JP4686716B2 - 植物における二次代謝物の産生を増大せしめる方法 - Google Patents
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Description
細胞を懸濁培養する方法は大型培養槽へのスケールアップが容易であるので工業的に有効な方法である。しかし、植物は二次代謝産物を特定の組織で生産、蓄積しているため、未分化細胞を用いた培養法では生産が見られないことも多い。
一方、器官培養は分化した細胞を用いるため、二次代謝物生産能を維持したまま培養することができる。アグロバクテリア(Agrobacterium tumefaciens)の感染により生じるクラウンゴール細胞は、一種の腫瘍細胞であり、通常のカルスと異なり植物ホルモン無添加で増殖し続けることができる。この特性は細胞培養を行う上で有効である。1985年にアグロバクテリア(Agrobacterium rhizogenes)の感染によって誘発された毛状根が植物ホルモン無添加で著しく速く増殖しこのことが植物の二次代謝物生産に利用できることが明らかになって以来、この分野の研究は著しい進展をみた。
また、上記のとおり二次代謝物は植物にストレスを与えるといった、劣悪な環境において産生が増大する一方、かかる劣悪な環境においては植物体の生育が損なわれるため、二次代謝物の総産生量を増大せしめることはできない。
すなわち、本発明は、少なくとも以下に関する:
(1)Glycyrrhiza属の植物におけるグリチルリチン酸またはその誘導体の産生を増大せしめる方法であって、
成苗期を経過した植物体に対して、600nm〜700nmの波長の光を含む単色光または複色光の照射を行い、さらにUV−Bの照射でストレスを与えることを含む、前記方法。
(2)植物の栽培が、室内で行われる、前記方法。
(3)UV−Bの照射量が、全照射量として、2.5〜7.5Wm −2 である、前記方法。
(4)UV−Bの照射が、2日〜20日の範囲で行われる、前記方法。
(5)植物が、Glycyrrhiza uralensisである、前記方法。
(1)本発明の方法は、植物の生育に影響する要素の少なくとも1種の要素の制御を、成苗期を経過した植物体に対して行うことによって、植物体内における二次代謝物の産生を顕著に増大かつ迅速化せしめ、産生の低コスト化をもたらすといった効果を奏する。
(2)本発明の方法のうち、植物の栽培が室内で行われるものにおいては、植物体内における二次代謝物の均質かつ高純度な産生を可能とするとともに、環境維持に資するといった効果も奏する。
(3)本発明の方法のうち、植物の生育に影響する要素が、光合成光子量束密度、二酸化炭素の濃度、光の波長、明期(日長を含む。以下「明期」において同じ)、温度、湿度および栄養分の量からの1種または2種以上であるものにおいては、植物体内における二次代謝物の産生をより顕著に増大せしめる効果を奏する。
(4)本発明の方法のうち、植物の生育に影響する要素が、光合成光子量束密度および二酸化炭素の濃度であるものにおいては、植物体内における二次代謝物の産生を相乗的に増大せしめる効果を奏する。
(5)本発明の方法のうち、光合成光子量束密度が50〜1000μmolm−2s−1であり、二酸化炭素の濃度が300〜2000μmol mol−1であるものにおいては、植物体内における二次代謝物の産生を、さらに相乗的に増大せしめる効果を奏する。
(6)本発明の方法のうち、植物にストレスを与えることをさらに含むものにおいては、植物体内における二次代謝物の産生をより顕著に増大せしめる効果を奏する。
(7)本発明の方法のうち、ストレスが、UV−Bの照射であるものにおいては、植物体内における二次代謝物の産生をより一層顕著に増大せしめる効果を奏する。
(8)本発明の方法のうち、植物が、オトギリソウ科植物であるものにおいては、オトギリソウ科植物の植物体内における二次代謝物の産生を顕著に増大せしめる効果を奏する。
(9)本発明の方法のうち、オトギリソウ科植物が、セイヨウオトギリソウであるものにおいては、セイヨウオトギリソウの植物体内における二次代謝物の産生を顕著に増大せしめる効果を奏する。
