JP4693679B2 - 水冷内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却水により冷却される水冷内燃機関に関し、詳細には、内燃機関のシリンダヘッドに設けられる水ジャケットの構造に関する。そして、該水冷内燃機関は、例えば船外機に使用される。
水冷内燃機関のシリンダヘッドに、複数の燃焼室からの排気ガスが流入する排気集合通路が設けられ、シリンダヘッドに設けられる水ジャケットが、各燃焼室周りの燃焼室用水ジャケットと、排気集合通路周りの排気通路用水ジャケットとから構成されるものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−159190号公報
ところで、排気集合通路がシリンダヘッドに設けられる場合、燃焼室の燃焼室壁、そして排気集合通路を含む排気通路の排気通路壁における温度のバラツキを小さくする、すなわち燃焼室壁および排気通路壁の温度の均一化を図ることがシリンダヘッドに耐久性の向上の観点から好ましい。しかしながら、燃焼室用水ジャケットと排気通路用水ジャケットとを単に連通させるのみでは、シリンダヘッドに設けられる吸排気弁や点火栓のために流路が複雑になる燃焼室用水ジャケットでは、流路が比較的単純な排気通路用水ジャケットに比べて冷却水が流れにくく、燃焼室壁および排気通路壁間での温度のバラツキが発生しやすく、シリンダヘッドでの温度の均一性が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜6記載の発明は、排気集合通路が設けられたシリンダヘッドを備える水冷内燃機関において、燃焼室壁および排気通路壁間での温度の均一化を促進することにより、シリンダヘッドの温度の均一化を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、配列方向に並んだ複数のシリンダから構成されるシリンダブロックと、前記各シリンダに対応する複数の燃焼室および前記各燃焼室からの排気ガスが排気ポートを経て流入する排気集合通路が設けられるシリンダヘッドとを備える水冷内燃機関であって、前記シリンダヘッドに設けられて冷却水が流通するヘッド側水ジャケットが、前記各燃焼室周りの燃焼室用水ジャケットと、前記排気集合通路周りの排気通路用水ジャケットとを有する水冷内燃機関において、前記排気通路用水ジャケットは、流量制限手段により区分される上流側水ジャケットおよび下流側水ジャケットを有し、前記上流側水ジャケットの冷却水は前記流量制限手段よりも上流から前記燃焼室用水ジャケットに流出し、前記上流側水ジャケットの冷却水の一部は、前記排気通路用水ジャケットを構成する迂回水ジャケットを流通して前記下流側水ジャケットに流出する水冷内燃機関である。
これによれば、排気通路用水ジャケットを上流側水ジャケットおよび下流側水ジャケットに区分する流量制限手段が、上流側水ジャケットの冷却水を強制的に燃焼室用水ジャケットに向けて流出させるので、流量制限手段がない場合に比べて、十分な量の冷却水により、燃焼室壁が効果的に冷却される。また、排気集合通路の排気通路壁は、燃焼室用水ジャケットよりも上流側にある排気通路用水ジャケットの冷却水により冷却される。さらに、上流側水ジャケットの冷却水の一部は、迂回水ジャケットを流通した後に下流側水ジャケットに流入するので、迂回水ジャケットの冷却水により排気集合通路の排気通路壁が冷却される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の水冷内燃機関において、前記下流側水ジャケットの冷却水は前記流量制限手段によりも下流から前記燃焼室用水ジャケットに流出するものである。
これによれば、燃焼室用水ジャケットには下流側水ジャケットからの冷却水も流入するので、燃焼室壁の冷却が促進される。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の水冷内燃機関において、前記上流側水ジャケットの冷却水の一部は、連絡水通路を流通して前記下流側水ジャケットに流出するものである。
これによれば、下流側水ジャケットに上流側水ジャケットの冷却水が流入するので、下流側水ジャケットによる排気集合通路の排気通路壁の冷却が促進される。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の水冷内燃機関において、前記排気通路用水ジャケットにおける冷却水の入口は、前記上流側水ジャケットの入口から構成されるものである。
これによれば、上流側水ジャケットからの冷却水により、燃焼室壁および排気通路壁が並行して冷却されると共に、排気通路用水ジャケットから燃焼室用水ジャケットへの冷却水の直列の流れが形成される。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の水冷内燃機関において、前記ヘッド側水ジャケットにおける冷却水の入口は前記排気通路用水ジャケットの入口から構成され、前記ヘッド側水ジャケットにおける冷却水の出口は前記燃焼室用水ジャケットの出口から構成されるものである。
これによれば、排気通路用水ジャケットから燃焼室用水ジャケットへの冷却水の直列の流れが形成される。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、排気通路用水ジャケットにより排気通路壁が冷却される一方、十分な量の冷却水により燃焼室壁が効果的に冷却されるので、燃焼室壁および排気通路壁間での温度の均一化が促進されて、シリンダヘッドの温度の均一化が向上する。さらに、上流側水ジャケットおよび下流側水ジャケットに加えて、迂回水ジャケットの冷却水によっても排気集合通路の排気通路壁が冷却されるので、排気集合通路の排気通路壁の冷却が促進される。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、燃焼室壁の冷却が促進されて、シリンダヘッドの温度の均一化が一層向上する。
