JP4690427B2 - 基板、接続部品及び実装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板、接続部品及び実装方法に関し、特に電子部品の実装信頼性が向上する基板、接続部品及び実装方法に関する。
従来、基板への部品の実装方法として、基板に形成したスルーホールに部品のリード線を挿入しハンダ付けする、いわゆる「挿入実装」が用いられている。挿入実装では、スルーホール内に十分な量のハンダを充填することが必要である。十分にハンダを充填することによって、スルーホールと部品との接続強度を高め、実装信頼性を向上させることができる。
スルーホール内に十分にハンダを充填するためには、ハンダの粘性は極力低いことが望ましい。挿入実装の一種としてよく用いられる「フロー方式」では、溶融ハンダの噴流を基板の下から基板に吹き付け、ハンダをスルーホール内に浸入させる。そのため、特にフロー方式では、ハンダの粘性を低下させることが重要となる。なお、溶融ハンダがスルーホール内の上方に向かって浸入する現象は、「ハンダ上がり」、「フローアップ」などと呼ばれている。
ハンダの粘性を低下させるためには、ハンダを高温にすればよい。しかし、過度にハンダを加熱することは、基板や部品へのストレスとなる。最悪の場合、基板や部品が破損する。従って、ハンダを過度に高温にするのではなく、ハンダを適度に加熱して十分に粘性を低下させ、その状態を保持することが必要である。
ところが、基板の、スルーホールに接続されている金属層の面積が大きい場合、スルーホール内に浸入したハンダの粘性が増加することがある。なぜなら、スルーホールに侵入したハンダの熱が金属層を介して放熱され、ハンダの温度が低下するためである。
さらに、ハンダ自体の特性によって、粘性が高い場合もある。例えば、「鉛フリーハンダ」は、鉛を含む通常のハンダよりも粘性が高いという特性を持つ。「鉛フリーハンダ」は、近年、環境対策として広く用いられており、今後ますます使用が広まるものと考えられる。そのため、鉛フリーハンダを用いた実装においても、ハンダの粘性を十分に低く保持してハンダ上がりを促進し、実装信頼性を向上させることができる技術が必要となっている。
ハンダ上がりを促進するための従来の技術として、スルーホールの周囲にビアホールを設ける技術がある(例えば、特許文献1参照。)。この技術は、ビアホールにもハンダを侵入させることによって、スルーホールを周囲からも加熱し、温度上昇を促進するというものである。
また、スルーホールの上面にクリーム・ハンダを印刷する技術もある(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2記載の技術は、下方から溶融ハンダを吹き付けたときに、上面のクリーム・ハンダが溶融し、スルーホール内に浸入するというものである。
さらに、溶融したハンダを接触させる面の熱容量を、反対側の部品実装面の熱容量よりも大きくする技術もある(例えば、特許文献3参照。)。特許文献3記載の技術は、部品面側の層のパターンに吸収される熱を減少させることにより、スルーホールの熱の放散を防止し、ハンダ上がりを促進するというものである。
特開2003−69202号公報 (第2−3頁、図2、図3) 特開2005−26457号公報 (第5頁、図1) 特開2007−27368号公報 (第5頁、図1)
上記の各公知技術にはそれぞれ課題がある。すなわち、特許文献1の技術では、本来必要でないビアホールを、スルーホールの加熱の促進のために増設する必要がある。このことは、実装信頼性の向上のために基板面積が増大することを意味する。基板面積の増大は、基板を内蔵する装置を小型化する上での障害やコストアップの原因となる。層間の配線用として元々必要であったビアホールを、スルーホールの加熱の促進にも利用するために、スルーホールの周囲に配置することも考えられる。しかし、この場合は、最適な部品レイアウトや配線パターン設計を行う上での障害になる。
特許文献2記載の技術では、基板の上面にクリーム・ハンダを印刷する必要がある。そのため、実装工程が増加し、実装のためのコストが増加するという課題がある。
