JP4691516B2 - パーキングロック装置の電動アクチュエータ - Google Patents
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Description
さらに、この種の電動アクチュエータでは、モータを電動できないときに手動でロックを解除できるように手動ロック解除手段が設けられているものがある。手動ロック解除手段は、レバー操作でロッドを進退させるように構成されている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電動アクチュエータを手動で駆動させるときに必要な操作荷重を低減させることを主な目的とする。
このパーキングロック装置の電動アクチュエータでは、ロッドを手動で進退させると、クリアランスの範囲内では、変換機構及びモータが駆動されずにロッドのみが進退する。
クリアランスの範囲を越えてロッドを進退させると、リンクアームを介して変換機構がロッドに連結され、変換機構のスライダがロッドと共に移動する。
また、ロッド側に設けられたストッパにリンクアームが当接するまでの間、ロッドを遊動させることができる。
このパーキングロック装置の電動アクチュエータでは、係止部材を移動させるために必要な荷重のピークを越えるまでの間はロッドが変換機構に対して遊動し、ピークを越えた後にリンクアームを介して変換機構がロッドに連結され、変換機構のスライダがロッドと共に移動する。
図1に電動アクチュエータを含むパーキングロック装置の全体構成を示す。パーキングロック装置1は、変速機2のケースに配設されたパーキング機構3と、パーキング機構3を駆動させるための電動アクチュエータ4とを主に含んで構成されている。
スライダ63は、ベアリング64側から軸線L1の方向に沿って順番にナット部71と、ダンパー72と、リンクユニット73と、ダンパー74と、エンドプレート75を有する。ナット部71は、ボールネジ軸62にネジ込まれており、他の構成要素はナット部71に固定されている。具体的には、ボールネジ軸62を通した状態でナット部71側から挿入されたボルト76でナット部71に締め付けられている。なお、ダンパー72,74は、衝撃を吸収するもので、例えば、ウレタンなどの弾性部材から製造されている。
リンクユニット73の外周には、軸線L1の方向の両端部を残して幅を減少させるように凹部83が形成されている。凹部83は、幅方向に略直交する平面84(摺動面)を有している。また、凹部83によって幅方向に突出する両端部73A,73Bの壁面85A,85Bには、互いに対向するように推力伝達部である凸部86を膨出させてある。凸部86は、半円形の滑らかなカーブを有し、その頂点が図2に示すように側面視でスライダ63及びボールネジ軸62の軸線L1と略一致させてある。つまり、凸部86は、ボールネジ軸62を挟むように一対ずつ設けられており、端部73A側の2つの凸部86の頂点と、端部73B側の2つの凸部86の頂点と、ボールネジ61の軸線L1とが、平面84に直交する同一平面状に配置されている。
なお、ケース41内には、ボールネジ61、リンクアーム91、スイッチプレート98、ロッド92が駆動するのに十分なスペースが形成されている。
車両を駐車させる場合など、運転者がシフトレバーや、シフトチェンジ用のスイッチなどを操作してパーキングに切り替えると、パーキングロック装置1が駆動輪をロックする。この際、電動アクチュエータ4には、シフト装置110に設けられたセンサ111からモータ42のドライバ回路112に対して駆動指令が入力される。ドライバ回路112は、モータ42を予め定められた方向に所定量だけ回転させる。モータ42の回転軸49に連結されたボールネジ軸62が回転させられ、ボールネジ軸62に装着されているスライダ63が軸線方向に移動する。スライダ63のリンクユニット73には、凸部86の頂点を介してリンクアーム91の一対のアーム95が点接触しており、この点を介して推力がリンクアーム91に伝達される。凸部86は、ボールネジ61の軸線L1を通り、リンクアーム91の長さ方向に直交する平面上で、かつ軸線L1を跨ぐように対になって配置されているので、リンクアーム91に均等に荷重がかかる。