請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、上流側水ジャケットからの冷却水により排気集合通路の排気通路壁の冷却が促進される。
請求項4記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、上流側水ジャケットからの冷却水により、排気通路壁および燃焼室壁が効果的に冷却される。
請求項5記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、ヘッド側水ジャケットにおいて、排気通路用水ジャケットからの冷却水により、排気集合通路の排気通路壁および燃焼室壁が効果的に冷却される。
以下、本発明の実施形態を図1〜図12を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明が適用された水冷内燃機関Eは舶用推進装置としての船外機Sに備えられる。船外機Sは、上下方向に指向する回転中心線を有するクランク軸25を備えるバーチカル機関である内燃機関Eと、上端部に結合される内燃機関Eを支持するマウントケース1と、マウントケース1の下端部に結合されるオイルケース2を介してマウントケース1に結合されるエクステンションケース3と、エクステンションケース3の下端部に結合されるギヤケース4と、上下方向で内燃機関Eの下部からマウントケース1およびオイルケース2を含めてエクステンションケース3の上部までの周囲を覆うアンダカバー5と、アンダカバー5の上端部に着脱自在に結合されるエンジンカバー6と、を備える。
なお、実施形態において、上下、前後、左右は、船外機Sが船体18に搭載された状態での前後方向である。
船外機Sに備えられて内燃機関Eの動力をプロペラ12に伝達する動力伝達装置は、クランク軸25の下端部にフライホイール8と共に一体回転可能に結合される駆動軸9と、ギヤケース4内に収納されてベベルギヤ機構およびクラッチ機構から構成される前後進切換装置10と、プロペラ12が取り付けられた推進軸11とを備える。駆動軸9は、マウントケース1内からエクステンションケース3内を下方へ延びてギヤケース4内に達し、その下端部で推進軸11に前後進切換装置10を介して連結される。前後進切換装置10による船体18の前進・後進の切換は、後述するスイベル軸14の内部を挿通するシフトロッド13を回動させることにより行われる。そして、内燃機関Eの動力が、クランク軸25、駆動軸9、前後進切換装置10および推進軸11を経てプロペラ12に伝達され、プロペラ12が回転駆動される。
船外機Sを船体18に取り付ける取付装置は、操作部14aが設けられたスイベル軸14と、スイベル軸14を回動可能に支持するスイベルケース15と、スイベルケース15を回動可能に支持するチルト軸16を保持すると共に船体18の後端部(船尾板)に固定されるブラケット17とを備える。スイベル軸14は、その上端部でマウントケース1にマウントラバー19aを介して固定され、その下端部でエクステンションケース3にマウントラバー19bを介して固定される。この取付装置により、船外機Sは、船体18に対してチルト軸16を中心に上下方向に揺動可能であると共に、スイベル軸14を中心に左右方向に揺動可能である。
併せて図2〜図5を参照すると、多気筒4ストローク内燃機関である内燃機関Eは、配列方向としての上下方向に直列に並んで一体成形された複数の、この実施形態では4つのシリンダC1〜C4から構成されるシリンダブロックCと、シリンダブロックCの前端部に結合されるクランクケース20と、シリンダブロックCの後端部にガスケット(図示されず)を介して結合されるシリンダヘッド21と、シリンダヘッド21の後端部に結合されるヘッドカバー22とから構成される機関本体を備える。シリンダブロックCおよびクランクケース20は、下端部で多数のボルトによりマウントケース1の上端部に結合される。
各シリンダC1〜C4に往復動可能に嵌合するピストン23は、コンロッド24を介してクランク軸25に連結される。シリンダブロックCの前部およびクランクケース20により形成されるクランク室に収納されるクランク軸25は、シリンダブロックCおよびクランクケース20に主軸受を介して回転可能に支持される。
シリンダヘッド21には、シリンダC1〜C4毎に、シリンダ軸線Lに平行な方向(以下、「シリンダ軸線方向」という。)でピストン23に対向する燃焼室26と、燃焼室26に開口する1対の吸気口27aを有する吸気ポート27と、燃焼室26に開口する1対の排気口28aを有する排気ポート28と、燃焼室26に臨む点火栓29が挿入される収納孔30(図7,図9も参照)とが設けられる。
さらに、シリンダヘッド21には、シリンダC1〜C4毎に、吸気口27aおよび排気口28aをそれぞれ開閉する1対の吸気弁31および1対の排気弁32が設けられる。各吸気弁31および各排気弁32は、シリンダヘッド21とヘッドカバー22とにより形成される動弁室内に収納される頭上カム軸型の動弁装置33によりクランク軸25の回転に同期して開閉される。動弁装置33は、シリンダヘッド21の軸受部21a(図5参照)に回転可能に支持されてチェーン等の伝動機構34(図1参照)を介して伝達されるクランク軸25の動力で回転駆動されるカム軸33aと、カム軸33aに設けられる動弁カム33bにより駆動されて揺動する吸気ロッカアーム33cおよび排気ロッカアーム33dとを備える。そして、吸気弁31および排気弁32は、それぞれ吸気ロッカアーム33cおよび排気ロッカアーム33dを介して動弁カム33bにより駆動されて開閉作動する。
