JP4691506B2 - カゼインキナーゼIεの阻害剤としての置換1H−ピロロ[3,2−b,3,2−c,及び2,3−c]ピリジン−2−カルボキシアミド及び関連類似物 - Google Patents

カゼインキナーゼIεの阻害剤としての置換1H−ピロロ[3,2−b,3,2−c,及び2,3−c]ピリジン−2−カルボキシアミド及び関連類似物 Download PDF

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Description

本発明は、一連の置換された1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシアミド、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアミド、及び1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキシアミドに関する。より詳しくは、本発明は、3−アリールチオ−置換と3−複素環チオ−置換の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシアミド、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアミド及び1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキシアミド、並びに関連の類似物に関する。また、本発明は、これらの化合物の製造方法に関する。本発明の化合物は、ヒトのカゼインキナーゼIεリン酸化活性の阻害剤であり、したがって、とりわけ中枢神経系に関連する疾病と障害の治療及び/又は予防における医薬品として有用である。
リズミカルな挙動変化は、単細胞から人間までの数多くの生命体で演じられている。リズムが一定条件下で持続し、約1日の周期を有し、温度に殆ど依存しないと、そのリズムは「概日」と称される(Konopka, R. J. and Benzer, S. (1971) Proc. Nat. Acad. Sci.
USA 68, 2112-2116)。
概日リズムは、内在性の生物学的ペースメーカー(概日時計)によって生じ、ヒト、菌類、昆虫、及びバクテリアなどの殆どの生物体に存在する(「Dunlap, J. C. (1999) Cell 96, 271-290」、「Hastings, J. W. et al. Circadian Rhythms, The Physiology of Biological Timing. In: Prosser, C. L. ed. Neural and Integrative Animal Physiology, New York: Wiley-Liss (1991) 435-546」、「Allada, R. et al. (1998) Cell 93, 791-804」、「Kondo et al. (1994) Science 266, 1233-1236」、「Crosthwaite, S. K. et al. (1997) Science 276, 763-769」、「Shearman, L. P. et al. (1997) Neuron, 19, 1261-1269」)。概日リズムは、それ自身で持続性であり、真っ暗闇の条件下であっても不変であるが、光と温度のサイクルのような環境の信号により、新たな昼/夜の体制に同調(同期)することができる。(「Pittendrigh, C.S. (1993) Annu. Rev. Physiol., 55, 16-54」、「Takahashi, J. S. (1995) Annu. Rev. Neurosci. 18, 531-553」、「Albrecht, U. et al. (1997) Cell, 91, 1055-1064」)。概日時計は、生物学的リズムを維持するのに不可欠であり、挙動、食物摂取、及び睡眠/覚醒サイクルにおける日々の変動のような種々の概日挙動と同時に、ホルモン分泌や体温変動のような生理的変化を規制する(「Hastings, M. (1997) Trends Neurosci. 20, 459-464」、「Reppert, S. M. and Weaver, D. R. (1997) Cell 89, 487-490」)。
クダモノミバエのキイロショウジョウバエにおける遺伝と分子の研究は、概日リズム性に関わるいくつかの遺伝子の説明をもたらした。これらの研究は、綿密に自動規制され、転写/翻訳に基づく負のフィードバックループからなる経路の認識に導いた(「Dunlap, J. C. (1999) Cell, 96, 271-290」、「Dunlap, J. C. (1996) Annu. Rev. Genet. 30, 579-601」、「Hall, J. C. (1996) Neuron, 17, 799-802」)。キイロショウジョウバエにおける概日振動子のコアエレメントは、2つの刺激性タンパク質dCLOCK/dBMAL(CYCLE)及び2つの抑制性タンパク質dPERIOD(dPER)並びにdTIMELESS(dTIM)からなる。dCLOCKとdBMALは、ヘテロ二量体化して転写制御因子dCLOCK/dBMALを形成し、これがDrosophila Period(dper)とDrosophila Timeless(dtim)と称される2つの遺伝子の発現を促進する。最終的に、これらの遺伝子からのmRNAは転写され、それぞれ、タンパク質dPERとdTIMを生成する。数時間で、タンパク質生成物dPERとdTIMが合成され、細胞質の中でリン酸化され、臨界レベルに達し、核内に転位されるヘテロ二量体を形成する。核内でdPERとdTIMが、それら自身の転写の負の制御因子として作用すると、dPERとdTIMの蓄積が減少し、dCLOCK/dBMALによるdperとdtimの活性化が再び開始する(「Zylka, M.J. et al. (1998) Neuron 20, 1103-1110」、「Lowrey, P. L. et al, (2000) 288, 483-491」)。dper遺伝子は、羽化(蛹からの成虫ハエの出現)の挙動と自発運動活性における概日リズムをコントロールするのに必要な要素であることが示されている(Konopka, R.J., & Benzer, S. (1971) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 68, 2112-2116)。per遺伝子のミスセンス変異は、概日リズムの時間を短くする(perS)又は長くする(perL)ことができ、一方、ナンセンス変異(perO)は、それらの挙動に不整脈性を引き起こす(Hall, J. C. (1995) Trends Neurosci. 18, 230-240)。
哺乳類において、視床下部前部の視交叉上核(SCN)は、マスター生体時計の場所である(概説として「Panda et al, (2002) Nature 417, 329-335」、「Reppert, S. M. and Weaver, D. R. (1997) Cell, 89, 487-490」参照)。SCN時計は、毎日の明暗サイクルによって24時間の1日に同調し、光は、直接と間接の双方の網膜からSCNへの経路を通して作用する(Klein, D. C. et al. (1991) Suprachiasmatic Nuclei: The Mind's Clock, Oxford Univeristy Press, New York)。齧歯類のSCNにおいて、3つのPer遺伝子が確認され、クローン化されており、マウスPerl(mPerl)、mPer2、及びmPer3として表示される。これらの哺乳類遺伝子(mPER1、mPER2、mPER3)のタンパク質生成物は、互いに相同するいくつかの領域を共有し、各々の哺乳類Per遺伝子は、昆虫PERのPASドメインに高度に相同するPASとして表示されるタンパク質二量体化ドメインによってタンパク質をコード化する(PASは、この機能的に重要な二量体化ドメインを共有することが見出された最初の3つのタンパク質PER、ARNT、及びSIMの頭文字である)。全てのPerメッセンジャーRNA(mRNA)とタンパク質レベルは、日周性の1日の間に変動し、生体時計の正と負の規制に親密に関与するが、mPER1とmPER2のみは、光に応答して変動する(「Zylka, M. J. et al. (1998) Neuron 20, 1103-1110.」、「Albrecht, U. et al., (1997) Cell 91, 1055-1064」、「Shearman, L. P. et al. (1997) Neuron 19, 1261-1269」)。ショウジョウバエtim遺伝子の哺乳類相同体は、クローン化され、mTimとして表示される。しかしながら、ショウジョウバエにおいて観察されるものに似たmPER−mTIM相互作用についての証拠がなく、哺乳類の概日時計の分子作用において、PER−PER相互作用がPER−TIM二量体の作用に置き換わったかと示唆された(Zylka, M. J. et al., (1998) Neuron 21, 1115-1122)。もう1つの可能性は、PER1とPER2におけるリズムが、時計タンパク質の転写活性を規制する負のフィードバックループを形成し(それらのPASドメインによる)、今度はこれが、一方又は双方のPer遺伝子の発現を推進することである(Shearman, L. P. et al. (1997) Neuron 19, 1261-1269)。
哺乳類の時計仕掛けにおける3つのmPer遺伝子の役割を理解することが、多くの研究の主題であった。dPERに対するmPERタンパク質の構造的相同性は、mPERタンパク質が、哺乳類のフィードバックループにおける負の要素として機能するであろうとの期待をもたらした。PER1は、フィードバックループにおけるそれ自身の転写の負の規制に関わると考えられるが、最近の証拠は、それがインプット経路に関わっていると指摘している(Hastings, M. H. et al. (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 26, 15211-15216)。PER2は、最もうまくキャラクタライズされたタンパク質であり、PAS二量体化ドメインのカルボキシル部分で87残基を欠損するmPER2変異マウス(mPer2Brdml)は、通常の明暗設定において短縮した概日サイクルを有するが、真っ暗闇の中で不整脈性を有する。また、変異は、SCNにおけるmPer1とmPer2の双方の変動性発現を減少させ、mPer2がインビボにおいてmPer1を規制し得ることを示唆する(Zheng, B. et al. (1999) Nature 400, 169-173)。PER2は、中心時計の「歯車」の規制において二重の作用を有することが示されている(Shearman, L. P. et al. (2000) Science 288, 1013-1018)。その研究において、PER2は、クリプトクロム(CRY)タンパク質に結合して核に位置を変え、そこでCRYは、CLOCKとBMAL1の正の転写複合体によって駆動される転写を負に規制することが示された。核の入口で、PER2は、未だ確認されてないメカニズムによりBMAL1転写を正に規制することにより、時計の正のアームを起動した。PER3の作用は殆ど理解されなく、しかしながら、mPer3欠損マウスにおいて、概日活動に及ぼす微妙な効果が観察され、したがって、概日コントロールの出力経路においてPER3が関与することが示唆された(Shearman, L. P. et al. (2000) Mol. Cell. Biol. 17, 6269-6275)。mPERタンパク質は互いに相互作用をし、mPER3は、mPER1とmPER2のキャリヤーとして機能してそれらを核内に運ぶことができ、このことは、SCNにおける概日信号の発生にとって重要であると報告されている(「Kume, K. et al. (1999) Cell 98, 193-205」、「Takano, A. et al. (2000), FEBS Letters, 477, 106-112」)。
概日時計の成分のリン酸化は、サイクル期間を規制することを前提としている。特定のタンパク質キナーゼが、ショウジョウバエの概日リズムを規制することの最初の遺伝子的証拠は、タンパク質セリン/スレオニンキナーゼをコードする新規な遺伝子doubletime(dbt)の発見であった(「Price J. L. et al. (1998) Cell 94, 83-95」、「Kloss B. et al. (1998) Cell 94, 97-107」)。dbtにおけるミスセンス変異は、変更された概日リズムに帰着する。dbtの欠損アレル(null alleles)は、dPERの低リン酸化と不整脈性に帰着する。
DBTに最も密接に関係する哺乳類のキナーゼは、カゼインキナーゼIε(CKIε)とカゼインキナーゼIδ(CKIδ)である。双方のキナーゼとも、mPER1に結合することが示されており、いくつかの研究は、CKIεがマウスとヒトの双方のPER1をリン酸化することを示している(「Price J. L. et al. (1998) Cell 94, 83-95」、「Kloss B. et al. (1998) Cell 94, 97-107」)。野生型hCKIεを同時形質移入されたヒト胎児由来腎臓293T細胞を用いた研究において、hPER1は、リン酸化において大きな増加を示した(分子質量のシフトによって証明)。この研究において、リン酸化されたhPER1は、約12時間の半減期を有した一方で、リン酸化されていないhPER1は、24時間を超えて細胞の安定を維持し、hPER1のリン酸化がタンパク質安定性の減少をもたらすことを示唆した(Kessler, G. A. et al. (2000) NeuroReport, 11, 951-955)。また、もう1つの研究は、hCKIεによるPER1リン酸化の結果が、双方の細胞質の保持、核の転座、及びタンパク質の不安定性を含むことを示した(「Vielhaber, E. et al. (2000) Mol. Cell. Biol. 13, 4888-4899」、「Takano, A. et al. (2000) FEBS Letters 477, 106-112」)。
ロウェリーらが[(2000) Science 288, 483-491]、シリアンゴールデンハムスターにおいて、CKIεにおける半優性変異が(tau mutation, Ralph, M. R. and Menaker, M.
(1988) Science 241, 1225-1227)、ヘテロ接合性動物(22時間)とホモ接合性動物(20時間)の双方において短縮された概日日を引き起こすことを見出すまで、哺乳類における可能性のある制御因子としてCKIε又はCKIδを選択する生化学的理由は存在しなかった。この場合において、CKIε活性の低下したレベルは、より少ないPERリン酸化をもたらし、恐らくより高いレベルの細胞質PERタンパク質は、促進された核侵入と変動した概日サイクルに導いた。最近になって、CKIδもまた、哺乳類の時計クタンパク質hPER1とhPER2の翻訳後修飾により、概日リズムの規制に関与し得ることが示唆された(Camacho, F. et al., (2001) FEBS Letters 489 (2,3), 159-165)。即ち、CKIε及び/又はCKIδの小分子の阻害剤は、概日リズムを変動させる新しい手段を提供する。下述するように、概日リズムの変動は、睡眠又は気分障害の治療のための有用性を見出す可能性がある。
米国特許6555328B1は、ヒトの時計タンパク質hPER1、hPER2、及びhPER3をリン酸化するヒトのカゼインキナーゼIε及び/又はヒトのカゼインキナーゼIδの能力を変化させるテスト化合物に基づき、概日リズムを変動させる化合物を特定するための、細胞内でのスクリーニング法を開示している。例えば、HEK293T細胞は、hCKIεとPer1又はPer2を同時形質移入される。CKIε阻害とCKIε阻害剤の概日バイオロジーに対する関連性を評価する目的で、概日リズムを日常的方法でモニターすることができる高処理能力の細胞アッセイ(33rd Annual Meeting, Soc. for Neurosci., November 8-12,2003, Abstract numbers 284.1, 284.2, and 284.3)を開発した。このアッセイは、Mper1−luc作成物を安定して発現するRat−1線維芽細胞からなり、したがって、数日にわたる光出力のモニターによりルシフェラーゼ活性を反復して見積もることにより、生細胞におけるMper1促進剤のリズム活性化の測定を可能にする。このアッセイの繰返しの測定フォーマットは、概日リズムに及ぼすCKIε阻害剤の濃度依存効果の正確で再現性のある評価を可能にし、概日期間の変動に対する関連するCKIε阻害についてのネクサスを提供する。
睡眠障害は、4つの主なカテゴリーに分類されており、第1睡眠障害(睡眠異常と睡眠時随伴症)、医療的/精神的障害に伴う睡眠障害、及び不十分なデータにより分類できない睡眠障害についての提案された睡眠障害のカテゴリーが含まれる。第1睡眠障害は、睡眠・覚醒の発生(恒常性システム)又はタイミング(概日システム)に関与する内因性システムの異常に由来すると考えられる。睡眠異常は、睡眠の開始又は維持における障害であり、一次性不眠、睡眠過剰(過剰の眠気)、睡眠発作、呼吸関連の睡眠障害、概日リズムの睡眠障害、及びその他の特定されない睡眠障害が含まれる。一次性不眠は、睡眠の開始・維持が困難なこと又は体力が回復しない睡眠が持続する(1箇月を超える)によって特徴付けられる。一次性不眠に伴う睡眠の困難さは、昼間の短気、注意力と集中力の喪失、疲労と倦怠感、及び気分とモチベーションの低下などの著しい苦悩又は機能障害をもたらす。概日リズムの睡眠障害には、時差ボケ症候群、交代勤務睡眠障害、睡眠相前進症候群、及び睡眠相後退症候群が含まれる(J. Wagner, M. L. Wagner and W. A. Hening, Annals of Pharmacotherapy (1998) 32, 680-691)。強制睡眠パラダイムにおける個々人は、概日日の特定の期間で、睡眠時間の割合としてより高い覚醒状態を実証している(Dijk and Lockley, J. Appl. Physiol. (2002) 92, 852-862)。年齢とともに、我々の睡眠についての概日日リズムに進歩があり、多くはより低い質の睡眠に帰着することが一般に受け入れられている(Am J Physiol Endocrinol Metab. (2002) 282, E297-E303)。このように、概日相から生じる睡眠は、交代勤務や時差ボケに伴う睡眠の変化によってさらに例示されるように、質的・量的な事項において問題があることがある。ヒトの概日時計の撹乱は、睡眠障害を引き起こすことがあり、CKIε及び/又はCKIδの阻害剤のような概日周期性を調節する薬剤が、睡眠障害、とりわけ概日リズムの睡眠障害の治療に有用なことがある。
気分障害は、うつ病性障害(単極性うつ病)、双極性障害、及び一般的な病状と物質誘因の気分障害による気分障害を含む病因に基づく2つの障害に分けられる。うつ病性障害は、大うつ病性障害、気分変調性障害、及び他に特定されないうつ病性障害に下位分類される。双極性障害は、双極性I障害と双極性II障害に下位分類される。再発性の大うつ病性障害と、双極性I障害と双極性II障害における大うつ病エピソードのパターンに、指示子「季節パターン」が適用可能なことが観察されてきた。際立ったアネルギー、睡眠過剰、過食、体重増加、及び炭水化物への渇望は、季節パターンで生じる大うつ病エピソードを特徴づけることが多い。季節パターンが、再発性の大うつ病性障害又は双極性障害でより起こり得るかどうかは不明である。しかしながら、双極性障害の中では、季節パターンは、双極性I障害よりも双極性II障害における方がより起こり得るように見える。一部の個人において、躁又は軽躁エピソードの開始が、特定の季節と結びつくこともある。冬型の季節パターンは、緯度、年齢、及び性別とともに異なるように見える。有病率は、緯度が高くなると増加し、年下の人々は冬型うつ病エピソードに対する危険性がより高く、女性は、季節パターンを有する人々の60%〜90%を構成する。文献で一般に使用される用語の季節性情動障害(SAD)は、双極性I障害、双極性II障害、又は再発性の大うつ病性障害における大うつ病エピソードの季節パターンを記載するときに、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders IV (DSM-IV) (American Psychiatric Association:“Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders”, Fourth Edition, Text Revision. Washington, DC, American Psychiatric Association, 2000)の中で用語「季節パターンで」によって表される気分障害のサブタイプである(E. M. Tam et al., Can. J. Psychiatry (1995) 40,457-466)。うつ病性障害、大うつ病性障害、大うつ病エピソード、双極性I障害、双極性II障害、及び季節的影響の特徴と診断は、DSM−IVに記載されている。
典型的に冬における再発性うつ病エピソードによって特徴づけられるSADなどの大うつ病性障害に悩む患者は、光線療法に積極的に応答することが示されている(Kripke, Journal of Affective Disorders (1998) 49 (2), 109-117)。SADと大うつ病を有する患者に対する明るい光による治療の成功は、光の治療効果についての作用の基礎的メカニズムを説明するいくつかの仮説の提唱をもたらした。これらの仮説には、明るい光の抗うつ効果が、睡眠に対する概日ペースメーカーの位相シフトを伴うことができることを提言する「概日リズム説」が挙げられた(E. M. Tam et al., Can. J. Psychiatry (1995) 40,457-466)。光治療と概日リズムの間の関連を支持して、大うつ病性障害における臨床的に有効な光治療は、概日位相における付随的シフトを引き起こし、光治療の臨床的有効性は、光治療における位相シフト能力に依存するように思われる(「Czeisler et al., The Journal of Physiology (2000) 526 (Part 3), 683-694」、「Terman et al., Arch. Gen. Psychiatry (2001) 58, 69-75」)。さらに、光治療は、大うつ病性障害の薬理治療の有効性を促進・増大することが示されている(Benedetti et al., J. Clin. Psychiatry (2003) 64, 648-653)。このように、カゼインキナーゼIε及び/又はカゼインキナーゼIδの阻害は、概日位相シフトを引き起こし、こうした阻害が、気分障害に対する可能性のある臨床的に有効な単一又は併用療法を提示するものと期待される。
睡眠障害は、多くの精神疾患にとって判断基準の症状であることを認識するべきである(W. V. McCall, J. Clin. Psychiatry (2001) 62 (suppl 10), 27-32)。睡眠障害は、うつ病性障害の一般的特徴であり、不眠は、うつ状態の患者に90%を超えて生じる、うつ病において頻繁に報告される睡眠障害である(M. E. Thase, J. Clin. Psychiatry (1999) 60 (suppl 17), 28-31)。蓄積した証拠は、一次性不眠と大うつ病性障害についての一般的病気原因を支持する。コルチコトロピン放出因子(CRF)の機能亢進(遺伝的素因又は恐らく幼児期ストレスによる)とストレスは、誇張され長期化した睡眠障害をもたらすプロセスと、ひいては一次性不眠を誘発すると仮定されている。ストレスのない条件下でのCRF分泌における概日リズム性は、通常の睡眠・覚醒の発現においてある役割を果たすことができる(G. S. Richardson and T. Roth, J. Clin Psychiatry (2001) 62 (suppl 10), 39-45)。このように、例えば、カゼインキナーゼIε及び/又はカゼインキナーゼIδの阻害により概日リズム性を調節する薬剤は、CRF分泌に及ぼす効果によるうつ病性障害の治療に有用であることができる。
上述に引用した参考文献はいずれも、全体として本明細書に加入する。
