JP4692345B2 - レーザ加工装置およびレーザ加工方法 - Google Patents
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Description
請求項1に記載のレーザ加工装置は、筒状の被加工体に外周側からレーザ光を照射して孔を設けるとともに、被加工体の内周部に気体を注入して溶解物を被加工体の外部に除去するものである。そして、このレーザ加工装置は、被加工体の内周面と所定の隙間を形成するように被加工体の内周部に配置され、気体の軸方向への流れを妨げる遮蔽部材と、被加工体の内周部に挿入され、被加工体の部位の内でレーザ光が照射される部位の反対側の部位にレーザ光が到達するのを防止する貫通防止棒とを備える。また、遮蔽部材は、貫通防止棒と一体的に設けられ、貫通防止棒は、被加工体の内周部において遮蔽部材の軸方向一方側に配される。
これにより、孔に向かう気体の流れを、より高圧にすることができるので、孔を通じて溶解物を吹き飛ばす除去能力を向上することができる。さらに、遮蔽部材と被加工体の内周面との間に所定の隙間を設けることで、高圧の気体の溜まりを形成しながら、気体の一部を遮蔽部材の他端側に逃すことができる。このため、遮蔽部材を被加工体の内周部で自在に進退させることができるので、孔の近傍に遮蔽部材を移動させ、孔の近傍に局所的に気体の高圧溜まりを形成できる。
これにより、レーザ加工装置の部品点数を増やすことなく、溶解物の除去能力を向上することができる。
請求項2に記載のレーザ加工方法は、筒状の被加工体に外周側からレーザ光を照射して孔を設けるとともに、被加工体の内周部に気体を注入して溶解物を被加工体の外部に除去するものである。そして、このレーザ加工方法は、被加工体の内周面と所定の隙間を形成するように被加工体の内周部に配置され、気体の軸方向への流れを妨げる遮蔽部材と、被加工体の内周部に挿入され、被加工体の部位の内でレーザ光が照射される部位の反対側の部位にレーザ光が到達するのを防止する貫通防止棒とを利用する。また、遮蔽部材は、貫通防止棒と一体的に設けられ、貫通防止棒は、被加工体の内周部において遮蔽部材の軸方向一方側に配される。
そして、気体は、被加工体の内周部において遮蔽部材の軸方向一方側に注入され、遮蔽部材により遮蔽部材の軸方向他方側への流入を妨げられて、遮蔽部材の軸方向一方側に気体の高圧溜まりを形成する。そして、高圧溜まりを形成する気体を、孔を通じて被加工体の内周部から被加工体の外部に噴出させることで、溶解物を被加工体の外部に除去する。
請求項3に記載のレーザ加工方法によれば、レーザ光照射器または被加工体の少なくとも一方を移動させて軸方向に順次に孔を設け、レーザ光照射器の軸方向への移動速度に略一致する速度で、遮蔽部材を軸方向に移動させる。
請求項4に記載のレーザ加工方法によれば、被加工体の部位の内でレーザ光が照射される部位の反対側の部位にレーザ光が到達するのを防止する貫通防止棒を、被加工体の内周部に挿入し、レーザ光照射器の公転または被加工体の回転の少なくとも一方を行い、周方向に順次に孔を設け、レーザ光照射器の公転角速度または被加工体の回転角速度と異なる角速度で、貫通防止棒を回転させる。
これにより、貫通防止棒外周面の同一部位にレーザ光が繰り返し照射されるのを、防止することができる。なお、この効果は、周方向に順次に孔を設けると同時に軸方向にも順次に孔を設ける場合(つまり、螺旋状に順次に孔を設ける場合)にも大きい。
実施例1のレーザ加工装置1の構成を、図1を用いて説明する。
レーザ加工装置1は、レーザ光2を発するレーザ光照射器(図示せず)を備え、例えば図1(a)に示すように、筒状の被加工体3に外周側からレーザ光2を照射して孔4を設けるものである。そして、このレーザ加工装置1は、被加工体3の内周部に挿入され、被加工体3の部位の内でレーザ光が照射される部位(つまり、孔4が設けられる部位)の反対側の部位にレーザ光が到達するのを防止する貫通防止棒5を備える。
実施例1のレーザ加工装置1を用いたレーザ加工方法を説明する。
まず、レーザ加工装置1は、被加工体3を軸方向において進退させず回転させ、同時に、レーザ光照射器を軸方向一方側に移動させながら被加工体3に間欠的にレーザ光2を照射する。これにより、図1(b)に示すように、孔4が螺旋状に順次に設けられる。
つまり、このレーザ加工方法によれば、遮蔽部材6を被加工体3の内周部に配置し、気体の軸方向への流れを妨げた状態で、被加工体3に外周側からレーザ光2を照射する。
実施例1のレーザ加工装置1の作用を説明する。
