを同一組合せ物品について対比させて次式のようにして差を求める。
計量ホッパAが参加するグループについて注目すると、
【0049】
Figure 0004693950
【0050】
これら各差は、組合せ秤、再計量手段ともに正常であればばらつきに起因する誤差としての意味のみを持つ。しかし、いずれかの計量ホッパ、再計量手段に零点誤差或いはスパン移動があるときは、それに基づく計量値の偏り誤差分も含まれる。(1.2.1 )式等の演算を行うのが請求項1に記載の第1の減算手段である。
本発明は、例えば計量ホッパAについての誤差の有無評価を上記の差wya1、・・・、wya10の合計値或いはその平均値でもって行う。理由は、再計量手段及び組合せ秤の各計量ホッパの各計量値は、ばらつき誤差を有するが、ばらつき誤差の中に含まれる出来るだけ小さい偏り誤差を検出することを目的とするためである。
(1.2.1 )式において、仮に組合せ秤の各計量ホッパ、再計量手段のばらつきは0であるとして、偏り誤差について、組合せ秤の計量ホッパAがwa1、wa2、・・・の計量値に対してそれぞれEa1、Ea2、・・・、計量ホッパBがwb1、wb2、・・・の計量値に対してEb1、Eb2、・・・、同様に計量ホッパFがwf1、wf2、・・・の計量値に対してEf1、Ef2、・・・を持ち、再計量手段はWc1、Wc2、・・・の計量値に対してEcw1、Ecw2、・・・の誤差を持っていたとする。従って、
(1.2.1 )式のwya1、wya2、・・・は、組合せ秤における各計量ホッパの計量値の偏り誤差と再計量手段におけるそれらの組合せ物品の計量誤差が加算された結果であり、それぞれ
【0051】
Figure 0004693950
と表される。
上記の各誤差の合計値Swyaを求めると、
Figure 0004693950
となる。
【0052】
(1.2.3)式を組合せ秤と再計量手段の計量の特性を考慮して整理する。
偏り誤差は零点とスパン移動量が加算された値であるが、零点移動による誤差ははかる重量には影響を受けないので、毎回異なった重量の物品を計量しても固定値として現れる。(1.2.3)式等の演算を行うのが請求項2に記載の第1の合計値算出手段である。
しかし、スパン誤差については物品重量値によって現れる量が異なる。
組合せ秤においては組合せに選択された物品の個数が標準組み合わせ数であれば各計量ホッパにも略等しい重量の物品が充填されていると言える確率が高いので、スパン移動による誤差量は毎回その計量ホッパで計量される物品重量が少し異なったとしてもほぼ同じ値の誤差で現れる。例えばもし2台の計量ホッパで組合せが成立したものを選ぶと、3台の場合に比べてそれぞれの計量ホッパの物品重量が大きくなり、現れるスパン誤差量も3台の場合に比べて違いが大きくなる。
従って、上記の誤差加算の計算対象とする組合せ物品は標準組み合わせ数、本例であれば3台の計量ホッパによって組合せが成立したものを選択するものとする。更に厳密に扱うとすれば、組合せに参加した各計量ホッパの計量値がある一定以上の幅に広がっている場合はその組は評価計算のデータとして採用しないとする。
再計量手段におけるスパン誤差は、基本的に組合せ秤の動作は毎回ほぼ同重量の組合せ物品を生成するので、毎回の再計量値に対してほぼ同量が現れるとみなす。
【0053】
ここで各計量ホッパの毎回の計量値に対する誤差の代表値として、再計量手段はEcw、計量ホッパAはEa、計量ホッパBはEb、・・・、計量ホッパFはEfを持つとすると、上記の採用データ条件において採集した組合せ物品の計量データの誤差はEcw1=Ecw2=・・・=Ecw、Ea1=Ea2=・・・=Ea、・・・、Ef1=Ef2=・・・=Ef10=Efとなる。
誤差の合計値、或いはその平均値で評価することは、計量ホッパA以外の他の計量ホッパについても同時に同じとする。しかしある限られた数の組合せ計量値を採用したとき、それらの中に全ての計量ホッパが同数参加しているとは限らない。しかし同数参加でなくとも、どの計量ホッパも一定数以上の平均値でもって評価することが望ましい。従って実際には、評価に適切な最低個数をPと決め、各計量ホッパの全てがP以上の数に到達したときに評価するという条件を定める。勿論、全ての計量ホッパが同数ずつ参加するように、全て同じ組合せ個数の参加で、かつ異なった組合せのデータをデータ一時保有メモリ中から選んで採用してもよい。
【0054】
〔1−3.本発明と従来方法の異常状態レベル評価の違い〕
本発明と従来方法の計量ホッパ異常状態レベル評価の違いを数値的に説明する。
従来例では組合せ秤によって得られる1組の組合せ物品の組合せ計量値、及びその組合せ物品の再計量手段(チェックはかり)による再計量値が適量であるか否かを判定し、両者の判定結果が一致しているか否かを判定して不具合の計量ホッパを検出していた。
組合せ秤の各計量ホッパは、動作が正常であってもばらつき誤差を持っている。そのばらつきをそれぞれの計量ホッパA、B、C、・・・、Fで同じ標準偏差値σdwとする。
再計量手段が正常であっても標準偏差値σcwで表されるばらつきを持っている。その場合、例えば計量ホッパAの計量値の含まれた組の一つとして図2の1つの組の、Wc1−(wa1+wb1+wc1)=wya1においてwya1のばらつきを標準偏差σt1で表すと、
σt1=(3・σdw2 +σcw2 1/2 ・・・(1.3.1 )
である。
【0055】
具体的数値例を掲げると、組合せ秤の各計量ホッパの計量値の標準偏差σdw=0.2g、再計量手段の再計量値の標準偏差σcw=0.3gとするとき、σt1=0.458g、3σt1=1.37gである。
この状態で計量ホッパAの偏り誤差の有無を安定的に評価するには、評価の境界レベルを±1.37gの幅より小さく設定することは出来ない。
一方、計量ホッパAの計量値が含まれている図2の10組の組合せ物品に関する偏差wyakの合計値及び平均値のばらつき誤差について述べると、10組の組合せ計量値の合計計量値は、図2の通り組合せ秤における30個の計量値から成っており、この合計計量値と10組の再計量手段による再計量値の合計値との差の標準偏差σTは、
【0056】
σT2 =σdw2 +σdw2 +σdw2 +σdw2 +・・・・・+σcw2 +σcw2 +・・・+σcw2 =30・σdw2 +10・σcw2
故に
σT=(30・σdw2 +10・σcw2 1/2 ・・・(1.3.2 )
と表される。
これは10組の偏差の合計値のばらつきであるから平均値を取って1組の平均値のばらつきを標準偏差で表すと、
σt=σT/10 ・・・(1.3.3 )
となる。
【0057】
この場合σt=0.147gとなる。故にσt<σt1である。すなわち10組の組合せ物品に基づく計量データの標準偏差σtは、σt=0.147g、3σt=0.441gとなり、1組の組合せ物品に基づく計量データの標準偏差の場合の3σt1=1.37gに比べて1.37g−0.441g=0.929g分だけ境界値の幅を狭く設定できることになる。
本発明の主目的は偏り誤差の検出と大きさに対する判定であり、出来るだけ小さい偏り誤差の検出を可能にすることである。ばらつき誤差に対して計量ホッパAに偏り誤差Eaがあれば、平均値もEaであるのでばらつき誤差のある中で偏り誤差の存在を評価するとき、平均値処理された値において行ったほうが小さい偏りまで評価が可能になる。
【0058】
図2、図3の20組の組み合わせにおいて、組合せ秤の各計量ホッパの偏り誤差をそれぞれEa、Eb、Ec、Ed、Ee、Ef、再計量手段の偏り誤差をEcw、組合せ秤と再計量手段の計量値を減算(加算)したばらつきの標準偏差を上記と同様にσT、その平均値をσtとした場合、計量ホッパAの参加する10組の組合せ物品の組合せ計量値と再計量手段の再計量値の差wyak(kは組データの番号である。k=1、2、3、・・・、10)の合計値Swyaは、
Swya=10Ecw−{10・Ea+4・(Eb+Ec+Ed+Ee+Ef )±σT}
で表すことができる((1.2.3) 式参照)。平均値AwyaはSwyaを10で割って、
Awya=Ecw−{Ea+(2/5)・(Eb+Ec+Ed+Ee+Ef)±σt}
の如く、再計量手段と組合せ秤の組合せ参加計量ホッパの偏り誤差及びばらつき誤差の和で表せる。
従って、計量ホッパAに偏り誤差の有無を境界値で判定するとき±3σt=±0.441gを越えるレベルの境界値とすることにより偏り誤差の存在をばらつき誤差と明確に区別して知ることが出来る。
組データ数を10以上に増やしたものを対象に取ると3σtはもっと小さい値となり、さらに小さい偏りを検出することができる。
【0059】
次に、20組の中で計量ホッパBが参加した組み合わせを選択し、計量ホッパAの場合と同様に組合せ秤の組合せ計量値とその組合せ物品の再計量手段による再計量値のグループに注目して差wybkを求め、wybkの合計値Swybの平均値Awybを求め、設定境界値と比較して大小を評価する。このように、計量ホッパA、B、C、D、E、Fの順に差wyak、wybk、wyck、wydk、wyek、wyfkを算出し(各計量値差を算出するのが請求項1に記載の第1の減算手段である。)、各差ごとにそれぞれ合計値Swya、Swyb、Swyc、Swyd、Swye、Swyfを算出する(各合計値を算出するのが請求項2に記載の第1の合計値算出手段である。)。そして、それぞれの平均値Awya、Awyb、Awyc、Awyd、Awye、Awyfを求める。
なお、組合せ秤にはメモリホッパと称して組み合わせに参加できなかった物品を一旦計量ホッパと対応する別のホッパに貯留させ、次の組み合わせ演算に計量ホッパに滞在する物品と共に組み合わせ演算に参加させる方式のものがある。この場合、組み合わせ方によっては或る計量ホッパ内の物品とその計量ホッパで以前に計量されたメモリホッパ内の物品が組み合わせられることがあり、一つの組み合わせの中に同じ計量ホッパによる計量結果が複数個存在することがある。この様な場合、wyxkの平均値Awyxは、例えば計量ホッパAについて平均値を求めるとき(xはa〜f)、計量ホッパAの参加する組合せ物品の組数でなく、その組み合わせの中に参加する計量ホッパAにより計量された物品の数で除算する。また、同じ計量ホッパにより計量された物品が複数個、1つの組合せに参加している組合せ計量値を事前に除去してもよい。
【0060】
〔1−4.組合せ秤の計量ホッパの異常が同時には1個しか起こらないと仮定した場合のその異常の判定方法〕
〔1−4−1.組合せ秤の各計量ホッパの偏り誤差判定法〕
判定の順序としては、実施形態では再計量手段の方から行うが、先に組合せ秤の各計量ホッパの異常判定演算の方から説明する。
組合せ秤の組合せ計量値の中から図2、図3に表す20組の異なる組合せのものを採用するとして、計量ホッパAの参加する組の組合せ計量値と再計量値の計量値の差の合計の平均値Awyaは、合計値Swyaを10で除算して、
Awya=Ecw−{Ea+(2/5)・(Eb+Ec+Ed+Ee+Ef)}±σt
同様に他の計量ホッパについても計量ホッパAと同様に平均値を求めると、
Figure 0004693950
である。
【0061】
但し、偏り誤差値Ecw、Ea、・・・、Efは正又は負の数値、標準偏差σtは正の数値を表すものとする。実際の例に適用したとき、計算に採用する組合せとして、起こりうる全ての種類の組合せデータが揃った時点で各計量ホッパの全てが同じ数ずつ参加した組合せデータをそれぞれを選ぶようにしている(図2、図3に示す組合せデータを選ぶこと)。別の方法として、組合せデータに参加する各計量ホッパの最低数を予め設定しておき、全ての計量ホッパが少なくとも設定された最低数以上組合せに参加した時点でA、B、C、・・・の順に指定した各計量ホッパ別の平均値を求め、取り上げた複数組のデータ中に含まれる指定した計量ホッパの総数でもって誤差合計値を除算する方法もある。
このような場合は、各指定計量ホッパの参加数及びその中に含まれる他の計量ホッパの参加数は、それぞれの指定計量ホッパの組の間で異なるので、(1.4.1.1)式において指定計量ホッパ以外の他の各計量ホッパの誤差に対する重み係数(2/5)が一様では無くなるが、いずれにしても、他の計量ホッパの重み係数が指定計量ホッパの重み係数=1よりも小さくなるように選ぶ。言い換えれば指定計量ホッパと他のいずれかの計量ホッパの組合せ参加数が同数であってはならず、他の計量ホッパの参加数は指定計量ホッパ参加数未満になるように組合せのデータを選ぶこととする。
即ち、(1.4.1.1)式のAwya、・・・、Awyfは夫々に全ての計量ホッパの誤差を含むが、Awyxについて言えば、Awyxは計量ホッパxの誤差の重み係数が1であって最大であり、他の計量ホッパは全てその2/5である。
従って、計量ホッパxの偏り誤差が大きく他の計量ホッパはその値に比べ殆ど無視できる小さい偏り誤差である場合、異常な誤差をもつ計量ホッパとその誤差量の判定にはAwyaからAwyfまでの内、絶対値が最大のものを探すこととする。Awyxが最大であるとする。異常な誤差を持つ計量ホッパは1台と限定しており、しかもAwyxの中で計量ホッパxの誤差の重みに比べ他の計量ホッパの誤差の重みは小さいので、ほぼAwyxをもって計量ホッパxの誤差Exが表され、このExをもって異常かどうかを、別途に設定した異常境界値との比較で判定することができる。
【0062】
例えば再計量手段の偏り誤差Ecw=0、計量ホッパAの偏り誤差Ea=e(e>0)、その他の計量ホッパの偏り誤差Eb=Ec=Ed=Ee=Ef=0のとき、計量値差の平均値は、
Figure 0004693950
となる。異常境界値R=eと設定し、Awyx≧Rの条件を異常とするなら計量ホッパAは異常と判定することができる。
【0063】
次に、偏り誤差有無を判定するための境界値の設定の考え方を述べる。計量値差の平均値Awyxのばらつき範囲を3σtまで見込むとすると、Awyxの値が−3σt≦Awyx≦+3σtの範囲内にあるときは、Awyxの値が偏り誤差なのかばらつき誤差かの識別は出来ない。従って、偏りの有無の判定の境界値は3σtより大きい値に設定するものとし、偏り誤差そのものの大きさに対する異常判定余裕値rdを加算して異常境界設定値Redを次式のように決める。
Red=3σt+rd ・・・(1.4.1.2 )
計量ホッパxについて|Awyx|≧Redが成立すれば、計量ホッパxは異常であると判定する。異常判定の領域内では一応、自己復帰は可能であると定義し、自己復帰機能を働かせるようにする。ただし、3σtの代わりにnσt(nは任意の実数)を用いても良い。さらに、自己復帰が困難な量の誤差であると定義した故障境界値Rtdを異常境界値Redより大きい値に設定する。図5(a)に各境界値レベルの様子を示す。
偏り誤差(正確に表現するとばらつき誤差分を考慮した偏り誤差)|Awyx|が
Rtd>|Awyx|≧Red ・・・(1.4.1.3)
を満足するときは異常状態であると定義し、まず組合せ秤の特定計量ホッパx(指定計量ホッパのうち異常と判定された計量ホッパ)に対して自動零点補正指令を例えば再計量手段より出力し、組合せ秤の特定計量ホッパxに対して自動零点補正を掛ける。再計量手段は組合せ秤から自動零点補正完了信号の到着を待つ。
判定手段は、(1.4.1.3)式の判定を行うものであり、零点補正手段は、組合せ秤の特定計量ホッパxに対して自動零点補正を掛ける手段である。
【0064】
次に、自動零点補正後の組合せ計量により得られた組合せ計量値、及び再計量値を例えば再計量手段にて再判定する。なお、|Awyx|が誤差異常境界値の範囲内にあるときは自動スパン補正指令とスパン係数データ(後述する。)を例えば再計量手段より出力し、組合せ秤において特定計量ホッパxに対してスパン補正を掛ける。組合せ秤はスパン補正完了後、再計量手段へスパン補正完了信号を出力する。
このように、再度、|Awyx|が(1.4.1.3)式に示す誤差異常境界値の範囲内にあるか否かを判定し、|Awyx|が誤差異常境界値の範囲内にあると判定したときに、その特定計量ホッパxのスパン誤差が異常であると判定するのがスパン誤差判定手段である。
