JP4693879B2 - 基地局装置 - Google Patents

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Description

本発明は基地局装置にかかわり、特に、伝送速度の低下などを原因とする呼損や品質劣化の対策として、ある端末またはあるサービスに対して所要伝送速度を満たせなくなったり、満たせても余裕が無かったりする場合、その端末が移動することなく同じ位置(場所)で使用されている別な周波数へとハンドオーバすることによって、呼損等の問題を解決する基地局装置に関する。
以下では、W-CDMAシステムを例として説明することにするが、断りのない限り移動通信システムにおいて実施可能である。すなわち、本発明は移動通信全般に対して適用されるものであり、W-CDMAシステムに対してのみ適用されるものではない。
W-CDMAシステムにおいて、図48に示すようなセルラ構成のサービスエリア(六角形エリア)が形成され、中心に無線基地局が配置され、それぞれのサービスエリアは1つ又は複数のセクタで構成されている。図48では3セクタ構成を示している。以後、無線基地局を単に基地局またはNode Bと呼ぶ。
また、それぞれのセクタに対して、複数の周波数(搬送波)が割り当てられている。図49に1つのセクタに周波数が二つ割り当てられている場合を示す。この図において、基地局Node B1の周波数をf1とし、そのサービスエリアを実線で示している。基地局Node B2の周波数をf2とし、そのサービスエリアを点線で示している。図示の都合上、実線と点線はずらして描写しているが、重なっていても良い。なお、図49では1周波数に1つの基地局すなわち1 Node Bとして示しているが、図50に示すように2周波数で1 Node Bとしてもよい。本明細書では、基本的には1周波数当り1送受信機TRXを配設するものとして示す。従って、1Node Bに1送受信機(1周波数)が設けられる場合(図49)と1 Node Bに複数送受信機TRX1,TRX2が設けられる場合(図50)の両者がある。
なお、通常、端末はW-CDMAシステム用いられる周波数全てに対して、送受信が可能である。
・ハンドオーバについて
図51に示すように、端末UE1が基地局BTS1のセルCL1から基地局BTS2のセルCL2に移動することによって接続先基地局を変える動作を総称してハンドオーバと言う。移動によるハンドオーバは周知で、その方法によって、ソフトハンドオーバ、ハードハンドオーバ、異周波数ハンドオーバ、セルチェンジなどに分けられるが、以降ハンドオーバと略す。
また、従来の3GPPリリース99及びPDC(Personal Digital Cellular)などのシステムにおけるハンドオーバは、基地局の上位である無線ネットワーク制御装置(RNC: Radio Network Controller)が主導することによって、実施されている。すなわち、RNCは端末の移動を管理し、セル間、セクタ間、異周波数間及び異システム間のハンドオーバを制御している。具体的な制御としては、ハンドオーバ先基地局の指定、ハンドオーバ先基地局へ無線リンクの設定の指示、端末UEに対して無線リンクの張り直しの指示などである。なおこの際、基地局(Node B)は、RNCの指示に従い処理を実行する。また、通常のハンドオーバは、端末の移動に伴って行われる。
・HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)
W-CDMAなどの移動通信では、パケットを用いてデータ通信が行われている。W-CDMAでは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)において仕様の検討が行われており、ここで決められたプロトコルを用いて、無線基地局及び端末(携帯電話など)間でパケット通信が行われている。
現在、3GPPにおいて、さらなる高速パケット通信を行うためにHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)方式の検討が行われている。これは、下り(基地局から端末への通信)におけるパケット通信を、2Mbps(現状では2Mbps)と言った高速なものとするための技術である。HSDPAは、前述のように3GPPの仕様であるリリース5での規格化を実施するべく検討が行われている。従来の仕様である3GPP リリース99と比較し、その無線チャネル構成、再送制御及びスケジューラの導入がHSDPA大きな変更点である。以下、簡単に無線チャネルの構成を説明し、本発明の直接関係するスケジューラについて説明する。
図52はHSDPAシステムの構成概略図である。3GPPでの無線アクセス系は、RNC(無線制御装置)1とNodeB(基地局)2、UE(User Equipment:端末)3から構成されており、RNCはCN(Core Network)4に接続される。
HSDPAでは、パケットデータの伝送チャネルCHとして、(1)有線下り区間においてHS-DSCH(High Speed - Downlink Shared Channel)、(2)無線下り区間においてHS-PDSCH(High Speed - Physical Downlink Shared Channel)を使用する。すなわち、HS-DSCHとHS-PDSCHは下り専用のチャネルで、複数のUEで共有され、ターボ符号などによって符号化されたパケットを伝送する。
また、無線下り区間において、高速制御チャネルとして(3)HS-SCCH(High Speed Shared Control Channel)が設定され、複数のUE 3がHS-PDSCH上でパケットデータを受信するための制御情報が伝送される。制御情報には、ユーザ識別子(UEID:User Equipment Identifier)、HS-PDSCHのデータを受信するための各種パラメタ(無線拡散コード、変調方式、データ長情報など)がある。HS-SCCHは複数のUE 3で共有される。
更に、無線上り区間において(4)HS-DPCCH(High Speed Dedicated Physical Control Channel)がユーザ毎に設定される。HS-DPCCHは個別チャネルであり、各端末から基地局に対して、受信状況(誤り無くパケットを受信できたかできないか)や受信状態(簡単な例としてはC/I)を元に受信可能なビット数などを示す値を伝送するチャネルである。前者の受信状況を示す通知をACK(受信確認通知)、NACK(受信失敗通知)と呼び、後者の受信状態を示す情報をCQI (Channel Quality Indicator)と呼ぶ。
以上に加えて、(5)DL Associated DPCH (Downlink Associated Dedicated Physical Channel)と(6)UL Associated DPCH (Uplink Associated Dedicated Physical Channel)がある。このチャネルは各端末と基地局の個別に張られた無線チャネルであり、従来のリリース99から用いられているDPCH(Dedicated Physical Channel)のうち、特にHS-PDSCHに付随して用いられるチャネルである。以後、DL A-DPCHとUL A-DPCHと略す。
・ACK/NACKと再送制御について
HSDPAでは、NodeB 2とUE 3の間でデータの再送制御を行っており、UE 3は、受信データに対するACK(受信確認通知)やNACK(受信失敗通知)を、HS-DPCCHを使用して、NodeB 2に通知する。
再送制御の流れを図53に示し、端末UEの構成を図54に、基地局Node Bの構成を図55に示す。
端末UE 3において、前述のHS-PDSCHによって伝送されたパケットを無線部3aで受信し、復調部3bで復調、復号後、再送制御部3cでCRCチェックしてパケットの受信状況(例えば誤りなしに受信できたか、できないか)を確認する。ここで、例えば誤りがないと判明した場合は、前述のUL HS-DPCCHを用いて変調部3d、無線部3eを介してACKを送信することにより新規の送信を基地局Node Bに対して要求する。一方、CRCチェックの結果、誤りがあると判明した場合、UL HS-DPCCHを用いてNACKを送信することにより基地局Node Bに対して再送要求を行う。このとき、例えば誤りなく受信できるまで再送を行う。
一方、基地局Node Bでは、無線部2aでUL HS-DPCCHを受信し、復調部2bにおいて復調、復号する。その後、ACK/NACK抽出部2cにおいてACK/NACK信号を抽出し、再送制御部2dは再送制御を行う。すなわち、再送制御部2dはACKの場合、送信バッファ2eに保存されている送信成功のパケットを削除し、NACKの場合、送信バッファ2eに保存されている送信不成功のパケットを、HS-PDSCHを用いて変調部2f、無線部2gを介して再度送信する。これらの再送制御は次に述べるスケジューラ部で行われる。
なお、端末UEにおける受信状態によって、受信データに誤りがあるかないかで、ACKを返送するか、NACKを返送するかが変わるわけであるが、その原因としては、C/I、S/Nの状態及び端末の移動速度に依存する部分が大きい。C/IはCarrier/InterferenceでS/NやSIR(Signal/Interference)などに相当するもので、Cは信号電力を表し、Iは対干渉電力を表し、干渉の大きさの指標である。C/Iが小さくなるすなわち干渉が大きくなるほど、受信状態が劣化していることを表す。
・スケジューラについて
3GPPのリリース5より導入されたHSDPAにおいて、前述の無線チャネルとパケット伝送の順番を決定するスケジューラ機能が新たに 加えられた。スケジューラの説明を行うために、HS-PDSCHついて、更に説明を加える。HS-PDSCHは、従来からあるDPCHとは異なり、通信相手である端末に対して個別に設けられ無線チャネルではない。すなわち、例えば1つのHS-PDSCHを時分割し1つまたは複数の端末で共有(Share)して使用するものである。
図56(A)〜図56(D)はHS-PDSCH上でのパケットデータの受信メカニズム説明図である。
HS-SCCH上では、図56(A)に示すように、TTI(Transmition Time Interval = 2ms)と呼ばれる送信周期が設定されており、送信すべき制御情報が存在する場合のみ、該制御情報がTTIに合わせて送信され、複数のUE(UE#0,#1の2つとする)により受信される。HS-SCCHで伝送されるデータには、ユーザ識別子(UEID:User Equipment Identifier)とHS-PDSCHのデータを受信するための各種パラメタ(無線拡散コード、変調方式、データ長情報など)がある。
UEは全てのTTIでHS-SCCHデータを受信する。例えば、図56(B)のslot#1では、UE#0とUE#1が同時にHS-SCCHデータを受信する。ここで、各UEはデータ内のUEIDを参照し、自IDと比較する。この場合、slot#1におけるHS-SCCHデータのUEIDは、「UE#1」となっているため、UE#0は、受信HS-SCCHデータを破棄し、一方、UE#1は受信HS-SCCHデータ内の制御データを取り込む。その後、UE#1は制御データ部分からHS-PDSCH受信用パラメタを抽出し、HS-PDSCH上でパケットデータを受信する(図56(C)、(D))。