(10)本発明の方法のうち、二次代謝物が、ハイペリシンまたはその誘導体であるものにおいては、抗鬱活性等を有するハイペリシンまたはその誘導体のセイヨウオトギリソウまたはオトギリソウの植物体内における産生を顕著に増大せしめる効果を奏する。
(11)本発明の方法のうち、植物が、Glycyrrhiza属の植物であるものにおいては、Glycyrrhiza属植物の植物体内における二次代謝物の産生を顕著に増大せしめる効果を奏する。
(12)本発明の方法のうち、植物が、Glycyrrhiza uralensisであるものにおいては、Glycyrrhiza uralensisの植物体内における二次代謝物の産生を顕著に増大せしめる効果を奏する。
(13)本発明の方法のうち、二次代謝物が、グリチルリチン酸またはその誘導体であるものにおいては、Glycyrrhiza属植物、とくにGlycyrrhiza uralensisの植物体内における、抗ウィルス活性等を有するグリチルリチン酸またはその誘導体の産生を顕著に増大せしめる効果を奏する。
「植物の生育に影響する要素」とは、光合成光子量束密度、二酸化炭素の濃度、光の波長、明期のように、植物の光合成に直接影響を及ぼすような指標とともに、温度、湿度のような、その他の環境における指標も意味する。
本発明において、「成苗」とは、苗のステージの最終ステージを意味する。すなわち、一般的には移植直前のステージ〜移植に好適なステージにある苗を意味する。したがって、「成苗期を経過した植物体」とは、移植に好適なステージを経過した植物体であって、典型的には苗床や育苗ポットから本圃やより大きいポット等に移植された直後から成熟期までのステージに相当するステージにある植物体を意味する。また、「成苗期を経過した植物体」には、培養細胞、培養組織、カルスは包含されない。
本発明において、「ストレス」とは、通常の環境下においては生じないことが望まれる、植物の生育に不利な影響を及ぼす要素、例えば紫外線の照射、土壌水分の過不足、過剰な塩分、低空気湿度、病害虫、密植等を意味する。
本発明の方法のうち、植物の栽培が室内で行われるものにおいては、植物体内における二次代謝物の均質かつ高純度な産生を、環境に影響を与えることなく、また環境条件ならびに外部由来因子および生物の影響を受けることなく可能とするといった効果も奏するため好適である。
1)植物の二次代謝物の増産および迅速な生産のための環境の最適化。
2)環境、季節、地理および政治的制限の除去または低減。
3)外部環境の影響を受けることのない、空気の温度、湿度、二酸化炭素濃度および気流の速度の制御の実現。
4)土地および農業資材の使用量の削減。
5)植物の生育および二次代謝物の濃度の増大。
6)二次代謝物の品質の均一化および二次代謝物を用いた製品の品質規準の国際的な統一。
7)必要な場合における、開花の抑制または促進。
8)生産の迅速化。
9)特定の植物における二次代謝物の、生化学的特性の普遍的な特徴付け。
10)遺伝子工学による優良クローンの選抜および遺伝形質の改良の実現。
11)優良な生殖細胞の長期保存および選抜された優良な生殖細胞の短時間および低労働による生育の実現。
12)殺虫剤、殺菌剤、除草剤等の農薬の使用の省略、肥料の再利用化による環境汚染の回避。
13)屋外や温室での栽培が制限されている遺伝子組換え植物の栽培。
また、好ましい光の波長は、600nm〜700nmであり、色としては赤色である。白色光がこれに次いで好ましい。なお、これらの色を有する光は、単色光のみならず、これらの色の光を主成分とする、すなわち、これらの色の光が最も大きい割合を占める複色光も包含する。
これらの植物の葉、茎、花は、抗鬱活性、抗菌活性、抗利尿作用等を有することが知られ、近年抗腫瘍活性を有することも知られるに至っているハイペリシンまたはその誘導体を産生するため、古くから医用植物として用いられている。したがって、本発明の方法のうち、オトギリソウ科植物の植物体内におけるハイペリシンまたはその誘導体(シュードハイペリシン:pseudohypericin、ハイパーフォリン:hyperforin等)の産生を顕著に増大せしめるものは、医薬の提供の観点から好ましい。とくに好適に用いられるオトギリソウ科植物は、セイヨウオトギリソウ(学名:Hypericum perforatum、英名:St John's Wort)およびオトギリソウ(学名:Hypericum erectum)である。