特許文献3記載の技術では、基板の上面側の層ほど、熱容量が小さくなるようにするため、層の配置に制約が生じる。例えば、電磁波等をシールドするため、基板上面の全面をグラウンド層にするといった対策を採ることができないという課題がある。
以上のように、従来の技術には、ハンダの粘性を低下させ、低下した粘性を保持するために、基板サイズや基板のレイアウト設計に制約が生じたり、コストアップにつながったりするなどの課題がある。ハンダ付けは、ろうとしてハンダを用いた「ろう付」の一種であるから、上記の課題はハンダ以外のろうを用いるろう付にも当てはまるものである。
(発明の目的)
本発明は上記のような技術的課題に鑑みて行われたもので、スルーホール内のろうの粘性を低く維持し、スルーホール内へのろうの浸入を促進し、実装信頼性を向上させることができる基板、部品及び実装方法を提供することを目的とする。
本発明の基板は、スルーホールと、スルーホールの内壁に形成されたスルーホール導体と、温度によって形状が変化し、導体層とスルーホール導体との間を接続又は隔離する開閉部とを備えることを特徴とする。
本発明の接続部品は、導体層と、スルーホールと、スルーホールの内壁に形成されたスルーホール導体を備える基板に用いる接続部品であって、温度によって形状が変化し、導体層とスルーホール導体との間を接続又は隔離することを特徴とする。
本発明の実装方法は、導体層と、スルーホールと、スルーホールの内壁に形成されたスルーホール導体と、温度によって形状が変化し導体層とスルーホール導体との間を接続又は隔離する開閉部とを備える基板に、ろうを用いたろう付によって部品を実装する実装方法であって、ろうを溶融する工程と、溶融したろうをスルーホール内に充填する工程と、開閉部を加熱し、導体層とスルーホール導体とを隔離させる工程と、開閉部を冷却し、導体層とスルーホール導体とを接続する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の基板は、スルーホール導体と金属層との接続を開閉する開閉部を備え、スルーホール内に浸入したろうの熱が金属層を介して放熱されることに起因する、ろうの粘性の低下を防止する。そのため、ろうの粘性を低い状態で保持することができるから、十分な量のろうをスルーホール内に充填することができる。従って、スルーホールに挿入された部品とスルーホールとの実装信頼性を向上させることができるという顕著な効果がある。
次に本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明を実施するための最良の形態(以降、「最良の実施形態」という。」)の基板の、常温時の構造を示す図面である。図1(a)は本実施形態の基板の垂直断面図、図1(b)は、図1(a)の基板を線分A−A’を含む水平面で切ったときの水平断面図である。図2は、図1の基板の、高温時の構造を示す図面で、図2(a)、図2(b)はそれぞれ垂直断面図、水平断面図である。
(最良の実施形態の構造)
図1、図2を参照して、本発明の最良の実施形態の基板の構造について説明する。基板1には、基板1に実装する部品のリード線を挿入するためのスルーホール2が形成されている。スルーホール2の内壁(スルーホール内部の円筒状の表面部分)には、メッキ等の方法を用いて、スルーホール導体3が形成されている。基板1は内部に導体層4を備える。本実施形態では、導体層4の形状はドーナツ形状としているが、特に形状は限定されない。
スルーホール導体3には、導電性の開閉部5が接続されている。開閉部5の形状は、スルーホール導体3を囲むようにドーナツ形状となっている。開閉部5の内周はスルーホール導体3に接続されている。開閉部5の外周は、温度に依存して、導体層4と接触したり、あるいは導体層4から隔離されたりする。その原理を次に説明する。
開閉部5の形状は温度によって変化する。本実施形態では、開閉部5の、基板の水平面方向の形状が温度によって変化する。すなわち、「常温状態」では、図1(b)のように、開閉部5の直径方向の幅は、導体層4と互いに接触するだけの幅になっている。常温状態では、導体層4は、開閉部5を介してスルーホール導体5と電気的に接続されている。