UE#1はデータを受信したのちデータ内に含まれている「順序番号」を参照し、データの欠落がなかったかどうかを確認する。データ欠落なく全てのデータを誤りなく(CRCエラーなく)受信できた場合には、HS-DPCCHを使用してNodeBにACKを通知する。また、データの欠落があった場合には、あるいはCRCチェックエラーが発生した場合には、HS-DPCCHを使用してNodeBにNACKを通知する。slot#2〜5,slot#7〜8についても同様であり、UE#1はslot#1, 4のHS-PDSCHを介してパケットデータを受信し、UE#0はslot#2〜3,5,7〜8のHS-PDSCHを介してパケットデータを受信する。
どのスロットにどの端末を割り当ててパケットを送信するかのスケジュール管理及び再送制御を行うのがスケジューラである。図57はスケジューラを含む基地局Node Bの構成図であり、2hはスケジューラ、2iはハンドオーバ制御部、2jは受信データより端末の受信状態情報であるCQI情報を抽出するCQI抽出部であるである。
以下にスケジューラ2hの動作について、例を挙げて説明する。スケジューラ2hは、端末より報告されるCQIや伝送するデータの通信サービス内容(品質サービスQoS)によって、各端末向けのデータ伝送の順番を決定し、その順番で送信するものである。順番決定の具体例を以下に挙げる。なお、以下は、代表的な方法であり、この方法に限定されるものではない。
(1)C/I法
C/Iを基に、C/Iの良いものから順に送信を行う。HSDPAの場合はCQI値の高いものをC/Iが良いとする。C/Iが悪い端末は、送信する機会が与えられない可能性がある。
(2)Round Robin法
端末の受信状態に関わらず、均等に送信を行う方法。
(3)Proportional Fairness法
送信時間を均等とし、C/Iの良いものから順に送信を行う方法。
また、上述の方法に加え後述のトラヒッククラス(Streaming class, Conversational class, Interactive class, Background class)に対する重み付けを行うことも考えられる。これらトラヒッククラスを称してQoS (Quality of service)と呼ぶ。QoSには、最高速度(bit/sec)や最低速度(bit/sec)などがパラメータとして規定される。特に、Conversational ClassやStreaming classでは、その用途から即時性が求められており、最低速度の規定が厳しい。この最低速度が守れない場合には、サービスを行わなかったり、中止したり、伝送したデータの品質が保たれなかったりしてしまう。分かりやすい例としては、動画伝送時に画像がコマ送りになってしまったり、音声や画像が途切れてしまったりといった状態となってしまう。
(1)Conversational class : 双方向で低遅延品質が要求されるクラス(例:音声)、
(2)Streaming class: 片方向で低遅延なストリーミングサービスが要求されるクラス(例:リアルタイム動画像配信)、
(3)Interactive class : 一定時間内での応答及び低誤り率が要求されるクラス(例:WEB閲覧、サーバーアクセス)、
(4)Background class: バックグランドで行うようなベストエフォートクラス(例:E-mailやftpなど)、
である。
・従来技術の問題点
端末の置かれた伝搬環境や移動速度によっては、伝送するサービスQoSの最低速度の規定を守ることができず、通信途中で呼損となってしまったり、品質が劣化してしまったりする問題点がある。具体的な例を用いて以下に説明する。
ある端末UE2が、即時性の要求されるサービス(動画像伝送)を受信しているとし、スループットが2Mbyte/sec必要だったとする。しかしながら、伝搬環境が悪かったり、干渉波が強かったり(すなわちC/Iが劣化していたり)するため、再送を繰り返す必要があり、実際のスループット(伝送速度)は1Mbyte/secとなってしまったとする。この時、動画像のコマが落ち、人などの動作がぎこちなくなったり、動画像が静止したままとなったりなどの問題が生じてしまう。場合によっては、動画像品質が保たれないため、サービスを停止しなければならなくなるなどの問題が生じる。
呼損や品質劣化を防止する従来技術として移動端末の通信速度(スループット)を測定してハンドオーバするか否かの判断をする従来技術(特許文献1)はあるが、余裕の少ない端末から、異なる周波数の基地局にハンドオーバさせるものはない。
呼損や品質劣化を防止する従来技術として受信レベルに基づいて、余裕の少ない端末からハンドオーバする従来技術(特許文献2)はあるが、移動端末の通信速度(スループット)あるいは遅延時間或いは送信電力などに基づいてハンドオーバするか否かの判断をし、異なる周波数の基地局にハンドオーバさせるものではない。
異なる周波数でハンドオーバする従来技術(特許文献3)はあるが、呼損や品質劣化を生じる可能性のある端末を移動端末の通信速度(スループット)あるいは遅延時間或いは送信電力などに基づいて検出し、ハンドオーバさせるものではない。
特開平1-274524号公報 特開平7-240959号公報 特開平10-136425号公報
以上から本発明の目的は、呼損や品質劣化を生じる可能性のある端末を検出し、該端末を異なる周波数の基地局にハンドオーバさせることにより呼損や品質劣化を防止することである。
上記課題は本発明によれば、端末と無線で通信する基地局装置により達成される。
本発明の第1の基地局装置は、端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報及びデータの到達/未到達を示す再送制御情報を抽出する情報抽出部、端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、前記端末の受信状態に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定する送信データサイズ設定部、各端末の受信状態に基づいてどの端末に前記サイズのデータを送信するか決定する送信端末選択部、前記送信バッファに保存されている前記サイズのデータを変調して送信する送信部、前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送速度を算出する伝送速度算出部、前記算出した伝送速度と伝送速度閾値との差に基づいて、各端末についてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば無線ネットワーク制御装置にハンドオーバを要求するハンドオーバ制御手段を備え、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる。
本発明の第2の基地局装置は、端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報を抽出する情報抽出部、端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、前記送信バッファに保存されているデータを変調して送信する送信部、前記端末の受信状態を示す情報に基づいて該端末に伝送品質を一定以上に保持するために必要となる所要送信電力を算出する所要送信電力算出部、実際の送信電力と所要送信電力とに基づいてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば無線ネットワーク制御装置にハンドオーバを要求するハンドオーバ制御部、を備え、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる。
本発明の第3の基地局装置は、端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報及びデータの到達/未到達を示す再送制御情報を抽出する情報抽出部、端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、前記端末の受信状態に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定する送信データサイズ設定部、各端末の受信状態に基づいてどの端末に前記サイズのデータを送信するか決定する送信端末選択部、前記送信バッファに保存されている前記サイズのデータを変調して送信する送信部、前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送速度を算出する伝送速度算出部、各端末について算出した伝送速度を用いて基地局全体の伝送速度を算出する基地局伝送速度算出部、基地局全体の所要伝送速度と前記算出した基地局伝送速度とから、ハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバの必要性があれば、送信データのサービス品質により決まる所要伝送速度と前記算出した伝送速度とに基づいて、どの端末をハンドオーバするかを選定し、無線ネットワーク制御装置にハンドオーバ要求するハンドオーバ制御部を備え、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる。
本発明の第4の基地局装置は、端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報及びデータの到達/未到達を示す再送制御情報を抽出する情報抽出部、端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、前記端末の受信状態に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定する送信データサイズ設定部、各端末の受信状態に基づいてどの端末に前記サイズのデータを送信するか決定する送信端末選択部、前記送信バッファに保存されている前記サイズのデータを変調して送信する送信部、前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送速度を算出する伝送速度算出部、基地局における端末の収容数を算出する端末収容数算出部、基地局の端末収容数の閾値である端末収容数閾値と前記算出した端末収容数とから、ハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバの必要性があれば、送信データのサービス品質により決まる所要伝送速度と前記算出した伝送速度とに基づいて、どの端末をハンドオーバするかを選定し、無線ネットワーク制御装置にハンドオーバ要求するハンドオーバ制御部を備え、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる。
