JP4688266B2 - 信号処理装置及びその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばテレビジョンカメラの映像信号を処理する信号処理装置及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような信号処理装置及びその方法では、通常、所望の周波数特性及び位相特性を取得するために、ローパスフィルタ(低域通過フィルタ)、ハイパスフィルタ(高域通過フィルタ)、バンドパスフィルタ(帯域通過フィルタ)、バンドエリミネーションフィルタ(帯域阻止フィルタ)、位相特性をずらすフィルタ等のデジタルフィルタが使用される。
【0003】
ローパスフィルタの場合、図1Aに示すような周波数特性が得られ、ハイパスフィルタの場合、図1Bに示すような周波数特性が得られ、バンドパスフィルタの場合、図1Cに示すような周波数特性が得られ、バンドエリミネーションフィルタの場合、図1Dに示すような周波数特性が得られる。なお、図1A−1Dの横軸に周波数をとり、縦軸にそれぞれのフィルタの入力に対する出力の強度比をとる。また、fs/2をナイキスト周波数とする。
【0004】
また、これらのように任意の周波数範囲を通過させ又は阻止するだけでなく、入力信号に対して、例えば0.5クロックや0.25クロックのような1クロック以内の細やかな位相をずらした出力信号を取得するような処理も、これらのフィルタの係数を適切に設定することによって可能となる。
【0005】
これらデジタルフィルタは、図2に示すような積和演算の構成を有する。7タップのデジタルフィルタである図2の場合、入力信号Iが、フリップフロップ(FF)1a−1gによってそれぞれ遅延され、遅延した信号と係数K1−K7を7個の乗算器2a−2gで乗算し、それらの結果を加算器3で加算し、その結果を除算器4で係数Xによって除算して、出力信号Yを出力している。
【0006】
デジタルフィルタの所望の特性は、その係数の個数(タップ数)及び係数値によって決まり、図2の構成で、係数の個数や値を変更することで様々な特性のデジタルフィルタが構成できる。
【0007】
ここで、ステップ波形を有する信号(図3A)、インパルス波形を有する信号(図3B)及び左半分の変化が顕著で右半分の変化がない波形を有する信号(図3C)を、デジタルフィルタに入力したときの出力信号の波形について説明する。
【0008】
デジタルフィルタをローパスフィルタ又はバンドエリミネーションフィルタとした場合、図3Aに示すようなステップ波形を有する信号が入力されると、図4Aに示すような波形を有する信号が出力される。
【0009】
この場合、定常状態を超えた入力の一方向に対する初期の過渡応答すなわちオーバーシュートA1,A2と、入力の突然の変化の結果として出力に生じる過渡的振動すなわちリンギングB1,B2が生じる。
【0010】
図4Aに示すように、オーバーシュートA1,A2は、入力信号の変化のある部分に発生しているのに対して、リンギングB1,B2は、入力信号の変化している部分の前後の変化のない部分まで発生している。
【0011】
また、図3Bに示すようなインパルス波形を有する信号がローパスフィルタ又はバンドエリミネーションフィルタに入力された場合、図4Bに示すような波形を有する信号が出力される。
【0012】
図4Bに示すように、入力信号の波形では変化がないにもかかわらず出力信号の波形ではリンギングC1,C2による若干の変化が生じる。
【0013】
さらに、図3Cに示すような左半分は変化が顕著で右半分は変化のない波形を有する信号がローパスフィルタ又はバンドエリミネーションフィルタに入力された場合、図4Cに示すような波形を有する信号が出力される。
【0014】
図4Cに示すように、入力信号の波形では変化がないにもかかわらず出力信号の波形ではリンギングDによる若干の変化が生じる。
【0015】
なお、設定するデジタルフィルタの係数によっては、図4A−4Cに示したのと異なる波形の信号が出力される場合もある。
【0016】
一方、デジタルフィルタをハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタとした場合、図3Aに示すようなステップ波形を有する信号が入力されると、図5Aに示すような波形を有する信号が出力される。
【0017】
図5Aに示すように、入力信号の波形では変化がないにもかかわらず出力信号の波形ではリンギングE1,E2による若干の変化が生じる。
【0018】
また、図3Bに示すようなインパルス波形を有する信号がハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタに入力された場合、図5Bに示すような波形を有する信号が出力される。
【0019】
図5Bに示すように、入力信号の波形では変化がないにもかかわらず出力信号の波形ではリンギングF1,F2による若干の変化が生じる。
【0020】
さらに、図3Cに示すような左半分は変化が顕著で右半分は変化のない波形を有する信号がハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタに入力された場合、図5Cに示すような波形を有する信号が出力される。
【0021】
図5Cに示すように、入力信号の波形では変化がないにもかかわらず出力信号の波形ではリンギングGによる若干の変化が生じる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
デジタルフィルタでは、畳み込む係数のタップ数や係数値によって、このようなオーバーシュートやリンギングが信号の波形に発生する。デジタルフィルタは、入力された信号に係数を畳み込む演算を行うことによって所望の信号を出力するが、係数のタップ数が多くなると、発生するリンギングの幅が更に広くなる。
【0023】
デジタルフィルタの出力信号には、図4及び5に示したようなリンギングが発生するが、入力信号のうち変化がない部分であるにもかかわらず付近に変化がある部分が存在する場合、リンギング等が漏れ込み、不自然になる。
【0024】
また、入力信号をデジタル映像信号とした場合、通常、図6Aに示すような有効映像期間aと、ブランキング期間b1,b2とが存在する。この際、ブランキング期間b1から有効映像期間aに切り替わる部分及び有効映像期間aからブランキング期間b2に切り替わる部分には、デジタルフィルタを通過させた後にオーバーシュートc1,c2及びリンギングd1,d2が発生する。
【0025】
特に、オーバーシュートc1,c2は、モニタ画面上において画面周辺部が強調されたように表示される。また、リンギングd1,d2は、目的のデジタル映像信号処理の最終段でブランキングすることによって除去される。しかしながら、有効映像期間内に発生したオーバーシュートもブランキングすると、本来必要な有効映像範囲が狭くなるという不都合がある。
【0026】
本発明の目的は、不所望なオーバーシュート及び/又はリンギングを軽減し又は抑制する信号処理装置及びその方法を提供することである。
本発明では、図1に示すような、ローパスフィルタ(A)、ハイパスフィルタ(B)、バンドパスフィルタ(C)、バンドエリミネーションフィルタ(D)等のフィルタにおいて、不所望なリンギングやオーバーシュートを軽減し又は抑制する。
