JP2010528434A - 分子イオンから成るイオンビームを抽出する方法およびシステム(クラスタイオンビーム抽出システム) - Google Patents

分子イオンから成るイオンビームを抽出する方法およびシステム(クラスタイオンビーム抽出システム) Download PDF

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Abstract

広範なエネルギー範囲のクラスタイオンビーム抽出用途向けであり、その一方でさらに原子および分子のイオン種にも適用可能な新規のタイプの3極管抽出システムであるクラスタイオンビーム抽出システムが開示される。抽出開口板の輪郭が、ビームのクロスオーバを最小化し、同時に過剰な抽出電界から供給源を遮蔽するように設定され、したがって抽出ギャップのより小さな値が許容される。さらに、広範囲のビームエネルギーにわたって、わずか数kVの両極性のバイアス電圧を用いることによって非分散面におけるビームの合焦または脱焦が可能になる斬新な合焦機構が、これら新規の光学系に組み込まれる。これは、高エネルギーのビームを合焦することができるように数十kVのバイアス電圧を必要とすることになる、例えばアインツェルレンズであるスタンドアロンの静電レンズの解決策より優れた解決策である。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に100eV〜4keVの低いエネルギー範囲でイオン注入プロセスに用いられ得るイオンビームを、抽出し、かつ形成するイオン光学システムに関する。本発明によって、イオンビームの広範なエネルギー範囲の輸送が可能になり、また、簡単な3極管抽出構造を用いた、より従来型のモノマーイオンビームの抽出ばかりでなく、分子イオンの抽出も可能になる。ビームの形成、ならびに非常に広範囲のビーム電流、イオンの質量および供給源の輝度にわたるイオンビームの可変合焦が可能になる一方で、多くの商用のビームライン注入プラットフォームと互換性のある斬新な機構が本発明に組み込まれている。
関連出願の相互参照
本出願は、参照によって本明細書に組み込まれた2007年5月22日出願の米国特許仮出願第60/939,505号の優先権および利益を主張するものである。
−イオン注入プロセス
イオン注入プロセスは、イオン源中の気体または気化した固体供給原料の材料をイオン化し、電界を用いて、供給源から抽出開口を通してプラスイオンまたはマイナスイオンのいずれかを抽出することに依拠するものである。次いで、ビームは、質量分析され、輸送されて対象の半導体ウェーハに注入される。
−イオン源および抽出
従来の注入機のイオン源では、熱電子、高速でイオン化する電子、およびイオンの混合物である濃厚なプラズマを形成するのに、一般にアーク放電またはRF励起が用いられる。図1は、注入機で用いられる従来のプラズマイオン源の概略図である。イオンビームは、供給源壁の開口を通して供給源から抽出される。抽出開口の形状は、従来、幅が数ミリメートルで高さが数十ミリメートルの細長い溝である。イオン源と抽出開口板とは、一般に同一電位であるが、これら2つの間に電圧が印加されることがある。供給源からイオンを引き寄せる電界を形成するのに、マイナス電位の抑制電極が用いられる。また、抑制電極は、表面または背景のガス電離に対するビームの衝突によって下流に形成される逆流電子に対する電位障壁を生成する。抑制電極に、接地電位の第3の電極が続く。
一般に、抑制器および外側電極は、抽出開口板と抑制電極との間のギャップを変化させるために移動可能なユニットである。これは、供給源電位によって設定されるイオンビームの最終エネルギーが多様であるので、それに応じて、イオンビームに対して同一の抽出条件を維持するために、抽出ギャップにおける電界を調整しなければならないので、必要である。この関係は、抽出される電流密度が、チャイルドの法則によって次式のように抽出電界に左右されるという事実に由来するものである。
上式で、jはイオンビームの最大の抽出可能な電流密度であり、Qはイオンの充電状態であり、Mはイオンの質量数であり、(kV)は印加電圧であり、d(cm)はイオン源本体/抽出開口板と抑制電極との間のギャップである。チャイルドの法則は、イオン源からの抽出可能な電流密度に対する空間電荷限界を与える。
図2は、一般的なイオン注入機の抽出システムの概略図である。イオン抽出開口は、円形の開口または開口の下流側に食いつき部を有する溝のいずれかである。この食いつき角は、一般に、35度から75度まで変化するが、最も代表的には、67.5度のいわゆるピアス角が用いられる。抽出開口板の厚さは、通常6mm以下である。抑制/抽出電極の形状は、開口板に近接し得る突き出したリップを特徴とすることが多い。図2の概略図は、一般的な分散面(水平面)の光学系を表す。非分散面(垂直面)では、通常、抽出溝の高さが分散面の溝の幅よりはるかに大きく、分散面の光学系と非分散面の光学系とは数学的表現で区別することができる。非分散面のビームの合焦を達成するために、一般に、抽出開口板ならびに抑制リップおよびアースリップは湾曲している。(長手方向の軸に沿った)曲率半径は、分析用電磁石のビーム受入れおよびそれに続くビームラインと整合するように最適化される。図3は、一般的な非分散面の電極形状の概略図である。