本発明によれば、呼損や品質劣化を生じる可能性のある端末を検出し、該端末を異なる周波数の基地局にハンドオーバさせることにより呼損や品質劣化を防止することができる。すなわち、端末は、動画像伝送における画像の欠落などの障害なく通信が可能となる。また、基地局は、通信による処理負荷を軽減することができる。更に、基地局間や周波数間の処理負荷の平準化が可能となる。以上により、新たなユーザに対してサービスが可能となる。
基地局装置は、(1)算出した伝送速度と伝送速度閾値との差に基づいて、各端末についてハンドオーバの必要性を判断し、あるいは(2)実際の送信電力と所要送信電力とに基づいてハンドオーバの必要性を判断し、あるいは(3)基地局全体の所要伝送速度と前記算出した基地局伝送速度とから、ハンドオーバの必要性を判断し、あるいは(4)基地局の端末収容数の閾値である端末収容数閾値と算出した端末収容数とから、ハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば無線ネットワーク制御装置にハンドオーバを要求する。
(A)第1実施例
図1はサービス毎にスループット(伝送速度)を算出し、該スループットに基づいてハンドオーバを行う第1実施例の構成図であり、図2にプロトコル例を、図3〜図8に処理フロー例を示す。図3は図2のプロトコルにおける処理P1の処理フロー、図4は処理P2の処理フロー、図5は処理P3の処理フロー、図6、図7は処理P4の処理フロー、図8は処理P5の処理フローである。図1において、図57で説明した従来例と同一部分には同一符号を付している。
基地局Node Bと端末UE1〜UEn(図示せず)との間で通信を行うとし、W-CDMAのHSDPAで実施した場合を例として以下に説明する。
まず、端末UEkは、図3に示すように、パイロットチャネルCPICHを受信することによりC/IあるいはSIRを測定または算出する(ステップ101)。この結果を基に、端末UEkの受信状態(または伝搬環境)を推定し、CQIを算出する(ステップ102)。CQIは、例えば、C/IとCQIの対応テーブルを用意し、該テーブルより求める。ついで、CQIを符号化及び変調し、基地局Node Bに対して、図2に示すようにHS-DPCCHに載せて返送する(ステップ103)。
基地局Node Bにおいて、無線受信部(図示せず)はHS-DPCCHを受信し、復調部2bは受信信号を復調及び復号し、CQI抽出部2jは復号データよりCQI情報を抽出する(図4、ステップ151)。この場合、端末個別の拡散コードを用いることによって、情報がどの端末からのものであるか識別が可能である。
スケジューラ2hの送信UE選択部11は、各端末より報告されるCQIや伝送データの通信サービス内容(品質サービスQoS)に基づいて各端末向けのデータ伝送順を決定して送信バッファ2eに入力する(ステップ152)。
次に、ブロックサイズ設定部12はCQIを基に送信データのトランスポートブロックサイズ(TrBlkSize: Transport block Size)を算出し(ステップ153)、着目端末番号と送信ビット数(トランスポートブロックサイズTrBlkSize)を送信バッファ2eに入力する。
また、ブロックサイズ設定部12は送信相手である端末番号(UE番号)、トランスポートブロックサイズ(TrBlkSize)、送信した時間、送信データのサービス品質QoS(又はトラヒッククラス)をスループット算出部13に知らせておく(ステップ154)。スループットは伝送速度とほぼ同義であることから、以後伝送速度をスループットと略す。
送信バッファ2eは送信順番の端末のトランスポートブロックサイズに応じたデータを変調部2fに入力し、変調部2fはこれを符号化し変調して端末にHS-PDSCH(図2参照)を用いて送信する(ステップ155)。
HS-PDSCHを受信した端末UEkは、図5に示すように受信したデータに誤りがあるかないかをCRCチェックにより判定する(ステップ201〜203)。誤りがある場合には、未達とし、HS-DPCCHを用いてNACKを基地局Node Bに返送する(図2参照、ステップ204)。誤りが無い場合には、同様にHS-DPCCHを用いてACKを返送する(ステップ205)。
端末UEkからのHS-DPCCHを受信した基地局において、復調部2bは受信信号を復調、復号し、ACK/NACK 抽出部2cは復調データよりACK/NACKを抽出し、受信時間を記録してスループット算出部13に入力する(ステップ251〜253)。NACKであれば、スケジューラ2hは再送制御を行う(ステップ254)。ACKであれば、スループット算出部13は、品質サービスQoSを確認すると共に(ステップ255)、送信時に保持したトランスポートブロックサイズTrBlkSizeと送信時間ts及び受信時間trより品質サービスQoS毎のスループットTksを次式
Tks=TrBlkSize/(tr−ts)
により算出してハンドオーバ制御部2iに入力する(ステップ256)。
又、スループット算出部13は、QoSに応じた所要スループットTkdsを求めてハンドオーバ制御部2iに入力する(ステップ257)。所要スループットTkds の算出法は、QoSと所要スループットの対応テーブルを用意しておき、該対応テーブルより所要スループットTkdsを求める。
また、スループット閾値発生部14は上位より予め設定されているQoSに応じたスループット閾値Tksthをハンドオーバ制御部2iに入力する(ステップ258)。このスループット閾値Tksthは実際のスループットと所望スループットの差であるスループット余裕の閾値である。
ハンドオーバ制御部2iは、Tksと所要スループットTkdsの差Tks−Tkdsを算出し、該差(Tks−Tkds)とスループット余裕の閾値Tksthとを比較する(ステップ259)。
Tks−Tkds<Tksthであれば、着目端末をハンドオーバ候補とし、δk=Tksth-(Tks−Tkds)を計算して記憶する(ステップ260)。一方、Tks−Tkds≧Tksthであれば、ハンドオーバ候補とせず何もしない。
以後、上記処理を、接続中の全ての端末UE(UE1〜UEn)に対して行い(ステップ261)、図7の処理フローに従って最も閾値に対して余裕のない端末UEmを選定する。なお、端末に複数のサービスを行うことも可能であるため、一端末に対してQoS毎にスループットを算出し、所要スループットとの差や余裕を判断することも可能である。
図7では、δmax=0と初期化し(ステップ271)、ついで、i=0とした後、iを歩進し(ステップ272,273)、iがハンドオーバ候補数nより大きくなったかチェックし(ステップ274)、i≦nであれば第i候補のδiとδmaxの大小を比較し(ステップ275)、δi≦δmaxであればステップ273に戻り以降の処理を繰返し、δi>δmaxであれば、δmax=δiとすると共にUEm=第i候補とし(ステップ276)、ステップ273に戻り以降の処理を繰返す。
一方、ステップ274でi>nとなれば、保存されている第i候補を最も閾値に対して余裕のない端末UEmとして選択し(ステップ277)、該端末UEmを無線ネットワーク制御装置RNCに送信すると共にハンドオーバを要求する(ステップ278)。
RNCのハンドオーバ管理部は、基地局Node Bから要求のあった端末UEmに対して従来の周知のハンドオーバ制御を行う。このハンドオーバ制御とは、図8に示すように、現基地局と異なる搬送周波数を有するハンドオーバ先Node B2の選定(ステップ301)、ハンドオーバ先のNode B2とUE間の無線リンクの設定(ステップ302)、ハンドオーバの実施(ステップ303)及び元のNode B1とUE間の無線リンクの解除(ステップ304)などである。
以上の第1実施例に基づいて異なる周波数の基地局へハンドオーバすることにより、以下の効果がある。
端末UEmは、良い伝送環境に移れた場合、たとえば動画像伝送における画像の欠落などの障害なく通信が可能となる。
基地局Node Bは、通信による処理負荷を軽減することができる。また、基地局間や周波数間の処理負荷の平準化が可能となる。これにより、新たなユーザに対してサービスが可能となる。
通信システム(事業者)は、サービス(QoS)に対して、通信速度の保証が容易となる。これにより、ユーザに対して高品質をアピールできる。
なお、第1実施例では、測定または算出したC/Iを元にCQIを算出し、基地局に返送しているが、CQIを用いずC/Iを返送しても良いし、S/Nを返送してもよい。また、このCQIをもとに基地局において、トランスポートブロックサイズTrBlkSizeを決定しているが、CQIを用いず上位(RNC)で指定したTrBlkSizeを用いて送信してもよい。
また、データの到達/未達をACK/NACKを用いて返送しているが、スループットの計算が可能であれば、ACK/NACKを用いなくても良い。
また、スループットの余裕を判断せず、単に所要スループットに対して満たしているか満たしていないか、すなわち、Tks < Tkdsの場合、ハンドオーバを行うことも可能である。ただし、この場合には呼損となって通信が終了してしまう可能性もある。
スループット閾値Tksthは、上位から与えられるとしても良いし、基地局で決めてもよい。また、サービス毎に可変しても良いし、伝送環境等を元にダイナミックに可変してもよい。
更に、所要スループットは、あるデータが伝送されるために許容できる時間を示しているため、最大許容遅延量と等価である。
本実施例におけるスループットの余裕の閾値との比較をRNCで行うなど、RNCと基地局の処理の分担を変えることも可能である。
また、RNCではなく、さらに上位の装置で制御することも可能である。ここで、上位であるRNCにおいて、ハンドオーバを制御管理することによって、ハンドオーバ先の周波数の選択が容易となる。
また、従来方法に従って送信相手の端末を選択する送信UE選択部11を狭義スケジューラとし、再送制御やトランスポートブロックサイズTrBlkSizeの決定などの機能部を含めてスケジューラ部2hと呼ぶこととする。
図9は第1実施例の一般形式の構成図であり、図1のACK/NACK抽出部2cは再送制御情報抽出部2c′に、CQI抽出部2jは品質情報抽出部2j′に、ブロックサイズ設定部12は送信ビット数設定部12′に、スループット算出部13は伝送速度算出部13′に、スループット閾値発生部14は伝送速度閾値発生部14′に変更されている。
図1の第1実施例ではハンドオーバ制御部2iをスケジューラ2hに入れていないが、図10に示すようにスケジューラ部2hに組み込むこともできる。又、第1実施例は1搬送波に対して1Node Bとした場合、すなわち、1Node Bに1搬送波を割り当てた場合を示しているが、1Node Bに複数搬送波を割り当てることもできる。図11は1つのNode Bに2つの搬送波(周波数f1,f2)を割り当てた場合の構成図であり、それぞれの搬送波について送受信機(送受信系及びスケジューラ、ハンドオーバ制御部)を設けた構成になっており、あたかも、1搬送波が割り当てられたNode Bが2台存在するように構成されている。尚、RNCにおいてハンドオーバ管理部1aは図8のハンドオーバ制御を行う。
(B)第2実施例
第1実施例では基地局Node Bでハンドオーバ制御を行って、ハンドオーバの必要性、ハンドオーバすべき端末の決定を行って無線ネットワーク制御装置RNCにハンドオーバ要求したが、これら処理をすべてRNCに持たせることができる。
