JP4688284B2 - 対戦ゲーム機およびシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲーム機およびシステムに関し、より特定的には、プレイヤが別のプレイヤと対戦する対戦ゲームを行うための対戦ゲーム機およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プレイヤが別のプレイヤと対戦する対戦ゲームを行うゲーム機においては、予め決められたルールに基づいて対戦が行われていた。
【0003】
最近では、複数台のゲーム機を接続して対戦ゲームを行うゲームシステムが登場してきた。また、サーバ装置と、サーバ装置からデータをダウンロードして対戦ゲームを行う通信機能を持ったゲーム機とを備えたゲームシステムも登場してきた。このようなシステムにおいても、予め決められたルールに基づいて対戦が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の対戦ゲーム機やシステムでは、予め決められたルールに基づいて対戦を行うので、長く遊んでいるとゲームの展開が単調に感じられるようになり、プレイヤがゲームに飽きてしまう問題があった。
【0005】
もし、ルールを一部変更したり、独自のルールを作成して対戦を行うことができれば、長く遊んでもゲームに飽きることが少なくなる。
【0006】
それゆえに、本発明の目的は、対戦に用いるルールをプレイヤが独自に作成して対戦ゲームを行うことができる対戦ゲーム機およびシステムを提供することである。
【0007】
また、上記の対戦ゲーム機およびシステムにおいて、ルール作成が比較的容易かつ迅速に行えるようにすることである。
【0008】
また、本発明のさらなる目的は、サーバ装置と、サーバ装置からデータをダウンロードして対戦ゲームを行う通信機能を持ったゲーム機とを備えた対戦ゲームシステムであって、かつゲーム機が対戦に用いるルールを独自に作成することができるような対戦ゲームシステムを提供し、それによって、従来なかった多彩な対戦ゲームを行えるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1(請求項1)の発明は、プレイヤが別のプレイヤと対戦する態様でゲームを行うためのゲーム機であって、対戦ゲームに用いるルールをプレイヤの操作によって入力するためのルール入力手段、ルール入力手段を通じて入力されたルールを示すルールデータを作成するルール作成手段、ルール作成手段が作成したルールデータを記憶するルール記憶手段、およびルール記憶手段に記憶されているルールデータに基づいて、対戦ゲームに関連する処理を行うゲーム処理手段を備える。
【0010】
上記第1の発明では、独自のルールを作成して対戦を行うことができる。その結果、例えば、ルールを一部変更したり、新たなルールを追加したりできるので、長く遊んでもプレイヤがゲームに飽きることが少なくなる。
【0011】
第2(請求項2)の発明は、第1の発明において、ルール記憶手段には、変更不可能な固定ルールを示す固定ルールデータが記憶されており、変更可能な付加的ルールがルール入力手段を通じて入力される。そして、ルール作成手段は、ルール入力手段を通じて入力された付加的ルールを示す付加的ルールデータを作成する。ルール記憶手段は、ルール作成手段が作成した付加的ルールデータをさらに記憶する。ゲーム処理手段は、ルール記憶手段に記憶されている固定ルールデータおよび付加的ルールデータに基づいて、対戦ゲームに関連する処理を行うことを特徴とする。
【0012】
上記第2の発明(または下記第10の発明)では、変更不可能な固定ルールを示す固定ルールデータを記憶しておく。そして、プレイヤによって入力された付加的ルールを示す付加的ルールデータを作成してさらに記憶し、それら固定ルールデータおよび付加的ルールデータに基づいて、対戦ゲームに関連する処理を行う。
【0013】
このように、対戦に用いるルールを、変更不可能な固定ルールと、変更可能な付加的ルールとに区別して、固定ルールは予め準備しておく一方、付加的ルールだけをプレイヤが独自に作成することにより、ルール作成が比較的容易かつ迅速に行える。また、全てのルールをプレイヤが作成する場合に比べて、予想される付加的ルールのみを考慮してゲームプログラムを作成すればよいので、ゲームプログラムの作成が大幅に複雑化することを防止できる。
【0014】
第3(請求項3)の発明は、プレイヤが別のプレイヤと対戦する態様でゲームを行うためのシステムであって、複数のゲーム機、および各ゲーム機の間の通信を可能にする通信手段を備える。さらに、各ゲーム機は、対戦ゲームに用いるルールをプレイヤの操作によって入力するためのルール入力手段と、ルール入力手段を通じて入力されたルールを示すルールデータを作成するルール作成手段と、ルール作成手段が作成したルールデータを記憶するルール記憶手段と、ルール記憶手段に記憶されているルールデータに基づいて、通信手段を通じて他のゲーム機と通信しつつ対戦ゲームに関連する処理を行うゲーム処理手段とを備える。
【0015】
上記第3の発明では、ゲーム機が独自のルールを作成して、他のゲーム機と通信しつつ対戦を行うことができる。その結果、例えば、ルールを一部変更したり、新たなルールを追加したりできるので、長く遊んでもプレイヤがゲームに飽きることが少なくなる。
【0016】
第4(請求項4)の発明は、第3の発明において、通信手段が、それぞれの一端が各ゲーム機と接続された複数のケーブル、および各ケーブルの他端同士を接続して、各ゲーム機が他のゲーム機と直接通信を行うことを可能にする直接通信アダプタからなる。
【0017】
上記第4の発明では、各ゲーム機がケーブルおよびアダプタを介して、他のゲーム機と直接通信可能に接続される。
【0018】
第5(請求項5)の発明は、第3の発明において、ネットワークに接続されたサーバ装置をさらに備える。そして、通信手段は、ネットワークを通じて通信を行うための通信器、および各ゲーム機と通信器とを互いに接続して、当該ゲーム機がネットワークを通じてサーバ装置と通信を行うことを可能にするネットワーク通信アダプタからなる。
【0019】
上記第5の発明では、各ゲーム機がネットワークを通じてサーバ装置に接続される。それにより、各ゲーム機がサーバ装置を経由して他のゲーム機と通信可能となる。
【0020】