ビーム分析用電磁石は、分散面でビームを合焦する。分析器の双極子磁石の出口でのビーム幅と磁石の入口でのビーム幅との関係は、式(2)となる。
(2) y=ycos(α
上式で、yおよびyは、それぞれ入口の電磁場の境界および出口の電磁場の境界でのビーム幅の半分であり、αは磁石のセクタ角である。セクタ角が90度未満であると、ビームは、磁収束しながら石を離れる。90度のセクタ角では、ビームは磁石出口に焦点を有し、セクタ角が90度より大きいと、ビームは、磁石の内部に焦点を有して発散しながら磁石を離れる。
抽出光学系に対して設定される要件は、分析用電磁石の受入れと整合するように、分散面での発散およびビームサイズが十分に小さいビームを形成する能力ということになる。非分散面では、ビームの集束は、電極の曲率によって達成され得るが、それに加えて、分析用電磁石は、極回転または磁極面割出しのいずれかによっていくつかの合焦特性を有することができる。
−空間電荷力
抽出システムの別々の操作モードの間でビームの空間電荷が著しく変化していると、非分散面で所望のビーム合焦を達成するのに問題になることがある。ビームの空間電荷は、ビームのエネルギーおよび電流次第である。イオンビームの包絡線に作用する横方向の空間電荷力FSPC,SLITは、スリットビームに対して次式の形で書かれ得る。
式(3)で、eは電気素量であり、Jは溝の単位長当りのビーム電流であり、εは自由空間の誘電率であり、νはビーム方向に沿って方向づけられた粒子の速度である。円形のビームに関しては、同じ式が次の形で書かれ得る。
上式で、qはイオンの全電荷であり、Iはビーム電流であり、rはビーム包絡線の半径である。
式(3)および式(4)で記述された空間電荷力は、ビーム方向に対して横方向の力であり、ビーム輸送システム内でドリフトするのでビームをゆらめかせる。これは、イオン源からのイオンの抽出に対して影響を及ぼす。理想的には、抽出光学系は、結果として生じる電界が、横方向に作用する空間電荷力を補償して、分散面で、ほぼ平行な、またはわずかに拡散するだけのビームを形成する一方で、非分散面で、ビーム包絡線を合焦する、あるいは収容するように設計されるべきである。
一般的なイオン注入機では、ホウ素、アルシンおよび燐の注入されたビームを形成するのに原子のイオン種が用いられる。抽出される電流密度は、数mA/cmの範囲内およびより高いものであり得る。これは、既存の注入機において抽出光学系の設計のための境界条件を設定する。一般に、スリット抽出は、数mmの幅(分散面)および20〜40mmの高さ(非分散面)のスリットサイズで用いられる。ビームのエネルギーが、注入機で用いられる数百eVから80keVまでの範囲であるとき、開口板と抑制電極との間の抽出ギャップは、一般に数mmから数十mmまで変化する。
薄いイオン抽出開口板を有する従来の3極管抽出システムは、原子または小さな分子の種のイオンビームを用いるとき、高電流密度の抽出システム向けに良好に作動すると判明している。しかし、次世代注入機技術向けのクラスタイオンビーム(例えばB18 、B10 、C )の開発で、この用途に対して従来の抽出光学系は不十分であることが露呈した。低電流密度のビーム抽出に関して、薄板光学系の機構は、特により高いエネルギーでうまく整合しない。抽出されたB18 の電流密度は、一般に0.5mA/cmと約1mA/cmとの間にあり、これは、イオン注入で用いられる多くのプラズマイオン源と比較してかなり低い。所望のイオン電流を抽出するために、抽出溝は大面積(例えば10cm以上)を有し、これは、イオン源の中への抽出電界のかなり大きな突抜け現象を引き起こす。整合した抽出条件を達成するためには、この突抜け現象の影響を低減するのに、抽出ギャップが非常に大きくなければならない。特に、10kVより高い抽出電圧では、ビームが強くクロスオーバして抑制電極および接地電極にぶつかることになる。強いクロスオーバは、ビーム口径食、すなわちビームライン開口とのビーム交差のために、質量分析用電磁石およびそれに続くビームラインにおけるビーム損失を増加させる高いビーム発散ももたらす。