再計量手段は組合せ秤からのスパン補正完了信号を待つ。次の判定データの取り込みのための信号Aの発信は、零点補正の場合と同様に一定時間Tw経過後とする。零点補正、スパン補正の順で補正を連続したがなお異常判定が出る場合は故障警報を出力する。ただし、最初から
|Awyx|≧Rtd ・・・(1.4.1.4 )
が成り立つ場合は故障警報を出力する手順とし、自己復帰動作はさせず作業者による点検・修理を待つ。仕様によっては組合せ秤の運転停止指令を出力させ、運転を停止させてもよい。ここで、
|Awyx|<Red ・・・(1.4.1.5 )
が成り立つ場合は組合せ秤は正常であるとする。スパン補正法については後に述べる。なお、(1.4.1.3)式、及び(1.4.1.4)式の判定を行うのが判定手段である。
【0065】
〔1−4−2.再計量手段の偏り誤差判定法〕
再計量手段と組合せ秤は、同時に異常または故障は起きないものとする。しかし、(1.4.1.1)式で求められる計量値差の平均値Awyxにおいて、再計量手段に大きい誤差があるときまたは組合せ秤のいずれか1台の計量ホッパに大きい誤差があるときはこのAwyxの絶対値が大きくなるので、この値でもって大きい誤差の原因が再計量手段であるか、又は組合せ秤の計量ホッパであるかを判定することはできない。なお、この計量値差の平均値Awyxは、いずれかの計量ホッパが異常であるということが判明している場合に、その異常のある計量ホッパを特定することができる。
そこで、再計量手段、及び組合せ秤の計量ホッパのうち何れが異常等であるかを判定するためには再計量手段が異常等であるか否かも判定する必要があるので、その判定方法を説明する。
各計量ホッパについてそれぞれ特定の1台が組み合わせに参加しない各グループに分けて、各グループごとに計量値差の合計値或いは平均値を求めて再計量手段の誤差の有無を判定するとする。
図2と図3において、計量ホッパAが参加しない組み合わせグループは11から20までの10組である。この10組を取り上げ計量ホッパAの非参加合計値Swynaを求めると、
【0066】
Swyna={Wc11−(wb11+wc11+wd11)}+{Wc12 −(wb12+wc12+we12)}+・・・+{Wc20− (wd20+we20+wf20)}
=10Ecw−6(Eb+Ec+Ed+Ee+Ef)±σT
となる。故にSwynaを組数で除算して平均値を演算すると、
Awyna=Ecw−3/5・(Eb+Ec+Ed+Ee+Ef)±σt
と導かれる。
同様に計量ホッパB、C、D、E、Fがそれぞれ参加していない組み合わせグループの平均値はそれぞれ、下記の如くである。
Awynb=Ecw−3/5・(Ea+Ec+Ed+Ee+Ef)±σt
Awync=Ecw−3/5・(Ea+Eb+Ed+Ee+Ef)±σt
Awynd=Ecw−3/5・(Ea+Eb+Ec+Ee+Ef)±σt
Awyne=Ecw−3/5・(Ea+Eb+Ec+Ed+Ef)±σt
Awynf=Ecw−3/5・(Ea+Eb+Ec+Ed+Ef)±σt ・・・(1.4.2.1 )
この各計量ホッパxの非参加合計値Swynxを算出するのが合計値算出手段であり、各計量値差の平均値Awynxを算出するのが平均値算出手段である。
【0067】
再計量手段が大きい誤差を持ち、組合せ秤の各計量ホッパが誤差を持たないときはAwynxの全てが大きい値(異常値)となる。そして、再計量手段が大きい誤差を持たず、組合せ秤のいずれか1台の計量ホッパが大きい誤差を持つときは少なくともAwynxのうちのいずれか1つが正常値となる。故に、再計量手段と組合せ秤が同時に故障または異常状態にはならないという条件において、Awynxの大きさを調べることで再計量手段の故障・異常を判定することができる。Awynxのうち、いずれか一つは故障又は異常である計量ホッパの誤差を含まないため、再計量手段が誤差を持たなければ小さい絶対値を取るものが少なくとも1つは存在する。
【0068】
異常判定境界値Recの大きさの設定について、再計量手段と組合せ秤による組合せ計量値の平均値のばらつきが標準偏差でσtであるとすると、判定用の境界値は3シグマまでばらつき誤差を見込むとして、さらに偏り値のみの異常判定余裕値rcを加え
Rec=3σt+rc ・・・(1.4.2.2 )
と設定する。
一方、再計量手段の故障境界値Rtcとして、Rtc>Recとなる適切な数値を設定する。全ての|Awynx|について
|Awynx|≧Rtc ・・・(1.4.2.3 )
が成り立つ場合は再計量手段は故障と判定し警報信号を出力する。この場合、自己復帰機能は働かせず、作業者による点検・修理を待つ。組合せ秤を自動停止させてもよい。いずれか少なくとも1個以上の|Awynx|について(1.4.2.3)式を満足しないときは、再計量手段は故障ではないので次の判定に移る。全ての|Awynx|について、
Rtc>|Awynx|≧Rec ・・・(1.4.2.4 )
を満足するときは再計量手段が異常状態であると判定し、まず組合せ秤に対して組合せ物品の供給一時停止指令信号を例えば再計量手段より出力する。この信号により組合せ秤は少なくとも組合せ物品の1個分の排出を休止する。それによって、やがて再計量手段には組合せ物品到着の時間間隔が少なくとも1個分空き、再計量手段自身の自動零点補正命令が働き、自動零点補正が実行される。
判定手段は、全ての計量ホッパの|Awynx|について(1.4.2.4)式を満足するか否かの判定を行うものであり、零点補正手段は、再計量手段に対して自動零点補正を掛ける手段である。
但し、組合せ秤の供給能力が低く、再計量手段へ供給される各組合せ物品どうしの間で再計量手段の自動零点補正を正常に働かせることが出来る場合は、組合せ秤に対して組合せ物品一時停止指令信号を出さずともよい。例えば、零点補正が必要となったとき、再計量手段が一つの組合せ物品の計量を完了した後にタイマを動作させ、計量された組合せ物品が再計量手段の計量コンベヤを完全に離脱してはかりが安定した時間を見込むことにより再計量手段に対する自動零点補正が可能になる。この指令を発信した後は、少なくとも再計量手段自身の自動零点補正動作実行の確認後に新たに次の判定データ(組データ)を採集し始める。
【0069】
その結果、次の|Awynx|を再計量手段にて再判定する。そして、|Awyx|が誤差異常境界値の範囲内にあると判定したときは、再計量手段自身の自動スパン補正機能を働かせる。ただし、少なくとも1個以上の|Awynx|について、
|Awynx|<Rec ・・・(1.4.2.5 )
の成り立つときは再計量手段は異常状態ではないと判定する。
全てのAwynxが故障境界値Rtc未満であるが異常境界値Recより大きいときは、組合せ秤へ指示を与え組合せ物品を1個ないし複数個連続で作らないモードを作り、再計量手段への組合せ物品の供給に所定の時間間隔を与え、再計量手段が自身の機能で自動零点補正を掛ける余裕を与えるようにする。その結果、更に異常判定の時は自動スパン補正を掛ける。スパン補正の結果なお異常であるときは故障警報を出力する。仕様によっては組合せ秤の運転停止を指令してもよい。
再計量手段の故障境界値Rtc、異常境界値Recを図5(b)に示し、組合せ秤の故障境界値Rtd、異常境界値Redを図5(a)に示す。
このように、再度、全ての計量ホッパの|Awynx|について(1.4.2.4)式を満足するか否かを判定し、全ての計量ホッパの|Awynx|が誤差異常境界値の範囲内にあると判定したときに、再計量手段のスパン誤差が異常であると判定するのがスパン誤差判定手段である。
【0070】
〔7−4−3.最適境界値設定法〕
上に述べた判定方法は、演算対象の(1.4.1.1 )式、(1.4.2.1 )式のそれぞれの組数を多く取れば取るほど既に説明したように平均値のばらつきは小さくなり、また各計量ホッパの参加割合も相互に揃うので精度の高い判定が可能になる。即ち、組数を多く採用して計算することにより境界値の絶対値を小さく設定することができる。ばらつき誤差の影響を小さくするためには予め計量ホッパの組み合わせ参加数が最小のものでも、ある設定された個数(標準数)以上の数値であることを条件にして判定を行うこととすればよいが、計量数を多くとれば取るほど判定するまでの時間が長く掛かる。一方で、大きい異常に対しては早く処置したいところであり、他方では精度の高い判定を行いたい。次に、その方法を述べる。
対策法として、上に述べた平均法の特徴を生かしつつ早く異常を発見する方法を採用する。指定計量ホッパの最低参加数2の場合の誤差平均値でもって判定するとして、この場合、個別計量ホッパの参加総数は6であるから、2組全体の標準偏差σTは、
σT=(6・σdw2 +2・σdw2 1/2 ・・・(1.4.3.1)
となる。1組の平均値の標準偏差σt2は、
σt2=σT/2=((3/2)・σdw2 +(1/2)・σcw2)1/2
・・・(1.4.3.2)
となる。3σt2を境界値に使用すると、組合せ秤の異常境界値Redは
Red=rd+3σt2 ・・・(1.4.3.3)
とする。rd=3σt2にすると、
Red=6σt2 ・・・(1.4.3.4)
である。この値をRed2と置く。
【0071】
同様に、最低計量ホッパ参加数3組で判定する場合は、3組全体の標準偏差σTは、
σT=(9・σdw2 +3・σcw21/2
であるから1組の平均値の標準偏差σt3は、
σt3=σT/3=(σdw2 +(1/3)・σcw21/2<σt2
となる。故に、
Red3=6σt3<Red2
となり、計量ホッパ参加数が多い程、更に小さい境界値の設定が可能になる。この様に、ばらつき誤差を考慮しながら、現在の参加計量ホッパの参加数に応じてそのときの判定に最適な境界値を決める。データ数が少ない間は異常境界値は大きいので大きい異常判定しか出来ないが、データ数の増加に伴って判定基準の信頼性も上がるので小さい異常も判定できるようになる。故障境界値の設定も同様にできる。
また、再計量手段の場合の境界値設定法についても同様な方法の判定が可能であり、詳細な説明を省略する。
別の方法として境界値を決定するにおいて、必ずしも直接、標準偏差値に対応させる必要はなく、組合せ計量値の合計値と再計量手段の再計量値の合計値のばらつき、または組合せ計量値の合計値と再計量手段の再計量値の合計値のそれぞれの平均値のばらつきに応じた適当な数値を1個又は複数個用意して、組合せ数に応じて境界値用に当てはめてもよい。これらの平均値のばらつきは、計量値の数が増加して平均値を求める対象とする計量値数を増加させることができるようになると、計量値の平均値のばらつきが小さくなるので、平均値の演算対象(計量値数)の増加に応じて小さくした複数の境界値を用意し、計量値数に対応して選択的に境界値を適用する。
σtnを設定するには、稼働運転に先立って組合せ秤の各計量ホッパの計量値のばらつき誤差σdwと再計量手段の再計量値のばらつき誤差σcwを求めておく必要がある。
なお、図5(a)に示す組合せ秤の故障境界値Rtd、異常境界値Red、及び図5(b)に示す再計量手段の故障境界値Rtc、異常境界値Recは、計量ホッパの計量値の標準偏差σdw、再計量手段の再計量値の標準偏差σcw、及び計量ホッパと再計量手段の計量値の数nを使用して算出されるものである。
【0072】
〔1−4−5.自動標準偏差値設定法〕
再計量手段の運転条件におけるばらつき誤差σcwの求め方については、稼働運転(本稼働運転)前のテストモードにおいて、重量が既知である代表的な任意の組合せ物品を運転時の条件で再計量手段上を複数回流すことで再計量手段の再計量値の標準偏差σcwを求める方法がある。これは従来の方法による求め方である。
一方、組合せ秤の運転条件での各計量ホッパのばらつき誤差を求めるのは容易ではない。
そこで、組合せ秤については、稼働運転前のテスト運転モードとして、全ての計量ホッパに対して、本稼働運転時に投入する量の物品を投入した後、運転時に計量値(これを運転時計量値と言う)を取得するタイミングで先ず計量値を測定し、続いて十分計量ホッパが安定した後の計量値(これを安定時計量値と言う)を求め、各計量ホッパごとにそれぞれ運転時計量値と安定時計量値の偏差を求め、複数個の偏差を求めた上で、各計量ホッパのばらつきの標準偏差値を求めることができる。テスト運転では上記の計測・演算シーケンスを自動的に動作させるものとする。これら求められた標準偏差値は、本稼働運転時における組合せ秤の各計量ホッパのばらつきの標準偏差値σdwを表す。
組合せ秤の各計量ホッパは、計量値が均等にばらつくように設計・調整するものとし、計量ホッパ別にσdwを求めるのでなく、各計量ホッパの標準偏差値σdwの平均値をもって組合せ秤の代表的な計量ホッパの標準偏差値とする。計量ホッパの標準偏差算出手段は、上記のようにして計量値のばらつきの標準偏差値σdwを算出するものである。
【0073】
組合せ秤と再計量手段の計量システムにおいて、再計量手段の計量値のばらつきの標準偏差値もテスト運転モードで自動的に求める方法について述べる。
上記の如くテスト運転モードにて組合せ秤は安定時計量値を得ているので、これらの値でもって組合せ演算を行い組合せ物品の計量値を求めたとき、この計量値は、ほぼ組合せ物品の真の重量値を表している。この組合せ物品が再計量手段に搬送され、再計量手段は、前段の搬送コンベヤも含めて運転時と同じ条件で運転され、組合せ物品を計量する。この様にすれば、再計量手段による再計量値は運転時と同じばらつきを持つ。組合せ秤から真の組合せ計量値を得た上で、再計量手段の再計量値との間で偏差を求める。
この様にして組合せ秤から供給された安定時計量値による組合せ計量値と再計量手段における再計量値の偏差を複数個求め、適当な計量個数において偏差のばらつきの標準偏差値σcwを求めると、この値は再計量手段の運転時における再計量値の標準偏差値σcwを表す。勿論、これにはそれぞれの組合せ計量値のばらつき分は含まれない。
再計量手段の標準偏差算出手段は、上記のようにして再計量値のばらつきの標準偏差値を算出するものである。
このようにして、自動的にテスト運転モードにて組合せ秤、再計量手段共に同時に、運転時計量値のばらつきの標準偏差値σdw、σcwをそれぞれ求めることが出来る。組合せ秤の各計量ホッパの計量値の代表的な標準偏差値をσdw、再計量手段の再計量値の標準偏差値をσcwとすると、テスト運転終了時に再計量手段へこれを伝送し、再計量手段においてσcwとσdwをメモリにストアしておく。誤差量の大きさを判定する計算において、上記のメモリの記憶値σcw、σdwを使い、その時点の計算に使用する組合せ計量値における計量ホッパの参加数に対応してσTそしてσtnを計算し、Red、Rcd等の境界値を求め直し、設定値を変更させる。
【0074】
〔1−5.組合せ秤の計量ホッパが同時に複数台の異常を起こす場合の判定法〕
在来の方法では、同時に複数台の計量ホッパ異常を判定することができない。次に、上記の項では計量ホッパxの平均誤差値Awyxを1台の異常計量ホッパの判定に適用したが、この値による判定法が同時に複数台の計量ホッパに異常が起きたときに適用できることを説明する。
〔1−5−1.再計量手段の異常判定法〕
やはり再計量手段と組合せ秤は同時に異常・故障は起きないとする。
組合せ秤におけるいずれか任意の2台の計量ホッパが組合せに参加していないグループの平均誤差を求める。計量ホッパx、yが参加しない組合せ計量値と再計量値との間の誤差をwynxyrと表現する。但しrは組合せ計量値のグループ番号を表す。図2、図3の事例で説明すると、計量ホッパ6台中任意の2台が参加しない組合せ数(または6台中4台が参加する組合せ数)は 62 64 =15通りある。例えば計量ホッパAとBが組合せに参加しないグループは図3の17、18、19、20の組であり、
Figure 0004693950
となる。故に計量ホッパA、B不参加計量値の誤差合計値Swynabは、