また、内燃機関Eは、クランクケース20の前方に配置されたスロットルボディ35(図1参照)と、スロットルボディ35に設けられるスロットル弁により計量された吸入空気を吸気ポート27に導く吸気管(図示されず)とから構成される吸気装置を備える。そして、該吸気装置により形成される吸気通路を流れる吸入空気は、シリンダヘッド21に取り付けられる燃料噴射弁36から供給される燃料と混合して混合気を形成し、該混合気が吸気ポート27を通って燃焼室26に吸入される。燃焼室26内で点火栓29により点火された混合気が燃焼して発生した燃焼ガスの圧力により駆動されて往復運動するピストン23は、コンロッド24を介してクランク軸25を回転駆動する。そして、燃焼ガスは、排気ガスとして、前記機関本体において排気ポート28などにより構成される排気通路Peに燃焼室26から流出し、さらに排気案内通路37を通って船外機Sの外部に排出される。
図1に示されるように、排気通路Peから流出する排気ガスを船外機Sの外部に導く排気案内通路37は、マウントケース1内に設けられる通路37aと、マウントケース1に取り付けられてオイルケース2内で下方に向かって延びる排気案内管により形成される通路37bと、エクステンションケース3内に設けられて通路37bからの排気ガスが流入する膨張室37cと、ギヤケース4内に設けられて膨張室37cからの排気ガスが流入する通路37dと、プロペラ12のボス部に設けられて通路37dの排気ガスを水中に排出する通路37eとから構成される。
図1,図4〜図7を参照すると、前記機関本体に設けられる排気通路Peは、シリンダヘッド21に設けられるヘッド側排気通路28,38と、シリンダブロックCに設けられるブロック側排気通路39とから構成される。前記ヘッド側排気通路28,38は、各排気ポート28と、各排気ポート28からの排気ガスが流入する排気集合通路38とから構成される。
排気集合通路38は、シリンダC1〜C4の配列方向(クランク軸25の回転中心線方向でもある。)に沿ってすべてのシリンダC1〜C4に渡って延びており、配列方向での一端部としての下端部38aに、シリンダヘッド21の、シリンダブロックCとの結合面21sに開口する出口38e(図3も参照)を有する。
ここで、下方または上方は、配列方向での一方および他方のいずれかであり、例えば下端部が配列方向での一端部(または他端部)であるとき、上端部は配列方向での他端部(または一端部)である。
図1,図2,図8(A),(B)を参照すると、シリンダブロックCの下端部に設けられたL字形の孔からなるブロック側排気通路39は、シリンダブロックCの、シリンダヘッド21との結合面Csにて出口38e(図3参照)に連通する一方、マウントケース1との結合面Cmにてマウントケース1に設けられる通路37a(図1参照)に連通する。それゆえ、排気集合通路38の排気ガスは、排気通路39を流通した後に通路37aに流入し、排気案内通路37を流通して水中に排出される。
図1〜図3を参照すると、内燃機関Eの潤滑系統は、オイルケース2内に設けられたオイルパン40と、シリンダヘッド21に設けられてカム軸33aにより駆動されるオイルポンプ41と、多数の油路とから構成される。オイルポンプ41がオイルパン40からマウントケース1の吸入油路、シリンダブロックCの吸入油路42およびシリンダヘッド21の吸入油路43を経て吸入した後に吐出したオイルは、シリンダヘッド21の吐出油路44およびシリンダブロックCの吐出油路45を経てシリンダブロックCのメインギャラリに流入し、該メインギャラリからシリンダブロックC、クランクケース20およびシリンダヘッド21などの各潤滑箇所に供給された後、シリンダブロックCおよびシリンダヘッド21の戻り油路(図2,図3にはシリンダヘッド21からの戻り油路46,47が示されている。)に流入し、さらにマウントケース1の戻り油路を経てオイルパン40に還流する。なお、49はシリンダヘッド21をシリンダブロックCに締結するボルトがねじ込まれるネジ孔である。
内燃機関Eの冷却系統は、ギヤケース4に設けられて水面下に位置する取水口51と、エクステンションケース3内に設けられて駆動軸9により回転駆動される水ポンプ52と、ギヤケース4およびエクステンションケース3に渡って両ケース3,4内に設けられて取水口51から取り入れられた冷却水を水ポンプ52に導く取入水通路53と、エクステンションケース3、オイルケース2およびマウントケース1に渡ってそれらケース1〜3内に設けられて水ポンプ52が圧送する冷却水を内燃機関Eに導く供給水通路54と、前記機関本体に設けられて供給水通路54の冷却水が導かれる冷却水流通系統と、マウントケース1に設けられて前記冷却水流通系統の冷却水をエクステンションケース3内に排出する排出水通路55と、前記冷却水流通系統に設けられるサーモスタット56,57(図8(D),図11(B)参照)と、から構成される。
供給水通路54は、水ポンプ52から上方に延びる導管により形成される水通路54aと、オイルケース2およびマウントケース1にそれぞれ設けられて水通路54aの冷却水を後述する給水口60(図8(A)参照)に導く水通路54b,54cとから構成される。
前記冷却水流通系統は、シリンダブロックCの結合面Cmの凹部により形成されて供給水通路54からの水が流入する給水口60(図8(A)参照)と、シリンダブロックCにおいて各シリンダC1〜C4のシリンダ孔Cbの外周に設けられるブロック側水ジャケットJb(図2参照)と、シリンダヘッド21において燃焼室26およびヘッド側排気通路28,38を覆うように設けられるヘッド側水ジャケットJh(図4参照)と、シリンダブロックCに設けられる孔から構成されてその下端面である結合面Cmに開口して前記冷却水流通系統の冷却水をマウントケース1の排出水通路55に流出させる排水口61(図2,図8(A)参照)と、シリンダブロックCおよびシリンダヘッド21に設けられる多数の水通路と、を有する。