一方、「高温状態」では、図2(b)のように、開閉部5の直径方向の幅が狭くなり、開閉部5と導体層4との間に空隙6が生じ、開閉部5が導体層4から隔離される。このとき、開閉部5と導体層4とは電気的に分離され、さらに熱の伝導面においても分離される。なぜなら、開閉部5と導体層4との間に空隙6があるため、熱は直接伝達されず、空隙6の周囲を包囲する基板1の基材を通じてのみ伝達されるからである。
なお、「常温状態」とは開閉部5の温度が所定の閾値温度以下である状態をいい、「高温状態」とは開閉部5の温度がこの閾値温度より高い状態をいう。そして、「閾値温度」は、開閉部5と導体層4との接触の有無が切り替わるときの、開閉部5の温度である。
開閉部5は、種々の材料を用いて形成することができる。例えば、「形状記憶合金」を用いて開閉部5を形成することができる。このとき、開閉部5を形成する形状記憶合金には、常温状態及び高温状態のそれぞれの状態において異なる形状を記憶させる。形状記憶合金に、温度に対応した2種類の形状を記憶させることは、従来の各種の方法を用いて実現することができる。
第1の方法は、二方向性形状記憶合金を用いる方法である。通常の形状記憶合金は、設定された「変態温度」を超えると、記憶している形状に変化する。しかし、温度を変態温度以下に下げても、変形前の常温時の形状には戻らない。これに対し、二方向性形状記憶合金は、2つの変態温度(第1の変態温度、第2の変態温度)を持ち、ぞれぞれの変態温度に対して異なる形状(第1の形状、第2の形状)を記憶させることができる。そして、二方向性形状記憶合金は、温度の加熱、冷却によって、第1の形状と第2の形状とを可逆的に変化させることができる。このような二方向性形状記憶合金については、例えば、特許第3963021号に、二方向性形状記憶合金を用いたアクチュエータが記載されている。また、特開2005−336534号には、二方向性形状記憶合金を用いたピン及びアクチュエータが記載されている。二方向性形状記憶合金を用いる場合は、2つの変態温度は、閾値温度をはさむ、2つの温度に設定すればよい。
図3は、二方向性形状記憶合金を用いて形成した開閉部5の一例である。図3(a)、(b)は、常温状態における開閉部5の形状、図3(c)、(d)は、高温状態における開閉部5の形状を示す。図3(a)、(c)は、開閉部5の平面図で、図3(b)、(d)は、図3(a)、(c)の線分A−A’を含む垂直面で切ったときの垂直断面図である。
この開閉部5の例では、開閉部5に同心円状の凹凸を設け、二方向性形状記憶合金に凹凸の間隔を変化させた2種類の形状を記憶させることにより、平面方向の幅を変化させている。凹凸を設けずに、平面方向の幅を変化させた形状を記憶させてもよいことは言うまでもない。
第2の方法は、変態温度が異なる2種類の通常の形状記憶合金の複合体を用いて、高温時と低温時に異なる形状に変化させる方法である。この方法では、まず複合体を第1の変態温度まで加熱し、第1の形状に変化させる。次に、この複合体を元の形状を回復させるときは、さらに複合体を加熱する。すると、複合体の温度は第2の変態温度を越え、第2の形状に変化する。第2の形状を常温時の形状に設定しておくことにより、加熱によって元の形状に復帰させることができる。このような形状記憶合金の複合体が、例えば、平3−23379号に記載されている。あるいは、特開平7−103129号には、この方法を用いたアクチュエータが記載されている。この方法を用いる場合も、2つの形状記憶合金が持つ異なる変態温度を、閾値温度をはさむ、2つの温度に設定すればよい。
図4は、2種類の形状記憶合金を用いて形成した開閉部5の一例の断面図である。示した断面図の、開閉部上の位置は、図3(a)、(c)と同じである。図4(a)は、常温状態における開閉部5の断面、図4(b)は、高温状態における開閉部5の断面を示す。図4(c)は、常温状態における形状記憶合金51の断面、図4(d)は、高温状態における形状記憶合金52の断面を示す。