テレビジョンカメラの映像処理回路では、色差信号を帯域制限する場合にはローパスフィルタを、輝度信号からサブキャリア成分を除去する場合にはバンドエリミネーションフィルタを、エッジを輪郭補正する場合にはハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタを使用する。
このようなデジタルフィルタを構成する場合には、一般に所望の特性を実現するために係数の個数が多くなる。係数の個数が多いとリンギングやオーバーシュートが多く発生する。本発明では、このようにデジタルフィルタで発生する不所望なリンギングやオーバーシュートを軽減し又は抑制することが目的である。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明による信号処理装置は、デジタル信号が入力され、フィルタ処理されたデジタル信号を出力するデジタルフィルタと、前記デジタル信号に同期した同期信号に基づいて当該デジタル信号の有効期間とブランキング期間との境界部分を示す境界信号を生成する境界信号生成部と、前記デジタル信号の信号レベルにおける経時的な変化のある部分と変化のない部分との判別を行い、及び/又は、前記境界信号生成部により生成される境界信号に基づいて前記境界部分を判別する判別手段と、前記フィルタ処理されたデジタル信号のうち前記変化のない部分及び/又は前記境界部分を、出力するデジタル信号のオーバーシュート及び/又はリンギングが抑制され又は軽減されるように所定の処理を施したデジタル信号に置換する置換手段とを具えることを特徴とするものである。
【0028】
本発明による信号処理装置によれば、フィルタ処理されたデジタル信号のうち不所望なオーバーシュート及び/又はリンギングが漏れ込む、入力信号の変化のない部分及び/又は境界部分を、所定の処理を施したデジタル信号に置換する。その結果、フィルタ処理されたデジタル信号に発生しうる不所望なオーバーシュート及び/又はリンギングを軽減し又は抑制することができる。
【0029】
例えば、前記所定の処理を施したデジタル信号を、オーバーシュート及び/又はリンギングを抑制し又は軽減するような係数を用いてフィルタ処理されたデジタル信号とする。これによって、フィルタ処理されたデジタル信号に発生しうる不所望なオーバーシュート及び/又はリンギングを軽減することができる。
【0030】
好適には、前記デジタルフィルタを、ローパスフィルタ又はバンドエリミネーションフィルタとし、前記所定の処理を施したデジタル信号を、遅延された前記デジタル信号とする。これによって、フィルタ処理されたデジタル信号に発生しうる不所望なオーバーシュート及び/又はリンギングを抑制することができる。
【0031】
前記デジタルフィルタを、ハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタとし、前記所定の処理を施したデジタル信号を、零成分を有するデジタル信号とすることもできる。これによって、フィルタ処理されたデジタル信号に発生しうる不所望なオーバーシュート及び/又はリンギングを抑制することができる。
【0032】
さらに好適には、前記デジタルフィルタの種類に関わらず、前記所定の処理を施したデジタル信号に置換する際に判別信号の位相の調整を行う位相調整手段を更に具える。これによって、不所望なオーバーシュート及び/又はリンギングの軽減又は抑制を精度よく行うことができる。
【0033】
本発明による信号処理方法は、デジタル信号をフィルタ処理するフィルタ処理ステップと、前記デジタル信号に同期した同期信号に基づいて当該デジタル信号の有効期間とブランキング期間との境界部分を示す境界信号を生成する境界信号生成ステップと、前記デジタル信号の信号レベルにおける経時的な変化のある部分と変化のない部分との判別を行い、及び/又は、前記境界信号生成ステップにおいて生成される境界信号に基づいて前記境界部分を判別する判別ステップと、前記フィルタ処理されたデジタル信号のうち前記変化のない部分及び/又は前記境界部分を、出力するデジタル信号のオーバーシュート及び/又はリンギングが抑制され又は軽減されるように所定の処理を施したデジタル信号に置換する置換ステップとを具えることを特徴とするものである。
【0034】
例えば、前記所定の処理を施したデジタル信号を、オーバーシュート及び/又はリンギングを抑制し又は軽減するような係数を用いてフィルタ処理されたデジタル信号とする。これによって、フィルタ処理されたデジタル信号に発生しうる不所望なオーバーシュート及び/又はリンギングを軽減することができる。
【0035】
好適には、前記フィルタ処理ステップが、デジタル信号をローパスフィルタ処理又はバンドエリミネーションフィルタ処理するステップを有し、前記所定の処理を施したデジタル信号を、遅延された前記デジタル信号とする。これによって、フィルタ処理されたデジタル信号に発生しうる不所望なオーバーシュート及び/又はリンギングを抑制することができる。
【0036】
前記フィルタ処理ステップが、デジタル信号をハイパスフィルタ処理又はバンドパスフィルタ処理するステップを有し、前記所定の処理を施したデジタル信号を、零成分を有するデジタル信号とすることもできる。これによって、フィルタ処理されたデジタル信号に発生しうる不所望なオーバーシュート及び/又はリンギングを抑制することができる。
【0037】
さらに好適には、前記デジタルフィルタの種類に関わらず、前記所定の処理を施したデジタル信号に置換する際に判別信号の位相の調整を行う位相調整ステップを更に具える。これによって、不所望なオーバーシュート及び/又はリンギングの軽減又は抑制を精度よく行うことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明による信号処理装置及びその方法の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下説明する実施の形態では、テレビジョンカメラの映像処理回路に適用した例について説明するが、それ以外の信号処理装置及び方法についても適用することができる。
【0039】
図7は、本発明による信号処理装置の第1の実施の形態を示す図である。この信号処理装置は、デジタルフィルタ11及び12と、ハイパスフィルタ13と、境界信号生成部14と、合成信号作成部15と、合成部16とを有する。
【0040】
まず、本発明による信号処理装置において、位相特性がずれないローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドエリミネーションフィルタを構成する場合について説明する。位相特性がずれないフィルタとは、設定する係数の真ん中の係数を中心に他の左右の係数が同一の値で対称になっているようなフィルタである。
デジタルフィルタ11は、図2に示すような積和演算の構成を有し、入力信号I1と複数の係数を畳み込む演算を行うことにより、所望の特性のデジタルフィルタを構成する。
例えば、ローパスフィルタの場合は、以下のような係数を決定する。
