JP4691712B2 - 飛行時間質量分析計 - Google Patents

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Description

本発明は粒子やイオンの質量を分析する質量分析計に関し、詳しくは飛行時間質量分析計に関する。
従来、飛行時間質量分析計では、イオンを加速部において電場で加速し、その後一定の距離を飛行させて検出器に到達させるまでの飛行時間を計測している。飛行時間は質量と電荷の比に比例するので、飛行時間の計測から質量を求めることができる。なお、加速部から検出器に至る経路の途中に、電場レンズや反射電場(リフレクタ)などを配置する場合もある。
従来の飛行時間質量分析計で使用されるイオンの加速部は、平板あるいはメッシュ構造を有する平板構造の押し出し電極と、中心に穴の開いた平板あるいはメッシュ構造を有する平板構造の引き出し電極から構成される。これら電極を平行に設置した構造をもつ。また、これら電極のほかに複数の電極を設置する場合もある。これら電極に異なる電位を与え、電極間に発生する電場によってイオンを加速するものである(例えば、特許文献1参照)。
図2および3は、従来の飛行時間質量分析計を断面により示した概念図である。図2は線形型(2段式加速部、レンズ系と検出器からなる場合)の飛行時間質量分析計の概念図であり、図3はリフレクタ型(1段式加速部、レンズ系と検出器からなる場合)の飛行時間質量分析計の概念図である。説明を簡単にするため、引き出し電極の電位をゼロすなわち接地電位とし、押し出し電極に所定の電圧を加えるものとする場合について、従来の飛行時間質量分析計の構造および作用を説明する。なお、図2および3において、11は導入される中性粒子またはイオン、12押し出し電極、13は中間電極、14はグランド電極、15はレンズ系、16は検出器、17は引き出し電極、18はリフレクタである。
分析対象が中性粒子の場合、押し出し電極12に与える電圧は定常電圧でよい。図3の場合、押し出し電極12と引き出し電極17間の所定の位置(加速開始位置)で中性粒子をレーザパルスでイオン化する方法がとられる。中性粒子はイオンになった瞬間から押し出し電極12と引き出し電極17間の電場で加速される。
分析対象がイオンである場合、はじめ押し出し電極12の電圧はゼロにしておく。イオンが上述した加速開始位置に到達した瞬間に、押し出し電極12に所定の電圧をステップ状に与える。図3の場合、押し出し電極12に電圧が与えられた瞬間からイオンは押し出し電極12と引き出し電極17間の電場で加速される。
以下に、説明を簡易にするために、加速部の外部から導入する中性粒子をレーザでイオン化して1価の正イオンとした場合で説明する。
加速開始位置は現実には点でなく有限の大きさを持つので、イオンの飛行距離やイオンが電場で加速されて得る運動エネルギーは分布を持つ。これを補正して高い質量分解能を得るために、ワイリー−マクラーレン(Wiley-McLaren)方式の2段加速部や反射電場(リフレクタ)などを用いる。
イオンを加速部においてその導入方向と垂直に加速する手法がよく使用される。イオンは導入エネルギーを持っているので、イオンの軌道を制御して検出器に導くために、加速部の後段にレンズ系15が必要である。レンズ系15として、従来、XY偏向レンズ、アインツエルレンズや四重極レンズが用いられている。これらレンズに所定の電圧を加えることで電場を発生させ、イオン軌道の制御が行われている。また、現実には導入エネルギーには分布があるので、優れたイオンレンズ系を用いる必要がある。
また、特許文献2(特開2000−36282号公報)には、押し出し側電極が、2次曲面或いは3次曲面であり、引き出し側電極が孔或いはピンホールをもち、加速部内に広がったイオンを孔或いはピンホールに収束させるような電界を形成する技術が開示されている。しかしながらこの技術は、ピンホール以後のイオン軌跡が広がるため、検出器に到達させるためにはレンズ系を必要とする。また、同公報に記載された技術はイオン強度の増大で検出感度を向上させること、及び、ノイズの低減を目的としたものであり、導入エネルギーによる軌道変化を補正することや、分析器として重要な時間収束性(質量分解能)の改善について検討されていない。
また、特許文献3(特開昭61−140047号公報)には、熱陰極、陽極およびイオン引き出し電極の3極構造を有する電子衝撃型イオン源において、陽極を半球状に形成せしめるとともに、半球状陽極の解放端縁側に金属格子または金網などを接合して一体構造にした閉塞状の半球状陽極と、この陽極の半球側の外周に配置した熱陰極と、この陽極の断面側にイオン引き出し電極を配置したものが開示されている。