図12は第2実施例の構成図であり、図13は第2実施例のプロトコル例、図14〜図16は処理フローであり、第1実施例と異なる部分のみ以下に説明する。図13のプロトコルにおいて、処理P1〜P3は第1実施例と同じであり、処理P41,P51は第1実施例と異なる。図14は処理P41の処理フロー、図15、図16は処理P51の処理フローである。
第2実施例では、サービス品質QoSに対する所要スループットTkds、実際のUE毎かつQoS毎のスループットTks及びスループット閾値Tksthをすべて上位であるRNCで一元管理し、ハンドオーバの必要の有無判定を行う。これにより、あるセクタで使用されている周波数に対して、その使用状況や実際のスループットを考慮して、ハンドオーバの必要の有無やハンドオーバ先の周波数の選択が容易となる。また、従来のシステムとの親和性も高い。
以下に、第1実施例と異なる動作についてのみ説明する。
周波数f1を搬送波とする基地局Node B 21において、ある端末UEkに対する実際のスループットTks,所要スループットTkdsを算出するまでの処理は、実施例1と同様である(図14のステップ251〜256)。
次に、基地局Node B 21のスループット算出部13及びスループット閾値発生部14は、それぞれスループットTks、所要スループットTkds、スループット閾値TksthをRNCに報告する(ステップ265)。この際、スループット算出部13はUE番号(この場合はk)、QoS(またはトラヒッククラス)も RNCに報告する。
RNCのハンドオーバ管理部1aは図15の処理フローに従ってハンドオーバ制御を行う。すなわち、ハンドオーバ管理部1aは上記のスループットTks、所要スループットTkds、スループット閾値Tksthを受信すると(ステップ250a〜250c)、第1実施例と同様(図6の処理フロー参照)に、最も余裕のないまたは、所要スループットを満たしていない端末UEmを選択する(ステップ259〜261)。
次に、ハンドオーバ管理部1aは、図16の処理フローに従ってハンドオーバ先(たとえば,異なる周波数f2を搬送波とする基地局Node B 22)を選択し、ハンドオーバを行う。尚、ステップ300は図7と同一処理によりハンドオーバ端末を決定するステップ、ステップ301〜304は第1実施例の図8と同一処理ステップである。
以上により、第2実施例によれば、第1実施例と同様な効果を得ることができる。更に、ハンドオーバするための情報を一元管理できることにより、RNCの制御が柔軟かつ容易となる。
(C)第3実施例
第3実施例は搬送周波数毎に制御部を持ち、基地局内だけでハンドオーバの分散処理を行う。
図17は第3実施例の構成図、図18は第3実施例のプロトコル例、図19〜図20は処理フローである。図18のプロトコルにおいて、処理P1〜P3,P5は第1実施例と同じであり、処理P42は第1実施例と異なる。図19,図20は処理P42の処理フローである。
第1実施例及び第2実施例では、上位(例えばRNC)でハンドオーバの管理及び制御を行っているが、第3実施例ではハンドオーバ制御部間の矢印で示すように、基地局同士又は基地局内の送受信機同士でハンドオーバの制御及び管理を行う。すなわち、上位装置による一元制御ではなく、分散自律制御を行う。
以下に第1実施例と異なる動作のみ説明する。なお、基地局Node B内の送受信機(周波数f1)21に割り当てている端末を、基地局Node B内の送受信機(周波数f2)22にハンドオーバさせるものとする。
送受信機21において、最も閾値に対して余裕のない端末UEmを選定し、ハンドオーバすることを決定するところまでは、第1実施例1と同様である(図19のステップ251〜261、図20のステップ262)。ステップ262は図7の処理フローに従ってハンドオーバ端末を決定する処理ステップである。
次に、送受信機21のハンドオーバ制御部2iは、ハンドオーバ対象となる端末UEmが移動することなく受信できる周波数を送信している基地局または基地局内の送受信機の中からハンドオーバ先を選定する(図20のステップ263)。ここでは仮にNode B 内の送受信機22とする。ついで、この送受信機22のハンドオーバ制御部2iに対して、ハンドオーバを要求する(ステップ264)。
ハンドオーバを要求された送受信機22のハンドオーバ制御部2iは、端末UEmに対してハンドオーバ制御を行う。
以上、第3実施例によれば、第1実施例と同様の効果を得ることができる。又、第3実施例によれば、RNCを介することなくハンドオーバを行うことが可能なため、上位との通信量を削減できる。また直接情報交換が可能であることから、ハンドオーバに要する時間を短縮することが可能である。
(D)第4実施例
第1実施例〜第3実施例においては、所要スループットと実際のスループットの差に閾値を設け、最も劣化している端末からハンドオーバの対象とした。第4実施例では、各サービスに対して設定されている最大遅延許容時間を考慮し最も遅延に関して厳しい端末を選択し、ハンドオーバ制御を行う。
図21は第4実施例の構成図、図22は第4実施例のプロトコル例、図23〜図24は処理フローである。図21において、図1の第1実施例と異なる点は、遅延時間算出部31がスループット算出部11に代わって設けられている点、最大許容遅延時間設定部32がスループット閾値発生部14の代わりに設けられている点である。また、図22のプロトコルにおいて、処理P1〜P3,P5は第1実施例と同じであり、処理P43は第1実施例と異なる。図23、図24は処理P43の処理フローである。
第1実施例と同様にある端末UEkがサービスq1(QoS=q1)を受信しているとし、その最大許容遅延時間をtq1_maxする。なお、最大許容遅延時間は上位から最大許容遅延時間設定部32に設定されるものとする。また、あるデータが、端末に正しく伝送されるまでに要した時間が伝送遅延時間であり、これをtk,q1とする。伝送遅延時間の算出法は、基地局が端末にデータを送信した時間をスケジューラ部2hの遅延時間算出部31で記憶しておく。遅延時間算出部31は端末より返されたACKの受信時間を監視し、送信したデータ量(トランスポートブロックサイズTrBlkSize)と前述の送信時間ts、受信時間trを基に単位データ量当りの伝送遅延時間tk,q1を次式
tk,q1=(tr−ts)/TrBlkSize
により算出し、ハンドオーバ制御部2iに入力する(以上、図23のステップステップ401〜405)。ついで、最大許容遅延時間設定部32は予め設定されている品質サービスQoSに応じた最大許容遅延時間tq1_maxをハンドオーバ制御部2iに入力する(ステップ406)。
ハンドオーバ制御部2iは、最大許容遅延時間に対する実際の伝送遅延時間を評価するため、両者の比を伝送遅延時間余裕とし、次式を用いて算出する(ステップ407)。
Figure 0004693879
ここで、δk,q1は、大きいほど最大許容遅延時間に対して余裕があることを示し、小さいほど余裕が無いことを示す。ある一定期間における通信において、全端末の全てのサービスに対して伝送遅延時間余裕を算出し(ステップ408)、余裕が最も小さい値となった端末UEkを図24の処理により求め、該端末UEkのハンドオーバ制御を行うようRNCに要求する。RNCは第1実施例と同一の制御により該端末を搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる制御を行う。
以上では、最も伝送時間余裕が小さいものからハンドオーバの対象としたが、伝送時間余裕の大きいものからハンドオーバの対象としてもよい。これは、余裕の大きい端末が移動することにより、それまで余裕の小さかった端末の余裕が改善される可能性があるためにである。
以上、第4実施例によれば、第1実施例と同様な効果を得ることができる。
・変形例
第1実施例と第4実施例を組み合せて、ハンドオーバ制御を行うことも可能である。図25は変形例の構成図、図26、図27は基地局の処理フローである。
基地局は図26の処理フローに従って第1実施例、第4実施例の基地局処理を行って各端末UEkの伝送遅延時間余裕
Figure 0004693879
及びスループット余裕δk (= Tksth−(Tks−Tkds))を算出し、保存する。
全端末の伝送遅延時間余裕δk,q1及びスループット余裕δkが求まれば、ハンドオーバ制御部2iは、スループット余裕δkを参照して最も劣化した端末から、ハンドオーバの第1優先順位を決定する(ステップ451)。又、伝送遅延時間余裕δk,q1を参照して伝送遅延時間余裕の厳しいものからハンドオーバの第2優先順位を決定する(ステップ452)。
ついで、これら2つの優先順位を考慮してハンドオーバする端末を決定する(ステップ453)。例えば、第1優先順位に対して点数をつける。具体的には優先順位1位は20点、2位は19点、優先順位L1位に(20−L1+1)点とする。同様に、最大遅延許容時間に対する第2優先順位1位に20点、2位に19点、優先順位L2位に(20−L2+1)点とする。ここであるUEの閾値に対する順位がm1位で、最大遅延許容に対する順位がm2位とするとし、両者の点数を乗算し、(20−m1+1)×(20−m2+1)点とする。この処理を全ての端末に対して行い、最も点数の高い端末をハンドオーバ対象とする。
ハンドオーバすべき端末が求まれば、RNCにハンドオーバを要求する。これによりRNCは搬送周波数が異なるハンドオーバ先の基地局装置Node Bを選択し(ステップ454)、該基地局へハンドオーバ対象端末をハンドオーバさせる制御を行う(ステップ455)。
なお、ここでは閾値と最大許容遅延時間とを同等に扱ったが、重み付けを行っても良い。また、前述と同様に、最も点数の低いものからハンドオーバ対象としてもよい。
以上により、変形例によれば第1実施例と同様な効果を得ることができる。
(E)第5実施例
第5実施例はスループットの閾値に対する余裕とプライオリティを考慮してハンドオーバ制御する実施例である。
図28は第5実施例の構成図、図29、図30は基地局の処理フローである。図28において、図1の第1実施例と異なる点は、プライオリティ管理部15が設けられている点、ハンドオーバ制御部2iがプライオリティを考慮してハンドオーバ制御する点である。
プライオリティ(優先順位)の決定には以下の要素がある。なお本実施例では優先順位の設定方法については、特に問わないこととする。
・端末間のプライオリティ
具体例としては、企業に導入されている内線電話において、外線がつながりやすい電話とつながりにくい電話がある場合である。すなわち、端末毎の、優先順位付けである。プライオリティは、上位から与えられる。
・サービス間(QoS間)のプライオリティ
例えば、動画像伝送は即時性が求められるため、優先度を高くし、ftpなどの伝送時間を気にしなくて良いものは、優先度を低くするなどの順位付けが考えられる。また、例えば同じ動画像伝送サービスにおいても、そのプライオリティは同じとは限らない。その内容によって、プライオリティの高低が存在する。プライオリティの設定は上位から設定される。
・端末に伝搬環境によるプライオリティ
第1実施例で述べたスケジューラに関するものであり、端末のS/Iなど伝搬環境の良い悪いで、その順位付けを行うものである。