図2,図8を参照すると、給水口60には、シリンダブロックCに設けられた第1〜第3入口側水通路62,63,64がその入口で連通する。第1入口側水通路62はその出口で水ジャケットJbに連通し、給水口60の冷却水を水ジャケットJbに供給する。水ジャケットJbを流通して各シリンダC1〜C4を冷却した後の冷却水は、出口側水通路65を流れて後述するシリンダヘッド21の出口側水通路80に流出する。ブロック側の出口水通路65は、シリンダブロックCに設けられて入口で水ジャケットJbに開口する一方で出口で結合面Csに開口すると共に途中にブロック側サーモスタット56が配置された水通路65aと、図3,図6,図9に示されるように、シリンダヘッド21に設けられて入口で結合面21sに開口して水通路65aに連通する一方で出口で後述する出口側水ジャケット80bに開口する水通路65bとから構成される。なお、シリンダブロックCにはサーモスタットカバー56aが取り付けられる(図8(D)参照)。
図2,図8を参照すると、ブロック側排気通路39に沿って設けられるL字形の孔からなる第2,第3入口側水通路63,64は、出口で結合面Csに開口する。そして、給水口60の冷却水は、第2,第3入口側水通路63,64を流通して排気通路39の排気通路壁を冷却しつつヘッド側水ジャケットJh(図4参照)に供給される。なお、いずれもパッキン面である両結合面21s,Cs間での冷却水の流通は、すべて前記ガスケットに設けられた連通孔を介して行われる。
図4〜6を参照すると、ヘッド側水ジャケットJhは、各燃焼室26周りの燃焼室用水ジャケット70と、排気集合通路38周りの排気通路用水ジャケット71とを有し、両水ジャケット70,71は、排気集合通路38よりもシリンダ中心面側で互いに連通する。
ここで、便宜上、ヘッド側水ジャケットJhにおいて、排気集合通路38の排気通路壁Weを囲む部分を排気通路用水ジャケット71とし、それ以外を燃焼室用水ジャケット70とする。
なお、明細書または特許請求の範囲において、シリンダヘッド21における部材または部位に対して、シリンダ軸線方向で、燃焼室26またはシリンダブロックCに近い位置を「燃焼室側」、燃焼室26またはシリンダブロックCから遠い位置を「反燃焼室側」といい、シリンダ中心面に対して排気集合通路38が位置するシリンダヘッド21の排気側において、部材または部位に対して、シリンダ中心面に直交する方向で、シリンダ中心面に近い位置を「シリンダ中心面側」、シリンダ中心面から遠い位置を「反シリンダ中心面側」という。ここで、シリンダ中心面とは、少なくとも1つのシリンダC1〜C4のシリンダ軸線Lを含むと共に配列方向またはクランク軸の回転中心線方向に平行な平面である。
図4〜図7,図9〜図10を参照すると、排気通路用水ジャケット71は、シリンダ軸線方向で互いに離隔する反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73と、反シリンダ中心面側(この実施形態では右側)から排気集合通路38を覆う水通路としての側方水ジャケット74とを有する。
いずれもシリンダ軸線方向に偏平な形状を有する反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73は、排気集合通路38をシリンダ軸線方向で挟む位置にあり、しかも配列方向で、2以上のシリンダC1〜C4に渡る範囲、この実施形態ではすべてのシリンダC1〜C4に渡る範囲に設けられる。このため、反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73から燃焼室用水ジャケット70への冷却水の流出が円滑になって、燃焼室26間の燃焼室壁Wcの温度のバラツキが減少して、すべての燃焼室壁Wcの温度の均一性が向上する。
さらに、排気集合通路38よりも反シリンダ中心面側から排気集合通路38、反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73を見たとき、両水ジャケット72,73は、排気集合通路38の反シリンダ中心面側から排気集合通路38の全体および後述する2つの貫通孔91,92(図9参照)の全体を覆わない。
このため、シリンダヘッド21が鋳造される際に、1つの水ジャケット用中子により燃焼室用水ジャケット70および排気通路用水ジャケット71が成形され、1つの排気通路用中子により排気ポート28を含む排気通路が成形されるとき、前記水ジャケット用中子に対して、反シリンダ中心面側から、前記水ジャケット用中子の反燃焼室側水ジャケット72を成形する部分および燃焼室側水ジャケット73を成形する部分の間に、前記排気通路用中子をシリンダ中心面に向けて容易に挿入することができる。
図6,図9,図10を参照すると、前記排気通路用中子を、シリンダヘッド21を成形する鋳型を構成する主型および前記水ジャケット用中子に対して位置決めするために、前記排気通路用中子には、排気集合通路38の出口38eを成形する部分およびシリンダヘッド21において排気通路壁Weに設けられて排気集合通路38に開口する1または複数の貫通孔、この実施形態では2つの貫通孔91,92を成形する部分に、前記主型の支持部(幅木)に支持される円柱状の突出部からなる被支持部が設けられる。それゆえ、両貫通孔91,92は、前記排気通路用中子を鋳型に支持する必要があるために形成された孔である。
そして、一方の貫通孔91は、配列方向で排気集合通路38の他端部としての上端部38bに位置し、他方の貫通孔92は、配列方向で排気集合通路38の下端部38aに位置する。換言すれば、貫通孔91は、配列方向に配列されたすべてのシリンダC1〜C4(図12参照)のうちで、上方での端部に位置するシリンダC4に属する排気ポート28と配列方向で重なる位置にあり、貫通孔92は、配列方向に配列されたすべてのシリンダC1〜C4(図12参照)のうちで、下方での端部に位置するシリンダC1に属する排気ポート28と配列方向で重なる位置にある。そして、貫通孔92は、配列方向で出口38eと重なる位置にある一方で、シリンダ軸線方向で出口38eから離隔した位置にある。したがって、出口38eおよび貫通孔91は、両貫通孔91,92の位置関係と同様に、排気集合通路38の配列方向での長さに近い距離で、または該長さをほぼ最大限利用した距離で、配列方向で互いに離隔して設けられている。
