JP4814485B2 - 計量装置の異常検出方法及び計量装置 - Google Patents
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Description
実施の形態1では、計量装置としてトラックスケールを用いた場合について説明する。なお、実施の形態1に係る計量装置はトラックスケールに限定されるわけではなく、例えば台秤などの非自動はかりであればよい。
零点重量値が、比較的長い時間をかけて、調整時に設定した零点基準値を中心に設定された零点変動量の正常範囲を超えると、重量測定装置2に異常が発生したと判定することになる。しかしながら、重量測定装置2が故障した場合または使用条件を超えるような環境の変化が生じた場合等においては、比較的短い期間で零点重量値が変動し正確な計量動作ができなくなることがある。したがって、このような場合でも重量測定装置2に異常が発生したと判定し、使用者に対して警告することが必要となる。
非自動はかりの場合、調整モードおよび通常運転モードの何れにおいても、秤の使用者が、計量載せ台上に被計量物および付着物がない状態での重量値を零点と判断する。ここで非自動はかりとは、通常運転モードにおいて零点調整、すなわち零点計測および被計量物の重量測定が使用者によって人為的に行われる秤を意味している。
ここで、零点変動量wzeが零点変動量の正常範囲r内に入っていれば零点変動量wzeは正常と判定され、入っていない場合は異常であると判定される。
通常運転モードにおいては、後述するように、零点調整キーが押下されたときに得られる零点重量値が正常範囲R内にあるか否か、さらに零点変動量が正常範囲r内にあるか否かを判定する。
重量測定装置2の置かれた環境または重量センサの特性が悪化した場合、例えば床振動が増えたような場合であって、重量測定値が正確に測定できなくなったときは、できる限り早い時期に使用者に対して異常を知らせる必要がある。
調整モードにて、重量測定装置が置かれた環境が正常である場合の内部重量値の標準的なばらつきを記憶させ、この値を基にして、内部重量値のばらつきが異常であるか否かを判定するための範囲を設定する。
図8は、本発明の実施の形態1に係る計量装置であるトラックスケール1が備える重量測定装置2の通常運転モードにおける動作の流れの他の例を示すフローチャートである。
前述したように、本実施の形態の計量装置では、通常運転モードにおいて算出された零点偏差量が零点正常範囲R内にあるか否かによって異常の発生の有無を判定している。ここで、この零点正常範囲Rを複数の領域に区分けして利用することによって、以下のように計量装置の異常発生の予告を行うようにすることが可能である。
(1)M個の零点重量値に係る零点偏差量のうち、90%以上が領域A内にあり、残りが領域B内にある場合、正常レベルであると判定する。
(2)M個の零点重量値に係る零点偏差量のうち、10%以上50%未満が領域B内にあり、残りが領域A内にある場合、異常予知レベル1であると判定する。
(3)M個の零点重量値に係る零点偏差量のうち、50%以上が領域B内にあり、残りが領域A内にある場合、異常予知レベル2であると判定する。
(4)M個の零点重量値に係る零点偏差量のうち、90%以上が領域B内にあり、残りが領域A内にある場合、異常予知レベル3であると判定する。
(5)M個の零点重量値に係る零点偏差量のうち1個でも領域C内のものがある場合、異常レベルであると判定する。
(1)3個以上の零点計測値に係る零点偏差量が領域A内にあり、残りが領域B内にある場合、正常レベルであると判定する。
(2)2個以上の零点計測値に係る零点偏差量が領域B内にあり、残りが領域A内にある場合、異常予知レベルであると判定する。
(3)4個の零点計測値に係る零点偏差量のうち1個でも領域C内のものがある場合、異常レベルであると判定する。
実施の形態2に係る計量装置は、複数の被計量物を同時に計量するために、複数の計量手段を備えるものである。このように複数の被計量物を同時に計量するために複数の計量手段を備える計量装置としては、回転式重量充填装置および回転式重量選別装置などがあるが、以下では回転式重量充填装置を例にして説明する。
図11において、aは零点計測位置を示しており、この零点計測位置aから始まるT1は零点計測区間を示している。計量手段103が備えるCPU23は、制御装置10から出力された信号に基づいて、計量載せ台12が零点計測位置aに到達したと判定した場合、その計量載せ台12上には容器14が載っていないものと判断し、零点計測処理を開始する。