プライオリティの設定は、基地局で決めても良いし、上位が決めても良い。図では上位よりプライオリティ管理部15にQoSに応じた優先順位が設定されている。
以上のように、QoS(サービス)に対する優先順位付けがあるため、第1実施例の様に単純にサービス毎のスループットを基にハンドオーバする端末UEを選択するという方法は必ずしもよいとは限らない。そこで、第5実施例ではスループットの閾値に対する余裕とプライオリティを考慮し、ハンドオーバする端末を選定する。
基地局は図29の処理フローに従って第1実施例の基地局処理を行って各端末UEkのスループット余裕δk (= Tksth−(Tks−Tkds))を算出するとと共に、各端末のプライオリティPkを求め、δkとPkを組にして保存する。
全端末のスループット余裕δk及びプライオリティPkが求まれば、ハンドオーバ制御部2iは図30の処理フローに従って、スループット余裕δkを参照して最も劣化した端末から、ハンドオーバの第1優先順位を決定する(ステップ501)。又、プライオリティPkを参照してプライオリティの低いものからハンドオーバの第2優先順位を決定する(ステップ502)。
ついで、これら2つの優先順位を考慮してハンドオーバする端末を決定する(ステップ503)。例えば優先順位に対して点数をつける。具体的には優先順位1位は20点、2位は19点、優先順位L1位に(20−L1+1)点とする。同様に、プライオリティに対する優先順位1位に20点、2位に19点、優先順位L2位に(20−L2+1)点とする。ここである端末UEの閾値に対する順位がm1位で、プライオリティに対する順位がm2位とするとし、両者の点数を乗算し、(20−m1+1)×(20−m2+1)点とする。この処理を全ての端末に行い、最も点数の高い端末をハンドオーバ対象とする。
ハンドオーバすべき端末が求まれば、RNCにハンドオーバを要求する。これによりRNCは搬送周波数が異なるハンドオーバ先の基地局装置Node Bを選択し(ステップ504)、該基地局へハンドオーバ対象端末をハンドオーバさせる制御を行う(ステップ505)。
以上では閾値と最大許容遅延時間とを同等に扱ったが、重み付けを行っても良い。また、前述と同様に、最も点数の低いものからハンドオーバの対象としてもよい。更に、プライオリティによるハンドオーバの優先順位付けであるが、プライオリティの高いものから順位付けしてもよい。
以上により、第5実施例によれば第1実施例と同様な効果を得ることができる。
(F)第6実施例
第6実施例は端末毎のスループットを元にハンドオーバ制御を行う。
図31は第6実施例の構成図、図32、図33は基地局の処理フローである。図31において、図1の第1実施例と異なる点は、Qos毎のスループット算出部13に代えて端末毎のスループット算出部33が設けられ、スループット閾値発生部14の代わりに所要スループット発生部34が設けられている点、ハンドオーバ制御部2iが端末毎のスループットを考慮してハンドオーバ制御する点である。
第6実施例は、サービス品質QoSに無関係に、各端末に対するスループットを算出し、ハンドオーバ制御を行う。
図32の処理フローに従って、スループット算出部33は第1実施例と同様の制御で、各端末UEkのサービス品質QoSを意識することなく端末毎のスループットTks2を測定し、ハンドオーバ制御部2iに入力する(ステップ601〜605)。また、所要スループット発生部34は各端末の所要スループット(規定のスループット)Tks2thをハンドオーバ制御部2iに入力する(ステップ606)。
これにより、ハンドオーバ2iは、スループットTks2と規定のスループット閾値Tks2thを用いて次式
Figure 0004693879
によりδk2を算出する(ステップ607)。上式より、δk2が大きいほど規定のスループットに対して余裕があり、小さいほど余裕がない。同様にして基地局に接続している全端末UE1〜UEmに対してδ12〜δm2を算出する(ステップ608)。なおこのとき、Tks2thは、全ての端末に対して同じ値としても良いし、異なっていてもよい。
次に、ハンドオーバ制御部2iは、図33の処理フローに従って処理を継続する。すなわち、ハンドオーバ制御部2iは上述のδ12〜δm2の最小値を選択し(ステップ651)、その端末UEnを特定する。すなわち、規定のスループットに対して最も余裕のない端末UEkを選択し優先的にハンドオーバを行う。
ハンドオーバすべき端末が求まれば、RNCにハンドオーバを要求する。これによりRNCは搬送周波数が異なるハンドオーバ先の基地局装置Node Bを選択し(ステップ652)、該基地局へハンドオーバ対象端末をハンドオーバさせる制御を行う(ステップ653)。
以上により、第6実施例によれば第1実施例と同様な効果を得ることができる。
(G)第7実施例
第7実施例は必要送信電力を用いてハンドオーバ制御する実施例である。
図34は第7実施例の構成図、図35は第7実施例のプロトコル例、図36〜図37は基地局の処理フローである。図34において、図1の第1実施例と異なる点は、ブロックサイズ設定部12、スループット算出部13、スループット閾値発生部14が削除され、代わって送信電力算出部41、所要送信電力算出部42が設けられている点、ACK/NACK抽出部2cが削除されている点である。また、図35のプロトコルにおいて、処理P1,P5は第1実施例と同じであるが処理P21は第1実施例と異なる。図36、図37は処理P21の処理フローである。
第1実施例〜第3実施例において、CQIはある端末における受信環境(伝搬環境)を示していると説明した。ここでCQIは、ある特定の受信条件(例えば、変調方式、拡散符号数や基地局の送信電力など)における所要誤り率を満たす送信条件を基に作成することができる(3GPP仕様ではそのようになっている)。
そこで、第7実施例では、基地局の送信電力について制御を行う。
上述のようにある端末UEkから送られたCQIにおいて、その端末UEkにお
ける所要誤り率を得るための所要基地局送信電力が必要となる。一方、基地局の送信電力は、他の端末向けへの送信電力もあるため総送信電力の規定がある。つまり、トータルの送信電力を各端末向けの送信電力に振り分けを行っている。以上の2点より、他の端末向けの送信電力との兼ね合いから、ある端末の所要受信誤り率を満たすための基地局送信電力が、不足する可能性がある。仮に不足した場合、端末における受信で誤りが生じ、再送要求が基地局に返されるかもしれない。最悪の場合、再送が繰り返され、結果所要のスループットを満たせなくなる可能性がある。
そこで、図36の処理フローに従って、所要送信電力算出部42は、端末UEkのCQIを受信すれば、該CQI応じた所要受信誤り率を満たすための基地局送信電力Pk,cqiを算出してハンドオーバ制御部2iに入力する。基地局送信電力Pk,cqiは、CQIとPk,cqiの対応テーブルを用意しておくことにより該テーブルを用いて求めることができる。また、送信電力算出部41はスケジューラ2hによって他の端末へ割り当てられた送信電力との兼ね合いから端末UEkに対する送信電力Pk,sを算出し、ハンドオーバ制御部2iに入力する(ステップ701〜704)。
ハンドオーバ制御部2iは、例えば、Pk,cqiとPk,sの差を所要電力差δk3とし次式
Figure 0004693879
により求める(ステップ705)。しかる後、全端末に対してδk3を計算して保存する(ステップ706)。
全端末のδk3が求まれば、以後、図37の処理フローにより、最大の所要電力差となった端末をハンドオーバ端末として選択し、RNCにハンドオーバを要求する。RNCは搬送周波数が異なるハンドオーバ先の基地局装置Node Bを選択し、該基地局へハンドオーバ対象端末をハンドオーバさせる制御を行う。なお、δk3<0となった端末全てに対してハンドオーバを行ってもよい。
第7実施例のハンドオーバ制御により、第1実施例と同様な効果を得ることができる。
(H)第8実施例
図38は第8実施例の構成図、図39、図40は第8実施例の処理フローである。図38において、図1の第1実施例と異なる点は、基地局スループット算出部51、基地局所要スループット発生部52が設けられている点である。
第8実施例では、基地局Node Bに接続している各端末のスループットがスループット閾値に対して充分な余裕があり、各端末に対してハンドオーバの必要性がない場合であっても、基地局全体のスループットが基地局のスループット閾値に対して余裕が無い場合にはハンドオーバ端末を決定してハンドオーバをさせる。なお、簡単のために全端末に対してハンドオーバの必要性がないとして説明するが、一部の端末に対してハンドオーバ制御の必要があってもよい。
基地局Node Bkにおいて、第1実施例のように基地局スループット算出部51は各端末UEkにおけるスループットTksを測定し、各端末のスループットの平均を基に基地局全体のスループットTk,NB(基地局スループットという)を算出し、ハンドオーバ制御部2iに入力する(ステップ801)。また、基地局所要スループット発生部52は基地局の所要スループット(基地局スループット閾値) Tk,NBthをハンドオーバ制御部2iに入力する(ステップ802)。
ハンドオーバ制御部2iは、基地局スループットと基地局スループット閾値が入力されると、基地局スループットTk,NBが規定された基地局スループット閾値Tk,NBthを満たしているか判断する。すなわち、これらの差を次式
Figure 0004693879
により求め(ステップ803)、δk4<0であるかチェックする(ステップ804)。
δk4≧0であればハンドオーバ未実施とする(ステップ805)。しかし、δk4<0であれば、ハンドオーバ実施と決定し(ステップステップ806)、第1実施例〜第7実施例に従ってハンドオーバ端末を決定し(ステップ807)、RNCにハンドオーバを要求する(ステップ808)。これによりRNCは搬送周波数が異なるハンドオーバ先の基地局装置Node Bを選択し、該基地局へハンドオーバ対象端末をハンドオーバさせる制御を行う。
以上の処理により、基地局全体のスループットの改善が可能となる。
また、別のハンドオーバ制御法として、同じエリアをカバーし、別周波数を用いている2つの基地局Node B3とNode B4を考える。RNCは図40の処理フローに従って、各基地局スループットT3,NB、T4,NBを受信し(ステップ851,852)、これらを比較し(ステップ853)、T3,NB>>T4,NBとなるような偏りがある場合には、換言すれば一方が他方より設定値以上大きい時は、一方のNode B3から他方のNode B4へのハンドオーバを行う(ステップ854)。従って、T3,NB<<T4,NBの場合にもNode B4からNode B3へハンドオーバを行う。ハンドオーバは第1実施例〜第7実施例で示したような方法を用いて行う。しかし、ステップ853において、一方が他方より設定値以上大きくなければ、ハンドオーバ制御を実施しない(ステップ855)。
なお、RNCで情報を集約しRNCにおいてこれらの判断を行い実行しても良いし、基地局同士で情報を交換して判断を行って実行してもよい。
以上の制御により、両者の基地局スループットの不均衡を是正することが可能となり、基地局負荷の不均衡を減らし、負荷を軽減することができる。
