以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る画像入出力装置10が示されている。本実施形態に係る画像入出力装置10は、複写機としての機能、プリンタとしての機能及びファクシミリ装置としての機能を兼ね備えた、所謂複合機であり、マイクロコンピュータ等から成りCPU14、メモリ16、HDD(Hard Disk Drive)18及び通信制御部20を内蔵した本体制御部12を備えている。
また本体制御部12には、セットされた読取対象の文書(紙原稿)を光学的に読み取って読取画像データを出力する画像読取部22と、入力された印刷画像データが表す画像を記録用紙に印刷する印刷処理部24と、LCD等から成る表示部26A及びテンキーやタッチパネル等から成る操作部26Bが設けられた操作パネル26が各々接続されている。なお、画像読取部22は請求項1,4に記載の読取装置に対応しており、操作部26Bは請求項1,4に記載の設定手段として機能する。本体制御部12の通信制御部20はIP(Internet Protocol)ネットワークを介してパーソナル・コンピュータ(PC)等のコンピュータに接続されていると共に、公衆通信網を介してファクシミリ装置としての機能を兼ね備えた他の機器に接続されている。
ところで、本実施形態に係る画像入出力装置10は、予め登録した正規ユーザのみが画像入出力装置10を使用できるように設定することが可能とされており、上記のように正規ユーザのみが画像入出力装置10を使用できるように設定された場合、個々のユーザが画像入出力装置10を使用する際に、画像入出力装置10を使用しようとしているユーザが正規ユーザか否かを判定するユーザ認証処理が行われる(詳細は後述)。このユーザ認証処理は、画像入出力装置10を使用しようとしているユーザによって操作部26Bを介して認証情報(例えばユーザID及びパスワード)を入力させ、入力された認証情報が登録されている認証情報に一致しているか否かに基づいて正規ユーザか否かを判定するが、本実施形態では、上記の認証情報入力方法に代えて、ICカードによって認証情報を入力したり、指紋を認証情報として用いることも可能とされている。
すなわち、本実施形態に係る画像入出力装置10では、図1に破線で示す認証情報取得部28を本体制御部12に接続可能とされており、例えば個々のユーザがICカードを各々所持しており、ICカードによって認証情報が入力される場合には、認証情報取得部28としてのICカード読取装置が本体制御部12に接続される。この場合、操作部26Bを介して認証情報を入力する操作に代えて、所持しているICカードをICカード読取装置にかざす操作がユーザによって行われ、ICカード読取装置がICカードと所定の通信を行ってICカードに予め書き込まれている認証情報を取得することで認証情報の入力が成される。また、認証情報として指紋が用いられる場合には、認証情報取得部28としての指紋読取装置が本体制御部12に接続される。この場合、操作部26Bを介して認証情報を入力する操作に代えて、自身の指先を指紋読取装置に接触させる操作がユーザによって行われ、指紋読取装置によってユーザの指紋が読み取られることで認証情報としての指紋情報が入力される。なお、以下では説明を簡単にするために、ユーザ認証処理時に認証情報としてのユーザID及びパスワードがユーザにより操作部26Bを介して入力されるものとして説明する。
また本体制御部12のHDD18には、CPU14によって実行されるプログラムとして、画像入出力装置10の各部の動作を制御すると共に、画像入出力装置10を複合機として機能させる(複写機としての機能、プリンタとしての機能及びファクシミリ装置としての機能を各々実現する)ための本体制御プログラムがインストールされている。またHDD18には送信プログラムもインストールされている。この送信プログラムは、CPU14によって後述する画像送信処理を行うための画像送信プログラムと、CPU14によって後述する送信結果レポート出力処理を行うための送信結果レポート出力プログラムを含んで構成されており、請求項4に記載の画情報送信管理プログラムに対応している。本実施形態に係る画像入出力装置10はCPU14が送信プログラムを実行することで本発明に係る画情報送信装置として機能する。
また、HDD18には秘匿イメージテーブル(後述)が記憶されており、HDD18の記憶領域には共通領域及び親展ボックスが設けられている。親展ボックスは画像入出力装置10を使用する複数のユーザのうちの特定のユーザに対応する記憶領域であり、親展ボックスには、他の機器から受信した特定のユーザ宛の画像データや、特定のユーザが送信を指示した文書の画像データの送信結果レポートの情報(後述)が格納される。なお、HDD18の記憶領域には互いに異なるユーザに対応する複数の親展ボックスが設けられていてもよい。親展ボックスは請求項3に記載の個別領域に対応している。また、個々の親展ボックスにはパスワードが設定されているが、このパスワードはユーザ認証に用いるパスワードと同一でもよいし相違していてもよい。また共通領域は、画像入出力装置10を使用する複数のユーザのうち親展ボックスが設けられていない全てのユーザに共通に使用される記憶領域であり、親展ボックスと同様に、対応する各ユーザ宛の画像データや、対応する各ユーザが送信を指示した文書の画像データの送信結果レポートの情報(後述)が格納される。上記の共通領域は請求項3に記載の共通領域に対応している。
