JP4693143B2 - 部分ポリフルオロ炭化水素基含有ポリマー - Google Patents

部分ポリフルオロ炭化水素基含有ポリマー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマー鎖中に部分的にフルオロアルキル基を有する新規なポリマー及びその製造方法、さらには、それら新規ポリマーを含むコーティング組成物または撥水撥油構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリマー鎖中に部分的にフルオロアルキル基を有するポリマーとして、例えば特開2000−256302号公報には、一般式
【0003】
【化3】
【0004】
(式中、Rfは酸素原子が介在していてもよく、塩素原子で置換されていてもよいフルオロ飽和炭化水素基を、A−ZはZ置換ビニル系モノマー単位〔ここで、Zは−CO21及び−CONR23(ここで、R1及びR2は同一であるかあるいは互いに異なる、ブロック化されていてもよいイソシアネート基含有炭化水素基を、R3は水素原子、炭化水素基、又はR1又はR2と同一であるかあるいは互いに異なる、ブロック化されていてもよいイソシアネート基含有炭化水素基をそれぞれ示し、場合によりこれらイソシアネート基含有炭化水素基はウレタン結合、酸素原子又は窒素原子が介在していてもよい)の中から選ばれた少なくとも1種の基を示す〕を、Bは置換されていてもよいビニル系モノマー単位を、nは1〜5000を、mは0〜5000をそれぞれ示す。)で表わされるフルオロ飽和炭化水素基含有化合物が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ポリマーは、その製造方法から両末端にフルオロアルキル基を有する構造しか取り得ず、しかも、水またはドデカンに対する接触角は満足のいくものではなかった。
本発明は、両末端にのみポリフルオロ炭化水素基を部分的に有するポリマー以外の新規なポリマーを提供すると共に、より優れた表面特性を有する表面処理剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリマー鎖の一方の末端、ポリマー鎖内等に特定の数のポリフルオロ炭化水素基を有するポリマーを製造する方法を開発し、その方法によって得られたポリマーが特異的に従来よりも優れた特性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)フッ素原子を含まないモノマーを重合して得られるポリマー鎖の末端または内部に2〜10のポリフルオロ炭化水素基を含有することを特徴とするポリマー、
(2)フッ素原子を含まないモノマーを重合して得られるポリマー鎖の一方の末端に1〜10のポリフルオロ炭化水素基を含有することを特徴とするポリマー、
(3)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.01〜2.50であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリマー、
(4)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、1.01〜1.50であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリマー、
(5)フッ素原子を含まないモノマーを重合して得られるポリマー鎖の末端に1〜10のポリフルオロ炭化水素基を含有するポリマーであって、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.01〜1.40であることを特徴とするポリマー、
(6)フッ素原子を含まないモノマーを重合して得られるポリマー鎖が、式(I)
【化4】
(式中、R1は、水素原子またはC1〜C6のアルキル基を表し、Xは、無置換または置換アリール基、無置換または置換ヘテロアリール基、無置換または置換ビニル基、C1〜C20炭化水素オキシカルボニル基を表す。)で表される繰り返し単位からなることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のポリマー、
(7)数平均分子量が1000〜100,000であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のポリマー、
(8)アニオンリビング重合により得られたアニオン末端に対して、自己重合する能力がないが、アニオン末端と反応することができる共役二重結合を有し、分子内にポリフルオロ炭化水素基を導入できる官能基を有する化合物を反応させることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のポリマーの製造方法、
(9)アニオンリビング重合により得られたアニオン末端に対して、自己重合する能力がないが、アニオン末端と反応することができる共役二重結合を有し、分子内にポリフルオロ炭化水素基を導入できる官能基を有する化合物を反応させて生成したアニオンに対して、分子内にポリフルオロ炭化水素基を導入できる官能基を有し、かつ該アニオンと反応することができる官能基を有する化合物を反応させること特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のポリマーの製造方法、
(10)アニオンリビング重合により得られたアニオン末端に対して、自己重合する能力がないが、アニオン末端と反応することができる共役二重結合を有し、分子内にポリフルオロ炭化水素基を導入できる官能基を有する化合物を反応させて生成したアニオンに対して、アニオンに対して反応性を有する2以上の官能基を有する化合物を反応させ、さらに、
(1)分子内にポリフルオロ炭化水素基を導入できる官能基を有するアニオン、
(2)アニオンリビング重合により得られるアニオン末端、
(3)アニオンリビング重合により得られたアニオン末端に対して、自己重合する能力がないが、アニオンと反応することができる共役二重結合を有し、分子内にポリフルオロ炭化水素基を導入できる官能基を有する化合物を反応させて生成したアニオン、
のいずれかを反応させることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のポリマーの製造方法、
(11)自己重合する能力がないが、アニオン末端と反応することができる共役二重結合を有し、分子内にポリフルオロ炭化水素基を導入できる官能基を有する化合物が、式(II)または(III)
【化5】
(式中、R5及びR6は、それぞれ独立にフルオロアルキル基を有する官能基に変換可能な官能基を表し、pは0または1を表す。)で表される化合物であることを特徴とする(8)〜(10)に記載の製造方法、
(12)請求項1〜7に記載のポリマーを成分とする表面処理剤、
(13)基体上に請求項1〜7に記載のポリマーを成分とするコーティング層を設けたことを特徴とする撥水撥油構造体、
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のポリマーは、フッ素原子を含まないモノマーを重合して得られるポリマー鎖の末端または内部に2〜10のフルオロアルキル基を有することを、または一方の末端に1〜10のフルオロアルキル基を有することを特徴とする。