(I)第9実施例
第9実施例は1基地局当たりの収容端末数を基にハンドオーバするか否かを決定する実施例である。図41は第9実施例の構成図、図42、図43は第9実施例の処理フローである。図41において、図1の第1実施例と異なる点は、端末収容数算出部61、端末収容数閾値発生部62が設けられている点である。
第9実施例では、基地局Node Bに接続している各端末のスループットがスループット閾値に対して充分な余裕があり、各端末に対してハンドオーバの必要性がない場合であっても、基地局の収容端末数が多い場合にはハンドオーバ端末を決定してハンドオーバをさせる。なお、簡単のために全端末に対して第1実施例のハンドオーバの必要性がないとして説明するが、一部の端末に対してハンドオーバ制御の必要があってもよい。
基地局Node Bkにおいて、端末収容数算出部61は端末収容数NUE,kを算出してハンドオーバ制御部2iに入力する(ステップ901)。又、端末収容数閾値発生部62は基地局の端末収容数の閾値NUEthをハンドオーバ制御部2iに入力する(ステップ902)。ハンドオーバ制御部2iは、端末収容数NUE,kと端末収容数の閾値NUEthが入力されると、端末収容数NUE,kが規定された端末収容数の閾値NUEthを満たしているか判断する。すなわち、これらの差を次式
Figure 0004693879
により求め(ステップ903)、δk5>0であるかチェックする(ステップ904)。
δk5≦0であればハンドオーバ不実施とする(ステップ905)。しかし、δk5>0であれば、ハンドオーバ実施と決定し(ステップステップ906)、第1実施例〜第7実施例に従ってハンドオーバ端末を決定し(ステップ907)、RNCにハンドオーバを要求する(ステップ908)。これによりRNCは搬送周波数が異なるハンドオーバ先の基地局装置Node Bを選択し、該基地局へハンドオーバ対象端末をハンドオーバさせる制御を行う。
以上の処理により、基地局における処理負荷を軽減することができる。
また、別のハンドオーバ制御法として、同じエリアをカバーし、別周波数を用いている2つの基地局Node B5とNode B6を考える。RNCは図43の処理フローに従って、各基地局収容数NUE,5、NUE,6を受信し(ステップ951,952)、これらを比較し(ステップ953)、NUE,5>>NUE,6となるような偏りがある場合には、換言すれば一方が他方より設定値以上大きい時は、一方のNode B5から他方のNode B6へのハンドオーバを行う(ステップ954)。従って、NUE,5<<NUE,6の場合にもNode B6からNode B5へハンドオーバを行う。ハンドオーバは第1実施例〜第7実施例で示したような方法を用いて行う。しかし、ステップ953において、一方が他方より設定値以上大きくなければ、ハンドオーバ制御を実施しない(ステップ955)。
以上の制御により、両者の基地局スループットの不均衡を是正することが可能となり、基地局負荷の不均衡を減らし、負荷を軽減することができる。
(J)第10実施例
第10実施例は異システムへのハンドオーバを実現する実施例である。図44及び図45にイメージ図、図46にプロトコルを、図47に処理フローを示す。
第1〜第9実施例では同じシステムにおけるハンドオーバであったが、第10実施例ではハンドオーバ先を異なるシステム(例えばW-CDMA→PDC, W-CDMA→GSM)とする。
端末UEk1が位置している場所に対して、複数の移動通信システム(例えば、W-CDMAとPDCなど)がサービスされている場合は(図44)、異システムハンドオーバを行う。
ハンドオーバ端末の決定処理やハンドオーバ制御は第1〜第9実施例を適用する。異なる点としては、基地局の上位のRNC 1だけではなく、ハンドオーバ先のRNC 1′または基地局2′との間でハンドオーバを管理、制御してハンドオーバを実施する必要がある点である。すなわち、RNC 1の上位であるCore Network 4の他システムとの接続点であるGate way 5を通じ、ハンドオーバ先のRNC 1′や基地局 2′との間で制御を行う(図45参照)。
ここでCore Networkとは、例えばMSC、GMSC、GMSC、GGSN等で構成されるものであり、回線交換機能やパケット交換機能を実施するもので、Gate wayを介して異なるシステムとの接続を行う。また、異システムとは、異なる事業者のW-CDMAシステムやPDCシステムやGSMシステムなどである。なお、端末は複数の移動通信システムに対して送受信が可能であることが必要であり、現在このようなタイプの端末をデュアルモード端末と読んでおり、W-CDMAとGSMが使用できるものが製品化されている。
図46のプロトコルで処理P1〜P4は第1実施例と同じであり、処理P5の処理のみが異なる。すなわち処理P5では、図47に示す処理フローに従って異システムにハンドオーバを要求する。
第1〜第9実施例に基づきRNCまたはNode Bにおいてハンドオーバの実施が必要と判断したとき、上位であるCore Network 4およびた他システムの接続点であるGate Way 5を介してハンドオーバ先のRNC 1′ないしNode B 2′にハンドオーバ実施を要求する(ステップ1001〜1002)。要求を受けたハンドオーバ先のRNC1′ないしNode B2′は、ハンドオーバ実施の可能性を確認し(ステップ1003)、可能であればハンドオーバ元システムのRNC 1およびNode B 2にハンドオーバを要求する。これをうけて、異なる周波数または異なる周波数かつ異なる変調方式を用いて異なるシステムへとハンドオーバを実施する(ステップ1004〜1005)。
以上により、第1〜第9実施例と同様な効果を得ることができる。また、あるシステムにおいて収容できなかったサービス(QoS)が、別システムに移動することによりサービスが可能となるなどの効果もある。
以上の本発明により、以下の効果が生じる。
端末は、動画像伝送における画像の欠落などの障害なく通信が可能となる。
基地局は、通信による処理負荷を軽減することができる。また、基地局間や周波数間の処理負荷の平準化が可能となる。これにより、新たなユーザに対してサービスが可能となる。
・付記
(付記1) 端末と無線で通信する基地局装置において、
各端末の受信状態を監視する手段、
受信状態に基づいて呼損や品質劣化が生じる可能性のある端末、あるいは呼損や品質劣化が生じている端末を検出する検出手段、
該端末を搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる制御を行う制御手段、
を備えたことを特徴とする基地局装置。
(付記2) 端末と、該端末と無線で通信する基地局装置と、基地局装置を制御する無線ネットワーク制御装置を備えた移動通信システムにおいて、
前記基地局装置は、
各端末の受信状態を監視する手段、
受信状態に基づいて呼損や品質劣化が生じる可能性のある端末、あるいは呼損や品質劣化が生じている端末を検出する検出手段、
前記検出した端末を別の基地局装置へハンドオーバさせるよう無線ネットワーク制御装置に要求するハンドオーバ制御手段、
を備え、前記無線ネットワーク制御装置は、
前記要求により、前記端末を現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる手段、
を備えることを特徴とする移動通信システム。
(付記3) 前記無線ネットワーク制御装置は、異なる移動通信システムへハンドオーバさせる、
ことを特徴とする付記2記載の無線通信システム。
(付記4)無線通信におけるハンドオーバ方法において、
端末の受信状態を監視し、
受信状態に基づいて、呼損や品質劣化が生じる可能性のある端末、あるいは呼損や品質劣化が生じている端末を検出し、
該端末を現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせるための制御を行う、
ことを特徴とするハンドオーバ方法。
(付記5) 端末と無線で通信する基地局装置において、
端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、
復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報及びデータの到達/未到達を示す再送制御情報を抽出する情報抽出部、
端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、
前記端末の受信状態に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定する送信データサイズ設定部、
各端末の受信状態に基づいてどの端末に前記サイズのデータを送信するか決定する送信端末選択部、
前記送信バッファに保存されている前記サイズのデータを変調して送信する送信部、
前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送速度を算出する伝送速度算出部、
前記送信データのサービス品質により決まる所要伝送速度と算出した伝送速度とに基づいて、端末についてハンドオーバが必要であれば該端末を搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる制御を行うハンドオーバ制御手段、
を備えたことを特徴とする基地局装置。
(付記6) サービス品質毎に伝送速度の閾値を保存する手段を備え、
前記ハンドオーバ制御部は前記伝送速度と前記所要伝送速度との差である速度余裕値と前記速度閾値との差の大きさに基づいてハンドオーバ端末を決定する、
ことを特徴とする付記5記載の基地局装置。
(付記7) 前記ハンドオーバ制御手段は、前記所要伝送速度と前記算出した伝送速度とに基づいて、各端末についてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば無線ネットワーク制御装置にハンドオーバを要求し、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせることを特徴とする付記5記載の基地局装置。
(付記8) 前記ハンドオーバ制御手段は、端末毎に、前記送信データのサービス品質により決まる所要伝送速度と前記算出した伝送速度を無線ネットワーク制御装置に入力し、
前記無線ネットワーク制御装置は、基地局装置より受信した前記所要伝送速度と前記伝送速度に基づいて、端末についてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要の場合には、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせることを特徴とする付記5記載の基地局装置。
(付記9) 端末間の優先順位あるいはサービス品質間の優先順位あるいは端末の受信状態間の優先順位を設定するプライオリティ設定手段、
端末あるいは送信データのサービス品質あるいは端末の受信状態に基づいて該プライオリティ設定手段よりハンドオーバの第1の優先順位を決定すると共に、前記所要伝送速度と前記算出した伝送速度との差に基づいてハンドオーバの第2の優先順位を決定する手段、