次に本発明の実施形態の作用の説明に先立ち、本発明の比較例を説明する。画像入出力装置10で文書の複写を行う場合(画像入出力装置10を複写機として機能させる場合)、ユーザは複写対象の文書(紙原稿)を画像読取部22にセットすると共に、操作パネル26を操作し、実行すべき処理として「複写」を選択し、更に複写部数や拡大縮小倍率、用紙サイズ、複写濃度等の処理条件を設定した後に、文書の複写開始を指示する。ユーザによって上記の操作が行われた場合、本体制御プログラムのうち複写処理を司るプログラムがCPU14によって実行され、画像読取部22にセットされた文書が画像読取部22によって読み取られ、当該読み取りによって得られた読取画像データに対し、設定された処理条件に応じた画像処理が本体制御部12で行われて印刷用画像データが生成され、生成された印刷用画像データに基づいて印刷処理部24で印刷処理が行われることで、複写対象の文書が複写される。
また、PC等のコンピュータに保持されている文書ファイルを画像入出力装置10で文書として印刷させる場合(画像入出力装置10をプリンタとして機能させる場合)、ユーザは、印刷対象の文書ファイルを取扱可能なアプリケーションがコンピュータ上で稼働しており、かつ前記アプリケーションが印刷対象の文書ファイルを開いている状態で、コンピュータの入力装置(例えばキーボードやマウス等)を操作し、印刷対象の文書ファイルの印刷における処理条件(印刷部数や用紙サイズ、拡大縮小率等)を設定して印刷の実行を指示する。ユーザによって上記の操作が行われた場合、印刷対象の文書ファイルのデータが前記アプリケーションによって画像入出力装置10へ送信されると共に、設定された印刷条件が画像入出力装置10へ通知される。そして画像入出力装置10では、印刷対象の文書ファイルのデータを受信すると、本体制御プログラムのうち印刷処理を司るプログラムがCPU14によって実行され、受信した印刷対象の文書ファイルのデータに対し、通知された処理条件に応じた画像処理が本体制御部12で行われて印刷用画像データが生成され、生成された印刷用画像データに基づいて印刷処理部24で印刷処理が行われることで、印刷対象の文書ファイルが文書として印刷される。
一方、本比較例に係る画像入出力装置10は、文書を画像データとして他の機器へ送信する機能を備え、当該機能を利用して画像データを送信する場合の送信方法として、画像データをファクシミリ通信によって送信する「FAX送信」と、画像データを電子メールに添付して送信する「メール送信」の2種類の送信方法が用意されている。
文書の画像データを「FAX送信」によって送信する場合(画像入出力装置10をファクシミリ装置として機能させる場合)、ユーザは送信対象の文書(紙原稿)を画像読取部22にセットすると共に、操作パネル26を操作し、実行すべき処理として「FAX送信」を選択し、送信先等の処理条件を設定した後に、処理開始を指示する。また、文書の画像データを「メール送信」によって送信する場合、ユーザは送信対象の文書(紙原稿)を画像読取部22にセットすると共に、操作パネル26を操作し、実行すべき処理として「メール送信」を選択し、送信先や電子メールに添付する画像データのフォーマット、電子メールを送信する際に適用する通信パラメータ(この通信パラメータには通信プロトコルも含まれる)等の処理条件を設定した後に、処理開始を指示する。なお、画像データのフォーマットとして、パスワードによって画像データにロックを掛けるフォーマットをユーザが設定(選択)した場合には、上記の処理条件の1つとしてパスワードも設定される。
上記のように「FAX送信」又は「メール送信」が指示された場合、通常は本体制御プログラムのうち該当する処理を司るプログラムがCPU14によって実行されるが、本比較例では、「FAX送信」又は「メール送信」が指示されると、送信プログラムのうちの画像送信プログラムがCPU14によって実行されることで、図2に示す画像送信処理が行われる。以下、この画像送信処理について説明する。