本発明に用いられるフッ素原子を含まないモノマーを重合してして得られるポリマーの構造は、リビング重合可能なモノマーから得られるポリマー鎖が好ましく、特に式(I)で表される繰り返し単位を含むポリマーが好ましい。
【0009】
式(I)で表される繰り返し単位中、R1は、水素原子またはC1〜C6のアルキル基を表し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、s−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、s−ヘキシル基等を例示することができる。
【0010】
また、Xは、無置換または置換アリール基、無置換または置換ヘテロアリール基、無置換または置換ビニル基、C1〜C20炭化水素オキシカルボニル基を表す。具体的には、ビニル基、2−ブテニル基等のC2〜C20のアルケニル基、フェニル基、1−ナフチル基、9−アントラセニル基等のC6〜C20の芳香族炭化水素基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−フラニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−ピロロ基、2−オキサゾリル基、3−イオオキサゾリル基、2−チアゾリル基、3−イオチアゾリル基、1−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,3,4−トリアゾール−2−イル、1,2,3−チアジアゾール−5−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3,4−テトラゾール−5−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピラジン−2−イル、ピリダジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−6−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル等のヘテロアリール基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のC1〜C20の炭化水素オキシカルボニル基等を例示することができる。
【0011】
また、これらの官能基は、適当な炭素上の位置にさらに置換基を有することができる。その置換基としては、クロル原子、ブロム原子、ヨウ素原子であるハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロプロプル基、シクロヘキシル基、ビニル基、アリル基、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基等の置換フェニル基、プロパルギル基等の炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、フェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアルコキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基等のアミノ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、2−ピリジルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基等のアルキル、アリール、もしくはヘテロ環チオ基またはその酸化体、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のC1〜C20のアルコキシカルボニル基、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基、2−ピリジルカルボニル基等のC2〜C20のアシル基、シアノ基、ニトロ基等を例示することができる。
但し、リビング重合でポリマー鎖を形成する場合、リビング重合を失活させない官能基を用いる必要がある。
式(I)で表される繰り返し単位は、一種単独で、または二種以上を混合して用いることができ、二種以上混合して用いた場合、その重合様式は特に限定されず、ブロック重合、ランダム重合いずれもとることができる。必要に応じて、リビング重合可能な単量体から導かれる式(I)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含めることができる。
【0012】
本発明のポリマーに含まれるフルオロアルキル基は、フッ素原子を含むアルキル基であれば特に制限されないが、具体的には、式(IV)
【0013】
【化6】
【0014】
(式中、Qは2価有機基を表し、Rf1は、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子を含んでいてもよい1価ポリフルオロ炭化水素基を表す。)で表される官能基が好ましい。
【0015】
この場合、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子を含まない1価ポリフルオロ炭化水素基とは、1価炭化水素基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基をいい、特にポリフルオロアルキル基が好ましい。
【0016】
1価ポリフルオロ炭化水素基中のフッ素原子の割合は、(1価ポリフルオロ炭化水素基中のフッ素原子数)/(1価ポリフルオロ炭化水素基に対応する同一炭素原子数の炭化水素基中の水素原子数)×100(%)で表現した場合に60%以上であるのが好ましく、特には80%以上が好ましく、さらには実質的に100%である場合、すなわち1価炭化水素基の水素原子の実質的に全てがフッ素原子に置換された「1価ペルフルオロ炭化水素基」であるのが好ましい。
【0017】
また、1価ポリフルオロ炭化水素基は、直鎖構造であっても、分岐構造であってもよく、直鎖構造が特に好ましい。分岐構造である場合には、分岐部分の炭素原子数1〜3程度の短鎖であるのが好ましく、分岐部分が1価ポリフルオロ炭化水素基の末端部分に存在している構造が好ましい。1価ポリフルオロ炭化水素基の炭素数は1〜18が好ましく、特に4〜12が好ましい。
【0018】
さらに、1価ポリフルオロ炭化水素基は、ポリフルオロアルキル基が好ましく、ペルフルオロアルキル基が好ましい。ポリフルオロアルキル基の炭素数は1〜18が好ましく、特に4〜12が好ましい。
【0019】
1価ポリフルオロ炭化水素基の具体例としては、以下に示す例が挙げられる。なお、以下の具体例中には、それぞれの構造異性の基に相当する基も含まれる。
49−[ただし、F(CF24 −、(CF32CFCF2−、(CF33C−、CF3CF2CF(CF3)−等の構造異性の基を含む]、C511−[ただし、F(CF25−、(CF32CF(CF22−、(CF33CCF2 −、F(CF23CF(CF3)−等の構造異性の基を含む]、C613−[ただし、F(CF23C(CF32 −等の構造異性の基を含む]、C817−、C1021−、C1225−、C1429−、C1633−、C1827−、C2041−、(CF32CF(CF2s −(sは0または1以上の整数を表す)、HCt2t−(tは0または1以上の整数を表す)。
【0020】