これらの問題を克服するために、広範なエネルギー範囲のクラスタイオンビーム抽出用途向けであり、その一方でさらに原子および分子のイオン種にも適用可能な新規のタイプの3極管抽出システムであるクラスタイオンビーム抽出システムが開発された。抽出開口板の輪郭が、ビームのクロスオーバを最小化し、同時に過剰な抽出電界から供給源を遮蔽するように設定され、したがって抽出ギャップのより小さな値が許容される。さらに、広範囲のビームエネルギーにわたって、わずか数kVの両極性のバイアス電圧を用いることによって非分散面におけるビームの合焦または脱焦が可能になる斬新な合焦機構が、これら新規の光学系に組み込まれる。これは、高エネルギーのビームを合焦することができるように数十kVのバイアス電圧を必要とすることになる、例えばアインツェルレンズであるスタンドアロンの静電レンズの解決策より優れた解決策である。
これらの利点およびその他の利点が、以下の明細書および添付図で説明される。
注入機で用いられる従来のプラズマイオン源の概略図である。 一般的なイオン注入機の抽出システムの分散面における断面図である。 イオン注入機光学系の非分散面の断面図である。 新規のクラスタビーム光学系の概略図である。 クラスタイオンビーム抽出システムの2つの変形形態および従来の抽出光学系の2つの変形形態の分散面の断面図である。 ビーム速度の関数としてプロットされた横電界Eおよび空間電荷の電界Espcを示す図である。 従来のピアス型の抽出構造とクラスタイオンビーム抽出システムとの間の実験上の比較を示す図である。 より小さな抽出開口を有するクラスタイオンビーム抽出システムを示す図である。 クラスタイオンビーム抽出システムに組み込まれた垂直方向の集束レンズを示す図である。 図7のレンズ光学系に関してモデル化されたビームのエミッタンスのグラフである。 ビームのエミッタンスを説明するための座標およびベクトルの定義を示す図である。 図7に示された構造に関して2つの別々のy高さでモデル化された横電界成分Eを示す図である。 エミッタンスの楕円の方向を示す図である。 組み込まれた垂直方向の合焦クラスタイオンビーム抽出システムに関して測定されたビームの垂直方向のプロファイルを示す図である。 垂直方向の合焦クラスタイオンビーム抽出システムを用いて、注入機のビームラインを通して伝送されたビーム電流を示す図である。
図1は、注入機で用いられる従来のプラズマイオン源の概略図である。イオン源は、真空チャンバ、材料導入口、イオン抽出溝およびイオン化機構から成る。チャンバのサイズは、生成されるイオンビームのサイズ次第で様々である。原料物質は、蒸気または気体の形態のいずれかで供給源チャンバに供給される。中性の供給材料が、いくつかの変形形態において、アーク放電、RF励起もしくはマイクロ波励起または電子衝撃イオン化のうちの1つ方法を用いてイオン化される。生成されたイオンは、供給源チャンバ壁のうちの1つの開口を通して供給源から抽出される。
図2は、一般的なイオン注入機の抽出システムの分散面における断面を示す。示された水平面すなわち分散面の断面は、イオンビーム注入で広く用いられる一般的なイオン抽出システムの表現である。抽出開口のサイズおよび形状は、用途から用途へと変化させることができる。高電流密度のプラズマ源は、より小さな開口で動作するが、より低い電流密度の分子の供給源は、工業用に実現可能な量のビーム電流を生成するのに、より大きな抽出領域を必要とする。一般に、抽出口は、その幅の5倍から10倍の高さを有する溝である。抽出開口板は、一般に、下流側でビーム方向に対してある角度αを有する。この角度は、一般に、固体の発光体表面からの電子ビーム抽出に関して最適の角度であることが示されている67.5度のいわゆるピアス角のあたりで変化する。抽出開口板は、それに続く抑制電極より高い電位にある。この電位差によって、供給源からのイオンを加速する電界が生成される。プラスイオンの抽出のためにマイナス電位でバイアスをかけられた抑制電極がマイナス電位の障壁を形成し、この障壁が、ビームラインからイオン源へ逆流電子が吸い込まれるのを防ぐ。この電子のトラッピングによって、逆流電子ビームの電力負荷が低下するばかりでなく、捕獲された電子がプラスのイオンビーム電位へ吸い込まれて、ビームの空間電荷も低下することになる。この、いわゆる空間電荷中和は、ビーム内部の空間電荷制限を克服するために、ビーム輸送で広く用いられる。マイナスイオン抽出のために、供給源は、プラス電位にある抑制器よりマイナス側の電位にある。これによってプラスイオンをビーム中にトラッピングすることになり、これがマイナスイオンの空間電荷を中和することになる。
抑制電極および接地電極は、一般にビーム方向に沿って移動される。これによって、イオンビームのエネルギーおよび抽出電圧もしくは抽出されるイオン電流密度が変化しているとき、適切な電界値を達成することが可能になる。