画像送信処理では、まずステップ50でユーザ認証処理を行う。このユーザ認証処理では、認証情報の入力を要請するメッセージを表示部26Aに表示させる。これにより「メール送信」又は「FAX送信」を所望しているユーザは、表示部26Aに表示されたメッセージに従い、自身のユーザID及びパスワードを操作部26Bを介して入力する。なおユーザIDについては、登録されているユーザIDを表示部26Aに一覧表示して選択させることで入力させるようにしてもよい。本比較例では、画像入出力装置10の使用が許可されている正規ユーザのユーザID及びパスワードがHDD18に予め登録されており、ユーザID及びパスワードが入力されると、入力されたユーザID及びパスワードをHDD18に登録されているユーザID及びパスワードと照合することで、画像入出力装置10を現在操作しているユーザが正規ユーザか否か判定する。
ユーザ認証処理で現在操作しているユーザが正規ユーザでないと判定した場合には、表示部26Aにエラーメッセージを表示して処理を中止する。また、現在操作しているユーザが正規ユーザであると判定した場合は、次のステップ52以降の処理を行う。なお、正規ユーザのユーザID及びパスワードは、通信回線を介して画像入出力装置10と接続されたサーバ・コンピュータ(認証サーバ)の記憶装置に登録しておくことも可能であり、この場合、入力されたユーザID及びパスワードを認証サーバへ転送することで認証サーバによってユーザ認証処理を行わせ、認証サーバによるユーザ認証処理の結果を取得するようにすればよい(所謂リモート認証)。
ステップ52では「FAX送信」又は「メール送信」を行わせるにあたってユーザ(送信指示者)が設定した処理条件を取得する送信設定取得処理を行う。これにより、上記の処理条件として「FAX送信」であれば送信先等が、「メール送信」であれば送信先や画像データのフォーマット、通信パラメータ等が取得される。またステップ54では、画像読取部22にセットされた送信対象の文書(紙原稿)を画像読取部22によって読み取らせ、当該読み取りに伴って画像読取部22から出力される読取画像データをメモリ16に一時記憶させる文書読取処理を行う。
次のステップ56では、送信結果レポートの出力モードの設定を参照し、送信結果レポートの出力が指示されているか否か判定する。送信結果レポートの出力モードとしては、送信結果レポートを常に出力する第1のモードと、送信に失敗したときにのみ送信結果レポートを出力する第2のモードと、送信結果レポートを常に出力しない第3のモードが用意されている。送信結果レポートの出力モードとして第3のモードが設定されていた場合はステップ56の判定が否定され、ステップ84で出力フラグに0がセットされる。次のステップ86では、画像データの送信方法として「FAX送信」が指定されている場合は読取画像データを送信用画像データとしてメモリ16に格納する一方、画像データの送信方法として「メール送信」が指定されている場合は読取画像データをユーザによって指定されたフォーマットへ変換し、フォーマット変換を経た読取画像データを送信用画像データとしてメモリ16に格納する処理を行った後にステップ88へ移行する。
また、送信結果レポートの出力モードとして第1のモード又は第2のモードが設定されていた場合は、ステップ56の判定が肯定されてステップ62へ移行し、出力フラグに1をセットすると共に秘匿フラグに0をセットする。ここで、「FAX送信」又は「メール送信」による送信対象として画像読取部22にセットされる文書が、送信を指示したユーザ(及び「FAX送信」又は「メール送信」によって送信された画像データを文書として受け取る送信先のユーザ)以外の第三者(画像入出力装置10を使用する他のユーザ)に文書の内容が漏洩することが望ましくない、秘匿性を有する文書である場合がある。この種の文書には、秘匿性を有する文書であることを明示する特定のイメージ(例えば「秘」や「社外秘」、"confidential"等の文字を含むマーク)が付加されていることが多い(本比較例では上記のようなイメージを「秘匿イメージ」と称する)。
このため本比較例では、送信対象の文書が秘匿性を有する文書か否かを判定するために、HDD18に記憶されている秘匿イメージテーブルに、各種の秘匿イメージを表す秘匿イメージデータが各々登録されており、次のステップ64では、文書読取処理によって得られた読取画像データに対し、秘匿イメージテーブルにデータが登録されている個々の秘匿イメージが存在しているか否かをパターンマッチングによって探索する。なお、文書中の秘匿イメージの位置やサイズは個々の文書毎に相違していることが多いため、ステップ64における秘匿イメージの探索は、秘匿イメージテーブルにデータが登録されている個々の秘匿イメージについて拡大縮小を各々行い、個々の秘匿イメージ毎に、複数種のサイズの秘匿イメージをテンプレートとして各々用いて複数回のパターンマッチングを行うことが望ましい。
