JP4690802B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
このような陸上輸送用冷凍装置には、たとえば車両走行用の主エンジンで圧縮機を駆動する「直結方式」の他、車両走行用の主エンジンとは別に設けたサブエンジンで圧縮機を駆動する「サブエンジン方式」等がある。
このような陸上輸送用冷凍装置において、装置(圧縮機)の運転を発停させることなく連続運転を行って温調する方式として、圧縮機から送出された吐出ガス(ホットガス)と保温庫内の空気とを熱交換させて加温運転を行う場合、保温庫内の空気温度でホットガスが凝縮しない圧力まで減圧した後に放熱することで、冷媒を液化させないで加温運転を行うように構成した非凝縮加温運転が提案されている。(たとえば、特許文献1参照)
さらに、上述した過剰冷媒をパージする場合、コンデンサ内を流れる冷媒量が非常に少ないため、コンデンサ内の液冷媒排出が阻害され、コンデンサ内に液冷媒が寝込んでしまうという問題があった。このようにしてコンデンサ内への寝込みが進行すると、レシーバ内の液冷媒が空となり、加温サイクル内に冷媒をチャージできないという不具合が発生する。これを防止するためには、コンデンサの最大寝込み量より多い余剰冷媒をシステムとして保有するか、あるいは、コンデンサ内に寝込んだ冷媒を定期的に回収するような運転制御が必要となるため、装置の運転性を損なうこととなり好ましくない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、非凝縮加温サイクルによる安定した加温運転を可能にした冷凍装置を提供することにある。
本発明に係る冷凍装置は、圧縮機から吐出される気相状態の冷媒を減圧手段により被温調空間内温度飽和圧力以下に減圧させてエバポレータに導入する非凝縮加温運転が可能に構成された冷凍装置において、前記気相状態の冷媒をコンデンサ及び絞り機構をバイパスして前記エバポレータに導入するバイパス流路と、該バイパス流路を流通する前記冷媒を被温調空間内温度飽和圧力以下に減圧させる減圧手段と、前記バイパス流路を開閉して前記冷媒の流通を断続する開閉手段とを備え、前記圧縮機から前記コンデンサに冷媒を導く冷媒流路の入口近傍に設置される開閉手段を迂回して前記コンデンサに冷媒を導くパージ流路を設け、該パージ流路に設けられて一次側圧力が規定圧力以上になると開弁する高圧圧力制御弁の弁口径を前記開閉手段の弁口径より小径にしたことを特徴とするものである。
なお、冷媒をパージしながら非凝縮加温運転を継続するのに不適切な冷媒圧力まで上昇した場合には、コンデンサの入口近傍に設置された開閉手段を開いて流路径の大きい冷媒流路を介してコンデンサに流せばよい。
また、冷媒の寝込み量を低減できるため、たとえば冷媒回収運転のような非凝縮加温運転以外の運転モードを不要にしたり、装置全体で必要となる冷媒量を削減することが可能になる。
図3に示す冷凍車1は、輸送用冷凍装置の一例として、荷台に積載したコンテナ(保温庫)2内を冷却または加熱して所望の庫内設定温度に維持する陸上輸送用冷凍装置10を装備している。なお、図示の陸上輸送用冷凍装置10は、コンテナ2内に設置されるエバポレータユニット3と、コンテナ2の外部に設置されるコンデンシングユニット4とに分割されたセパレート型であり、両ユニット3,4間が冷媒配管5、ホットガスバイパス配管(バイパス流路)6及び図示しない電気ケーブルで連結された構成とされる。
陸上輸送用冷凍装置10は、コンデンシングユニット4内に設置された圧縮機11からコンテナ2の庫内に設置されたエバポレータユニット3に冷媒を供給し、この冷媒と庫内の空気とが熱交換して保温庫内を温調する装置である。この場合の圧縮機11は図示省略の駆動源を備えており、たとえば車両走行用の主エンジンで駆動する「直結方式」や、車両走行用の主エンジンとは別に設けたサブエンジンで圧縮機を駆動する「サブエンジン方式」等がある
圧縮機11とコンデンサ13とを連結する冷媒配管5の途中には、コンデンサ入口電磁弁12をバイパスするようにして高圧圧力制御手段となる高圧圧力制御弁20を備えた冷媒戻し配管21が設けられている。この高圧圧力制御弁20及び冷媒戻し配管21は、冷媒流路5と比較して相対的に小径のパージ流路を形成したもので、後述する加温運転時に冷媒量の増加により圧力上昇した場合の冷媒パージ流路となる。なお、高圧圧力制御弁20は、一次側圧力が規定圧力以上になると開弁し、高圧圧力を抑制する機能を有している。
また、図示の冷媒回路には、レシーバタンク14の下流側で冷媒配管5から分岐し、電子膨張弁16及びエバポレータ17をバイパスして圧縮機11の下流(低圧側)に連結される冷媒チャージ配管30が設けられている。この冷媒チャージ配管30は、後述する加温運転時に冷媒量が少なくなって過剰に低圧圧力が低下した場合、冷媒圧力を上昇させるために液冷媒を加温回路内にチャージする冷媒流路であり、その途中には冷媒チャージ電磁弁31及びチャージ用キャピラリ管32が設けられている。
エバポレータ17に供給された液冷媒は、庫内の空気と熱交換して気化し、低温低圧のガス冷媒が気液熱交換器15を通って圧縮機11に吸い込まれる。この結果、冷媒が庫内の空気から吸熱するので、庫内の空気は冷却されて庫内温度が低下する。
このように、圧縮機11で圧縮されたガス冷媒は、コンデンサ13、電子膨張弁16及びエバポレータ17の順に循環して凝縮及び気化による状態変化を繰り返すので、圧縮機11で冷媒を循環させて庫内を冷却する閉回路の冷凍サイクルが構成される。