また、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子を含む1価ポリフルオロ炭化水素基とは、上記の1価ポリフルオロ炭化水素基中の炭素−炭素結合間、または、上記の1価ポリフルオロ炭化水素基とQ2 との間にエーテル性酸素原子が挿入された基をいい、1価ポリフルオロ炭化水素基中の炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入された基が好ましい。
【0021】
エーテル性酸素原子を含む1価ポリフルオロ炭化水素基としては、ポリフルオロオキシアルキレン部分を含む基が好ましく、特にペルフルオロオキシアルキレン部分を含む基が好ましく、とりわけ、ペルフルオロオキシアルキレン部分を含み、かつ、末端がペルフルオロアルキル基である基が好ましい。該ペルフルオロオキシアルキレンとしては、ペルフルオロオキシメチレン、ペルフルオロオキシエチレン、ペルフルオロオキシプロピレン、またはペルフルオロオキシブチレン等が挙げられる。
【0022】
エーテル性酸素原子を含む1価ポリフルオロ炭化水素基の具体例としては、以下に示す例が挙げられる。
【0023】
【化7】
CF3(CF24OCF(CF3)−、F[CF(CF3)CF2O]u CF(CF3)CF2CF2−(uは1以上の整数を表す)、F[CF(CF3)CF2O]yCF(CF3)−(yは1以上の整数を表す)、F(CF2CF2CF2O)v CF2CF2−(vは1以上の整数を表す)、(CF2CF2O)w CF2CF2−(wは1以上の整数を表す)
【0024】
式(IV)中のQ は、2価有機基であり、特に下記式(V)
【0025】
【化8】
【0026】
(式中、Y1、Y2はそれぞれ独立に、−(CH2y −、−O−、−CH2O−、−NR3−、−CO2−、OCO2−、−CONR3−、−OCONR3−、−S−、−SO3−又は−SO2NR3−の1種又は2種以上の結合基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、yは1〜3のいずれかの整数を表し、aまたはdは、それぞれ独立に、0、または1〜3のいずれかの整数を表し、bは1〜3のいずれかの整数を表し、cは0又は1を表す。)で表される2価有機基であるのが好ましい。
【0027】
式(V)中のR3として具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、s−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、s−ヘキシル基等を例示することができる。
また、式(V)で表される2価有機基として具体的には、下記式
【0028】
【化9】
−(CH22−、−CH2OCH2CH2CH2−、−CONHCH2CH2CH2−、−CONHCH2CH2NHCH2CH2−、−CH2CH2OCONHCH2CH2CH2
【0029】
で表される有機基を例示することができる。
また、式(V)で表される2価有機基中、2価炭化水素基、または2価炭化水素基の炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入された基が好ましい。2価炭化水素基としては、アルキレン基が好ましく、直鎖または分岐のいずれの構造であってもよく、−(CH2)i−(ここで、iは1〜20の整数、好ましくは4〜8の整数である。)で表される直鎖アルキレン基が好ましい。分岐構造である場合には、分岐部分の炭素原子数が1〜3程度の短鎖であるものが好ましい。
【0030】
2価炭化水素基の炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入された基としては、上記アルキレン基の炭素−炭素結合間の1か所にエーテル性酸素原子が挿入された基が好ましい。
【0031】
式(IV)で表される官能基として、具体的には下記式(A1)または(A2)で表される基を好ましく例示することができる。
【0032】
【化10】
【0033】
(式中、Rf11、またはRf12は、それぞれ独立に、上記に示した好ましい態様の1価のポリフルオロ炭化水素基を表し、Z1〜Z3はそれぞれ独立に、−(CH2h−を表し、hは、1〜10のいずれかの整数を表し、好ましくは2〜4のいずれかの整数を表す。)
【0034】
さらに、式(IV)で表される官能基として、下記式(A10)〜(A30)で表される基を好ましく例示することができる。
【0035】
【化11】
【0036】
(式中、kは1〜18のいずれかの整数を表し、好ましくは6〜12のいすれかの整数を表し、nは0、または1〜10のいすれかの整数を表し、好ましくは1〜5のいすれかの整数を表し、mは、1〜18のいすれかの整数をあらあわし、好ましくは4〜12のいずれかの整数を表し、Z1〜Z5は、それぞれ独立に、2価炭化水素基、好ましくは直鎖アルキレン基を表す。)
【0037】
式A10として具体的には、下記式で示す官能基を例示することができ、下式中のペルフルオロアルキル基は、直鎖構造であるのが好ましい。
【0038】
【化12】
49−(CH22−、C49−(CH23−、C49−(CH24−、C511−(CH22−、C511−(CH23−、C613−(CH22−、C817−(CH22−、C817−(CH23−、C817−(CH24−、C919−(CH22−、C919−(CH23−、C1021−(CH22
【0039】
また、式A20として、具体的には、下記式で示す官能基を例示することができる。
【0040】
【化13】
F[CF(CF3)CF2O]2CF(CF3)CH2O(CH23−、F[CF(CF3)CF2O]4CF(CF3)CH2O(CH23−、F(CF2CF2CF2O)2CF2CF2CH2O(CH23
【0041】
また、式A30として、具体的には、下記式で示す官能基を例示することができる。ただし、下式中のペルフルオロアルキル基は直鎖構造であるのが好ましい。
【0042】
【化14】
49−(CH22−O−(CH23−、C613−(CH22−O−(CH23−、C818−(CH22−O−(CH23−、C817−(CH23−O−(CH23
【0043】
本発明のポリマーは、上記したポリフルオロ炭化水素基をポリマー鎖中の末端、または内部に2〜10有することをを特徴とする。ポリマー鎖の末端は、片方の末端でも、両末端でも構わない。この場合、ポリマー鎖末端、または内部にポリフルオロ炭化水素基を2以上有するとは、同一繰り返し単位内に、ポリフルオロ炭化水素基を2以上有する場合のみならず、ポリマー鎖全体から見てあたかも同一箇所に該官能基が集中しているかのうように見える場合を含む。例えば、ポリフルオロ炭化水素基を有する繰り返し単位から数えて前後1〜4の範囲に該官能基が存在する場合や、ポリフルオロ炭化水素基を有する繰り返し単位から適当な炭素数、例えば2〜6炭素数のスペーサーを前後にまたは一方に配した後、該官能基を有する繰り返し単位を配する場合等を例示することができる。また、ポリマー鎖内部の位置は特に限定されず、任意の位置を設定することができ、また、ポリフルオロ炭化水素基を挟んだ両側のポリマーの種類は、同一でも相異なっていてもよい。
【0044】
本発明のポリマーは、上記したポリフルオロ炭化水素基を、ポリマー鎖の一方の末端のみに1〜10有することを特徴とする。
上記した2種のポリマーにおいては、重量平均分子量Mwと数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.01〜2.50の範囲であるのが好ましく、さらに1.01〜1.50の範囲であるのがこのましい。
【0045】