第6(請求項6)の発明は、プレイヤが別のプレイヤと対戦する態様でゲームを行うためのシステムであって、ゲームデータを蓄積するサーバ装置、サーバ装置からゲームデータをダウンロードして対戦ゲームを行い、かつ当該対戦ゲームの結果を示す対戦結果データをサーバ装置へとアップロードするゲーム機、およびサーバ装置とゲーム機との間の通信を可能にする通信手段を備える。そして、ゲーム機は、対戦ゲームに用いるルールをプレイヤの操作によって入力するためのルール入力手段と、ルール入力手段を通じて入力されたルールを示すルールデータを作成するルール作成手段と、ルール作成手段が作成したルールデータを記憶するルール記憶手段と、ルール記憶手段に記憶されているルールデータに基づいて、対戦ゲームに関連する処理を行うゲーム処理手段とを備え、ルール作成手段が作成したルールデータと、当該ルールデータを用いてゲーム処理手段が行った処理の結果を示す対戦結果データとを、通信手段を通じてサーバ装置へとアップロードすることを特徴とする。
【0021】
上記第6の発明では、ゲーム機が独自のルールを作成して対戦を行うことができる。その結果、例えば、ルールを一部変更したり、新たなルールを追加したりできるので、長く遊んでもプレイヤがゲームに飽きることが少なくなる。
【0022】
また、第6の発明では、ゲーム機が作成したルールおよびそのルールを用いて行った対戦の結果を、サーバ装置へとアップロードする。ゲーム機がアップロードしたルールおよび対戦の結果は、下記第7の発明のように、(別の)ゲーム機へのダウンロード用データとして、サーバ装置によって蓄積される。
【0023】
サーバ装置からルールおよび対戦結果をダウンロードしたゲーム機は、例えば下記第8の発明のように、既に行われた対戦ゲームの展開を再現したり、あるいは下記第9の発明のように、既に行われた対戦ゲームの展開においてプレイヤと対戦することができる。
【0024】
第7(請求項7)の発明は、第6の発明において、サーバ装置が、ゲーム機がアップロードしたルールデータおよび対戦結果データを受信して、ダウンロード用のゲームデータとして蓄積することを特徴とする。
【0025】
第8(請求項8)の発明は、第7の発明において、ゲーム機が、サーバ装置から通信手段を通じてルールデータおよび対戦結果データをダウンロードし、ゲーム処理手段が、ゲーム機がダウンロードしたルールデータおよび対戦結果データに基づいて、既に行われた対戦ゲームの展開を再現することを特徴とする。
【0026】
第9(請求項9)の発明は、第7の発明において、ゲーム機が、サーバ装置から通信手段を通じてルールデータおよび対戦結果データをダウンロードし、ゲーム処理手段が、ゲーム機がダウンロードしたルールデータおよび対戦結果データに基づいて、既に行われた対戦ゲームの展開において別のプレイヤに代わってプレイヤと対戦することを特徴とする。
【0027】
第10(請求項10)の発明は、プレイヤが別のプレイヤと対戦する態様でゲームを行うためのゲーム機であって、変更不可能な固定ルールを示す固定ルールデータを記憶する固定ルールデータ記憶手段、対戦ゲームに用いる付加的ルールを示す付加的ルールデータを書込み読出し可能に記憶する付加的ルールデータ記憶手段、付加的ルールをプレイヤの操作によって入力するためのルール入力手段、ルール入力手段によって入力された付加的ルールを示すルールデータを作成し、付加的ルールデータ記憶手段に書込むルール作成処理手段、および固定ルールデータ記憶手段に記憶されている固定ルールデータと付加的ルールデータ記憶手段に記憶されている付加的ルールデータとに基づいて、対戦ゲームに関連する処理を行うゲーム処理手段を備える。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る対戦ゲーム機の構成を示すブロック図である。図1において、本対戦ゲーム機1は、プレイヤが別のプレイヤと対戦する態様でゲームを行うためのゲーム機であって、対戦ゲームに用いるルールを入力するためのルール入力部11と、ルール入力部11を通じて入力されたルールを示すルールデータを作成するルール作成部12と、ルール作成部12が作成したルールデータを記憶するルール記憶部13と、ルール記憶部13に記憶されているルールデータに基づいて、対戦ゲームに関連する処理を行うゲーム処理部14とを備えている。
【0029】
上記のように構成された本対戦ゲーム機1(以下、単に「ゲーム機1」と呼ぶ)の動作について、以下に説明する。
最初、対戦ゲームに用いるルールを、プレイヤがルール入力部11を通じて入力し、ルール作成部12は、入力されたルールを示すルールデータを作成する。ルール作成部12が作成したルールデータは、ルール記憶部13によって記憶される。次に、ゲーム処理部14は、ルール記憶部13に記憶されているルールデータに基づいて、対戦ゲームに関連する処理を行う。
【0030】
ここで、ゲーム機1が行う対戦ゲームは、例えば、次の(a)〜(c)ようなゲームである。
(a)プレイヤが獲得・育成したモンスタを、他のプレイヤまたはトレーナ(コンピュータ;後述)が保有するモンスタと対戦させるゲームである。すなわち、本対戦ゲームでは、プレイヤは、モンスタを獲得し、獲得したモンスタを他のモンスタと対戦させることによって、より強いモンスタへと育成していく。
(b)互いに技を繰り出して相手にダメージを与える格闘ゲームである。
(c)野球ゲームやテニスゲームなど、スポーツ競技を通じて得点を競い合うスポーツゲームである。
【0031】
また、対戦ゲームでは、一般に、予め決められたルールを用いて対戦が行われる。例えば、上記(a)に挙げた獲得・育成したモンスタとの対戦ゲームの場合、手持ちのモンスタから6匹をエントリし、その中の3匹を選択して対戦するといったルールが決められている。また、上記(c)に挙げた野球ゲームの場合、1チームにつき9人が出場し、各チーム9回づつ攻撃して得点を競い合うとか、3ストライクでアウト、4ボールで出塁、3アウトでチェンジといったルールが決められている。こうしたルールは、いかなる対戦においても変更されることなく用いられる。
【0032】
本対戦ゲームでは、上記のような、いかなる対戦においても変更されないルール(以下、適宜「固定ルール」と呼ぶ)に加え、必要に応じて変更可能なルール(これを適宜「付加的ルール」と呼ぶ)が用いられる。例えば、モンスタとの対戦ゲームの場合、前述のような固定ルールに加え、エントリできるモンスタの種類やレベル範囲、道具を使うか否かなどを設定した付加的ルールが用いられる。また、例えば野球ゲームの場合、前述のような固定ルールに加え、延長可能回数や選手交代可能回数などを制限する付加的ルールが用いられる。
【0033】
ゲーム機1では、固定ルールおよび付加的ルールの両方、またはいずれか一方がルール入力部11を通じて入力され得る。
好ましくは、ルール記憶部13に、固定ルールを示す固定ルールデータが予め記憶されており、付加的ルールだけがルール入力部11を通じて入力される。この場合、ルール作成部12は、ルール入力部11を通じて入力された付加的ルールを示す付加的ルールデータを作成し、ルール記憶部13は、ルール作成部12が作成した付加的ルールデータをさらに記憶し、ゲーム処理部14は、ルール記憶部13に記憶されている固定ルールデータおよび付加的ルールデータに基づいて、対戦ゲームに関連する処理を行う。