Figure 0004693950
となる。計量ホッパA、B不参加計量値の誤差平均値Awynabは、
Awynab=Ecw−3/4(Ec+Ed+Ee+Ef) (1.5.1.2)
となる。同様にして、
Awynac、Awynad、・・・Awynefまで15通りを求める。
【0075】
一般的表現として計量ホッパx、yの参加していない誤差平均値をAwynxyとすると、再計量手段が大きい誤差を持ち、組合せ秤の各計量ホッパが誤差を持たないときは、Awynxyの全てが大きい値(異常値)を取る。そして、再計量手段が大きい誤差を持たず、組合せ秤のいずれか1台または2台の計量ホッパが大きい誤差を持つときはそれらの計量ホッパの除外されたAwynxyが存在するので、少なくともAwynxyの内の1つは正常値を取る。
故に、再計量手段と組合せ秤が同時に異常状態にはならないとする条件において、Awynxyの大きさを調べることで、つまり、全てのAwynxyが異常値であるか否かを判定することにより再計量手段の異常を判定することができる。
【0076】
〔1−5−2.組合せ秤の各計量ホッパの偏り誤差判定法〕
組合せ秤の2台の計量ホッパが同時に異常となる場合、前述した(1.4.1.1)式のAwyxが判定に使用できるか検証する必要がある。
Awyxにおいて、異常境界値をeとしたとき再計量手段の誤差Ecw=0、Ea=e、Eb=−5/2e、Ec=Ed=Ee=Ef=0のとき、Awya=0、Awyb=−5/2eであるので、Awyaの値からは計量ホッパAの誤差は検出できない。また、再計量手段の誤差Ecw=0、Ea=e、Eb=−e、Ec=Ed=Ee=Ef=0のときは、Awya=3/5e、Awyb=−3/5e、Awyc=・・・=Awyf=0であるので、いずれのAwyxも異常境界値未満である。従って、Awyxから直接に計量ホッパxの誤差の大きさを判定することは出来ない。
そこで、先ずAwyxによっていずれの計量ホッパが大きい誤差を持つかを知り、次にそれらの計量ホッパの誤差の大きさを調べて異常であるか否かを判定する手順を取るものとする。
【0077】
最大で2台の計量ホッパの計量値に大きい誤差がある場合を調べることを前提としているので、誤差のある2台の計量ホッパについて誤差の量をEx、Eyとし、他の計量ホッパの計量値の誤差及び再計量手段の再計量値の誤差Ecwは0とする。誤差の量は絶対値で判定するので、Awyx、Awyy、及びそれ以外の誤差平均値の絶対値の大きさ(代表してAwyzと表す)を比較することで誤差が最大の計量ホッパを発見するようにする。そのためには、|Awyx|、|Awyy|、|Awyz|の関係において、他の計量ホッパより明らかに大きい誤差を持つ計量ホッパx又は計量ホッパyの誤差量が代表的に表わされた|Awyx|または|Awyy|の少なくともいずれか一方が必ず任意の大きさの誤差Ex、Eyに対して|Awyz|より大きいことが証明できれば、最初に誤差平均値の最大値を取るものを発見することができる。これによって最大誤差を持つ計量ホッパを特定することが可能になる。説明をより簡明にするために計量ホッパx、計量ホッパyの誤差をそれぞれ0でない任意の実数x、yと置き直すと、
【0078】
|Awyx|=|x+(2/5)y|
|Awyy|=|y+(2/5)x|
|Awyz|=|(2/5)・(x+y)|
において、0でない任意の実数x、yに対して、
|x+(2/5)y|>|(2/5)・(x+y)|及び、
|y+(2/5)x|>|(2/5)・(x+y)|が同時に成立すること、或いは、
|x+(2/5)y|または|y+(2/5)x|>|(2/5)・(x+y)|・・・(1.5.2.1)
が成立することが示せればよい。
最大誤差を持つ計量ホッパが特定できればその計量ホッパの参加した計量値を除くことで異常な計量ホッパ1台のみの場合を調べる方法が適用できる。
上の不等式が成立するための必要十分条件は、
(x+(2/5)y)2 または、及び(y+(2/5)x)2 >{(2/5)(x+y)}2 ・・・(1.5.2.2)
が成立すること、或いは
(x+(2/5)y) 2 <{(2/5)(x+y)}2 、及び
(y+(2/5)x)2 <{(2/5)(x+y)}2 ・・・(1.5.2.3)
の2つの不等式が同時に成立することが無いことを証明すればよい。
【0079】
(証明)
P=(x+(2/5)y)2 −{(2/5)(x+y)}2 =(x/25)・(21x+12y)
故に、x>0、y>0のときP>0、そしてx<0、y<0のときもP>0である。故に、
|x+(2/5)y|>|(2/5)(x+y)|、及び|y+(2/5)x|>|(2/5)(x+y)|・・・(1.5.2.4)
が成立する。次に、
(a)x>0、21x+12y<0、
又は(b)x<0、21x+12y>0
が成立すればP<0、即ち|x+(2/5)y|<|(2/5)(x+y)|が成立する。同様に、
Q=(y+(2/5)x)2 −{(2/5)(x+y)}2
=(y/25)・(21y+12x)
故にx>0、y>0のときQ>0、そしてx<0、y<0のときもQ>0となる。そして、
(c)y>0、21y+12x<0、又は
(d)y<0、21y+12x>0
が成立すればQ<0、即ち|y+(2/5)x|<|(2/5)(x+y)|が成立する。
【0080】
上の式でx>0、y>0、又はx<0、y<0である時は、P>0、Q>0であるから、
|x+(2/5)y|>|(2/5)(x+y)|、
と|y+(2/5)x|>|(2/5)(x+y)|
が同時に成り立つ。
次に、(a)が成立するときに(c)または(d)が成立し、そして(b)が成立するときに(c)または(d)が成立しなければ、
|x+(2/5)y|<|(2/5)(x+y)|、
と|y+(2/5)x|<|(2/5)(x+y)|
が同時に成立しない。
(a)が成立するとき、即ちx>0のとき、y<−(21/12)x<0であるから(c)式は成立しない。
(d)のy>−(12/21)xについて、(a)にてyはy<−(21/12)x であるから(d)式は成立しない。
(b)が成立するとき、即ちx<0のとき、y>−(12/21)x>0であるから(d)式は成立しない。
(c)のy<−(12/21)xについて、(b)にてyはy>−(21/12)x であるから(c)式は成立しない。
故に|x+(2/5)y|<|(2/5)(x+y)|、と|y+(2/5)x|<|(2/5)(x+y)|は同時に成立しないので、少なくともx、yが0でない任意の実数のときは、
Figure 0004693950
のいずれか一方の不等式が成立する。
以上の証明から、最も多い場合で2台の計量ホッパについて大きい誤差がある条件において、誤差平均値の絶対値を調べたとき、最も大きい値を取るAwyxは2台の大きい誤差を持つ計量ホッパの内のどちらか1台の計量ホッパxに対応しているとの判定ができる。
【0081】
次に、(1.4.1.1) において組合せ秤の組合せ計量値と再計量手段の再計量値の誤差におけるの指定計量ホッパ別誤差平均値Awyxを求めるに当たり、演算に採用するデータ中の指定計量ホッパの組合せ参加数は他の計量ホッパの参加数より多くなるように選ぶので、Awyxをより一般的な形で表現すると、
Awya=Ecw−{Ea+(n/m)・(Eb+Ec+Ed+Ee+Ef)}±σt
同様に他の計量ホッパについても計量ホッパAと同様に平均値を求めると
Awyb=Ecw−{Eb+(n/m)・(Ea+Ec+Ed+Ee+Ef)}±σt
Awyc=Ecw−{Ec+(n/m)・(Ea+Eb+Ed+Ee+Ef)}±σt
Awyd=Ecw−{Ed+(n/m)・(Ea+Eb+Ec+Ee+Ef)}±σt
Awye=Ecw−{Ee+(n/m)・(Ea+Eb+Ec+Ed+Ef)}±σt
Awyf=Ecw−{Ef+(n/m)・(Ea+Eb+Ec+Ed+Ee)}±σt
但しm>n>0 ・・・(1.5.2.6)
である。
上記と同様に
|Awyx|=|x+(n/m)y|
|Awyy|=|y+(n/m)x|
|Awyz|=|(n/m)(x+y)|
において0でない任意の実数x、yに対して、
|x+(n/m)y|または、及び|y+(n/m)x|>|(n/m)(x+y)|
・・・(1.5.2.7)
の成立することが示せればよい。
【0082】
上記と同様に
P=x・(m−n)/m2 {(n+m)x+2ny}
Q=y・(m−n)/m2 {(n+m)y+2nx}
m>n>0であるからm−n>0
故に、x>0、y>0ならP>0、Q>0、及びx<0、y<0ならP>0、Q>0
|x+(n/m)y|及び|y+(n/m)x|>|(n/m)(x+y)|
が成り立つ。
更に、(m−n)/m2>0であるから上記の条件式(a)、(b)、(c)、(d)と同様に、
(a)x>0、(m+n)x+2ny<0または(b)x<0、(m+n)x+2ny>0 と、
(c)y>0、(m+n)y+2nx<0または(d)y<0、(m+n)y+2nx>0
ここでm+n>2nであるから同様に、
|x+(n/m)y|または|y+(n/m)x|>|(n/m)(x+y)|
・・・(1.5.2.8)
の成り立つことが証明できる。
【0083】
計量ホッパxが特定できると、計量ホッパxを除いた組合せグループの中で誤差平均値を求める。計量ホッパxが計量ホッパAであった場合は、計量ホッパAの不参加・計量ホッパB参加の組合せグループ(組)の合計値Swybna、計量ホッパA不参加・C参加の組合せグループの合計値Swycna、・・・、計量ホッパA不参加・F参加の組合せグループのSwyfna合計値、そしてそれらの、それぞれ指定計量ホッパの参加数で合計値を割った平均値Awydna、・・・、Awyfnaを求める。
図2と図3の事例で説明すると、計量ホッパA不参加グループは11から20の組合せであるから、そのうち計量ホッパB参加グループは11、12、・・・、16であり、
Swybna=6Ecw−{6Eb+3(Ec+Ed+Ee+Ef)}
故に、
Awybna=Ecw−{Eb+1/2(Ec+Ed+Ee+Ef)}
以下同様に各計量ホッパについて、
Figure 0004693950
と表せるので計量ホッパ1台のみ誤差が大きい場合の考えが適用できる。これらの平均値の中から絶対値が最大のものを発見し、境界値より大きいか否かを判定する。境界値より大きければその計量ホッパは異常と判定する。もし、正常・異常はともかく最大値を取ったものが計量ホッパBであったとすると、今度は計量ホッパAが参加し、計量ホッパBが参加しないグループの誤差平均値Awyanbを求める。図2と図3より、
Awyanb=Ecw−{Ea+(1/2)(Ec+Ed+Ee+Ef)}
・・・(1.5.2.10)
であるからこの式よりEaの値を求め、異常・正常を境界値で判定する。
【0084】
計量ホッパ3台が同時に異常を起こす可能性についても上記と同じ考え方で、同じ誤差平均値Awyxを使い、最大で3台の誤差の大きい計量ホッパを特定し、そのが差が境界値より大きいか否か判定することは可能である。
3台の誤差の大きい計量ホッパを特定するには、先ず3台中1台を最初に特定できれば、上記と同じ考え方に立って2台、1台目の計量ホッパも特定できかつ、誤差の異常・正常も判定できる。
それには、x、y、zを0でない任意の実数としたとき、
|x+(2/5)(y+z)|、|y+(2/5)(x+z)|、|z+(2/5)(x+y)|
のどれもが同時に|(2/5)(x+y+z)|より小さいことが起きないことが証明できればよい。
2台の場合と同様に、
Figure 0004693950
の3式が同時に成立することが無いことを証明すればよい。
途中の演算を略し、それぞれ(イ)、(ロ)、(ハ)式について、
(イ):(a1) x>0 、21x+12(y+z)<0 または (b1) x<0 、21x+12(y+z)>0
(ロ):(a2) y>0 、21y+12(x+z)<0 または (b2) y<0 、21y+12(x+z)>0
(ハ):(a3) z>0 、21z+12(x+y)<0 または (b3) z<0 、21z+12(x+y)>0
であるから、
(a1)(a2)(a3)、(a1)(a2)(b3)、(a1)(b2)(b3)、(a1)(b2)(a3)さらには
(b1)(b2)(b3)、(b1)(b2)(a3)、(b1)(a2)(a3)、(b1)(a2)(b3)
の各3組のそれぞれが同時に成立することの起きないことを証明すればよい。
【0085】
(a1)(a2)(a3)が同時に成り立たないことは明らかである。
(a1)(a2)(b3)について、
x>0、y>0、z<0のもとに、
(a1)よりz<−(21x+12y)/12
(a2)よりz<−(12x+21y)/12
のとき(b3)におけるz>−12(z+y)/21は、
|12(z+y)/21|<|(21x+12y)/12|
|12(z+y)/21|<|(12x+21y)/12|
であるから成立しない。故に(a1)(a2)(b3)は同時に成立しない。
(a1)(b2)(b3)について
x>0、y<0、z<0のもとに
(a1)よりx<−12(y+z)/21であるが
(b3)においてx>−(12y+21z)/12が成り立たなければならない。
しかし、|12(y+z)/21|<|(12y+21z)/12|であるから上の両不等式は同時に成立しない。故に(a1)(b2)(b3)は同時に成立しない。
【0086】
(a1)(b2)(a3)について
x>0、z>0、y<0のもとに
(a1)よりy<−(21x+12z)/12と
(b2)よりy>−12(x+z)/21が同時に成り立たなければならないが、|12(x+z)/21|<|(21x+12z)/12|であるから、
上の両不等式は同時に成立しない。故に(a1)(b2)(a3)は同時に成立しない。
(b1)に関しても同様に証明できるので省略する。
以上の証明によって、全てのAwyxの絶対値の内、最も大きいものに対応する計量ホッパは大きい誤差を持つ可能性があると決定できるので、この計量ホッパを除いた誤差平均値の組を求め、さらにその中で絶対値の最大のものは大きい誤差を持つ可能性がある計量ホッパと決定できるので、その計量ホッパを除いた誤差平均値を求めることで残りの計量ホッパの誤差の大きさを、誤差平均値から求めかつ、異常か否かを判定する。3台目の誤差の値が求まれば、それを元に2台目そして1台目と順に誤差の値を求め異常・正常を判定する。
【0087】
〔1−6.ばらつきによる異常判定〕
〔1−6−1.組合せ秤や再計量手段の異常ばらつきの原因〕
ばらつき量そのものの大小によって計量ホッパの異常を判定する方法も考えられる。組合せ秤や再計量手段には、計量中に起きた予期できない床振動、電気ノイズ、計量ホッパや再計量手段の計量コンベヤへの計量中における物品の付着・離脱、また一時的に計量ホッパに物品が付着してしばらく後に離脱する場合、何らかの原因によるロードセル自身のトラブルによる不安定出力等、長い時間におけるドリフトとは性質の異なった異常状態が起きることがある。
床振動や電気ノイズを原因とするばらつきは、組合せ秤と再計量手段で同時に発生する可能性が大きく、ロードセル不良等を原因とする場合は再計量手段または組合せ秤の中のいずれか1台に異常なばらつきが発生する可能性が高い。これらの現象は、計量値の平均的なドリフト量を観察するよりもばらつき量で観察した方が正確な判断が出来る。例えば正負に大きい誤差を繰り返したとき平均値では検出できないが、ばらつき量で見れば異常が判断できる。
【0088】
〔1−6−1.組合せ秤及び再計量手段の異常ばらつき判定法〕
そこで、ばらつき判定のデータとして、前述した、それぞれ計量ホッパA、B、C、・・・、Fが参加していない組合せグループの誤差値のばらつきを検定する。例えば、計量ホッパAが参加していない組合せ計量値グループを図2と図3から取り上げると、
Figure 0004693950