また企業等の組織では、組織内で流通する文書のフォーマットがルール化され、文書に付加する秘匿イメージとして一定のイメージが用いられると共に、文書中の秘匿イメージの付加位置や秘匿イメージのサイズも予め定められていることが多く、このような組織で使用される画像入出力装置10には、秘匿イメージテーブルに多数種の秘匿イメージのデータを登録しておく必要はないが、秘匿イメージの付加位置や秘匿イメージのサイズについては、文書を複写した際の拡大縮小率の設定や複写位置のずれ等により、送信対象の文書に付加されている秘匿イメージの位置やサイズが所定の位置やサイズに対してずれている可能性があるので、上記と同様に、複数種のサイズの秘匿イメージを用いて複数回のパターンマッチングを行うことが望ましい。
次のステップ62では、ステップ56の探索によって読取画像データ中に秘匿イメージが発見されたか否か判定する。この判定が否定された場合はステップ66へ移行するが、ステップ62の判定が肯定された場合は、送信対象の文書に秘匿イメージが付加されているため、送信対象の文書は秘匿性を有する文書である可能性が高いと判断できるので、ステップ64で秘匿フラグに1をセットした後にステップ66へ移行する。
ステップ66ではユーザによって指定された画像データの送信方法が「メール送信」か否か判定する。画像データの送信方法として「FAX送信」が指定されている場合は上記判定が否定されてステップ82へ移行し、読取画像データを送信用画像データとしてメモリ16に格納する。
一方、画像データの送信方法として「メール送信」が指定されている場合は、ステップ66の判定が肯定されてステップ68へ移行し、先のステップ50で取得した処理条件からユーザによって設定された画像データのフォーマットを表す情報を抽出する。そして次のステップ70では、ステップ68で抽出した情報に基づき、ユーザが指定した画像データのフォーマットが情報の秘匿性を重視するフォーマットか否か判定する。なお、情報の秘匿性を重視するフォーマットとしては、例えばパスワード等によって画像データにロックを掛けるフォーマット(一例としてはパスワード付きのPDF(Portable Document Format)ファイル等)が挙げられるが、その他に画像データを暗号化するフォーマットであってもよい。また、ステップ68,70は本発明に係る判断手段に対応している。この判定が否定された場合はステップ74へ移行するが、ステップ70の判定が肯定された場合、送信対象の文書は秘匿性を有する文書である可能性が高いと判断できるので、ステップ72で秘匿フラグに1をセットした後にステップ74へ移行する。
そしてステップ74では、ステップ68で抽出した情報が表すフォーマット(ユーザによって指定されたフォーマット)へ読取画像データを変換する。なお、このステップ74は本発明に係る生成手段に対応している。
またステップ76では、先のステップ50で取得した処理条件から、ユーザによって設定された通信パラメータを表す情報を抽出する。次のステップ78では、ステップ76で抽出した情報のうち通信プロトコルを指定する情報に基づき、ユーザが指定した通信プロトコルが送受する情報の秘匿性を重視する通信プロトコルか否か判定する。なお、情報の秘匿性を重視する通信プロトコルとしては、情報を暗号化して送受するプロトコル(一例としては、電子メールの送受において添付ファイルを含む電子メールを暗号化するS/MIMEが挙げられる。
この判定が否定された場合はステップ82へ移行するが、ステップ78の判定が肯定された場合、送信対象の文書は秘匿性を有する文書である可能性が高いと判断できるので、ステップ80で秘匿フラグに1をセットした後にステップ82へ移行する。そしてステップ82では、先のステップ74におけるフォーマット変換を経た読取画像データを送信用画像データとしてメモリ16に格納し、ステップ88へ移行する。
ステップ88では、先のステップ82(又はステップ86)でメモリ16に格納した送信用画像データを送信可能な状態になったか否か判定する。例えば通信制御部20がビジー状態である等の場合には判定が否定され、ステップ88の判定が肯定される迄ステップ88を繰り返す。送信用画像データを送信可能な状態になると、ステップ88の判定が肯定されてステップ90へ移行し、ユーザによって指定された画像データの送信方法が「メール送信」か否か判定する。判定が肯定された場合はステップ92へ移行し、ユーザによって設定された送信先を宛先として設定した電子メールを作成し、メモリ16から送信用画像データを読み出し、読み出した送信用画像データを作成した電子メールに添付ファイルとして添付し、送信用画像データを添付した電子メールをユーザによって設定された通信パラメータ(通信プロトコル)に従いIPネットワークを通じて送信するメール送信処理を行う。なお、ここでは電子メールを例に説明したが、FTP(File Transfer Protocol)やSMB(Server Message Block)のように、電子メールと同様にIPネットワークを通じて送信する他のプロトコルであってもよい。また、ステップ90の判定が否定された場合はステップ94へ移行し、ユーザによって設定された送信先の相手機に対して公衆通信網を通じて発呼を行い、所定のコマンドの送受を経て画像データを送信可能な状態になると、メモリ16から送信用画像データを順次読み出し、公衆通信網を通じて相手機へ送信するFAX送信処理を行う。