図3は、イオン注入機光学系の非分散面の断面を示す。一般的なイオン注入機光学系では、イオンビームは、分散面での幅より非分散面での高さが数倍大きい。ビームを下方へ垂直に合焦するために、抽出開口板、抑制電極および接地電極は、ビームを幾何学的に合焦するように湾曲している。ビームの焦点距離は、電極に用いられる曲率半径に左右され、また、ある程度までビームの電流およびエネルギーに左右される。低エネルギーおよび/または高電流のビームは空間電荷効果がより大きく、その場合には、そのようなビームを、高エネルギーおよび/または低電流のビームと同一の焦点へ合焦するのに、より小さな曲率半径が必要となる。
本明細書で説明される本発明の抽出システムは、0.5mA/cmから0.7mA/cmの電流密度および約100mmの最大許容抽出ギャップの、4keVから80keVのB18 のビーム(0.2keVから4keVホウ素等価エネルギー)と整合するように設計されている。図4は、この新規の抽出システムの中央の分散面における断面を示す。この例示的事例の抽出溝は、分散面での幅が10mmであり、非分散面での高さが100mmである。このモデルは、空間電荷効果を含む、抽出されたイオンビームの完全な3D境界要素シミュレーションである。
本発明の、分散面および非分散面の断面が図4に示されている。従来のプラズマ源で生成されたイオンビームと比べて、より低電流密度のクラスタイオンビームに対応するように、抽出開口に隣接した分散面の機構が変更される。ビームが抽出溝を離れるときの過焦点を最小化するために、伝統的にイオン注入機の抽出システムで用いられている67.5度または類似の角度のテーパーカットの代わりに、溝の縁端部から平坦な90度の部分がカットされる。抽出溝の両側の平坦な部分は、溝の幅の半分と類似のサイズである。平坦な部分の外端から始まるテーパーカットは、開口板の厚さを通してトレンチを開く。このカットの角度は45度であるが、この角度は、注入機が最適化されるエネルギー/ビーム電流の範囲次第で、それぞれの抽出システムに対して最適化され得る。カット角も、板の厚さの全体にわたって変化することができる。抑制挿入物およびアース挿入物は、くちばし状のリップであり、これによって、抽出ギャップが小さくなる低エネルギー動作において抽出開口板のトレンチに抑制機構を押し込むことが可能になる。一般に、抑制挿入物およびアース挿入物の形状は、クラスタイオンビーム光学系の場合、あまり重要ではない。抽出開口板ならびに抑制挿入物およびアース挿入物は、非分散面で湾曲され、ビームを幾何学的に合焦する。
抽出開口板の顕著な特徴は、抽出溝のまわりの平坦な中央部分、90度の先端角および抽出開口電極の厚いプロファイルである。図4を参照すると、図2に示された垂直軸に対して90度の角度が測定される。図5、特に下の2つの図を参照すると、参照数字20で識別される平坦部は、抽出開口板の上流の縁端部に対して離隔された先端として示された部分を指す。参照数字22で識別されるトレンチ部分は、すぐ下流の平坦部である。抽出溝を取り囲む平坦な中央部分は、溝領域にわたって均一の軸方向(ビームに沿った方向、z軸)の電界の形成を助長し、横方向に作用する(x軸およびy軸)電界成分を最小化する。横方向に作用する電界成分は、抽出溝近くのビームの過焦点に関与するものであり、このため、これを最小化するべきである。非分散面中の溝の端の平坦部の高さは変化され得て、平坦部を高くすると光学系の垂直方向の焦点距離が増し、平坦部を低くすると垂直方向の焦点距離が縮小する。
90度の先端角は、深いチャンネルを生成して過剰電界を遮蔽する一方で、同時に電界がイオンビームを横切る最適のプロファイルを有することを可能にし、したがってビームの発散を最小化し、より明るいビームを生成する。先端角は、横電界成分によって生成される力が、ビーム固有の横方向に作用する空間電荷力と一致するように、またはわずかに超過するように、ビームの空間電荷と整合するべきである。
前面板、プラーおよびアース挿入物は、垂直のYZ面に曲率半径を有して、垂直方向の焦点距離を最適化する。示された抽出システムでは、前面板の曲率半径は1000mmである。
図5は、クラスタイオンビーム抽出システムの2つの変形形態および従来の抽出光学系の2つの変形形態の分散面の断面を示す。2つの形状の変形形態のクラスタイオンビーム抽出システムが、2つの従来のピアス型の形状と比較される。ピアス型の形状は、両方とも標準的な67.5度の電極角度を用いており、抽出開口板の厚さは、事例1では5mmであり、事例2では10mmである。クラスタイオンビーム抽出システムの変形形態(事例3および4)は、どちらも厚さ20mmの抽出開口板を有する。
抽出開口に隣接した平坦な部分は、事例3および4に関して同一である。事例3では、抽出トレンチは板の厚さの全体にわたって均一の角度を有するが、事例4では、角度は、板の厚さを通して、中間まで事例3に類似しており、その後角度が増加する。それぞれの4つの形状によって生成される電界が、ローレンツEMの電磁気ソルバーを用いてモデル化され、横方向に作用する成分Eが、図5aにプロットされている。各事例で、抽出開口板は60kVの電位であり、抑制電極は−5kVの電位であった。
