JP4688782B2 - 焼付硬化用高強度鋼板およびその製造方法 - Google Patents

焼付硬化用高強度鋼板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、焼付硬化性(塗装焼付を施して高強度を確保できる特性。以下、BH[Bake Hardening]性ということがある)に優れた高強度鋼板およびその製造方法に関するものであり、詳細には、良好な強度−加工性バランスを有する鋼板に関するものである。特に、自動車、輸送機、建材、家電、高強度鋼製品などで広く有効に活用される。
地球環境保護の観点から、低燃費化を目的とした自動車の軽量化が強く望まれており、車両を構成する部品に鋼板が使用される場合には、高強度鋼板を適用し、鋼板の板厚を薄くして軽量化が図られている。また、衝突安全性を向上するため、ピラー等の自動車用構造部品には、更なる高強度化が要求されている。一方で、成形加工時には、プレス加工に代表されるような、優れた成形加工性を発揮することが求められている。しかしながら強度の向上は、前記成形加工性の劣化を引き起こしやすいことから、複雑な加工が要求される自動車用鋼板の場合、成形加工時には比較的軟質で成形しやすく、成形加工後の塗装焼付による高い焼付硬化性(BH性)を利用して、高強度化し得るような素材が求められている。
即ち、上述した焼付硬化は、転位を侵入型元素(CやN)が固着することで生ずる歪時効が、高温(約150〜200℃)の塗装焼付時に生じる硬化現象であり、このような塗装焼付を行うことで最終製品に高強度を付与できるという利点がある。
このような事情から、焼付硬化性を高めた鋼板が提案されている。例えば準IF(Interstitial Free)型BH鋼は、30ppm程度の固溶炭素をフェライト組織に存在させ転位を固着することで焼付硬化性を高めたもので、主に自動車の外板パネルとして使用されている。しかしながら、このような準IF型BH鋼は、もともとの固溶C量が少ないこともあって、焼付硬化後でも強度はせいぜい440MPa程度にすぎない。
高強度鋼における焼付硬化性向上の技術は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1では、占積率で、残留オーステナイト:少なくとも3%、ベイナイト:少なくとも30%、フェライト:50%以下(0%含む)を満たし、鋼板に2%の予歪みを加えた後、170℃×20分の熱処理を施して焼付を行った前後で測定される応力差が50MPa以上の鋼板が記載されている。これは、ベイナイトを主相として初期転位密度を増大させることで、高い焼付硬化性を達成する方法である。
特開2004−76114号公報
しかしながら、特許文献1の熱処理によって生成されるベイナイト中の初期転位を利用して得られるBH量は、120〜140MPa程度で頭打ちであり、今後の更なる高強度化の要求に応えるための優れた焼付硬化性を確保するには、十分とはいえない。したがって、本発明は、優れた加工性を備えつつも、焼付硬化性を一層高めた高強度鋼板を得ることを目的とする。
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、上記の問題を解決するためには、鋼中の転位密度を3.0×1015/m以上とすれば、焼付硬化性が向上し、更には、鋼中の転位密度を4.0×1015/m以上とすることにより、焼付硬化性が一層上昇することを突き止めた。また、転位密度を高めるためには、鋼材をAc点以上の温度領域まで加熱してオーステナイト化した後、一旦(Ms−275℃)以上、(Ms−75℃)以下の温度まで冷却し、その後(Bs−400℃)〜(Bs−200℃)という、通常のオーステンパー処理よりも低い温度で恒温保持することにより、ベイナイト変態を遅延させることなく、高い転位密度を有するベイナイト及びマルテンサイトの混合組織を得られることも突き止め、本発明を完成した。
上記目的を達成し得た本発明の焼付硬化用高強度鋼板は、鋼の組織が面積率で、フェライト:5%以下(0%を含む)、ベイナイト及びマルテンサイト:合計で75〜100%、パーライト及び/又は残留オーステナイト:合計で20%以下(0%を含む)、を満たし、転位密度が3.0×1015/m以上のものである。