【0034】
図2は、図1のゲーム機1を用いた対戦ゲームシステムの一構成例を示すブロック図である。図2に示されるシステムは、複数のゲーム機1(ここでは2台のみ図示している)と、各ゲーム機1を別のゲーム機1と互いに通信可能に接続するための通信部2とを備えている。各ゲーム機1は、図1と同様の構成を有する。ただし、本システムでは、ゲーム機1に備わるゲーム処理部14は、ルール記憶部13に記憶されているルールデータに基づいて、通信部2を通じて他のゲーム機1と通信しつつ対戦ゲームに関連する処理を行う。
【0035】
上記通信部2は、典型的には、次の(h),(i)のような構成を有する。
(h)それぞれの一端が各ゲーム機1と接続された複数のケーブルと、各ケーブルの他端同士を接続して、各ゲーム機1が他のゲーム機1と直接通信を行うことを可能にする直接通信アダプタとからなる。
(i)対戦ゲームシステムが、ネットワークに接続されたサーバ装置をさらに備えており、ネットワークを通じて通信を行うための通信器と、ゲーム機1と通信器とを互いに接続して、ゲーム機1がネットワークを通じてサーバ装置と通信を行うことを可能にするネットワーク通信アダプタとからなる。
【0036】
図3は、上記(h)のタイプのシステム、つまり、図1のゲーム機1を複数、直接通信アダプタを介して互いに通信可能に接続した対戦ゲームシステムの一具体例を示す図である。図3のシステムは、複数のゲーム機1(ここでは4台のゲーム機1a〜1d)と、通信用アダプタ20とを備えている。この通信用アダプタ20が、前述の直接通信アダプタと対応している。
【0037】
各ゲーム機1には、それぞれケーブルの一端が接続されている。通信用アダプタ20は、4つの端子(20a〜20d)を持ち、各端子に各ケーブルの他端が接続されている。これにより、各ゲーム機1は、他のゲーム機1と直接通信を行うことができる。
【0038】
図3のシステムでは、最初、対戦ゲームに用いるルールを、プレイヤが、例えばゲーム機1aに、ルール入力部11を通じて入力する。ゲーム機1aにおいて、ルール作成部12は、入力されたルールを示すルールデータを作成する。ルール作成部12が作成したルールデータは、ルール記憶部13によって記憶される。
【0039】
こうしてゲーム機1aで作成されたゲームデータが、通信用アダプタ20を通じて他のゲーム機(1b〜1d)へと伝えられ、各ゲーム機(1b〜1d)のルール記憶部13にも記憶される。なお、1つのゲーム機1にルールを入力して、そのゲーム機1がゲームデータを作成し、そのゲームデータを他のゲーム機1へと伝える代わりに、全てのゲーム機1に同じルールを入力して、各ゲーム機1がそれぞれ自らゲームデータを作成・記憶してもよい。
【0040】
次に、各ゲーム機1のゲーム処理部14は、そのゲーム機1のルール記憶部13に記憶されているルールデータに基づいて、通信用アダプタ20を通じて他のゲーム機1のゲーム処理部14と通信しつつ対戦ゲームに関連する処理を行う。
【0041】
図4は、上記(i)のタイプのシステム、つまり、図1のゲーム機1を複数、ネットワークに接続されたサーバ装置およびネットワーク通信アダプタを介して互いに通信可能に接続した対戦ゲームシステムの一具体例を示す図である。図4のシステムは、複数のゲーム機1(ここでは2つのゲーム機1)と、サーバ装置3と、モバイルアダプタ21とを備えている。
【0042】
サーバ装置3は、モバイルセンタ内に設けられ、インターネット22と接続されている。モバイルアダプタ21は、ゲーム機1を携帯電話23に接続して、ゲーム機1がプロバイダ24およびインターネット22を通じてサーバ装置3へとアクセスすることを可能にする。このモバイルアダプタ21が、前述のネットワーク通信アダプタと対応している。これにより、各ゲーム機1は、サーバ装置3を経由して他のゲーム機1と通信を行うことができる。
【0043】
図4のシステムでは、最初、対戦ゲームに用いるルールを、プレイヤがゲーム機1に、ルール入力部11を通じて入力する。ゲーム機1において、ルール作成部12は、入力されたルールを示すルールデータを作成する。ルール作成部12が作成したルールデータは、ルール記憶部13によって記憶される。
【0044】
こうしてゲーム機1で作成されたゲームデータが、サーバ装置3を経由して他のゲーム機1へと伝えられ、他のゲーム機1のルール記憶部13にも記憶される。なお、ゲーム機1にルールを入力して、ゲーム機1がゲームデータを作成し、そのゲームデータを他のゲーム機1へと伝える代わりに、他のゲーム機1にも同じルールを入力して、他のゲーム機1も自らゲームデータを作成・記憶してもよい。
【0045】
次に、各ゲーム機1のゲーム処理部14は、そのゲーム機1のルール記憶部13に記憶されているルールデータに基づいて、サーバ装置3を経由して他のゲーム機1のゲーム処理部14と通信しつつ対戦ゲームに関連する処理を行う。
以上が、本発明に係る対戦ゲーム機、およびその対戦ゲーム機を用いた対戦ゲームシステムの概要である。
【0046】
以下には、本発明の具体的な実施例として、図4のシステムに用いられた場合のゲーム機1の動作について、さらに詳しく説明する。
最初、本例の要点を述べる。図4のシステムでは、ゲーム機1は、最初、プレイヤのルール入力に応じてルールデータを作成し、次いで、サーバ装置3を経由して別のゲーム機1と通信を行うことにより、作成したゲームデータに基づく対戦ゲームを行った。これらルール作成処理、および作成したルールに基づく対戦処理については、先に説明した。
【0047】
ゲーム機1は、これらの処理に加えて、作成したルールデータと、そのルールデータを用いて行った対戦ゲームの結果を示す対戦結果データとを、サーバ装置3へとアップロードする処理をさらに行う。
こうしてゲーム機1からアップロードされたルールデータおよび対戦結果データが、サーバ装置3に、ダウンロード用のゲームデータとして蓄積される。
【0048】
さらに、ゲーム機1は、サーバ装置3からルールデータおよび対戦結果データをダウンロードして、それらのデータに基づいて、(別のゲーム機1によって)既に行われた対戦ゲームの展開を再現する。または、既に行われた対戦ゲームの展開において別のプレイヤに代わってプレイヤと対戦する(つまり、ゲーム機1のコンピュータがプレイヤと対戦する)。
【0049】
つまり、本例で重要なのは、ゲーム機1がルールデータを作成して、サーバ装置3を経由して別のゲーム機1と通信しつつ、そのルールデータに基づいて対戦ゲームを行うだけでなく、作成したルールデータと、それを用いて行った対戦ゲームの結果を示すデータとを、サーバ装置3にアップロードする点である。アップロードされたルールデータおよび対戦結果データは、サーバ装置3に蓄積され、後にゲームデータとして(別の)ゲーム機1へとダウンロードされる。(別の)ゲーム機1は、既に行われた対戦ゲームの展開の再現や、既に行われた対戦ゲームの展開においてプレイヤとの対戦を行うことができる。以上が、本例の要点である。