また、特許文献4(特開平4−212254号公報)には、4重極質量分析器用イオン源を用い、球形の面を有する第1引き出し電極、比較的大きな幅の中央オリフィスを有する円板形の第2の同軸電極および比較的小さな中央オリフィスを有する円板型の第3の電極からなり、第1電極と第2電極の間に半球状の等電位面を形成するように調節されているものが開示されている。また、この技術は同公報に記載されているように、イオン源に導入された非対称性のイオンビームを小さな円形オリフィスを通過しうるビームに変換するような電場形状であり、これによりイオン源全体に広がる大きなイオン化容積を利用して感度を向上させることを特徴としている。そのため、イオン源全体に広がるイオンを効率よくビームとして引き出すように最適な電極形状と電場形状が決定されることとなる。
また、特許文献5(米国特許第3678267号明細書)には、Ion source comprising a concave shaped repeller(凹形形状の押し出し電極を有するイオン源)として電子ビームによりイオン化されたガスイオンを効率よく引き出すためのイオン源に関する技術が開示されている。このイオンは引き出し電極と内面が凹形状の押し出し電極の間の引き出しギャップ(イオン化空間)で生成される。これらイオンは、加速電極により生成される電場により引き出し電極を通過し引き出される。押し出し電極の凹形形状は、半球面形状、円柱形状などであり、加速電位に関係なくイオンを効率よく引き出すことができるようなイオン化空間の電位を生成する。すなわち、内面が凹形形状の押し出し電極、引き出し電極、加速電極の3つの電極を有し、イオンを効率よく引き出すことができる電場を特徴とする。
特開2003−346704号公報 特開2000−36282号公報 特開昭61−140047号公報 特開平4−212254号公報 米国特許第3678267号明細書
従来の飛行時間質量分析計で、イオンの加速開始位置の分布を補正して高い質量分解能を得るため、Wiley-McLaren方式の2段加速部や反射電場(リフレクタ)を用い、Wiley-McLaren方式の2段加速部は、3つ以上の電極から構成され、これら電極には異なる電圧を与える必要がある。また、従来の飛行時間質量分析計においては、イオンをその導入方向と垂直に加速する方式であり、そのため加速部の後段にイオンの軌道を制御するレンズ系が必要である。
更に、従来の方式では、このようなレンズ系は複数の電極から構成され、これら電極には異なる電圧を与える必要がある。分析計の簡素化(低価格化)や小型化のためには、高性能特性を有したままで加速部やレンズ系を簡素化する新方式が望まれていた。
したがって本発明は飛行時間質量分析計において加速部を簡素化し、且つレンズ系を用いることなく、正確な質量分析を行うことができるようにすることを主たる目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、曲面形状の押し出し電極、中心に穴の開いた平板あるいはメッシュ構造を有する平板構造の引き出し電極の2つの電極のみで、(1)高分解能を得るための従来のWiley-McLaren方式の2段加速部と同等の効果を実現しうること、また、(2)イオンを加速し、ついでその軌道を制御する従来の加速部とイオンレンズ系の双方の効果を実現しうることを見出した。本発明はこの知見に基づきなすに至ったものである。
すなわち、本発明に係る飛行時間質量分析計は、加速部が押し出し電極と、穴の開いた引き出し電極とからなり、該加速部によって、z軸上の加速開始位置に導入されたイオンをz軸方向に加速して検出器に到達させてなる飛行時間質量分析計において、前記押し出し電極の引き出し電極側の内面が曲面形状であって、前記加速部は、イオンの加速開始位置のずれに伴う飛行時間の分布を収束させてスペースフォーカス位置に配置した検出器に加速開始位置の異なるイオンを同時に到達させるとともに、イオンが前記加速開始位置に導入されたときのイオンのz軸と直交する方向の導入エネルギーの分布を補正して、前記内面の曲面形状を反映した電場の勾配と方向の分布により軌道を修正して引き出し電極以降の軌道がz軸に平行となるように軌道制御を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る他の飛行時間質量分析計は、前記飛行時間質量分析計において、前記押し出し電極の曲面形状は、略放物面形状、略二葉双曲面形状、略半球面形状等に形成することを特徴とする。