ステップ92のメール送信処理又はステップ94のFAX送信処理が終了するとステップ96へ移行し、送信結果レポートの出力モードとして、送信に失敗したときにのみ送信結果レポートを出力する第2のモードが設定されているか否か判定する。判定が否定された場合はステップ104へ移行するが、判定が肯定された場合はステップ98へ移行し、ステップ92のメール送信処理又はステップ94のFAX送信処理で送信に失敗したか否か判定する。そして、判定が肯定された場合はステップ100で出力フラグに1をセットし、判定が否定された場合はステップ102で出力フラグに0をセットした後にステップ104へ移行する。
ステップ104では出力フラグに1がセットされているか否かを判定することで、送信結果レポートの出力を行うか否か判定する。この判定が否定された場合は何ら処理を行うことなく画像送信処理を終了する。また、ステップ104の判定が肯定された場合はステップ106へ移行し、メール送信処理又はFAX送信処理の送信結果(正常終了/失敗、失敗の場合はその理由も含む)と送信日時(メール送信処理又はFAX送信処理の実行日時や所要時間等)を取得し、取得した送信結果及び送信日時が送信結果レポートに文字として明示されるように、送信結果レポートを印刷出力するための送信結果レポート情報に設定する。またステップ108では、送信用画像データをメモリ16から読み込み、読み込んだ送信用画像データから送信対象文書の1頁分の画像データ(例えば送信対象文書の1頁目の画像データ)を抽出し、抽出した画像データを縮小する(画素を間引く)ことでサムネイル画像データを作成し、作成したサムネイル画像データを送信結果レポート情報に付加する。
次のステップ110では秘匿フラグに1がセットされているか否か判定する。判定が否定された場合は送信結果レポートの印刷出力を中止する必要が無いので、ステップ114で送信結果レポート情報を印刷処理部24へ出力することで、当該送信結果レポート情報が表す送信結果レポートを印刷処理部24によって印刷出力させ、画像送信処理を終了する。この場合、例として図3に示すように、送信対象文書のサムネイル画像が付加された送信結果レポートが印刷出力されるので、この送信結果レポートを参照したユーザが、何れの文書の送信結果レポートであるかを容易に判別することができる。なお、上記処理におけるステップ106,108,114は、実際に送信結果レポートの印刷出力を行う印刷処理部24と共に、本発明に係る出力手段に対応している。
一方、ステップ110の判定が肯定された場合(秘匿フラグに1がセットされている場合)にはステップ112へ移行し、送信対象文書の送信を指示したユーザが、HDD18の記憶領域に親展ボックスが設けられているユーザか否か判定する。判定が肯定された場合はステップ116へ移行し、送信対象文書の送信を指示したユーザに対応する親展ボックスに送信結果レポート情報を格納し、画像送信処理を終了する。また、ステップ112の判定が否定された場合はステップ118へ移行し、送信結果レポート情報を、ユーザ認証処理でユーザによって入力されたユーザID(又はパスワード)と対応付けて共通領域に格納し、画像送信処理を終了する。
このように、本比較例に係る画像送信処理では、秘匿フラグに1がセットされている場合、すなわち送信対象文書が秘匿性を有する文書と判断した場合に、送信結果レポートを印刷出力することなく、送信結果レポート情報を親展ボックス又は共通領域に格納するので、送信対象文書のサムネイル画像が付加された送信結果レポートが印刷出力されることで、送信対象文書の内容が送信を指示したユーザ以外の第三者へ漏洩することを防止することができる。
次に、親展ボックス又は共通領域に格納されている送信結果レポート情報を送信結果レポートとして印刷出力することがユーザによって指示された場合に、CPU14によって送信結果レポート出力プログラムが実行されることで実現される送信結果レポート出力処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
この送信結果レポート出力処理では、まずステップ130において、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザに対してユーザIDを入力させる操作を行わせることで前記ユーザを特定するユーザ特定処理を行う。なお、このユーザ特定処理に代えて前述のユーザ認証処理を行うようにしてもよい。次のステップ132では、ステップ130のユーザ特定処理によって特定したユーザが、HDD18の記憶領域に親展ボックスが設けられているユーザか否か判定する。判定が肯定された場合はステップ134へ移行し、例として図5(A)に示すようなメッセージを表示部26Aに表示させることで、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザに対し、対応する親展ボックスに設定されている認証情報(パスワード)の入力を要求する。また、ステップ132の判定が否定された場合はステップ136へ移行し、例として図5(B)に示すようなメッセージを表示部26Aに表示させることで、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザに対し、文書の送信を指示した際のユーザ認証処理で入力した認証情報(パスワード)を再度入力するよう要求する。