このように、本発明の目的は、カゼインキナーゼIεの阻害剤である一連の置換された1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシアミド、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアミド、及び1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキシアミドを提供することである。本発明のこの目的及びこの他の目的は、以下の本発明の詳細な説明から明らかになる。
本発明は、ヒトのカゼインキナーゼIεリン酸化活性の阻害剤としての式(I)の置換された1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシアミド、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアミド、1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキシアミド、及び関連の類似物、並びに、その医薬的に許容される塩又は立体異性体を提供し、並びに、中枢神経系の疾病と障害、例えば、大うつ病性障害、双極性I障害、及び双極性II障害などの気分障害、並びに例えば、交代勤務睡眠障害、時差ボケ症候群、睡眠相前進症候群、及び睡眠相後退症候群のような概日リズムの睡眠障害などの睡眠障害の治療のための式(I)の化合物の使用方法を提供する。
したがって、本発明の広範囲な実施態様は、式(I)の化合物に関し、
Figure 0004691506
ここに、
1は、H又はC1-6アルキルであり、
2は、NR56であり、
3は、アリール又は複素環であり、
4は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、CF3、ハロゲン、SH、S−C1-6アルキル、NO2、NH2、又はNR56であり、
5は、H又はC1-6アルキルであり、
6は、H又はC1-6アルキルであり、
Xは、S又はS(O)nであり、
K、L、又はMの1つはNであり、K、L、又はMの他の2つは、それぞれCであり、R4は、K、L、M、又はCである他の環原子にのみ結合し、
mは、1、2、又は3であり、及び
nは、1又は2である、
又は、その医薬的に許容される塩もしくは立体異性体である。
本発明の1つの実施態様は、医薬担体、及び式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩もしくは立体異性体の治療的有効量を含んでなる医薬組成物に関する。
本発明のもう1つの実施態様は、式(I)の化合物の治療的有効量を患者に投与することによってカゼインキナーゼIεを阻害する方法に関する。
本発明のもう1つの実施態様は、カゼインキナーゼIεの阻害によって改善される疾病又は障害に悩む患者を治療する方法に関し、この方法は、その患者に式(I)の化合物の治療的有効量を投与することを含む。
本発明のもう1つの実施態様は、式(I)の化合物の製造方法に関する。
本発明のさらなる実施態様は、本願で開示される本発明の方法によって製造される式(I)の化合物に関する。
本願における用語「立体異性体」は、空間内でそれらの原子の配向のみが相違する個々の分子のあらゆる異性体について使用される一般的用語である。用語「立体異性体」には、鏡像異性体(エナンチオマー)、鏡像異性体の混合物(ラセミ化合物、ラセミ混合物)、幾何(シス/トランス又はE/Z)異性体、及び互いに鏡像ではない1つを超えるキラル中心を有する化合物の異性体(ジアステレオ異性体)が含まれる。
本願における用語「R」と「S」は、キラル中心の特定の配置を表示するために有機化学において一般的に使用される用語である。用語「R」(rectus)は、結合にそって最も低い優先順位の基の方向を見たとき、時計回りの基の優先順位の関係(最も高いから2番目に低い)を有するキラル中心の構造を言う。用語「S」(sinister)は、結合にそって最も低い優先順位の基の方向を見たとき、反時計回りの基の優先順位の関係(最も高いから2番目に低い)を有するキラル中心の構造を言う。基の優先順位は、優先順位付けが最初に原子番号によるといった順位付け規則による(原子番号が低下する順序)。優先順位のリストと議論は、Stereochemistry of Organic Compounds, Ernest L. Eliel, Samuel H. Wilen and Lewis N. Mander, editors, Wiley-Interscience, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994に収められている。
(R)−(S)系に加え、特にアミノ酸に関して絶対配置を表示するため、旧来のD−L系もまた本願で用いることがある。この系において、フィッシャー投影式が、主鎖のNo.1炭素が頂点にあるようにして適応される。接頭辞「D」は、キラル中心の炭素の右側に官能(測定)基がある異性体の絶対配置を、「L」はそれが左にある異性体のそれを表すために用いられる。
本願における用語「互変異性体」又は「互変異性」は、1つ(又はそれ以上)の可動原子の位置と電子分布のみが互いに相違する2つ(又はそれ以上)の化合物の共存を指称し、例えば、ケト−エノール互変異性体又は互変異性が挙げられる。
本願における用語「アルキル」は、1〜6の炭素原子を有する飽和した直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基を意味し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチルなどの基が挙げられる。
本願における用語「アルケニル」は、2〜6の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の一価の不飽和脂肪族鎖を意味し、エテニル(ビニルとしても知られる)、1−メチルエテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、1−ヘキセニル、2−メチル−2−プロペニル、2,4−ヘキサジエニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニルなどの基が挙げられる。
本願における用語「アルキニル」は、2〜6の炭素原子とともに少なくとも1つの三重結合を有する直鎖又は分枝鎖の一価の不飽和脂肪族を意味し、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、1−ヘキシニル、2−プロピニル、2−ブチニル、2−ペンチニルなどの基が挙げられる。
本願における用語「アルコキシ」は、エーテル酸素原子を介して連結した1〜6の炭素原子を有し、エーテル酸素からのその自由原子価結合を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル鎖からなる一価の置換基を意味し、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシなどの基が挙げられる。
本願における用語C3〜C8シクロアルキルは、3〜8の炭素原子を含む飽和炭化水素の環構造を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。
本願における用語「アリール」又は「Ar」は、各環が7員以下の任意の安定な単環、二環、又は三環の炭素環を意味し、少なくとも1つの環は、非置換、又はメチレンジオキシ、ヒドロキシ、C1-6−アルコキシ、ハロゲン、C1-6−アルキル、C2-6−アルケニル、C2-6−アルキニル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−NO2、−NH2、−NH(C1-6−アルキル)、−N(C1-6−アルキル)2、−NH−アシル、及び−N(C1-6−アルキル)アシルからなる群より選択された1〜3の置換基で置換された芳香族である。「アリール」又は「Ar」の例には、フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−アミノフェニル、3−アミノフェニル、4−アミノフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−ニトロフェニル、3−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、及びビフェニルが挙げられる。用語「アリール−(C1〜C6−アルキル)」には、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、フェニルメチル(ベンジル)、フェニルエチル、p−メトキシベンジル、p−フルオロベンジル、及びp−クロロベンジルが挙げられる。
本願における用語「アシル」は、カルボニル部分構造に結合した1〜6の炭素原子を有する分枝鎖と直鎖の双方の飽和脂肪族炭化水素基を意味し、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルなどが挙げられる。
本願における用語「複素環」又は「複素環式」は、安定な5〜7員の単環式又は安定な8〜11員の二環式の複素環を意味し、飽和又は不飽和のいずれかであり、炭素原子と、N、O、及びSからなる群より選択された1〜3のヘテロ原子からなり、窒素と硫黄のヘテロ原子は、場合により酸化されてよく、窒素のヘテロ原子は、場合により四級化されてよく、上記に規定した任意の複素環がベンゼン環に縮合した任意の二環式基が含まれる。複素環は、安定な構造の生成をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子で結合することができる。複素環は、非置換、又はC1-6−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-6−アルキル、C2-6−アルケニル、C2-6−アルキニル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−NO2、−NH2、−NH(C1-6−アルキル)、−N(C1-6−アルキル)2、−NH−アシル、及び−N(C1-6−アルキル)アシルからなる群より選択された1〜3の置換基で置換されることができる。このような複素環要素の例には、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、ベンゾフラニル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、及びオキサジアゾリルが挙げられる。
本願における用語「ハロゲン」、「ハル」、又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素の族の一員を意味する。
本発明の何らかの成分又は式(I)の化合物において、何らかの変数(例、アリール、複素環、R1、R2、R3、R4等)が1回を超えて生じるとき、各場合におけるその定義は、あらゆる別な場合でのその定義と独立する。また、置換基及び/又は変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合のみ許容される。
本願における用語「治療する」、「治療すること」又は「治療」は、下記の意味である。
(1)疾病、障害、及び/又は状態に罹る可能性があるが、未だ罹ったと診断されていない患者において、その疾病、障害、又は状態の発生を防止し、
(2)疾病、障害、又は状態を抑制し、即ち、その進行を抑止し、
(3)疾病、障害、又は状態を軽減し、即ち、疾病、障害、及び/又は状態の退行を生じさせる。
本願における用語「患者」は、特定の疾病、障害、又は状態に苦しむ哺乳類のような温血動物を意味する。モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ウマ、ウシ、ヒツジ、及びヒトは、この用語の意味の範囲内にある動物の例であることが明確に理解される。
本願における用語「疾病」は、疾患、病気、又は体の機能、システム、もしくは臓器の断絶、停止、もしくは障害を意味する。
本願における用語「障害」は、発生における遺伝的もしくは発生学的故障、又は毒物、負傷、もしくは疾病のような外因性の要因から生じる機能、構造、又は双方の混乱を意味する。
本願における用語「状態」は、存在、健康、又は物理的適合性の状態を言う。
本願における用語「予防」は、疾病の防止を意味する。
本願における用語「睡眠障害」、「睡眠撹乱」、又は「睡眠混乱」は、不眠を意味する。
本願における用語「不眠」は、睡眠が通常は生じる時間の中で、騒音や眩しい光などのような外的妨害が存在しない中で眠れないことを意味し、その睡眠できないことは、不穏状態又はうたた寝から、通常長さの睡眠の短縮又は絶対的覚醒状態まで、程度が異なることがある。用語「不眠」には、一次性不眠、精神障害に関連する不眠、薬物誘因の不眠、及び通常の睡眠・覚醒スケジュールの変化による不眠である概日リズム不眠(交代変化、交代勤務睡眠障害、時差ボケ又は時差ボケ症候群など)が含まれる。
本願における用語「一次性不眠」は、精神障害又は特定薬物の摂取もしくは禁断の生理的影響(薬物誘因の不眠)によるものではない、睡眠を開始する、睡眠を持続する、又は回復性睡眠を取ることの困難性を意味する。
本願における用語「概日リズムの睡眠障害」には、時差ボケ、時差ボケ症候群、交代勤務睡眠障害、睡眠相前進症候群、及び睡眠相後退症候群が挙げられる。
本願における用語「化合物の有効な阻害量」又は「化合物の有効なカゼインキナーゼIεの阻害量」は、こうした治療を受け入れられる疾病、障害、又は状態に悩む患者を治療するため、適切なルートの投与によって生物が利用可能になる十分な化合物を意味する。
本願における用語「治療的に有効な量」は、指名された疾病、障害、又は状態を治療するのに有効な化合物の量を意味する。
本願における用語「医薬的に許容される塩」は、既に公知である又は将来見出されるかによらず、医薬品として使用するのに適切な非毒性の有機又は無機付加塩であって、当業者に使用されるあらゆる塩に適用することを意図したものである。適切な塩を形成する例示としての塩基には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、又はマグネシウム水酸化物のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、及び脂肪族、環状、又は芳香族アミン、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルジエチルアミン、ピリジン、及びピコリンが挙げられる。適切な塩を形成する例示としての酸には、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの無機酸、及び、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸及びジヒドロキシマレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、4−アミノ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アントラニル酸、桂皮酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、マンデル酸などの有機カルボン酸、並びにメタンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸のような有機スルホン酸が挙げられる。
本願における用語「医薬担体」は、投与のための医薬的に活性な化合物を製剤する際に用いられ、使用条件下において実質的に非毒性で非感作性である公知の医薬賦形剤を指称する。これらの賦形剤の正確な割合は、活性化合物の溶解性と化学的特性、選択される投与ルート、及び標準的薬務によって定められる。本発明の方法を実施するにおいて、化合物は、それ自身で有効で、それ自身を投与することもできるが、活性成分は、好ましくは、医薬担体を含む組成物の中に含められる。ここで、活性成分の割合は、約1質量%から約90質量%まで変更することができる。
なお、本明細書で現れる略語は、以下の意味を有する。
Me(メチル)、Et(エチル)、Ph(フェニル)、Et3N(トリエチルアミン)、p−TsOH(パラ−トルエンスルホン酸)、TsCl(パラトルエンスルホニルクロリド)、hept(ヘプタン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、NMP(1−メチル−2−ピロリジノン又はN−メチル−2−ピロリジノン)、IPA(イソプロパノール又はイソプロピルアルコール)、TFA(トリフルオロ酢酸)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン)、rt又はr.t.(室温又は周囲温度)、min又はmin.(分)、h(時間)、UV(紫外線)、LCMS(液体クロマトグラフィ質量分光分析)、t−Boc又はBoc(t−ブトキシカルボニル)、Bn(ベンジル)、t−Bu(第三級ブチル)、i−Pr(イソプロピル)、HOAc(酢酸)、EtOAc(酢酸エチル)、Et2O(ジエチルエーテル)、EtOH(エタノール)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、μg(マイクログラム)、ng(ナノグラム)、mL(ミリリットル)、μL(マイクロリットル)、L(リットル)、HPLC(高性能液体クロマトグラフィ)、TLC、tlc、又はTlc(薄層クロマトグラフィ)、g/L(リットルあたりのグラム)、SiO2(シリカゲル)、L/min(分あたりのリットル)、mL/min(分あたりのミリリットル)、mmol(ミリモル)、M(モル濃度)、mM(ミリモル濃度)、μM(マイクロモル濃度)、nM(ナノモル濃度)、μCi(マイクロキューリー)、CPM(分あたりのカウント)、rpm(分あたりの回転)、mm(ミリメートル)、μm(マイクロメートル)、μ(ミクロン)、nm(ナノメートル)、ppm(百万あたりの部分)、psi(平方インチあたりのポンド)、eq.又はequiv.(当量)、RT(保持時間)、℃(摂氏温度)、及びK(ケルビン)。
したがって、本発明の広範囲な実施態様は、式(I)の化合物に関し、
Figure 0004691506
ここに、R1は、H又はC1-6アルキルであり、R2は、NR56であり、R3は、アリール又は複素環であり、R4は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、CF3、ハロゲン、SH、S−C1-6アルキル、NO2、NH2
、又はNR56であり、R5は、H又はC1-6アルキルであり、R6は、H又はC1-6アルキルであり、Xは、S又はS(O)nであり、K、L、又はMの1つはNであり、K、L、又はMの他の2つは、それぞれCであり、R4は、K、L、M、又はCである他の環原子にのみ結合し、mは、1、2、又は3であり、及びnは、1又は2である。
本発明の1つの実施態様は、LがNであり、KとMがそれぞれCである化合物に関する。
本発明のさらなる実施態様は、LがNであり、KとMがそれぞれCであり、R1、R4、R5、及びR6がそれぞれHであり、R3がアリールである化合物に関する。以下の化合物は、この実施態様の範囲内にある代表的な例である:
3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、及び
3−(4−クロロ−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
本発明のもう1つの実施態様は、MがNであり、KとLがそれぞれCである化合物に関する。
本発明のさらなる実施態様は、MがNであり、KとLがそれぞれCであり、R1、R4、R5、及びR6がそれぞれHであり、R3がアリール又は複素環である化合物に関する。以下の化合物は、この実施態様の範囲内にある代表的な例である:
3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド
3−(3−クロロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(2−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(2−トリフルオロメトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(2−メトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、及び
3−(ピリジン−2−スルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
本発明のもう1つの実施態様は、KがNであり、LとMがそれぞれCである化合物に関する。
本発明のさらなる実施態様は、KがNであり、LとMがそれぞれCであり、R1がC1-6アルキルであり、R5がHであり、R6がH又はC1-6アルキルであり、及びR3がアリールである化合物に関する。以下の化合物は、この実施態様の範囲内にある代表的な例である:
1−メチル−3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、
1−メチル−3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、及び
3−フェニルスルファニル−1−プロピル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
本発明のさらなる実施態様は、KがNであり、LとMがそれぞれCであり、R1、R4、及びR5がそれぞれHであり、R3がアリールであり、及びR6がC1-6アルキルである化合物に関する。以下の化合物は、この実施態様の範囲内にある代表的な例である:
3−(3−トリフルオロメトキシフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、
3−(3−クロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、
3−(3−フルオロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、及び
3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド。
本発明のさらなる実施態様は、KがNであり、LとMがそれぞれCであり、R1、R4、R5、及びR6がそれぞれHであり、R3が複素環である化合物に関する。以下の化合物は、この実施態様の範囲内にある代表的な例である:
3−(キノリン−8−イルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(ピリジン−2−スルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(ピリジン−4−スルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、及び
3−(チオフェン−2−イルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
本発明のさらなる実施態様は、KがNであり、LとMがそれぞれCであり、R1、R5、及びR6がそれぞれHであり、R3がアリールである化合物に関する。以下の化合物は、この実施態様の範囲内にある代表的な例である:
3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3−フルオロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3−クロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3−ブロモフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(2−クロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(4−クロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(2,4−ジクロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(2−フルオロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(2,3−ジクロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(2−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(2−アミノフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(2,5−ジクロロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(2−メトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3−アミノ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(4−ニトロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3−ニトロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−o−トリルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−p−トリルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3,5−ジメチル−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−m−トリルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(2−エチル−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3−トリフルオロメトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、及び
3−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド。
本発明の化合物は、当該分野で公知のものに類似する方法によって製造することができる。反応スキーム1、2、3、及び対応する説明文は、本発明の種々の化合物の製造を記載する。開示した本発明の方法と実施例は、説明のために用意したものであって、本発明の範囲を限定するものではない。個々の化合物に到達するための、本明細書で記載したものに代わる試薬、反応条件、及び工程の別な組み合わせと置換は当業者には明らかである。表1、2、及び3は、実施例の化合物の要約を提供し、本発明の実施例の化合物についての生物学データは、表4に要約している。
化学的合成
Figure 0004691506
スキーム1は、市販の2−クロロ−3−ニトロピリジン(1a−1、ここに、KはNであり、LとMはそれぞれCである)、3−クロロ−4−ニトロピリジン(1b−1、ここに、LはNであり、KとMはそれぞれCである)、もしくは4−クロロ−3−ニトロピリジン(1c−1、ここに、MはNであり、KとLはそれぞれCである)、又は随意に置換されたクロロ−ニトロピリジン1からの本発明の化合物の合成を開示する。化合物番号の最初の数字は、スキーム1〜3のいずれでも示すように、対応する化合物又は構造の番号に関連し、例えば、1a−1における最初の数字1は、スキーム1における化合物又は構造1に関連する。その後の文字表示「a」、「b」、又は「c」は、それぞれ、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシアミドのシリーズ(「a」、4−アザインドールのシリーズとしても知られる)、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアミドのシリーズ(「b」、5−アザインドールのシリーズとしても知られる)、及び1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキシアミドのシリーズ(「c」、6−アザインドールのシリーズとしても知られる)の前駆体として、又はメンバーとしての化合物を特定する。化合物番号において、ダッシュの後の最後の1つ以上の数字は、その構造シリーズにおける特定の化合物を特定する。化合物が番号によってのみ特定される場合、その番号は、スキーム1〜3のいずれかにおいて示された対応する化合物又は構造に言及し、その説明は、上述のように、「a」、「b」、及び「c」で特定される3つの構造的シリーズを一般的に含むものと理解される。
スキーム1の工程aにおいて、クロロ−ニトロピリジン1が、約50℃〜約70℃の温度で、例えば、マロン酸ジエチル又はマロン酸ジメチルのようなマロン酸ジエステルの過剰な中の、例えば、マロン酸ジエステルのナトリウム、カリウム、又はリチウム塩のような過剰のマロン酸ジエステル中のマロン酸ジエステルのアルカリ金属塩に、少しずつ添加される。マロン酸ジエステルのアルカリ金属塩は、例えば、当業者によく知られているように、過剰のマロン酸ジエステルに、例えば、ナトリウム金属のようなアルカリ金属を添加することによって製造することができる。約50℃〜約70℃で約3時間の後、混合物を約12〜約24時間にわたって周囲温度に置いておく。反応が不十分な場合、混合物を約80℃に約2時間〜約4時間にわたって加熱した後、濃縮して過剰なマロン酸ジエステルを除去し、次いで、例えば、塩化水素酸又は硫酸のような濃厚な鉱酸と水で処理する。混合物を約100℃〜約110℃で約5時間〜約9時間にわたって加熱し、脱炭酸反応を生じさせる。周囲温度に約12〜約24時間にわたって置いた後、混合物を、例えば、エチルエーテルや酢酸エチルのような適切な溶媒で洗浄し、例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物を用いて約pH8〜約pH9の塩基性にし、例えば、酢酸エチルのような適切な有機溶媒を用いて抽出する。有機抽出物を濾過し、減圧下で濃縮し、所望のメチル−ニトロピリジン2を得る。この「工程a」の手順による2の製造は、「2工程、ワンポット合成」と称される。
あるいは、スキーム1の工程aにおいて、メチル−ニトロピリジン2は、メチルボロン酸を用いた1のスズキカップリングによって製造することもできる。即ち、例えば、ジオキサンのような適切な非プロトン性溶媒中のクロロ−ニトロピリジン1、メチルボロン酸、炭酸カリウム、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh34]の混合物を、約110℃〜約120℃で約12時間〜約16時間にわたって加熱する。この反応混合物を室温まで冷やし、濃縮し、クロマトグラフィによって精製して、メチル−ニトロピリジン2を生成させる。
現在、スキーム1の工程aにしたがって2工程を伴うワンポットにおいて、化合物2もまた製造できることが有利に見出されている。したがって、例えば、ジメチルホルムアミド又はN−メチル−2−ピロリジノンのような極性溶媒に、例えば、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムt−ブトキシド、又はナトリウムヘキサメチルジシラジドのような塩基の約2〜約2.5当量を約16℃の温度で添加し、約30分間にわたって撹拌する。次いで、この混合物が、約20℃〜約35℃の温度で、例えば、マロン酸ジエチルのようなマロン酸ジエステルの約1〜約4当量を用いて処理される。約20分間の後、この混合物が、約1当量の化合物1と、例えば、ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリドンのような極性溶媒との溶液を用い、約29℃〜約44℃で処理される。この混合物は、HPLC分析又は当業者によく知られる別なクロマトグラフィ分析によって表示される反応の完了まで、約50℃に加熱される。最も有利には、化合物1は、約2.0当量のマロン酸ジエチルとともに縮合され、ここに、N−メチ
ル−2−ピロリジノンが好ましい溶媒であり、約2.2〜約2.5当量のナトリウムt−ブトキシドが好ましい塩基であり、上述の添加順序、反応温度と時間が、化合物2のより有利な「ワンポット、2工程」(工程a)の合成のこの部分に採用される。反応が完了すると、混合物は、鉱酸と水、好ましくは、約4.2当量の6Mの硫酸を用い、約100℃で約12時間にわたって処理され、脱炭酸反応を生じさせる。この反応は、氷水でクエンチされ、トルエンのような適切な溶媒を用いて抽出され、化合物2を得る。この有利な「工程a」の手順による化合物2a−1(2−メチル−3−ニトロ−ピリジン)の合成は、マロン酸ジエチルを用いた1a−1の縮合について反応時間の驚くべき顕著な短縮をもたらし(約3日間に対して約2時間)、顕著に改良された全収率の2a−1と(30〜68%に対して約80%)、クロマトグラフィ精製の必要なしに、顕著に改良された分離収率(>96%)を提供した。この方法は、収率と分離純度に関し、有利に再現性がある。また、この手順は、上記に開示した別な方法により、ナトリウム金属と、例えば、化合物2の製造に必要とされるテトラキス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(0)のような比較的高価な試薬の使用を有益に回避する。
スキーム1の工程bに示すように、2−ヒドロキシ−3−(ニトロ−ピリジニル)−アクリル酸エチルエステル3は、例えば、エタノール又はt−ブタノールのような適切な溶媒中で、例えば、ナトリウムエトキシド、リチウムエトキシド、リチウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、又はリチウムヘキサメチルジシラジドのような適切な塩基を用いて、メチル−ニトロピリジン2を処理し、次いで、この反応混合物を、周囲温度で、例えば、シュウ酸ジメチル又はシュウ酸ジエチルのようなシュウ酸ジエステルで処理し、この反応混合物を周囲温度に約12時間〜約48時間にわたって置くことにより製造することができる。次いで、この反応混合物を、例えば、塩化水素酸又は硫酸のような鉱酸で処理し、約pH1にする。沈殿物を濾過によって収集し、例えば、エタノールとジイソプロピルエーテルのような適切な溶媒を用いて順次に洗浄し、各々、2−ヒドロキシ−3−(ニトロ−ピリジニル)−アクリル酸エチルエステル3又はその互変異性のケトエステルを得る。
有利には、混合物3はまた、スキーム1の工程bにしたがう別な方法により、適切な溶媒中のシュウ酸ジエチルと適切な塩基の予め混合された溶液に、約2℃〜約周囲温度で、化合物2をゆっくり添加することによって合成できることが見出されている。それに応じて、例えば、ナトリウムエトキシド、リチウムエトキシド、リチウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、又はリチウムヘキサメチルジシラジドのような適切な塩基が、約2℃で、例えば、テトラヒドロフランのような適切な溶媒に添加される。この混合物を約20分間にわたって撹拌した後、約−0.3℃〜約4℃で、約3当量のシュウ酸ジエチルを添加する。約10分間の後、約1当量の化合物2と、例えば、テトラヒドロフランのような適切な溶媒の溶液を、約4℃〜約9℃で添加する。この混合物を周囲温度まで温める。HPLC分析又は当業者によく知られる別なクロマトグラフィ分析による表示で反応が完了したとき、反応混合物を約1℃まで冷やし、約1℃〜約9℃にて飽和塩化アンモニウム溶液を用いて処理する。化合物3を、水及び/又は、例えば、イソプロパノールのような共溶媒を用いてさらに希釈することにより分離する。最も有利には、化合物2を、シュウ酸ジエチルを用いて縮合し、ここに、ナトリウムエトキシドが好ましい塩基であり、テトラヒドロフランが好ましい溶媒であり、上述の添加順序及び反応時間と条件にしたがう。このより有益な「工程b」の手順による化合物3a−1(2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−2−イル)−アクリル酸エチルエステル)の合成は、反応時間の驚くべき顕著な短縮をもたらし(約2〜3日間に対して約2時間)、化合物3a−1の顕著に改良された収率を提供した(32〜68%に対して約88%)。
スキーム1の工程cに示すように、所望の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エステル、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキン酸エステル、又は1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エステルの中間体4は、適切に置換された2−ヒドロキシ−3−(ニトロ−ピリジニル)−アクリル酸エステル3、又はその互変異性ケトエステルのニトロ基の触媒的又は化学的還元と、随伴のピロール環形成により化合物4を生成させることにより製造することができる。即ち、例えば、エタノール又はメタノールのような適切な溶媒中の化合物3と、例えば、炭素上のパラジウムのような適切な触媒の混合物が、当業者によく知られた方法で、約45psi〜約1200psiの圧力下で約1〜約3時間にわたって水素化され、精製の後、中間体化合物4を生成する。有利には、化合物4は、この手順によって製造され、ここに、無水エタノールが好ましい溶媒であり、炭素上のパラジウムが好ましい触媒である。これらの条件下で、10質量%の有利な低い触媒負荷が達成される。
あるいは、2−ヒドロキシ−3−(ニトロ−ピリジニル)−アクリル酸エチルエステル3又はその互変異性ケトエステルは、化学的に還元され、中間体化合物4を提供することができる。例えば、エタノールのような適切な溶媒中の例えば、化合物3、SnCl2、及びTiCl4の混合物が、約4時間にわたって還流・加熱され、当業者によく知られた方法による精製の後、中間体化合物4を生成する。
シュウ酸ジエチルが、化合物3の製造に使用される場合、引き続く化合物3の還元により、エチルエステルとしての中間体化合物4を与える。中間体エチルエステル4は、場合により、当業者によく知られるエステル交換の手順によって、他の適切なエステルに転化させることもできる。スキーム1の工程dに示すように、メチルエステル5は、例えば、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムのような塩基の存在下で、エチルエステル4のメタノール溶液を処理し、約50℃〜約80℃で約1時間にわたって、あるいは、薄層クロマトグラフィ又は当業者によく知られる他の適切なクロマトグラフィ分析によって決定される反応が完了するまで混合物を加熱することにより、製造することができる。水を用いた反応物の希釈と、当業者によく知られる濾過又は抽出法によるメチルエステル5の分離により、メチルエステル5を得る。
スキーム1の工程eに示すように、中間体エステル4又は5は、当業者によく知られる方法により、アミド6に転化させることができる。即ち、例えば、メタノール又はエタノールのような適切な極性溶媒中のエステル4又は5の溶液の、周囲温度での約1日〜約3日にわたる約5N〜約7Nの水酸化アンモニウム溶液を用いた処理により、あるいは、その溶液を約55℃に約10時間にわたって加熱することにより、当業者によく知られる方法による分離の後、第一級アミド6を生成する。あるいは、エステル4又は5を、周囲温度にて、濃厚な水酸化アンモニウム溶液と塩化リチウムの混合物中に、薄層クロマトグラフィ分析又は当業者によく知られる他の適切なクロマトグラフィ分析が反応は実質的に完了したと表示するまで、約3〜約5日間にわたって懸濁させることもできる。アミド6を、当業者によく知られた方法により、反応混合物から分離する。中間体のアザインドールエステル4又は5を、当業者によく知られる方法によりC1-6−アルキルアミンで処理することによって、N−C1-6−アルキル置換アミド6が製造される。例えば、中間体のアザインドールエステル4又は5は、C1-6−アルキルアミンで、例えば、C1-6−アルキルアミンを過剰にして濃厚な水溶液又は純物質としてのメチルアミンで処理し、薄層クロマトグラフィ分析又は当業者によく知られる他のクロマトグラフィ法により、反応の完了についてモニターする。反応物を水で希釈した後、又は当業者によく知られた抽出方法によって、所望のN−C1-6−アルキルアミド6を収集する。C1-6−ジアルキルアミンを用いた中間体アザインドールエステル4又は5の同様な処理により、対応するN−C1-6−ジアルキルアミド6を得る。
有利には、第一級アミド6は、スキーム1の工程eにしたがい、メタノール中のアンモニア溶液にアザインドールエチルエステル4を添加し、反応が完了するまで加圧下で加熱することによって製造される。溶媒としてのメタノールの使用は、出発物質の顕著に高い溶解性と顕著に迅速な反応時間を提供する。また、アザインドールエチルエステル4は、これらの条件下で、対応するアザインドールメチルエステル5にエステル交換するが、エステル4と5の双方は、この反応条件下で、所望の第一級アミド6に転化する。好ましくは、この反応は、メタノール中の7Nのアンモニア、約50℃の反応温度、及び約35psiの初期圧力を用い、約49時間にわたって行われる。この時間の中で、反応容器内の圧力は、約16psiに低下する。反応の完了は、HPLCクロマトグラフィ分析又は当業者によく知られる別なクロマトグラフィ分析によって決定される。
スキーム1の工程fに示すように、中間体アミド6は、当業者によく知られた方法によって、ピロール環の3位でチオアリール化される。例えば、ジメチルホルムアミド又はNMPのような適切な溶媒中の中間体アミド6のサスペンジョンが、周囲温度で、例えば、水素化ナトリウム又は水素化リチウムのような適切な塩基で処理された後、適切なジアリールジスルフィドで処理され、次いで、その混合物を約90℃〜約100℃で約12時間〜約20時間にわたって加熱する。この反応過程は、薄層クロマトグラフィ分析又は当業者によく知られる他のクロマトグラフィ法により追跡される。次いで、反応物が濃縮され、水で希釈され、所望の式(I)の化合物が分離され、当業者によく知られた方法によって、クロマトグラフィにより精製される。
あるいは、例えば、ジメチルホルムアミド又はNMPのような適切な溶媒中の中間体アミド6と約1.5当量の炭酸セシウムとの混合物を、適切なジアリールジスルフィド(約1.1当量)で処理した後、この混合物を約90℃〜約100℃で約12時間〜約20時間にわたって加熱する。この反応は、薄層クロマトグラフィ又は当業者によく知られる他のクロマトグラフィ法によりモニターする。式(I)の化合物を分離し、当業者によく知られる方法によって、クロマトグラフィにより精製する。R3−Xが複素環−Sである式(I)の化合物は、適切に置換されたジ複素環ジスルフィドを用い、同様な方法で製造する。
有利には、式(I)の化合物は、スキーム1の工程fにしたがい、1つの部分としての好ましい溶媒NMPに、約1.5当量のジアリールジスルフィド、約2当量の炭酸セシウム、及び約1当量のアミド6を添加することにより合成される。この混合物は、約120℃に約21時間にわたって加熱され、反応は、HPLC又は他の当業者によく知られたクロマトグラフィ法によってモニターされる。反応の促進が必要な場合、約0.5当量の炭酸セシウムが場合により添加され、約4時間にわたって加熱が続けられる。クロマトグラフィ分析によって完了と決定されると、反応物が冷却され、水の注入によってクエンチされ、式(I)の所望の化合物が分離され、当業者によく知られた方法によって精製される。この方法で式(I)の化合物が製造されると、反応時間は、驚くほど顕著に短縮され、式(I)の化合物は、より高い収率(59%に対して85%)と、生成物のさらなるクロマトグラフィ精製が不要である十分な純度で有利に得られる。
スキーム1の工程gに示すように、式(I)の化合物のピロール環の窒素は、R1がHである式(I)の化合物と適切な溶媒の溶液、例えば、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンを、C1-6−ジアルキルスルフェートと適切な塩基、例えば炭酸セシウムで、周囲温度で約12時間〜約20時間にわたって処理することにより、N−アルキル化することができる。反応の完了は、薄層クロマトグラフィ分析又は当業者によく知られる他の適切なクロマトグラフィ法によって決定される。完了すると、反応混合物は水で希釈され、R1がC1-6−アルキルである式(I)の化合物が分離され、当業者によく知られる方法によって精製される。また、式(I)の化合物のピロール環の窒素は、R1がHである式(I)の化合物のピリジン溶液を、例えば、炭酸セシウムのような適切な塩基の存在下で、C1-6−アルキルハライドで処理し、約0.25時間〜約3時間にわたって加熱することにより、アルキル化することができる。反応混合物を冷却し、水で希釈し又は濃縮して乾燥させ、酢酸エチルで抽出する。当業者によく知られるようなクロマトグラフィ法による濃縮と精製により、R1がC1〜C6−アルキルである式(I)の化合物を得る。R1がHである式(I)の化合物のピロール環窒素のN−アルキル化のための、当業者によく知られる、他の方法としては、例えば、ジメチルホルムアミド又はNMPのような適切な極性溶媒中で、R1がHである式(I)の化合物を、例えば、水素化ナトリウム又はカリウムt−ブトキシドのような適切な塩基で処理し、次いで、例えば、ヨウ化プロピルのようなC1-6−アルキルハライドを添加することによる方法が採用できる。反応の完了は、薄層クロマトグラフィ分析又は当業者によく知られる他のクロマトグラフィ法により決定される。完了すると、反応混合物は水で希釈され、R1がC1-6−アルキルである式(I)の化合物が、当業者によく知られる方法によって分離され、精製される。
Figure 0004691506
スキーム2に示すように、ジアリールジスルフィドは、例えば、メタノールのような適切な有機溶媒中の適切なアリールスルフィドの溶液を、過ホウ酸ナトリウムの水溶液で処理し、この混合物を周囲温度に約12〜約24時間にわたって置くことにより製造される。このジアリールジスルフィドは、当業者によく知られた方法により、分離され、精製される。例えば、ビス(2−チエニル)ジスルフィドのようなジ複素環ジスルフィドは、同様な方法で製造される。
Figure 0004691506
スキーム3は、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル5b−1の合成を開示する。スキーム3の工程hにおいて、(3−ヨード−ピリジン−4−イル)カルバミン酸1,1−ジメチルエチルエステル(7b−1)、3,3−ジエトキシ−1−プロピン、例えばトリエチルアミン又はヒューニッヒ塩基(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)のような塩基、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、及びヨウ化銅の混合物を、例えば、不活性雰囲気下のドライDMFのような適切な溶媒中で、約90℃で約3時間にわたって加熱する。反応混合物は、約70℃まで冷やされ、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)又は1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)のような適切な塩基で処理され、続いて、約70℃で約3時間にわたって撹拌した後、室温で約12時間にわたって撹拌する。反応混合物を酢酸エチルに注ぎ入れ、水とブラインで洗浄し、有機相を乾燥し、濾過し、濃縮し、2−(ジエトキシメチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステル(8b−1)を生成させ、これをクロマトグラフィ又は当業者によく知られる方法によって精製する。スキーム3の工程iに示すように、酸性条件下で化合物8b−1の加水分解がもたらされ、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアルデヒドを生成する。例えば、塩化水素酸のような鉱酸を用いた、室温での約20時間のような適切な時間での8b−1の処理は、当業者によく知られる方法による生成混合物の単離とクロマトグラフィ分離の後、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアルデヒド(9b−1)と2−ホルミル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステルとの混合物を生成する。例えば、トリフルオロ酢酸のような適切な酸と、例えば、ジクロロメタンのような適切な溶媒を用いた還流による2−ホルミル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステルの酸性加水分解は、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアルデヒド9b−1を生成する。スキーム3の工程jに示すように、メタノールのような適切な溶媒中の、約5時間にわたる攪拌と約0℃の冷却での、シアン化ナトリウムと二酸化マンガンを用いた1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアルデヒド(9b−1)の処理は、当業者によく知られる方法による濾過、水洗、及び単離の後、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル5b−1を与える。