また、本発明のポリマーは、ポリマーの両末端に1〜10のポリフルオロ炭化水素基を有するポリマーであってMw/Mnの値が、1.01〜1.40の範囲であることを特徴とする。
以上、本発明で得られたポリマーの数平均分子量は特に制限されないが、好ましくは、1000〜1000,000の範囲の分子量を例示することができる。
【0046】
本発明のポリマーの製造方法として、具体的に、アニオンリビング重合により得られたアニオン末端に対して、自己重合する能力がないが、アニオンと反応することができる共役二重結合を有し、分子内にポリフルオロ炭化水素基を導入できる官能基を有する化合物を反応させる方法を例示することができる。
【0047】
本反応で用いられる自己重合する能力がないが、アニオンと反応することができる共役二重結合を有し、分子内にポリフルオロ炭化水素基を導入できる官能基を有する化合物としては、式(II)または(III)で表される化合物を好ましく例示することができる。
【0048】
式中、R5、R6はそれぞれ独立に、アニオンリビング重合を阻害せずにポリフルオロ炭化水素基を導入できる官能基を表わす。ポリフルオロ炭化水素基を芳香環の置換基の一部として導入する方法として具体的には、(1)水酸基、チオール基、アミノ基上の水素原子をポリフルオロ炭化水素基を有する求核試薬及び塩基を用いて置換反応を行う方法、(2)ポリフルオロ炭化水素基を有するオレフィン、またはアセチレンに対して、遷移金属を用いてハロゲノアリール化合物等とカップリング反応を行う方法、(3)ポリフルオロ炭化水素基を有するハロゲノオレフィンまたはエノールトリフレートに対して、遷移金属を用いてアリールメタル化合物、例えばアリールスズ化合物またはアリールホウ素化合物等を用いてカップリング反応を行う方法、(4)カルボン酸を、ポリフルオロ炭化水素基を有するアルコール又はハロゲン化合物等を用いてエステル化する方法、(5)ポリフルオロ炭化水素基を有するカルボン酸及びその誘導体とフェノールからエステル化する方法等を例示することができる。したがって、R5、R6のの具体例としては、水酸基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、臭素原子、ヨウ素原子等を例示することができ、さらには、アニオンリビング重合を阻害しないためにも、重合を阻害せずに反応後容易に脱離することができる保護基で保護された上記例示された官能基を例示することができる。そのような保護基で保護された官能基の具体例としては、水酸基の保護されたt−ブチル−ジメチルシリルオキシ基、t−ブトキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基、1−エトキシエトキシ基等を例示することできる。
【0049】
アニオンリビング重合のポリマー成長末端に対して式(II)、または(III)で表される化合物を反応させた場合、式(II)、または(III)で表される化合物自体は自己重合しないことから、ポリマー末端に1分子反応させることができる。この反応により生成したアニオンに対して、メタノール等のプロトン供与体で反応を停止させれば、分子の一方の末端のみにpが1の場合は2個、pが0の場合には1個のポリフルオロ炭化水素基を導入することができる。
【0050】
先と同様に、アニオンリビング重合のポリマー成長末端に対して式(II)、または(III)で表される化合物を反応させた結果生じたアニオンに対して、適当な炭素数、例えばC1〜6のハロゲノアルキル基を有し、かつポリフルオロ炭化水素基を導入することができる官能基を有するベンゼン誘導体を反応させることにより更にもう一個のポリフルオロ炭化水素基を導入することができる。
【0051】
また、先と同様に、アニオンリビング重合のポリマー成長末端に対して式(II)、または(III)で表される化合物を反応させて得られたアニオン末端に対して、アニオンに対して反応性を有する2以上の官能基を有する化合物、例えば、1,4−ジハロゲノブタン、1,4−ビス(ハロゲノメチル)ベンゼン等を反応させ、さらに、
(1)分子内にフルオロアルキル基を導入できる官能基を有するアニオン、例えば、式(II)または(III)で表される化合物とs−ブチルリチウム等の有機金属を反させることにより得られるアニオンと、
(2)アニオンリビング重合により得られるアニオン末端、
(3)アニオンリビング重合により得られたアニオン末端に対して、自己重合する能力がないが、該アニオンと反応することができる共役二重結合を有し、分子内にポリフルオロ炭化水素基を導入できる官能基を有する化合物を反応させて生成したアニオン、例えば、先同様にしてアニオンリビング重合のポリマー成長末端に対して式(II)、または(III)で表される化合物を反応させた得られたアニオン末端等、
のいずれかを反応させることにより、(1)の場合は、分子の一方の末端にポリフルオロ炭化水素基を最大4個まで、(2)の場合には、アニオンリビング重合により得られるポリマー鎖の長さを自由に調節することにより、ポリマー分子鎖内の任意の位置に最大2個まで、(3)の場合にも、(2)の場合と同様にアニオンリビング重合により得られるポリマー鎖の長さを自由に調節することにより、ポリマー分子鎖内の任意の位置に、ポリフルオロ炭化水素基を導入することができる。
【0052】
上記アニオン重合に供される化合物として、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、p−(テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン、p−(テトラヒドロピラニルオキシ)−α−メチルスチレン、p−(1−エトキシエトキシ)スチレン、p−(1−エトキシエトキシ)−α−メチルスチレン、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸n−プロピルエステル、アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸t−ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸イソデシルエステル、アクリル酸イソオクチルエステル、アクリル酸ラウリルエステル、アクリル酸シクロヘキシルエステル、アクリル酸テトラヒドロフラニルエステル、アクリル酸1−アダマンチルエステル、アクリル酸2−メチル−2−アダマンチルエステル、アクリル酸1−メチレンアダマンチルエステル、アクリル酸1−エチレンアダマンチルエステル、アクリル酸3,7−ジメチル−1−アダマンチルエステル、アクリル酸イソボニルエステル、アクリル酸トリシクロデカニルエステル、アクリル酸ノルボルニルエステル、アクリル酸メンチルルエステル、アクリル酸ジシクロペンテニルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸n−プロピルエステル、メタクリル酸イソプロピルエステル、メタクリル酸n−ブチルエステル、メタクリル酸t−ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸イソデシルエステル、メタクリル酸イソオクチルエステル、メタクリル酸ラウリルエステル、メタクリル酸シクロヘキシルエステル、メタクリル酸テトラヒドロフラニルエステル、メタクリル酸1−アダマンチルエステル、メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチルエステル、メタクリル酸1−メチレンアダマンチルエステル、メタクリル酸1−エチレンアダマンチルエステル、メタクリル酸3,7−ジメチル−1−アダマンチルエステル、メタクリル酸イソボニルエステル、メタクリル酸トリシクロデカニルエステル、メタクリル酸ノルボルニルエステル、メタクリル酸メンチルルエステル、メタクリル酸ジシクロペンテニルエステル、1,4−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン等を例示することができる。