また、本発明に係る他の飛行時間質量分析計は、加速部が押し出し電極と、穴の開いた引き出し電極とからなり、該加速部によって、z軸上の加速開始位置に導入されたイオンをz軸方向に加速して検出器に到達させてなる飛行時間質量分析計において、前記押し出し電極が複数の電極で構成され、該押し出し電極近傍での等電位面が曲面形状であって、前記加速部は、イオンの加速開始位置のずれに伴う飛行時間の分布を収束させてスペースフォーカス位置に配置した検出器に加速開始位置の異なるイオンを同時に到達させるとともに、イオンが前記加速開始位置に導入されたときのイオンのz軸と直交する方向の導入エネルギーの分布を補正して、前記等電位面の曲面形状を反映した電場の勾配と方向の分布により軌道を修正して引き出し電極以降の軌道がz軸に平行となるように軌道制御を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る他の飛行時間質量分析計は、前記飛行時間質量分析計において、前記押し出し電極の等電位面の曲面形状は、略放物面形状、略二葉双曲面形状、略半球面形状等に形成することを特徴とする。
また、本発明に係る他の飛行時間質量分析計は、前記飛行時間質量分析計において、前記穴の開いた引き出し電極は、中心に円形、楕円形或いは長円形、長方形等の多角形の穴の開いた平板であることを特徴とする。
また、本発明に係る他の飛行時間質量分析計は、前記飛行時間質量分析計において、前記穴の開いた引き出し電極は、メッシュ構造であることを特徴とする。
また、本発明に係る他の飛行時間質量分析計は、前記飛行時間質量分析計において、前記引き出し電極を複数設けることを特徴とする。
また、本発明に係る他の飛行時間質量分析計は、前記飛行時間質量分析計において、前記押し出し電極における引き出し電極配置側と反対側の中心部に開口を形成するとともに、該開口に対向して試料保持基を配置し、前記試料保持基に保持した粒子をレーザー照射によりイオン化して放出することを特徴とする。
また、本発明に係る他の飛行時間質量分析計は、前記飛行時間質量分析計において、前記引き出し電極から放出されるイオンを、リフレクタにより反射して検出器へ導くことを特徴とする。
また、本発明に係る他の飛行時間質量分析計は、前記飛行時間質量分析計において、前記複数の電極で構成される押し出し電極に導入する中性粒子またはイオンは、分離された電極間の間隙から該押し出し電極に導入することを特徴とする。
本発明は上記のように構成したものであり、前記特許文献2の技術においては、同公報に記載されているように、引き出し側電極は、孔あるいはピンホールであり、メッシュを用いることは不都合であるとし、さらに、引き出し側電極の孔は小さくしたほうがよいとし、また、孔をさらに小さくし、ピンホール孔としたほうがよいとしているのに対し本発明は、引き出し側電極はメッシュあるいは長軸の穴を持つ形状が望ましい形状となる。さらに、同公報に記載された技術は、ピンホール以後のイオンの軌道が広がるので、イオンビームを検出器に収束させるためにはレンズが必要であるのに対して本発明では、レンズを必要としない。このような点で特許文献2の技術では、本発明の作用をなしえない。
また、前記特許文献3の技術においては、陽極の形状の一部は半球状であって本発明に類似している部分も存在するが、この技術では陽極の解放端縁側にも金属格子または金網などを接合しており、陽極は閉塞状となっており、この閉塞内部の電場は一定である。これに対して本発明の押し出し電極は、曲面状陽極の解放端縁側はそのまま解放されており、押し出し電極に囲まれた空間内の電場は一定でなく曲面に近似できるような等電位面を形成する。したがって本発明とは、空間電場の形状は大きく異なり、イオンに与える作用も全く異なる技術であり、本発明の作用はなしえない。
また、前記特許文献4の技術においては、同公報に記載しているとおり、イオン源に導入された非対称性のイオンビームを小さな円形オリフィスを通過しうるビームに変換するような電場形状であり、これによりイオン源全体に広がる大きなイオン化容積を利用して感度を向上させることを特徴としている。故に、イオン源全体に広がるイオンを効率よくビームとして引き出すように最適な電極形状と電場形状が決定される必要がある。また、4重極質量分析器用イオン源を用いることを意図しており、飛行時間質量分析器用のイオン源あるいは加速部に使用されるものではない。したがって特許文献4の技術も本発明の作用をなしえない。