この開閉部5の例では、同心円状の凹凸を設けた2つの形状記憶合金51、52を用いる。そして、図4(c)、(d)のように、形状記憶合金51、52に、それぞれ凹凸の間隔が異なる2種類の形状を記憶させる。形状記憶合金52の変態温度は上記の閾値温度以下とし、形状記憶合金51の変態温度は閾値温度より十分高く設定する。このような開閉部5を用いることにより、閾値温度を越えた高温状態では凹凸の間隔が狭まり、開閉部5の平面方向の幅が短縮される。そして、さらに開閉部5を加熱することにより、凹凸の間隔が広がり、開閉部5の平面方向の幅が増加し、開閉部5は元の形状に回復する。
第3の方法は、通常の形状記憶合金とバネを併用する方法もある。通常の形状記憶合金は、温度を変態温度以下に下げても常温時の形状には戻らない。そこで、形状記憶合金が変態温度以下になって記憶している第1の形状に変化する力(回復力)が低下したときに、バネの力で変形前の形状に強制的に復帰させる。この方法は、例えば、特開平10−9315号に記載されている。この方法を用いる場合は、形状記憶合金の変態温度は、閾値温度に一致させればよい。この方法を用いる場合は、形状記憶合金には、図4(d)の形状記憶合金52と同じ形状を記憶させればよい。そして、バネの形状に関しては、外力がない場合の形状を、図4(c)の形状記憶合金51と同じ形状になるようにすればよい。このようにして作成した形状記憶合金とバネを用いることにより、開閉部5は、常温状態、高温状態において、それぞれ図4(a)、(b)と同様の形状に変化させることができる。
(最良の実施形態の動作)
次に、本実施形態の基板の動作について、ハンダ付けによって基板に部品を実装する場合を具体例として説明する。図5は、本実施形態の基板に部品のリード線を挿入した状態の、垂直断面図及び水平断面図である。図6は、図5の基板に「フロー方式」によるハンダ付けを行っているときの垂直断面図及び水平断面図である。図7は、図5の基板のハンダ付けにおいて、スルーホールへのハンダの充填が完了した状態の垂直断面図及び水平断面図である。図8は、図5の基板のハンダ付け及び冷却が完了し、常温状態になったときの垂直断面図及び水平断面図である。
なお、図5の基板1では、開閉部5は、上述の二方向性形状記憶合金を用いて形成されているものとする。二方向性形状記憶合金の2つの変態温度の、高い方を第1の変態温度、低い方を第2の変態温度とする。また、図5の基板1では、図1の基板1に対してランド7が追加されている。ランド7は、部品8のリード線9のハンダ付け強度を向上させるために一般的に用いられているものである。また、「フロー方式」とは、ハンダ付けの方式の一種で、基板の下から溶融ハンダの噴流(フロー)を吹き付ける方式である。
本実施形態の基板の動作について、順を追って説明する。まず初めに、基板1、部品8ともに常温の状態において、図5のように、部品8のリード線9をスルーホール2に挿入する。このとき、開閉部5は「常温状態」にあり、開閉部5と導体層4とは接触している。
次に、図6のように、基板1の下から、ハンダ10の噴流を吹き付ける。すると、ハンダ10の一部がスルーホール2内のリード線9とスルーホール導体3との間に浸入する。前述した「ハンダ上がり」とは、このように、ハンダ9がスルーホール2内に浸入することをいう。ハンダ上がりが発生すると、スルーホール導体3はハンダ10によって加熱されて温度が上昇する。そして、開閉部5もスルーホール導体3を介して加熱され、遂には第1の変態温度を越え、「高温状態」となる。
高温状態における開閉部5の記憶形状である第1の記憶形状は、図6のように、開閉部5の直径方向の幅が狭くなった形状である。そのため、開閉部5は導体層4から離れ、空隙6が生じる。このとき、スルーホール導体3の熱は、開閉部5までは容易に伝導するが、開閉部5から導体層4へは伝導しにくい。そのため、スルーホール2内の、溶融したハンダ10の温度低下及びハンダ10の粘性の低下が抑制され、ハンダ上がりが促進される。