上記の転位密度は、4.0×1015/m以上であることがより好ましい。
本発明の焼付硬化用高強度鋼板は、化学成分が、C:0.05〜0.3%(質量%の意味。以下同じ。)、Si:0.5〜3.0%、Mn:1.0〜4.0%、P:0.1%以下(0%を含まない)、S:0.02%以下(0%を含まない)、Al:0.01〜3.0%、残部:鉄及び不可避的不純物であることが推奨される。
本発明の焼付硬化用高強度鋼板には、上記成分の他、必要に応じてさらに、Ti:0.1%以下(0%を含まない)、Nb:0.1%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることも有効である。
本発明の焼付硬化用高強度鋼板には、上記成分の他、必要に応じてさらに、Cr:1%以下(0%を含まない)、Mo:1%以下(0%を含まない)、Cu:0.5%以下(0%を含まない)、Ni:0.5%以下(0%を含まない)、W:2%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることも有効である。
本発明の焼付硬化用高強度鋼板には、上記成分の他、必要に応じてさらに、B:0.01%以下(0%を含まない)を含有させることも有効である。
本発明の焼付硬化用高強度鋼板には、上記成分の他、必要に応じてさらに、Ca:0.005%以下(0%を含まない)、Mg:0.01%以下(0%を含まない)、希土類元素(REM):0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることも有効である。
本発明の焼付硬化用高強度鋼板は、鋼材をAC3点以上の温度に加熱した後、平均冷却速度10℃/s以上で下記(1)式を満たす温度T2まで冷却し、その後、下記(2)式を満たす温度T3で10秒〜30分間恒温保持することが好ましい。
(Ms−275℃)≦T2≦(Ms−75℃)・・・(1)
(Bs−400℃)≦T3≦(Bs−200℃)・・・(2)
ここで、AC3変態点の温度は、オーステナイトへの変態完了温度AC3の意味であり、下記(3)式によって求められるものである。また、ベイナイト変態開始温度Bsおよびマルテンサイト変態開始温度Msは、夫々下記(4)式および(5)式によって求められる値である。尚、これらの式は、「レスリー鉄鋼材料科学」(丸善株式会社、1985年5月31日発行、p217,p231,p273)の記載内容に基づくものである。但し、本発明で規定する成分に該当しないものについては、式から除いて表示してある。
C3(℃)=910−203[C]1/2−15.2[Ni]+44.7[Si]
+104[V]+31.5[Mo]+13.1[W]−(30[Mn]
+11[Cr]+20[Cu]−700[P]−400[Al]
−400[Ti])…(3)
Bs(℃)=830−270[C]−90[Mn]−37[Ni]
−70[Cr]−83[Mo]…(4)
Ms(℃)=561−474[C]−33[Mn]−17[Ni]
−17[Cr]−21[Mo]…(5)
上記[ ]は、各々表示された元素の鋼中の含有量(質量%)を表すものである。
本発明によれば、初期転位密度の高い鋼材を製造することにより、優れた加工性を備えつつも、焼付硬化性を一層高めた高強度鋼板を得ることができる。特に、複雑な加工が要求される自動車用鋼板の場合、成形加工時には比較的軟質で成形しやすく、成形加工後の塗装焼付による高い焼付硬化性を得ることができるものである。
(I):転位密度
本実施の形態の焼付硬化用高強度鋼板は、転位密度を高くすることにより、焼付硬化性が向上することに大きな特徴を持つものである。転位密度は、3.0×1015/m以上であり、好ましくは、4.0×1015/m以上、さらに好ましくは、5.0×1015/m以上である。
転位密度を高くすることにより焼付硬化性が向上する理由は、焼付硬化用高強度鋼板の完成後に予歪として導入された転位だけでなく、焼付硬化用高強度鋼板に最初から存在する多量の初期転位も、焼付処理時に侵入型元素(CやN)によって固着されて焼付硬化用高強度鋼の硬化に寄与するためであると考えられる。