ステップ134又はステップ136の処理を行うとステップ138へ移行し、ユーザによって認証情報が入力されたか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ138を繰り返す。この間、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザは、対応する親展ボックスが設けられているユーザであれば、当該親展ボックスに設定されているパスワードを操作部26Bを介して入力し、対応する親展ボックスが設けられていないユーザであれば、文書の送信を指示した際のユーザ認証処理で入力したパスワードを操作部26Bを介して再度入力する。ユーザによって上記操作が行われてパスワードが入力されると、ステップ138の判定が肯定されてステップ140へ移行し、ユーザによって正しいパスワードが入力されたか否か判定する。判定が否定された場合はステップ142へ移行し、表示部26Aにエラーメッセージを表示する等のエラー処理を行って送信結果レポート出力処理を終了する。
また、正しいパスワードが入力された場合、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザは正規ユーザ(文書の送信を指示したユーザ)であると判断できるので、ステップ140の判定が肯定されてステップ144へ移行し、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザに対応する送信結果レポート情報を全て抽出する。なお、送信結果レポート情報の抽出は、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザが対応する親展ボックスが設けられているユーザであれば、当該親展ボックスに格納されている送信結果レポート情報を全て抽出することによって成され、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザが対応する親展ボックスが設けられていないユーザであれば、共通領域に格納されている送信結果レポートのうち前記ユーザのユーザIDと対応付けられている送信結果レポート情報を全て抽出することによって成される。
次のステップ146では、ステップ144で送信結果レポート情報が複数抽出されたか否か判定する。判定が否定された場合(送信結果レポート情報が1個のみ抽出された場合)にはステップ148へ移行し、抽出された送信結果レポート情報を印刷処理部24へ出力することで、当該送信結果レポート情報が表す送信結果レポートを印刷処理部24によって印刷出力させ、送信結果レポート出力処理を終了する。また、ステップ146の判定が肯定された場合(送信結果レポート情報が複数個抽出された場合)はステップ150へ移行し、抽出された個々の送信結果レポート情報から送信日時や送信先等の情報を抽出し、例として図5(C)に示すように、個々の送信結果レポート情報から抽出した送信日時や送信先等を表示部26Aに一覧表示させると共に、印刷出力対象の送信結果レポートの選択をユーザに要求する。
次のステップ152では、送信日時や送信先等を一覧表示させた複数の送信結果レポートの中から印刷出力対象の送信結果レポートが選択されたか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ152を繰り返す。複数の送信結果レポートの送信日時や送信先等が表示部26Aに一覧表示されると、ユーザは、表示されている送信日時や送信先等の情報に基づいて印刷出力を所望している送信結果レポートを認識し、認識した送信結果レポートを選択する操作を操作部26Bを介して行う。この操作が行われるとステップ152の判定が肯定されてステップ154へ移行し、ユーザによって選択された送信結果レポート情報を印刷処理部24へ出力することで、当該送信結果レポート情報が表す送信結果レポートを印刷処理部24によって印刷出力させ、送信結果レポート出力処理を終了する。