また、式(I)で表される繰り返し単位を構成しない単量体であってもリビングアニオン重合可能な単量体も上記例示化合物と共に重合を行うことが可能であり、そのような単量体として、例えば、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン等のビニルケトン化合物、(メタ)アクリル酸アミド又は(メタ)アクリロニトリル等を例示することができる
【0053】
本発明の製造に用いられる重合溶媒は、重合反応に関与せず、かつ重合体と相溶性のある極性溶媒であれば、特に制限されず、具体的には、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類の他、アニソール、ヘキサメチルホスホルアミド等のアニオン重合において通常使用される有機溶媒を挙げることができる。また、これらの溶媒は、1種単独で、または2種以上の混合溶媒として用いることができる。
【0054】
本発明において用いられるアニオン重合開始剤として、アルカリ金属又は有機アルカリ金属を例示することができ、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ナトリウム−カリウム合金等を例示することができ、有機アルカリ金属としては、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、アリール化物等を使用することができ、具体的には、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、α−メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、1,1−ジフェニルメチルカリウム、1,4−ジリチオ−2−ブテン、1,6−ジリチオヘキサン、ポリスチリルリチウム、クミルカリウム、クミルセシウム等を挙げることができ、これらの化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0055】
反応は、通常、アニオン重合開始剤に、上記例示した単量体化合物を添加し、アニオンリビング重合を行い、さらに式(II)または(III)で表される化合物を添加して行われる。これらの一連の反応は、アルゴンまたは窒素等の不活性ガス下、もしくは高真空下、−100〜0℃、好ましくは、−70〜−20℃の範囲で行われる。用いる式(II)または(III)で表される化合物等は、ポリマー成長末端アニオンのモル数と当量以上であれば、特に制限されないが、1.5〜2.0当量用いるのが好ましい。
【0056】
本発明のポリマーは、後述するようにキャスティングしてフィルム状にした場合、優れた撥水性、撥油性を有することから、様々な基体上の表面処理剤の有効成分として用いることできる。
【0057】
表面処理剤として用いる場合、耐水性や耐溶剤性、耐摩耗性、密着性を向上させるためにはバインダー成分となる合成樹脂成分と組み合わせて使用することができる。バインダー用有機樹脂組成物として、従来から用いられているエラストマーが使用でき、このエラストマーの有機樹脂成分は特に制限されず、従来から一般的に使用されている公知の樹脂組成物、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂といった汎用樹脂の他、アクリルウレタン樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、クロロスルホン化ポリエチレン樹脂、シリコーンを主成分とする高分子等の合成樹脂を用いることができ、これらを2種以上を併用することもできる。
【0058】
また、有機質、無機質の粒状物、粉末、マイクロカプセル等を基体に結合するために使用されるアクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリ酢酸ビニル系あるいは合成ゴムラテックス等の各種のエマルジョン型や水溶液型の樹脂バインダー、アクリル樹脂エマルジョン、防シワ加工、ピリング加工、肉厚感付与、耐久性硬化仕上げあるいは柔軟仕上げに使用される自己架橋型の熱硬化性アクリルエマルジョン、水系スエード加工や反発弾性を目的とするウレタンエマルジョン、あるいは透湿防水加工に用いられるW/0型ウレタンエマルジョン等の各種の樹脂成分に配合して使用することもできる。
【0059】
更には、風合い改良目的で使用されるアミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ変性等のジメチルシリコーンオイルのエマルジョン、触感改良目的で使用されるコラーゲンやシルクプロテインなどの水溶性タンパク質等、相容性があるものであればいかなるものにも配合して使用することでき、これらの2種以上を併用して使用することもできる。
【0060】
上記樹脂組成物を混合するのに使用する有機溶剤は、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド、クロロフォルム、酢酸エチル、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、m−キシレン、アセトン等の中から幅広く選択することができる。
【0061】
ポリフルオロ炭化水素基含有オリゴマーの有機樹脂成分に対する配合割合は特に限定されないが、例えば、樹脂固形分100重量部に対するポリフルオロ炭化水素基含有オリゴマーの量を0.01〜15重量部の範囲になるように配合するのがっ好ましく、0.05〜10重量部の範囲になるように配合するのがより好ましい。この配合量が0.01重量部を下回ると撥水撥油性、防汚性の効果が得られなし、一方、15重量部を上回っても油や水の接触角の更なる増加は認められず、基体の性能を損なう恐れがあるので避けることが好ましい。
【0062】
本発明の表面処理剤は、必要に応じて他の撥水剤や撥油剤、防滑剤、表面強度改良剤、サイズ剤、難燃剤等を併用することも可能である。他の撥水剤、撥油剤の例として、具体的にはパラフィンワックスやその合成品、水溶性あるいはエマルジョン製剤のポリエチレンワックス、パラフィンワックスもしくはその金属塩、シリコン系ワックス、フッ素系樹脂エマルジョン、シリコーン系樹脂エマルジョン、アルキルエチレン尿素、N−メチロール脂肪酸アミド等を例示することができる。防滑剤の例としては、スチレン−アクリル系やスチレン−マレイン酸系等のエマルジョン製剤及びコロイダルシリカが挙げられる。表面強度改良剤の例としては、澱粉、酸化澱粉及びその変性物、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールやポリアクリルアミド及びそれらの誘導体や変性物が挙げられる。
【0063】