であるので、誤差値wyna1、wyna2、・・・、wyna10からばらつき量を表す値として標準偏差σnaを求める。σnaを計量ホッパA非参加時標準偏差と呼ぶことにすると、同様にして計量ホッパB、C、D、E、F非参加時の標準偏差σnb、σnc、σnd、σne、σnfを求める。
一方、異常境界値としては、正常時の標準偏差として前述の再計量手段の標準偏差σcwと組合せ秤の各計量ホッパの標準偏差σdwから算出した前述のσTの基準値と、大きい方向に適切に定めた異常範囲値sとの合計値をRσとして、
Rσ=σT+s ・・・(1.6.2.2)
を設定する。組合せグループの採用数に合わせてRσもσTの部分を計算し直す。また、この評価は特定計量ホッパのばらつきを調べるのであるから、標準偏差を求める評価計算のグループに同じ組み合わせによる誤差、例えばwyna1のデータが何度も入っていてもよい。
【0089】
次に、組合せ秤の計量ホッパは多くとも同時には1個のみが異常を起こすことがある場合の、再計量手段と組合せ秤の異常判定法について述べる。
σnaからσnfまでの内少なくとも1個が境界値Rσより小さいときは再計量手段のばらつきは正常と判定する。σnaからσnfまでの全てがRσ以上の大きさの時は組合せ秤の全ての計量ホッパ、または再計量手段がばらつき異常であると判定する。
再計量手段のばらつきが正常との条件において、組合せ秤の計量ホッパA非参加のσnaが正常値、他のσnbからσnfまでが異常値であるときは、計量ホッパAが非参加であれば正常、参加であれば異常であるから、計量ホッパAがばらつき異常と判定する。同様に、計量ホッパxが非参加のσnxが正常値、σnxをのぞく標準偏差が正常であるとき計量ホッパxは異常であると判定する。
作業者がばらつきの大小を判定したいときは、上記の標準偏差σnaからσnfまでの値と、標準値としてテスト運転モード時において求めた再計量手段のばらつきの標準偏差σcwと組合せ秤の各計量ホッパのばらつきの代表標準偏差σdwと採用データ数から計算された標準値σTを表示操作部に表示すればばらつき程度の判定が容易になる。
【0090】
2台の計量ホッパにばらつき異常があるとき上記の方法では少なくとも異常計量ホッパの内の1個分が常にσnxに加わるので、σnxが常に異常値となり再計量手段と組合せ秤の異常の区別がつかない。
その対策として、最初に異常な2台の計量ホッパを特定するため2台の計量ホッパ不参加の組合せグループの誤差データを求める。計量ホッパ6台の組合せ秤であれば 62 =15通りの計算が必要である。計量ホッパx、y不参加の標準偏差をσnxyとすると15通りのσnxyの全てが異常であれば組合せ秤の全ての計量ホッパまたは再計量手段がばらつき異常と判定でき、いずれか1個が正常であれば組合せ秤の計量ホッパx、yのいずれか或いは両方が異常であると判定できる。計量ホッパx、yのいずれかに特定できれば15通りの標準偏差のうち計量ホッパx非参加、y参加及び、計量ホッパx参加、y不参加の標準偏差の大きさを調べる。
但し、異常境界値は正常値の基準値σTとして2個の計量ホッパが不参加を条件とした新たな値を予め求め、新たなRσを設定する必要がある。計量ホッパx不参加、計量ホッパy参加の標準偏差が正常な範囲の場合は、計量ホッパyは正常であると判定でき、計量ホッパxが異常であると判定できる。計量ホッパx不参加、計量ホッパy参加の標準偏差が異常な範囲である場合は、計量ホッパyが異常であるが計量ホッパxはどうなのか判定できない。その場合は続いて計量ホッパx参加、計量ホッパy不参加の標準偏差を調べ正常な範囲であれば計量ホッパxは正常、異常な範囲であれば計量ホッパxは異常と判定できる。
【0091】
〔1−7.故障・異常の論理判定法〕
また、今まで述べた方法とは別の方法として、従来の方法に準じて、1個の組み合わせデータを使用するが、従来より早く異常計量ホッパを特定する方法を示す。異常計量ホッパを早期に特定して修正することは、異常組合せ物品を量産して損失を拡大しない意味で大切なことである。
図4の(イ)、(ロ)に従来の方式による判別の例を掲げる。(イ)は1組目の組合せ物品に参加した計量ホッパがA、B、C、2組目はA、D、Eであったことを表している。異常計量ホッパがA、その他の全ての計量ホッパは正常とする。1組目は異常計量ホッパAが参加しているので組合せ物品を再計量手段で計量したとき判定結果は異常である。別に異常カウンタを計量ホッパ毎に設け、1組目が異常と判定されたとき1組目に参加した計量ホッパA、B、C用の異常ウカウンタをそれぞれ+1する。ここで、異常カウンタの数値を互いに比較して、もしそれらの中で最大個数のものが1つあるとき、その異常カウンタに対応する計量ホッパを異常とする。
(イ)において1組目では1が3個のカウンタにあるので異常計量ホッパを決定できない。2組目は計量ホッパA、D、Eが参加するが、これも異常と判定されたとき、計量ホッパA、D、Eに対応する異常カウンタを+1する。ここで再び異常カウンタ数を比較すると計量ホッパAに対応するカウンタが2、他は多くとも1であり計量ホッパAが異常であることがこの時点で決定できる。
ところが、(ロ)のように組み合わせが現れると、4組までは計量ホッパA及びCに対応したカウンタが2を示すので決定できない。5組目に初めて計量ホッパA用カウンタが3、計量ホッパC用カウンタ2、そのほかは1または0となり、計量ホッパAのカウンタが最大であることが判明し、計量ホッパAを異常と決定できる。
【0092】
次に、参照発明について説明する。基本的には在来と同じく1回の計量データによる判定法であるが、在来例より早く判定できる方法である。
全ての計量ホッパに対して正常、異常の判定結果を記憶させる一時メモリ(第2の記憶部)と保存メモリ(第1の記憶部)を用意する。初期設定として各計量ホッパ用保存メモリは全て1を入れる。検出判定動作を開始してから初めて異常と判定される組合せ計量値を検出したとき、一時メモリにおいて、そのとき参加した計量ホッパに対応したメモリを1(第1の論理値)、参加しなかった計量ホッパのメモリを0(第2の論理値)にする。また、組合せ計量値が正常と判定されたときは、そのとき参加した計量ホッパに対応するメモリを0、参加しなかった計量ホッパに対応するメモリを1とする。一時メモリと保存メモリの間で計量ホッパ毎に論理AND(論理積)を取り、その結果を保存メモリに格納すると同時に、ある計量ホッパが単独状態で1となっているか否かを調べる。組合せ計量値が正常、又は異常であるかの判定をするのが計量値差判定手段である。
【0093】
(イ)の例で説明すると、1組目の終了時に一時メモリは、計量ホッパA、B、Cが1、そのほかの計量ホッパのメモリは0にされる。すなわち、異常判定時には組合せに参加した計量ホッパの論理値を1、参加しなかった計量ホッパの論理値を0とする。一時メモリは111000となり、保存メモリ111111とANDを取ると111000となり、111000を保存メモリに記憶する。
次に、2組目でやはり異常判定のため、一時メモリは100110となり、この値と保存メモリとの間でANDを取ると100000の結果が得られ、単独の計量ホッパAの異常が判明し、計量ホッパAが異常であると決定される。この場合は従来方式と判定速度は同じである。
次に(ロ)の場合、1組目の保存メモリ結果は111000であるが、2組目は正常なので一時メモリはそのとき参加した計量ホッパ対応分のものを0、参加しなかった計量ホッパ対応分のものを1とする。すなわち正常判定時には組合せに参加した計量ホッパの論理値を0、参加しなかった計量ホッパの論理値を1とする。従って、一時メモリは100101となり、保存メモリとの間でANDを取ると100000の結果を得ることで単独の計量ホッパAの異常を検出することが可能になる。
但し、単独計量ホッパの論理値1を得たときその計量ホッパを異常と判定するには、少なくとも1回は異常判定があることを条件とする。
【0094】
本判定方法は、組合せ秤の計量ホッパは同時には1台しか異常は起こらないとの前提である故に、異常と判定したとき、そのときの組合せに参加した計量ホッパのいずれかが異常であるのと同時に、参加していない計量ホッパは正常との判定が同時に行われることになる。正常判定の場合は、そのときの組合せに参加した計量ホッパのみが正常であると判定となる。
従って、正常判定のみの継続の結果によって特定計量ホッパのみの論理値に1が残ってもこれは未判定の結果の1と考える。正常判定のみの結果でいずれかの計量ホッパに論理値1が残っている場合は判定を継続する。正常判定が連続し、論理演算による判定の結果、全ての計量ホッパが論理値0になれば全ての計量ホッパは正常であるとし、最初の保存メモリに111111を設定するところから演算を再開させる。
この様に論理の上で正常計量ホッパを除外することで従来方式より早く異常計量ホッパを判定できるようになる。
ただし、最初の保存メモリに111111を設定し、異常と判定された計量ホッパを1として一時メモリに記憶し、保存メモリと一時メモリの論理値の論理AND(論理積)を行って、それによって得られた論理値を保存メモリに記憶して、論理値が1となる異常計量ホッパを判定したが、これに代えて、最初の保存メモリに000000を設定し、異常と判定された計量ホッパを1として一時メモリに記憶し、保存メモリと一時メモリの論理値の論理OR(論理和)を行って、それによって得られた論理値を保存メモリに記憶して、論理値が1となる異常計量ホッパを判定してもよい。
【0095】
〔1−8.自動スパン補正法〕
次に、故障や異常の診断のみならず自己復帰方法として、正常な組合せ秤の計量値でもって異常な再計量手段のスパンを補正すること及び、正常な再計量手段の計量値と、組合せ秤の正常な計量ホッパの計量値でもって組合せ秤の異常な計量ホッパのスパン補正を行い、それぞれ異常な計量ホッパを正常に戻すことが可能であるのでその方法を述べる。
それには、1個、または複数個の組合せ物品の組合せ計量値と再計量手段の再計量値を比較してスパン係数を補正するものとする。複数の計量値でもって行う方が上で述べたようにばらつき誤差を小さくできるので補正法としては適切である。
〔1−8−1.再計量手段のスパン補正〕
特定の計量ホッパに対して零点補正したが、その特定の計量ホッパの異常が除去されていないと判定した状態とする。即ち、スパン補正条件が整った状態とする。次に、一旦再計量手段(零点補正を指令するCPUが再計量手段に設けられている。ただし、零点補正及びスパン補正を指令するCPUを組合せ秤に設けてもよい。)により零点補正した後の計量結果として、図2に示す1番目の組の再計量値Wc1が得られたとしてこの再計量値Wc1の1個で補正することができる。補正係数をjとすると組合せ秤から伝送され読み込んだ、組合せ計量値及び当該組合せを構成する計量ホッパのメモリ値(計量値)とそれに対応する再計量手段の再計量値とによって
j=(wa1+wb1+wc1)/Wc1 ・・・(1.8.1.1 )
を求める。同一組合せ物品に対する再計量手段の再計量値がWc1、組合せ秤の組合せ計量値がwa1+wb1+wc1である。組合せ秤の組合せ計量値wa1+wb1+wc1が正常、再計量手段の再計量値Wc1が異常であり、その比率が上の式である。仮にj<1であれば再計量手段のスパンが正常値より大きくなっていることを意味する。再計量手段の現在の設定スパンKcにjを掛けてKc・jをもって新たなスパンKcとすれば再計量手段を正常なスパンに戻すことが出来る。
このように、再計量手段の現在の設定スパンKcにjを掛けてKc・jをもって新たなスパンKcとして補正するのがスパン補正手段である。
【0096】
より信頼度の高いスパン補正を行うためには次のように演算する。図2の1から10までの10組の計量値を使用する場合、各補正係数jnは、
j1=(wa1+wb1+wc1)/Wc1
j2=(wa2+wb2+wd2)/Wc2


j10=(wa10+we10+wf10)/Wc10
であるから平均値として、
j=(j1+j2+・・・+j10)/10 ・・・(1.8.1.2 )
を使用する。多くの組のデータを使用した方が上で説明したようにばらつき誤差による影響が小さくなり、補正誤差を小さくすることができる。
このようにして、再計量手段の現在の設定スパンKcに平均補正係数jを掛けてKc・jをもって新たなスパンKcとして補正するのがスパン補正手段である。
また、この比率を表示操作部に表示させることで作業員にスパン誤差の大きさの程度を認識させることが出来る。スパンは重要な要素であるからこの数値を作業員が判断することで作業員がマニュアルでスパン補正を指示することも可能になる。
表示操作部は、各補正係数j及び平均補正係数jを表示することができる。作業者は、この補正係数jを使用して新たなスパンKcとしてスパン補正を指示することができる。
【0097】
〔1−8−2.組合せ秤のスパン補正(異常計量ホッパ1台の場合)〕
また、再計量手段の計量値でもって組合せ秤の特定計量ホッパのスパンを補正することも可能である。組合せ秤の特定計量ホッパが異常のとき、一旦再計量手段より零点補正を指示し、組合せ秤が該当する計量ホッパを零点補正したにも拘わらず同じ計量ホッパが異常の場合に(上に述べた補正条件が整った場合に)実施する。
例えば図2で計量ホッパAがスパン異常であるとする。再計量手段の再計量値Wc1と、Wc1に対応する計量ホッパAが参加した組合せ物品の各計量ホッパ別計量値wa1、wb1、wc1が参照される。組合せ秤の計量ホッパB及びCは正常であり、再計量手段も正常であるから計量ホッパAの正しい計量値をwa1cとすると、これらの計量ホッパの計量値よりwa1c=Wc1−(wb1+wc1)の如く演算して、正常な場合の計量ホッパAの計量値が求められる。このwa1c=Wc1−(wb1+wc1)の減算を行うのが第2の減算手段である。ここで補正係数をiaとおくと、iaは
ia=wa1c/wa1 ・・・(1.8.2.1)
となる。計量ホッパAにおいて正常な計量値はwa1c、異常な計量値はwa1であるので仮にia<1であれば計量ホッパAのスパンが大きくなっていることを意味する。従って、計量ホッパAの現在の設定スパン係数がTaであったとすると、Ta・iaをもって新たな計量ホッパAのスパンTaとれば組合せ秤の計量ホッパAを正常なスパンに戻すことが出来る。この新たなスパン係数を組合せ秤の計量ホッパAへ送る。
【0098】
この計算も1個の組合せ物品のデータではばらつき誤差が含まれるので、複数個でもって行う方が適切である。図2の10組を例に取る。
1番目から10番目までの各組について
wa1c=Wc1−(wb1+wc1)
wa2c=Wc2−(wb2+wd2)


wa10c=Wc10−(we10+wf10)
各補正係数ianは、
ia1=wa1c/wa1
ia2=wa2c/wa2


ia10=wa10c/wa10
である。そして、平均値として、
ia=(ia1+ia2+・・・+ia10)/10 ・・・(1.8.2.2)
と計算して、上記と同様にiaを組合せ秤の現在の計量ホッパAのスパンTdaに掛けて補正を行う。
また、この比率を表示操作部に表示させることで作業員にスパン誤差の大きさの程度を認識させることが出来る。スパンは重要な要素であるからこの数値を作業員が判断することで作業員がマニュアルでスパン補正を指示することも可能になる。
【0099】
〔1−8−3.組合せ秤のスパン補正(異常計量ホッパ2台の場合)〕
スパン異常計量ホッパが、計量ホッパA、B2台であったときは、先ず計量ホッパAのスパンを補正するために図2と図3の事例において計量ホッパA参加、計量ホッパB不参加の組合せ物品の計量値を選択する。5から10がそれに相当する。上記と同様に演算すると、
Figure 0004693950
となる。また、計量ホッパBについて、計量ホッパB参加、計量ホッパA不参加の組合せ物品の組合せである1 1 から1 6より、
Figure 0004693950
となる。故に、
ia=(ia5+ia6+・・・+ia10)/5
ib=(ib11+ib12+・・・ib16)/5 ・・・(1.8.3.1 )