図11において、bは風袋計測位置を示しており、この風袋計測位置bから始まるT2は風袋計測区間を示している。計量手段103が備えるCPU23は、制御装置10から出力された信号に基づいて、計量載せ台12が風袋測位置bに到達したと判定した場合、その計量載せ台12上に容器14が載ったものと判断し、風袋計測処理を開始する。
図11において、T3は充填物の予備小投を行う予備小投区間を、T4は充填物の大投入を行う大投入区間を、T5は小投位置待ち区間をそれぞれ示している。また、cは小投位置を示しており、この小投位置cから始まるT6は充填物の小投入を行う小投入区間を示している。
図11において、T7は計量手段3を安定させるための安定待ち区間を、T8は容器14の重量を計測するための安定計測区間をそれぞれ示している。
図11において、dはエンド位置を示している。計量手段103が備えるCPU23は、制御装置10から出力された信号に基づいて、計量載せ台12がエンド位置dに到達したと判定した場合、仮にその計量載せ台12上の容器14に対して充填バルブ27による充填処理が施されていたとしても、充填バルブ27の充填動作を終了させる。
[調整モード]
図13A〜図13Cは本発明の実施の形態2に係る計量装置である回転式重量充填装置101の調整モードにおける動作の流れを示すフローチャートである。
本発明においては、零点重量値として安定な値を得るため、C2個の移動平均値を求める。そのために、計量手段103のメモリ24の中に移動平均個数である所定のC2に相当する個数の零点重量値を記憶するためのエリア(以下、零点重量値記憶用エリアという)を予め確保しておく。
回転式重量充填装置101の場合、図11に示す零点計測位置aに計量載せ台103があるときにその計量載せ台103上に被計量物が載置されていないことを認識することができるため、零点計測位置aにいる時点から零点計測区間T1を過ぎる時点の重量測定値は零点計測によるものとし、この重量測定値を零点重量値とする。したがって、非自動はかりの場合のように、零点重量値を得るために仮の零点計測範囲r’を設ける必要はない。
以下の処理は回転式重量充填装置101がおよび回転式重量充填装置101が設置されている環境が正常な状態であることが確認された上で行われる。
次に、回転式重量充填装置101は、実施の形態1の場合と同様に、平基準基準標準偏差Ssaに予め用意した零点重量値のばらつき量の限界を定めるための定数kを乗じることにより、許容最大標準偏差k・Ssaを求める(S403'')。
図16は、本発明の実施の形態2に係る計量装置である回転式重量充填装置101の通常運転モードにおける動作の流れの他の例を示すフローチャートである。
この式3から導かれる以下の式4にしたがって、回転式重量充填装置101は、標準偏差Ssmを算出する(S504)。
次に、回転式重量充填装置101は、ステップS504にて算出された標準偏差Ssmが許容最大標準偏差k・Ssa以上であるか否かを判定する(S505)。ここで、標準偏差Ssmが許容最大標準偏差k・Ssa以上であると判定された場合(S505でYES)、回転式重量充填装置101は、計量手段mに特有な要因により生じた振動信号により当該計量手段mが異常状態になっていることを示す第1零点異常情報を、図示しない表示器に表示する(S506)。
={Ss1g+Ss2g+…+(Ssm2+Ssmg2)1/2+…+Ssng}/n
…式5
ここで、各計量手段103は同型式であって同条件により周囲環境から影響を受けているので、各計量手段103に共通な要因による振動信号によって生じたばらつきの標準偏差は各計量手段103において等しいとみなすことができる。そこで、この値をSsgとすると、以下の式6が成り立つ。
また、計量手段の数が比較的多いため、1台の計量手段103にのみ存在する振動信号によって生じたばらつきの標準偏差Ssmについて以下の式7が成り立つ。
したがって、すべての計量手段103の標準偏差の平均値Ssgaは以下の式8により算出される。
以上より、1台程度の計量手段103に特有な要因による振動信号を重量信号が含んでいたとしても、すべての計量手段103に係る標準偏差の平均値をとれば、すべての計量手段103に共通な要因による振動信号によって生じた零点偏差量のばらつきの標準偏差に等しくなる。ここで、nの値が大きくなる場合は複数の計量手段の重量信号に異常な振動信号が含まれる確率が高まってくるが、その一方でnが大きくなるのでSsga≒Ssgは成立する。
2 重量測定装置
3 入出力回路
4 CPU
5 入力器
6 表示器
7 メモリ回路
10 制御装置
11 位置検出手段
12 載せ台
13 ロードセル
14 容器
15 スターホイール
16 搬送コンベヤ
17 スターホイール
18 搬送コンベヤ
21 増幅器
22 A/D変換器
23 CPU