また、本発明の表面処理剤は必要に応じて、スエード調触感等を付与するためのアクリル樹脂やウレタン樹脂等のビーズ、コラーゲンやセルロース等の天然物粉末あるいは尿素ホルマリン樹脂粉末等、色調を調整するための顔料や染料、アルキルフェノール、アルキレンビスフェノールあるいはアルキルフェノール・チオエーテル等の酸化防止剤、フェニルサリチレート、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノンあるいは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、その他に安定剤、可塑剤等を必要量添加することができる。
【0064】
また、溶剤に有機樹脂成分が溶解あるいは分散された市販の樹脂表面処理剤、例えば、塩ビレザー、塩ビシート、ポリオレフィン系樹脂シート、塩ビ壁紙、合成皮革あるいは人工皮革等の表面処理に使用される表面処理剤等の使用時に、本発明中に関わるフルオロアルキル基含有オリゴマーを添加、混合して使用することも可能である。
【0065】
本発明の表面処理剤は、刷毛塗り、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、ナイフコーティング、ディップコーティング等の既知の塗工方法により幅広い樹脂製品に表面処理することができる。また、必要があれば塩素化ポリプロピレンのようなプライマーを本発明の樹脂表面処理剤を塗工する前に下塗り剤として使用することも出来る。
【0066】
本発明の表面処理剤は、ガラス、プラスチック成形体、布帛、木材、金属等の基体の表面に用いることができる。
担体として使用できるガラスの形状としては、板状、管状、球状、繊維状等どのような複雑な形状にでも塗布することができる。また、施工済の窓ガラス、ショーケース、めがね等用途によっては、加工済のガラスに処理することもできる。
【0067】
本発明の表面処理剤で処理されたガラスは、窓ガラス、計器用カバーガラス、照明器具、照明灯、ブラックライト、水処理用充填剤をはじめ、カメラ、眼鏡レンズ等、撥水、撥油等の効果を必要とするあらゆる使用場面に使用できる。
【0068】
本発明の表面処理剤で処理したプラスチック成形体は、壁紙、内装用ボード、家具、電気機器、車輛用部品をはじめ、カメラ、メガネのレンズ等、撥水、撥油等の効果を必要とする多くの使用場面に使用できる。
【0069】
プラスチック成形体の形状としては、フィルム状、板状、管状、球状、繊維状等どのような複雑な形状にでも塗布することができる。また、施工済の建築資材、家庭電化製品、めがね等用途によっては、加工済のプラスチック成形体に処理することができる。
【0070】
本発明の処理剤の処理に用いられる布帛として、毛、絹、綿、麻などの天然繊維、レーヨン、アセテートなどの再生繊維、ナイロン、アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニルなどの合成繊維、アラミドなどの耐熱性繊維の単独あるいは混紡繊維からなる織布、編布、不織布などを用いることができる。また、ポリアミドとポリエステルのフィブリル化型複合繊維等からなる擬革、織布、不織布、編布等の基材にポリウレタン接着剤を介してポリウレタン樹脂層が形成されてなる合成皮革等を用いることもできる。また、傘、テント、バッグ等、加工済の布帛に処理することもできる。本発明の表面処理剤で処理した布帛は、撥水、撥油抗菌等の効果を必要とする多くの使用場面、たとえばカーテン、壁紙等のインテリア製品、テント、傘、テーブルクロス等の日用品、食品包装材等としてまた育苗シート等農業分野にも使用できる。
【0071】
本発明の表面処理剤で処理された金属としては、アルミニウム、鉄、銅等の単体金属の他、ステンレス、しんちゅう、黄銅、アルミ合金、チタン合金等の各種合金なども担体として使用可能である。また、使用する金属の形状、材質によっては、通常の塗料で塗装した金属シートや板、着色したカラー鋼板やカラーアルミサッシ等の上にも塗布することができる。
【0072】
金属の形状としては、板状、管状、球状、繊維状、シート状等どのような複雑な形状にでも塗布することができ、また施工済の窓枠、家具、ショーケース、めがねフレーム等用途によっては、加工済の金属に処理することもできる。
本発明に示す光触媒を担持した金属は、窓枠、家具、装飾品、内装パネル、外装パネル、水処理用充填剤をはじめ、ストレーナー、フィルター等、撥水、撥油等の効果を必要とする多くの使用場面に使用できる。
【0073】
本発明の表面処理剤で処理された木材および木質材料の形状としては、板状、板状、球状、シート状等どのような複雑な形状でも塗布することができ、施工済の壁、天井板、柱のほか、家具、木工細工等の加工済の木材および木質材料に処理することもできる。
本発明の表面処理剤を処理した木材および木質材料は、建築用材、家具、木工品、インテリア材および内装材等、撥水、撥油等の効果を必要とする多くの使用場面に使用できる。
【0074】
本発明の表面処理剤を処理したプラスチックフィルムは、その撥水、撥油機能を活かして、処理していない面に粘着剤を塗布したフィルムとすることで、自動車や各種輸送機器の窓ガラス、建築物の窓ガラス、冷凍・冷蔵ショーケースや温室などの内側に貼り付けることができる。このプラスチックフィルムに使用できる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フッ化エチレン−プロピレン共重合樹脂、フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂等を例示することができる。
【0075】
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
【0076】
【実施例】
本発明の実施例に使用した試薬および溶媒の精製法について以下に述べる。
使用した溶媒、およびモノマーは、すべて、通常の手順に従って、精製し、窒素雰囲気下、CaH2を用いて蒸留した。テトラヒドロフラン(THF)は、さらに高真空ライン(10-6Torr)でナトリウムナフタレニド存在下から蒸留した。イソプレンはn−BuLiを、1,1−ジフェニルエテン(DPE)は、s−BuLiを約3モル%添加したのち、真空ラインで蒸留した。2−ビニルピリジンにはCaH2を、t−ブチルメタクリレートにはトリオクチルアルミニウムを添加後、真空ラインで蒸留した。ジフェニルメチルカリウムは、ジフェニルメタンとカリウムナフタレニドをTHF中12時間反応させて調製した。
sec−ブチルリチウム(s−BuLi)は、市販のs−BuLiのシクロヘキサン(1.3M;ナカライ社製)を高真空下、ヘプタンで希釈し、小分けしたものを用いた。正確な濃度は、高真空下、THF中−78℃で1,1−.ジフェニルエチレン(DPE)との反応により1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウムを生成させ、このアニオン特有の赤色が消色するまで標準 n−オクタノール/THFを用いて比色滴定により求めた。
[重合操作方法]
アニオン重合は高真空下ブレークシール法を用いた。重合はモノマーを開始剤系に加え所定時間反応した後、メタノールで反応を停止した。
【0077】
[サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)の測定]