{−0.012,0,0.035,0,−0.087,0,0.313,0.502,0.131,0,−0.087,0,0.035,0,−0.012}
例えば、ハイパスフィルタの場合は、以下のような係数を設定する。
{0,−0.014,0,0.102,0,−0.235,0,0.292,0,−0.235,0,0.102,0,−0.014,0}
例えば、ハンドパスフィルタの場合は、以下のような係数を設定する。
{0,−0.014,0,0.102,0,―0.235,0,0.292,0,−0.235,0,0.102,0,−0.014,0}
例えば、ハンドエリミネーションフィルタの場合は、以下のような係数を設定する。
{0,−0.017,0,−0.056,0,0.267,0,0.609,0,0.267,0,−0.056,0,−0.017,0}
以上の係数の場合、左から8番目の係数を真ん中とすると、7番目と9番目の係数の値や6番目と10番目の係数は同一の値であり、左右対称になっているので、位相特性はずれない。
以上の係数が、入力信号I1に畳み込まれ、出力される。入力信号が以下のような系列のインパルス信号である場合、
{0,0,0,0,0,0,0,1,0,0,0,0,0,0,0}
これと上記係数が畳み込まれると、係数値がそのままデジタルフィルタの出力に現れる。この応答特性がリンギングやオーバーシュートとなる。
このように、所望の特性を実現するために係数の個数が多くなり、係数値の並びが複雑となるので、必然的にリンギングやオーバーシュートが多く発生する。
以上は一例であり、目的の特性の出力を得るには、デジタルフィルタの係数の個数や係数値は異なる。
【0041】
デジタルフィルタ12は、図2に示すような積和演算の構成を有し、少なくとも周波数0の周波数成分についてはデジタルフィルタ11によってフィルタ処理された信号とレベル及び位相特性が同一となる信号を出力する。
【0042】
デジタルフィルタ12では、デジタルフィルタ11のように係数のタップ数を増加させるのではなく、例えば、必要最小限のタップを用いることによってオーバーシュート及びリンギングを軽減する信号を発生させる。
【0043】
デジタルフィルタ12は、周波数0の周波数成分のみデジタルフィルタ11と同一であればいいので、デジタルフィルタ11がローパスフィルタ又はバンドエリミネーションフィルタの場合の場合には次のような3個の係数で構成すればよい。
{0.25,0.5,0.25}
【0044】
これらの係数のデジタルフィルタの周波数特性を図8Aに示す。ローパスフィルタ(図1A)又はバンドエリミネーションフィルタ(図1D)では、周波数0の周波数成分は必ず通過域となる。この係数のデジタルフィルタでも、少なくとも周波数0の周波数成分は通過域であるので十分である。
【0045】
同様に、デジタルフィルタ12は、周波数0の周波数成分のみデジタルフィルタ11と同一であればよいので、デジタルフィルタ11がハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタの場合には、例えば次のような3個の係数で構成すればよい。
{−0.25,0.5,−0.25}
【0046】
この係数のデジタルフィルタの周波数特性を図8Bに示す。ハイパスフィルタ(図1B)又はバンドパスフィルタ(図1C)では、周波数0の周波数成分は必ず阻止域となる。この係数のデジタルフィルタでも、少なくとも周波数0の周波数成分は阻止域であるので十分である。
なお、デジタルフィルタ12は、デジタルフィルタ11に比べて係数の個数が少ないように設定することで、リンギングやオーバーシュートが少なくなる。
一般に、係数の個数が少ないと、デジタルフィルタの演算にかかる遅延数(クロック数)が少なくなる。このように遅延数がデジタルフィルタ11と異なる場合は、デジタルフィルタ12の前後に遅延回路を挿入して遅延数を合わせる必要がある。
【0047】
なお、このように少なくとも周波数0の部分のみをデジタルフィルタ11と同一特性にすればよいという理由は、後に説明する合成信号作成部15において、入力信号I1の周波数0付近の変化のない部分を検出し、合成部16では、入力信号I1の周波数0付近の変化のない部分のみデジタルフィルタ12で作成した信号を出力するようにするからである。このようにして、デジタルフィルタ12は、オーバーシュート及びリンギングを軽減した信号を出力することができる。
【0048】
ハイパスフィルタ13は、入力信号の変化のある部分を検出するフィルタである。一般に、周波数0の成分は直流成分であり、変化のない信号では、周波数0のみに成分(スペクトル)が集中し、他の周波数に成分(スペクトル)があると、何らかの変化がある信号ということになる。よって、周波数0で阻止域とし、他の周波数を通過域とすると、入力信号の変化があるか否かがわかることになる。
ハイパスフィルタI3の係数を以下のようにすれば、周波数0で阻止域になるとともに、他の周波数が通過域となる。
{−0.25,0.5,−0.25}
【0049】
これらの係数のハイパスフィルタの周波数特性を図9Aに示す。この場合、少なくとも周波数0の部分は抽出されておらず、周波数0以外の成分においては、何らかの成分を抽出する。
【0050】
境界信号発生部14は、図10Aに示すような入力信号I1の有効部分eとブランキング期間f1,f2の境界の範囲で、図10Bに示すような同期信号S1を基準として、図10Cに示すような一定の傾きで変化する境界信号を発生させる。
【0051】
図10Cに示すような境界信号の場合、図10Bに示すような同期信号の立ち下がりから時間t1−t2の範囲で境界信号のレベルが次第に上昇し、時間t3−t4の範囲で境界信号のレベルが次第に下降する。したがって、境界信号は、有効部分eでは1.0の値を有し、有効部分eとブランキング期間f1,f2の境界の範囲で0.0−1.0の間で変化する値を有し、かつ、ブランキング期間f1,f2では0.0の値を有する波形となる。
【0052】
合成信号作成部15は、ハイパスフィルタ13及び境界信号生成部14からの信号を受信し、合成部16を制御するための判別信号を出力する。この信号によって、合成部16は、入力信号I1の変化のない部分及び入力信号の有効部分とブランキング期間との境界部分では主にデジタルフィルタ12からの信号を出力し、それ以外の部分では主にデジタルフィルタ11からの信号を出力する。
【0053】
図11は、合成信号作成部15の構成を示す図である。この場合、ハイパスフィルタ13から出力される符号付きの信号は、その絶対値を求めるために絶対値回路15aに供給される。
【0054】
図12Aに示すように入力信号I1の波形が時間とともに低い周波数から高い周波数に変化するスイープ波形、すなわち、周波数0から最終的にはナイキスト周波数fs/2の波形の場合、ハイパスフィルタ13からの信号が絶対値回路15aに入力されると、図12Bに示すような波形を有する信号が出力される。
【0055】
絶対値回路15aから出力された信号は、乗算器15bにおいて任意のゲインGが乗算される。乗算器15bから出力される信号は、周波数0付近で出力が判定レベル1.0を超えるように設定された図12Cに示すような波形を有する。
【0056】