被加工体3の内周部に注入された空気は、図1(a)に示すように、遮蔽部材6により軸方向他方側に向かう流れを妨げられ、遮蔽部材6の一端側で高圧の空気溜まり7になる。ここで、空気溜まり7をなす空気の一部は、隙間8を通じて遮蔽部材6の他端側に逃れることができるので、貫通防止棒5および遮蔽部材6は軸方向一方側に円滑に移動し、これに伴い、空気溜まり7も軸方向一方側に移動する。
実施例1のレーザ加工装置1は、被加工体3の内周面と所定の隙間8を形成するように被加工体3の内周部に配置され、溶解物を除去するために注入される空気の軸方向他方側に向かう流れを妨げる遮蔽部材6を備える。
これにより、レーザ加工装置1の部品点数を増やすことなく、溶解物の除去能力を向上することができる。
これにより、新規に孔4を設ける度に、この新規に設けられた孔4の近傍に空気溜まり7を形成できる。このため、孔開け加工と並行して溶解物の除去を進めることができる。
これにより、貫通防止棒5の外周面の同一部位にレーザ光2が繰り返し照射されるのを、防止することができる。
実施例1のレーザ加工方法は、被加工体3を軸方向において進退させず回転させ、同時に、レーザ光照射器を軸方向一方側に移動させながら被加工体3に間欠的にレーザ光2を照射することで螺旋状に孔4を設けるものであったが、このような態様に限定されず種々の態様を考えることができる。
2 レーザ光
3 被加工体
4 孔
5 貫通防止棒
6 遮蔽部材
7 空気溜まり(高圧溜まり)
8 隙間
Claims (4)
- 筒状の被加工体に外周側からレーザ光を照射して孔を設けるとともに、前記被加工体の内周部に気体を注入して溶解物を前記被加工体の外部に除去するレーザ加工装置において、
前記被加工体の内周面と所定の隙間を形成するように前記被加工体の内周部に配置され、前記気体の軸方向への流れを妨げる遮蔽部材と、
前記被加工体の内周部に挿入され、前記被加工体の部位の内でレーザ光が照射される部位の反対側の部位にレーザ光が到達するのを防止する貫通防止棒とを備え、
前記遮蔽部材は、前記貫通防止棒と一体的に設けられ、
前記貫通防止棒は、前記被加工体の内周部において前記遮蔽部材の軸方向一方側に配され、
前記気体は、前記被加工体の内周部において前記遮蔽部材の軸方向一方側に注入され、前記遮蔽部材により前記遮蔽部材の軸方向他方側への流入を妨げられて、前記遮蔽部材の軸方向一方側に前記気体の高圧溜まりを形成し、
前記高圧溜まりを形成する前記気体が前記孔を通じて前記被加工体の内周部から前記被加工体の外部に噴出することで前記溶解物が前記被加工体の外部に除去されることを特徴とするレーザ加工装置。 - 筒状の被加工体に外周側からレーザ光を照射して孔を設けるとともに、前記被加工体の内周部に気体を注入して溶解物を前記被加工体の外部に除去するレーザ加工方法において、
前記被加工体の内周面と所定の隙間を形成するように前記被加工体の内周部に配置され、前記気体の軸方向への流れを妨げる遮蔽部材と、
前記被加工体の内周部に挿入され、前記被加工体の部位の内でレーザ光が照射される部位の反対側の部位にレーザ光が到達するのを防止する貫通防止棒とを利用し、
前記遮蔽部材は、前記貫通防止棒と一体的に設けられ、
前記貫通防止棒は、前記被加工体の内周部において前記遮蔽部材の軸方向一方側に配され、
前記気体は、前記被加工体の内周部において前記遮蔽部材の軸方向一方側に注入され、前記遮蔽部材により前記遮蔽部材の軸方向他方側への流入を妨げられて、前記遮蔽部材の軸方向一方側に前記気体の高圧溜まりを形成し、
前記高圧溜まりを形成する前記気体を、前記孔を通じて前記被加工体の内周部から前記被加工体の外部に噴出させることで、前記溶解物を前記被加工体の外部に除去することを特徴とするレーザ加工方法。 - 請求項2に記載のレーザ加工方法において、
レーザ光照射器または前記被加工体の少なくとも一方を移動させて軸方向に順次に孔を設け、
前記レーザ光照射器の軸方向への移動速度に略一致する速度で、前記遮蔽部材を軸方向に移動させることを特徴とするレーザ加工方法。 - 請求項2または請求項3に記載のレーザ加工方法において、
前記被加工体の部位の内でレーザ光が照射される部位の反対側の部位にレーザ光が到達するのを防止する貫通防止棒を、前記被加工体の内周部に挿入し、
レーザ光照射器の公転または前記被加工体の回転の少なくとも一方を行い、周方向に順次に孔を設け、
前記レーザ光照射器の公転角速度または前記被加工体の回転角速度と異なる角速度で、前記貫通防止棒を回転させることを特徴とするレーザ加工方法。
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