また、前記特許文献5の技術は、イオン化空間内に大きく広がったイオンを効率よく利用するための技術であり、これらイオンを効率よく利用できるような電場を形成するように、電極形状や電極間位置、与える電位が調整される。イオン源内に大きく広がったイオンを利用して質量分析を行うと質量分解能が低下するので、本発明では、z軸上のある点近傍に存在するイオンのみを利用し、イオン源内に大きく広がったイオンは利用しない点で大きく異なる。また、本発明では、z軸上のある点近傍からスタートするイオンについて、導入エネルギーを持つイオンの軌道をz軸に平行にし、かつ、スタート位置の分布を補正して時間収束させて質量分解能を向上させるような電界を形成することを特徴とする。この目的のため最善となる電場を形成するように、電極形状や電極間位置が調整される。すなわち前記従来技術と本発明とでは電極形状は一見類似しているが、対象とするイオンと目的とする効果が大きく異なり、同様に、最適な電極形状や電極配置は従来技術と本発明とでは大きく異なり、特許文献5の技術も本発明の作用をなしえない。
本発明は上記のように構成したので、押し出し電極、および引き出し電極のみで、従来の加速部とイオンレンズ系の双方の効果を実現することができた。
本発明の飛行時間質量分析計における加速部の第一実施例を示す説明図である。 従来の線形型飛行時間質量分析計の一例を示す概念図である。 従来のリフレクタ型飛行時間質量分析計の一例を示す概念図である。 従来の1段加速部を有する飛行時間質量分析計の概念図である。 電位分布とともに示したWiley−McLaren方式の2段式加速部を持つ飛行時間質量分析計の概念図である。 電位分布とともに示した本発明の飛行時間質量分析計の概念図である。 押し出し電極の内面の形状を放物面形状とした場合について、装置寸法及び電圧を示した図である。 同図において装置寸法及び電圧を規格化して示した図である。 同図に示した具体的実例のシミレーション結果を示すグラフである。 本発明において加速電極を放物面とした飛行時間質量分析計の、加速部の電場およびイオン軌道の計算結果の一例を示す説明図である。 本発明において加速電極を二葉双曲面形状とした飛行時間質量分析計の、加速部の電場およびイオン軌道の例を示す説明図である。 本発明において加速電極を半球面形状とした飛行時間質量分析計の、加速部の電場およびイオン軌道の例を示す説明図である。 本発明において加速電極を放物面とした飛行時間質量分析計の、加速部の電場およびイオン軌道の計算結果の別の例を示す説明図である。 本発明の1段加速による線形型飛行時間質量分析計の一例を示す概念図である。 本発明の2段加速による線形型飛行時間質量分析計の一例を示す概念図である。 本発明のリフレクタ型飛行時間質量分析計の一例を示す概念図である。 本発明における加速電極の中心部に開口を形成し、その裏側に試料粒子を保持した保持基を設け、イオン化して放出する例を示す図である。 本発明の飛行時間質量分析計における加速部の別の実施例を示す説明図である。 本発明の飛行時間質量分析計の加速部の電場およびイオン軌道の計算結果の一例を示す図である。 従来の飛行時間質量分析計の加速部の電場およびイオン軌道の計算結果の例を示す説明図である。 本発明による作動、及び効果を確認するため、全長約50cmの質量分析器を試作し、金属クラスタービームの分析実験を行った結果を示す図である。
符号の説明
1 中性粒子もしくはイオン
2 押し出し電極
2a 内面
2b 前端部
2c 中空円盤状電極
3 引き出し電極
4 メッシュ構造
5 導入路
6 加速開始位置
7 電源
8 等電位面
9 中性粒子もしくはイオンの導入
11 導入される中性粒子またはイオン
12 押し出し電極
13 中間電極
14 グランド電極
15 レンズ系
16 検出器
17 引き出し電極
18 リフレクタ
19,20 イオン
21 導入エネルギー0eVをもつイオンの軌道曲線
22 導入エネルギー10eVをもつイオンの軌道曲線
23 導入エネルギー20eVをもつイオンの軌道曲線
24 導入エネルギー30eVをもつイオンの軌道曲線
25 導入エネルギー40eVをもつイオンの軌道曲線
26 導入エネルギー50eVをもつイオンの軌道曲線
27 導入エネルギー100eVをもつイオンの軌道曲線
28 導入エネルギー150eVをもつイオンの軌道曲線
29 導入エネルギー200eVをもつイオンの軌道曲線
31 二段式四重極レンズ
本発明は、押し出し電極、および引き出し電極のみで、従来の加速部とイオンレンズ系の双方の機能を実現するという課題を、加速部が押し出し電極と、穴の開いた引き出し電極とからなり、前記押し出し電極の引き出し電極側の内面が曲面形状であって、前記加速部は、イオンの加速開始位置のずれに伴う飛行時間の分布を収束させるとともに、イオンの導入エネルギーの分布を補正して軌道制御を行うことによって実現した。