また、反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73は、配列方向で排気集合通路38の全範囲に渡ってシリンダ軸線方向に互いに離隔している(図7参照)。そして、断面形状が円形の円孔からなる両貫通孔91,92は、両水ジャケット72,73のシリンダ軸線方向での間に設けられ、しかも結合面21sに平行に、または孔の中心軸線が結合面21sに平行となるように、かつシリンダ中心面に直交する方向に排気通路壁Weを貫通している。
そして、貫通孔91には、検出器として、排気ガスの性状を検出する排気ガスセンサ93、例えば排気ガスの空燃比を検出するLAF(リニア エア フューエル レシオ)センサや酸素濃度センサが、後述するカバー78に設けられる貫通孔78aを通じて挿入される。一方、貫通孔92には、この実施形態では閉塞栓が挿入されるが、例えば排気ガスセンサが挿入されてもよい。なお、シリンダヘッド21の仕上がり状態では、各貫通孔91,92には使用目的に応じてネジ加工を含む機械加工などの仕上げ加工が施されている。
図3,図7を参照すると、反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73は、それぞれ、排気集合通路38の出口38eに沿って設けられると共に結合面21sに開口する入口72i,73iを有し、それら入口72i,73iは、結合面21sにて第2,第3入口側水通路63,64(図2参照)に連通する。反燃焼室側水ジャケット72の一部の冷却水は、入口72iの近傍で燃焼室側水ジャケット73に流出する。
図3,図7を参照すると、反燃焼室側水ジャケット72は、シリンダヘッド21に設けられる流量制限手段としての仕切壁75により区分されて、配列方向に二分された上流側水ジャケット72aおよび下流側水ジャケット72bを有する(図1も参照)。仕切壁75は、該仕切壁75を通じての上流側水ジャケット72aから下流側水ジャケット72bへの冷却水の流出を許容しない。このため、上流側水ジャケット72aの冷却水は、仕切壁75よりも上流から燃焼室用水ジャケット70に流出すると同時に、入口連通路76(図9参照)を経て迂回水ジャケットとしての側方水ジャケット74に流出する。
仕切壁75は、シリンダブロックCに設けられる各シリンダC1〜C4に対応する燃焼室26のうち、この実施形態では配列方向で排気通路の出口38e、入口72i,73iに最も近い特定の燃焼室26であるシリンダC1に対応する端部燃焼室26a(図3参照)と該端部燃焼室26に隣接する燃焼室26b(図3参照)との範囲内、さらに具体的には両燃焼室26a,26bの間にほぼ位置する。
図9を参照すると、側方水ジャケット74は、シリンダヘッド21に設けられた孔からなる1または複数の、この実施形態では2つの入口連通路76を介して上流側水ジャケット72aと連通すると共に、シリンダヘッド21に設けられた孔からなる1または複数の、この実施形態では2つの出口連通路77を介して下流側水ジャケット72bと連通する。併せて図6,図11を参照すると、側方水ジャケット74は、後述する出口側水ジャケット80bと共に、シリンダヘッド21の鋳造の際に、前記主型により反シリンダ中心面側の排気通路壁Weに成形される凹部と、該排気通路壁Weに結合される水通路形成カバー78とにより形成される。
それゆえ、上流側水ジャケット72aの冷却水の一部は、入口連通路76、側方水ジャケット74および出口連通路77を流通して下流側水ジャケット72bに流出し、その後、下流側水ジャケット72bの冷却水が仕切壁75によりも下流から燃焼室用水ジャケット70に流出する。このとき、下流側水ジャケット72bからの冷却水は、主に、燃焼室用水ジャケット70において、端部燃焼室26a(図3参照)以外の燃焼室26周りの水ジャケット部分に流入する。ここで、入口連通路76、側方水ジャケット74および出口連通路77は、上流側水ジャケット72aの冷却水を下流側水ジャケット72bに導く連絡水通路を構成する。
一方、燃焼室側水ジャケット73は、図12に示されるように、配列方向で各燃焼室26に対応する位置において燃焼室用水ジャケット70に連通しており、排気集合通路38の排気通路壁Weを冷却した後の冷却水の全量を燃焼室用水ジャケット70に流出させる。
図6,図9,図11を参照すると、反燃焼室側水ジャケット72、側方水ジャケット74および燃焼室側水ジャケット73を流通して排気通路の排気通路壁Weを冷却した後に、燃焼室用水ジャケット70を流通して燃焼室26の燃焼室壁Wcを冷却した冷却水は、燃焼室用水ジャケット70の出口70eからヘッド側の出口側水通路80に流出する。出口側水通路80は、側方水ジャケット74よりも燃焼室側で側方水ジャケット74と並列して配列方向に延びる出口側水ジャケット80bと、入口で出口70eに開口する一方で出口で出口側水ジャケット80bに開口する共に途中にヘッド側サーモスタット57が配置された水通路80aとから構成される。なお、カバー78にはサーモスタットカバー57aが取り付けられる(図11(B)参照)。併せて図2,図3,図8を参照すると、出口側水ジャケット80bは、シリンダヘッド21の結合面21sに開口する出口を有し、該結合面21sにて、入口で結合面Csに開口する一方で出口でパッキン面である結合面Cmに開口してマウントケース1の排出水通路55(図1参照)に冷却水を流出させる排水口61に連通する。