一実施例として、従来の抽出電極の設計の2つの変形形態および新規の光学系の2つの変形形態がローレンツEMを用いてモデル化され、示されている。図5は、抽出溝の分散中央面での形状の2次元のカットアウトを示す。光学系を定量的に説明するために、合焦する横電界成分Eが、単独で帯電したプラスイオンのイオン速度の関数としてプロットされており、ビームをゆらめかそうとする対向する空間電荷力と比較される。電界は、この実施例では幅が10mmである抽出溝の外端から始まる線に沿ってプロットされている。溝のイオン電流/単位長は約0.7mA/cmであると想定され、これは一般的なB18の電流密度0.7mA/cmに相当する。抽出ギャップは、抽出溝のナイフエッジから抑制/プラー電極の先端への距離として定義され、抽出面で同一の軸の電界値Eを与えるように、各形状において変化される。抽出開口の電位は60kVであり、抑制電極の電位は−5kVであり、接地電極の電位は0kVであった。
図5aは、結果として生じる横電界をプロットしたものであり、空間電荷が、式(3)を電気素量eで割ることにより次式で与えられる電界Espcを生成した。
平行ビームを形成するために、EとEspcとは、イオンの加速の全体にわたって強度がほぼ等しく符号が反対でなければならない。図5aから分かるように、抽出開口板の厚さがこの場合5mmまたは10mmである従来のピアス型の形状では、Eが、当初は空間電荷の電界Espcより大きい。これによって、ビームが供給源を離れるとき過焦点になるはずである。より大きなビーム速度では、EがFspc/eより小さく、このことによって、空間電荷のためにビームがゆらめくことになる。累積的な影響によって、ビームが強く発散し、ビームラインの残りを通して輸送するのが困難である。
新規のクラスタイオンビーム抽出システムについては、Eは空間電荷の電界と非常によく似た強度から始まり、一般に、加速の全体にわたって同じ傾向が続く。この特定の実施例では、90度の先端角の形状が、中間のイオンビーム速度で、わずかに高いEを生成する。Eのわずかな超過が、分散面においてビームを下へ合焦し、したがって、分析用電磁石に入る、より小さいビームの形成を助長するので、これは大抵の場合望ましい。この影響も、抽出チャンネルへ、より大きな先端角カットすることにより抑えられ得る。これら2つの事例におけるE値からすると、抽出スリットに隣接した平坦な縁端部が、当初の危機的な過焦点の最小化を助長し、また、ビーム加速の残りを通してEとEspcとの間の優れたバランスを維持して、従来のピアス型の形状によって生成されたビームより輸送するのがより簡単な、発散のより少ないビームをもたらすことになるということが明白である。
従来のピアス型の形状と新規の光学系との間の別の重要な差異も、上記の実施例から見出すことができる。高エネルギーのビームを適応させるのに必要な抽出ギャップは、新規の形状の場合には著しく小さい。抽出ギャップが過度に大きい従来のピアス型の形状では、ビームは、ゆらめく時間が長引いて抑制挿入物およびアース挿入物にぶつかることになる。この影響は、このタイプの従来の形状によって導入されるより大きな発散によって、より悪化するだけである。抑制電極および接地電極の必要な軸方向移動ならびに必要な空間が低減される。
図5および図5aの実施例で示された形状のうちの2つを、実験的に比較した。選択した形状は、厚さ5mmのピアス型の形状および均一の90度の先端角を有する先細りでない新規の光学系であった。
図5bから分かるように、新規のクラスタイオンビーム抽出システムならびに従来のものが低いエネルギーで動作する。高い抽出エネルギーで、従来の光学系は、ビームの発散が増加すると問題が起こり、抑制電極ならびに分析用電磁石の入口および内部をビームが打撃することによって、ビームの重要な部分が失われる。従来の光学系に関して、曲率のいくつかの半径を試験したが、どれも、B18 ビームに対して全エネルギー範囲をカバーすることができなかった。新規の光学系が引き寄せていた、抑制電極に対するビームの打撃量を示す抑制電流は、一貫して非常に小さいものであった。これによって、イオン源への逆電子流が低下し、したがって、より高い抽出エネルギーでのX線放射が著しく低下する。
新規の光学系では、抽出溝のサイズおよび形状を大幅に変化させることができる。図4で説明された機構は、抽出溝のサイズが変化したとき、この機構が形状の残りに対して調整される限り、引き続き作動する。図6は、この一実施例を示す。抽出溝のサイズは8mm×48mmである。抽出チャンネルの深さと共に抽出溝がより小さくなると、電極が、いかなる曲率もなく平坦であることが可能になる。