以下に、本発明の実施例について図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、説明を簡易にするために、加速部の外部から導入する中性粒子をレーザでイオン化して1価の正イオンとする場合で説明するが、導入するのはイオンであってもよい。
図1は本発明の飛行時間質量分析計における加速部の一例を示す説明図である。ここでは測定対象とする中性粒子1を導入する方向をX軸にとり、これを加速開始位置6でレーザでイオン化し、縦断面図で示した押し出し電極2でイオン1をX軸と垂直のZ軸方向に加速するものとする。Y軸は、X軸とZ軸の双方に垂直な方向とする。引き出し電極3は、好ましくは中心に穴の開いた平板あるいはメッシュ構造を有する平板構造である。図1では、メッシュ構造4を有する平行平板を示している。前記穴の開いた引き出し電極は、中心に円形、楕円形或いは長円形、長方形等の多角形の穴の開いた平板とすることができ、前記楕円形或いは長円形、長方形の穴はX軸方向に長軸とする。
押し出し電極の形状のうち、引き出し電極側に面した部分の内面2aは曲面形状をなし、図1にはz=A(x+y)を満たす放物面形状のものを示している。なお、ここでAは任意のパラメタである。本発明においてAは、押し出し電極の全端部2bの内径が、検出器の検出面の直径や長さと同程度の寸法になるようなものであることが好ましい。また、押し出し電極の形状のうち、引き出し電極側に面しない部分の形状は任意の形状でよく、図1では円柱状をしている。なお、押し出し電極の前記曲面形状は、前記略放物面形状のものの他、例えば図11に示すような略二葉双曲面形状、また図12に示すような略半球面形状等に形成しても同様の効果が得られることを確認した。
測定対象とする中性粒子1は、外部から導入するので、これに必要な導入路5を設けてある。導入路5から中性粒子1を加速開始位置6に導入する。
飛行時間質量分析法で質量分解能が低下する原因の一つは、イオンの出発位置(加速開始位置)の分布である。例えば、レーザイオン化の場合はレーザの集光径が有限であることから、イオンの出発位置(加速開始位置)が分布する。イオンの出発位置(加速開始位置)が分布すると、イオンが電場から得るエネルギーが分布して飛行速度が分布する。故に、飛行時間から質量を求める飛行時間質量分析では、イオンの出発位置(加速開始位置)の分布は質量分解能の低下の一原因となる。しかし、この出発位置(加速開始位置)の分布を補正して、質量分解能を向上させる手法がある。
図4は、1段式加速部を有する飛行時間質量分析計の概略図を示すものである。加速電極は、電位V1の押し出し電極と接地電位のグランド電極から構成される。図4に示すように、同じ質量で同じ電荷を持つイオンであるが、引き出し電極に遠い位置から出発するイオン19(黒丸)と引き出し電極に近い位置から出発するイオン20(白丸)を考える。イオン19(黒丸)に比べ、イオン20(白丸)が電場から得るエネルギーは少ない。故に、イオン19(黒丸)に比べ、イオン20(白丸)は加速後の速度が遅くなる。しかし、イオン19(黒丸)に比べ、イオン20(白丸)は引き出し電極に近い位置から出発するので、引き出し電極を早い時間に通過する。故に、引き出し電極を通過した後に、イオン19(黒丸)がイオン20(白丸)に追いつき、追い抜かす位置が存在する。この位置はスペースフォーカスと呼ばれる。このスペースフォーカス位置に検出器を配置することで、加速開始位置が異なることを補正して、質量分解能を低下させることなくイオンの質量を正しく計測することができる。
しかし、図4に示した1段式加速部を有する飛行時間質量分析計の場合、イオンの加速開始位置の分布の中心から引き出し電極までの距離をLとすると、スペースフォーカス位置は、引き出し電極からLSF=2Lの位置にある。飛行時間の違いから質量を計測する飛行時間質量分析器では、ある程度の長い飛行距離が必要であり、2Lの位置に検出器を配置した場合では飛行距離が短すぎてイオンの質量を正しく計測することができない。これを克服する手段がWiley-McLaren方式の2段式加速部である。
図5は従来のWiley-McLaren方式の2段式加速部を有する飛行時間質量分析計の概略図を示すものである。また、概略図の図5(a)−(d)の下方に、図5(e)として図5(a)−(d)に対応して中心軸上(z軸)の電位分布を表すグラフを併せて示している。加速電極は、電位V1の押し出し電極12、電位V2の中間電極13および接地電位のグランド電極14から構成される。質量と電荷は同じであるが加速開始位置が異なる2つのイオン19,20を黒丸と白丸でそれぞれ示した。また、イオンの飛行過程を加速開始位置(a)から検出器(d)まで(a)−(d)に順に示した。加速電極の配置間隔、V1とV2電位を適宜選択することで、スペースフォーカス位置を十分遠方にすることができ、イオンを質量分離に必要な飛行距離だけ飛行させることができる。十分遠方のスペースフォーカス位置に検出器を配置することで、異なる質量のイオンの飛行時間差を大きくし、かつ、同じ質量と電荷でありながら加速開始位置の異なるイオンを検出器に同時に到達させることができる。このようにして高い質量分解能を得ることができるので、Wiley-McLaren方式の2段加速部は、質量分析器の加速部としてよく使用されている。