なお、本発明において転位密度は、フェライトやベイナイト等、鋼材に混在する各組織における転位密度を平均したものをいう。
転位密度の測定方法は、測定対象となる鋼材にX線を照射し、得られる回折ピークの半価幅を測定することにより算出するものである。具体的には、以下に説明する通りであるが、これは、「材料とプロセス」Vol.17(2004)No.3、P396−399に記載されたものである。
通常、単結晶などの歪のない試料から得られる特性X線は、特定の格子面でBraggの条件((6)式)を満たし、鋭いピークのスペクトルとして現れる。
2dsinθ=λ・・・・・(6)
ここで、dは格子面間隔、θは回折角、λはX線の波長である。一方、本実施の形態における焼付硬化用高強度鋼板のように、組織中に初期転位が導入された試料では、結晶の格子が不均一にひずんでいるため、Braggの条件を満たし得る角度に幅が生じ、回折ピークは広がることはよく知られている。X線回折による転位密度の測定法では、この回折ピークの広がりを利用して、ピークの幅(半価幅:β)から歪を求め、それを転位密度に換算する。ただし、歪を求める過程で、下記のような注意すべき点があるので、半価幅を補正する必要がある。
(1)通常のX線回折により得られる回折強度曲線では、波長の異なるKα1線とKα2線の2つの曲線が重なっている。
(2)回折ピークの広がりには、加工により導入される歪(ε)だけでなく、X線装置による誤差の影響や組織学的な影響を含んでいる。
(1)Kα1線とKα2線の分離
図1は、X線の波長と回折強度との関係を示す図である。X線回折での特性X線には、図1に示すように、波長の異なるKα1線とKα2線があり、両曲線をRachingerの方法により分離する。この方法では[1]Kα1線とKα2線のX線強度比が2:1であること、[2]Kα1線とKα2線の波長差が一定であるため同じ回折面では両曲線のずれ角(Δ2θ)も一定になるという2つのことを利用している。なお、Δ2θはKα1線とKα2線についてのBraggの条件より(7)式のように与えられる。
Δ2θ=2tanθKα1(Δλ/λKα1)・・・・・(7)
このことから、例えば、図1の点0におけるKα1線の高さをODとすると、Kα2線での同じ位置は点0からΔ2θだけずれた点Pであり、その高さはOD/2(=PC)となる。そして、点PでのKα1線の高さは実測のX線強度(PB)からKα2線の高さを差し引くことで求められる。以上のような作業を同じピーク内の各2θについて行うことで、Kα1線を分離し、ピークの半価幅を測定することができる。
(2)半価幅中での歪の影響の抽出
通常のX線装置では、X線発生源が無限小でないこと、装置のスリットが無限小でないことなどから、平行X線が検出されず、半価幅(β)は広がる。そこで、実測した半価幅(βm)は、(8)式を用いて、ひずみのない試料における半価幅(βs)により真の半価幅(β)へと補正する必要がある。
β2=βm2−βs2・・・・・(8)
また、組織中での結晶粒や転位セルといった同一方向の単位ユニットの大きさが小さくなると、X線の回折が起こる格子面の数が少なくなることに起因して、Braggの条件が完全に満たされなくなり、これによっても半価幅が広がることが知られている。Scherrerは、同一方位の単位ユニットを結晶子サイズ(D)とし、その影響について(9)式のような実験式を得ている。
β1=(0.9λ/Dcosθ) ・・・・・(9)
一方、半価幅の広がりに及ぼす歪の影響については、(10)式のように求められる。
β2=2εtanθ ・・・・・(10)
結晶子の大きさと歪によって回折線が広がるときには、半価幅が両因子の和として次式のように表される。
β=β1+β2=(0.9λ/Dcosθ)+2εtanθ ・・・・・(11)
この式を展開すると、(12)式が得られ、sinθ/λに対してβcosθ/λをプロットすれば、その直線の傾きと切片から歪(ε)と結晶子サイズ(D)を抽出することができる(Williamson−Hall法)。
βcosθ/λ=0.9/D+2εsinθ/λ ・・・・・(12)
(110)面、(211)面、(220)面に対するθの値を用い、βcosθ/λをsinθ/λに対して式(12)をグラフ化することにより、(12)式の傾きからεの値を得る。