を備え、
前記ハンドオーバ制御手段は、第1、第2の優先順位に基づいて各端末についてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば該端末を搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる制御を行う、
ことを特徴とする付記5記載の基地局装置。
(付記10) 端末と、該端末と無線で通信する基地局装置と、基地局装置を制御する無線ネットワーク制御装置を備えた移動通信システムにおけるハンドオーバ方法において、
各端末から送信された信号を受信して復調し、
復調されたデータより端末の受信状態を示すCQI情報を抽出し、
前記端末のCQI情報に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定し、
前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送速度を算出し、
前記送信データのサービス品質により決まる所要伝送速度と前記算出した伝送速度とに基づいて、端末についてハンドオーバが必要であるか判断し、必要であれば該端末を搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる、
ことを特徴とするハンドオーバ方法。
(付記11) サービス品質毎に伝送速度の閾値を保存しておき、
前記伝送速度と前記所要伝送速度との差である速度余裕値と前記速度閾値との差の大きさに基づいてハンドオーバ端末を決定する、
ことを特徴とする付記10記載のハンドオーバ方法。
(付記12) 端末と無線で通信する基地局装置において、
端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、
復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報及びデータの到達/未到達を示す再送制御情報を抽出する情報抽出部、
端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、
前記端末の受信状態に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定する送信データサイズ設定部、
各端末の受信状態に基づいてどの端末に前記サイズのデータを送信するか決定する送信端末選択部、
前記送信バッファに保存されている前記サイズのデータを変調して送信する送信部、
前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送遅延時間を算出する伝送遅延時間算出部、
前記送信データのサービス品質により決まる最大許容遅延時間と前記算出した伝送遅延時間とに基づいて、各端末についてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば該端末を搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる制御を行うハンドオーバ制御手段、
を備えたことを特徴とする基地局装置。
(付記13) 前記ハンドオーバ制御手段は、前記最大許容遅延時間と前記算出した伝送遅延時間とに基づいて、各端末についてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば無線ネットワーク制御装置にハンドオーバを要求し、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせることを特徴とする付記12記載の基地局装置。
(付記14) 前記ハンドオーバ制御手段は、端末毎に、前記最大許容遅延時間と前記算出した伝送遅延時間を無線ネットワーク制御装置に入力し、
前記無線ネットワーク制御装置は、基地局装置より受信した前記最大許容遅延時間と基地局装置より受信した前記伝送遅延時間に基づいて、端末についてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要の場合には、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせることを特徴とする付記12記載の基地局装置。
(付記15) 前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送速度を算出する伝送速度算出部、
前記送信データのサービス品質により決まる所要伝送速度と前記算出した伝送速度とに基づいてハンドオーバの第1の優先順位を決定すると共に、前記最大許容遅延時間と前記算出した伝送遅延時間とに基づいてハンドオーバの第2の優先順位を決定する手段、
を備え、
前記ハンドオーバ制御手段は、第1、第2の優先順位に基づいて各端末についてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば該端末を搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる制御を行う、
ことを特徴とする付記12記載の基地局装置。
(付記16) 端末と、該端末と無線で通信する基地局装置と、基地局装置を制御する無線ネットワーク制御装置を備えた移動通信システムにおけるハンドオーバ方法において、
各端末から送信された信号を受信して復調し、
復調されたデータより端末の受信状態を示すCQI情報を抽出し、
前記端末のCQI情報に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定し、
前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送遅延時間を算出し、
前記送信データのサービス品質により決まる最大許容遅延時間と算出した伝送遅延時間とに基づいて、各端末についてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば該端末を搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせる、
ことを特徴とするハンドオーバ方法。
(付記17) 端末と無線で通信する基地局装置において、
端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、
復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報及びデータの到達/未到達を示す再送制御情報を抽出する情報抽出部、
端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、
前記端末の受信状態に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定する送信データサイズ設定部、
各端末の受信状態に基づいてどの端末に前記サイズのデータを送信するか決定する送信端末選択部、
前記送信バッファに保存されている前記サイズのデータを変調して送信する送信部、
前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送速度を算出する伝送速度算出部、
前記算出した伝送速度と伝送速度閾値との差に基づいて、各端末についてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば無線ネットワーク制御装置にハンドオーバを要求し、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせることを特徴とする基地局装置。
(付記18) 端末と無線で通信する基地局装置において、
端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、
復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報を抽出する情報抽出部、
端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、
前記送信バッファに保存されているデータを変調して送信する送信部、
前記端末の受信状態を示す情報に基づいて該端末に伝送品質を一定以上に保持するために必要となる所要送信電力を算出する所要送信電力算出部、
実際の送信電力と所要送信電力とに基づいてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば無線ネットワーク制御装置にハンドオーバを要求するハンドオーバ制御部、
を備え、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせることを特徴とする基地局装置。
(付記19) 端末と無線で通信する基地局装置において、
端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、
復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報及びデータの到達/未到達を示す再送制御情報を抽出する情報抽出部、
端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、
前記端末の受信状態に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定する送信データサイズ設定部、
各端末の受信状態に基づいてどの端末に前記サイズのデータを送信するか決定する送信端末選択部、
前記送信バッファに保存されている前記サイズのデータを変調して送信する送信部、
前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送速度を算出する伝送速度算出部、
各端末について算出した伝送速度を用いて基地局全体の伝送速度を算出する基地局伝送速度算出部、
基地局全体の所要伝送速度と前記算出した基地局伝送速度とから、ハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバの必要性があれば、送信データのサービス品質により決まる所要伝送速度と前記算出した伝送速度とに基づいて、どの端末をハンドオーバするかを選定し、無線ネットワーク制御装置にハンドオーバ要求するハンドオーバ制御部、
を備え、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせることを特徴とする基地局装置。
(付記20) 隣接する基地局装置の基地局伝送速度を比較し、差が設定値より大きい場合は、基地局伝送速度が大きい基地局装置配下の端末を前記隣接基地局装置にハンドオーバさせる制御を行う手段、
を備えたことを特徴とする付記19記載の基地局装置。
(付記21) 端末と無線で通信する基地局装置において、
端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、
復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報及びデータの到達/未到達を示す再送制御情報を抽出する情報抽出部、