これに対し、図6(a)、(b)は、本発明の図1に示した実施態様の説明図であり、電位V1の押し出し電極2および引き出し電極3からなる加速部と検出器16を備えた飛行時間質量分析器の概念図であって、図6(b)として、下方に図6(a)に対応して加速電極内のZ軸上における電位分布を併せて示したものである。この電位分布は、図5(e)で示したWiley-McLaren方式の2段式加速部に近似した分布であり、加速開始位置の分布の中心と検出器位置を選ぶことで、加速開始位置が異なるイオンを同時に検出器に到達させることができる。また、この電極分布から、スペースフォーカス位置が十分遠方にあることがわかる。押し出し電極の形状、押し出し電極と引き出し電極の配置間隔、および加速開始位置の分布の中心を適宜選択することで、スペースフォーカス位置を遠方にすることができる。
図7は、押し出し電極の内面の形状を放物面形状とした場合について、装置寸法および電圧を示した図であり、図8は、装置寸法および電圧を規格化して表現した図である。スペースフォーカス位置は、図8における押し出し電極と引き出し電極の配置間隔g、押し出し電極の解放端の半径r、加速開始位置sに依存して決まる。
図9は、図8に示した場合で、シミュレーションによって得られた、g=0.2、r=0.8とした場合についての加速開始位置sとスペースフォーカス位置dSFの関係を示したものである。加速開始位置sを0.2とすれば、スペースフォーカス位置dSFは19となる。図7で示した実際の装置で、例えば、La=25mm、Lr=20mm、Lg=5mmの大きさの電極を考えれば、スペースフォーカス位置は475mmとなる。このように、Wiley-McLaren方式の2段式加速部と同様にスペースフォーカス位置を十分遠方にできる。検出器を位置Ld=475mmに配置すれば、異なる質量のイオンの飛行時間差を大きくし、かつ、同じ質量と電荷でありながら加速開始位置の異なるイオンを検出器に同時に到達させることができる。このようにして高い質量分解能を得ることができる。
同様にして、図11に示す双曲面形状や、図12に示す球面形状の場合でもスペースフォーカス位置を十分遠方にできる。
図10は本発明による飛行時間質量分析計の加速部の電場およびイオン軌道の計算結果の一例を示す図である。図10では、押し出し電極2の電位1,048Vの場合の電場の計算結果を示している。ここでは、押し出し電極2の内面2aが放物面形状なので、これを反映して電場勾配とその方向に位置分布が発生する。なお、図10中、8は電場の等電位線を示す。イオンの加速開始位置6の電位は1,000Vである。ここから一価のイオンを電場で加速したものである。また、引き出し電極3の電位は0Vである。
図10には、導入エネルギー0〜50eVをもつイオンについての軌道曲線も示した。21は0eVの軌道、22は10eVの軌道、23は20eVの軌道、24は30eVの軌道、25は40eVの軌道、26は50eVの軌道を示す。イオンは電場によって加速されるだけでなく、電場の勾配と方向の分布により軌道も修正される。導入エネルギーがゼロのイオンは、加速開始位置6から引き出し電極3に至るまでz軸方向にのみ加速され、軌道もz軸に沿って進行する。
導入エネルギーがゼロでないイオンは、加速開始位置6ではz軸方向に加速される。しかし、はじめの軌道は図10中右下方向に進行する。その後、これらイオンは引き出し電極3に至るまで図10中右上方向に加速され続け、これにより引き出し電極以降の軌道がz軸にほぼ平行になるように制御される。
この実施例では、導入エネルギー50eV程度までを持つイオンの軌道を制御して、加速部以後の軌道をz軸にほぼ並行に導くことができる。すなわち、加速エネルギーに対しその約5%程度以下の導入エネルギーを持つイオンであれば、イオンの軌道を制御して、加速部以後の軌道を検出器16までz軸にほぼ並行に導くことができる。このような特性は、従来は加速部と四重極レンズの組み合わせによって実現していたが、本発明では1対の電極で実現することができる。なお、図10中で、9は中性粒子もしくはイオンの導入を示す。