乗算器15bから出力される信号のうち判定レベル1.0以上の部分については、クリップ回路15cにおいてクリップをかけ、図12Dに示すような波形を有する信号を出力する。なお、以後の説明を簡単にするために、判定レベルすなわちクリップレベルCLを1.0とする。また、図12A−12Dでは、横軸に時間をとるとともに縦軸に信号レベルをとる。
【0057】
このようにして、入力信号I1の周波数0付近の成分しか存在しない部分では、図12Dのhの部分のように信号レベルが0に近くなり、周波数0以外の成分を有する部分では、図12Dのiの部分のように信号レベルが1.0となる。
【0058】
図12Dのhの部分は、0.0から1.0未満に変化しているが、これは、入力信号I1の変化がない部分又は変化が少ない部分に対応し、それに対して、図12Dのiの部分は、値が1.0になっているが、これは、入力信号I1の変化がある部分に対応する。
【0059】
クリップ回路15cから出力された信号は、乗算器15dにおいて境界信号生成部14からの信号に乗算され、乗算器15dから出力される信号は、合成部16に供給される。
【0060】
ここで、入力信号I1が図13Aに示したような波形を有する場合を考えると、図7のハイパスフィルタ13の出力は、図13Aaのような波形となる。合成信号作成部15の絶対値回路15a(図11)では、ハイパスフィルタ13からの信号を絶対値化し、図13Abのような波形となる。それが乗算器15bでゲインGが乗算されて、図13Acのような波形となる。その波形を、クリップ回路15cにおいてクリップレベルCLでクリップすると、図13Bに示すような波形となる。クリップレベルCLを1.0とした場合、図13Bは、入力信号I1の変化のない部分では信号レベル0.0を有し、入力信号I1の変化のある部分では、信号レベル1.0を有する波形となる。
【0061】
また、境界信号生成部14から出力される信号の波形は、図13Cに示すように、有効部分jでは信号レベルが1.0となり、有効部分jとブランキング期間l1,l2との境界では0.0から1.0の範囲で変化し、ブランキング期間l1,l2では信号レベルが0.0となる。これに、図13Bのようなクリップ回路15cからの波形が乗算器15dで乗算され、乗算器15dから出力される信号の波形は図13Dに示すようになる。結局、合成信号作成部15から出力される信号が、0.0の部分では映像中の変化のない部分であり、1.0の部分では、映像中の変化のある部分であることを示し、さらに、映像の有効部分とブランキング部分の境界部分では、ブランキング部分に近くなるに従って0.0になるような波形となり、合成信号作成部15が出力する信号は、映像の変化のある部分であるかない部分であるか又は映像の有効期間であるかブランキング部分であるかを判別する判別信号となる。
合成信号作成部15から出力される判別信号は、入力信号I1がハイパスフィルタI3及び合成信号作成部15の処理にかかるクロック数だけ遅延する。
ここで、合成信号作成部15から出力される判別信号は、後段の合成部16において、デジタルフィルタ11とデジタルフィルタ12が出力する信号と、入力信号I1に対する遅延数が合っている必要がある。
遅延数が合ってない場合は、合成信号作成部15から出力される判別信号が、デジタルフィルタ11とデジタルフィルタ12が出力する信号と遅延数が合うように遅延回路を挿入すればよい。
【0062】
合成部16は、図14に示すように、減算器16aと、乗算器16b及び16cと、加算器16dとを有する。また、合成部16は、デジタルフィルタ11、デジタルフィルタ12及び合成信号作成部15の出力を入力とするが、これらは、デジタルフィルタ11、デジタルフィルタ12及び合成信号作成部15において適切に遅延時間が調整され、位相の合った信号が入力するものとする。このような構成によって、デジタルフィルタ11から出力された信号に合成信号作成部15から出力された信号が直接乗算されるので、入力信号I1の変化がある部分では、主にデジタルフィルタ11からの信号が出力される。また、デジタルフィルタ12から出力された信号は、合成信号作成部15から出力された信号を1.0から減算したものが乗算されるので、入力信号I1の変化のない部分や、有効部分とブランキング期間との境界では、主にデジタルフィルタ12からの信号が出力される。
【0063】
このように合成信号作成部15からの判別信号が1.0の場合には、入力信号中の変化の多い部分であるということになり、判別信号が0.0の場合には、入力信号中の変化のない部分ということになり、判別信号が1.0の場合には、リンギングやオーバーシュートの多いデジタルフィルタ11からの信号が、判別信号が0.0の場合には、リンギングやオーバーシュートの少ないデジタルフィルタ12からの信号が合成されて出力されることになる。ここで、合成信号作成部15からの信号値の1.0の部分が狭くなるに従って、リンギングの多いデジタルフィルタ11の出力する信号が選択される範囲が少なくなり、リンギングの少ないデジタルフィルタ12が出力する信号が選択される傾向が高くなる。その結果、合成信号作成部15からの信号の1.0の部分が狭くなるに従って、リンギングが発生する範囲が少なくなる。合成信号作成部15からの信号の1.0の部分をできるだけ狭くするためには、ハイパスフィルタ13の係数の個数を少なくするのが好適である。既に説明したように、ハイパスフィルタ13の係数が{−0.25,0.5,−0.25}の場合、係数が3個であるので、入力信号がインパルス信号の場合、3画素分に対応する信号が出力されることとなり、合成信号作成部15からの信号の1.0の部分が3画素分の幅となる。この範囲は、入力信号に変化のある部分であるので、デジタルフィルタ11の出力が選択され、他の部分ではデジタルフィルタ12の出力が選択される。係数の数を比較的多くすることによって、種々の特性のフィルタを所望に応じて実現することができる。ただし、係数の数が増加するに従って応答の範囲が広くなるので、リンギングが多くなる。ここで、合成信号生成部15(図11)のクリップ回路15cの判定レベルを1.0とし、それから出力される信号及び境界信号生成部14から出力される信号の可変範囲を0.0−1.0としたので、乗算器15dから出力される信号の可変範囲も0.0−1.0となり、その範囲の最大値が1.0なので、合成部16(図14)の加算器16dの出力信号はそのまま出力される。したがって、最大1.0の値が合成信号作成部15から入力されるので、合成部16の減算器16aでは、1.0から合成信号作成部15の信号を減算している。さらに、加算器16dの後段においてこの最大値で除算を行う必要があるが、本実施の形態のように最大値が1.0の場合には除算を必要としない。合成信号作成部15における判定レベルが1.0でない場合や、境界信号生成部14から出力される信号の可変範囲が0.0−1.0でない場合、合成信号作成部15から入力する信号の可変範囲の最大値は1.0ではないので、合成部16の減算器16aにおいてその最大値から合成信号作成部15の信号を減算し、さらに、加算器16dの後段においてこの最大値で除算を行う。
【0064】
ここで、デジタルフィルタ11をローパスフィルタ又はバンドエリミネーションフィルタとした場合について説明する。