水通路80aは出口側水ジャケット80bにその上端部80b2にて連通し、排水口61は出口側水ジャケット80bにその下端部80b1にて連通している。そして、カバー78に設けられる水通路80aには、その途中には、カバー78に取り付けられるサーモスタット57が出口70eおよび水通路80aに跨って配置される。それゆえ、燃焼室用水ジャケット70の冷却水は、開弁状態にあるサーモスタット57を通った後、該水通路80aを流通して出口側水ジャケット80bに流出し、その後、排出口61を流通して排出水通路55に流出する。
なお、この実施形態では、燃焼室用水ジャケット70は、前記ガスケットに設けられた孔からなる多数の連通路79(図3,図6参照)を介してブロック側水ジャケットJbと連通しているが、これら連通路79は設けられなくてもよい。
このように、排気通路用水ジャケット71における冷却水の入口71i(図3参照)は、上流側水ジャケット72aの入口72iおよび燃焼室側水ジャケット73の入口73iのみから構成される。このため、ヘッド側水ジャケットJhにおける冷却水の入口は排気通路用水ジャケット71の入口71iのみから構成され、ヘッド側水ジャケットJhにおける冷却水の出口は燃焼室用水ジャケット70の出口70eのみから構成される。
また、前記冷却水流通系統は、主として前記機関本体の冷却を行う熱交換部と、前記熱交換部に水ポンプ52からの冷却水を供給する給水部と、前記熱交換部からの冷却水を排出する排水部とから構成される。そして、前記給水部は、給水口60および入口側水通路62,63,64から構成され、前記熱交換部は、水ジャケットJb,Jhから構成され、前記排水部は、出口側水通路65,80および排水口61から構成される。
主に図12を参照して冷却水の流れについて説明する。
内燃機関Eが運転されると、駆動軸9(図1参照)を介して伝達されるクランク軸25の動力により駆動される水ポンプ52が、取水口51から吸い上げた冷却水を給水口60に供給する。給水口60の冷却水は、第1入口側水通路62から水ジャケットJbに流入し、各シリンダC1〜C4を冷却した後、サーモスタット56が開弁状態にあるとき、出口側水通路65を流通して出口側水ジャケット80bに流入する。
一方、給水口60の冷却水は、第2,第3入口側水通路63,64からそれぞれ反燃焼室側水ジャケット72の上流側水ジャケット72aおよび燃焼室側水ジャケット73に流入する。上流側水ジャケット72aの冷却水の一部は、仕切壁75の上流から、燃焼室用水ジャケット70において端部燃焼室26a周りの水ジャケット部分に流入してその燃焼室壁Wcおよび燃焼室26に連通する排気ポート28の排気通路壁を冷却する。また、上流側水ジャケット72aの冷却水の一部は、入口連通路76を経て側方水ジャケット74に流入し、その後、出口連通路77を経て下流側水ジャケット72bに流入する。各水ジャケット72a,72b,73,74の冷却水により排気集合通路38の排気通路壁Weが冷却される。下流側水ジャケット72bの冷却水は、主に端部燃焼室26a以外の燃焼室26周りの水ジャケット部分に流入して該燃焼室26の燃焼室壁Wcおよび燃焼室26に連通する排気ポート28の排気通路壁を冷却する。また、燃焼室側水ジャケット73の冷却水は、排気通路壁Weを冷却した後、燃焼室用水ジャケット70に流入する。
燃焼室用水ジャケット70の冷却水は、各燃焼室26の燃焼室壁Wcおよび排気ポート28の排気通路壁を冷却した後、サーモスタット57が開弁状態にあるとき、出口70eから出口側水通路80を構成する水通路80aおよび出口側水ジャケット80bを流通して、さらにブロック側排気通路39に沿って排水口61を流通してマウントケース1の排出水通路55に流出する。このとき、出口側水ジャケット80bの冷却水により排気集合通路38の排気通路壁Weが冷却されるので、該排気通路壁Weの冷却効果が向上する。
なお、内燃機関Eの暖機時は、両サーモスタット56,57が閉弁状態にあり、ブロック側水ジャケットJh、燃焼室用水ジャケット70および排気通路用水ジャケット71の冷却水は流れることなく滞留するので、内燃機関Eの暖機が促進される。また、供給水通路54における水圧が過大になると、供給水通路54に設けられたリリーフ弁(図示されず)が開弁して、余剰の冷却水をエクステンションケース3内に放出する。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
内燃機関Eのシリンダヘッド21に設けられるヘッド側水ジャケットJhの排気通路用水ジャケット71は、仕切壁75により区分される上流側水ジャケット72aおよび下流側水ジャケット72bを有し、上流側水ジャケット72aの冷却水は仕切壁75よりも上流から燃焼室用水ジャケット70に流出することにより、仕切壁75が、上流側水ジャケット72aの冷却水を強制的に燃焼室用水ジャケット70に向けて流出させるので、仕切壁75がない場合に比べて、十分な量の冷却水により、燃焼室壁Wcが効果的に冷却される。また、排気集合通路38の排気通路壁Weは、燃焼室用水ジャケット70よりも上流側にある排気通路用水ジャケット71の冷却水により冷却される。この結果、燃焼室壁Wcおよび排気通路壁We間での温度の均一化が促進されて、シリンダヘッド21の温度の均一化が向上する。
下流側水ジャケット72bの冷却水は仕切壁75によりも下流から燃焼室用水ジャケット70に流出することにより、燃焼室用水ジャケット70には下流側水ジャケット72bからの冷却水も流入するので、燃焼室壁Wcの冷却が促進されて、シリンダヘッド21の温度の均一化が一層向上する。
上流側水ジャケット72aの冷却水の一部は、連絡水通路を流通して下流側水ジャケット72bに流出することにより、下流側水ジャケット72bに上流側水ジャケット72aの冷却水が流入するので、下流側水ジャケット72bによる排気集合通路38の排気通路壁Weの冷却が促進される。