上述した送信結果レポート出力処理では、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザが正規ユーザ(文書の送信を指示したユーザ)であることを確認した後に、ステップ148,154で送信結果レポートの印刷出力を行っているので、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザ(文書の送信を指示したユーザ)が、印刷出力された送信結果レポートを排出トレイから直ちに取り出す等の操作を行うことで、印刷出力された送信結果レポート(に付加されているサムネイル画像)が第三者の目に触れることを防止することができ、送信対象文書の内容が送信を指示したユーザ以外の第三者へ漏洩することを防止することができる。
次に図6及び図7を参照し、本発明の実施形態に係る画像送信処理及び送信結果レポート出力処理について、先に説明した画像送信処理(図2)及び送信結果レポート出力処理(図4)と異なる部分についてのみ説明する。
図6に示す画像送信処理では、ステップ106,108で送信結果レポート情報を生成した後に、秘匿フラグに1がセットされていることでステップ110の判定が肯定された場合に、ステップ111において、送信対象文書(の送信結果レポート)に設定する認証情報(パスワード等)を生成する。なお、送信対象文書に設定する認証情報は、例えば乱数等を用いて生成することができるが、乱数等を用いて認証情報を生成する毎に、生成した認証情報が、送信結果レポートが未出力の他の文書に対して既に設定している認証情報と重複していないか否かをチェックするチェック処理を行い、このチェック処理で重複していないと判定される迄上記の認証情報の生成及びチェック処理を繰り返すことが望ましい。
ステップ111で送信対象文書(の送信結果レポート)に設定するとステップ112へ移行し、送信対象文書の送信を指示したユーザが、HDD18の記憶領域に親展ボックスが設けられているユーザか否か判定する。判定が肯定された場合はステップ117へ移行し、送信対象文書の送信を指示したユーザに対応する親展ボックスに、送信結果レポート情報及び先のステップ111で生成した認証情報を対応付けて格納する。また、ステップ112の判定が否定された場合はステップ119へ移行し、送信結果レポート情報及び先のステップ111で生成した認証情報を対応付けて共通領域に格納する。
そして、ステップ117又はステップ119の処理を行うとステップ120へ移行し、先のステップ111で生成した認証情報を送信対象文書(の送信結果レポート)に設定した認証情報として通知する電子メール(認証情報通知メール)を生成し、予めHDD18に登録されている個々の正規ユーザの電子メールアドレスのうち、送信対象文書の送信を指示したユーザの電子メールアドレスを送信先として、生成した認証情報通知メールを通信制御部20を介して暗号化して送信し、画像送信処理を終了する。なお、認証情報通知メールによって通知された認証情報が何れの送信対象文書(の送信結果レポート)に設定された認証情報であるかをユーザが容易に認識可能とするために、認証情報通知メールには、通知対象の認証情報以外に、送信日時や送信先等の情報も記述しておくことが望ましい。
送信対象文書の送信を指示したユーザが操作するPCで上記の認証情報通知メールが受信され、受信した認証情報通知メールの内容が前記ユーザによって参照されることで、送信対象文書(の送信結果レポート)に設定した認証情報が前記ユーザに伝達される。また、認証情報通知メールは暗号化されて送信されるので、悪意を持った第三者によって認証情報通知メールの伝送経路上のサーバ・コンピュータから認証情報通知メールのコピーが取得されたとしても、認証情報通知メールのコピーを取得した第三者に認証情報が認識されることを防止することができる。
なお、図6に示す画像送信処理におけるステップ111,112,117,119,120は、次に述べる送信結果レポート出力処理と共に本発明に係る制御手段に対応している。
次に、図7に示す送信結果レポート出力処理の他の例を説明する。図7に示す送信結果レポート出力処理では、まずステップ160において、先に説明した送信結果レポート出力処理(図4)のステップ130と同様のユーザ特定処理を行う。また、ステップ162では、例として図5(D)に示すようなメッセージを表示部26Aに表示させることで、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザに対し、印刷出力対象の送信結果レポートに設定されている認証情報(認証情報通知メールで通知した認証情報)の入力を要求する。次のステップ164ではユーザによって認証情報が入力されたか否か判定し、判定が肯定される迄ステップ164を繰り返す。