【0050】
さて、以下の説明では、図4のシステムでゲーム機1が行う対戦ゲームは、プレイヤが獲得・育成したモンスタを、他のプレイヤまたはトレーナが保有するモンスタと対戦させるようなゲームであるとする。すなわち、本対戦ゲームでは、プレイヤは、モンスタを獲得し、獲得したモンスタを他のモンスタと対戦させることによって、より強いモンスタへと育成していく。
【0051】
図5は、図4に示される各ゲーム機1のハードウエア構成を示すブロック図である。なお、各ゲーム機1の機能的な構成は、図1に示されている。
図5において、ゲーム機1は、コネクタ101と、操作器102と、I/O103と、CPU104と、RAM105(W−RAMおよびV−RAM)と、LCD駆動回路106と、LCD(表示器)107とを備えている。コネクタ101には、ゲームカートリッジ(メモリカートリッジ)108が着脱自在に接続される。ゲームカートリッジ108は、ROM109およびRAM110を含む。
【0052】
コネクタ101にゲームカートリッジ108が接続された状態で、操作器102は、プレイヤのボタン操作に応じた信号を生成し、その操作信号がI/O103を通じてCPU104へと伝達される。CPU104は、コネクタ101に接続されたゲームカートリッジ108からI/O103を通じてプログラムやデータを読み出し、伝達される操作信号に基づくゲーム処理を実行する。そして、RAM105を作業領域として利用しつつLCD駆動回路106を制御して、ゲーム画面をLCD107に表示させる。
【0053】
また、ゲームカートリッジ108内のROM109には、対戦ゲームを行うためのプログラムに加えて、ルール作成を行うためのルール作成プログラム111が格納されており、CPU104は、ゲームカートリッジ108からI/O103を通じてルール作成プログラム111を読み出して、プレイヤが操作器102を通じて行うルール入力に応じてルールデータを作成する。ゲームカートリッジ108内のRAM110には、こうしてCPU104が作成したルールデータが記憶される付加的ルールデータ記憶領域112が含まれている。
【0054】
また、ゲームカートリッジ108内のRAM110には、ゲーム機1がサーバ装置3からダウンロードしたルールデータおよび対戦結果データが記憶されるダウンロードデータ記憶領域(ここでは図示せず)も含まれており、さらに、CPU104は、この領域からルールデータおよび対戦結果データを読み出し、それらのデータに関連するゲーム処理(既に行われた対戦ゲームの再現等)をも実行する。
【0055】
つまり、図1のルール入力部11は、操作器102によって実現される。ルール作成部12は、ROM109に格納されたルール作成プログラム111に従ってCPU104が動作することにより実現される。ルール記憶部13は、ゲームカートリッジ108内のRAM110に含まれている付加的ルールデータ記憶領域112によって実現される。
【0056】
図6は、図4に示されるゲーム機1用のメモリマップを示す図である。図6に記載のROM109およびRAM110は、図5に示されるゲームカートリッジ108内のROM109およびRAM110と対応している。図6において、ROM109には、対戦ゲームを行うためのゲームプログラム113が記憶されている。ゲームプログラム113は、固定ルールデータ114と、ルール作成プログラム111と、思考プログラム115とを含む。
【0057】
固定ルールデータ114は、CPU104がゲーム処理を行う際に用いる固定的なルールデータである。ルール作成プログラム111は、CPU104が付加的ルールを作成する方法を記述したプログラムである。思考プログラム115は、CPU104が別のプレイヤに代わってプレイヤと対戦するために思考する方法を記述したプログラムである。
【0058】
RAM110は、ダウンロードデータ記憶領域116と、バックアップデータ記憶領域117と、付加的ルールデータ記憶領域〈1〉(112a)と、付加的ルールデータ記憶領域〈2〉(112b)とを含む。ダウンロードデータ記憶領域116には、サーバ装置3からダウンロードされたルールデータおよび対戦結果データが記憶される。バックアップデータ記憶領域117には、対戦ゲームの途中結果を示すバックアップデータが記憶される。
【0059】
付加的ルールデータ記憶領域〈1〉(112a)には、CPU104(ルール作成部12)が作成した付加的ルールデータ(「ルール1」,「ルール2」,…,「ルールn」)が記憶される。付加的ルールデータ記憶領域〈2〉(112b)には、付加的ルールデータ記憶領域〈1〉(112a)に記憶されているルールデータのうち、これから行う対戦に用いるルールデータ(プレイヤが操作器102を通じて選択したルール;例えば「ルール1」,「ルール3」および「ルールn」)だけが読み出され、記憶される。
【0060】
図7は、図6に示されるダウンロードデータ記憶領域116の詳細を示すメモリマップである。図7において、ダウンロードデータ記憶領域116は、対戦データ記憶領域118を含む。対戦データ記憶領域118には、複数の対戦データ119(図では3つの対戦データ;「対戦データ1」〜「対戦データ3」)が記憶される。各対戦データ119は、再生用データ120(例えば100ターン分のデータ)と、複数のトレーナデータ121(図では2つのトレーナデータ)と、ルールデータ122とを含む。各トレーナデータ121には、モンスタデータが添付されている。
【0061】
ここで、トレーナとは、プレイヤが一人でゲームをする場合の対戦相手(つまりコンピュータ)であり、それぞれ戦闘に用いるモンスタを所有している。なお、対戦データ記憶領域118に記憶される対戦データ119は、例えば別のゲーム機1で行われた対戦ゲームの結果を示す対戦結果データおよびその対戦で用いられたルールデータである。
【0062】
図8は、図4のシステムにおけるゲーム機1の動作を示すメインフローチャートである。図8において、ゲーム機1では、最初、図9に示されるようなメインメニュー画面がLCD107に表示される(ステップS1)。図9のメインメニュー画面には、選択肢として「ルール作成」、「対戦バトル」、「データ通信(バトルの再現)」が表示されている。
【0063】
ステップS1でLCD107に表示されたメインメニュー画面および操作器102を通じてプレイヤによる選択がなされるのを受け、「ルール作成」が選択されたか否か、すなわち付加的ルールの作成を行うか否かが、CPU104(ゲーム処理部14)によって判定される(ステップS2)。その判定結果が否定であれば、ステップS4の処理(後述)が実行される。