開口板は全体的に薄く、抽出溝に隣接した平坦部がより小さい。分散面では、光学系の機構は、図4に示された事例に類似である。非分散面では、抽出開口板または抑制/アース挿入物に垂直方向の曲率がないので、大きな違いがある。抽出トレンチの縦横比は、静電位および電界分布が、湾曲した電極で達成され得る静電位および電界分布に類似するような比である。これは、非分散面の断面に書き込まれた一定電位の線および電界ベクトルで示されている。
このチャンネル形状によって、非分散面でビームを十分に合焦することになる電界分布が与えられる。抑制電極および接地電極にも曲率がない。開口が大きいと、供給源から濃厚なプラズマが吹き出て、供給源と抑制電位との間にプラズマブリッジが非常に形成され易いために望ましくないプラズマイオン源には、このタイプのより小さな抽出溝がより適している。
抽出溝のまわりの平坦な中央部分は、ビームの拡散を低減するために維持される。前面板が、より小さな抽出溝サイズのために、上記で示された形状よりも薄いので、平坦部分は、溝の全般にわたって均一であり得る。
クラスタイオンビームの抽出開口板に組み込まれた静電気イオン光学レンズ
様々なビームエネルギーおよびビーム電流で、ここで説明された3極管システムの焦点距離は、ビームの様々な空間電荷効果のために著しく変化することがある。分散面(XZ面)では、この変化は、抽出ギャップおよび抑制電圧を変化させることにより制御される。非分散面(YZ面)では、これらの調整はビームの高さのために有効ではない。受入れに制限のあるビームラインへ、ビームを(分析用電磁石を通して)長距離輸送するとき、これは問題になる。追加電極または大きな磁気レンズ要素を追加せずに、ビーム光学をよりよく制御するために、ここで、y集束を制御するための簡単な解決策を示す。
図7は、クラスタイオンビーム抽出システムに組み込まれた垂直方向の集束レンズを示す。抽出開口板は、この変更バージョンでは、抽出開口板が抽出開口を含む主板および1つまたは複数の個別の板などの個別の板で形成されることを除けば、図4に示されたものと同じである。例えば、切線で示されている抽出開口板は、主板から電気的に絶縁された天板および底板で形成され得る。主板は抽出開口を含む。これによって、これらの個別要素にバイアスをかけることができて静電レンズを形成することになり、静電レンズは、これらの個別要素が主板に対してプラスまたはマイナスのいずれかにバイアスをかけられたとき、垂直面においてイオンビームを合焦または脱焦する。4keVから80keVまで変化するエネルギー範囲を有するB18のビームを合焦するのに、約±2kVの適度な電圧範囲を有する両極性の電源で十分である。これらの要素が供給源内部に露出せず、ビームの直通経路と十分に離れているので、レンズ電源の必要な電流は小さい。
最上部および最下部に、前面板に対してプラスのバイアスをかけることにより、抽出されたイオンビームを非分散面において合焦する横電界成分が形成される。マイナスのバイアス電圧がレンズ要素に加えられると、3極管の焦点距離が増加して脱焦レンズとして働くことになる。イオン注入で用いられるすべてのエネルギー、電流およびイオン種でレンズが効果的に作用するのに、±2kVの適度の電圧範囲を有する両極性の電圧源で十分である。このバイアス電圧が分散面でビームに対して及ぼす影響は、バイアス電圧が印加されるときさえ最小限であり、バイアスが存在しないとき、レンズ抽出開口板は、図4に示された標準板に対して全く同様に機能する。
ビームのエミッタンス
図8は、図7の静電気光学系から形成されたビームからの水平エミッタンスのパターンおよび垂直エミッタンスのパターンを示す。このシミュレーションは、60kVの供給源電位および−2kVの抑制電位を想定したものである。これらの図は、レンズにバイアス印加がなく、垂直方向にビーム脱焦させるために−2kVのマイナスのバイアスを印加したときの、抽出溝からz=40cmでのビームのエミッタンスを示す。−2kVの電位のバイアスがレンズにかけられたとき、水平面すなわち分散面のエミッタンスに変化はなく、垂直方向のレンズが、ビームの水平方向の挙動に対して、無視できる影響しか実際に及ぼさないことを示している。垂直面では、レンズ電圧が印加されないとき、ビームのy焦点距離(ビームの高さは焦点で最低になる)は、1.1mである。レンズ要素に対して−2kVのマイナスのバイアスをかけると顕著な変化があり、ビームが著しく脱焦して、その結果、このときの焦点距離は2.1mである。
図7の分割レンズは、イオンビームを直線的かつ連続的に細かく調整して、分析用電磁石を通してそれに続くビームラインに正確に整合させるのに非常に有効な手段である。図8も、分散面(XZ面)において、ビームに対する組み込まれた抽出開口レンズの影響が最小限であることを示す。抑制電圧および抽出ギャップを調整することにより、分散面で発散が効果的に制御され得て、したがってYZ面およびXZ面のビームの合焦に対して独立制御を提供する。