UV(254nm)及び屈折率検出計を備えたTOSOH−HLC−8020を用いて測定した。カラムは3種のポリスチレンゲルカラム(TSKgelG4000HXL、G3000HXL及びG2000HXL)を用いて行った。キャリア溶媒としてはTHFまたはN,N−ジメチルホルムアミドを用い、カラムオーブン温度40℃、流速1.0ml/分で行った。標準試料としてポリスチレン、ポリイソプレン、及びポリ(メチルメタクリレート)を用い、検量線を作成して、Mn及びMw/Mn値を決定した。TSK−G4000HHRカラムを備えたTOSH−HLC−8020を用いて、分取を行った。溶媒としてTHFを用い、ポリマー濃度は、サンプルの分子量に応じて、10〜20w/v%に調製した。
[X線光電子分光(XPS)測定]
Perkin Elmer社製X-ray photoelectron spectrometer 5500MTを用いて、光源にモノクロAlKα線をX線源としてステージ角度を変化させて深さ方向の測定をした。試料としては、得られたポリフルオロ炭化水素基含有ポリマーを溶媒に溶解させてガラス基板上にキャスチングしてフィルムとしたものを用いた。
[接触角の測定]
得られたポリフルオロ炭化水素基含有ポリマーを溶媒に溶解させてガラス基板上にキャスチングしてフィルムとした後、その表面上にシリンジで水、またはドデカンを一滴滴下し、協和界面科学製自動接触角計CA−Zを用いて測定した。
【0078】
実施例1
スチレン1.04g(10mmol)のTHF5ml溶液を−78℃でs−BuLi(0.188mmol)に添加し−78℃で10分間撹拌した。その後、1−(4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)−1−フェニルエテン70mg(0.226mmol)のTHF1ml溶液を同温度で添加し、その後脱気したメタノールを加え反応を停止させ、大量のメタノールに加えて結晶を析出させ、結晶を濾過した。得られた結晶をTHFに溶解し、テトラn−ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)60mg(0.226mmol)を室温で滴下し、室温で10時間撹拌し、反応液を水に加えて結晶を析出させ、その結晶を濾過し、乾燥させた。得られた結晶をN、N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、室温でNaH14mg(50%、0.282mmol)を加えたの後、さらに、臭化3−(n−ペルフルオロオクチル)−n−プロピル(C817(CH23Br)152mg(0.282mmol)を加えた。室温で10時間反応させた後、反応液を水に加え、析出した結晶を濾過、乾燥させ結晶1.22g(収率100%)を得た。結晶の物性については第1表、第2表にまとめて示す。
【0079】
実施例2
1−(4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)−1−フェニルエテンの代わりに1,1−ビス{(4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)}エテン100mg(0.0226mmol)用い、TBAFを120mg、NaHを28mg、C817(CH23Brを313mg用いる以外実施例1と同様にして行い、結晶1.40g(収率100%)を得た。結晶の物性については第1表、第2表にまとめて示す。
【0080】
実施例3
s−BuLiを0.0541mmol、1,1−ビス{(4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)}エテン30mg(0.0649mmol)用い、TBAFを30mg(0.119mmol)、NaHを6mg(0.119mmol)、C817(CH23Brを65mg(0.119mmol)用いる以外、実施例2と同様に反応を行い、結晶1.11g(収率100%)を得た。結晶の物性については第1表、第2表にまとめて示す。
【0081】
実施例4
スチレン1.04g(10mmol)のTHF5ml溶液を−78℃でs−BuLi(0.0584mmol)に添加し−78℃で10分間撹拌した。その後、1,1−ビス{(4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)}エテン30mg(0.0700mmol)のTHF1ml溶液を同温度で加え、さらに、4−(4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)−ブチルブロマイド24mg(0.070mmol)のTHF1ml溶液を加えた。その後、大量のメタノールに加えて結晶を析出させ、結晶を濾過した。得られた結晶をTHFに溶解し、TBAF60mg(0.231mmol)を室温で滴下し、室温で10時間撹拌し、反応液を水に加えて結晶を析出させ、その結晶を濾過し、乾燥させた。得られた結晶をN、N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、室温でNaH11mg(50%、0.231mmol)を加えたの後、さらにC817(CH23Br130mg(0.231mmol)を加えた。室温で10時間反応させた後、反応液を水に加え、析出した結晶を濾過、乾燥させ結晶1.17g(収率100%)を得た。結晶の物性については第1表、第2表にまとめて示す。
【0082】
実施例5
スチレン1.04g(10mmol)のTHF5ml溶液を−78℃でs−BuLi(0.180mmol)に添加し−78℃で10分間撹拌した。その後、1,1−ビス{(4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)}エテン95mg(0.216mmol)のTHF1ml溶液を同温度で加え、さらに、1,4−ジブロモブタン50mg(0.216mmol)のTHF1ml溶液を加えた。その後、大量のメタノールに加えて結晶を析出させ、濾過、乾燥し、ポリマーAを得た。1,1−ビス{(4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)}エテン95mg(0.216mmol)のTHF1ml溶液にs−BuLi(0.216mmol)を−78℃で加え、さらに同温度で先に得られたポリマーAのTHF溶液を加えた。その後、反応液を大量のメタノールに加えて結晶を析出させ、濾過した。得られた結晶をTHFに溶解し、TBAF210mg(0.792mmol)を室温で滴下し、室温で10時間撹拌し、反応液を大量のメタノールに加えて結晶を析出させ、その結晶を濾過し、乾燥させた。さらに得られた結晶をDMFに溶解し、室温でNaH40mg(50%、0.792mmol)を加えたの後、さらにC817(CH23Br432mg(0.0792mmol)を加えた。室温で10時間反応させた後、反応液を水に加え、析出した結晶を濾過、乾燥させ結晶1.50g(収率100%)を得た。結晶の物性については第1表、第2表にまとめて示す。
【0083】
実施例6