最後に、下記(13)式に上記εおよびb(b:バーガースベクトル=0.25nm)を代入することにより転位密度ρを算出する。
ρ=14.4ε/b ・・・(13)
(II):鋼の組織
本実施の形態の焼付硬化用高強度鋼板は、上記の通り所定値以上の転位密度を有することに大きな特徴を持つものであるが、各組織の面積率も適切に構成されることが必要である。
本実施の形態における焼付硬化用高強度鋼板は、ベイナイト及びマルテンサイトの合計が75%以上確保されているところに大きな特徴を有している。これにより、焼付硬化用高強度鋼板の製造時の転位密度(初期転位密度)を増大させることができ、その結果として、焼付硬化用高強度鋼板の製造後の塗装焼付時には、従来のいずれの鋼板よりも著しく高いBH性を発揮させることができる。このような効果を一層高めるためには、ベイナイト及びマルテンサイトの合計が85%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上確保さることが推奨される。ベイナイト及びマルテンサイトの合計は100%でもよいが、後述するように、フェライト、残留オーステナイト、パーライト等、他の組織が生成されていてもよく、その場合には、他の組織の面積率に応じて、ベイナイト及びマルテンサイトの合計が99%以下、又は98%以下、又は95%以下、又は90%以下となってもよい。
本発明は、組織を(ベイナイト+マルテンサイト)主体とすることで、高いBH性を確保できるところに一つのポイントを有するものであるが、本発明者らは、(ベイナイト+マルテンサイト)が上記規定範囲を満たすものであれば、フェライトが5%以下の範囲内で存在している場合であっても、本発明の目的を達成できることを見出した。しかし、上述したように、相対的に(ベイナイト+マルテンサイト)が増加するほどBH性は高くなるので、フェライトは4%以下とするのが好ましく、より好ましくは2%以下であり、最も好ましくは0%である。
本実施の形態における焼付硬化用高強度鋼板の残部は、パーライト及び/又は残留オーステナイトであってもよい。特に残留オーステナイトは、全伸びを向上させるのに有用である。本発明者らは、(ベイナイト+マルテンサイト)が上記規定範囲を満たすものであれば、パーライト及び/又は残留オーステナイトが合計で20%以下の範囲内で存在している場合であっても、本発明の目的を達成できることを見出した。しかし、上述したように、相対的に(ベイナイト+マルテンサイト)が増加するほどBH性は高くなるので、パーライト及び/又は残留オーステナイトは合計で10%以下とするのが好ましく、より好ましくは5%以下である。
(III):化学成分
本実施の形態の焼付硬化用高強度鋼板は、上記の通り転位密度および金属組織を制御する点に特徴があるが、優れた加工性を備えつつも、焼付硬化性を一層高めた高強度鋼板を得るために、化学成分組成が適切に調整されていることが好ましい。よって、鋼材の化学成分組成について説明する。
C:0.05〜0.3%
Cは焼入れ性向上元素であり、高強度化およびフェライト生成を抑制するのに必要な元素である。また、残留オーステナイトを確保し、強度‐延性バランスを高める作用もある。以上のような作用を有効に発揮させるため、Cを0.05%以上、好ましくは0.07%以上、より好ましくは0.1%以上含有させる。しかし0.3%を超えて添加すると溶接性が劣化するため、上限を0.3%とした。Cの好ましい上限値は、0.25%、より好ましくは0.2%である。
Si:0.5〜3.0%
Siは、炭化物の生成を抑え、焼付硬化に必要な固溶Cを確保するのに必要な元素である。また、Siは、固溶強化元素として有用であり、焼付硬化用鋼板の高強度化に有用である。以上のような作用を有効に発現させるため、Siを0.5%以上含有させる。Siの含有量は、より好ましくは、0.7%以上、更に好ましくは、1.0%以上である。しかし、3.0%を超えて添加すると熱間圧延時のスケール形成が著しくなり、酸洗性が低下するため、上限を3.0%とした。好ましい上限値は、2.5%、更に好ましくは2.0%である。
Mn:1.0〜4.0%