ステップS2の判定結果が肯定の場合、付加的ルールを作成する処理が実行される(ステップS3)。
【0064】
ステップS4では、「対戦バトル」が選択されたか否か、すなわち「プレイヤ1」および「プレイヤ2」による対戦を行うか否かが、CPU104によって判定される。その判定結果が否定であれば、ステップS8の処理(後述)が実行される。
【0065】
ステップS4の判定結果が肯定の場合、対戦処理が実行される(ステップS5)。次いで、その対戦処理の結果を示す対戦結果データと、対戦に用いたルールデータとをサーバ装置3へ向けて送信(すなわちアップロード)するか否かが判定され(ステップS6)、その判定結果が否定であれば、ステップS8の処理(後述)が実行される。
【0066】
ステップS6の判定結果が肯定の場合、対戦結果データおよびその対戦で用いたルールデータをサーバ装置3へとアップロードする処理が、CPU104によって実行される(ステップS7)。
【0067】
ステップS7に続くステップS8では、「データ通信(バトルの再現)」が選択されたか否か、すなわちルールデータおよび対戦結果データをサーバ装置3からダウンロードして、既に行われた対戦ゲームの再現を行うか否かが、CPU104によって判定される(ステップS8)。その判定結果が否定であれば、ステップS10の処理(後述)が実行される。
【0068】
ステップS8の判定結果が肯定の場合、CPU104は、サーバ装置3からルールデータおよび対戦結果データをダウンロードして、それらのデータをダウンロードデータ記憶領域116に書き込む(ステップS9)。
【0069】
ステップS9に続くステップS10では、ダウンロードしたルールデータおよび対戦結果データを用いてバトルの再現を行うか否かが、CPU104によって判定される。その判定結果が否定の場合、ステップS12の処理(後述)が実行される。
【0070】
ステップS10の判定結果が肯定の場合、CPU104は、ダウンロードデータ記憶領域116からルールデータおよび対戦結果データを読み出し、それらのデータを用いてゲームプログラム113を実行することにより、バトルを再現する(ステップS11)。
【0071】
ステップS11に続くステップS12では、動作を継続するか否かがCPU104によって判断され、その判断結果が否定の場合、動作が終了される。一方、肯定の場合には、ステップS2に戻って、上記と同様の処理が反復される。
【0072】
図10は、図8のステップS3(ルール作成処理)の詳細を示すフローチャートである。図10において、ゲーム機1では、最初、図11に示されるようなルール作成画面がLCD107に表示される(ステップS101)。図11のルール作成画面では、選択肢として「ルールのなまえ」、「エントリーできるモンスタ」、「モンスタのレベル」、「レベルのごうけい」、「どうぐをつかう?」、「おなじどうぐをもてる?」および「おわり」が表示される。
【0073】
ステップS101でLCD107に表示されたルール作成画面および操作器102を通じてプレイヤによる選択がなされるのを受け、「ルールのなまえ」が選択されたか否か、すなわち、これから作成するルールの名称を入力する否かが、CPU104(ゲーム処理部14)によって判定される(ステップS102)。その判定結果が否定であれば、ステップS104の処理(後述)が実行される。
【0074】
ステップS102の判定結果が肯定の場合、プレイヤが操作器102を操作してルール作成画面上の入力欄にルールの名称を入力するのを受け、CPU104は、「ルールのなまえ」を設定、すなわちルールの名称を示すデータを作成する(ステップS103)。
【0075】
ステップS103に続くステップS104では、「エントリできるモンスタ」が選択されたか否かが、CPU104によって判定される。その判定結果が否定の場合、ステップS106の処理(後述)が実行される。
【0076】
ステップS104の判定結果が肯定の場合、プレイヤが操作器102を操作してルール作成画面上の入力欄にモンスタの種類を入力するのを受け、CPU104は、「エントリできるモンスタ」の種類を設定、すなわちエントリ可能なモンスタの種類を示すデータを作成する(ステップS105)。
【0077】
ステップS105に続くステップS106では、「モンスタのレベル」が選択されたか否かが、CPU104によって判定される。その判定結果が否定の場合、ステップS108の処理(後述)が実行される。
【0078】
ステップS106の判定結果が肯定の場合、プレイヤが操作器102を操作してルール作成画面上の入力欄にモンスタのレベル範囲を入力するのを受け、CPU104は、「モンスタのレベル」を設定、すなわちエントリー可能なモンスタのレベル範囲を示すデータを作成する(ステップS107)。
【0079】
ステップS107に続くステップS108では、「レベルごうけい」が選択されたか否かが、CPU104によって判定される。その判定結果が否定の場合、ステップS110の処理(後述)が実行される。
【0080】
ステップS108の判定結果が肯定の場合、プレイヤが操作器102を操作してルール作成画面上の入力欄にレベル合計の上限を入力するのを受け、CPU104は、「レベルごうけい」を設定、すなわちエントリー可能なモンスタのレベル合計の上限を示すデータを作成する(ステップS109)。
【0081】
ステップS109に続くステップS110では、「どうぐをつかう?」が選択されたか否かが、CPU104によって判定される。その判定結果が否定の場合、ステップS112の処理(後述)が実行される。
【0082】
ステップS110の判定結果が肯定の場合、プレイヤが操作器102を操作してルール作成画面上の入力欄に「どうぐをつかう」か否かを入力するのを受け、CPU104は、「どうぐをつかう」か否かを設定、すなわち「どうぐをつかう」か否かを示すデータを作成する(ステップS111)。
【0083】
ステップS111に続くステップS112では、「おなじどうぐをもてる?」が選択されたか否かが、CPU104によって判定される。その判定結果が否定の場合、ステップS114の処理(後述)が実行される。
【0084】
ステップS112の判定結果が肯定の場合、プレイヤが操作器102を操作してルール作成画面上の入力欄に「おなじどうぐをもてる」か否かを入力するのを受け、CPU104は、「おなじどうぐをもてる」か否かを設定、すなわち「おなじどうぐをもてる」か否かを示すデータを作成する(ステップS113)。
【0085】
ステップS113に続くステップS114では、「おわり」が選択されたか否かが、CPU104によって判定される。その判定結果が否定の場合、ステップS102に戻って、上記と同様の処理が反復される。
【0086】