ハンダ上がりが順調に進むと、図7のように、ハンダ10はリード線9の最上端にまで達する。このとき、ハンダ10はまだ溶融状態にあるため、開閉部5も高温状態にあり、空隙6も維持されている。ハンダ10が部品8側にまで達すると、ハンダ10の噴流の吹き付けを終了し、基板1を自然放熱により常温にまで冷却する。
基板1の温度が常温になると、ハンダ10は固化し、一連のハンダ付け作業は完了する。基板1の温度が低下すると、図8のように、開閉部5の温度が第2の変態温度を下回って「常温状態」となる。このとき、開閉部5の形状は、形状記憶合金の低温状態における記憶形状である第2の記憶形状に変化する。第2の記憶形状とは、図8のように、開閉部5の直径方向の幅が広くなり、外周が導体層4と接触する形状である。
ここで、閾値温度の設定方法について説明する。前述のように、閾値温度は、常温状態と高温状態の境界を規定し、開閉部5と導体層4の接触の有無が切り替わる温度である。基板の通常の使用温度範囲の上限は100℃以下である。また、溶融ハンダの温度は200℃強であるから、溶融ハンダによって加熱された開閉部5の温度は200℃程度にまで加熱される。従って、閾値温度は100℃から200℃の間に設定すればよく、例えば、マージンをとって、150℃程度に設定すればよい。変態温度は、第1の変態温度を180℃、第2の変態温度を120℃等に設定すればよい。開閉部5の記憶形状合金が、1つの変態温度のみを持つ場合には、150℃程度に設定すればよい。
本実施形態の趣旨は、ハンダ付け時の開閉部5の形状変形による、スルーホール導体3の放熱の防止にある。従って、ハンダ付けの方式は任意であり、フロー方式によるハンダ付けには限定されない。本実施形態は、「フロー方式」によるハンダ付け以外の方式のハンダ付けにも適用可能である。例えば、手付けによるハンダを行う基板にも使用できる。あるいは、基板全体を加熱する「ベーパーフェーズ(VPS)方式」、局所加熱も可能な「赤外線リフロー方式」等によるハンダ付けを行う基板にも使用可能である。
ところで、ハンダ付けとは、「ろう」としてハンダを用いた「ろう付」の一種である。本発明を適用するときのろう付の方式として、ハンダ付けに限定されるものではない。加熱することによって「ろう」の粘性を高め、部材同士を接着し、その後冷却することによって「ろう」を固化させて接合するという、ろう付の方式であればどのようなものにも適用可能である。また、「ろう」は、金属である必要もなく、加熱によって粘性が高まる特性を持った、樹脂等であってもよい。
(最良の実施形態の効果)
以上説明したように、本発明の実施形態の基板は、ハンダ付け時の高温状態において開閉部の形状が変化し、スルーホール導体と導体層とを隔離する。そのため、導体層を介したスルーホール導体の熱の放熱が減少し、スルーホール内のハンダの粘性の低下が抑制される。そして、ハンダ上がりが促進され、スルーホール内に十分な量のハンダが充填される。従って、本実施形態の基板には、ハンダ付けの実装信頼性を向上させることができるという効果がある。
また、実装された部品を除去する際にも、ハンダの溶融が容易になるため、部品の除去作業が容易になるという効果もある。
(第2の実施形態)
最良の実施形態の基板1の開閉部5は内層に備えられ、スルーホール導体3に直接接続されていた。そして、開閉部5の形状はドーナツ形状であった。本発明の基板における開閉部は、開閉部を設ける層の位置、開閉部とスルーホール導体との接続方法、開閉部の形状として、種々の形態を用いることができる。
まず、開閉部5は、基板内外の、必要な層に設けることができる。例えば、スルーホール導体と接続されているすべての層に開閉部を設けてもよい。あるいは、電源、グラウンド層など、特に面積が広く、スルーホール内のハンダを放熱しやすい層のみに設けてもよい。ハンダフローが直接接する裏面(部品が実装される面の反対側の面)の層には大量の溶融ハンダが吹き付けられるため、放熱による影響を無視できる場合もある。そのような場合には、裏面の層には開閉部5を設けなくてもよい。図9は、開閉部5を表面層に設けた基板の構造の、高温状態における垂直断面図及び水平断面図である。開閉部5の機能及び動作は最良の実施形態と同様なので説明は省略する。