となる。ia、ibによってそれぞれ組合せ秤の計量ホッパA、Bのスパン係数を補正する。
【0100】
〔2.組合せ秤と再計量手段の間の信号伝達とデータ照合方法〕
〔2−1.相互データの照合について〕
組合せ秤1と再計量手段(例えば重量選別機)4から成る計量システムは、通常、図7に表すように両者1と4の間に包装機2、搬送コンベヤ3が組み込まれるため、組合せ秤1にて計量・組み合わせが決定され、所定の計量ホッパHから排出され集合された組合せ物品Pと再計量手段にて計量される組合せ物品Pとの流れの間には1ないし複数個の組合せ物品Pが存在するようなシステムが一般的である。図7は、組合せ秤1と再計量手段4の間に4個の組合せ物品の存在を示している。
このような計量システムにおいて上に述べた相互診断・自己復帰システムを正常に稼働させるためには、組合せ秤1から伝送ラインを通して組合せ物品の到着より先に再計量手段へ送られ、再計量手段のメモリに記憶されているある組合せ物品についての計量値等のデータが、組合せ物品到着時に再計量手段にて得られる計量値と同一の組合せ物品に属するものであることが確実に把握できるシステムの構築が必要である。そうでなければ両者の計量値を比較しても演算結果は無意味なものとなる。これを実現させるための組合せ秤における信号生成方法と再計量手段における信号参照方法と両者間の信号伝達方法について図7を事例にして述べる。
【0101】
単位時間当たりの組合せ物品の処理能力に関して計量システムの中心を組合せ秤1とすると、組合せ秤1の処理能力(組合せ物品の排出能力)に対応できる包装機2や再計量手段4が選択される。例えば仕様書により組合せ秤1から最大M個/分の組合せ物品が包装機2に排出されると、包装機2は同じ能力で、言い換えれば最大60/Msecの時間間隔で集合された組合せ物品を包装品化して搬送コンベア3へ送り出し、搬送コンベア3は包装機2から組合せ物品が排出されるのと同じ時間間隔で再計量手段4へ組合せ物品を送り込む。
組合せ秤1から再計量手段4へ至る途中において包装機2や搬送コンベア3等の搬送経路の都合で組合せ物品のこれらの機器から排出されるタイミングが組合せ秤1の排出タイミングに対して大きく狂うと、再計量手段4への組合せ物品の入力間隔に異常な狭ばまり又は拡がりが起こる。これによって、前後に搬送される組合せ物品との位置関係で計量コンベアVへの2個乗りが生じることがあり、その場合、正確な計量が出来なくなる。従って、途中の包装工程や搬送経路で出来る限り処理・搬送時間がばらつかないようにシステムは構築される。
つまり、包装機2を含む再計量手段4に至るまでの搬送経路を一つの機器としたとき、この機器は組合せ秤1の仕様で設定された最大能力に相当する時間間隔で組合せ物品が搬入(入力)されてもほぼ同じ間隔で組合せ物品を送り出す(出力)ことが出来るように設計される。そうすることによって再計量手段4において2個乗り(計量コンベアVに同時に2個の組合せ物品が乗ること)が発生すぜ正確な計量が可能となる。
また、搬送コンベア3を含むラインから組合せ物品が脱落して組合せ物品の抜けが起きると、組合せ秤1での組合せ計量値を再計量手段4で照合できないので、これに対する対策も講じてある。組合せ物品の抜けが起きたときに、組合せ秤1からの組合せ物品の排出時間間隔と再計量手段4への組合せ物品の到達時間間隔は異なることに注目している。
ラインの各機器のプロセスが正常な動作をしていれば組合せ秤1から排出される組合せ物品はどれもほぼ同じ所要時間でもって再計量手段4へ搬送されることになるので、ある組合せ物品とその前後の組合せ物品とのそれぞれの時間間隔について、組合せ秤1での排出時点と再計量手段4での到達時点とを比べるとほぼ同じ長さになる。
【0102】
以上の考えを基に、本発明は、計量システムが正常に稼働しているか否かを常時診断し、正しい組データのみを判定演算に採用するようにする。もしそうでなければ本発明の目的とする相互診断機能を一時中止させる機能も合わせて構築する。必要なことは、何かの不都合で搬送途中の1個ないし複数個の組合せ物品が搬送コンベア3から脱落したり、包装機2のトラブルで正常な包装が出来なかったり、包装された組合せ物品の搬送間隔が異常に接近したときは、異常を検出してデータ処理に不都合を起こさない計量システムを構築することを目的とする。
【0103】
〔2−2.組合せ秤のデータ発信準備と再計量手段のデータ受信準備〕
データ処理に不都合を起こさないための、組合せ秤と再計量手段の間のデータのやり取りについての参照発明を図6を参照して説明する。
(1)組合せ秤における物品の組み合わせが決定される時間間隔又は組合せ秤からの組合せ物品の排出時間間隔(一つ前の組合せ物品との時間間隔)を排出時間間隔計測手段により組合せ秤側で計測すると共に、その計測値と組合せ物品を計量した計量ホッパ番号と計量ホッパ毎の計量値のデータの組(組データ)を組合せ秤内部で作成する。
組合せ秤からの組合せ物品の排出時間間隔については、組合せが決まり、計量ホッパやメモリホッパ(計量値の確定した物品を一時的に貯留しておくためのホッパ)の排出ゲートを開ける間隔を測定すればよい。そして組合せ秤からのデータ出力のタイミングとしてこの排出時間間隔値をTdjとしてデータの中に加え、組合せ物品の排出と共に伝送ラインへ出力させる。
(2)再計量手段側では組合せ秤からの出力データを読み取るのに都合の良いタイミングに信号Aを組合せ秤へ送る。組合せ秤では信号Aを読みとると、信号Aを読みとった後に組み合わせ完了、または組合せ秤からの組合せ物品の排出が発生したとき、先に確認信号Bを再計量手段へ返してから上記のデータと対応する組を再計量手段へ送る。確認信号Bを発してから組データを出力する処理を行うときの時間遅れは、組合せ秤から排出される組合せ物品の排出時間間隔に比べわずかである。
【0104】
(3)再計量手段は信号Bを受け取った直後の、組合せ秤からデータを受け取ったタイミングにてタイマTIを起動させる。このTIに対して、組合せ秤から排出された組合せ物品が再計量手段に到達するまでの、例えば再計量手段での計量が完了するまでの標準の時間長さTiH を設定する。再計量手段の計量コンベヤの直前に組合せ物品検出用のフォトセンサPHを設置して組合せ物品が再計量手段へ到着するまでの時間を測定する方法もあるが、本例は再計量手段での計量完了時点(この時点が再計量手段への到達時点である。)までをカウントさせるとし、その値をタイマ値Tiとして説明する。このタイマ値Tiは、搬送時間である。また、組合せ秤から排出された組合せ物品が再計量手段に到達時点は、計量完了時点に代えて、例えば、上記組合せ物品検出用のフォトセンサPHが組合せ物品を検出した時点を意味することとしてもよい。
(4)組合せ秤は、組合せ物品を排出(出力)する度に一つ前の組合せ物品の排出タイミングとの間の排出時間間隔の計測値Tdjと組合せ計量値と参加計量ホッパ番号と各計量ホッパの計量値を一組(組データ)にして再計量手段へ送る。そのためには組合せ秤において組合せ物品の排出時間間隔をカウントするタイマTDJを用意する。そして排出時間間隔値をTdjとする。組合せ計量値は、各計量ホッパの計量値を加えれば求まるので必ずしも再計量手段へ送ることを必要とはしない。組合せ秤自身の自己診断で何らかのトラブルが発生した場合は、通常の組データに故障信号を加えるか又は故障の発生した時点で特別に故障信号を送る。
(5)再計量手段は故障信号を受けると、既に十分な量のデータの読み込みの後であるならその故障直前の入力データまでを相互診断用演算に使用しても良いが、演算用データの量が少ない時点で故障が起こったときは、診断演算やデータはリセットする。正常な状態で組合せ秤から受け取ったデータは受け取った順に再計量手段のメモリレジスタにストアさせて行く。
(6)再計量手段の内部にはタイマをTIとTJの2種類設ける。再計量手段は、組合せ秤から出力されたデータを順次読込み記憶するが、組合せ秤から出力された組合せ物品・付属データと再計量手段において計量した組合せ物品・計量データを同一の組合せ物品について照合させる必要がある。タイマTIは、組合せ秤から排出された組合せ物品がほぼ包装・搬送プロセスの正常なシーケンスに見合う標準の搬送時間の範囲内に再計量手段に届いたか否かを確認するために設けられる。
一方、タイマTJは、組合せ物品が順次再計量手段に到達した到達時間間隔Tjを計測するものであり、組合せ秤から排出された組合せ物品が順調に排出された時点の排出時間間隔Tdjを保ちながら搬送ラインを搬送され、再計量手段に到達していることを確認するために設けられる。
【0105】
最初にTIとTJの二つのタイマの機能により再計量手段の演算回路内で同一組合せ物品どうしのデータを照合させ、その次からの後続データについては、タイマTJの機能により組合せ秤からの組合せ物品の排出時間間隔Tdjと再計量手段での組合せ物品の到達時間間隔Tjをチェックし、両方のタイマカウント値TdjとTjがほぼ一致していれば組合せ物品は脱落・停滞などのトラブル無く順調に組合せ秤から再計量手段へ搬送されているもの判断する。
タイマTIに対して、組合せ秤から排出された組合せ物品が再計量手段へ到達する標準搬送時間TiH と、TiH に対する許容時間差として±TEが設定される。組合せ秤から排出された組合せ物品が再計量手段において計量完了になるまでの搬送時間はシステムが決まれば、ほぼ一定である。初めに再計量手段は、組合せ秤のデータを演算に使用するためのデータ照合の手続きとして、組合せ秤に対して、組合せ秤が組合せ物品を排出した瞬間の合図Bを要求する。
組合せ秤から組合せ物品が排出されたことを意味する確認信号Bを再計量手段が受けるとタイマTIを起動する。そして再計量手段においてタイマTIの値と計量完了信号の発生を監視し、タイマTIのカウント値がTi−TEとTi+TEの時間内に計量完了が発生すれば、確認信号Bと共に組合せ秤から排出された組合せ物品が順調に途中のプロセスを搬送され、再計量手段に到達した可能性が高いとみなし次の確認作業に入る。図8(a)にその様子を表す。許容時間差内に計量完了の発生が無ければラインは異常と判定する。
しかし、最終的に順調であると決定するにはさらに下記に述べる手続きを実行させる。ここでTEは、組合せ秤から出力された組合せ物品が途中の包装機、搬送経路を搬送されるときに生じる許容最大ばらつき時間値である。
例えば、図8(b)に示す如く、確認信号Bと共に組合せ秤から排出された組合せ物品P2の一つ前を行く組合せ物品P1がライン上の何かのトラブルによって遅れたために、丁度組合せ物品P2の到着すべきタイミングとほぼ同じタイミングにて再計量手段に到達し、計量完了信号を発生させることも考えられる。そこで、再計量手段において、順次到達する組合せ物品の計量完了の時間間隔(到達時間間隔)TjをタイマTJでカウントする。これにより、ある組合せ物品の計量完了のタイミングにおいて、その組合せ物品の一つ前に計量完了となった組合せ物品との到達時間間隔値Tjを測定することができる。
【0106】
以上の準備のもと、再計量手段が確認信号Bを受けた後に起動したタイマTIの許容誤差±TE内で再計量手段にて計量完了信号を発生した組合せ物品について、その組合せ物品より一つ前に再計量手段において計量完了信号を発生した組合せ物品の到達時間間隔値TjをタイマTJで測定し、組合せ秤より得た組合せ物品P2に属する組合せ秤からの排出時間間隔値Tdjと比較する。もし、タイマTIの許容誤差内の時間に計量完了を発生させた組合せ物品が、P2ではなく組合せ物品P1であったとすると、再計量手段のタイマTJの値Tjは、更に一つ前を行く組合せ物品P0との到達時間間隔値を示す。P1は何かのライントラブルで遅れているので、この場合のTjの値はP1とP2が組合せ秤から排出されたときの排出時間間隔値に比べてかなり大きくなっているはずである。組合せ秤からのデータとしては組合せ物品P2に属するデータを参照するので、そのデータに含まれる排出時間間隔値Tdjは組合せ物品P1との排出時間間隔時間値である。
従って、図8(b)に示すTdjとTjの値の差は大きい。
この差は、搬送のプロセスが順調に稼働していれば小さい値であり、上記のタイマTIと同じ許容差TE未満である。TdjとTjの値の差の絶対値がTEより大きいときは、組合せ物品P2がタイマTIのタイミングで入ったのではなくその一つ前に出力された組合せ物品P1が入ったとしてラインは異常と判断する。その差がTE以内であれば、組合せ物品はP2でありラインは最終的に順調と判定する。異常と判定したときは、警報信号を発するか、再計量手段から信号Aを発生させて再トライを行う。順調と判定したときは、確認信号Bの直後に読み込んだデータとタイマTIとの許容時間に計量完了を発生させた時点での再計量値は同一組合せ物品に所属するとして照合作業を完了させる。
【0107】
この後も引き続き次の計量完了信号が発生したとき、タイマTJによるタイマ値Tjと、確認信号Bの直後に送られた計量データ(組データ)の次に送られた計量データ(組データ)に含まれた排出時間間隔値Tdjと、を比較する。差が許容差TE未満であれば、この組合せ物品も順調にプロセスを流れたとして組合せ秤と再計量手段の当該データどうしを同一組合せ物品に所属するものとして組にしてメモリレジスタへ記憶させる。更に引き続き、計量完了信号が発生する度に同様の操作・判定を行い、タイマ値Tjと読み見込みデータTdjを比較し、差の絶対値がTE未満であれば組にして記憶する作業を続ける。もし、許容値以上の条件が成立すれば直ちにラインは異常として警報するか又は最初に戻ってデータ要請を再トライする。
なお、再計量手段自身の機能により2個乗り(再計量手段4の計量コンベヤVに同時に2個以上の組合せ物品が乗ったとき)が検出されたときも、上記と同様に異常と判定してデータ要求の再トライから始める。即ち、信号Aを発生させる。データ収集が再トライとなったとき、今まで集めたデータが十分な数であれば評価計算に使用してもよい。少なければリセットして再トライ後のデータを使うようにする。
【0108】
〔3−1.計量システムの構成〕
次に、本発明に係る計量システムの一実施形態を各図を参照して説明する。この計量システムは、図9に示すように、組合せ秤1と、この組合せ秤1により計量されて排出された組合せ物品を包装する包装機2と、包装機2により包装された組合せ物品を重量選別機4に搬送するための搬送コンベア3と、搬送コンベア3により搬送されてくる組合せ物品の重量選別をするための重量選別機4と、を備えている。
組合せ秤1は、n台(例えば6台)の計量ホッパH1、H2、・・・、Hnを備えており、各計量ホッパはロードセルLC1、LC2、・・・、LCnにより支持されている。各ロードセルは、計量信号ラインa1、a2、・・・、an、演算増幅器AMPd1、AMPd2、・・・、AMPdn、A/D変換器A/Dd1、A/Dd2、・・・、A/Ddn、及びI/O回路5を介してCPU6と接続している。これにより、各ロードセルが生成するアナログ計量信号が演算増幅器により増幅され、そしてA/D変換器によりデジタル計量信号に変換されてI/O回路を通ってCPU6に入力する。CPU6にはバスライン(図示せず)を介してROM、RAM等の記憶部(メモリ素子)7が接続している。
【0109】
組合せ秤1は、各計量ホッパH1 〜Hn により物品の重量を計量し、そして、CPU6が各計量ホッパH1 〜Hn により計量された物品の計量信号を種々に組合せ、これらの組合せのうちから予め設定されている目標重量に等しいか若しくは近い合計重量の組(許容重量範囲内の組)を選択することができるものである。そして、これら選択された各物品が収容されている計量ホッパのゲートを開放して各物品を下方に設けられている集合シュートS上に落下させる。この集合シュートS上に落下した物品は、1つに集められて組合せ物品Pとなり、後段の包装機2で1個の袋に包装される。各包装された組合せ物品は、搬送コンベア3により搬送されて重量選別機4に送り込まれ、この重量選別機4に設けられている計量コンベアVによって搬送されている際に重量が計量される。計量コンベアV上を通過する組合せ物品の組合せ重量は、ロードセルLCc により計量される。組合せ物品のアナログ計量信号は、演算増幅器AMPc によって増幅され、A/D変換器A/Dcによってデジタル計量信号に変換されて、I/O回路8を通ってCPU9に入力する。CPU9にはバスライン(図示せず)を介してROM、RAM等の記憶部(メモリ素子)10が接続している。