入力信号I1が、図3A−3Cに示すような波形が混在する図15Aに示すような波形を有する場合、デジタルフィルタ11から出力される信号の波形は、図15Bに示すように多数のオーバーシュート及びリンギングを有する。
【0065】
特に、図15Bにおいてm1−m6で示したような入力信号I1の変化のない部分や、n1及びn2で示したような付近に変化のある部分が存在するブランキング期間では、オーバーシュートやリンギングが発生する。
【0066】
デジタルフィルタ12から出力される信号の波形は、図15Cに示すようになり、図15Bに示す波形に比べてオーバーシュート及びリンギングが少なくなる。また、合成信号作成部15から出力される信号の波形は、図15Dに示すようになる。合成信号作成部15からの信号によって、デジタルフィルタ11及び12からの信号が合成され、図15Eに示すような波形を有する信号となる。これによって、入力信号I1の有効部P1とブランキング期間P1,P2との境界や入力信号の変化のない部分では主にデジタルフィルタ12からの信号が出力され、それ以外の部分では主にデジタルフィルタ11からの信号が出力される。
【0067】
特に、図15EにおいてN1及びN2で示したような有効部分O1とブランキング期間P1,P2との境界部分では、それに対応する図15Bの箇所に比べてオーバーシュートが少なくなり、図15EにおいてM1−M6で示したような入力信号Iの変化のある部分付近の変化のない部分では、リンギングが少なくなる。
【0068】
次に、デジタルフィルタ11をハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタとした場合について説明する。
入力信号I1が、図15Aと同様な図16Aに示すような波形を有する場合、デジタルフィルタ11から出力される信号の波形は、図16Bに示すように多数のオーバーシュート及びリンギングを有する。
【0069】
デジタルフィルタ12から出力される信号の波形は、図16Cに示すようになり、図16Bに示す波形に比べてオーバーシュート及びリンギングが少なくなる。また、合成信号作成部15から出力される信号の波形は、図16Dに示すようになる。合成信号作成部15からの信号によって、デジタルフィルタ11及び12からの信号が合成され、図16Eに示すような波形を有する信号となる。これによって、入力信号I1の有効部O2とブランキング期間P3,P4との境界や入力信号の変化のない部分では主にデジタルフィルタ12からの信号が出力され、それ以外の部分では主にデジタルフィルタ11からの信号が出力される。
【0070】
特に、図16EにおいてN3及びN4で示したような有効部分O2とブランキング期間P3,P4との境界部分では、それに対応する図16Bの箇所に比べてオーバーシュートが少なくなり、図16EにおいてM7−M12で示したような入力信号I1の変化のある部分付近の変化のない部分では、リンギングが少なくなる。
【0071】
図17は、本発明による信号処理装置の第2の実施の形態を示す図である。この信号処理装置は、デジタルフィルタ21と、遅延回路22と、ハイパスフィルタ23と、境界信号生成部24と、合成信号作成部25と、合成部26とを有する。
【0072】
本実施の形態では、デジタルフィルタ21をローパスフィルタ又はバンドエリミネーションフィルタとし、これは、周波数0付近の帯域で通過域となり、かつ、位相特性が入力信号と変わらない場合に最適なものである。
【0073】
遅延回路22は、デジタルフィルタ21の処理に要する遅延数分だけ入力信号I2を遅延させるものである。これは、デジタルフィルタ21から出力される信号の一部を置換するに当たり、少なくとも周波数0の周波数成分については、デジタルフィルタ21から出力される信号と同一レベル及び同一の位相特性を有する信号を発生させる必要がある。
【0074】
本実施の形態では、デジタルフィルタ21によって、位相特性がずれない信号を取得するので、信号の一部を置換する信号は、少なくとも周波数0の成分だけがデジタルフィルタ21から出力される信号の特性と同一であればよい。
【0075】
これは、デジタルフィルタ21において、周波数0の周波数成分については、通過域であるために入力信号と同一信号が出力されるので、信号の一部を置換する信号は、入力信号をそのまま使用すればよく、また、周波数0以外の周波数成分については、合成部26において、デジタルフィルタ21が出力する信号が選択されるようになるので、信号の一部を置換する信号を任意の信号とすることができ、入力信号I2をそのまま使用できることになる。本実施の形態のようにデジタルフィルタ21をローパスフィルタ又はバンドエリミネーションフィルタとする場合には、デジタルフィルタの代わりに遅延回路22を使用すれば十分である。
【0076】
本実施の形態の動作を説明する。
入力信号I2が、図15Aと同様な図18Aに示すような波形を有する場合、デジタルフィルタ21から出力される信号の波形は、図18Bに示すように多数のオーバーシュート及びリンギングを有する。
なお、デジタルフィルタ21の処理には入力信号(図18A)に対して時間tだけ遅延するものとする。
【0077】
遅延回路22から出力される信号の波形は、図18Cに示すようになり、入力信号(図18Aに示す波形)に比べて遅延時間tだけ遅延したものとなる。また、合成信号作成部25から出力される信号の波形は、図18Dに示すようになる。合成信号作成部25からの信号によって、デジタルフィルタ21及び遅延回路22からの信号が合成され、図18Eに示すような波形を有する信号となる。これによって、入力信号I2の有効部O3とブランキング期間P5,P6との境界や入力信号の変化のない部分では主に遅延回路22からの信号が出力され、それ以外の部分では主にデジタルフィルタ21からの信号が出力される。
【0078】
特に、図18EにおいてN5及びN6で示したような有効部分O3とブランキング期間P5,P6との境界部分では、それに対応する図18Bの箇所に比べてオーバーシュートが少なくなり、図18EにおいてM13−M18で示したような入力信号I2の変化のある部分付近の変化のない部分では、リンギングが少なくなる。
【0079】
図19は、本発明による信号処理装置の第3の実施の形態を示す図である。この信号処理装置は、デジタルフィルタ31と、置換信号生成部32と、ハイパスフィルタ33と、境界信号生成部34と、合成信号作成部35と、合成部36とを有する。
【0080】
本実施の形態では、デジタルフィルタ31をハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタとし、これは、周波数0付近の帯域で阻止域となり、かつ、位相特性が入力信号と変わらない場合に最適なものである。
【0081】
本実施の形態では、図7の構成において、デジタルフィルタ12を、0の成分を有する信号を合成部36に出力する置換信号生成部32に変更している。デジタルフィルタ31がハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタである場合、その出力信号の周波数0の成分は阻止域であるために出力レベルが0となるので、デジタルフィルタを使用する必要がなく、置換信号生成部32は、単にゼロの成分を有する信号を出力すればよい。このような場合でも、少なくとも周波数0の成分については、デジタルフィルタ31が出力する信号と同一になる。