端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、
前記端末の受信状態に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定する送信データサイズ設定部、
各端末の受信状態に基づいてどの端末に前記サイズのデータを送信するか決定する送信端末選択部、
前記送信バッファに保存されている前記サイズのデータを変調して送信する送信部、
前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送速度を算出する伝送速度算出部、
基地局における端末の収容数を算出する端末収容数算出部、
基地局の端末収容数の閾値である端末収容数閾値と前記算出した端末収容数とから、ハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバの必要性があれば、送信データのサービス品質により決まる所要伝送速度と前記算出した伝送速度とに基づいて、どの端末をハンドオーバするかを選定し、無線ネットワーク制御装置にハンドオーバ要求するハンドオーバ制御部、
を備え、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせることを特徴とする基地局装置。
(付記22) 隣接する基地局装置の端末収容数を比較し、差が設定値より大きい場合は、端末収容数が多い基地局装置配下の端末を前記隣接基地局装置にハンドオーバさせる制御を行う手段、
を備えたことを特徴とする付記21記載の基地局装置。
サービス毎にスループット(伝送速度)を算出し、該スループットに基づいてハンドオーバを行う第1実施例の構成図ある。 第1実施例のプロトコル例である。 第1実施例の第1の処理フロー例である。 第1実施例の第2の処理フロー例である。 第1実施例の第3の処理フロー例である。 第1実施例の第4の処理フロー例である。 第1実施例の第5の処理フロー例である。 第1実施例の第6の処理フロー例である。 第1実施例の一般形式の構成図である。 ハンドオーバ制御部をスケジューラに組み込んだ場合の第1実施例の構成図である。 1つのNode Bに2つの搬送波(周波数f1,f2)を割り当てた場合の構成図である。 第2実施例の構成図である。 第2実施例のプロトコル例である。 第2実施例の第1の処理フローである。 第2実施例の第2の処理フローである。 第2実施例の第3の処理フローである。 第3実施例の構成図である。 第3実施例のプロトコル例である。 第3実施例の第1の処理フローである。 第3実施例の第2の処理フローである。 第4実施例の構成図である。 第4実施例のプロトコル例である。 第4実施例の第1の処理フローである。 第4実施例の第2の処理フローである。 変形例の構成図である。 基地局の第1の制御処理フローである。 基地局の第2の制御処理フローである。 第5実施例の構成図である。 基地局の第1の制御処理フローである。 基地局の第2の制御処理フローである。 第6実施例の構成図である。 基地局の第1の制御処理フローである。 基地局の第2の制御処理フローである。 第7実施例の構成図である。 第7実施例のプロトコル例である。 基地局の第1の処理フローである。 基地局の第2の処理フローである。 第8実施例の構成図である。 第8実施例の第1の処理フローである。 第8実施例の第2の処理フローである。 第9実施例の構成図である。 第9実施例の第1の処理フローである。 第9実施例の第2の処理フローである。 第10実施例の第1のイメージ図である。 第10実施例の第2のイメージ図である。 第10実施例のプロトコルである。 第10実施例の処理フローである。 セルラ構成のサービスエリア説明図である。 1つのセクタに周波数が二つ割り当てられている場合の説明図である。 2周波数で1 Node Bとする構成説明図である。 ハンドオーバ説明図である。 HSDPAシステムの構成概略図である。 再送制御の流れ説明図である。 端末UEの構成図である。 基地局Node Bの構成図である。 HS-PDSCH上でのパケットデータの受信メカニズム説明図である。 スケジューラを含む基地局Node Bの構成図である。
符号の説明
1 RNC(無線ネットワーク制御装置)
2 基地局
2b 復調部
2c ACK/NACK抽出部
2e 送信バッファ
2f 変調部
2j CQI抽出部
2h スケジューラ
2i ハンドオーバ制御部

Claims (6)

  1. 端末と無線で通信する基地局装置において、
    端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、
    復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報及びデータの到達/未到達を示す再送制御情報を抽出する情報抽出部、
    端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、
    前記端末の受信状態に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定する送信データサイズ設定部、
    各端末の受信状態に基づいてどの端末に前記サイズのデータを送信するか決定する送信端末選択部、
    前記送信バッファに保存されている前記サイズのデータを変調して送信する送信部、
    前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送速度を算出する伝送速度算出部、
    前記算出した伝送速度と伝送速度閾値との差に基づいて、各端末についてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば無線ネットワーク制御装置にハンドオーバを要求するハンドオーバ制御手段、
    を備え、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせることを特徴とする基地局装置。
  2. 端末と無線で通信する基地局装置において、
    端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、
    復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報を抽出する情報抽出部、
    端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、
    前記送信バッファに保存されているデータを変調して送信する送信部、
    前記端末の受信状態を示す情報に基づいて該端末に伝送品質を一定以上に保持するために必要となる所要送信電力を算出する所要送信電力算出部、
    実際の送信電力と所要送信電力とに基づいてハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバが必要であれば無線ネットワーク制御装置にハンドオーバを要求するハンドオーバ制御部、
    を備え、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせることを特徴とする基地局装置。
  3. 端末と無線で通信する基地局装置において、
    端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、
    復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報及びデータの到達/未到達を示す再送制御情報を抽出する情報抽出部、
    端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、
    前記端末の受信状態に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定する送信データサイズ設定部、
    各端末の受信状態に基づいてどの端末に前記サイズのデータを送信するか決定する送信端末選択部、
    前記送信バッファに保存されている前記サイズのデータを変調して送信する送信部、
    前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送速度を算出する伝送速度算出部、
    各端末について算出した伝送速度を用いて基地局全体の伝送速度を算出する基地局伝送速度算出部、
    基地局全体の所要伝送速度と前記算出した基地局伝送速度とから、ハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバの必要性があれば、送信データのサービス品質により決まる所要伝送速度と前記算出した伝送速度とに基づいて、どの端末をハンドオーバするかを選定し、無線ネットワーク制御装置にハンドオーバ要求するハンドオーバ制御部、
    を備え、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせることを特徴とする基地局装置。
  4. 隣接する基地局装置の基地局伝送速度を比較し、差が設定値より大きい場合は、基地局伝送速度が大きい基地局装置配下の端末を前記隣接基地局装置にハンドオーバさせる制御を行う手段、
    を備えたことを特徴とする請求項3記載の基地局装置。
  5. 端末と無線で通信する基地局装置において、
    端末から送信された信号を受信して復調する受信・復調部、
    復調されたデータより、端末の受信状態を示す情報及びデータの到達/未到達を示す再送制御情報を抽出する情報抽出部、
    端末毎に送信データや再送データを保持する送信バッファ、
    前記端末の受信状態に基づいて該端末へ送信するデータのサイズを設定する送信データサイズ設定部、
    各端末の受信状態に基づいてどの端末に前記サイズのデータを送信するか決定する送信端末選択部、
    前記送信バッファに保存されている前記サイズのデータを変調して送信する送信部、
    前記送信データのサイズ及び該データの送信時刻と受信時刻に基づいて伝送速度を算出する伝送速度算出部、
    基地局における端末の収容数を算出する端末収容数算出部、
    基地局の端末収容数の閾値である端末収容数閾値と前記算出した端末収容数とから、ハンドオーバの必要性を判断し、ハンドオーバの必要性があれば、送信データのサービス品質により決まる所要伝送速度と前記算出した伝送速度とに基づいて、どの端末をハンドオーバするかを選定し、無線ネットワーク制御装置にハンドオーバ要求するハンドオーバ制御部、
    を備え、前記無線ネットワーク制御装置により、前記端末を、現基地局装置と搬送周波数が異なる別の基地局装置へハンドオーバさせることを特徴とする基地局装置。
  6. 隣接する基地局装置の端末収容数を比較し、差が設定値より大きい場合は、端末収容数が多い基地局装置配下の端末を前記隣接基地局装置にハンドオーバさせる制御を行う手段、
    を備えたことを特徴とする請求項5記載の基地局装置。
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