【0110】
重量選別機4は、組合せ秤1から排出された組合せ物品の組合せ計量値が目標重量の許容重量範囲内に入っているか否かを判定して、許容重量範囲内の組合せ物品と許容重量範囲外の組合せ物品とを選別するために設けてある。
ところで、組合せ計量値が許容重量範囲外であると重量選別機4が判定した場合、組合せ物品を計量した計量ホッパの台数が殆どの場合、複数台であるので、どの計量ホッパが不具合であるのかを判定する必要がある。そして、各計量ホッパに不具合がなくて重量選別機4に不具合がある場合もあるので、いずれが不具合であるかを判定する必要もある。
そこで、各計量ホッパにより計量された物品の計量値と重量選別機4により計量された組合せ物品の再計量値のデータを使用して、即ち、組合せ秤1による計量で得られた物品の計量値でもって重量選別機4により得られた再計量値を判定する。そして、組合せ秤1による計量で得られた物品の計量値、及び重量選別機4により得られた再計量値でもって組合せ秤1による計量で得られた物品の計量値を判定する。そして、これら判定結果を使用して各計量ホッパ又は重量選別機4の異常又は故障を検出することを目的の1つとする。そして、異常状態の計量ホッパ又は重量選別機4を正常な状態に復帰させることも目的の1つとする。
【0111】
この計量システムは、組合せ秤1と重量選別機4との間で信号の送信、受信があること、組合せ秤1により得られた各物品の計量値等の諸データを重量選別機4に送信しているので、組合せ秤1のCPU6と重量選別機4のCPU9にシリアル通信用のI/O回路であるSIOd及びSIOcをそれぞれに接続しており、SIOdとSIOcを双方向のシリアル通信ライン11で接続している。
【0112】
次に、組合せ秤1及び重量選別機4の異常、故障診断と異常な状態を復帰させるための処置について説明する。ここで、計量ホッパの台数を6台とする。そして、前提条件として、組合せ秤1及び重量選別機4の両方が異常、故障を起こすことがなく、いずれか一方が異常、故障を起こすことがあるものとする。
〔3−2.組合せ秤1から重量選別機4への組合せ物品の搬送とデータの送信〕
図6は、組合せ秤1の組データの送信準備と重量選別機4の組データの受信準備を示す図である。組合せ秤1は、合計重量が目標重量と等しいか若しくはそれに近い重量(許容重量範囲内)の組合せ物品を選択して集合シュートSを通して包装機2側に順次排出するが、この排出時間間隔をタイマTDj(排出時間間隔測定手段)によって計測することができる。タイマTDjは、組合せ秤1のCPU6に設けられている。そして、組合せ秤1は、組合せ物品を排出する時に、その組合せ物品の組合せ計量値、組合せ物品を構成する物品を計量した計量ホッパの番号、各物品の計量値(重量値)、及び排出時間間隔Tdj(組データ)を1つの組にしてシリアル通信ライン11を通じて重量選別機4のCPU9に送信する。このとき、組合せ物品は、包装機2により包装されて搬送コンベア3により重量選別機4の計量コンベアV上に搬送される。計量コンベアV上の組合せ物品は、フォトセンサPHを遮光したときに計量コンベアにより計量されて再計量値が求められる。
【0113】
〔3−3.組合せ秤1が生成する組データと重量選別機4が生成する再計量値との照合〕
次に、組合せ秤1から重量選別機4に送信される上記組合せ物品を構成する各物品の計量値等の組データと、重量選別機4が生成する当該組合せ物品と対応する再計量値と、の照合について説明する。この組データと再計量値を照合して両者が同一の組合せ物品のデータであることを判別することにより、計量ホッパ又は重量選別機4の異常、又は故障の診断等を行うことができる。
図10に示すフローチャートは、組合せ秤1から送信された組データを重量選別機4の記憶部10に記憶する処理内容を示し、この処理を行わせるプログラムは記憶部10に記憶されている。この処理は、組合せ秤1から送信される組データが重量選別機4に入力する度に実行される。
組合せ秤1から送信されたデータには、組データと後述する警報データがあり、まず、重量選別機4のCPU9がこのCPU9に入力したデータが組データと警報データのうちのいずれのデータであるかを判定し(S100)、組データでありYESと判定したときは、組データを入力した順番で記憶部10に設けられているメモリレジスタR1に順次記憶する(S102)。そして、組合せ秤1から後述する信号Bを受信済みであるか否か、即ち、フラグFsb=1であるか否かを判定し(S104)、Fsb=1でありYESと判定したときはメモリアドレス指定用の格納用カウンタCR11のカウント値Cr11を1だけ増加させてこの処理を終了する(S106)。信号Bは、組合せ秤1が組データを重量選別機4に送信する直前に重量選別機4に送信する信号である。
ただし、ステップS100において、組データでなくNOと判定したときは、信号Bの受信であったか否かを判定し(S108)、YESと判定したときはフラグFsb、Fstをそれぞれ1に設定して処理を終了する(S110)。そして、ステップS108において、信号BでなくNOと判定したときは、警報データであると判定してこの警報データを記憶部10に記憶する(S112)。
このように、重量選別機4は、信号Bが入力した直後から順次入力した1又は複数の組データを1つのグループとしてメモリレジスタR1に記憶することができ、警報データについては別個のメモリレジスタに記憶することができる。従って、信号Bは、新しいグループの組データとして処理することを命令するための信号である。警報データは、組合せ秤1に異常又は故障を示す信号であり、この警報データに基づいて予め定めた処理がなされる。
なお、ステップS104において、NOと判定したときは、重量選別機4が信号Bを受信していない状態であり、信号Bを受信するまでに入力した組データは演算に使用しないので、カウンタCR11のカウント値Cr11を0に固定しておく。更に、重量選別機4の記憶部10は、メモリレジスタR1に記憶されている組データを読み取るためのメモリアドレス指定用のカウンタCR12も備えている。
【0114】
図11(a)に示すフローチャートは、重量選別機4に搬送されてきた組合せ物品の到達時間間隔(計量完了間隔)Tjを計測処理する内容を示し、図11(b)に示すフローチャートは、組合せ物品が重量選別機4に到達して計量が完了した時点でのタイマTJの記憶処理を示す図である。
図11(a)に示すように、重量選別機4に設けられているタイマTJは、継続的にカウント動作しており(S200)、重量選別機4に搬送されてきた組合せ物品の計量コンベアVでの計量が完了し、この時に順次発生する計量完了信号の時間間隔を計測することによって、組合せ物品が重量選別機4に到達した時の到達時間間隔Tjとして計測している。そして、図11(b)に示すように、重量選別機4のCPU9がこの計測した到達時間間隔TjをメモリレジスタR2に記憶して(S220)、タイマTJを0にリセットする(S222)。なお、レジスタR2は、最新の1つの到達時間間隔Tjを記憶している。
【0115】
図12に示すフローチャートは、重量選別機4が組合せ秤1に対して図6に示す信号Aを送信して、組合せ秤1への先頭データ指定処理を示す図である。信号Aは、重量選別機4が都合の良いタイミングにて組合せ秤1に送信することにより、組合せ秤1に対して組データの先頭データ及びそれ以降のデータを送信するように要求する信号(先頭データ認識のための信号)である。この重量選別機4が都合の良いタイミングを計測するのが待機タイマである。待機タイマの役割は、重量選別機4が警報信号を生成して、組合せ秤1又は重量選別機4自身に零点補正又はスパン補正を命令したときに、組合せ秤1又は重量選別機4によるこれらの補正動作が完全に終了するまで、重量選別機4による次の組データ(組合せ秤1及び重量選別機4の異常、故障の評価判定データ)の収集を待機させるための機能を果たす。
【0116】
まず、重量選別機4のCPU9が警報信号を生成しているか否かを判定する(S300)。この警報信号は、組合せ秤1又は重量選別機4自身の異常を警報するための信号である。そして、警報信号を生成しておらずNOと判定したときは、組合せ秤1よりの信号Bを受信済みであるか否か、即ち、フラグFsb=1であるか否かを判定する(S302)。そして、信号Bを受信しておらず、フラグFsb=0でありNOと判定したときは、判定演算が許可されているか否か、即ち、判定演算許可フラグFj=1であるか否かを判定する(S304)。そして、判定演算が許可されておらず、即ち、判定演算許可フラグFj=0でありNOと判定したときは、待機タイマTWのカウント値Tw=0であるか否かを判定する(S306)。そして、待機タイマTWのカウント値Tw=0でありYESと判定したときは、信号Aを組合せ秤1に送信して処理を終了する(S308)。
ただし、ステップS300、S302、S304においてYESと判定したとき、及びS306においてNOと判定したときはスタートに戻る。
このように、ステップS300において警報信号が生成されておらずNOと判定していること、ステップS302において信号Bを受信しておらず組データを受信する状態となっていないこと、ステップS304において判定演算許可の状態となっていないこと、更に、ステップS306において待機タイマTWのカウント値Tw=0となっていることを条件として信号Aを組合せ秤1に送信することができる。
組合せ秤1は、この信号Aを受信すると、この信号Aを受信した後に、所定のタイミングで重量選別機4に信号Bを送信してその直後に組合せ物品に係る組データを重量選別機4に送信する(図示せず)。
【0117】
図13は、待機タイマTWのカウント値Twを処理するフローチャートを示す図である。重量選別機4が零点補正又はスパン補正の命令を行ったときに待機タイマTWに所定のデータTwをセットする。このタイマデータTwは、0になるまでカウントダウンされる(S400、S402)。そして、Tw=0となったときにステップS306において信号Aを組合せ秤1に送信する。
図14は、搬送時間計測タイマTIのカウント値Tiを処理するフローチャートを示す図である。搬送時間計測タイマTIは、図10のステップS108に示すように、重量選別機4が信号Bを受信したときにフラグFstを1に設定して(S500)、このカウント値Tiのカウントを開始する(S502)。
一方、重量選別機4が信号Bを受信したした直後に組合せ秤1から組データが送信されると、図10に示すステップS102等において組データがレジスタR1に記憶され、カウンタCR11のカウント値Cr11が1だけ増加する。
重量選別機4は、この後もカウント値Tiのカウントを確かめながら継続的に組合せ秤1から送信されてくる組データを読み込んで記憶して、組データを記憶するごとにカウント値Cr11を1だけ増加させることを続ける。この際、重量選別機4に設けられている到達時間間隔計測タイマTJにより組合せ物品の到達時間間隔(組合せ物品の再計量値の計量が完了するごとの時間間隔)Tjを計測し、この到達時間間隔TjをメモリレジスタR2に記憶させてこのR2に記憶されているデータを更新し、その都度タイマTJをリセットして次のカウントを開始する。
【0118】
図15は、組合せ秤1から受信した組データと重量選別機4で得られたデータとの照合を行うための処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、組合せ物品の再計量値の計量が完了し計量完了信号を生成するごとに(組合せ物品が重量選別機4に到達して到達信号を生成するごとに)起動して、先頭の組合せ物品の搬送時間Tiを調べている。まず、計量完了信号を生成したときに、先頭の組データの照合が完了しているか否かの判定(S600)、及び信号Bを受信済みであるか否かの判定をする(S602)。そして、先頭の組データの照合が完了しておらずフラグFj=1でありNOと判定し、更に信号Bを受信済みでありフラグFsb=1でありYESと判定した場合に、TiH −TE<Ti<TiH +TEであるか否かを判定する(S604)。なお、このTiは先頭の組合せ物品の搬送時間、TiHは標準搬送時間、TEは許容時間である。
そして、先頭の組合せ物品の搬送時間Tiが上記許容時間内でありYESと判定したときは、その組合せ物品は、組合せ秤1から信号Bを受信した直後に排出された先頭の組合せ物品である可能性が高いと判定する。しかし、ステップS604において、搬送時間Tiが上記許容時間外でありNOと判定したときは、先頭の組合せ物品が正常に搬送されていなかったと判定する。
ただし、ステップS604においてYESと判定されて、重量選別機4に到達したこの組合せ物品が先頭のものである可能性が高いとしても、何かの不都合により先頭の組合せ物品は搬送コンベア3から脱落したが、1つ前に搬送されている前のグループの組合せ物品が遅れて丁度先頭の組合せ物品が重量選別機4に到達するタイミングにて到達して計量された可能性も存在する。
【0119】
そこで、まず、フラグFstを0にリセットして(S606)、TDJ用カウンタCR12のカウント値Cr12によって重量選別機4に設けられているメモリレジスタR1中において、信号Bと同時に組合せ秤1から発信されて読み込んだ組データを指定し、その組データに含まれている排出時間間隔Tdj(1つ前の組合せ物品との排出時間間隔)を読み取る(S608)。このデータを読み取った後にカウンタCR12のカウント値Cr12を1だけ加算する(S610)。次に、この読み取った排出時間間隔TdjとカウンタTJ用メモリレジスタR2に記憶されている到達時間間隔Tjとを比較する(S612)。つまり、Tdj−TE<Tj<Tdj+TEであるか否かを判定する。
ここで、ステップS612においてYESと判定したときは、B信号が生成される前に組合せ秤1から排出された組合せ物品が、その搬送が遅延して重量選別機4に到達したとは言えないと判定し、今回重量選別機4で再計量した組合せ物品は、信号Bが生成された直後に組合せ秤1から排出された先頭の組合せ物品であると断定する。そして、データ照合フラグFf を1にセットして(S614)、この後は、計量完了、プロセス正常処理として順次後続の各組データをメモリレジスタのR2からR3に移して必要な組合せ計量値を記憶して処理を終了する(S616)。
ただし、ステップS602において、信号Bを受信しておらずNOと判定したときは、信号Bを受信するまで処理を終了する。
そして、ステップS604において、NOと判定したときは、Ti≧TiH +TEであるか否かを判定する(S618)。ステップS618においてTi<TiH −TEでありNOと判定したときは処理を終了する。ステップS618においてYESと判定したときは、組合せ物品が搬送コンベア3から脱落している等の異常を起こしていると判定して警報信号を出力し(S620)、フラグFsb、Fst、Ffをそれぞれ0にセットして終了する(S622)。
また、ステップS612においてNOと判定したときも、搬送状態の異常と判定してステップS620、S622の処理を行う。
【0120】
また、ステップS600において、先頭の組データの照合が完了し、Fj =0でありYESと判定したときは、先頭の組合せ物品よりも後から組合せ秤1から排出された組合せ物品と、先頭の組合せ物品よりも後から重量選別機4に到達した組合せ物品と、の照合は、組合せ秤1から排出される組合せ物品の排出時間間隔Tdjと到達時間間隔Tjとを比較することにより行う(S624、S626、S628)。なお、ステップS624、S626、S628は、ステップS608、S610、S612の処理と同等の処理を行うので説明を省略する。