【0082】
本実施の形態では、合成部36が図14と同一の構成を有してもよいが、デジタルフィルタ31からの信号を、置換信号生成部32から出力される0の成分を有する信号と合成しているので、置換信号生成部32からの出力を使用せずに、図20に示すように乗算器36aのみで構成してもよい。この場合、図19の置換信号生成部32は不要となる。
【0083】
本実施の形態の動作を説明する。
入力信号I3が、図15Aと同様な図21Aに示すような波形を有する場合、デジタルフィルタ31から出力される信号の波形は、図21Bに示すように多数のオーバーシュート及びリンギングを有する。
【0084】
置換信号生成部32から出力される信号の波形は、図21Cに示すように信号レベルが常に0になる。また、合成信号作成部35から出力される信号の波形は、図21Dに示すようになる。合成信号作成部35からの信号によって、デジタルフィルタ31及び置換信号生成部32からの信号が合成され、図21Eに示すような波形を有する信号となる。これによって、入力信号I3の有効部O4とブランキング期間P7,P8との境界や入力信号の変化のない部分では主に置換信号生成部32からの信号が出力され、それ以外の部分では主にデジタルフィルタ31からの信号が出力される。
【0085】
特に、図21EにおいてN7及びN8で示したような有効部分o4とブランキング期間p5,p6との境界部分では、それに対応する図21Bの箇所に比べてオーバーシュートが少なくなり、図21EにおいてM19−M24で示したような入力信号I3の変化のある部分付近の変化のない部分では、リンギングが少なくなる。
【0086】
次に、本発明による信号処理装置において、位相特性がずれるローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ及びバンドエリミネーションフィルタを構成する場合について説明する。
ある一定の条件があれば、既に説明した第1の実施の形態、第2の実施の形態又は第3の実施の形態と同一構成で、位相特性がずれるローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ及びバンドエリミネーションフィルタを構成することができる。
それは、位相特性がずれるフィルタとは前提する係数が真ん中の係数に対して左右非対称になっているようなフィルタである。
第1の実施の形態(図7)においては、デジタルフィルタ11、デジタルフィルタ12及びハイパスフィルタ13において、位相特性が目的の特性となるような係数を設定すればよい。
第2の実施の形態(図17)においては、デジタルフィルタ21及びハイパスフィルタ23において、位相特性が目的の特性となるような係数を設定すればよい。
第3の実施の形態(図19)においては、デジタルフィルタ31及びハイパスフィルタ33において、位相特性が目的の特性となるような係数を設定すればよい。
第1の実施の形態(図7)のデジタルフィルタ11、第2の実施の形態(図17)のデジタルフィルタ21及び第3の実施の形態(図19)のデジタルフィルタ31に設定する係数を以下のように設定すると、入力信号に対して0.5クロック分だけ位相特性のずれた出力信号が得られる。
例えば、ローパスフィルタの場合は、以下のような係数を設定する。
{−0.007,0.013,0.022,0.031,−0.049,−0.081,0.146,0.451,0.451,0.146,−0.081,−0.049,0.031,0.022,0.013,−0.007}
例えば、ハイパスフィルタの場合は、以下のような係数を設定する。
{−0.002,0.029,−0.050,0.013,−0.020,0.192,−0.349,0.187,0.187,−0.349,0.192,−0.020,0.013,−0.050,0.029,−0.002}
例えば、バンドパスフィルタの場合は、以下のような係数を設定する。
{−0.001,−0.002,−0.017,0.050,0.097,−0.114,−0.187,0.204,0.204,−0.187,−0.144,0.097,0.050,−0.017,−0.002,−0.001}
例えば、バンドエリミネーションフィルタの場合は、以下のような係数を設定する。
{−0.009,0.020,−0.012,−0.005,−0.170,0.259,−0.017,0.434,0.434,−0.017,0.259,−0.170,−0.005,−0.012,0.020,−0.009}
以上の係数の場合、左から8番目の係数を真ん中とすると、7番目と9番目の係数の値は異なり、左右非対称になっているので、位相特性がずれる。
以上のような係数においても、その個数と係数値により、デジタルフィルタの出力にはリンギングやオーバーシュートが多く発生する。
以上は一例であり、目的の特性を得るには、デジタルフィルタの係数の個数や係数値は異なる。
【0087】
第1の実施の形態(図7)において、デジタルフィルタ12は、デジタルフィルタ11がローパスフィルタ又はバンドエリミネーションフィルタで位相特性がずれるようなデジタルフィルタの場合には、周波数0の周波数成分のみデジタルフィルタ11と同一であればいいので、次のような4個の係数で構成すればよい。
{0.09,0.041,0.041,0.09}
この係数列では、少なくとも周波数0の周波数成分については、入力信号に対して0.5クロック分だけ位相特性のずれた出力信号が得られる。
【0088】
第1の実施の形態(図7)において、デジタルフィルタ12は、デジタルフィルタ11がハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタで位相特性がずれるようなデジタルフィルタの場合には、周波数0の周波数成分のみデジタルフィルタ11と同一であればよく、この周波数では、デジタルフィルタ11は阻止域であるので、次のような4個の係数で構成すればよい。
{−0.25,0.25,0.25,−0.25}
この係数例では、少なくとも周波数0の周波数成分については阻止域となり、他の高域成分は、入力信号に対して0.5クロック分だけ位相特性のずれた出力信号が得られる。
ただし、この場合には、高域成分はデジタルフィルタ11の出力が使用されるので、正確に0.5クロック分だけ位相特性のずれた出力信号を必要としない。デジタルフィルタ11が周波数0で阻止域である場合、デジタルフィルタ12でも少なくとも周波数0で阻止域となるように設定すればよい。
【0089】
第1の実施の形態(図7)のハイパスフィルタ13、第2の実施の形態(図17)のハイパスフィルタ23及び第3の実施の形態(図19)のハイパスフィルタ33では、入力信号の変化のある部分を検出するフィルタであり、入力信号のうち、周波数0では阻止域となり、それ以外の高域については通過域で位相特性がデジタルフィルタ11と同一となるような係数を設定すればよい。
入力信号に対して0.5クロック分だけ位相特性のずれた高域成分を得るためには、以下のような係数とすればよい。
{−0.25,0.25,0.25,−0.25}
【0090】