Mnは焼入れ性向上元素であり、焼付硬化用鋼板の高強度化およびフェライト生成を抑制するのに有用である。このような作用を有効に発揮するには、Mnを1.0%以上含有させる。Mnの含有量は、より好ましくは、1.5%以上、更に好ましくは、2.0%以上である。しかし、過剰のMn添加は偏析を助長し、4.0%を超えて添加すると鋳片割れが生じるなどの悪影響が見られるため、上限を4.0%とした。好ましい上限値は、3.5%、更に好ましくは3.0%である。
P:0.1%以下(0%を含まない)
Pは、粒界偏析による粒界脆化を助長して、加工性を劣化させる元素であるため、低い方が望ましく、上限を0.1%、好ましくは0.08%、さらに好ましくは0.05%とする。Pの含有量は少ない程望ましいが、Pを完全に除去することは工業的には困難であり、通常、0%超である。
S:0.02%以下(0%を含まない)
Sは、MnS等の硫化物系介在物を形成し、割れの起点となって加工性を劣化させる元素であるため低い方が望ましく、上限を0.02%、好ましくは0.01%、さらに好ましくは0.005%とする。Sの含有量は少ない程望ましいが、Sを完全に除去することは工業的には困難であり、通常、0%超である。
Al:0.01〜3.0%
Alは、脱酸および炭化物形成元素の歩留り向上に対して有用な元素であり、このような作用を得るには、Alの含有量を0.01%以上、好ましくは、0.02%以上、更に好ましくは、0.03%以上とする。しかし、3.0%を超えて添加すると、靭性の劣化やアルミナ等の介在物増加による加工性の劣化の問題が生じるため、上限を3.0%とした。より好ましい上限値は、2.5%、さらに好ましくは2.0%である。
本発明の鋼の基本成分組成は上記の通りであり、残部は鉄、及び、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる不可避的不純物である。さらに本発明の鋼は、必要に応じて、以下の任意元素を含有していても良い。
Ti:0.1%以下(0%を含まない)、Nb:0.1%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種
これらの元素は、析出強化及び組織微細化効果があり、焼付硬化用鋼板の高強度化に有用な元素である。上記元素は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもかまわない。しかし、いずれの元素も0.1%を超えて添加すると上記効果が飽和してしまい、経済的に無駄であるため、上限を0.1%とした。より好ましい上限値は、それぞれ0.08%、さらに好ましくは0.06%である。
Cr:1%以下(0%を含まない)、Mo:1%以下(0%を含まない)、Cu:0.5%以下(0%を含まない)、Ni:0.5%以下(0%を含まない)、W:2%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種
これらの元素は、焼付硬化用鋼板の強化元素として有用であると共に残留γの安定化に有効な元素である。上記元素は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもかまわない。しかし、過剰に添加しても上記効果が飽和してしまい、経済的に無駄であるため、その上限をそれぞれ、Cr:1%、好ましくは0.8%、更に好ましくは、0.6%、Mo:1%、好ましくは0.8%、更に好ましくは、0.6%、Cu:0.5%、好ましくは0.45%、更に好ましくは、0.4%、Ni:0.5%、好ましくは0.45%、更に好ましくは、0.4%、W:2%、好ましくは1.5%、更に好ましくは、1.0%、とした。
B:0.01%以下(0%を含まない)
Bは焼入れ性向上元素であり、焼付硬化用鋼板の高強度化に有用な元素である。しかし、0.01%を超えて添加すると上記効果が飽和してしまい、経済的に無駄であるため、上限を0.01%とした。より好ましい上限値は、0.008%、さらに好ましくは0.006%である。
Ca:0.005%以下(0%を含まない)、Mg:0.01%以下(0%を含まない)、希土類元素(REM):0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種