ただし、ステップS628において、NOと判定して搬送状態の異常と判定したときは、ステップS620、S622の処理を行う。YESと判定して搬送状態が正常と判定したときは、ステップS616の処理を行う。
【0121】
図16と図17は、重量選別機4による組合せ物品の再計量が完了し、そして組合せ物品の搬送(プロセス)が正常であると判定したときに起動して行われる処理であり、組合せ計量値をレジスタ3に移動させて記憶する為の処理である。
まず、ステップS608における排出時間間隔Tdjの読み取りと同時に組合せ参加計量ホッパデータもレジスタR1から読み取り(S700)、参加計量ホッパ数が標準数、例えば3(=6台/2)であるか否かを判定する(S702)。参加計量ホッパ数が標準数でなくNOと判定したときは、参加計量ホッパに充填された物品の重さが標準数であるときの場合と比較して違い過ぎるため、現れるスパン誤差の大きさに影響を及ぼす。この様な場合、スパン補正値に誤差を生ずる可能性があるので、標準数でないときは読み取った参加計量ホッパデータをこの度の重量選別機4の計量値と共に消去して処理を終了する(S710)。より安全な方法として、フローチャートには示していないが、組合せ参加計量ホッパの計量値がいずれも一定重量値以内かどうかの判定を行い、各計量ホッパが許容範囲内の揃った計量値でもって、後にスパン誤差を評価し、スパン誤差の大きさのばらつきを防止することができる。
ただし、ステップS700において、参加計量ホッパ数=標準数(3)でありYESと判定したときは、参加計量ホッパデータを誤差演算に採用するので重量選別機4の再計量値と組にしてメモリレジスタR3へ記憶する(S704)。そして、レジスタR3へデータをストアするためのメモリアドレス指定用のカウンタCR21のカウント値Cr21に1を加算する(S706)。
なお、全収集データ中における組合せに参加した計量ホッパの回数を調べるため、予め各計量ホッパごとに組合せ参加数カウンタCa,Cb、・・・が設けられている。毎回レジスタR3へストアするデータにおける組合せに参加した計量ホッパを調べ、該当するカウンタをその計量ホッパの台数に応じて順次1ずつ加算する(S708)。
【0122】
次に、各計量ホッパ別に設けた参加計量ホッパ数カウンタが設定数Mmin以上に到達したかどうかを判定する(S800)。設定数に到達しておらずNOと判定したときは、一旦処理を終了して繰り返し計量完了によるデータの入力を待つ。
なお、組合せ秤1と重量選別機4の間には双方向のシリアルまたはパラレルの通信ライン11が設置され、計量データ等は組合せ秤1の最大処理能力やライン搬送能力に比較して十分速い速度で伝送できるものとする。また、図6の信号の他に組合せ秤1と重量選別機4で相互に故障信号や零点補正指示、信号A、B、スパン補正指示とスパン補正値を上記の通信ラインを通してやり取りすることができる。
【0123】
ステップS800において、各参加計量ホッパ数カウンタが設定数Mmin以上に到達しておりYESと判定したときは、データの収集が完了したとして全データを参照して、指定計量ホッパ別にその他の計量ホッパの参加数をカウントする(S802)。それには先ず計量ホッパAが参加している組のデータを全て取り上げ、その中で計量ホッパB、計量ホッパC、・・・、計量ホッパFの参加数をカウントし、計量ホッパAと同数以上の参加数のものが含まれているか否かを判定する(S804)。
なお、計量ホッパ以外にメモリホッパが設けられており、このメモリホッパに収容されている計量済み物品の計量値及び計量ホッパに収容されている物品の計量値も組合せに参加させるような構造の組合せ秤では、1つの組合せの中に同じ計量ホッパで計量された物品が2個以上参加している場合があるので、上記のカウント値において、指定計量ホッパのカウント値と同数以上のカウント値が存在する場合があり得る。
1つでもそのような場合があると本発明の判定演算は成り立たないので、参加計量ホッパデータの収集数を増やして確率的に、指定計量ホッパと同数以上の参加数のものが含まれないようにすることができる。そのためにMminの値を1ずつ増やす(S806)。次第にMminの値を増やせば成立する可能性は高まるが、何かのトラブルで同じ計量ホッパによる組合せばかりできる様な場合はなかなか成立しないので一定限度回数Meを設け(S808)、Mmin≧MeとなりYESと判定すると、警報信号を生成して先頭データ照合完了フラグFf 、信号B受信済みフラグFSBを0にリセットして処理を終了させる(S810、S812、S814)。ただし、ステップS808において、NOと判定したときは、処理を終了する。
【0124】
また、図17には示していないが、ステップS800において、各参加計量ホッパ数カウンタが設定数Mmin未満でありNOと判定したときは処理を終了する。ただし、何かの不都合で特定の計量ホッパが常に組合せに参加しないことがあると、プログラムはこの先に進むことが出来ないので、ステップS800において一定限度回数以上NOと判定したときは警報信号生成する処理を行うようにしてもよい。
しかし、全収集データにおける各計量ホッパの組合せ参加数が同じでも、例えば計量ホッパAの参加した組合せを全て取りあげたとき、この計量ホッパAが参加するグループにおいて、その他の計量ホッパのいずれか1台以上のデータ数が計量ホッパAのデータ数以上参加していては誤差量判定演算は成り立たない。
従って、一旦収集した組合せデータにおいて、計量ホッパAから順に、計量ホッパAが参加する全ての組合わせデータのグループのその他の計量ホッパの参加数を調べ、他の計量ホッパが計量ホッパAの参加数未満であることを確かめる。この操作は全ての計量ホッパA〜Fについて順番に実施する。
もし、ある特定した計量ホッパの参加組合わせデータグループにおいて、他の計量ホッパが同数分参加しているようなことが起きていれば全体の収集データは捨てて、新たに組合せ秤1に対してA信号を発してデータ収集を再トライする。この様な現象は、全ての組合せにおいて少なくとも2台の計量ホッパが常に対になって参加する場合に起きるが、データ数をある程度増やせば殆どそのような現象は発生しないと考えられ、データ数が多いほど発生確率は低くなる。
このチェック演算は、ステップS804において、各指定計量ホッパグループにおいて指定計量ホッパ数が最大であるか否かを判定することによって行っている。
【0125】
また、別の方法として、全て種類の異なる組合せのデータが採集できるまでデータの収集を続ける方法も考えられるが、例えば計量ホッパが10台、標準組合せが4の場合の組合せ通りは104 =210通りにもなり、210通りが揃うまでに多くの組合せが必要と考えられるので、組合せ秤1の処理能力が遅い場合は長い時間を要する。従って、組合せ秤1の計量ホッパ数が小さい場合や処理能力の高い場合は、この方式を適用しても良い。この場合は、指定した計量ホッパの参加する組合せグループにおける他の計量ホッパの参加数の判定は不要である。
ステップS804において、収集データにおいて判定演算を行える条件が揃っておりYESと判定したときは、Mminの値を一定値にセットして、判定演算許可フラグFj を1にセットして、次の誤差量の大きさの判定演算処理のプログラムを起動させて(S816、S818)、ステップS812、及びS814の処理を行う。
【0126】
〔3−4.組合せ秤1と重量選別機4の故障・異常判定と自動補正動作〕
判定演算許可フラグFj が1にセットされると、図18と図19のフローチャートで示すプログラムが起動される。このプログラムでは(1.4.2.1)式によってAwynxと、(1.4.1.1 )式によってAwyxを算出する(S900)。Awynxは、計量ホッパxが組合せに選択されていないグループの計量値差の平均値である。Awyxは、計量ホッパxが組合せに選択されているグループの計量値差の平均値である。この計量値差とは、再計量値から組合せ計量値を減算して得られた値である。
最初にAwynxによって重量選別機4の故障及び異常判定を行う(S902)。重量選別機4の異常境界値Rec及び故障境界値Rtc、並びに組合せ秤1の異常境界値Red及び故障境界値Rtdは既に設定されているとする。異常境界値Recは、(1.4.2.2 )式で算出して得られた値であり、故障境界値RtcはRecよりも大きい値である。異常境界値Redは、(1.4.1.2 )式で算出して得られた値であり、故障境界値RtdはRedよりも大きい値である。
ここで、組合せ秤1の計量ホッパ数が6、各計量ホッパの最小組合せ参加数Mminを10、組合せ秤1の各計量ホッパのばらつきの標準偏差を0.2g、重量選別機4の標準偏差を0.3とすると、(1.3.3)式によってσt=0.147g、故に3σt=0.441gを使用する。Mminをもっと大きく取れば更に小さい3σt値を設定することが出来る。また、正常と予想される計量ホッパも多少の偏り誤差を持っているので、異常判定とするまでの余裕値として更に3σt分見込み、rc=rd=3σt=0.441gとして、(1.4.1.2 )と(1.4.2.2 )式よりRec=Red=0.882gとする。
一方、故障判定のための値は例えば異常判定境界値の3倍を見込み、
Rtc=Rtd=3Rec=3Red=2.646g
と設定する。3シグマの代わりにnシグマ(nは任意の実数)を適用してもよい。
【0127】
上記の設定値によって、重量選別機4の故障・異常判定に対しては、(1.4.2.3 )、(1.4.2.4)、(1.4.2.5 )の各式でもって(重量選別機4の偏り誤差判定法)に記述した方法・手順で実施する(S904、S906等)。
重量選別機4が故障ではなく異常であると判定したときは、重量選別機4の零点補正フラグFCZが1であるか否かを判定する(S908)。零点補正フラグFCZ=0でありNOと判定したときは、零点補正が行われていない状態である。重量選別機4の零点補正を行うために、組合せ秤1に対して組合せ物品の排出を一時停止させる信号を送信する(S910)。そして、重量選別機4に組合せ物品が送り込まれていない状態で重量選別機4の零点を補正して、零点補正フラグFCZ=1にセットする(S912)。そして、零点又はスパン補正命令直後のデータは、重量選別機4または組合せ秤1で補正動作が完了していないことがあり得るので、待機タイマ値を待機タイマにセットし、それが零の至るまでの時間はデータ収集を開始しないようにする。即ち、重量選別機4からの信号Aを送るタイミングを一定時間遅らせるようにしている。更に、判定演算許可フラグFj =0にリセットして終了する(S914)。
【0128】
ただし、ステップS908において、零点補正フラグFCZ=1でありYESと判定したときは、重量選別機4のスパン補正フラグFCS=1であるか否かを判定する(S916)。つまり、重量選別機4に対して零点補正をしたが、まだ異常と判定されたときはスパン補正をするが、そのスパン補正が既に行われているか否かを判定する。よって、スパン補正フラグFCS=0でありNOと判定したときは、スパン補正が行われていないのでスパン補正演算を行いスパン補正をする(S918)。そして、スパン補正フラグFCS=1にセットして、零点補正フラグFCZ=0にリセットし(S920)、ステップS914に進む。
ステップS916において、重量選別機4のスパン補正フラグFCS=1でありYESと判定したときは、零点補正及びスパン補正を行ったが、まだ異常であると判定されている場合であるので、警報信号を生成してスパン補正フラグFCS=0にリセットして(S922、S924)、ステップS914に進む。警報信号を生成したときは、作業者による重量選別機4の点検、修理が行われる。
ステップS904において、重量選別機4が故障しておりYESと判定したときは、警報信号を生成して(S926)、フラグFj =0、FCZ=0、FCS=0、FdZ=0、FdS=0にそれぞれリセットする(S928)。フラグFdZは、組合せ秤1の零点補正フラグ、フラグFdSは組合せ秤1のスパン補正フラグである。
【0129】
また、ステップS906において、重量選別機4が異常でなくNOと判定したときは、重量選別機4は正常であると判定して重量選別機4のスパン補正フラグFCS=0にリセットし(S930)、そして重組合せ秤1の各計量ホッパが異常又は故障しているか否かの判定を行う(S932、S934)。
このように、重量選別機4が異常でないと判定したときは、次にAwyxによって組合せ秤1の各計量ホッパの故障・異常を判定する(S932、S934)。組合せ秤1の故障・異常判定に対しては、上記の境界値Rtd、Redを使用して(1.4.1.3 )、(1.4.1.4)、(1.4.1.5 )の各式でもって(組合せ秤1の各計量ホッパの偏り誤差判定法)に記述した方法・手順で実施する。
ステップS934においてYESと判定したときは、組合せ秤1に設けられているいずれかの計量ホッパが異常であると判定し、まず、組合せ秤1の零点補正フラグFdZ=1であるか否かを判定する(S942)。零点補正フラグFdZ=0でありNOと判定したときは、異常と判定した特定計量ホッパの零点補正指令信号を出力して(S944)、その特定計量ホッパの零点補正フラグFdZを1にセットする(S946)。これで異常のある特定計量ホッパの零点補正を行うことができる。そして、待機タイマ値を待機タイマにセットし(S948)、判定演算許可フラグFj =0にリセットして終了する(S950)。
【0130】
ただし、ステップS942おいて、零点補正フラグFdZ=1でありYESと判定したときは、組合せ秤1のスパン補正フラグFdS=1であるか否かを判定する(S952)。つまり、特定計量ホッパに対して零点補正をしたが、まだ異常と判定されたときはスパン補正をするが、そのスパン補正が既に行われているか否かを判定する。よって、スパン補正フラグFdS=0でありNOと判定したときは、スパン補正が行われていないのでスパン補正演算を行い、スパン補正のデータととスパン補正指令信号を組合せ秤に送信する(S954)。そして、特定計量ホッパのスパン補正フラグFdS=1にセットして、特定計量ホッパの零点補正フラグFdZ=0にリセットし(S956)、ステップS948に進む。
ステップS952において、特定計量ホッパのスパン補正フラグFdS=1でありYESと判定したときは、零点補正及びスパン補正を行ったが、まだ異常であると判定されている場合であるので、警報信号を生成して特定計量ホッパのスパン補正フラグFdS=0にリセットして(S960、S962)、ステップS948に進む。警報信号を生成したときは、作業者による組合せ秤1の点検、修理が行われる。
【0131】
ただし、ステップS932において、組合せ秤1が故障しておりYESと判定したときは、警報信号を生成し、判定演算許可フラグFj =0にリセットして終了する(S936、S938)。警報信号が生成されたので、作業者による組合せ秤1の点検、修理が行われる。
ステップS934においてNOと判定したときは、重量選別機4及び組合せ秤1の両方が正常であると判定し、組合せ秤1のスパン補正フラグFdS=0にリセットする(S940)。そして、待機タイマ値を待機タイマにセットし(S942)、判定演算許可フラグFj =0にリセットして終了する(S944)。
このようにして、重量選別機4又は組合せ秤1の零点補正又はスパン補正が終了し、待機タイマ値が経過した後に、重量選別機4は信号Aを組合せ秤1に出力して先頭の組データの照合と組データの収集を行う。
【0132】
〔3−5.データ表示と補正操作〕
上述したように、この実施形態の組合せ秤1と重量選別機4から成る計量システムによると、いずれか一方の正常動作を前提に他方の誤差量を定量的に算出し、特別な人的作業を加えることなしに自動的に組合せ秤1の計量ホッパ及び重量選別機4の零点補正及びスパン補正することができる。