本明細書で開示した本発明の方法で使用される化合物の種々の実施態様はいずれも、本明細書に記載の種々の疾病と障害を治療する方法に使用することができる。本明細書で述べたように、本発明の方法に使用される化合物は、カゼインキナーゼIεの作用を阻害することができる。本発明の1つの実施態様は、気分障害と睡眠障害を治療する方法を提供する。本発明のもう1つの実施態様において、気分障害は、うつ病性障害又は双極性障害であることができる。本発明のさらなる実施態様は、うつ病性障害の治療に関し、このうつ病性障害は、大うつ病性障害である。本発明のもう1つの実施態様は、双極性障害の治療に関し、この双極性障害は、双極性I障害又は双極性II障害である。本発明のもう1つの実施態様は、睡眠障害の治療に関する。本発明のさらなる実施態様は、睡眠障害の治療に関し、この睡眠障害は、概日リズム睡眠障害である。本発明のさらなる実施態様は、概日リズム睡眠障害の治療に関し、この概日リズム睡眠障害は、交代勤務睡眠障害、時差ボケ症候群、睡眠相前進症候群、及び睡眠相後退症候群である。当業者は、本明細書で明示する疾病と傷害が、本発明を限定するものではなく、本発明の化合物の有効性を例示するものであることを容易に認識する。即ち、本発明の化合物は、カゼインキナーゼIεの抑制によって改善される全ての疾病又は障害の治療に使用され得ると理解すべきである。
本発明のもう1つの実施態様において、本発明の式(I)の化合物の医薬組成物が、医薬分野における当業者によく知られた方法で製造される。担体又は賦形剤は、活性成分の媒体又は媒介物としての役目を果たすことができる固体、半固体、又は液体であることができる。適切な担体又は賦形剤は、当該分野でよく知られている。医薬組成物は、経口、吸入、非経口、又は局所の使用に適することができ、錠剤、カプセル、サスペンジョン、シロップ、エアロゾル、吸入薬、坐薬、軟膏、粉末、溶液などの形態で患者に投与することができる。本明細書における用語「医薬担体」は、1つまたはそれ以上の賦形剤を意味する。本明細書で記載のように、本明細書の医薬組成物は、カゼインキナーゼIεの抑制を提供し、したがって、カゼインキナーゼIεの抑制によって改善される疾病又は障害の治療に有用である。
本発明の化合物の製剤を製造することにおいて、経口、非経口、皮下ルートなどの選択されたルートにより、有効量の1つ又はそれ以上の活性化合物の生体利用度を確保するように注意すべきである。例えば、効果的な投与ルートには、皮下、静脈内、経皮、鼻腔内、直腸、膣などが挙げられ、植込錠からの放出、及び活性成分及び/又は組成物の組織への直接の注入もまた挙げられる。
経口投与のため、本化合物は、不活性希釈剤又は食用担体を含む又は含まずに、カプセル、ピル、錠剤、トローチ、粉末、溶液、サスペンジョン、又はエマルジョンのような固体又は液体の製剤に処方されることができる。カプセル、ピル、錠剤、トローチなどは、微結晶性セルロース、トラガカントガムのようなバインダー、スターチ又はラクトースのような賦形剤、アルギン酸、コーンスターチなどの崩壊剤、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、又はSterotex(登録商標)(Stokely-Van Camp Inc., Indinapolis, Indiana)のような滑沢剤、コロイダル二酸化ケイ素のような流動促進剤、蔗糖又はサッカリンのような甘味料、ペパーミント、メチルサリチル酸、又は果実香味料のような香味料などの1つ又はそれ以上の補助剤もまた含むことができる。単位投与形態がカプセルの場合、ポリエチレングリコール又は脂肪油のような液体担体もまた含むことができる。使用される材料は、医薬的に純粋であり、使用される量において非毒性でなければならない。あるいは、本医薬組成物は、徐放に適する形態で製造することもでき、当業者によく知られる方法を用い、適切な1日に1回、1週間に1回、又は1月に1回の形態で、本発明の式(I)の化合物の治療量を提供する。例えば、活性成分を含む徐々に分解されるポリマーが想定される。
非経口投与に関し、本化合物は、油中水滴のような無菌液体であることができる医薬担体を用い、又は界面活性剤及び他の医薬的に許容される賦形剤を添加せずに、生理的に許容される希釈剤の中の化合物の溶液又はサスペンジョンの注射可能な剤形として投与することができる。この製剤に採用可能な実例としてのオイルは、石油、動物、植物、又は合成由来のものであり、例えば、ピーナッツオイル、大豆油、及び鉱油である。一般に、水、生理食塩水、水性ブドウ糖と関連の糖溶液、エタノール、及びプロピレングリコールのようなグリコール類は、とりわけ注射可能な溶液にとって好ましい担体である。非経口の剤形は、アンプル、使い捨ての注射器、又は不活性プラスチック又はガラスからなる複数回投与バイアル中に封入することができる。
上記の溶液又はサスペンジョンは、注射用水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒のような無菌希釈剤、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムのような抗菌剤、エチレンジアミンテトラ酢酸のようなキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩のような緩衝剤、及び塩化ナトリウム又はブドウ糖のような緊張度調節用の薬剤の1つ又はそれ以上をさらに含むこともできる。
本化合物は、皮膚パッチ、蓄積注射、又はインプラント製剤の形態で投与することもでき、これらは、活性成分の徐放を可能にするような方法で製剤化することができる。活性成分は、ペレット又は小円柱形に圧縮され、蓄積注射又はインプラントとして皮下に又は筋肉内に移植されることができる。インプラントは、生分解性ポリマー又は合成シリコーンのような不活性材料を採用することができる。適切な医薬担体と製剤技術は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, l9th edition, Volumes 1 and 2, 1995, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania, U.S.A.のような標準的教本に見出され、参照によって本明細書に加入する。
本明細書に記載のような種々の疾病状態の治療において、適切な投与レベルは、約0.01mg/kg・日〜約250mg/kg・日、好ましくは、約0.05mg/kg・日〜約100mg/kg・日、とりわけ、約0.05mg/kg・日〜約40mg/kg・日である。本化合物は、治療すべき疾病又は障害の性質によって指示されるように、1日あたり1〜4回の投与計画で投与されることができる。
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するために役立つものであり、如何なる方法においても、本発明の範囲を限定するものではない。表1、2、3は、本明細書で製造される例示の化合物の集約を提供する。本明細書に記載のニトロ化合物は、こうした化合物の考えられる潜在的な爆発障害のため、注意深く取り扱った。
特段の記載がない限り、全ての出発物質は、試薬、及び溶媒は、商業用の供給業者から入手し、さらなる生成なしに使用した。全ての反応は、不活性雰囲気下でドライな試薬と溶媒を用いて行った。フラッシュクロマトグラフィは、「Still, W. C.; Kahn, M.; Mitra, A. Rapid Chromatographic Technique for Preparative Separations with Moderate Resolution. J. Org. Chem., 1978, 43, 2923-2925」に記載のような溶媒系を用い、文献にしたがい、EMサイエンスのシリカゲル60(40〜63mm)を用いて実施した。薄層クロマトグラフィは、0.25mmのシリカゲルコートの60F−254プレート(EM)を用いて行い、ヨウ素蒸気、紫外線、又はKMO4溶液のような染色剤を用いて視覚化した(他の染色溶液が言及された場合、「“Thin-Layer Chromatography, A Laboratory Handbook", Egon Stahl, Ed.」、「Springer-Verlag Berlin-Heidelberg-New York, 1969」に記載のようにして製造した。)。
赤外(IR)スペクトルは、記載のようにして製造したサンプルを用い、Nexus670FTIR(Nicolet)スペクトロメータに記録し、波数で報告した(cm-1)。1HNMRスペクトルは、Varian Gemini及び/又はmercury300、Unity400、又はUnity plus及び/又はInova500MHzに記録し、化学シフト(δ)は、参照としてのテトラメチルシラン(0.0ppm)又はクロロホルム(CDCl3、7.26ppm)に対するppmで報告した。13CNMRスペクトルは、Varian Unity装置に記録し(100.57MHz、13C周波数)、化学シフト(δ)は、特に記載がなければ、CDCl3(77.0ppm)に対するppmで報告した。質量スペクトル(MS)は、メタンを用いる120eVでの化学イオン化(CI、120eV)によって、Finnigan MAT Model TSQ700質量スペクトロメータシステムで得た。液体クロマトグラフィ質量分析(LCMS)は、Gilson215液体ハンドラーに接続したMicromassLCTで行った。高分解能の質量分光分析(正確な質量スペクトル)は、Micromass QTOF質量スペクトロメータを用い、10000の質量分解能で、ESIモードで行った。正確な質量値は、プロトン化した分子イオン(M+1)について測定し、ここに、Mは分子イオンを示す。
ピロロ[3,2−b]ピリジン類(4−アザインドール類)の製造
2−メチル−3−ニトロ−ピリジン、2a−1(スキーム1、工程a)
ナトリウム金属(3.5g)を少しずつ1時間かけて、窒素下で90℃に加熱したマロン酸ジエチル79mLを入れた三つ口フラスコに添加した。温度を60℃に下げ、2−クロロ−3−ニトロピリジン(1a−1、25.0g)を少しずつ15分間かけて添加した。反応物の色が暗赤色に変化した。溶液を60℃に3時間にわたって保持した後、室温に終夜にわたって静置した。Tlcは出発物質が残存していることを示した。溶液を80℃にさらに3時間にわたって加熱した(反応の完了)。減圧下でマロン酸ジエチルを除去し、暗褐色の残留物を濃H2SO4(18mL)とH2O(32mL)との混合物の中に取った。この混合物を105℃で7時間にわたって加熱(脱炭酸反応)した後、室温に終夜にわたって静置した。この混合物を3×150mLのEt2Oと2×200mLのEtOAcで洗浄し、洗液を廃棄した。水相をNaOHを用いてpH8〜9の塩基性にし、3×200mLのEtOAcを用いて抽出した。合一した有機抽出物をCelite(登録商標)(珪藻土)(Celite Corporation, 137 West Central Avenue, Lompor, California 93436)上で濾過し、減圧下で溶媒を除去した。残留物を結晶化させ、2a−1(15.0g、68%)融点29〜31℃を得た。
2−メチル−3−ニトロ−ピリジン、2a−1(スキーム1、工程a)
2−クロロ−3−ニトロ−ピリジン(1a−1、7.9g、49.8ミリモル)、メチルボロン酸(1.10当量、54.8ミリモル、3.30g)、K2CO3(3.0当量、150ミリモル、20.7g)、及びPd(PPh34(1.2g、1.2ミリモル)の混合物をジオキサン(250mL)中で110℃に16時間にわたって加熱した。この反応物を室温まで放冷し、暗色オイルまで濃縮し、SiO2上のフラッシュクロマトグラフィにかけ(ヘプタン/Et2O=3:1、オイルを限られた量のCH2Cl2で希釈し、カラムに適用)、化合物2a−1を得た(Niu, C.; Li, J.; Doyle, T. W.; Chen, S-H. Tetrahedron, 1998, 6311-6318)。
2−メチル−3−ニトロピリジン、2a−1(スキーム1、工程a)
撹拌機、温度プローブ、及びN2用のガスアダプターを装着した還流コンデンサーを備え、16℃に冷やした12Lの三つ口フラスコに、NMP(2.0L)を添加した。ナトリウムt−ブトキシド(0.675kg、6.81モル、2.2当量、97%純度に修正)を1回で添加し、直ちに、29℃までの迅速な発熱が観察された。この混合物を30分間にわたって撹拌し、NaOt−Buを部分的に溶解させた後、連続的に冷却しながら、20℃〜35℃において70分間かけてマロン酸ジエチル(0.943L、6.19モル、2.0当量)を添加し、するとすぐに均一な溶液が形成した。20分間にわたって撹拌し、2−クロロ−3−ニトロピリジン(1a−1、0.491kg、3.09モル、1.0当量)とNMP(1.0L)の溶液を29℃〜44℃で、反応混合物に70分間かけて添加した。この反応混合物を50℃に加熱した。反応の進行をHPLC(Agilentシリーズ1100;Waters Symmetry C8(5μ)カラム(3.9×150mm)、流速1.0mL/分、Isocratic:CH3CN/0.1%aq.TFA、50/50;λ=220mm、RT:マロン酸ジエチル=2.6分、2−クロロ−3−ニトロピリジン=2.7分、2−(3−ニトロ−ピリジン−2−イル)−マロン酸ジエチルエステル=3.9分)によってモニターした。典型的に、99%を超える転換率が1〜2時間以内に生じた。加熱を停止し、50℃〜59℃で45分間かけて6MのH2SO4(2.17L)を添加した。この添加の間に濃い固体沈殿物が生成した。混合物を100℃に加熱した。ガスの発生が起きた。先に記載したようにして、反応の進行をHPLCによりモニターした(RT:2−メチル−3−ニトロピリジン2a−1=2.0分、2−(3−ニトロ−ピリジン−2−イル)−マロン酸ジエチルエステル=3.9分)。典型的に、99%を超える転換率が12時間以内に観察された。この混合物を40℃まで冷やし、氷水の中に注ぎ入れた(20kg、pH1.5)。25%NaOH水溶液(2.65L)を−11℃〜−6℃にて20分間かけて添加し、pH11にした。トルエン(4.0L)を添加し、この混合物を10分間にわたって撹拌した。この混合物をCelite(登録商標)を通して濾過し、無機固形物を除去し、フィルタケーキをトルエン(6.0L)で洗浄した。相を分離させ、水相をトルエンで2回抽出した(6.0Lと4.0L)。合一したトルエン相をCelite(登録商標)を通して濾過し、フィルタケーキをトルエン(1.0L)で洗浄した。トルエン濾液を合一し、水で洗浄した(2×3.0L)。トルエン相を乾燥し(MgSO4)、濾過・濃縮し、オイルとして2−メチル−3−ニトロピリジン2a−1を得た(0.34kg、収率80%、残留のNMPとトルエンについて修正)。HPLC分析は、この物質が純度96%であることを示した。1HNMR(CDCl3)δ2.87(s,3H),7.35(dd,1H,J=4.8,8.1Hz),8.27(dd,1H,J=1.4,8.1Hz),δ8.72(dd,1H,J=1.4,4.8Hz)
2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−2−イル)−アクリル酸エチルエステル、3a−1(スキーム1、工程b)
無水エタノール500mLを入れた三つ口フラスコに、N2下で、ナトリウム2.2g(0.0956g原子)を添加した。全てのナトリウムが反応した後、シュウ酸ジエチル(98mL)を滴加し、次いで化合物2a−1(1当量)を添加した。添加の後、色が淡黄色から茶色に変化した。得られた溶液を室温に2日間にわたって静置した。オレンジ色の混合物を5NのHClで処理し(pH=1)、濾過によって沈殿物を収集し、EtOH100mLとジイソプロピルエーテル200mLを用いてフィルタケーキを洗浄し、2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−2−イル)−アクリル酸エチルエステル(R4=H、20g、86%)もしくはその互変異性ケトエステルとして、又はケト−エノールの互変異性体の混合物として、3a−1を得た。1HNMR(DMSO−d6)δ8.83(dd,1H,J=1.1,5.0Hz),8.65(dd,1H,J=1.5,8.4Hz),7.56(dd,1H,J=5.0,8.4Hz),7.11(s,1H),3.47(bs,1H),4.28(q,2H,J=7.1Hz),1.30(t,3H,J=7.0Hz)
2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−2−イル)−アクリル酸エチルエステル、3a−1(スキーム1、工程b)
撹拌機、温度プローブ、及びN2用のガス入口アダプターを装着した添加漏斗を備えた22Lの三つ口フラスコに、テトラヒドロフラン(2.7L)を添加し、約2℃に冷やした。ナトリウムエトキシド(0.409kg、6.02モル、2.0当量)を1回で添加した。2.7℃への僅かな発熱が観察された。この混合物を20分間にわたって撹拌し、シュウ酸ジエチル(1.22L、9.03モル、3.0当量)を−0.3〜4℃で50分間かけて添加した後(僅かな発熱)、この混合物を10分間にわたって撹拌した。2−メチル−3−ニトロピリジン(2a−1、0.415kg、3.01モル、1.0当量)とTHF(0.625L)の溶液を4〜9℃で22分間かけて冷却せずに添加した。この混合物を室温まで1時間かけて暖めた。反応の進行をHPLC(Agilentシリーズ1100、以下の条件を使用:Waters Symmetry C8(5μ)カラム(3.9×150mm)、流速1.0mL/分;CH3CN/0.1%aq.TFA、55/45;λ=210mm、RT:2−メチル−3−ニトロピリジン2a−1=1.8分、3a−1=2.7分)によってモニターした。典型的に、99%を超える生成物への転換率が2〜3時間以内に観察された。反応の間、濃赤色の沈殿物が生成した。この反応混合物を約1℃に冷やし、1℃〜9℃で飽和NH4Cl溶液(2.0L)を添加した。水を添加し(5.9L)(pH7.4)、次いでIPA(3.5L)を添加した。混合物を1時間にわたって撹拌し、濾過によって赤色の固形物を収集した。フィルタケーキをIPA/H2O(1:4、8.0L)、H2O(15L)で洗浄し、風乾した。フィルタケーキを乾燥し(40℃/0.1インチHg)、3a−1を得た(0.635kg、89%)。1HNMR(CDCl3)δ1.40(t,3H,J=7Hz),4.38(q,2H,J=7Hz),7.36(m,2H),8.42(dd,1H,J=1.5,8.4Hz),8.66(dd,1H,J=1.5,4.8Hz),14.52(2,1H,OH)
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル、4a−1(スキーム1、工程c)
3a−1(20g)を、EtOH(350mL)中の炭素上の10%パラジウム(5.5g)の上で、室温にて3時間にわたり1200psiで水素化した。この反応混合物をCelite(登録商標)を通して濾過し、濾液を濃縮し、収率39%でエステル4a−1(R4=H)を得た。
あるいは、3a−1をEtOH中のSnCl2(5.0当量)、TiCl4(2.5当量)を用い、還流下で4時間にわたって還元し、周囲温度まで冷やし、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製し、収率81%でエステル4a−1(R4=H)を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ13.48(bs,1H),8.80(dd,1H,J=0.7,5.4Hz),8.56(dd,1H,J=0.7,8.4Hz),7.80(dd,1H,J=5.5,8.4Hz),7.37(s,1H),4.40(q,2H,J=7.0Hz),1.38(t,3H,J=7.0Hz)
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル、4a−1(スキーム1、工程c)
2Lの厚肉のParrリアクターに、化合物3a−1(56.8g、0.24モル)、エタノール(アルコール度数200、850mL、15部)、及び10%Pd/C(5.7g、10質量%)を加えた。反応容器をParr水素化装置に接続し、水素を勢いよく流し、オレンジ色のスラリーを45psiに加圧した。室温で1時間にわたって振盪し、その間に温度が57℃まで上昇した。反応混合物の温度が35℃で安定したとき、反応物をゆっくりと加熱し、3時間にわたって40℃にした。TLC(シリカゲル、CH2Cl2中の1%MeOH)による測定で反応が完了したとき、反応混合物を室温まで冷やし、Celite(登録商標)を通してスラリーを濾過し、フィルタケーキをEtOH(4×200mL)で洗浄した。黄色の濾液を濃縮して固形物(41.6g)が生成し、酢酸エチル(302mL)を加え、スチームバス上で加熱した。この混合物を室温まで冷やし、ヘプタン(600mL)を添加し、生成物を沈殿させた。この混合物を氷浴中で1時間にわたって撹拌し、濾過し、ヘプタン(100mL)を用いてフィルタケーキを洗浄した。フィルタケーキを24時間にわたって乾燥し(50℃/0.1インチHg)、明るい灰色の固体として4a−1を得た(36.6g、収率81%)。1HNMR(DMSO−d6)1.36(t,3H,J=7.0Hz),4.36(q,2H,J=7.0Hz),7.19(s,1H),7.25(dd,1H,J=4.5,8.1Hz),7.82(d,1H,J=8.1Hz),8.44(d,1H,J=4.5Hz),δ12.11(s,1H)
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、6a−1(スキーム1、工程e)
MeOH中の5Nのアンモニア溶液にエステル4a−1を溶かし、55℃に10時間にわたって加熱し、後処理の後、収率44%で融点332℃(dec.)のアミド6a−1(R2=NH2、R4=H)を得た。1HNMR(DMSO−d6)δ11.72(bs,1H),8.36(dd,1H,J=1.5,4.5Hz),8.10(bs,1H),7.76(dd,1H,J=2.2,8.2Hz),7.52(bs,1H),7.24(s,1H),7.17(dd,1H,J=4.5,8.2Hz)
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、6a−1(スキーム1、工程e)
MeOH中の7Nのアンモニア溶液にエステル4a−1を溶かし、TLC(10%MeOH/CH2Cl2)によってモニターしながら、室温で数日間にわたって撹拌した。完了したとき、反応物を最少限の体積まで濃縮し、過剰のH2Oで希釈し、濾過によって沈殿物を収集し、乾燥し、ほぼ定量収率でアミド6a−1(R2=NH2、R4=H)を得た。
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、6a−1(スキーム1、工程e)
濃NH4OHの中にエステル4a−1を懸濁させ、TLC(10%MeOH/CH2Cl2)によってモニターしながら、室温で数日間にわたって撹拌した。完了したとき、反応物を最少限の体積まで濃縮し、過剰のH2Oで希釈し、濾過によって沈殿物を収集し、乾燥し、ほぼ定量収率でアミド6a−1(R2=NH2、R4=H)を得た。
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、6a−1(スキーム1、工程e)