また、開閉部5は、スルーホール導体3に直接接続する必要はない。図10は、内層ランド11を備える基板の構造の、高温状態における垂直断面図及び水平断面図である。開閉部5は内層ランド11に接続されている。そして、開閉部5は温度によって形状が変化し、常温状態では外周が導体層4と接触しているが、高温状態では導体層4から隔離される。開閉部5のその他の機能及び動作は最良の実施形態と同様なので説明は省略する。
さらに、開閉部5の平面形状はドーナツ形状に限られず、種々の形状を用いることができる。図11は、帯状の開閉部5、導体層4を備える基板の構造の、高温状態における垂直断面図及び水平断面図である。図11の形状の導体層4の例としては、通常の配線パターンがこれに該当する。開閉部5は内層ランド11に接続されているが、内層ランド11を備えず、開閉部5をスルーホール導体3に直接接続してもよい。開閉部5は温度によって長さ方向の形状が変化する。すなわち、常温状態では、内層ランド11と反対側の先端が導体層4と接触している。そして、高温状態では、開閉部5の長さが減少し、開閉部5は導体層4から隔離される。開閉部5のその他の機能及び動作は最良の実施形態と同様なので説明は省略する。なお、図11の開閉部5、導体層4の形状は一例である。
第2の実施形態のように、開閉部は必要な層に適宜設けることができる。また、開閉部とスルーホール導体との接続方法、開閉部、導体層の形状も必要に応じて変更することができる。
従って、開閉部を設けることによる実装信頼性の向上と、基板上の部品レイアウト、基板のパターン設計の自由度をバランスよく両立させることができる。
(第3の実施形態)
本発明の基板の開閉部に用いることができる材料は、形状記憶合金に限定されない。形状記憶合金に替えて、例えば、「バイメタル」を用いることもできる。バイメタルは、熱膨張率が異なる2枚の金属板を貼り合わせたもので、温度によって形状が変化する。
図12は、バイメタルを用いて形成した開閉部5を備える基板の構造の、高温状態における垂直断面図及び水平断面図である。開閉部12は、ドーナツ形状の、熱膨張率が異なる2種類の金属を貼り合わせたもので、常温状態では平坦であるが、高温状態では外周部が上に反り返る。そのため、開閉部12は、常温状態では導体層4と接触しているが、高温状態では導体層4から隔離される。開閉部5のその他の機能及び動作は最良の実施形態と同様なので説明は省略する。
なお、バイメタルを用いた開閉部5は、基板1が実動作時の使用温度の上限にあるときにおいても、導体層4と接触している必要がある。バイメタルの形状は、ある閾値温度を境に急激に変化するのではなく、連続的に変化する。そのため、使用温度の上限以下の温度において、開閉部5と導体層4が確実に接触するように、開閉部5又は導体層4は常に応力を持って接触していることが必要である。
第3の実施形態のように、開閉部は温度によって形状が変化する材料、例えばバイメタルを用いて形成することができる。そのため、コストや開閉部を備える層の位置、開閉部の形状などによって最適な材料を選択し、実装信頼性を向上させることができる。
なお、以上の実施形態は各々他の実施形態と組み合わせることができる。例えば、形状記憶合金製の開閉部とバイメタル製の開閉部を併用してもよいし、任意の層に、形状記憶合金製の開閉部又はバイメタル製の開閉部を配置してもよい。
本発明の最良の実施形態の基板の、常温状態における構造を示す垂直断面図、水平断面図である。 本発明の最良の実施形態の基板の、高温状態における構造を示す垂直断面図、水平断面図である。 本発明の最良の実施形態の開閉部を、二方向性形状記憶合金を用いて形成したときの平面図及び垂直断面図である。 本発明の最良の実施形態の開閉部を、2種類の形状記憶合金を用いて形成したときの平面図及び垂直断面図である。 本発明の最良の実施形態の基板に部品のリード線を挿入した状態の、垂直断面図及び水平断面図である。 図3の基板にフロー方式によるハンダ付けを行っているときの、垂直断面図及び水平断面図である。 