また、組合せ秤1と重量選別機4のプロセスにおける組合せ物品の搬送状態についても、組合せ秤1から排出された組合せ物品が重量選別機4に到達するまでの搬送時間Tiと標準搬送時間TiH との比較、及び組合せ秤1から組合せ物品が排出される排出時間間隔Tdjと重量選別機4における計量時の時間間隔、即ち到達時間間隔Tjとの比較によって定量的に搬送状態の正常・異常を判定することができる。
従って、これらの数値、例えばAwyx、Awynx、Ti、Tdj、Tj等で表現される本計量システムの状態を、ローカルエリヤネットワークまたはインターネットを通じて遠隔地へ送り、そこに設置された表示操作部による監視及び判定がユーザ或いはサービス会社の作業者によって可能となり、また零点補正、スパン補正も自動のみならず人間が数値の大きさを判断することで遠隔マニュアル操作によって行うことも可能となる。
勿論、表示操作部12、13を組合せ秤1または重量選別機4の近傍に設置してもよい。
【0133】
次に、図20を参照して、図19に示す計量システムの重量選別機4に設けられている操作表示部13を説明する。図20は、組合せ秤1、包装機2、重量選別機4からなる物品の一定重量充填・包装・選別システム、即ち、この実施形態の計量システムであり、これら3機種の情報はシリアル通信ラインSRを通じて交換されている。
この計量システムにおいて、全ての誤差情報、搬送情報を重量選別機4へ集めるようにしている。そこで、重量選別機4にウェブサーバーWSを設置して外部の通信ネットワークNWと結び、遠隔地にパーソナルコンピュータ(操作表示部)13等のコントローラとその中にウェブブラウザWPを設置してあり、パソコン13の操作によって重量選別機4に集められた情報のアクセスや、情報判定によるシステムへの操作を可能にしている。
【0134】
本計量システムでは、先ず、信号Bの発信以降の組合せ秤1からの組合せ物品の排出時間間隔Tdj、信号Bと同時に組合せ秤1から排出された組合せ物品が重量選別機4に搬送されて到達するまでの搬送時間Ti、及び信号Bの発信以降の組合せ秤1から排出された組合せ物品が重量選別機4に到達する到達時間間隔Tjのデータ及び時系列データを表示操作部13に表示することができ、従って、この表示を監視することによって、組合せ物品の搬送状態の正常・異常を作業者の目でもチェックできる。
パソコン13の表示操作部の画面にはそれぞれ、重量選別機4側から先頭に指定した組合せ物品、及びそれ以降に組合せ秤1から排出された組合せ物品の排出タイミング、並びにそれらと同一組合せ物品の重量選別機4における計量完了タイミング、即ち重量選別機4における組合せ物品の到達タイミングを、例えばパルスの形で時間を横軸として同一組合せ物品に対して対応するように上下に並べた画像で表示することができる。これによって、作業者は、搬送状態の正常・異常に対する理解と監視を視覚面で容易に把握することができる。
また、組合せ秤1から重量選別機4に搬送される組合せ物品の組合せ計量値とその組合せ物品の重量選別機4による再計量値のデータをアクセスすれば、同一の組合せ物品に係る組合せ計量値と再計量値を一対にしてパソコン13の表示操作部に表示することができ、この表示を見ることにより組合せ秤1と重量選別機4の計量状態を監視することができる。
更に、組合せ秤1と重量選別機4についての誤差量、例えば (1.2.1)、(1.4.1.1) 、(1.4.2.1) 、(1.5.1.1) 、(1.5.2.6) 、(1.5.2.9) 、(1.6.2.1) 式等を表示操作部に表示することができ、これによって、作業者はその表示値でもって組合せ秤1または重量選別機4の誤差の大きさを定量的に知ることができる。
そして、表示操作部13を操作して零点補正及びスパン補正動作をマニュアルで行える機能を備えており、また、組合せ秤1から重量選別機4への組データの送信の開始、即ち、重量選別機4から信号Aを組合せ秤1に送信する指令もマニュアルで行うことができる。これによって、作業者は、必要なときに上記補正のための組データのサンプリングから補正動作までの全ての指令をパソコン13の表示操作部を操作してマニュアルで行うことができる。
【0135】
また、例えば (1.2.1)式等により算出された計量値の誤差を表示操作部13に表示させることができるので、作業者自身でも組合せ秤1または重量選別機4の正常・異常を定量的に判定でき、必要であれば作業者によるマニュアル操作にて組合せ秤1の各計量ホッパ、または重量選別機4の零点補正を行わせることができる。更に、上記各種データの採集と判定の指示をし、零点補正によっても誤差の補正ができなかったときは、作業者の判断と指示によって、組合せ秤1及び重量選別機4に対して例えば遠隔地に設置された表示操作部13をマニュアルで操作してスパン補正を実行させることができる。
本計量システムのスパン補正の特徴として、異常なスパンを持つ計量ホッパ又は重量選別機4を、それ以外の正常なスパンを持つ計量ホッパや重量選別機4の計量データを使用して修正することができるので、分銅を付加するような特別な現場作業をせずとも、或いは特別な分銅付加機構を設けずとも、組合せ秤1または重量選別機4の近傍或いは遠隔に設置された表示操作部からの操作によって、異常なはかりのスパン補正をすることができる。
ただし、上記実施形態では、全ての誤差情報、搬送情報を重量選別機4へ集めるようにしたが、これに代えて、組合せ秤1に集めて組合せ秤が上記各種の処理を行うようにしてもよい。
【0136】
そして、上記実施形態では、図20に示すように、重量選別機4にウェブサーバーWSを設置して外部の通信ネットワークNWと結び、遠隔地にパーソナルコンピュータ(操作表示部)13等のコントローラとその中に通信ネットワークNWと接続するウェブブラウザWPを設置してあり、パソコン13の操作によって重量選別機4に集められた情報のアクセスや、情報判定によるシステムへの操作を可能にした構成としたが、これに代えて、重量選別機4又は組合せ秤1にWWWサーバーを設置して外部の通信ネットワークと結び、遠隔地にパーソナルコンピュータ(操作表示部)13等のコントローラとその中に通信ネットワークと接続するWWWブラウザを設置してあり、パソコン13の操作によって重量選別機4又は組合せ秤1に集められた情報のアクセスや、情報判定によるシステムへの操作を可能にした構成としてもよい。
【0137】
【発明の効果】
本発明によると、組合せ秤と再計量手段が同時に異常、故障しないという条件において、この計量値差の有無又は大きさに基づいて、組合せ秤の異常や故障を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)、(c)は異常計量ホッパを判定する従来の方法を説明するための図である。
【図2】本発明に係る計量システムの実施形態を説明するために使用する図であり、組合せに選択された各計量ホッパの組合せ、各計量ホッパによる計量値、及び再計量値を示す図である。
【図3】同実施形態に係る計量システムを説明するために使用する図であり、組合せに選択された各計量ホッパの組合せ、各計量ホッパによる計量値、及び再計量値を示す図である。
【図4】異常計量ホッパを判定する従来の方法を説明するための図である。
【図5】(a)は同実施形態に係る組合せ秤に設定した組合せ計量値の故障領域、異常領域、及び正常領域を示す図、(b)は同実施形態に係る重量選別機に設定した再計量値の故障領域、異常領域、及び正常領域を示す図である。
【図6】同実施形態に係る組合せ秤及び重量選別機が生成する信号を示す図である。
【図7】同実施形態に係る組合せ秤から排出された組合せ物品が重量選別機に搬送される状態を示す図である。
【図8】同実施形態に係る計量システムが生成する排出時間間隔、搬送時間、到達時間間隔を示す図であり、(a)は正常な状態を説明するための図、(b)は異常な状態を説明するための図である。
【図9】同実施形態に係る計量システムの構成を示すブロック図である。
【図10】同実施形態に係る重量選別機による組合せ秤からの組データの読み込み処理を示すフローチャートである。
【図11】(a)は重量選別機による到達時間間隔のカウント処理を示すフローチャート、(b)は重量選別機による到達時間間隔の記憶処理を示すフローチャートである。
【図12】同実施形態に係る重量選別機による先頭組データの指定処理を示すフローチャートである。
【図13】同実施形態に係る重量選別機による待機タイマのカウント処理を示すフローチャートである。
【図14】同実施形態に係る重量選別機による搬送タイマのカウント処理を示すフローチャートである。
【図15】同実施形態に係る組合せ秤と重量選別機のデータの照合処理を示すフローチャートである。
【図16】同実施形態に係る重量選別機による再計量値と組データを組にして記憶する処理を示すフローチャートである。
【図17】同実施形態に係る重量選別機による再計量値と組データを組にして記憶する処理を示すフローチャートである。
【図18】同実施形態に係る重量選別機による重量選別機の異常等の判定演算の処理を示すフローチャートである。
【図19】同実施形態に係る重量選別機による組合せ秤の異常等の判定演算の処理を示すフローチャートである。
【図20】同実施形態に係る計量システムの各装置を通信ラインで接続した状態を示すブロック図である。
る。
【符号の説明】
1 組合せ秤
2 包装機
3 搬送コンベア
4 重量選別機
6、9 CPU
12、13 操作表示部
V 計量コンベア

Claims (10)

  1. 複数台の計量器を有し、これら計量器で計量された物品の重量を種々に組合せ、これら組合せのうち合計重量が許容重量範囲内に入るものを構成する物品からなる組合せ物品を排出する組合せ秤と、
    前記組合せ物品が前記組合せ秤から排出されるごとに、再計量する再計量手段と、
    前記排出された組合せ物品の合計重量と、この排出された組合せ物品の再計量手段での再計量値との差である減算値を算出する算出手段と、
    前記計量器ごとに、その計量器で計量された物品が参加している組合せ物品に対応する前記減算値の予め定めた個数以上の合計値または平均値である演算値を算出する演算手段と、
    前記計量器ごとの演算値のうち絶対値が最大値のものが、予め定めた異常境界値と、この異常境界値よりも大きく設定した故障境界値との間に存在するとき、前記最大値の演算値に対応する計量器が、零点補正または零点補正とスパン補正とを行うことで正常に計量可能となる自己復帰可能な異常状態であると判定する判定手段とを、
    具備する計量システム。
  2. 請求項1記載の計量システムにおいて、前記判定手段は、前記計量器ごとの演算値のうち絶対値が最大値のものが、前記故障境界値よりも大きいとき、前記最大値の演算値に対応する計量器が、零点補正または零点補正とスパン補正を行っても正常な計量が不能な故障状態であると判定する計量システム。
  3. 請求項1記載の計量システムにおいて、前記判定手段は、前記計量器ごとの演算値のうち絶対値が最大値のものが、前記異常境界値よりも小さいとき、前記最大値の演算値に対応する計量器が正常であると判定する計量システム。
  4. 請求項1記載の計量システムにおいて、前記異常境界値及び前記故障境界値は、前記計量器による計量値の標準偏差と、前記再計量手段の再計量値の標準偏差とを使用して決定され、前記計量器による計量値の標準偏差を標準偏差算出手段が算出し、この標準偏差算出手段は、前記計量システムの本稼働前のテストモードにおいて、前記組合せ秤の前記各計量器による物品の重量を本稼働時に対応する時点で計量して得られた本稼働時計量値と、前記本稼働時よりも後の計量器が安定した時点に対応する安定時計量値との偏差に基づいて前記標準偏差を算出する計量システム。
  5. 請求項1記載の計量システムにおいて、前記判定手段が前記異常状態と判定したとき、前記最大値の演算値に対応する計量器の零点補正をする零点補正手段を具備する計量システム。
  6. 請求項5記載の計量システムにおいて、前記零点補正手段による零点補正が行われた後、前記最大値の演算値に対応する計量器が異常であると前記判定手段によって再度判定されたとき、前記最大値の演算値に対応する計量器のスパンが異常であると判定するスパン誤差判定手段を具備する計量システム。
  7. 請求項6記載の計量システムにおいて、
    前記スパン誤差判定手段により異常であると判定された前記計量器が計量した物品が含まれている組合せ物品の再計量値から、当該組合せ物品を計量した当該異常な計量器以外の計量器が生成した計量値の合計重量値を減算して、当該異常な計量器により計量された物品の重量と対応する減算値を算出する減算手段と、
    この減算手段の減算値と前記異常な計量器が生成した異常な計量値との比率を使用して、前記異常な計量器のスパンを補正するスパン補正手段とを、
    具備する計量システム。
  8. 請求項7記載の計量システムにおいて、前記減算手段は、同一の異常な計量器に対して減算値を複数個算出し、前記スパン補正手段は、当該同一の異常な計量器に対して前記比率を複数個算出し、これら複数の比率の平均値を使用して、前記異常な計量器のスパン補正する計量システム。
  9. 複数台の計量器を有し、これら計量器で計量された物品の重量を種々に組合せ、これら組合せのうち合計重量が許容重量範囲内に入るものを構成する物品からなる組合せ物品を排出する組合せ秤と、
    前記組合せ物品が前記組合せ秤から排出されるごとに、再計量する再計量手段と、
    前記排出された組合せ物品の合計重量と、この排出された組合せ物品の再計量手段での再計量値との差である減算値を算出する算出手段と、
    前記計量器ごとに、その計量器で計量された物品が参加している組合せ物品に対応する前記減算値の予め定めた個数以上の合計値または平均値である演算値を算出する演算手段と、
    前記計量器ごとの演算値のうち絶対値が最大値のものを選択する第1選択手段と、
    前記選択された演算値に対応する前記計量器である第1選択計量器以外の計量器ごとの前記第1選択計量器が不参加の組合せ物品に対応する前記各演算値のうち絶対値が最大のものを選択する第2選択手段と、
    第1及び第2の選択手段で選択された各演算値の絶対値を、予め定めた異常境界値と、この異常境界値よりも大きく設定した故障境界値と、それぞれ比較する判定手段とを、
    具備する計量システム。
  10. 複数台の計量器を有し、これら計量器で計量された物品の重量を種々に組合せ、これら組合せのうち合計重量が許容重量範囲内に入るものを構成する物品からなる組合せ物品を排出する組合せ秤と、
    前記組合せ物品が前記組合せ秤から排出されるごとに、再計量する再計量手段と、
    前記排出された組合せ物品の合計重量と、この排出された組合せ物品の再計量手段での再計量値との差である減算値を算出する算出手段と、
    前記計量器ごとに、その計量器で計量された物品が参加している組合せ物品に対応する前記減算値の予め定めた個数以上の合計値または平均値である演算値を算出する演算手段と、
    前記計量器ごとの演算値のうち絶対値が最大値のものを選択する第1選択手段と、
    この第1選択手段で選択された演算値に対応する前記計量器である第1選択計量器以外の計量器ごとの前記第1選択計量器が不参加の組合せ物品に対応する前記各演算値のうち絶対値が最大のものを選択する第2選択手段と、
    第2選択手段で選択された演算値に対応する前記計量器である第2選択計量器及び第1選択計量器以外の計量器ごとの前記第1及び第2選択計量器が不参加の組合せ物品に対応する前記各演算値のうち絶対値が最大のものを選択する第3選択手段と、
    第1乃至第3の選択手段で選択された各演算値の絶対値を、予め定めた異常境界値と、この異常境界値よりも大きく設定した故障境界値と、それぞれ比較する判定手段とを、
    具備する計量システム。
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