ステップS114の判定結果が肯定の場合、CPU104は、ステップS103,S105,S107,S109,S111およびS113で作成した付加的ルールデータを付加的ルールデータ記憶領域〈1〉(112a;図6参照)に書き込む(ステップS115)。その後、処理が終了される。以上が、ルール作成処理である。
【0087】
図12は、図8のステップS5(対戦処理)の詳細を示すフローチャートである。図12において、ゲーム機1では、最初、ルールデータの選択が行われる(ステップS201)。すなわち、図13に示すようなルール選択画面がLCD107に表示され、プレイヤが操作器102を操作してルール選択画面上のいずれかのルールを選択するのを受け、CPU104は、付加的ルールデータ記憶領域〈1〉(112a)から、そのルールと対応するルールデータを読み出して、付加的ルールデータ記憶領域〈2〉(112b)に書き込む。
【0088】
次に、選択されたルール、すなわち付加的ルールデータ記憶領域〈2〉(112b)に書き込まれたルールデータに基づいてモンスタがエントリーされる(ステップS202)。すなわち、例えば図14に示すようなモンスタエントリー画面がLCD107に表示され、プレイヤ(「プレイヤ1」および「プレイヤ2」)が操作器102を操作してモンスターエントリー画面上のモンスタの中から、対戦に使用するモンスタを(ここでは各々6匹)選択し、応じてCPU104は、選択された6つのモンスタをエントリする。このとき、ルールデータに合わないモンスタにはその旨が表示(例えば、モンスタの前に×印を付ける)され、そのモンスタを選択できないようにされている。
【0089】
次に、ステップS202でエントリーされたモンスタの中から、対戦に使用するモンスタが選択される(ステップS203)。すなわち、例えば図15に示すような対戦用モンスタ選択画面がLCD107に表示され、プレイヤ(「プレイヤ1」および「プレイヤ2」)が操作器102を操作して対戦用モンスタ選択画面上の(ここでは6匹の)モンスタの中から、対戦に使用するモンスタを(ここでは各々3匹)指定し、応じてCPU104は、指定された3匹のモンスタを対戦用モンスタとして選択する。
【0090】
次いで、例えば図16に示すような対戦画面(「プレイヤ1」と「プレイヤ2」との対戦)がLCD107に表示され、プレイヤが操作器102を操作して対戦画面上の選択肢の中からいずれかを指定し、応じてCPU104は、以下のような対戦処理を行う。
最初、「プレイヤ1」に関して「戦う」か否かが判定され(ステップS204)、その判定結果が肯定の場合、技の選択が行われる(ステップS205)。次に、選択された技による攻撃がなされ(ステップS206)、その攻撃に応じて、相手のヒットポイントが所定数減算される(ステップS207)。
【0091】
次に、ヒットポイントが0か否かが判定され(ステップS208)、その判定結果が肯定の場合、さらに、勝敗が決したか否かが判定される(ステップS209)。ステップS209の判定結果が肯定の場合、対戦を終了するための処理が行われ(ステップS210)、その後、処理が停止される。
ステップS208の判定結果が否定の場合、またはステップS209の判定結果が否定の場合には、ステップS204に戻って、上記と同様の処理が反復される。
【0092】
ステップS204の判定結果が否定の場合、「プレイヤ2」に関して「戦う」か否かが判定され(ステップS211)、その判定結果が肯定の場合、上記ステップ205〜S209と同様の処理が反復され、ステップS209の判定結果が肯定の場合、対戦を終了するための処理が行われた後、処理が停止される。一方、ステップS208の判定結果が否定の場合、またはステップS209の判定結果が否定の場合には、ステップS204に戻って、上記と同様の処理が反復される。
【0093】
ステップS211の判定結果が否定の場合、「プレイヤ1」に関して「交換」か否かが判定され(ステップS212)、その判定結果が肯定の場合、対戦用モンスターの交換が行われる(ステップS213)。その後、ステップS204に戻って、上記と同様の処理が反復される。
【0094】
ステップS212の判定結果が否定の場合、「プレイヤ2」に関して「交換」か否かが判定され(ステップS214)、その判定結果が肯定の場合、対戦用モンスターの交換が行われる(ステップS213)。その後、ステップS204に戻って、上記と同様の処理が反復される。
ステップS214の判定結果が否定の場合には、ステップS204に戻って、上記と同様の処理が反復される。以上が、対戦処理である。
【0095】
図17は、図8のステップS11(バトル再現処理)の詳細を示すフローチャートである。図17において、いま、ゲーム機1では、サーバ装置3からダウンロードされたルールデータおよび対戦結果データがダウンロードデータ記憶領域116(図6,図7参照)に記憶されており、これらのデータを用いることにより、既に行われた対戦ゲームを再現することができる。また、既に行われた対戦ゲームの展開においてトレーナ(つまりコンピュータ)と対戦することもできる。
【0096】
このとき、ゲーム機1では、最初、対戦データ119の選択が行われる(ステップS301)。すなわち、図18に示すような対戦データ選択画面がLCD107に表示され、プレイヤが操作器102を操作してこの選択画面上で項目指定を行い、応じてCPU104は、対戦データ記憶領域118(図7参照)内に記憶されている対戦データ119(「対戦データ1」〜「対戦データ3」)の中から、指定項目と対応する対戦データ119を選択する。
【0097】
次に、ステップS301で選択された対戦データ119を用いて対戦ゲームの再現を行うか否かが判定される(ステップS302)。すなわち、図19に示すような再現or対戦選択画面がLCD107に表示され、プレイヤが操作器102を操作してこの選択画面上で項目指定を行い、応じてCPU104は、対戦ゲームの再現を行うか否かを判定する。
【0098】
ステップS302の判定結果が肯定の場合、対戦データ記憶領域118から、選択された対戦データ119に含まれる再生用データ120が読み出され(ステップS303)、次いで、その再生用データ120がCPU104によって実行され(ステップS304)、それにより、対戦ゲームが再現される。このときの再現画面の一表示例を、図20に示す。再現後、処理が終了される。図20の画面上では、既に行われた対戦の展開において2人のプレイヤに代わって「トレーナ1」と「トレーナ2」とが対戦している。
【0099】
ステップS302の判定結果が否定の場合、ステップS301で選択された対戦データ119を用いてトレーナと対戦するか否かが判定される(ステップS305)。その判定結果が否定の場合、ステップS301に戻って、別の対戦データ119が選択される。
【0100】