上流側水ジャケット72aの冷却水の一部は、側方水ジャケット74を流通して下流側水ジャケット72bに流出することにより、上流側水ジャケット72aの冷却水の一部は、側方水ジャケット74を流通した後に下流側水ジャケット72bに流入するので、側方水ジャケット74の冷却水により排気集合通路38の排気通路壁Weが冷却される。この結果、上流側水ジャケット72aおよび下流側水ジャケット72bに加えて、側方水ジャケット74の冷却水によっても排気集合通路38の排気通路壁Weが冷却されるので、排気集合通路38の排気通路壁Weの冷却が促進される。
排気通路用水ジャケット71における冷却水の入口71iは、上流側水ジャケット72aの入口72iから構成されることにより、上流側水ジャケット72aからの冷却水および下流側水ジャケット72bからの冷却水により、燃焼室壁Wcおよび排気通路壁Weが並行して冷却されると共に、排気通路用水ジャケット71から燃焼室用水ジャケット70への冷却水の直列の流れが形成される。この結果、上流側水ジャケット72aおよび下流側水ジャケット72bからの冷却水により、排気通路壁Weおよび燃焼室壁Wcが効果的に冷却される。
反燃焼室側水ジャケット72からの冷却水に加えて、燃焼室側水ジャケット73は排気集合通路38の排気通路壁Weを冷却した後の冷却水の全量を燃焼室用水ジャケット70に流出させるので、燃焼室壁Wcの冷却が一層促進される。
水ジャケットJhにおける冷却水の入口は排気通路用水ジャケット71の入口71から構成され、水ジャケットJhにおける冷却水の出口は燃焼室用水ジャケット70の出口70eから構成されることにより、排気通路用水ジャケット71から燃焼室用水ジャケット70への冷却水の直列の流れが形成される。この結果、ヘッド側水ジャケットJhにおいて、排気通路用水ジャケット71からの冷却水により、排気集合通路38の排気通路壁Weおよび燃焼室壁Wcが効果的に冷却される。
鋳造により成形された排気通路用水ジャケット71は、前記排気通路用中子により成形された排気集合通路38をシリンダ軸線方向で挟む位置に反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73を有し、シリンダヘッド21には、排気集合通路38の出口38eおよび排気集合通路38に開口する貫通孔91が互いに離隔して設けられ、貫通孔91は、シリンダ軸線方向に互いに離隔する反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73のシリンダ軸線方向での間に設けられることにより、シリンダ軸線方向で排気集合通路38の両側にそれぞれ位置する反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73により、排気集合通路38の排気通路壁Weが効果的に冷却される。また、互いに離隔する排気集合通路38の出口38eおよび貫通孔91を利用して、前記排気通路用中子を支持することが可能になる。そして、貫通孔91は、シリンダ軸線方向で離隔している反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73の間に設けられるので、貫通孔91のために反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73の形状が複雑化することがない。この結果、反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73により所要の冷却効果を確保することが可能であると共に、貫通孔91のために両水ジャケット72,73の形状が複雑化することがなく、しかも前記排気通路用中子の支持も容易になって、シリンダヘッド21の製造コストが削減される。
排気集合通路38よりも反シリンダ中心面側から排気集合通路38、反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73を見たとき、両水ジャケット72,73は、排気集合通路38の反シリンダ中心面側から排気集合通路38の全体および貫通孔91,92の全体を覆わないことにより、両水ジャケット72,73を成形する鋳型に妨げられることなく、反シリンダ中心面側から前記排気通路用中子を鋳型に組み付けることができるので、前記排気通路用中子の鋳型への組付性が向上する。
出口38eおよび貫通孔91は、それぞれ、配列方向での排気集合通路38の下端部38aおよび上端部38bに位置することにより、下端部38aおよび上端部38bにそれぞれ出口38eおよび貫通孔91が設けられるので、配列方向での大きな距離をおいて前記排気通路用中子が支持される。この結果、前記排気通路用中子を支持する支持部間の距離が大きくなるので、該中子の支持の安定性が向上する。
出口38eは結合面21sに開口し、貫通孔91,92は結合面21sに平行にシリンダヘッド21を貫通していることにより、前記排気通路用中子を支持する鋳型を出口38eが開口する結合面21sと平行な方向に抜くことが可能なものとすることができることから、鋳型の型割りが簡単になるので、合理的な型割りができて、シリンダヘッド21の製造コストが削減される。
貫通孔91には、排気ガスセンサ93が挿入されることにより、前記排気通路中子を支持するために形成された貫通孔91を利用して、排気ガスセンサ93が挿入されるので、排気ガスセンサ93を挿入するために貫通孔を別途設ける必要がないので、貫通孔の増加が抑制されて、シリンダヘッド21の製造コストが削減される。また、貫通孔91は、反燃焼室側水ジャケット72および燃焼室側水ジャケット73を貫通することがないので、排気ガスセンサ93を挿入するための貫通孔91により、排気集合通路38が水ジャケット72,73により覆われる範囲が減少することがないので、水ジャケット72,73の冷却水による冷却効果の低下の防止が可能になる。
ブロック側の出口側水通路65が、ヘッド側の出口水通路80にシリンダヘッド21において連通して、共用されるので、シリンダブロックCには、排出水通路55に連通する出口側水通路を出口側水通路80と互いに独立して並行して設ける必要がないので、シリンダブロックCが小型化される。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