内面が二葉双曲面形状となる加速電極を用いた場合においても、図11に示すように同様の電場分布により、同様の軌道曲線が得られる。また、内面が半球面形状となる加速電極も図12に示すように同様の電場分布により同様の軌道曲線が得られることが分かる。
なお、加速エネルギーに対しその約5%以上の導入エネルギーをもつイオンの軌道をz軸にほぼ平行にすることは不可能であるが、検出器の検出面に導くことは可能である。この例を図13に示す。この場合、最も効率よくイオンを制御できるイオンの加速開始位置は、検出器の位置と検出可能な面積に依存して決まる。
図13ではイオンの加速開始位置の電位1,000V、導入エネルギー0〜200eVのイオンの軌道を示す。図13中、27は導入エネルギー100eVのイオンの軌道、28は導入エネルギー150eVのイオンの軌道、29は導入エネルギー200eVのイオンの道をそれぞれ示すものである。なお、図10における符号と同じものを意味する符号は説明を省略する。
図14〜16は、本発明の飛行時間質量分析計の例を断面により示した概念図である。図14は線形型で1段加速による飛行時間質量分析計、図15は線形型で2段加速による飛行時間質量分析計、図16はリフレクタ型の飛行時間質量分析計を示すものである。図14〜16中、符号は図2及び4と同様である。前述の図2および3に示す従来の飛行時間式質量分析計では、加速部およびイオン光学系に多くの電極が必要であったのに対し、本発明では加速部とイオン光学系を押し出し電極2と引き出し電極3の一対の電極だけで、粒子やイオン1を検出器16までの飛行させることができる。また、本発明の飛行時間質量分析計では、加速およびイオン光学系以外の部材については、従来の任意の飛行時間質量分析計の部材を用いることができる。
また、上記の実施例では、押し出し電極の形状のうち、引き出し電極側に面した部分の形状を放物面形状z=A(x+y)としたが、この部分を放物面形状に近似した曲面に変更することでも、同様の効果が得られ、更に二葉双曲面形状及び半球面形状においても同様であり、この様な変更は当業者が適宜にできる。
このように本発明による加速部は、スペースフォーカス位置を充分遠方にすることができ、加速部に導入するエネルギーに分布があっても、軌道を制御して検出器に導くとができるレンズ作用を持っている。また、イオンの出発位置、即ち加速開始位置の分布を補正して、高い質量分解能を得るために、検出器をスペースフォーカス位置に配置する。
前記実施例においては、加速電極内に外部から中性粒子或いはイオンを導入する例を示したが、それ以外に例えば図17に示すように、加速電極2の中心部に開口を形成し、その裏側に試料保持基30を設け、この試料保持基30にも加速電極と同じ電位をかけておき、この試料保持基30における加速電極2の開口に対向する位置に載せた粒子に対して、レーザー照射を行う等によりイオンとして取り出して分析することもできる。
本発明の別の実施例として、押し出し電極を一体とせずに、複数の電極で構成される押し出し電極で、その電極近傍での等電位面を略放物面形状とすることでも上記の実施例と同等の効果が得られる。この実施例における、加速部の一例を示す説明図を図18に、また、加速部の電場およびイオン軌道の計算結果を図19に示す。
図18は、図1と同様に加速部の縦断面図である。押し出し電極の前端部は複数の中空円盤状の電極2cで構成されている。また、それ以外の符号は図1に示すものと同様のものを表す。ここでも押し出し電極2に電源7から電圧を印加し、押し出し電極2と引き出し電極3との間に発生する電場でイオン1を加速する。
図19は、断面で示した複数の電極で構成した押し出し電極2の電位1,048V、イオンの加速開始位置6の電位1,000V、引き出し電極3の電位0Vの場合の電場の計算結果を示している。また、図19中の符号は、図4に示すものと同様である。また、図19に示す実施例では、押し出し電極近傍での等電位面8を示す等電位線が放物面形状である。この場合にいても、図20に示す従来の加速部と二段式四重極レンズ31を用いたイオン光学系におけるイオンと同様の軌道を描くことができる。なお、図12中の符号のうち、図10に示すものと同様のものは説明を省略する。
押し出し電極を複数の電極で構成する場合、押し出し電極を構成する電極の数は特に限定されるものではないがイオン導入路を隔てて配置する2個で構成されることが好ましい。
更に、上記のように加速電極を分割する手法は、加速電極が二葉双曲面形状や球面形状の場合にも同様である。
本発明による作動、及び効果を確認するため、全長約50cmの質量分析器を試作し、金属クラスタービームの分析実験を行った結果を図21に示す。適度に高い質量分解能(半値幅定義で1,200程度)と広い質量範囲(1〜100,000u/e)の特性で、質量分析を行うことができた。ここでuは電子質量単位、eは素電荷である。