ステップS305の判定結果が肯定の場合、対戦相手であるトレーナの選択が行われる(ステップS306)。すなわち、図21に示すような対戦相手選択画面がLCD107に表示され、プレイヤが操作器102を操作してこの選択画面上で項目指定を行い、応じてCPU104は、ステップS301で選択された対戦データ119に含まれる複数のトレーナデータ121(図7参照)の中からいずれかのトレーナデータ121を選択する。
【0101】
次いで、ステップS301で選択された対戦データ119に含まれる再生用データ120およびルールデータ122と、ステップS306で選択されたトレーナデータ121とを用いて、プレイヤとトレーナとの対戦処理がCPU104によって実行される(ステップS307)。ステップS306で「トレーナ1」が選択されたときの対戦画面の一表示例を、図22に示す。図22の画面上では、プレイヤである「サトシ」と、選択されたトレーナである「トレーナ1」とが対戦している。
【0102】
ステップS307のプレイヤとトレーナとの対戦処理は、ゲームカートリッジ108内のROM109に記憶されている思考プログラム115(図6参照)に基づいて行われる。なお、思考プログラム115は、トレーナによって異なる戦い方をするように、複数のプログラムが準備される。
こうして、プレイヤがトレーナを相手に対戦ゲームを行った後、処理が終了される。以上が、バトル再現処理である。
【0103】
図23は、図17のステップS307(バトル再現におけるトレーナとの対戦処理)の詳細を示すフローチャートである。図23において、ゲーム機1では、最初、ステップS301(図17参照)で選択された対戦データ119に含まれるルールデータ122(図7参照)に基づいてモンスタがエントリーされる(ステップS401)。すなわち、例えば図14に示すようなモンスタエントリー画面がLCD107に表示され、プレイヤが操作器102を操作してモンスターエントリー画面上のモンスタの中から、エントリしたいモンスタを(ここでは6匹)指定し、応じてCPU104は、指定された6匹のモンスタをエントリする。また、CPU104は、ROM109内の思考プログラム115に基づき、トレーナのための6匹のモンスタをエントリする。
【0104】
次に、ステップS401でエントリーされたモンスタの中から、対戦に使用するモンスタが選択される(ステップS402)。すなわち、例えば図15に示すような対戦用モンスタ選択画面がLCD107に表示され、プレイヤが操作器102を操作してこの選択画面上の6匹のモンスタの中から(ここでは3匹の)対戦用モンスタを指定し、応じてCPU104は、指定された3匹のモンスタを選択する。また、CPU104は、ROM109内の思考プログラム115に基づき、先に自らがエントリした6匹のモンスタの中から、トレーナのための3匹の対戦用モンスタを選択する。
【0105】
次いで、例えば図22に示すような対戦画面(プレイヤである「サトシ」とコンピュータである「トレーナ1」との対戦)がLCD107に表示され、プレイヤが操作器102を操作して対戦画面上の選択肢の中からいずれかを指定し、応じてCPU104は、以下のような対戦処理を行う。
最初、プレイヤに関して「戦う」か否かが判定され(ステップS403)、その判定結果が肯定の場合、技の選択が行われる(ステップS404)。次に、選択された技による攻撃がなされ(ステップS405)、その攻撃に応じて、相手のヒットポイントが所定数減算される(ステップS406)。
【0106】
次に、ヒットポイントが0か否かが判定され(ステップS407)、その判定結果が肯定の場合、さらに、勝敗が決したか否かが判定される(ステップS408)。ステップS408の判定結果が肯定の場合、対戦を終了するための処理が行われ(ステップS409)、その後、処理が停止される。
ステップS407の判定結果が否定の場合、またはステップS408の判定結果が否定の場合には、ステップS403に戻って、上記と同様の処理が反復される。
【0107】
ステップS403の判定結果が否定の場合、トレーナに関して「戦う」か否かが判定され(ステップS410)、その判定結果が肯定の場合、思考プログラム115に基づいて技の選択がなされる(ステップS411)。そして、上記ステップ405〜S408と同様の処理が反復され、ステップS408の判定結果が肯定の場合、対戦を終了するための処理が行われた後、処理が停止される。一方、ステップS407の判定結果が否定の場合、またはステップS408の判定結果が否定の場合には、ステップS403に戻って、上記と同様の処理が反復される。
【0108】
ステップS410の判定結果が否定の場合、プレイヤに関して「交換」か否かが判定され(ステップS412)、その判定結果が肯定の場合、対戦用モンスターの交換が行われる(ステップS413)。その後、ステップS403に戻って、上記と同様の処理が反復される。
【0109】
ステップS412の判定結果が否定の場合、トレーナに関して「交換」か否かが判定され(ステップS414)、その判定結果が肯定の場合、CPU104が思考プログラム115に基づいて対戦用モンスタを再選択することにより、対戦用モンスターの交換が行われる(ステップS415)。その後、ステップS403に戻って、上記と同様の処理が反復される。
ステップS414の判定結果が否定の場合には、ステップS403に戻って、上記と同様の処理が反復される。以上が、トレーナ(コンピュータ)との対戦処理である。
【0110】
なお、以上では、本実施形態の初めに対戦ゲームの具体例として挙げた(a)〜(c)のうち、(a)のモンスタによる対戦ゲームを行う場合について説明したが、(b)の格闘ゲームや、(c)の野球やテニスなどのスポーツゲームを行う場合であっても、あるいは、他の様々な対戦ゲームを行う場合であっても、プレイヤのルール入力に応じてゲーム機1が付加的ルールデータを作成し、予め準備された固定ルールデータと、独自に作成した付加的ルールデータとに基づいて対戦ゲームを行うようにすることができる。
【0111】
より具体的には、(b)の格闘ゲームの場合、基本的なルール「互いに技を繰り出して相手にダメージを与え、相手のライフ量を0にすれば勝ち」を固定ルールとして予め準備しておく。そして、付加的ルールとして「使用できる技の制限」や「技別に相手に与えることができるダメージ量」、「ライフ量」等を独自に設定する。
【0112】
(c)のスポーツゲームでは、例えば野球ゲームの場合、基本的なルール「3ストライク4ボール制、3アウトでチェンジ」等を固定ルールとして予め準備しておく。そして、付加的ルールとして「延長可能回数」や「コールドゲームとなる回数と点差との関係」、「選手交代可能な人数」等を独自に設定する。
また、例えばテニスゲームの場合、基本的なルール「ボールを相手コートに打ち返す」や「ボールを相手コートに打ち返せないとき、相手に得点が入る」等を固定ルールとして予め準備しておく。そして、付加的ルールとして「1セットを獲得するゲーム数」や「サービスの失敗可能回数」、「サービス権の移動方法」等を独自に設定する。