これらの元素は、鋼中硫化物の形態を制御し、焼付硬化用鋼板の加工性向上に有効な元素である。ここで、本発明に用いられる希土類元素(REM)としては、Sc、Y、ランタノイドなどが挙げられる。上記元素は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもかまわない。しかし、過剰に添加しても上記効果が飽和してしまい、経済的に無駄であるため、その上限をそれぞれ、Ca:0.005%、好ましくは0.0045%、更に好ましくは、0.004%、Mg:0.01%、好ましくは0.008%、更に好ましくは、0.006%、REM:0.01%、好ましくは0.008%、更に好ましくは、0.006%とした。
(IV):焼付硬化用高強度鋼板を製造するための熱処理
通常、ベイナイト組織を得るためのオーステンパー処理は、ベイナイト変態を効率よく促進させるために、保持温度350℃以上で実施される。
一方、鋼材は、50℃程度以上の温度に保持しておくと、鋼材内部の転位が相互に打ち消し合って、転位の絶対数が減少する、回復現象が起こる。そしてこの回復による転位の減少は、再結晶の生じる500〜600℃まで、高温になるほど著しくなることが知られている。このため、通常のオーステンパー処理(350℃以上)で生成したベイナイト組織は、生成直後は高い転位密度を有するものの、恒温保持中に回復現象が起こり、恒温保持後、最終的に得られるベイナイト組織中の転位密度は低くなってしまう。
そうすると、高い転位密度を有するベイナイト組織を得るためには、回復現象ができるだけ起こらないよう、低温でオーステンパー処理を行なえば良いようにも思われるが、350℃未満の低温では、ベイナイト変態の進行が極端に遅延されるため、全く実用的ではないため、通常では考えられない。
しかし、本発明者らは、鋼材をAC3点以上の温度に加熱した後、平均冷却速度10℃/s以上で下記(1)式を満たす温度T2まで一旦冷却し、その後、下記(2)式を満たす温度T3で10秒〜30分間恒温保持することにより、理由は必ずしも明らかではないが、ベイナイト変態を遅延させることなく、転位を多く含むベイナイトとマルテンサイトの混合組織を得ることを見出した。
(Ms−275℃)≦T2≦(Ms−75℃)・・・(1)
(Bs−400℃)≦T3≦(Bs−200℃)・・・(2)
得られた混合組織は、単に焼き入れのみで生成するマルテンサイト組織よりも高い転位密度を有する。このため、転位密度を高めるためには、マルテンサイトよりも低温ベイナイトを主体とした組織とすることが有効であり、冷却停止温度T2を(Ms−275℃)以上とすることで、マルテンサイトの生成が過剰にならないようにした。冷却停止温度T2のより好ましい下限値は、(Ms−250℃)、さらに好ましくは(Ms−225℃)である。一方、後の温度T3における恒温保持の際にベイナイト変態が遅延しないようにするため、冷却停止温度T2の上限値は(Ms−75℃)であり、より好ましくは、(Ms−85℃)、さらに好ましくは、(Ms−95℃)である。
恒温保持温度T3が(Bs−400℃)未満では、ベイナイト変態の進行が抑制されてしまうため、恒温保持温度T3の下限値を(Bs−400℃)とした。恒温保持温度T3のより好ましい下限値は、(Bs−375℃)、さらに好ましい下限値は、(Bs−350℃)である。一方、上記のような回復現象を抑制することにより転位密度を高く保持するため、T3の上限値は(Bs−200℃)であり、より好ましくは(Bs−210℃)、さらに好ましくは(Bs−220℃)である。ベイナイトとマルテンサイトの混合組織を必要量生成させるため、温度T3で10秒以上、好ましくは1分以上、さらに好ましくは3分以上恒温保持する。一方、回復現象を制限するため、及び、焼付硬化用高強度鋼板を効率的よく生産するため、恒温保持する時間の上限は、30分であり、好ましくは25分、さらに好ましくは20分である。