MeOH(1.5L、10.5モル、20当量)中の7NのNH3の溶液を、室温で3L圧力反応器に加え、次いで、固体としてアザインドールエステル4a−1(100g、0.53モル)を添加した。このスラリーを50℃までゆっくりと加熱し、透明な溶液を得た。最初の圧力35psiから16psiへの4時間をかけた圧力低下が観察された。反応物を50℃に49時間にわたって保持した。10psiの最終的圧力が観察された。反応の進行をHPLC(Agilentシリーズ1100、以下の条件を使用:Waters Symmetry C8(5μ)カラム(3.9×150mm)、流速1.0mL/分、傾斜溶出条件:時間(分)、水:アセトニトリル−メタノールの比(1:1溶液としてアセトニトリル−メタノールを使用)0分、70:30;10分、20:80;15分、70:30;20分、70:30;λ1=210nm、λ2=220nm、流速1.0mL/分、RT:エチルエステル4a−1=5.6分、メチルエステル5a−1=4.2分、アミド6a−1=2.2分)によってモニターした。この反応で対応するメチルエステル5a−1が生成することが観察され、5a−1は反応における中間体としての役目もまたした。反応物を4℃まで冷やし、得られた沈殿物を真空濾過によって分離した。フィルタケーキをメチルt−ブチルエステル(2×100mL)で洗浄し、20時間にわたって乾燥し(40℃/0.1インチHg)、灰色の固体として6a−1を得た(78.6g、93%)。1HNMR(DMSO−d6)δ7.17(dd,1H,J=4.5,8.4Hz),7.53,8.11(2s,2H,NH2),7.76(d,1H,J=8.1Hz),8.37(d,1H,J=1.5Hz),11.72(s,1H,NH)。
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、6a−2
メチルアミン(H2O中の40質量%溶液)中で、4−アザインドールエステル4a−1(R=Et、R4=H)そのものを、TLC(10%MeOH/CH2Cl2)によってモニターしながら、室温で16時間にわたって撹拌した。完了したとき、反応物を過剰のH2Oで希釈し、濾過によって沈殿物を収集し、乾燥し、象牙色の固体として6a−2(R2=NHCH3、R4=H)を生成した(一般的合成手順VI参照)。MS測定値176.07(M+1)。
ジアリールジスルフィドとジ複素環ジスルフィド出発物質の一般的製造(スキーム2)
非置換又は適切に置換されたフェニルチオール(17.2ミリモル、1.0当量)とMeOH(30mL)の溶液に、過ホウ酸ナトリウム(22ミリモル)と水(20mL)の溶液を撹拌しながら添加し、次いで、反応物を室温に終夜にわたって静置した。固形物を濾過によって収集し、メタノールで洗浄し、所望のジアリールジスルフィドを得た。ジ複素環ジスルフィドなどの他のジスルフィド(例、ビス(2−チエニル)ジスルフィド)は、この所望のジアリールジスルフィドの製造について記載したのと同様な方法で製造することができる。
一般的合成手順I(エステル交換、スキーム1、工程d)
MeOH(50mL)中のエチル4−アザインドール−2−カルボキシレート4a(42.3ミリモル)にK2CO3(1.20当量、50.7ミリモル)を添加し、このサスペンジョンを55℃に加熱しながら1時間にわたって撹拌した。反応はTLC(Et2O/ヘプタン)によってモニターした。完了したとき、反応物を真空下で濃縮し、H2Oで希釈し、15分間にわたって撹拌した。濾過によって固形物を収集し、65℃の真空オーブン内で3時間にわたって乾燥し、約90%〜約100%の所望のメチル4−アザインドール−2−カルボキシレート5aを得た。
一般的合成手順II(NH4OHを用いるアミド化、スキーム1、工程e)
4−アザインドールカルボキシレートエステル4a又は5a(40.0ミリモル)を、濃縮されたNH4OH(100mL)とLiOH(1.0当量)の中のサスペンジョンとして、室温で16時間にわたって撹拌した。象牙色の固形物を濾過によって収集し、H2Oで洗浄し、風乾し、第一級アミド6a(60〜75%)を得た。
一般的合成手順III(NH3/MeOHを用いるアミド化、スキーム1、工程e)
7NのNH3/MeOH(20mL)中でエチル4−アザ−2−インドールカルボキシレート4a(4.67ミリモル)を撹拌し、LiCl(1.0当量、4.67ミリモル)を添加した。この反応物を、TLC(10%MeOH/CH2Cl2)によってモニターしながら、室温で5日間にわたって撹拌し、この間に沈殿物が生成した。この混合物を最少限の体積まで濃縮し、H2Oで希釈し、濾過によって固形物を収集した。H2Oでフィルタケーキを洗浄し、60℃の真空下で乾燥し、第一級アミド6a(>90%)を得た。
一般的合成手順IVa(塩基としてNaHを用いる3−チオアリール化、スキーム1、工程f)
DMF(75mL)中のNaH(60%オイルディスパージョン、1.2当量、9.8ミリモル)の撹拌されたサスペンジョンに、室温のN2下で、DMF(5mL)中の溶液と
して、4−アザ−インドール−2−カルボキシアミド6a(8.18ミリモル)を添加した。5分後、ジアリールジスルフィド(1.0当量、8.18ミリモル)を1回で添加し、次いで、この反応物を撹拌しながら95℃に16時間にわたって加熱した。この反応混合物のアリコートを、EtOAc/H2Oの間で分割し、TLC(10%MeOH/CH2Cl2)によってモニターして、反応を追跡した。完了すると、反応混合物を真空中で濃縮し、H2Oで希釈し、30分間にわたって撹拌し、濾過し、フィルタケーキを風乾した。粗固形物を9:1=CH2Cl2/MeOHを用いて溶出させるSiO2上のクロマトグラフィにかけ、3−アリールチオエーテルIa(R1=H)を生成した。
一般的合成手順IVb(Cs2CO3を用いる3−チオアリール化、スキーム1、工程f)
乾燥DMF(10mL)に溶かした4−アザ−インドール−2−カルボキシアミド6a(0.42ミリモル)にCs2CO3(100mg、0.31ミリモル)を添加し、次いで、ジアリールジスルフィド(1.1当量、0.46ミリモル)を添加した。この反応物をN2下で95℃に16時間にわたって加熱した(完了はTLC/LCMSによってモニター)。反応物を室温まで放冷した後、撹拌しながら、氷冷したH2Oの中に注ぎ入れた。濾過によって沈殿物を収集し、40℃の真空オーブン内で乾燥し、黄褐色の結晶性固体として粗生成物を得た。SiO2上のクロマトグラフィによる精製により、3−アリールチオエーテルIa(R1=H)を得た。
一般的合成手順V(ピロール環N−メチル化、スキーム1、工程g)
3−置換−4−アザインドール−2−カルボン酸アミドIa(R1=H、0.24ミリモル)と1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(5.0mL)に、撹拌しながら、ジメチルスルフェート(1.5当量、0.36ミリモル)とCs2CO3(2.0当量、0.48ミリモル)を添加した。TLC(10%MeOH/CH2Cl2)によってモニターしながら、反応物を室温で16時間にわたって撹拌した。完了したとき、反応混合物を最少限の体積まで濃縮し、H2Oで希釈し、濾過によって沈殿物を収集した。フィルタケーキを追加のH2Oで洗浄し、40℃の真空下で乾燥し、1−メチル−3−置換−4−アザインドール−2−カルボン酸アミドIa(R1=CH3、65%)を得た。
式(I)の化合物のピロール環窒素をN−アルキル化するための、当業者によく知られる他の方法もまた採用することができる。例えば、ジメチルホルムアミド又はNMPのような適切な極性溶媒中で、R1がHである式(I)の化合物を、例えば、水素化ナトリウム又はカリウムt−ブトキシドのような適切な塩基で処理した後、例えば、ヨウ化プロピルのようなアルキルハライドを添加することにより、R1がプロピルである式(I)の化合物を生成した。
一般的合成手順VI:インドール−2−メチルアミドと他の第二級アミドの一般的製造(スキーム1、工程e)
4−アザインドールエステル4又は5をC1-6アルキルアミン(例、H2O中のメチルアミンの40質量%溶液又は無希釈)とともに、室温で16時間にわたって撹拌し、TLC(10%MeOH/CH2Cl2)によってモニターする。完了したとき、反応物を過剰のH2Oで希釈し、濾過によって固体沈殿物を収集し、乾燥し、ほぼ定量収率で第二級アミド6(R2=NH−C1-6アルキル)を得た。
3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−1
DMF(100mL)中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド(6a−1、R4=H、1.0当量)に、一般的合成手順IVbに記載したようにしてジフェニルジスルフィド(1.0当量)を添加し、黄褐色の結晶性固体として(81%)、融点251℃、tlcRf=0.49のIa−1を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.48(bs,1H),8.45(dd,1H,J=1.5,4.4Hz),8.11(bs,1H),7.89(dd,1H,J=1.5,4.0Hz、bsと重複,1H),7.31(dd,1H,J=1.4,4.5Hz),7.28(dd,J=1.5,4.5Hz,1H)7.21(m,2H),7.13〜7.05(m,3H);m/z=270.06(M+H) 分析:C14113SOとしての計算値:C62.44、H4.12、N15.6 実測値:C62.31、H4.08、N15.39。
3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−1、過剰のCs2CO3を使用
機械撹拌機、温度プローブ、及び還流コンデンサーを装着した3Lの三つ口フラスコに、窒素下で、NMP(1.20L)を添加した。ジフェニルジスルフィド(177.8g、1.5当量)、Cs2CO3(351.9g、2.0当量)、及びアミド6a−1(87.5g、0.54モル)を1回で添加した。この反応混合物を120℃で21時間にわたって加熱した。反応の進行をHPLC(Agilentシリーズ1100、以下の条件を使用:Waters Symmetry C8(5μ)カラム(3.9×150mm)、流速1.0mL/分、傾斜溶出条件:時間(分)、水:アセトニトリル−メタノールの比(1:1溶液としてアセトニトリル−メタノールを使用)0分、70:30;10分、30:70;15分、30:70;20分、70:30;25分、70:30;λ1=210nm、λ2=300nm、流速1.0mL/分、RT:アミド6a−1=2.1分、生成物Ia−1=5.7分、PhSSPh=14.0分、NMP=1.9分)によってモニターした。反応が完了していない場合、追加のCs2CO3(87.97g、0.5当量)を添加し、反応物を120℃にさらに4時間維持した。この反応混合物を室温まで冷やし、氷水の中に注ぎ入れ、1時間にわたって撹拌した。濾過によって褐色の固体を収集し、フィルタケーキを水で2回洗浄し、6時間にわたって風乾した。この固形物を20%EtOAc/ヘプタンを用いて室温で2回にわたってスラリーにし、PhSSPhを除去した。活性炭を含むTHF中で1時間にわたって還流し、粗生成物を脱色し、濾過、後処理をして、明るい茶色の固体としてIa−1を得た。Ia−1をエタノール(12部)中でスラリーにし、1時間にわたって還流し、氷浴中で撹拌しながら冷却した。濾過によって固形物を回収し、冷EtOHで洗浄し、乾燥し(40℃/0.1インチHg)、Ia−1を得た。1HNMR(DMSO−d6)δ7.05〜7.32(m,6H),7.91(m,2H),8.12(s,1H,NH2),8.45(dd,1H,J=4.5,0.9Hz),12.50(s,1H,NH) 分析:C12113OSとしての計算値:62.44%C,4.12%H,15.60%N、実測値:62.31%C,4.08%H,15.39%N。
3−(3−フルオロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−2
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−フルオロフェニル)ジスルフィド(1.90g、1.0当量)を用いて、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.20g、74.4ミリモル)を処理し、象牙色の固体として、融点235〜237℃、tlcRf=0.49のIa−2(1.73g、80.8%)を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.52(bs,1H),8.45(dd,1H,J=1.2,4.5Hz),8.10(bs,1H),7.90(dd,1H,J=1.2,8.2Hz),7.83(bs,1H),7.27(重複dd,1H,J=4.5,8.2Hz,及びdd,J=7.8,14.0Hz,1H),6.97〜6.82(m,3H);MS測定値288(M+1);LC/MS:a=100% 分析:C1410FN3SOとしての計算値:C58.53,H3.51,N14.62、実測値:C57.95,H3.54,N14.25。
3−(3−クロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−3
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−クロロフェニル)ジスルフィド(2.13g、1.0当量)を用いて、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.20g、74.4ミリモル)を処理し、象牙色の固体として、融点246.5〜248℃、tlcRf=0.49のIa−3(1.95g、86.3%)を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.54(bs,1H),8.45(dd,1H,J=1.2,4.5Hz),8.11(bs,1H),7.90(dd,1H,J=1.3,8.3Hz),7.84(bs,1H)と重複,7.31(dd,1H,J=4.5,8.2Hz)7.22(m,2H),7.06〜6.99(m,2H) 分析:C1410ClN3SOとしての計算値:C55.36,H3.32,N13.83、実測値:C54.94,H3.26,N13.62。
3−(3−ブロモフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−4
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−ブロモフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−4を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.55(bs,1H),8.46(dd,1H,J=1.2,4.5Hz),8.10(bs,1H),7.91(dd,1H,J=1.2,8.2Hz),7.85(bs,1H)と重複,7.33(dd,1H,J=4.7,8.5Hz),7.20(m,2H),7.05〜7.00(m,2H) MS測定値348.1(M+1)
3−(2−クロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−5
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(2−クロロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−5を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.61(bs,1H),8.46(dd,1H,J=1.0,4.5Hz),8.09(bs,1H),7.95(d,1H,J=8.0Hz),7.76(bs,1H),7.49(dd,1H,J=1.5,7.5Hz),7.34(dd,1H,J=4.5,8.0Hz),7.14(dt,1H,J=1.5,7.5Hz),7.08(dt,1H,J=1.5,7.5Hz),6.49(dd,1H,J=1.5,7.5Hz) MS測定値304.7(M+1)
3−(4−クロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−6
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(4−クロロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、融点266℃、MS測定値304.7(M+1)のIa−6を生成した。
3−(2,4−ジクロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−7
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(2,4−ジクロロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、融点266℃、MS測定値339.2(M+1)のIa−7を生成した。
3−(2−フルオロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−8
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(2−フルオロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−8を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.57(bs,1H),8.45(dd,1H,J=1.2,4.2Hz),8.15(bs,1H),7.90(dd,1H,J=1.2,8.1Hz)7.84(bs,1H)と重複,7.31(dd,1H,J=4.5,8.2Hz),7.20(m,2H),6.98(m,1H),6.69(m,1H) MS測定値288.2(M+1)
3−(2,3−ジクロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−9
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(2,3−ジクロロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−9を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.62(bs,1H),8.44(dd,1H,J=1.2,4.5Hz),8.10(bs,1H),7.93(dd,1H,J=1.2,8.3Hz),7.75(bs,1H),7.35(m,2H),7.07(t,1H,J=8.1Hz),6.40(dd,1H,J=1.4,8.1Hz) MS測定値338.1(M+1)
3−(2−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−10
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(2−トリフルオロメチルフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−10を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.65(bs,1H),8.47(dd,1H,J=1.5,4.5Hz),8.15(bs,1H),7.92(dd,1H,J=1.2,8.2Hz),7.75(bs,重複dd,2H),7.34(m,3H),6.75(d,1H,J=7.8Hz);MS測定値338.2(M+1)
3−(3−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−11
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−トリフルオロメチルフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−11を生成した。MS測定値338.06(M+1)
3−(2−アミノフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−12
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(2−アミノフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−12を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.29(bs,1H),8.49(dd,1H,J=1.3,4.5Hz),8.18と8.15(重複bs,2H),7.83(dd,1H,J=1.4,8.2Hz),7.28(dd,1H,J=4.5,8.3Hz),7.15(dd,1H,J=1.4,7.8Hz),6.93(m,1H),6.62(d,1H,J=6.9Hz),6.39(m,1H),5.74(重複bs,2H);MS測定値288.2(M+1)
3−(2,5−ジクロロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−13
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−13を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.68(bs,1H),8.46(dd,1H,J=1.3,4.5Hz),8.10(bs,1H),7.94(dd,1H,J=1.2,8.2Hz),7.77(bs,1H),7.52(見かけ上d,1H,J=8.5Hz),7.35(dd,1H,J=4.5,8.4Hz),7.20(dd,1H,J=2.5,8.5Hz),6.37(見かけ上d,1H,J=2.5Hz);MS測定値338.1(M+1)
3−(2−メトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−14
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(2−メトキシフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−14を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.48(bs,1H),8.44(dd,1H,J=1.5,4.5Hz),8.10(bs,1H),7.90(dd,1H,J=1.2,8.0Hz),7.60(bs,1H),7.30(m,3H),6.71(見かけ上t,1H),6.50(見かけ上d,1H),3.91(s,3H);MS測定値300.3(M+1)
3−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−15
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−メトキシフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−15を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.51(bs,1H),8.46(dd,1H,J=1.5,4.5Hz),8.10(bs,1H),7.89(dd,1H,J=1.5,8.3Hz,bsと重複,1H),7.32(dd,1H,J=4.5,8.2Hz),7.13(見かけ上t,1H,J=8.0Hz)6.62(m,3H),3.64(s,3H);MSN実測値300.3(M+1)
3−(3−アミノ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−16
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−アミノフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−16を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.40(bs,1H),8.44(dd,1H,J=1.5,4.5Hz),8.10(bs,1H),7.86(dd,1H,J=1.5,8.3Hz,bsと重複,1H),7.28(dd,1H,J=4.5,8.2Hz),7.13(見かけ上t,1H,J=7.8Hz)6.28(m,3H),5.08(bs,2H);MS測定値288.08(M+1)
3−(4−ニトロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−17
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(4−ニトロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−17を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.63(bs,1H),8.43(dd,1H,J=1.5,4.5Hz),8.05(m,3H),7.91(m,1H),7.50(bs,1H),7.32(dd,1H,J=4.5,8.1Hz),7.18(見かけ上d,2H,J=9.0Hz);MS測定値315.05(M+1)