以上のように、位相特性がずれるような係数を設定すると、第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第3の実施の形態において、入力信号の変化のある部分とない部分とを検出し、変化のある部分では係数の多いデジタルフィルタの出力が選択され、変化のない部分では係数の少ないデジタルフィルタの出力が選択されるようになるので、位相特性がずれるローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ及びバンドエリミネーションフィルタにおいても、リンギングや境界部分に発生するオーバーシュートを軽減し又は抑制することができる。
【0091】
ここで、第1の実施の形態(図7)のハイパスフィルタ13、第2の実施の形態(図17)のハイパスフィルタ23及び第3の実施の形態(図19)のハイパスフィルタ33で設定する上記係数の周波数特性は、図9Bのようになる。なお、縦軸にフィルタの入力に対する出力の強度比をとる。
このように、位相特性をずらすフィルタでは、高域部の周波数特性が阻止域となる。
ここで、第1の実施の形態のハイパスフィルタ13の説明した条件のうち、図9Bでは、少なくとも周波数0の部分については阻止域となっているので条件にあっているが、ナイキスト周波数fs/2の部分でも阻止域となっているので、周波数0以外の周波数については通過域となるという条件を満足していない。
【0092】
入力信号I1(図7)、入力信号I2(図17)及びI3(図19)に、周波数fs/2の付近の成分が存在しない場合、元々存在しない周波数のものを合成部で切り替えても問題がないので、簡易的には、図9Bに示すような周波数特性を有するハイパスフィルタを使用してもよい。
【0093】
しかしながら、入力信号が周波数fs/2の付近の成分を有する場合、本来はこのような周波数特性を有する係数を使用することができない。この場合にどのような現象が生じるかを以下説明する。
【0094】
先ず、入力信号I1が、図15Aと同様な図23Aに示すような波形を有するものとする。この波形のうち、図3B及び3Cに示すような波形はナイキスト周波数fs/2の成分を有するものとする。
【0095】
デジタルフィルタ11から出力される信号の波形は、図23Bに示すように多数のオーバーシュート及びリンギングを有する。
【0096】
デジタルフィルタ12から出力される信号の波形は、図23Cに示すように、図23Bに示す波形よりもオーバーシュート及びリンギングが少なくなる。
【0097】
ハイパスフィルタ13が出力する信号は図9Bに示すような周波数特性を有するが、ここではナイキスト周波数fs/2で阻止域となっているので、合成信号作成部15から出力される信号も、ナイキスト周波数fs/2の成分を有する波形については検出されにくいので、図23DのX,Yのように判別信号が1.0にならない事態が考えられる。
したがって、そのような部分では、主にデジタルフィルタ12からの信号(図23C)が出力されるが、図23Eに示すように、X,Yの部分が図15Eに比べて高域部が劣化した特性の信号が出力される。
【0098】
本来、入力信号I1の変化のある部分では、デジタルフィルタ11からの信号が出力されるべきであるが、入力信号I1の変化のある部分がナイキスト周波数fs/2の付近に存在する場合には、合成信号作成部15で検出されないので、デジタルフィルタ12からの信号が出力される。入力信号I1がナイキスト周波数fs/2付近の成分を有しない場合、デジタルフィルタ11及び12が、ナイキスト周波数fs/2付近の成分を有する信号を出力しないので、不都合はない。
【0099】
しかしながら、デジタルフィルタ12からの信号は、周波数0付近の特性のみデジタルフィルタ11からの信号の特性と同一となるようにしか考えられないので、合成部16は、ナイキスト周波数fs/2の部分でデジタルフィルタ12からの信号を出力するようになり、入力信号I1がナイキスト周波数fs/2付近の成分を有する場合、デジタルフィルタ12が出力する信号はナイキスト周波数fs/2付近の特性を保証できず、不都合である。このような不都合を生じない第4の実施の形態を以下説明する。
【0100】
図22は、本発明による信号処理装置の第4の実施の形態を示す図である。この信号処理装置は、デジタルフィルタ41及び42と、ハイパスフィルタ43と、境界信号生成部44と、合成信号作成部45と、合成部46と、位相調整部47とを有する。
【0101】
本実施の形態では、デジタルフィルタ41及びデジタルフィルタ42を、位相特性をずらすものとしても、ハイパスフィルタ43を、位相特性をずらさないものとする。なお、ハイパスフィルタ43の係数として、例えば次のような3タップの係数を設定する。
{−0.25,0.5,−0.25}
その係数を有するデジタルフィルタの周波数特性は図8Bのようになる。
【0102】
この場合、ナイキスト周波数fs/2付近においても阻止域とならない。したがって、合成信号作成部45からの信号は、図23Dのような波形ではなく、図15Dのような波形を有する。ただし、この状態では、合成信号作成部45からの信号は、デジタルフィルタ41からの信号やデジタルフィルタ42からの信号に対して0.5クロック分位相がずれている。その結果、合成信号作成部45の後段に位相調整部47を追加する。
【0103】
位相調整部47は、例えば図24に示すように、フリップフロップ47aと、乗算器47b及び47cと、加算器47dとを有する。この場合、合成信号作成部47からの信号は、乗算器47bにおいて係数KAが乗算されるとともに、フリップフロップ47aで1クロック遅延された後に乗算器47cにおいて係数KBが乗算される。
【0104】
乗算器47b及び47cからの信号は、加算器47dで加算した後に合成部46に出力される。なお、係数KA,KBを、合成信号作成部45からの信号をデジタルフィルタ41からの信号及びデジタルフィルタ42からの信号に対して0.5クロック分位相をずらす場合には、共に0.5とする。
【0105】
その結果、位相調整部47から出力される判別信号は、合成信号作成部45からの信号をデジタルフィルタ41からの信号及びデジタルフィルタ42からの信号と同一の位相となり、かつ、入力信号のナイキスト周波数fs/2付近の成分を有する場合でも正確に信号を処理することができるようになる。
【0106】
上記実施の形態によれば、入力信号中の周波数が0の成分しか有しないような変化のない部分では信号を置換して出力しているので、従来のデジタルフィルタから出力される信号に発生するリンギングを軽減し又は抑制することができる。
【0107】
また、入力信号の有効部分とブランキング期間との境界を検出し、その境界については信号を置換して出力しているので、オーバーシュートを軽減し又は抑制することができ、その結果、入力信号を映像信号とした場合、画面周辺部の強調現象を軽減し又は抑制することができる。
【0108】
さらに、デジタルフィルタによって位相をずらすことを意図する場合でも、ハイパスフィルタ及び合成信号作成部において、ナイキスト周波数fs/2の成分についても正確に検出できるようにしているので、信号を位相的に精度よく処理することができる。