参考のため、保持温度を350℃とした場合の鋼板の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した写真を図2に、保持温度を275℃とした場合の鋼板の断面を走査型電子顕微鏡で観察した写真を図3に、それぞれ示す。なお、SEMの観察倍率は、4000倍である。図2には、粒状組織が観察され、一方、図3には、ラス状の組織が観察される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)供試鋼の作成
下記表1に示す成分組成からなる鋼(鋼種A〜S)を真空溶製し、実験用スラブとした後、下記工程(熱延→冷延→連続焼鈍)に従って、板厚3.2mmの熱延鋼板を得てから酸洗により表面スケールを除去し、その後1.2〜2.3mm厚となるまで冷間圧延した。
<熱延工程>開始温度(SRT):1150〜1250℃で30分間保持
仕上温度(FDT):850℃
冷却速度:40℃/s
巻取温度:550〜650℃
<冷延工程>冷延率:20〜50%
<連続焼鈍工程>
図4に示す熱処理を行なった。なお、T1は鋼種A〜Sをオーステナイト化するためのAC3点以上の加熱温度、CR1は、冷却速度、T2は冷却停止温度、T3は恒温保持温度、t3は、その保持時間をそれぞれ示すものである。
(2)供試鋼の評価
この様にして得られた各鋼板の金属組織、転位密度、引張強度(TS)、伸び[全伸びのこと(El)]、BH性を夫々調べた。その結果を表2に示す。
[金属組織の測定]
金属組織の面積率は、供試鋼の[板厚1/4]の位置において、圧延方向断面の組織をSEMによって2000倍で観察し、得られた組織写真から、フェライト(α)、及びマルテンサイトとベイナイトの混合組織(B+M)の面積%を求めた。なお、恒温保持温度T3が、通常のオーステンパー処理(350〜500℃)に比べて低いため、マルテンサイトとベイナイトとの区別は難しい。残部は、パーライト及び/又は残留オーステナイト(P+γ)である。
[転位密度の測定]
供試鋼の転位密度は、測定対象となる供試鋼にX線を照射し、得られる回折ピークの半価幅を測定し、上述した(6)式〜(13)式の要領で算出した。なお、X線を用いての測定には、株式会社リガク製のX線回折装置(RINT1500型)を用いた。
[引張強度(TS)及び伸び(El)の測定]
引張試験はJIS13号B試験片を用いて行い、引張強度(TS)と伸び(El)を測定した。尚、引張試験の歪速度は1mm/sとした。
[焼付硬化性(BH性)の測定]
焼付硬化性は、JIS13号B試験片に1%の予歪みを加えて応力(σ1)をまず測定し、その後、除荷して170℃×2分間の熱処理を施した後、再度、引張試験機で応力(σ2)を測定し、その応力差(σ2−σ1)を求めて評価した。
表2から、次のことが分かる。
実験No.7では、C量が少なく焼入性が悪いため、フェライトが本発明の規定範囲を超えて生成した。また、転位密度が本発明の規定量よりも小さく、高いBH性が得られなかった。
実験No.20では、T1がAC3以下であるために、フェライトが本発明の規定範囲を超えて生成した。また、転位密度が低く、高いBH性が得られなかった。
実験No.21では、冷却速度CR1が本発明の規定値以下であるために、本発明の規定範囲以上のフェライトが生成していた。また、転位密度が低いため、高いBH性が得られなかった。
実験No.22では、T2が本発明の規定範囲を超える温度であるために、恒温変態前のマルテンサイト生成量が少なく、恒温変態時のベイナイト変態の遅延を防止することができなかった。このため、ベイナイトとマルテンサイトの面積率の合計は、本発明の規定量を満足しているものの、規定以上の転位密度を得ることができず、高いBH性を得ることができなかった。
実験No.23では、ベイナイトとマルテンサイトの面積率の合計は、本発明の規定量を満足しているものの、T3が本発明の規定範囲を超える温度であるために、規定以上の転位密度を得ることができず、高いBH性を得ることができなかった。
実験No.24では、ベイナイトとマルテンサイトの面積率の合計は、本発明の規定量を満足しているものの、T2、T3ともに本発明の規定範囲を下回る温度であるために、転位密度が規定以下となり、高いBH性を得ることができなかった。