図9は、ビームのエミッタンスを説明するための座標およびベクトルの定義を示す。ビーム伝搬軸はz軸と一致し、X軸はビームの分散方向/水平方向を特定し、また、Y軸はビームの非分散方向/垂直方向を特定する。v、vおよびvは、それぞれx軸、y軸およびz軸に沿ったイオン速度の成分である。αはxz面へのビームの投影とz軸との間の角度であり、αはyz面へのビームの投影とz軸との間の角度である。
ビームに対する静電レンズの影響を説明するために、ビームのエミッタンスの説明を示す。イオンビームのエミッタンスは、イオンビームの品質およびイオンの光学的性質を説明する最も重要なパラメータである。イオンビームのエミッタンスは、6次元の位相空間(x,p,y,p,z,p)でイオンビーム粒子が占める体積として定義され、ここで、x、yおよびzはビーム粒子の空間座標であり、p、pおよびpは、粒子の、空間座標軸に沿った、対応する直線的運動量である。
通常、ビーム軸に沿った長手方向のエミッタンスの投影は重要ではなく、2つの横方向のエミッタンス面(x,p)および(y,p)だけを検討する。図9に、速度ベクトルの定義が示されている。
図9で、αおよびαはx速度成分およびy速度成分の発散角である。ビームの方向はz軸に沿って選択されている。
x軸に沿ったイオンの線型運動量を検討する。この運動量は、次のように書かれ得る。
勾配x’は、発散角αに関して次式のように書かれ得る。
通常、VはVよりはるかに小さく、また、x’≒αである。この場合、ビームのエミッタンスは、(x,x’)面および(y,y)面において粒子が占める面積として定義される。エミッタンスのパターンは、通常、半軸AおよびBを有する楕円である。そこで、エミッタンス値は、楕円の面積で与えられる。
(8) εx,y=πAB(mm−ミリラド)
エミッタンスの楕円の方向は、ビームが発散するのか、収束するのか、平行であるかあるいは合焦されるのか、ということを示す。図10に、これらの事例のそれぞれについて、エミッタンスの楕円が示されている。
横方向のエミッタンスを、ビームが(x,x’)面および(y,y’)面に占める面積として定義する際に、ビーム軸vに沿ったイオンビームの速度の影響は無視している。vが増加すると、ビームの発散が低下し、したがってエミッタンスが低下することになる。この影響は、次式で与えられる正規化されたエミッタンスεを用いることにより解消される。
(9) ε=βyε
ここで、
は、ビームの軸方向の速度と光速との比とであり、また、
である。
広く用いられているエミッタンスの定義は、平方自乗平均エミッタンスすなわちRMSエミッタンスである。RMSエミッタンスは、次式で与えられる。
実験室で測定されたエミッタンス値が報告されたとき、しばしば式(10)に4を掛けるが、その理由は、こうすることで、測定データに当てはめられた楕円の面積に都合よく相当するエミッタンス値を与えるからである。
図9aは、印加されたレンズ要素の電圧の、垂直面におけるイオンビームの合焦および脱焦に関与する電界の垂直成分Eに対する影響を示す。
マイナスのE値が高いほど、ビームは、垂直面でさらに合焦される。図9aは、ビームエネルギーの最終エネルギーは80keVであるが、わずか+2kVのバイアスしかかかっていないレンズ要素で達成され得る非常に強い集束効果を示す。ビームの合焦のために外部の個別の静電レンズが用いられる場合、ビーム合焦を達成するためには、80kVの供給源電位と同等の電圧を用いなければならないことになる。このことは、ビームが、厚い抽出開口板のトレンチを通過しているとき、ビームの最終エネルギーの状態にかかわらずビームのエネルギーが依然として低く、組み込まれたレンズで集束効果が生じるという事実のために可能である。レンズ要素にマイナスのバイアス電位を印加することによって、結果として生じるEの値は、バイアスをかけないものよりマイナスが弱まる。これは垂直面におけるビームの脱焦をもたらすことになる。
エミッタンスの楕円の方向
図10に、2次元の位相空間におけるビームの横方向のエミッタンスの可能な方向を説明する4つの事例が示されている。事例1は、第3象限からxx’座標系の第1象限へ伸びる発散ビームのエミッタンスの楕円を示す。事例2は、主として第2象限および第4象限を占める集束ビームを示す。事例3は、z軸と平行なビームを示す。事例4は、焦点にあるビームを示す。イオンがゼロ温度であれば、ビームのエミッタンスのトレースが細線になるはずであるということは注目に値する。実際には、イオンは、常に変化する量の熱エネルギーを有し、この熱エネルギーが、エミッタンスのパターンに何らかの水平方向の寸法を持たせる横方向のエネルギー成分としてビームのエミッタンスに現われることになり、したがって、エミッタンスのパターンは細線ではなく楕円に似る。