図3の基板のハンダ付けにおいて、スルーホールへのハンダの充填が完了した状態の、垂直断面図及び水平断面図である。 図3の基板のハンダ付け及び冷却が完了し常温状態になった状態の、垂直断面図及び水平断面図である。 本発明の第2の実施形態の基板の一例の、高温状態における垂直断面図及び水平断面図である。 本発明の第2の実施形態の基板の他の例の、高温状態における垂直断面図及び水平断面図である。 本発明の第2の実施形態の基板のさらに他の例の、高温状態における垂直断面図及び水平断面図である。 本発明の第3の実施形態の基板の、高温状態における垂直断面図及び水平断面図である。
符号の説明
1 基板
2 スルーホール
3 スルーホール導体
4 導体層
5、12 開閉部
6 空隙
7 ランド
8 部品
9 リード線
10 ハンダ
11 内層ランド
51、52 形状記憶合金

Claims (11)

  1. 導体層と、
    スルーホールと、
    前記スルーホールの内壁に形成されたスルーホール導体と、
    温度によって形状が変化し、前記導体層と前記スルーホール導体との間を接続又は隔離する開閉部と
    を備えることを特徴とする基板。
  2. 前記開閉部は、所定の導電性部材を介して前記スルーホール導体と接続されている
    ことを特徴とする請求項1記載の基板。
  3. 前記開閉部は、常温時には前記導体層と前記スルーホール導体を接続し、高温時には前記導体層と前記スルーホール導体を隔離する
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の基板。
  4. 前記開閉部は、前記スルーホール内に充填されたろうが固化状態にあるとき前記導体層と前記スルーホール導体を接続し、前記ろうが溶融状態にあるとき前記導体層と前記スルーホール導体を隔離する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板。
  5. 形状記憶合金を用いて形成された前記開閉部を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の基板。
  6. バイメタルを用いて形成された前記開閉部を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の基板。
  7. リード線を持つ部品を備え、
    前記スルーホールに挿入された前記リード線と前記スルーホール導体とが、ろうを用いたろう付によって接続された
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の基板。
  8. 請求項7記載の基板を備える電子機器。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載の基板の前記スルーホールに挿入された部品のリード線と、前記スルーホール導体とを、所定のろうを用いたろう付によって接続する実装装置。
  10. 導体層と、スルーホールと、 前記スルーホールの内壁に形成されたスルーホール導体を備える基板に用いる接続部品であって、
    温度によって形状が変化し、前記導体層と前記スルーホール導体との間を接続又は隔離する
    ことを特徴とする接続部品。
  11. 導体層と、スルーホールと、前記スルーホールの内壁に形成されたスルーホール導体と、温度によって形状が変化し前記導体層と前記スルーホール導体との間を接続又は隔離する開閉部とを備える基板に、ろうを用いたろう付によって部品を実装する実装方法であって、
    前記ろうを溶融する工程と、
    前記溶融したろうを前記スルーホール内に充填する工程と、
    前記開閉部を加熱し、前記導体層と前記スルーホール導体とを隔離させる工程と、
    前記開閉部を冷却し、前記導体層と前記スルーホール導体とを接続する工程と
    を備えることを特徴とする実装方法。
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