本発明の焼付硬化用高強度鋼板は、特に、自動車、輸送機、建材、家電、高強度鋼製品などで広く有効に活用される。自動車の構造部品としてはフロント部やリア部のサイドメンバ、クラッシュボックスなどの衝突部品を始め、センターピラーレインフォース(RF)などのピラー類、ルーフレールRF、サイドシル、フロアメンバー、キック部などの車体構成部品、バンパーRFやドアインパクトビームなどの耐衝撃吸収部品に使用される。
X線の波長と回折強度との関係を示す図である。 保持温度を350℃とした場合の鋼板断面のSEM写真である。 保持温度を275℃とした場合の鋼板断面のSEM写真である。 本発明の実施例における連続焼鈍工程の熱処理パターンを示す図である。

Claims (7)

  1. C:0.05〜0.3%(化学成分の場合、質量%の意味。以下同じ。)、
    Si:0.5〜3.0%、
    Mn:1.0〜4.0%、
    P:0.1%以下(0%を含まない)、
    S:0.02%以下(0%を含まない)、
    Al:0.01〜3.0%、
    を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、
    鋼の組織が面積率で、
    フェライト:5%以下(0%を含む)、
    ベイナイト及びマルテンサイト:合計で75〜100%、
    パーライト及び/又は残留オーステナイト:合計で20%以下(0%を含む)、
    を満たし、転位密度が3.0×1015/m2以上であることを特徴とする焼付硬化用高強度鋼板。
  2. C:0.05〜0.3%、
    Si:0.5〜3.0%、
    Mn:1.0〜4.0%、
    P:0.1%以下(0%を含まない)、
    S:0.02%以下(0%を含まない)、
    Al:0.01〜3.0%、
    を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、
    鋼の組織が面積率で、
    フェライト:5%以下(0%を含む)、
    ベイナイト及びマルテンサイト:合計で75〜100%、
    パーライト及び/又は残留オーステナイト:合計で20%以下(0%を含む)、
    を満たし、転位密度が4.0×1015/m2以上であることを特徴とする焼付硬化用高強度鋼板。
  3. 更に、
    Ti:0.1%以下(0%を含まない)、
    Nb:0.1%以下(0%を含まない)、
    V:0.1%以下(0%を含まない)、
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1または2に記載の焼付硬化用高強度鋼板。
  4. 更に、
    Cr:1%以下(0%を含まない)、
    Mo:1%以下(0%を含まない)、
    Cu:0.5%以下(0%を含まない)、
    Ni:0.5%以下(0%を含まない)、
    W:2%以下(0%を含まない)、
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の焼付硬化用高強度鋼板。
  5. 更に、
    B:0.01%以下(0%を含まない)、
    を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の焼付硬化用高強度鋼板。
  6. 更に、
    Ca:0.005%以下(0%を含まない)、
    Mg:0.01%以下(0%を含まない)、
    希土類元素(REM):0.01%以下(0%を含まない)、
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の焼付硬化用高強度鋼板。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の化学成分を有する鋼材をAC3点以上の温度に加熱した後、平均冷却速度10℃/s以上で下記(1)式を満たす温度T2まで冷却し、その後、下記(2)式を満たす温度T3で10秒〜30分間恒温保持することを特徴とする焼付硬化用高強度鋼板の製造方法。
    (Ms−275℃)≦T2≦(Ms−75℃)・・・(1)
    (Bs−400℃)≦T3≦(Bs−200℃)・・・(2)
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