図11は、図7に示された抽出光学系を用いて、6keVおよび10keVのビームエネルギーに対して、レンズにバイアス電圧をかけた場合とかけない場合の、抽出溝から40cmの距離で測定された垂直方向のB18ビームのプロファイルを示す。これらのプロファイルは、レンズの合焦/脱焦の影響を示す。
レンズ要素に対してプラスのバイアスをかけるとビームの垂直方向の高さが低下し、マイナスのバイアスをかけるとビームがより高くなる。これは、クラスタイオンビーム抽出システムへ組み込まれた垂直方向のレンズを用いて、ビームの垂直方向の寸法を調整することが可能である様子を示す。
図12は、クアッド・トリプレット、ビームスキャナ磁石およびコリメータ磁石から成る分析用電磁石およびビームラインを通して輸送されるB18 ビーム電流に対して、レンズのバイアスが及ぼす影響を示す。レンズにバイアスをかけることによって、ビーム高さを最適化するのに用いられ得る連続的な調整パラメータが得られ、このことがビーム輸送に役立ち、より大きいビーム電流の輸送に繋がる。これは、4keV(0.2keVホウ素等価)から80keV(4keVホウ素等価)のkeVビームエネルギーにおよぶ非常に広範なエネルギー帯で動作することができるクラスタイオン注入機では特に重要なはずである。
ビームの垂直方向の調整も、ビーム電流が個々の注入物の線量要件に応じて一様でない場合の注入操作に役立つことになる。ウェーハに対するビーム電流の変化は2桁と大きいものであり得て、その場合、空間電荷効果が著しく変化し、したがってビーム焦点距離も著しく変化することになる。分散面では、ビームを水平方向で整合させるのに、抽出ギャップおよび抑制電圧が用いられ得る。非分散面では、イオン注入機の光学系で一般に用いられる抽出開口板および抑制/アース挿入物の一定曲率は、一定のエネルギー/ビーム電流の範囲に対してのみ都合よく整合することになる。組み込まれた静電レンズによって、この範囲がかなり広がることになり、また、商用注入機システムのエネルギーおよび電流の範囲の全体にわたって非分散面におけるビームプロファイルの整合が可能になる。

Claims (9)

  1. イオン源のイオン化チャンバの1つの壁を形成する抽出開口板電極であって、前記抽出開口板が、イオンを通して輸送する開口を有して形成された抽出開口板電極と、
    前記抽出開口板に隣接して配設され、イオンを通して輸送する開口を有して形成された抑制電極であって、前記抑制電極の前記開口が、前記抽出開口板の前記開口と全体的に整列するように構成された抑制電極と、
    前記抽出電極に隣接して配設され、開口を有して形成された接地電極であって、前記接地電極の前記開口が、前記抑制電極の前記電極および前記抽出開口板電極と全体的に整列された接地電極とを備え、前記抽出開口板電極の前記開口が、クラスタイオン電流の過焦点を最小化するように構成される、イオン源からイオンを抽出するためのイオン抽出システム。
  2. 前記抽出開口板電極の前記開口が、前記開口の上流の縁端部からの平坦部で形成される請求項1に記載のイオン抽出システム。
  3. 前記抽出開口板電極の前記開口が、前記平坦部に隣接したトレンチ部で形成される請求項2に記載のイオン抽出システム。
  4. 前記トレンチ部が、前記抽出開口板の厚さの全体にわたって均一な角度を有して形成される請求項3に記載のイオン抽出システム。
  5. 前記トレンチ部が、前記抽出開口板の厚さの全体にわたって不均一な角度を有して形成される請求項3に記載のイオン抽出システム。
  6. イオン源のイオン化チャンバの1つの壁を形成する抽出開口板電極であって、前記抽出開口板が、イオンを通して輸送する開口を有して形成された抽出開口板電極と、
    前記抽出開口板に隣接して配設され、イオンを通して輸送する開口を有して形成された抑制電極であって、前記抑制電極の前記開口が、前記抽出開口板電極の前記開口と全体的に整列された抑制電極と、
    前記抑制電極に隣接して配設され、開口を有して形成された接地電極であって、前記接地電極の前記開口が、前記抑制電極の前記電極および前記抽出開口板電極と全体的に整列された接地電極とを備え、前記抽出開口板電極が、上板、下板、および抽出開口を含む主板を有して形成され、前記上板、下板、および主板が、互いから電気的に絶縁され、前記上部および下部が、前記イオンビームを合焦するための諸バイアス電圧を受けるように適合される、イオン源からイオンを抽出するためのイオン抽出システム。
  7. 前記諸バイアス電圧が同一の極性を有する請求項6に記載のイオン抽出システム。
  8. 前記諸バイアス電圧がプラスの極性を有する請求項7に記載のイオン抽出システム。
  9. 前記諸バイアス電圧がマイナスの極性を有する請求項7に記載のイオン抽出システム。
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