3−(3−ニトロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−18
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−ニトロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−18を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.59(bs,1H),8.45(dd,1H,J=1.5,4.6Hz),8.11(bs,1H),7.96〜7.81(m,4H),7.50(m,2H),7.33(dd,1H,J=4.5,8.4Hz);実測値315.1(M+1)
3−o−トリスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−19
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(o−トリル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−19を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.5(bs,1H),8.41(dd,1H,J=1.5,4.5Hz),8.05(bs,1H),7.90(dd,1H,J=1.5,8.3Hz),7.87(bs,1H)と重複,7.31(m,1H),7.29(m,1H),7.00(m,2H),6.4(m,1H),3.3(s,3H) MS測定値284.3(M+1)
3−p−トリスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−20
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(p−トリル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−20を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.42(bs,1H),8.44(dd,1H,J=1.5,4.5Hz),8.10(bs,1H),7.91(bs,1H),7.86(dd,1H,J=1.5,7.9Hz)と重複,7.28(dd,1H,J=3.7,8.3Hz),7.00(重複ds,4H,J=12.5Hz),3.31(s,3H);MS測定値284(M+1)
3−(3,5−ジメチル−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−21
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3,5−ジメチルフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−21を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.45(bs,1H),8.45(dd,1H,J=1.2,4.5Hz),8.12(bs,1H),7.90(dd,1H,J=1.2,8.0Hz),(bs,1H)と重複,7.3(dd,1H,J=4.5,8.2Hz),6.76(s,1H),6.7(s,2H),2.05(s,6H) MS測定値298.3(M+1)
3−m−トリスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−22
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(m−トリル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−22を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ10.2(bs,1H),8.62(dd,1H,J=1.0,4.4Hz),8.19(bs,1H),7.85(dd,1H,J=1.3,8.4Hz),7.28(重複dd,1H,J=4.5,8.3Hz及び7.24(s,1H),7.1〜6.9(m,4H),2.22(s,3H) MS測定値284(M+1)
3−(2−エチル−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−23
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(2−エチルフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−23を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.5(bs,1H),8.42(dd,1H,J=1.5,4.4Hz),8.1(bs,1H),7.91(dd,1H,J=1.5,8.1Hz),7.82(bs,1H),7.30(m,1H),7.2(m,1H),7.05(m,1H),6.95(m,1H),6.5(m,1H),2.9(q,2H),1.3(t,3H) MS測定値298.3(M+1)
3−(3−トリフルオロメトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−24
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−トリフルオロメトキシフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−24を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.56(bs,1H),8.45(dd,1H,J=1.5,4.5Hz),8.12(bs,1H),7.92(dd,1H,J=1.5,8.3Hz),7.85(bs,1H),7.33(dd,1H,J=4.4,8.3Hz),7.32(m,1H)と重複,7.1(m,1H),7.03(m,2H)と重複 MS測定値354.1(M+1)
3−(キノリン−8−イルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−25
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(8−キノリル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、MS測定値321.1(M+1)のIa−25を生成した。
3−(ピリジン−2−スルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−26
一般的合成手順IVbに記載のようにして、2,2’−ジピリジルジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−26を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.51(bs,1H),8.42(dd,1H,J=1.4,4.5Hz),8.34(dd,1H,J=1,4Hz)8.06(bs,1H),7.89(dd,1H,J=1.4,8.3Hz),7.82(bs,1H)と重複,7.53(dd,1H,J=1.8,7.5Hz),7.30(dd,1H,J=4.3,8.2Hz),7.10(dd,1H,J=4.9,7.4Hz),6.74(d,1H,J=8.1Hz) MS測定値271.1(M+1)
3−(ピリジン−4−スルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−27
一般的合成手順IVbに記載のようにして、4,4’−ジピリジルジスルフィド(Aldrithiol 4)(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−27を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.5(bs,1H),8.44(dd,1H,J=1.5,4.5Hz),8.27(dd,2H,J=1.5,4.5Hz),8.07(bs,1H),7.93(dd,1H,J=1.4,8.3Hz),7.73(bs,1H),7.33(dd,1H,J=4.5,8.2Hz),6.94(dd,2H,J=1.5,4.5Hz) MS測定値271.07(M+1)
3−(チオフェン−2−イルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−28
一般的合成手順IVbに記載のようにして、2,2’−ビス(チエニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド6a−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体としてIa−28を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.34(bs,1H),8.50(d,1H,J=4.4Hz),8.21(bs,1H),8.00(bs,1H),7.83(d,1H,J=8.3Hz),7.42(d,1H,J=5.3Hz),7.26(dd,2H,J=4.5,8.2Hz),6.92(dd,1H,J=3.6,5.2Hz) MS測定値276.01(M+1)
1−メチル−3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、Ia−29
一般的合成手順Vに記載のようにして、ジメチルスルフェート(1.5当量)を用いて、DMF中の3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミドIa−33(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、MS測定値298.09(M+1)のIa−29を生成した。
1−メチル−3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、Ia−29
3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド(Ia−33、47mg、0.166ミリモル)、Cs2CO3(65mg、0.2ミリモル)、及びピリジン(1.5ml)の混合物に、室温でヨウ化メチル(20mg、0.164ミリモル)を添加した。この反応物をシールした容器の中で、3時間にわたって60℃に加熱した。追加のヨウ化メチル(20mg)を添加し、反応の進行をクロマトグラフィによってモニターした。完了したとき、混合物を冷却し、濃縮して乾燥させ、ブラインから酢酸エチルに抽出した。有機相を分離し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィによって残留物を2回精製し(SiO23グラム、DCM中のMeOH0〜4%で溶出、及びSiO21グラム、ヘプタン:DCM=1:1で溶出)、白色の固体として表題の化合物を生成し(10mg)、1HNMR(CDCl3)とLC−MS(m/e=297)は、表題の化合物の構造と一致した。
3−(3−トリフルオロメトキシフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、Ia−30
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド6a−2(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、MS測定値368.03(M+1)のIa−30を生成した。
3−(3−クロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、Ia−31
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−クロロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド6a−2(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、MS測定値318.03(M+1)のIa−31を生成した。
3−(3−フルオロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、Ia−32
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−フルオロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド6a−2(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、MS測定値305.05(M+1)のIa−32を生成した。
3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、Ia−33
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(フェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド6a−2(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、Ia−33を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.48(bs,1H),8.45(dd,1H,J=1.5,4.4Hz),8.11(bs,1H),7.89(dd,1H,J=1.5,4.0Hz,bsと重複,1H),7.31(dd,1H,J=1.4,4.5Hz),7.28(dd,J=1.5,4.5Hz,1H)7.21(m,2H),7.13〜7.05(m,3H),2.9(d,3H,J=4.2Hz) MS測定値284.06(M+1)
1−メチル−3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−34
一般的合成手順Vに記載のようにして、ジメチルスルフェート(1.5当量)を用いて、DMF中の3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミドIa−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、MS測定値284.06(M+1)のIa−34を生成した。
1−メチル−3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−34(スキームI、工程g)
ピリジン(0.5ml)中の3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド(Ia−1、27mg、0.1ミリモル)、Cs2CO3(43mg、0.13ミリモル)の混合物に、室温でヨウ化メチル(20mg、0.14ミリモル)を添加した。この反応物をシールした容器の中で、15分間にわたって80℃に加熱した。混合物を冷却し、水から酢酸エチルに抽出した。有機溶液を分離し、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル3グラム、ジクロロメタン中のMeOH0〜4%で溶出)によって残留物(33mg)を精製し、白色の固体として表題の化合物を生成し(11mg)、1HNMR(CDCl3)とLC−MS(m/e=283)は、表題の化合物の構造と一致した。
3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−35
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−フルオロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド(1.0当量、対応するエチルエステルから製造、Frydman, B.; Reil, S.J.; Boned, J.; Rapoport, H. J. Org. Chem. 1968, 33, 3762-6)を処理し、象牙色の固体として、MS測定値318.03(M+1)のIa−35を生成した。
3−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−36
一般的合成手順IVbに記載のようにして、ビス−(3−メトキシフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF中の5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド(1.0当量、対応するエチルエステルから製造、Frydman, B.; Reil, S.J.; Boned, J.; Rapoport, H. J. Org. Chem. 1968, 33, 3762-6)を処理し、象牙色の固体として、MS測定値330.01(M+1)のIa−36を生成した。
3−フェニルスルファニル−1−プロピル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−37
一般的手順Vにしたがい、Cs2CO3(1.5当量)の存在下でヨウ化プロピル(1.5当量)を用い、DMF中の3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミドIa−1(1.0当量)を処理し、クロマトグラフィの後、象牙色の固体として、MS測定値312.06(M+1)のIa−37を生成した。
3−フェニルスルファニル−1−プロピル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ia−37(スキームI、工程g)
ピリジン(0.5ml)中の3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド(Ia−1、31.5mg、0.12ミリモル)、Cs2CO3(60mg、0.185ミリモル)の混合物に、室温で1−ブロモプロパン(19mg、0.154ミリモル)を添加した。この反応物をシールした容器の中で、1時間にわたって80℃に加熱した。混合物を冷却し、水から酢酸エチルに抽出した。有機相を分離し、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィ(SiO22グラム、ヘプタン:DCMと続いてDCM中のMeOH0〜4%で溶出)によって残留物(33mg)を精製し、白色の固体として表題の化合物を生成し(11.5mg)、1HNMR(CDCl3)とLC−MS(m/e=311)は、表題の化合物の構造と一致した。
ピロロ[3,2−c]ピリジン類(5−アザインドール類)の製造
2−(ジエトキシメチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステル、8b−1(スキーム3、工程h)
ドライDMF中の(3−ヨード−ピリジン−4−イル)カルバミン酸1,1−ジメチルエチルエステル(13.3g、41.56ミリモル、Darnbrough, Shelley; Mervic, Miljenko; Condon, Stephen M.; Burns, Christopher J. Synthetic Communications (2001) 31(21), 3273-3280)、3,3−ジエトキシ−1−プロピン(5.96ml、41.56ミリモル)、トリエチルアミン(23ml、166ミリモル)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.46g、2.08ミリモル)、及びヨウ化銅(237mg、1.25ミリモル)の溶液をアルゴン下で90℃に3時間にわたって加熱した。反応混合物を70℃まで冷やし、DBU(12.5ml、83.12ミリモル)を添加した。反応物を70℃で3時間にわたって撹拌した後、室温で終夜にわたって撹拌した。反応混合物をEtOAcの中に注ぎ入れ、水(2×)とブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過・濃縮し、オイルとして表題の化合物を得た。このオイルをフラッシュクロマトグラフィによって精製し(シリカ、10〜20%EtOAc/n−ヘキサンで溶出)、透明なオイルとして、TLC(シリカ、30%EtOAc/ヘプタン、Rf=0.30)、表題の化合物9.8gを生成した。
1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアルデヒド、9b−1(スキーム3、工程i)
THF100ml中の2−(ジエトキシメチル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステル(8b−1、9.8g、30.6ミリモル)の溶液に濃HCl 6mlを添加した。この反応混合物を室温で20時間にわたって撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を用いて塩基性にし、EtOAcに注ぎ入れ、飽和重炭酸ナトリウムとブラインで洗浄し、有機相をMgSO4上で乾燥し、濾過・濃縮し、固形物として、2−ホルミル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステルと1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアルデヒド9b−1の混合物を得た。フラッシュクロマトグラフィ(シリカ、1〜3%MeOH/CH2Cl2)によってこの混合物を分離し、オイルとして2−ホルミル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステル(5.0g)を、黄褐色の固体として1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアルデヒド9b−1(1.0g)を得た。ジクロロメタン250ml中の2−ホルミル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチルエステル(5.0g、20.3ミリモル)の溶液にTFA(5.0mL)を滴加した。この反応混合物を還流下で3時間にわたって加熱し、濃縮し、EtOAc300mlで残留物を希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(3×)とブラインを用いて洗浄し、有機相を乾燥し(MgSO4)、濾過・濃縮し、純粋な固体として、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアルデヒド9b−1(2.24g)を生成した。
1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル、5b−1(スキーム3、工程j)
メタノール中の1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボキシアルデヒド(9b−1、3.24g、22.19ミリモル)の0℃の溶液に、アルゴン下で、シアン化ナトリウム(5.44g、111ミリモル)と二酸化マンガン(9.65g、111ミリモル)を添加した。この反応混合物を5時間にわたって撹拌し、Celite(登録商標)を通して濾過し、EtOAc500mlで希釈した。有機相を水(×2)とブラインで洗浄し、炭酸ナトリウム上で乾燥し、濾過・濃縮し、純粋な黄褐色の固体として表題の化合物(3.27g)を生成した。5b−1からの1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6b−1は、エチルエステル4a−1からの化合物6a−1の合成についての上記手順の任意のものから製造する。
1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、6b−1(R4=H、スキーム1、工程a〜c、e)