【0109】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、オーバーシュートとリンギングの両方を軽減し又は抑制する場合について説明したが、オーバーシュートとリンギングのうちの一方のみを軽減し又は抑制する場合についても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 デジタルフィルタの周波数特性を示す図である。
【図2】 デジタルフィルタの構成の一例を示す図である。
【図3】 デジタルフィルタに入力される信号の波形の例を示す図である。
【図4】 ローパスフィルタ又はバンドエリミネーションフィルタに図3に示す波形の信号が入力された場合の出力信号の波形を示す図である。
【図5】 ハイパスフィルタに図3に示す波形の信号が入力された場合の出力信号の波形を示す図である。
【図6】 デジタル映像信号の波形の一例を示す図である。
【図7】 本発明による信号処理装置の第1の実施の形態を示す図である。
【図8】 図7のデジタルフィルタ12の周波数特性の例を示す図である。
【図9】 図7のハイパスフィルタの周波数特性の例を示す図である。
【図10】 図7の境界信号生成部の動作を説明するための図である。
【図11】 図7の合成信号作成部の構成を示す図である。
【図12】 図7の合成信号作成部の動作を説明するための図である。
【図13】 図7の合成信号作成部の動作を説明するための図である。
【図14】 図7の合成部の構成を示す図である。
【図15】 図7のデジタルフィルタをローパスフィルタ又はバンドエリミネーションフィルタとした場合の第1の実施の形態の動作を説明するための図である。
【図16】 図7のデジタルフィルタをハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタとした場合の第1の実施の形態の動作を説明するための図である。
【図17】 本発明による信号処理装置の第2の実施の形態を示す図である。
【図18】 本発明による信号処理装置の第2の実施の形態の動作を説明するための図である。
【図19】 本発明による信号処理装置の第3の実施の形態を示す図である。
【図20】 図19の合成部の他の構成を示す図である。
【図21】 本発明による信号処理装置の第3の実施の形態の動作を説明するための図である。
【図22】 本発明による信号処理装置の第4の実施の形態を示す図である。
【図23】 本発明による信号処理装置の第4の実施の形態の動作を説明するための図である。
【図24】 図22の位相調整部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,47a フリップフロップ
2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,15b,15d,16b,16c,47b,47c 乗算器
3,16d,47d 加算器
4 除算器
11,12,21,31,41,42 デジタルフィルタ
13,23,33,43 ハイパスフィルタ
14,24,34,44 境界信号生成部
15,25,35,45 合成信号作成部
15a 絶対値回路
15c クリップ回路
16,26,36,46 合成部
16a 減算器
22 遅延回路
32 置換信号生成部
47 位相調整部
Claims (10)
- デジタル信号が入力され、フィルタ処理されたデジタル信号を出力するデジタルフィルタと、
前記デジタル信号に同期した同期信号に基づいて当該デジタル信号の有効期間とブランキング期間との境界部分を示す境界信号を生成する境界信号生成部と、
前記デジタル信号の信号レベルにおける経時的な変化のある部分と変化のない部分との判別を行い、及び/又は、前記境界信号生成部により生成される境界信号に基づいて前記境界部分を判別する判別手段と、
前記フィルタ処理されたデジタル信号のうち前記変化のない部分及び/又は前記境界部分を、出力するデジタル信号のオーバーシュート及び/又はリンギングが抑制され又は軽減されるように所定の処理を施したデジタル信号に置換する置換手段と
を具えることを特徴とする信号処理装置。 - 前記所定の処理を施したデジタル信号を、オーバーシュート及び/又はリンギングを抑制し又は軽減するような係数を用いてフィルタ処理されたデジタル信号としたことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
- 前記デジタルフィルタを、ローパスフィルタ又はバンドエリミネーションフィルタとし、前記所定の処理を施したデジタル信号を、遅延された前記デジタル信号としたことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
- 前記デジタルフィルタを、ハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタとし、前記所定の処理を施したデジタル信号を、零成分を有するデジタル信号としたことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
- 前記判別手段の出力する判別信号に位相の調整を行う位相調整手段を更に具えることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の信号処理装置。
- デジタル信号をフィルタ処理するフィルタ処理ステップと、
前記デジタル信号に同期した同期信号に基づいて当該デジタル信号の有効期間とブランキング期間との境界部分を示す境界信号を生成する境界信号生成ステップと、
前記デジタル信号の信号レベルにおける経時的な変化のある部分と変化のない部分との判別を行い、及び/又は、前記境界信号生成ステップにおいて生成される境界信号に基づいて前記境界部分を判別する判別ステップと、
前記フィルタ処理されたデジタル信号のうち前記変化のない部分及び/又は前記境界部分を、出力するデジタル信号のオーバーシュート及び/又はリンギングが抑制され又は軽減されるように所定の処理を施したデジタル信号に置換する置換ステップと
を具えることを特徴とする信号処理方法。 - 前記所定の処理を施したデジタル信号を、オーバーシュート及び/又はリンギングを抑制し又は軽減するような係数を用いてフィルタ処理されたデジタル信号とすることを特徴とする請求項6記載の信号処理方法。
- 前記フィルタ処理ステップが、デジタル信号をローパスフィルタ処理又はバンドエリミネーションフィルタ処理するステップを有し、前記所定の処理を施したデジタル信号を、遅延された前記デジタル信号とすることを特徴とする請求項6記載の信号処理方法。
- 前記フィルタ処理ステップが、デジタル信号をハイパスフィルタ処理又はバンドパスフィルタ処理するステップを有し、前記所定の処理を施したデジタル信号を、零成分を有するデジタル信号とすることを特徴とする請求項6記載の信号処理方法。
- 前記判別ステップで出力する判別信号に位相の調整を行う位相調整ステップを更に具えることを特徴とする請求項6から9のうちのいずれか1項に記載の信号処理方法。
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