図8に示すように、この実施の形態は、スライダ63とリンクアーム91の間にクリアランスを設けていることを特徴とする。リンクアーム91は、ロッド92に固定されており、一対のアーム95の軸線方向の厚さが、スライダ63のリンクユニット121における凸部86間の長さより小さくなっている。リンクユニット121は、端部73A,73B間の距離が異なるのみで第1の実施の形態のリンクユニット73と同じ構成を有する。
リンクアーム91は、リンクユニット121に対して軸線方向に摺動自在に挿入されている。ここで、軸線L1に沿って対向して配置される一対の凸部86とリンクアーム91の間に形成される隙間が、スライダ63とロッド92の間で推力を伝達する際のクリアランスC2になっている。
また、図5に示すように、リンクユニット121の平面84のコーナー部分84Aに面取りを行って曲面形状にすることも摺動低減に寄与する。これは、ボールネジ61を駆動させたときに、ボールネジ軸62にねじ込まれているスライダ63には、軸線回りに回転する力が作用するので、平面84のコーナー部分84Aとリンクアーム91とが線接触することがある。このため、コーナー部分に角があると、リンクアーム91が引っ掛かったり、食い込んだりして摺動抵抗になるので、面取りを行うことで摺動抵抗を低減できる。この実施の形態では、アーム95は、平面84より長く延びているので、平面84のコーナー部分84Aのみを面取りすれば良いが、アーム95が平面84より短い場合には、アーム95の端部95Aの内側の隅部も面取りによる曲面形状を形成すると良い。面取りの断面形状は、直線状でも良いし、円弧状、その他の曲面でも良い。
例えば、凸部86を設けずにリンクユニット73,121と一対のアーム95のそれぞれを面接触させても良い。推力伝達部は、半球形状に限定されない。
4 電動アクチュエータ
11 パーキングギヤ
12 パーキングポール
23,24 ディテント溝
21 ディテントプレート
25 ディテントスプリング(係止部材)
42 モータ
49 回転軸
61 ボールネジ(変換機構)
62 ボールネジ軸(回転軸)
63 スライダ
73,121 リンクユニット
73A,73B 端部
83 凹部
84 平面(摺動面)
84A コーナー部分
86 凸部(推力伝達部)
91 リンクアーム
92 ロッド
100 手動ロック解除レバー
103 第一のストッパ
104 第二のストッパ
C1,C2 クリアランス
Claims (2)
- 車両の変速機に設けられたパーキングギヤにパーキングポールを噛み合わせて駆動輪をロックさせるパーキングロック装置に用いられ、前記パーキングポールを駆動させる電動アクチュエータであって、
モータの出力軸に連結される回転軸にスライダが進退自在に取り付けられ、モータの回転を直線運動に変換する変換機構と、
前記回転軸に略平行に配置され、かつ一端がディテントプレートを介して前記パーキングポールに連結され、前記ティテントプレートを介して前記パーキングポールを駆動させるロッドと、
前記ロッドの他端に連結され、このロッドを手動操作可能な手動ロック解除レバーと、
前記回転軸と前記ロッドのそれぞれに略直交する方向に延び、前記スライダと前記ロッドの間で推力を伝達可能なリンクアームとを備え、
前記パーキングポールは、前記ディテントプレートの前記パーキングギヤに噛み合う位置に対応する箇所と、噛み合いを解除した位置に対応する箇所のそれぞれに形成された溝の一方に弾性付勢された係止部材が、前記溝の最も低い位置に収まるように係止されることで位置制御されており、
前記モータは、前記係止部材の付勢力によって、前記溝の最も低い位置に係止部材が収まったときに停止するように駆動制御されており、
前記リンクアームに前記ロッドが移動自在に通されており、
前記ロッドには前記リンクアームを挟んで第一のストッパと第二のストッパとが前記リンクアームに当接可能に設けられ、これらストッパと前記リンクアームの間にクリアランスが形成されていることを特徴とするパーキングロック装置の電動アクチュエータ。 - 前記クリアランスは、前記係止部材が一方の前記溝から他方の前記溝に移動する際に発生する荷重のピークを越えるのに要する前記ロッドの移動量に相当することを特徴とする請求項1に記載のパーキングロック装置の電動アクチュエータ。
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