この場合の加温運転には、圧縮機11から吐出されたホットガスをキャピラリ管8によりコンテナ2内の庫内温度飽和圧力以下に減圧してエバポレータ17に供給する非凝縮加温サイクルが採用される。この非凝縮加温サイクルでは、図2に示すように、圧縮機11から吐出されたホットガスが凝縮することなく気相のまま循環して庫内を加熱する。
この結果、圧縮機11から吐出されたホットガスは、キャピラリ管8で減圧された後、エバポレータ17で放熱してガス冷媒のまま圧縮機11に戻り、以後同様の経路を循環して加温する非凝縮加温サイクルが形成される。
一方、回路内の冷媒が不足した場合には、冷媒チャージ電磁弁31を開いてレシーバタンク14から冷媒配管5に液冷媒をチャージする。このとき、液冷媒は減圧抵抗のチャージ用キャピラリ管32を通過してチャージされるので、流路に発生する圧力損失により急激なチャージが抑制されて安定した非凝縮加温サイクルの運転を可能にする。
また、冷媒戻し配管21を冷媒流路5の配管より小径とし、高圧圧力制御弁20に代えて入口側電磁弁12より小径の開閉弁(電磁弁等)を設けて冷媒戻し配管21の開閉操作を実施してもよい。
このように、パージ流路においてパージする冷媒量を調整し、安定した非凝縮加温サイクルの運転が可能になるので、液冷媒が常にホットガスにチャージされるようなミキシング運転も可能になる。
この実施形態の陸上輸送用冷凍装置10Aは、コンデンサ13を分割することにより、非パージ領域13aとパージ領域13bとが形成された構成とされる。また、冷媒配管5は、コンデンサ入口電磁弁12の下流側で二つの冷媒分岐配管5a,5bに分岐され、コンデンサ13の下流で再度合流してひとつ冷媒流路に戻る。
一方の分岐配管5aは非パージ領域13aに連結され、非パージ領域13aの下流側にはパージ冷媒流入阻止手段となる逆止弁9が設けられている。また、他方の分岐配管5bはパージ領域13bに連結されており、パージ領域13bの上流側及び下流側にはパージ冷媒流入阻止手段となる逆止弁9が設けられている。そして、冷媒分岐配管5bには、上流側の逆止弁9とパージ領域13bとの間に、高圧圧力制御弁20を備えた冷媒戻し配管21が連結されている。
また、冷媒回収運転など庫内温度を維持する加温運転以外の運転を排除できるので、庫内温度の変動が少ない安定した加温運転が可能となる。
また、ミキシング運転に適用して常に冷媒パージしながら運転する場合でも、レシーバタンク14内に安定して液冷媒を確保することができるため、安定的に継続してミキシング運転を実施することができる。
また、レシーバタンク14の下流側となる液冷媒ラインに常時冷媒を常に保持しておくことができるので、装置の停止中に進行する圧縮機11への冷媒寝込みを軽減することができ、従って、液圧縮起動による圧縮機11の故障防止にも有効である。
そして、図4及び図5に示したコンデンサ13は、逆止弁9がパージ冷媒の流れ方向を規制する作用により、パージ時に利用しない非パージ領域13a側にパージ冷媒が流入しないよう封止されている。このため、非パージ領域13aにおける冷媒の寝込みを防止することができる。
また、上述した実施形態では、陸上輸送用冷凍装置10をセパレート型としたが、エバポレータユニット及びコンデンシングユニットが一体化された構成としてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、たとえば陸上輸送用冷凍装置に限定されないなど、冷凍装置一般に広く適用できるものであり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
6 ホットガスバイパス配管(バイパス流路)
7 ホットガス電磁弁(開閉手段)
8 キャピラリ管(減圧手段)
10 陸上輸送用冷凍装置
11 圧縮機
12 コンデンサ入口電磁弁
13 コンデンサ
13a 非パージ領域
13b パージ領域
13c コンデンサチューブ
14 レシーバタンク
15 気液熱交換器
16 電子膨張弁
17 エバポレータ
20 高圧圧力制御弁
21 冷媒戻し配管
30 冷媒チャージ配管
31 冷媒チャージ電磁弁
32 チャージ用キャピラリ管
Claims (4)
- 圧縮機から吐出される気相状態の冷媒を減圧手段により被温調空間内温度飽和圧力以下に減圧させてエバポレータに導入する非凝縮加温運転が可能に構成された冷凍装置において、
前記気相状態の冷媒をコンデンサ及び絞り機構をバイパスして前記エバポレータに導入するバイパス流路と、該バイパス流路を流通する前記冷媒を被温調空間内温度飽和圧力以下に減圧させる減圧手段と、前記バイパス流路を開閉して前記冷媒の流通を断続する開閉手段とを備え、前記圧縮機から前記コンデンサに冷媒を導く冷媒流路の入口近傍に設置される開閉手段を迂回して前記コンデンサに冷媒を導くパージ流路を設け、該パージ流路に設けられて一次側圧力が規定圧力以上になると開弁する高圧圧力制御弁の弁口径を前記開閉手段の弁口径より小径にしたことを特徴とする冷凍装置。 - 前記コンデンサを分割してパージ領域を形成し、該パージ領域と前記パージ流路とを連結したことを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
- 前記コンデンサの入口からレシーバタンクに至る冷媒流路を下り勾配に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍装置。
- 前記コンデンサは、前記パージ領域以外の熱交換領域にパージ冷媒が流入するのを阻止するパージ冷媒流入阻止手段を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の冷凍装置。
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