【0113】
また、上記の具体例のように、ルールを固定ルールと付加的ルールとに区別して、付加的ルールだけを独自に設定する代わりに、全てのルールを独自に設定してもよい。
【0114】
また、上記の具体例のように、付加的ルールとして、いくつかの項目を予め準備しておき、各項目に対して数値や条件だけを独自に設定する代わりに、項目自体も独自に設定してもよい。
【0115】
本実施形態によれば、対戦に用いるルールを独自に作成して対戦ゲームを行うことができる対戦ゲーム機、およびそのようなゲーム機を用いた対戦ゲームシステムが実現される。
【0116】
また、サーバ装置と、サーバ装置からデータをダウンロードして対戦ゲームを行う通信機能を持ったゲーム機とを備えた対戦ゲームシステムであって、かつゲーム機が対戦に用いるルールを独自に作成することができるような対戦ゲームシステムが実現される。それによって、ゲーム機は、別のゲーム機で既に行われた対戦を再現したり、別のゲーム機で既に行われた対戦ゲームの展開においてプレイヤと対戦するなど、従来なかった多彩な対戦ゲームを行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る対戦ゲーム機の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のゲーム機1を用いた対戦ゲームシステムの一構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のゲーム機1を複数、直接通信アダプタを介して互いに通信可能に接続した対戦ゲームシステムの一具体例を示す図である。
【図4】図1のゲーム機1を複数、ネットワークに接続されたサーバ装置およびネットワーク通信アダプタを介して互いに通信可能に接続した対戦ゲームシステムの一具体例を示す図である。
【図5】図4に示される各ゲーム機1のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図6】図4に示されるゲーム機1用のメモリマップを示す図である。
【図7】図6に示されるダウンロードデータ記憶領域116の詳細を示すメモリマップである。
【図8】図4のシステムにおけるゲーム機1の動作を示すメインフローチャートである。
【図9】図8のステップS1でゲーム機1に表示されるメインメニュー画面の一例を示す図である。
【図10】図8のステップS3(ルール作成処理)の詳細を示すフローチャートである。
【図11】図10のステップS101でゲーム機1に表示されるルール作成画面の一例を示す図である。
【図12】図8のステップS5(対戦処理)の詳細を示すフローチャートである。
【図13】図12のステップS201でゲーム機1に表示されるルール選択画面の一例を示す図である。
【図14】図12のステップS202でゲーム機1に表示されるモンスタエントリー画面の一例を示す図である。
【図15】図12のステップS203でゲーム機1に表示される対戦用モンスタ選択画面の一例を示す図である。
【図16】図12のステップS203で対戦用モンスタが選択された後、ゲーム機1に表示される対戦画面(「プレイヤ1」と「プレイヤ2」との対戦)の一例を示す図である。
【図17】図8のステップS11(バトル再現処理)の詳細を示すフローチャートである。
【図18】図17のステップS301でゲーム機1に表示される対戦データ選択画面の一例を示す図である。
【図19】図17のステップS302でゲーム機1に表示される再現or対戦選択画面の一例を示す図である。
【図20】図17のステップS304でゲーム機1に表示される再現画面(「トレーナ1」と「トレーナ2」との対戦)の一例を示す図である。
【図21】図17のステップS306でゲーム機1に表示される対戦相手選択画面の一例を示す図である。
【図22】図23のステップS402で対戦用モンスタが選択された後、ゲーム機1に表示される対戦画面(プレイヤである「サトシ」とコンピュータである「トレーナ1」との対戦)の一例を示す図である。
【図23】図17のステップS307(バトル再現におけるトレーナとの対戦処理)の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…対戦ゲーム機
2…通信部
3…サーバ装置
11…ルール入力部
12…ルール作成部
13…ルール記憶部
14…ゲーム処理部
20…通信用アダプタ(直接通信アダプタ)
21…モバイルアダプタ(ネットワーク通信アダプタ)
112…付加的ルールデータ記憶領域
114…固定ルールデータ
Claims (3)
- プレイヤが別のプレイヤと対戦する態様でゲームを行うためのシステムであって、
ゲームデータを蓄積するサーバ装置、
前記サーバ装置からゲームデータをダウンロードして対戦ゲームを行い、かつ当該対戦ゲームの結果を示す対戦結果データを前記サーバ装置へとアップロードするゲーム機、および
前記サーバ装置と前記ゲーム機との間の通信を可能にする通信手段を備え、
前記ゲーム機は、対戦ゲームに用いるルールをプレイヤの操作によって入力するためのルール入力手段、
前記ルール入力手段を通じて入力されたルールを示すルールデータを作成するルール作成手段、
前記ルール作成手段が作成したルールデータを記憶するルール記憶手段、および
前記ルール記憶手段に記憶されているルールデータに基づいて、前記対戦ゲームに関連する処理を行うゲーム処理手段を備え、
前記ゲーム機は、前記ルール作成手段が作成したルールデータと、当該ルールデータを用いて前記ゲーム処理手段が行った処理の結果を示す対戦結果データとを、前記通信手段を通じて前記サーバ装置へとアップロードし、
前記サーバ装置は、前記ゲーム機がアップロードしたルールデータおよび対戦結果データを受信して、ダウンロード用のゲームデータとして蓄積することを特徴とする、対戦ゲームシステム。 - 前記ゲーム機は、前記サーバ装置から前記通信手段を通じてルールデータおよび対戦結果データをダウンロードし、
前記ゲーム処理手段は、前記ゲーム機がダウンロードしたルールデータおよび対戦結果データに基づいて、既に行われた対戦ゲームの展開を再現することを特徴とする、請求項1に記載の対戦ゲームシステム。 - 前記ゲーム機は、前記サーバ装置から前記通信手段を通じてルールデータおよび対戦結果データをダウンロードし、
前記ゲーム処理手段は、前記ゲーム機がダウンロードしたルールデータおよび対戦結果データに基づいて、既に行われた対戦ゲームの展開において別のプレイヤに代わってプレイヤと対戦することを特徴とする、請求項1に記載の対戦ゲームシステム。
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