図5(D)に示すようなメッセージが表示部26Aに表示されると、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザは、印刷出力を所望している送信結果レポートに設定されている認証情報を操作部26Bを介して入力する。これにより、ステップ164の判定が肯定されてステップ166へ移行し、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザが、HDD18の記憶領域に親展ボックスが設けられているユーザか否か判定する。判定が肯定された場合はステップ168へ移行し、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザによって入力された認証情報と対応付けて記憶されている送信結果レポート情報を、前記ユーザに対応する親展ボックス内で探索する。また、ステップ166の判定が否定された場合はステップ170へ移行し、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザによって入力された認証情報と対応付けて記憶されている送信結果レポート情報を共通領域内で探索する。
ステップ172では、ステップ168又はステップ170の探索によって該当する送信結果レポート情報が抽出されたか否か判定する。判定が否定された場合はステップ174へ移行し、表示部26Aにエラーメッセージを表示する等のエラー処理を行って送信結果レポート出力処理を終了する。また、該当する送信結果レポート情報が抽出された場合には、ステップ172の判定が肯定されてステップ176へ移行し、抽出された送信結果レポート情報を印刷処理部24へ出力することで、当該送信結果レポート情報が表す送信結果レポートを印刷処理部24によって印刷出力させ、送信結果レポート出力処理を終了する。
このように、図7に示す送信結果レポート出力処理では、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザにより、文書の送信を指示したユーザしか知り得ない認証情報が入力されたことを契機として送信結果レポートの印刷出力を行っているので、送信結果レポートの印刷出力を指示したユーザ(文書の送信を指示したユーザ)が、印刷出力された送信結果レポートを排出トレイから直ちに取り出す等の操作を行うことで、印刷出力された送信結果レポート(に付加されているサムネイル画像)が第三者の目に触れることを防止することができ、送信対象文書の内容が送信を指示したユーザ以外の第三者へ漏洩することを防止することができる。
また、図6に示す画像送信処理及び図7に示す送信結果レポート出力処理では、個々の送信対象文書(の送信結果レポート)を単位として認証情報を設定し、設定した認証情報を、送信対象文書の送信を指示したユーザへ認証情報通知メールによって通知しているので、特定ユーザが送信を指示した文書の送信結果レポートが複数存在している場合にも、当該特定ユーザに通知された複数の認証情報のうち、印刷出力を所望している送信結果レポートに対応する認証情報を入力するのみで、印刷出力を所望している送信結果レポートを選択的に印刷出力させることができ、操作性を向上させることができる。
なお、上記では本発明に係る送信手段による画情報の送信方式として「FAX送信」及び「メール送信」を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、FTPによる送信等、他の送信方式によって画情報を送信する場合にも適用可能である。
また、上記では本発明に係る画情報送信装置として画像入出力装置10(複合機)を適用した例に説明したが、これに限定されるものではなく、本発明に係る画情報送信装置としてファクシミリ装置を適用してもよいし、スキャナ、コンピュータ及びプリンタから成り、スキャナが文書の読み取りを行い、コンピュータが画情報の送信を行い、プリンタが送信結果レポートの印刷出力を行う画情報送信システムを本発明に係る画情報送信装置として機能させることも可能である。
また、上記では送信結果レポートを印刷出力する態様を説明したが、本発明は送信結果レポートをディスプレイ等の表示手段に表示させる態様にも適用可能である。
更に、上記では親展ボックスが設けられているユーザから送信が指示された文書の送信結果レポート情報を親展ボックスに記憶させ、親展ボックスが設けられていないユーザから送信が指示された文書の送信結果レポート情報を共通領域に記憶させる態様を説明したが、これに限定されるものではなく、各ユーザから送信が指示された文書の送信結果レポートを全て同一の領域(例えば共通領域)に記憶させるようにしてもよいし、全てのユーザについて個別領域(例えば親展ボックス)が各々設けられている場合には、各ユーザから送信が指示された文書の送信結果レポートを各ユーザに対応する個別領域に分けて記憶させるようにしてもよい。
また、上記では本発明に係る画情報送信管理プログラム(送信プログラム)が本体制御部12のHDD18に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に係る画情報送信管理プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。