24 メモリ
25 通信インタフェース
26 入出力装置
27 充填バルブ
101 回転式重量充填装置
102 回転体
103 計量手段
A1,A2,A3,A4 演算増幅器
AD1,AD2,AD3,AD4 A/D変換器
LC1,LC2,LC3,LC4 ロードセル
Claims (10)
- 被計量物を載置するための計量載せ台と、当該計量載せ台に載置された被計量物の重量を測定するための計量手段とを備える計量装置の異常状態を検知する計量装置の異常検出方法において、
前記計量載せ台上に被計量物が載置されていない状態が継続している期間内の所定時間間隔で到来する複数の時点において振動するように変化する零点重量値を生成するステップと、
前記生成された複数の零点重量値のばらつき量を算出するステップと、
前記算出された零点重量値のばらつき量に基づいて、前記計量装置に異常状態が発生しているか否かを判定するステップと
を有することを特徴とする計量装置の異常検出方法。 - 被計量物を載置するための複数の計量載せ台と、当該計量載せ台のそれぞれに載置された被計量物の重量を測定するための複数の計量手段とを備える計量装置の異常状態を検知する計量装置の異常検出方法において、
前記複数の計量手段それぞれについて、前記計量載せ台上に被計量物が載置されていない状態が継続している期間内の所定時間間隔で到来する複数の時点において振動するように変化する零点重量値を生成するステップと、
前記複数の計量手段それぞれについて、前記生成された複数の零点重量値のばらつき量を算出するステップと、
前記算出された前記複数の計量手段それぞれに係る零点重量値のばらつき量に基づいて、前記計量装置に異常状態が発生しているか否かを判定するステップと
を有することを特徴とする計量装置の異常検出方法。 - 前記判定するステップは、前記複数の計量手段それぞれに係る零点重量値のばらつき量の平均値に基づいて、前記計量装置に異常状態が発生しているか否かを判定する、請求項2に記載の計量装置の異常検出方法。
- 前記判定するステップは、前記複数の計量手段それぞれに係る零点重量値のばらつき量に基づいて、各計量手段の何れにおいて異常状態が発生しているか否かを判定する、請求項2に記載の計量装置の異常検出方法。
- 前記複数の零点重量値のばらつき量は、前記複数の零点重量値の標準偏差である、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の計量装置の異常検出方法。
- 被計量物を載置するための計量載せ台と、当該計量載せ台に載置された被計量物の重量を測定するための計量手段とを備える計量装置において、
前記計量手段は、
前記計量載せ台上に被計量物が載置されていない状態が継続している期間内の所定時間間隔で到来する複数の時点において振動するように変化する零点重量値を生成する零点重量値生成手段と、
前記零点重量値生成手段によって生成された複数の零点重量値のばらつき量を算出するばらつき量算出手段とを備え、
前記ばらつき量算出手段によって算出された零点重量値のばらつき量に基づいて、前記計量装置に異常状態が発生しているか否かを判定する異常判定手段
を備えることを特徴とする計量装置。 - 被計量物を載置するための複数の計量載せ台と、当該計量載せ台のそれぞれに載置された被計量物の重量を測定するための複数の計量手段とを備える計量装置において、
前記複数の計量手段それぞれは、
前記計量載せ台上に被計量物が載置されていない状態が継続している期間内の所定時間間隔で到来する複数の時点において振動するように変化する零点重量値を生成する零点重量値生成手段と、
前記零点重量値生成手段によって生成された複数の零点重量値のばらつき量を算出するばらつき量算出手段とを備え、
前記ばらつき量算出手段によって算出された前記複数の計量手段それぞれに係る零点重量値のばらつき量に基づいて、前記計量装置に異常状態が発生しているか否かを判定する異常判定手段
を備えることを特徴とする計量装置。 - 前記異常判定手段は、前記複数の計量手段それぞれに係る零点重量値のばらつき量の平均値に基づいて、前記計量装置に異常状態が発生しているか否かを判定するように構成されている、請求項7に記載の計量装置。
- 前記異常判定手段は、前記複数の計量手段それぞれに係る零点重量値のばらつき量に基づいて、各計量手段の何れにおいて異常状態が発生しているか否かを判定するように構成されている、請求項7に記載の計量装置。
- 前記複数の零点重量値のばらつき量は、前記複数の零点重量値の標準偏差である、請求項6乃至請求項9の何れかに記載の計量装置。
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