仕切壁75には、流量を制限する別の形態として、上流側水ジャケット72aの冷却水の少量が下流側水ジャケット72bに流出することを許容するように、オリフィスを構成する孔などからなる連絡水通路が設けられてもよい。さらに、側方水ジャケット74を設けることなく、仕切壁75に、側方水ジャケット74に流出する冷却水量に匹敵する水量の冷却水が、上流側水ジャケット72aから下流側水ジャケット72bに流出する孔などから構成される連絡水通路が設けられてもよい。
上流側水ジャケットおよび下流側水ジャケットは、それぞれ別個の入口側水通路を介して給水口60と連通していてもよい。この場合、側方水ジャケット74のあってもよいし、なくてもよい。
貫通孔91には、排気ガスセンサ93の代わりに、排気集合通路38の排気ガスを抽出する抽出管、排気集合通路38に大気圧を導入するための大気に連通する連通管、または排気ガス浄化用の2次空気供給管などの管状部材が挿入されてもよい。また、貫通孔91は、配列方向に平行にシリンダヘッド21を貫通していてもよい。
内燃機関は、舶用推進装置以外の機械、例えば車両に使用されてもよい。
本発明が適用された水冷内燃機関を備える船外機の概略右側面図である。 図1のII−II矢視での内燃機関のシリンダブロックの要部の図である。 図1のIII−III矢視での内燃機関のシリンダヘッドの要部の図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図3のV−V線断面図である。 図9の概略VI−VI線での要部断面図である。 図3の概略VII−VII線断面図である。 (A)は図2のVIIIa矢視での要部の図であり、(B)は図2のVIIIb−VIIIb線断面図であり、(C)は図2のVIIIc矢視での要部の図であり、(D)は(C)のd−d線断面図である。 図3のIX−IX矢視図である。 図9の概略X−X線での、カバーを取り付けたときの要部断面図である。 (A)は図3のXI−XI矢視図であり、(B)は(A)のb−b線断面図であり、(C)は(A)のc矢視での要部の図である。 図1の内燃機関の冷却系統の模式図である。
符号の説明
1…マウントケース、2…オイルケース、3…エクステンションケース、4…ギヤケース、5…アンダカバー、6…エンジンカバー、8…フライホイール、9…駆動軸、10…前後進切換装置、11…推進軸、12…プロペラ、13…シフトロッド、14…スイベル軸、15…スイベルケース、16…チルト軸、17…ブラケット、18…船体、20…クランクケース、21…シリンダヘッド、21s…結合面、22…ヘッドカバー、23…ピストン、24…コンロッド、25…クランク軸、26…燃焼室、27…吸気ポート、28…排気ポート、29…点火栓、30…収納孔、31…吸気弁、32…排気弁、33…動弁装置、34…伝動機構、35…スロットルボディ、37…排気案内通路、38…排気集合通路、40…オイルパン、41…オイルポンプ、51…取水口、52…水ポンプ、53,54…水通路、56,57…サーモスタット、60…給水口、61…排水口、62〜64…入口側水通路、65…出口側水通路、70…燃焼室用水ジャケット、71…排気通路用水ジャケット、72…反燃焼室側水ジャケット、72a…上流側水ジャケット、72b…下流側水ジャケット、73…燃焼室側水ジャケット、74…側方水ジャケット、75…仕切壁、76…入口連通路、77…出口連通路、78…カバー、79…連通路、80…出口側水通路、91,92…貫通孔、93…排気ガスセンサ、
E…内燃機関、S…船外機、C…シリンダブロック、C1〜C4…シリンダ、Cs…結合面、L…シリンダ軸線、Pe…排気通路、Jb…ブロック側水ジャケット、Jh…ヘッド側水ジャケット、We…排気通路壁、Wc…燃焼室壁。

Claims (5)

  1. 配列方向に並んだ複数のシリンダから構成されるシリンダブロックと、前記各シリンダに対応する複数の燃焼室および前記各燃焼室からの排気ガスが排気ポートを経て流入する排気集合通路が設けられるシリンダヘッドとを備える水冷内燃機関であって、前記シリンダヘッドに設けられて冷却水が流通するヘッド側水ジャケットが、前記各燃焼室周りの燃焼室用水ジャケットと、前記排気集合通路周りの排気通路用水ジャケットとを有する水冷内燃機関において、
    前記排気通路用水ジャケットは、流量制限手段により区分される上流側水ジャケットおよび下流側水ジャケットを有し、前記上流側水ジャケットの冷却水は前記流量制限手段よりも上流から前記燃焼室用水ジャケットに流出し、
    前記上流側水ジャケットの冷却水の一部は、前記排気通路用水ジャケットを構成する迂回水ジャケットを流通して前記下流側水ジャケットに流出することを特徴とする水冷内燃機関。
  2. 前記下流側水ジャケットの冷却水は前記流量制限手段によりも下流から前記燃焼室用水ジャケットに流出することを特徴とする請求項1記載の水冷内燃機関。
  3. 前記上流側水ジャケットの冷却水の一部は、連絡水通路を流通して前記下流側水ジャケットに流出することを特徴とする請求項1または2記載の水冷内燃機関。
  4. 前記排気通路用水ジャケットにおける冷却水の入口は、前記上流側水ジャケットの入口から構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の水冷内燃機関。
  5. 前記ヘッド側水ジャケットにおける冷却水の入口は前記排気通路用水ジャケットの入口から構成され、前記ヘッド側水ジャケットにおける冷却水の出口は前記燃焼室用水ジャケットの出口から構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の水冷内燃機関。
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