スチレン1.04g(10mmol)のTHF5ml溶液を−78℃でs−BuLi(0.433mmol)に添加し−78℃で10分間撹拌した。その後、1,1−ビス{(4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)}エテン230mg(0.520mmol)のTHF1ml溶液を同温度で加え、さらに、1,4−ジブロモブタン110mg(0.520mmol)のTHF1ml溶液を加えた。その後、大量のメタノールに加えて結晶を析出させ、濾過、乾燥し、ポリマーAを得た。スチレン1.04g(10mmol)のTHF5ml溶液を−78℃でs−BuLi(0.433mmol)に添加し−78℃で10分間撹拌したのち、先に得られたポリマーAのTHF溶液を同温度で加えた。その後、反応液を大量のメタノールに加えて結晶を析出させ、濾過した。得られた結晶をTHFに溶解し、TBAF300mg(1.14mmol)を室温で滴下し、室温で10時間撹拌し、反応液を水に加えて結晶を析出させ、その結晶を濾過し、乾燥させた。さらに得られた結晶をDMFに溶解し、室温でNaH54mg(50%、1.14mmol)を加えたの後、さらにC817(CH23Br616mg(1.14mmol)を加えた。室温で10時間反応させた後、反応液を水に加え、析出した結晶を濾過、乾燥させ結晶2.82g(収率100%)を得た。結晶の物性については第1表、第2表にまとめて示す。
【0084】
実施例7
スチレン1.04g(10mmol)のTHF5ml溶液を−78℃でs−BuLi(0.401mmol)に添加し−78℃で10分間撹拌した。その後、1,1−ビス{(4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)}エテン210mg(0.481mmol)のTHF1ml溶液を同温度で加え、さらに、1,4−ジブロモブタン100mg(0.0481mmol)のTHF1ml溶液を加えた。その後、大量のメタノールに加えて結晶を析出させ、濾過、乾燥し、ポリマーAを得た。スチレン1.04g(10mmol)のTHF5ml溶液を−78℃でs−BuLi(0.401mmol)に添加し−78℃で10分間撹拌したのち、1,1−ビス{(4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)}エテン210mg(0.481mmol)のTHF1ml溶液を同温度で加え、さらに先に得られたポリマーAのTHF溶液を同温度で加えた。その後、反応液を大量のメタノールに加えて結晶を析出させ、濾過した。得られた結晶をTHFに溶解し、TBAF460mg(1.76mmol)を室温で滴下し、室温で10時間撹拌し、反応液を大量のメタノールに加えて結晶を析出させ、その結晶を濾過し、乾燥させた。さらに得られた結晶をDMFに溶解し、室温でNaH85mg(50%、1.76mmol)を加えたの後、さらにC817(CH23Br950mg(1.76mmol)を加えた。室温で10時間反応させた後、反応液を水に加え、析出した結晶を濾過、乾燥させ結晶3.05g(収率100%)を得た。結晶の物性については第1表、第2表にまとめて示す。
【0085】
【表1】
a)ポリマー鎖中にC817(CH23基が配置されている位置を示す。
b)SECを測定して求めた。
c)1HNMRより求めた。
d)ポリマー鎖中のC817(CH23基の数を表す。
【0086】
【表2】
a)Take−Off角を表す。表面から10°でおよそ2nmまで、80°で10nmまでの情報を得ることができる。
【0087】
第1表の官能基数より、得られたポリマーはポリフルオロ炭化水素基が定量的に導入されたことがわかり、しかも狭い分子量分布と計算通りの分子量を有していることがわかる。第2表より、ポリマーフィルム表面上で水、ドデカンとも高い接触角を有しており、撥水、撥油的表面が形成されていることがわかる。XPS測定の結果、フィルム表面に近づくより多くのポリフルオロ炭化水素基が濃縮されていることがわかる。また、ポリフルオロ炭化水素基の個数が増えることで、接触角、ポリフルオロ炭化水素基の濃縮が増加した。また、ポリフルオロ炭化水素基の個数が同じ場合(実施例2と3)には、ポリマー分子量による影響を受け、分子量が少ない方が、接触角、ポリフルオロ炭化水素基の濃縮が増加する傾向が見られた。特に、ポリマー末端が、−C64(CH22817であると仮定するとその計算値は50.0/50.0になり、ポリフルオロ炭化水素基が4個である実施5においては、ほぼこの値に近いことを示しており、表面がほとんどポリフルオロ炭化水素基覆われていること示唆しているといえる。
また、以上のことは、ポリフルオロ炭化水素基が、ポリマー鎖の分子内に配置されていても同様のことが言える。(実施例6および7)
【0088】
【発明の効果】
以上、述べたように、構造が制御された本発明のポリマーを用いることにより、効果的に表面をポリフルオロ炭化水素基で覆うことができ、優れた表面特性が得られることがわかった。本発明のポリマーは、ポリマー鎖の繰り返し単位に他の官能基を持たせて別の機能を発現させることも可能であり、ポリフルオロ炭化水素基による機能を損なうことなく別の機能を付加させることも考えられ従来にない機能を発現できる可能性があり、産業上の利用可能性は高いものといえる。

Claims (5)

  1. フッ素原子を含まないモノマーを重合して得られるポリマー鎖の末端に対して式(II)または(III)
    (式中、R 5 及びR 6 は、それぞれ独立に水酸基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、臭素原子、ヨウ素原子を表し、水酸基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基は脱離可能な保護基で保護されていても良い。pは0または1を表す。)で表される化合物を反応させた構造を分子内に有するポリマーを得た後、R 5 及びR 6 に式(IV)
    (式中、Qは2価有機基を表し、Rf 1 は、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子を含んでいてもよい1価ポリフルオロ炭化水素基を表す。)で表される官能基を導入することによって得られる、ポリマー鎖の末端または内部に〜10のポリフルオロ炭化水素基を含有することを特徴とするポリマー。
  2. フッ素原子を含まないモノマーを重合して得られるポリマー鎖の末端に対して式(II)または(III)
    (式中、R 5 及びR 6 は、それぞれ独立に水酸基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、臭素原子、ヨウ素原子を表し、水酸基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基は脱離可能な保護基で保護されていても良い。pは0または1を表す。)で表される化合物を反応させたポリマー。
  3. アニオンリビング重合により得られたアニオン末端に対して式(II)または(III)
    (式中、R 5 及びR 6 は、それぞれ独立に水酸基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、臭素原子、ヨウ素原子を表し、水酸基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基は脱離可能な保護基で保護されていても良い。pは0または1を表す。)で表される化合物を反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマーの製造方法。
  4. 請求項に記載のポリマーを成分とする表面処理剤。
  5. 基体上に請求項に記載のポリマーを成分とするコーティング層を設けたことを特徴とする撥水撥油構造体。
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