Claims (17)

  1. 加速部が押し出し電極と、穴の開いた引き出し電極とからなり、該加速部によって、z軸上の加速開始位置に導入されたイオンをz軸方向に加速して検出器に到達させてなる飛行時間質量分析計において
    前記押し出し電極の引き出し電極側の内面が曲面形状であって、
    前記加速部は、イオンの加速開始位置のずれに伴う飛行時間の分布を収束させてスペースフォーカス位置に配置した検出器に加速開始位置の異なるイオンを同時に到達させるとともに、イオンが前記加速開始位置に導入されたときのイオンのz軸と直交する方向の導入エネルギーの分布を補正して、前記内面の曲面形状を反映した電場の勾配と方向の分布により軌道を修正して引き出し電極以降の軌道がz軸に平行となるように軌道制御を行うことを特徴とする飛行時間質量分析計。
  2. 前記押し出し電極の曲面形状は、略放物面形状であることを特徴とする請求項1記載の飛行時間質量分析計。
  3. 前記押し出し電極の曲面形状は、略二葉双曲面形状であることを特徴とする請求項1記載の飛行時間質量分析計。
  4. 前記押し出し電極の曲面形状は、略半球面形状であることを特徴とする請求項1記載の飛行時間質量分析計。
  5. 加速部が押し出し電極と、穴の開いた引き出し電極とからなり、該加速部によって、z軸上の加速開始位置に導入されたイオンをz軸方向に加速して検出器に到達させてなる飛行時間質量分析計において
    前記押し出し電極が複数の電極で構成され、該押し出し電極近傍での等電位面が曲面形状であって、
    前記加速部は、イオンの加速開始位置のずれに伴う飛行時間の分布を収束させてスペースフォーカス位置に配置した検出器に加速開始位置の異なるイオンを同時に到達させるとともに、イオンが前記加速開始位置に導入されたときのイオンのz軸と直交する方向の導入エネルギーの分布を補正して、前記等電位面の曲面形状を反映した電場の勾配と方向の分布により軌道を修正して引き出し電極以降の軌道がz軸に平行となるように軌道制御を行うことを特徴とする飛行時間質量分析計。
  6. 前記押し出し電極の曲面形状は、略放物面形状であることを特徴とする請求項5記載の飛行時間質量分析計。
  7. 前記押し出し電極の曲面形状は、略二葉双曲面形状であることを特徴とする請求項5記載の飛行時間質量分析計。
  8. 前記押し出し電極の曲面形状は、略半球面形状であることを特徴とする請求項5記載の飛行時間質量分析計。
  9. 前記穴の開いた引き出し電極は、中心に円形の穴の開いた平板であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の飛行時間質量分析計。
  10. 前記穴の開いた引き出し電極は、中心に楕円形或いは長円形の穴の開いた平板であることを特徴とする請求項1記載の飛行時間質量分析計。
  11. 前記穴の開いた引き出し電極は、中心に多角形の穴の開いた平板であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の飛行時間質量分析計。
  12. 前記多角形の穴は長方形であることを特徴とする請求項11記載の飛行時間質量分析計。
  13. 前記穴の開いた引き出し電極は、メッシュ構造であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の飛行時間質量分析計。
  14. 前記引き出し電極を複数設けることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の飛行時間質量分析計。
  15. 前記押し出し電極における引き出し電極配置側と反対側の中心部に開口を形成するとともに、該開口に対向して試料保持基を配置し、
    前記試料保持基に保持した粒子をレーザー照射、原子線照射、イオン照射などによりイオン化して放出することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の飛行時間質量分析計。
  16. 前記引き出し電極から放出されるイオンを、リフレクタにより反射して検出器へ導くこと特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の飛行時間質量分析計。
  17. 前記複数の電極で構成される押し出し電極に導入する粒子またはイオンは、分離された電極間の間隙から該押し出し電極に導入することを特徴とする請求項記載の飛行時間質量分析計。
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