3−メチル−4−ニトロ−ピリジン(2b−1)は、3−クロロ−4−ニトロ−ピリジン1b−1より、化合物1a−1からの異性体の2−メチル−3−ニトロ−ピリジン類似体2a−1の合成について上述したようにして製造する。2−ヒドロキシ−3−(4−ニトロ−ピリジン−3−イル)−アクリル酸エステル(3b−1)は、化合物2b−1より、化合物2a−1からの化合物3a−1の製造について上記に説明した任意の手順によって製造する。1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル4b−1は、化合物3b−1より、化合物3a−1からの化合物4a−1の製造について上記に説明した任意の手順によって製造する。1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6b−1は、化合物4b−1より、化合物4a−1からの化合物6a−1の合成について上記に説明した任意の手順によって製造する。
3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ib−1
一般的手順IVbに上述したようにして、ジフェニルジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6b−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、Ib−1を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.48(bs,1H),8.70(s,1H),8.29(d,J=5.8Hz,1H),8.04(bs,1H),7.76(bs,1H),7.44(dd,J=1.1,5.7Hz,1H),7.26(m,2H),7.14(m,3H);m/z=270.1(M+H)
3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ib−2
一般的手順IVbに上述したようにして、ビス−(3−フルオロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6b−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、Ib−2を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.63(bs,1H),8.71(s,1H),8.31(d,J=5.8Hz,1H),8.06(bs,1H),7.74(bs,1H),7.46(d,J=5.8Hz,1H),7.3(m,1H),6.99〜6.89(重複m,3H);m/z=288.06(M+1)
3−(4−クロロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ib−3
一般的手順IVbに上述したようにして、ビス−(4−クロロフェニル)ジスルフィド(1.1当量)を用いて、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6b−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、Ib−3を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.61(bs,1H),8.71(bs,1H),8.30(d,1H,J=4.5Hz),8.07(bs,1H),7.76(bs,1H),7.45(d,1H,J=5.7Hz),7.32(d,2H,J=8.7Hz),7.12(d,2H,J=8.5Hz),m/z=304(M+1)
ピロロ[2,3−c]ピリジン類(6−アザインドール類)の製造
1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、6c−1(R4=H、スキーム1、工程a〜c、e)
4−メチル−3−ニトロ−ピリジン(2c−1)は、4−クロロ−3−ニトロ−ピリジン1c−1より、化合物1a−1からの異性体2−メチル−3−ニトロ−ピリジン類似体2a−1の合成について上述したようにして製造する。2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−4−イル)−アクリル酸エステル(3c−1)は、化合物2c−1より、化合物2a−1からの化合物3a−1の製造について上記に説明した任意の手順によって製造する。1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(4c−1)は、化合物3c−1より、化合物3a−1からの化合物4a−1の製造について上記に説明した任意の手順によって製造する。1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6c−1は、化合物4c−1より、化合物4a−1からの化合物6a−1の合成について上記に説明した任意の手順によって製造する。
3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ic−1
一般的手順IVbに上述したようにして、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6c−1(1.0当量)に、(ジフェニル)ジスルフィド(1.0当量)を添加し、黄褐色の結晶性固体として、Ic−1を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.4(bs,1H),8.86(s,1H),8.18(m,2H),7.84(bs,1H),7.42(d,J=5.5Hz,1H),7.24(m,2H),7.14(m,1H),7.03(d,8.3Hz,2H);m/z=270.1(M+H)
3−ベンゼンスルホニル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ic−2
22(30%w/v、131μL、2.5ミリモル)とNa2CO3(212mg、2.0ミリモル)を用いて、3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6c−1(1.0ミリモル)を処理した。室温で16時間にわたって撹拌し、反応をH2Oでクエンチし、EtOAcを用いて抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、有機相を乾燥し(MgSO4)、濃縮し、象牙色の固体としてIc−2を得た。MS測定値303(M+1)
3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ic−3
一般的手順IVbに上述したようにして、ビス−(3−フルオロフェニル)ジスルフィド(1.0当量)を用いて、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6c−1(1.0当量)を処理し、黄褐色の固体として、Ic−3を得た。1HNMR(DMSO−d6)δ12.77(bs,1H),8.87(s,1H),8.2(d,J=5.2Hz,1H),8.13(bs,1H)と部分的に重複,7.81(bs,1H),7.42(d,J=5.5Hz,1H),7.26(m,1H),6.96(m,1H),6.84(m,2H);m/z=288.04(M+H)
3−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ic−4
一般的手順IVbに上述したようにして、ビス−(3−メトキシフェニル)ジスルフィド(1.0当量)を用いて、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6c−1(1.0当量)を処理し、黄褐色の固体として、Ic−4を得た。1HNMR(DMSO−d6)δ12.8(bs,1H),8.89(s,1H),8.2(d,J=5.3Hz,1H),8.19(bs,1H)と重複,7.81(bs,1H),7.41(d,J=5.4Hz,1H),7.19(m,1H),6.61(s,1H),6.56(m,2H)と部分的に重複,3.65(s,3H);m/z=300.1(M+H)
3−(3−クロロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ic−5
一般的手順IVbに上述したようにして、ビス−(3−クロロフェニル)ジスルフィド(1.0当量)を用いて、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6c−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、Ic−5を得た。1HNMR(DMSO−d6)δ12.8(bs,1H),8.87(s,1H),8.2(d,J=5.3Hz,1H),8.17(bs,1H)と重複,7.82(bs,1H),7.41(d,J=5.4Hz,1H),7.2(m,2H),7.05(s,1H),6.95(d,J=7.3Hz,1H);m/z=304(M+H)
3−(2−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ic−6
一般的手順IVbに上述したようにして、ビス−(2−トリフルオロメチルジフェニル)ジスルフィド(1.0当量)を用いて、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6c−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、Ic−6を得た。1HNMR(DMSO−d6)δ12.9(bs,1H),8.9(bs,1H),8.19(m,2H),7.79(m,1H),7.33(m,2H),7.46(d,J=5.5Hz,1H),7.14(m,1H),6.75(dd,J=1.3,7.5Hz,1H);m/z=338(M+H)
3−(2−トリフルオロメトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ic−7
一般的手順IVbに上述したようにして、ビス−(2−トリフルオロメトキシフェニル)ジスルフィド(1.0当量)を用いて、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6c−1(1.0当量)を処理し、黄褐色の固体として、Ic−7を得た。1HNMR(DMSO−d6)δ12.8(bs,1H),8.89(s,1H),8.2(d,J=5.3Hz,1H),8.14(bs,1H)と重複,7.8(bs,1H),7.36(m,2H),7.1(dd,J=1.0,8.3Hz,1H),6.98(m,2H);m/z=354(M+H)
3−(2−メトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ic−8
一般的手順IVbに上述したようにして、(2−メトキシ−ジフェニル)ジスルフィド(1.0当量)を用いて、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド6c−1(1.0当量)を処理し、象牙色の固体として、Ic−8を得た。1HNMR(DMSO−d6)δ12.40(bs,1H),8.89(bs,1H),8.3〜8.16(m,1H),7.86(s,1H),7.77(m,1H)と重複,7.46(d,J=5.5Hz,1H),7.14(m,1H),7.03(dd,J=1.0,8.3Hz,1H),6.75(dd,J=1.3,7.5Hz,1H),6.50(dd,J=1.5,7.8Hz,1H),3.89(s,3H);m/z=300.1(M+H)
3−(ピリジン−2−スルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、Ic−9
一般的手順IVbに記載したようにして、DMF(100mL)中の1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド(1.0当量)に2,2’−ジピリジルジスルフィド(Aldrithiol 2、1.1当量)を添加し、象牙色の固体として、Ic−9を生成した。1HNMR(DMSO−d6)δ12.75(bs,1H),8.86(s,1H),8.35(dd,1H,J=14,4.5Hz),8.19(dd,1H,J=1,4Hz),8.1(bs,1H),7.85(bs,1H),7.54(dd,1H,J=1.8,7.5Hz),7.42(d,J=5.5Hz,1H),7.10(dd,1H,J=4.9,7.4Hz),6.74(d,1H,J=8.1Hz),m/z=271.1(M+H)
Figure 0004691506
Figure 0004691506
Figure 0004691506
Figure 0004691506
生物学的実施例
CKIε阻害剤をスクリーニングするためのカゼインキナーゼε33P−ATPフィルタプレートアッセイ
−目的−
このアッセイは、インビボ33P−ATP濾過アッセイを用い、酵素カゼインキナーゼIεによる基質カゼインのリン酸化反応を阻害する化合物の効果を測定する。化合物は、IC50値又は10μモル濃度での阻害%を発生させるため、5つの濃度について二重にテストし、これらは表4にまとめて示す。
−材料−
[装置]
ベックマンBiomek2000液体ハンドリングロボット
ベックマンMultimek96自動式96チャンネルピペッター
ミリポア真空マニホールドBasic Kit #MAVM0960R
Titertek Multidrop液体ディスペンサー
パッカードTopCount NXT液体シンチレーションカウンター
[プレート]
Costar EIA/RIAプレート#9018
Falcon96ウェルU底ポリスチレンプレート#353910
ミリポアマルチスクリーン96ウェル濾過プレート#MAPHNOB50
ミリポアマルチスクリーンTopCountアダプタープレート#SE3M203V6[薬品]
EGTA、SIGMA#E−3889より
カゼイン(脱リン酸化)、SIGMA#C−4032より
ATP、SIGMA#A−7699より
DTT、Fisher Biotech#BP1725より
トリクロロ酢酸、SIGMA#T−6399より
γ−33P−ATP1mCi/37MBq、Perkin Elmer Life Sciences#NEG−602Hより
[酵素]
最終濃度0.58mg/mlのカゼインキナーゼIεは、Aventis Pharmaceuticals社(フランス)により行われる発酵・精製プロセスから得た。上記のものは、−80℃において100μLアリコートとして保存した。
[化合物]
テスト用化合物は、100%DMSOに溶かした冷凍の10mM化合物原液として供給した。
−アッセイ条件−
1ウェルあたりの最終的な合計アッセイ体積は、以下のようにしてなる50μLに等しい。
希釈した化合物原液(10、1、0.1、0.01、又は0.001μM)の5μL
脱リン酸化カゼイン最終濃度0.2μg/μLの5μL
CKIε最終濃度3ng/μLの20μL、及び
低温ATP(10μM最終)と混合したγ−33P−ATP最終濃度0.02μCi/μLの20μL
−方法論−
1.新たなアッセイ緩衝剤500mLを調製する:50mLのトリス(pH7.5)、10mMのMgCl2、2mMのDTT、及び1mMのEGTA
2.評価すべき化合物を、100%DMSOに溶かした10mM原液の10μLとして得る。Biomek2000液体ハンドリングロボットを用い、連続的な希釈を行い、FalconのU底プレートに5μL添加物として加えた10、1、0.1、0.01、及び0.001μMの最終的な化合物希釈物を調製する。典型的に、96ウェルのプレートあたり8つの化合物をテストし、カラム1〜12は対照ウェルとして使用する。ルーチンのスクリーニングアッセイは32化合物からなり、これは4つのアッセイプレートに相当する。
3.アッセイプレートのマップは、次のCK1ePlateMap.xlsにしたがって設定する(図1参照)。
4.指示のようにして化合物5μLを添加した後、脱リン酸化カゼイン(蒸留水に溶解)(0.2μg/μL)5μLとCKIε(3ng/μL)20μLを適切なウェルに添加する。
5.最終的に、γ−33P−ATP(0.02μCi/μL)/10μM低温ATP20μLを添加する(約2×106CPM/ウェルに等しい)。
6.反応体積50μL超を含むFalconU底アッセイプレートをボルテックスした後、室温で2時間にわたってインキュベートする。
7.2時間の終了の時、ベックマンMultimekを用い、アッセイプレートに、氷冷2mM低温ATP(アッセイ緩衝液の中に調製)65μLを添加して反応を停止させる。
8.同時に、蒸留水中に調製した100%氷冷TCA25μLを、一致する数のミリポアMAPHフィルタプレートに添加する。
9.ハンドヘルドの8チャンネルピペッターを用い、反応混合物100μLをFalconU底プレートから、TCAに浸しておいたミリポアMAPHフィルタプレートに移す。
10.ミリポアMAPHフィルタプレートを穏やかに混合し、室温で少なくとも30分間置き、タンパク質を沈降させる。
11.30分後、フィルタプレートをミリポア真空マニホールドの上に置き、MAPHフィルタは高めの真空設定では「エアーロック」する傾向にあるため、8mmHg以下で濾過する。
12.フィルタプレートを、20%TCA2×150μL、10%TCA2×150μL、及び5%TCA2×150μLを用いて順次に洗浄し、濾過する(1つのプレートあたり合計で6回洗浄/1つのウェルあたり900μL)。
13.プレートを室温で終夜にわたって乾燥する。翌日、1つのウェルあたり、40μLのパッカードMicroscint−20シンチレーション流体を、Titertekマルチドロップディスペンサーを用いて添加し、プレートをシールし、パッカードトップカウントNXTシンチレーションカウンターで1ウェルあたり2分間カウントする(CPM値/ウェルを取得する)。
−計算−
1.1分間あたりのカウント(CPM)のデータを取得し、専用データ計算とファイル保存データベースの中に取り込む(IDBSバージョン5.0による活性ベース)。
2.各プレートについてのカラム1は、阻害性化合物が全く存在しない酵素の全体リン酸化活性を反映し、したがって100%を表す。カラム12は、阻害性化合物と酵素が存在しない中での、何らかの非特異的なリン酸化/保有放射能活性を反映する。典型的に、「非特異的」である全CMPの約1%が見られる。
3.各プレートについて「全体」と「非特異的」CPMを決定することにより、テスト化合物の各濃度について基質をリン酸化する酵素能力の阻害%を求めることができる。この阻害%のデータは、活性ベース計算プロトコル(DG0027-CK1-D-BL)(検討:RESR0290)とともにに含まれる非線形曲線適合プログラムを用い、化合物についてIC50値(化合物が酵素活性を50%阻害することができる濃度)を計算するために用いられる。
4.動力学的検討により、このアッセイ系におけるATPについてのKmが21μMであることが求められた。
CKIδ阻害剤についてのカゼインキナーゼIδストレプトアビジン親和性膜プレートアッセイ
−目的−
ストレプトアビジン親和性膜(SAM)ビオチン捕獲プレート(Promega V7542)におけるCKIδ活性についてテスト化合物を評価する。
[供給と試薬]
HEPESシグマ#H3375MW=238.3;β−グリセロールホスフェートシグマ#G−9891MW=216.0;EDTA0.5M,pH8.0GibcoBRL;オルトバナジン酸ナトリウムACROS#205330500MW=183.9;DTT(DL−ジチオスレイトール)シグマ#D−5545MW=154.2;塩化マグネシウムACROS#41341−5000MW=203.3;ATPシグマ#A−7699MW=551.1;γ33PATPNEN#NEG602H;カゼインキナーゼIδシグマ#C4455;カゼインキナーゼI基質ニューイングランドペプチドビオチン−RRKDLHDDEEDEAMSITA MW=2470
キナーゼ緩衝剤(KB、100mL)は次のようにして製造する。
HEPES 50mM、pH8.0 1M原液5mL
MgCl 10mM 1M原液1mL
β−グリセロホスフェート 10mM 1M原液1mL
EDTA 25mM 500mM原液500μL
オルトバナジン酸ナトリウム 1mM 1M原液100μL
DTT 1mM 1M原液100μL
水 92.3mL
ATPマスター混合物は次のようにして製造する。
水中の1MのATP溶液1mLを製造する(1MのATP原液)
KB12mLに、1MのATP溶液12μLを添加し、次いで、33PATP(10μCi/μL)、NEG602H、パーキンエルマー12μLを添加する。
反応プレートを製造し、アッセイを次のようにして行う。
1.反応プレートのウェルに、テスト化合物の阻害剤を含める又は含めずに、1ウェルあたりKB10μLを添加する。
2.1ウェルあたりKB60μLを添加する。
3.1ウェルあたり500μMのペプチド基質10μLを添加する。
4.プレートを37℃に昇温する。
5.1ウェルあたり0.42μg又は0.68ユニットで、CKIδの1:10希釈液10μLを添加する。
6.1ウェルあたりATPマスター混合物10μLを用い、反応を開始させる。
7.反応プレートを37℃のインキュベーターに10分間入れる。
8.1MのATP10μLを用いて反応を停止させる。20μLをSAMプレートに移し、室温に10分間置く。
9.2MのNaCl溶液100μLで3回、次に2MのNaClと1%のH3PO4の溶液100μLで3回、次に水100μLで3回にわたって真空マニホールド上で洗浄する。
10.フィルタプレートをランプ下で30分間乾燥する。
11.プレートの底をシールし、MicroScint20 20μLを添加する。
12.TOPCOUNTにインプットする。
細胞の概日アッセイの実験手順
−細胞培養−
mperl−lucRat−1線維芽細胞(P2C4)培養物を3〜4日ごとに、150cm2のベント式ポリスチレン組織培養フラスコ(Falcon#35-5001)の上に分割し(約10〜20%集密)、37℃と5%CO2で、成長培地(EMEM(Cellgro#10-010-CV);10%ウシ胎児血清(FBS; Gibco#16000-044);及び50I.U./mLのペニシリン−ストレプトマイシン(Cellgro#30-001-C1)の中に維持した。
−安定な形質移入−
30〜50%集密のRat−1線維芽細胞培養物を、安定な形質移入のためのZeocin抵抗選択性マーカーとmPer−1プロモーター駆動ルシフェラーゼレポーター遺伝子を含むベクターを同時形質移入した。24〜48時間後、培養物を96ウェルプレート上に分割し、10〜14日間にわたり、50〜100μg/mLのZeocin(Invitrogen#45-0430)でサプリメントされた成長培地の中に維持した。成長培地に100μMのルシフェリン(Promega#E1603)をサプリメントし、TopCountシンチレーションカウンター(パッカードモデル#C384V00型)でルシフェラーゼ活性を検査することによって、レポーター発現についてZeocin抵抗安定性形質移入体を評価した。Zeocin抵抗とmPerl駆動ルシフェラーゼ活性の双方を発現するRat−1クローンを、50%ウマ血清(HS(Gibco #16050-122))の血清ショックによって同期化し、概日レポーター活性について評価した。mperl−lucRat−1線維芽細胞クローンP2C4を化合物テストのために選択した。
−同期化プロトコル−
mperl−lucRat−1線維芽細胞(P2C4)を、不透明96ウェル組織培養プレート(PerkinElmer#6005680)の上に蒔き(40〜50%集密)、培養物が100%集密(48〜72時間)に達するまで、100μg/mLのZeocin(Invitrogen#45-0430)でサプリメントされた成長培地に維持した。100μLの同期化培地(EMEM(Cellgro#10-010-CV);100I.U./mLペニシリン−ストレプトマイシン(Cellgro#30-001-C1);50%HS(Gibco#16050-122))を用い、37℃と5%CO2で2時間にわたり、培養物を同期化した。同期化の後、室温で10分間にわたり、培養物を100μLのEMEM(Cellgro#10-010-CV)でリンスした。リンスの後、培地を300μLのCO2非依存性培地(CO2I(Gibco#18045-088);2mMのL−グルタミン(Cellgro#25-005-C1);100I.U./mLのペニシリン−ストレプトマイシン(Cellgro#30-001-C1);100μMのルシフェリン(Promega#E1603))に置き換えた。概日効果をテストした化合物を0.3%DMSO(最終濃度)中のCO2非依存性培地に添加した。培養物を直ちにTopSeal−Aフィルム(パッカード#6005185)でシールし、ルシフェラーゼ活性測定のために移した。
−自動化概日レポーター測定−
同期化の後、アッセイプレートを組織培養インキュベーター(Forma Scientific Model #3914)の中で37℃に維持した。インビボのルシフェラーゼ活性は、TopCountシンチレーションカウンター(パッカードモデル#C384V00型)で相対的な光出力を測定することによって見積もった。ORCAロボットアーム(Beckman Instruments)とSAMI−NT自動化スケジューリングソフトウエア(Version 3.3; SAGIAN/Beckman Instruments)を用い、プレートをインキュベーターから読取器に移した。
−データ解析−
マイクロソフトExcelとXLフィット(Version 2.0.9; IDBS)を用い、データを取り込み、処理し、グラフにした。期間分析は、数日間かけて相対的な光出力の最小値の間の間隔を測定することにより、又はフーリエ変換により行った。両方の方法とも、概日期間の範囲の中で、ほぼ同じ期間の見積りを与えた。作用強度は、期間の1時間延長を引き起こすのに有効なマイクロモル濃度として表されるECΔt+1hとして報告する。データは、XLフィットにおけるテスト化合物の濃度(x軸)に対する期間変化(y軸)として表されたデータに、双曲線を適合させることによって解析し、ECΔt+1hはこの曲線から内挿した。
Figure 0004691506
Figure 0004691506
CKIε濾過アッセイプレートマップを示す。

Claims (44)

  1. 式(I):
    Figure 0004691506
    〔式中、
    1は、H又はC1-6アルキルであり、
    2は、NR56であり、
    3は、アリール又は複素環であり、
    4は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、CF3、ハロゲン、SH、S−C1-6アルキル、NO2、NH2、又はNR56であり、
    5は、H又はC1-6アルキルであり、
    6は、H又はC1-6アルキルであり、
    Xは、S又はS(O)nであり、
    K、L、又はMの1つはNであり、K、L、又はMの他の2つはそれぞれCであり、R4は、K、L、M、又はCである他の環原子にのみ結合し、
    mは、1、2、又は3であり、そして
    nは、1又は2である〕
    の化合物、又はその医薬的に許容される塩もしくは立体異性体。
  2. LがNであり、KとMがそれぞれCである請求項1に記載の化合物。
  3. 1、R4、R5、及びR6がそれぞれHであり、R3がアリールである請求項2に記載の
    化合物。
  4. 3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、及び
    3−(4−クロロ−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド
    からなる群より選択される請求項3に記載の化合物。
  5. MがNであり、KとLがそれぞれCである請求項1に記載の化合物。
  6. 1、R4、R5、及びR6がそれぞれHであり、R3がアリール又は複素環である請求項5に記載の化合物。
  7. 3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド
    3−(3−クロロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(2−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(2−トリフルオロメトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(2−メトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、及び
    3−(ピリジン−2−スルファニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド
    からなる群より選択される請求項6に記載の化合物。
  8. KがNであり、LとMがそれぞれCである請求項1に記載の化合物。
  9. 1がC1-6アルキルであり、R5がHであり、R6がH又はC1-6アルキルであり、そしてR3がアリールである請求項8に記載の化合物。
  10. 1−メチル−3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、
    1−メチル−3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、及び
    3−フェニルスルファニル−1−プロピル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド
    からなる群より選択される請求項9に記載の化合物。
  11. 1、R4、及びR5がそれぞれHであり、R3がアリールであり、そしてR6がC1-6アルキルである請求項8に記載の化合物。
  12. 3−(3−トリフルオロメトキシフェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、
    3−(3−クロロフェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、
    3−(3−フルオロフェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド、及び
    3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド
    からなる群より選択される請求項11に記載の化合物。
  13. 1、R4、R5、及びR6がそれぞれHであり、R3が複素環である請求項8に記載の化合物。
  14. 3−(キノリン−8−イルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(ピリジン−2−スルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(ピリジン−4−スルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、及び
    3−(チオフェン−2−イルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド
    からなる群より選択される請求項13に記載の化合物。
  15. 1、R5、及びR6がそれぞれHであり、R3がアリールである請求項8に記載の化合物。
  16. 3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3−フルオロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3−クロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3−ブロモフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(2−クロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(4−クロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(2,4−ジクロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(2−フルオロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(2,3−ジクロロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(2−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(2−アミノフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(2,5−ジクロロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(2−メトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3−アミノ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(4−ニトロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3−ニトロ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−o−トリルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−p−トリルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3,5−ジメチル−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−m−トリルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(2−エチル−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3−トリフルオロメトキシ−フェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、
    3−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、及び
    3−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド
    からなる群より選択される請求項15に記載の化合物。
  17. 医薬担体、及び式(I):
    Figure 0004691506
    〔式中、
    1は、H又はC1-6アルキルであり、
    2は、NR56であり、
    3は、アリール又は複素環であり、
    4は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、CF3、ハロゲン、SH、S−C1-6アルキル、NO2、NH2、又はNR56であり、
    5は、H又はC1-6アルキルであり、
    6は、H又はC1-6アルキルであり、
    Xは、S又はS(O)nであり、
    K、L、又はMの1つはNであり、K、L、又はMの他の2つはそれぞれCであり、ここでR4は、K、L、M、又はCである他の環原子にのみ結合し、
    mは、1、2、又は3であり、そして
    nは、1又は2である〕
    の化合物、又はその医薬的に許容される塩もしくは立体異性体の治療的有効量を含む医薬組成物。
  18. 式(I):
    Figure 0004691506
    〔式中、
    1は、H又はC1-6アルキルであり、
    2は、NR56であり、
    3は、アリール又は複素環であり、
    4は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、CF3、ハロゲン、SH、S−C1-6アルキル、NO2、NH2、又はNR56であり、
    5は、H又はC1-6アルキルであり、
    6は、H又はC1-6アルキルであり、
    Xは、S又はS(O)nであり、
    K、L、又はMの1つはNであり、K、L、又はMの他の2つはそれぞれCであり、ここでR4は、K、L、M、又はCである他の環原子にのみ結合し、
    mは、1、2、又は3であり、そして
    nは、1又は2である〕
    の化合物、又はその医薬的に許容される塩もしくは立体異性体の治療的有効量を含む、患者のカゼインキナーゼIε活性を阻害するための医薬組成物。
  19. 式(I):
    Figure 0004691506
    〔式中、
    1は、H又はC1-6アルキルであり、
    2は、NR56であり、
    3は、アリール又は複素環であり、
    4は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、CF3、ハロゲン、SH、S−C1-6アルキル、NO2、NH2、又はNR56であり、
    5は、H又はC1-6アルキルであり、
    6は、H又はC1-6アルキルであり、
    Xは、S又はS(O)nであり、
    K、L、又はMの1つはNであり、K、L、又はMの他の2つはそれぞれCであり、ここでR4は、K、L、M、又はCである他の環原子にのみ結合し、
    mは、1、2、又は3であり、そして
    nは、1又は2である〕
    の化合物、又はその医薬的に許容される塩もしくは立体異性体の治療的有効量を含む、カゼインキナーゼIεの阻害によって改善される疾病又は障害のある患者を治療するための医薬組成物。
  20. 疾病又は障害が気分障害又は睡眠障害である請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 障害が気分障害である請求項20に記載の医薬組成物。
  22. 気分障害が、うつ病性障害又は双極性障害から選択される請求項21に記載の医薬組成物。
  23. うつ病性障害が大うつ病性障害である請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 双極性障害が、双極性I障害と双極性II障害からなる群より選択される請求項22に記載の医薬組成物。
  25. 障害が睡眠障害である請求項20に記載の医薬組成物。
  26. 睡眠障害が概日リズム睡眠障害である請求項25に記載の医薬組成物。
  27. 概日リズム睡眠障害が、交代勤務睡眠障害、時差ボケ症候群、睡眠相前進症候群、及び睡眠相後退症候群からなる群より選択される請求項26に記載の医薬組成物。
  28. 式(1):
    Figure 0004691506
    〔式中、
    1は、Hであり、
    2は、NH2であり、
    3は、アリール又は複素環であり、
    4は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、CF3、ハロゲン、SH、S−C1-6アルキル、NO2、NH2、又はNR56であり、
    5は、H又はC1-6アルキルであり、
    6は、H又はC1-6アルキルであり、
    Xは、Sであり、
    K、L、又はMの1つはNであり、K、L、又はMの他の2つはそれぞれCであり、ここでR4は、K、L、M、又はCである他の環原子にのみ結合し、そして
    mは、1、2、又は3である〕
    の化合物の製造方法であって、
    マロン酸ジエステルを適切な溶媒中の適切な塩基で処理し、非置換又は置換2−クロロ−3−ニトロピリジン、3−クロロ−4−ニトロピリジン、又は4−クロロ−3−ニトロピリジンを添加し、その反応混合物を反応が完了するまで加熱し、その反応混合物を鉱酸で処理し、その反応混合物を脱炭酸反応が完了するまで加熱し、非置換又は置換2−メチル−3−ニトロピリジン、3−メチル−4−ニトロピリジン、又は4−メチル−3−ニトロピリジンを生成させる工程を含む、上記の製造方法。
  29. マロン酸ジエステルがマロン酸ジエチルであり、塩基がナトリウムt−ブトキシドであり、溶媒がN−メチル−2−ピロリジノンであり、鉱酸が硫酸である請求項28に記載の方法。
  30. 2−メチル−3−ニトロピリジンが製造される請求項29に記載の方法。
  31. 非置換又は置換2−メチル−3−ニトロピリジン、3−メチル−4−ニトロピリジン、又は4−メチル−3−ニトロピリジを適切な溶媒、適切な塩基、及びシュウ酸ジエステルの混合物に添加し、非置換又は置換2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−2−イル)−アクリル酸エステル、2−ヒドロキシ−3−(4−ニトロ−ピリジン−3−イル)−アクリル酸エステル、もしくは2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−4−イル)−アクリル酸エステル、又はその対応する互変異性ケトンを生成させる工程をさらに含む請求項28に記載の方法。
  32. シュウ酸ジエステルがシュウ酸ジエチルであり、溶媒がテトラヒドロフランであり、塩基がナトリウムエトキシドである請求項31に記載の方法。
  33. 2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−2−イル)−アクリル酸エチルエステルが製造される請求項32に記載の方法。
  34. 非置換又は置換2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−2−イル)−アクリル酸エステル、2−ヒドロキシ−3−(4−ニトロ−ピリジン−3−イル)−アクリル酸エステル、又は2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−4−イル)−アクリル酸エステルを適切な溶媒中で適切な触媒を用いて還元し、非置換又は置換1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エステル、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エステル、又は1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エステルを生成させる工程をさらに含む請求項28に記載の方法。
  35. 溶媒が無水エタノールであり、触媒が炭素上のパラジウムである請求項34に記載の方法。
  36. 1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルが製造される請求項35に記載の方法。
  37. 非置換又は置換1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エステル、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エステル、又は1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エステルを適切な溶媒中のアンモニアに添加し、非置換又は置換1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、又は1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミドを生成させる工程をさらに含む請求項28に記載の方法。
  38. 溶媒がメタノールである請求項37に記載の方法。
  39. 1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミドが製造される請求項38に記載の方法。
  40. 非置換又は置換1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、又は1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、過剰量の適切な塩基、及びジアリールジスルフィド又はジ複素環ジスルフィドを適切な溶媒に添加し、加熱し、R1が水素である式(I)の化合物を得る工程をさらに含む請求項28に記載の方法。
  41. 過剰量の塩基が約2.0〜約2.5当量であり、塩基が炭酸セシウムであり、ジアリールジスルフィドがジフェニルジスルフィド又はビス(3−フルオロフェニル)ジスルフィドである請求項40に記載の方法。
  42. 3−フェニルスルファニル−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミドが製造される請求項41に記載の方法。
  43. 3−(3−フルオロフェニルスルファニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミドが製造される請求項41に記載の方法。
  44. a)マロン酸ジエステルを適切な溶媒中の適切な塩基で処理し、非置換又は置換2−クロロ−3−ニトロピリジン、3−クロロ−4−ニトロピリジン、又は4−クロロ−3−ニトロピリジンを添加し、その反応混合物を反応が完了するまで加熱し、その反応混合物を鉱酸で処理し、その反応混合物を脱炭酸反応が完了するまで加熱し、非置換又は置換2−メチル−3−ニトロピリジン、3−メチル−4−ニトロピリジン、又は4−メチル−3−ニトロピリジを生成させ、
    b)非置換又は置換2−メチル−3−ニトロピリジン、3−メチル−4−ニトロピリジン、又は4−メチル−3−ニトロピリジを適切な溶媒、適切な塩基、及びシュウ酸ジエステルの混合物に添加し、非置換又は置換2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−2−イル)−アクリル酸エステル、2−ヒドロキシ−3−(4−ニトロ−ピリジン−3−イル)−アクリル酸エステル、もしくは2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−4−イル)−アクリル酸エステル、又はその対応する互変異性ケトンを生成させ、
    c)非置換又は置換2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−2−イル)−アクリル酸エステル、2−ヒドロキシ−3−(4−ニトロ−ピリジン−3−イル)−アクリル酸エステル、又は2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロ−ピリジン−4−イル)−アクリル酸エステルを適切な溶媒中で適切な触媒を用いて還元し、非置換又は置換1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エステル、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エステル、又は1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エステルを生成させ、
    d)非置換又は置換1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エステル、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸エステル、又は1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エステルを適切な溶媒中のアンモニアに添加し、非置換又は置換1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、又は1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミドを生成させ、そして
    e)非置換又は置換1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸アミド、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、又は1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸アミド、過剰量の適切な塩基、及びジアリールジスルフィド又はジ複素環ジスルフィドを適切な溶媒に添加し、式(I)の化合物を得る、
    各工程を含む方法によって製造された式(I):
    Figure 0004691506
    〔式中、
    1はHであり、
    2はNH2であり、
    3は、アリール又は複素環であり、
    4は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、CF3、ハロゲン、SH、S−C1-6アルキル、NO2、NH2、又はNR56であり、
    5は、H又はC1-6アルキルであり、
    6は、H又はC1-6アルキルであり、
    Xは、S又はS(O)nであり、
    K、L、又はMの1つはNであり、K、L、又はMの他の2つはそれぞれCであり、ここでR4は、K、L、M、又はCである他の環原子にのみ結合し、そして
    mは、1、2、又は3である〕
    の化合物。
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