これらの植物の根または根茎は、抗ウィルス活性等を有するグリチルリチン酸(glycyrrhizin)またはその誘導体を含有する甘草(カンゾウ)の供給源として、医用目的等に、また甘味を有するため食品添加物として、それぞれ用いられている。とくに近年、抗HIV活性および抗SARS活性が見いだされるに至り、グリチルリチン酸は一層注目を集めている。したがって、本発明の方法のうち、Glycyrrhiza属植物の植物体内におけるグリチルリチン酸またはその誘導体の産生を顕著に増大せしめるものは、医薬の提供の観点から好ましい。
〔実施例1〕
セイヨウオトギリソウ(St John's Wort)における二次代謝物の産生の増大
1.材料と方法
1.1 植物、処理および生育条件
・移植前の植物・・・30日令のセイヨウオトギリソウの苗(8枚の展開葉を有する)
苗の生育条件:人工照明(100μmolm−2s−1PPF)付き閉鎖系
日長:16L8D(16時間明期8時間暗期)
温度:明期、暗期のそれぞれにおいて27℃および25℃
土:湿った混合土壌(ヤンマー農機(株))150g
光度(PPF):100、300、600μmolm−2s−1
CO2濃度:500、1000、1500μmol mol−1
生育条件:7日間の100μmolm−2s−1PPFの後、移植14日後に300μmolm−2s−1PPF、移植21日後に600μmolm−2s−1PPFとした。
日長:16L8D(16時間明期8時間暗期)
温度:明期、暗期のそれぞれにおいて27℃および25℃
相対湿度:70±5%
栄養液剤のpH・・・5.5
試験期間・・・45日
栽植密度・・・178株m−2
施肥:ハイポネックス(登録商標、N:P:K=6:10:5、株式会社ハイポネックス)を正規の力価の半分として、3日ごとに行った。
対照:2004年7月14日−8月28日に、千葉大学園芸学部構内圃場において栽培した植物。ハイポネックス(登録商標)を正規の力価の半分として、毎日与えた。栽植密度は12株m−2。気象条件の変化は図1に示すとおり。
(1)移植45日後に生重量、乾燥重量を、茎、葉、根について測定。茎の節数も数えた。
(2)クロロフィル濃度の測定
植物体先端部(shoot)から数えて5番目の葉(0.020±0.005g)を移植後45日目に回収したものを対象として、Porra et al.(1989) , Biophysica Acta 975, 384-394に基づいて行った。
(3)純光合成速度(Net photosynthetic rate: Pn)の測定
上位から5番目の、完全に展開した葉について、移植後43日目に、携帯用光合成システム(LI-COR-6400登録商標、LI-COR Inc., USA)を用いて行った。
制御された環境において生育せしめた植物については、各々の処理条件下(表1)において測定を行った。野外において生育せしめた植物については、二酸化炭素濃度400μmol mol−1、気温34℃の条件下(2004年8月26日の正午頃)において行った。
ハイペリシン、シュードハイペリシシンおよびハイパーフォリンの抽出、化学分析は、Zobayed et al. (2004), Plant Sci. 166, 333-340に記載の方法を改変した方法によって行った。概略は、以下のとおりである。
6番目および7番目の完全展開葉(生重量0.25g)を黄色のエッペンドルフ管(1.5mL)に入れ、直ちに液体窒素中にて凍結し、−85℃にて保存した。1mLの2%(v/v)DMSOのメタノール溶液を各サンプルに入れ、MM200(登録商標、Retch Gmblt& Co., Germany)を用いて30Hzにて6分間粉砕した。次に4000rpm(1467xg)、4℃にて、15分間遠心分離を行った(Kubota(登録商標)、(株)クボタ)。抽出液(0.5mL)を0.2μmのシリンジフィルタ(Dismic-13HP、Advantech、東洋濾紙株式会社)によって濾過し、0.5mLの2%(v/v)DMSOのメタノール溶液を加えて希釈した。アリコートの半分ずつを、ハイペリシンおよびシュードハイペリシシンならびにハイパーフォリンの分析に用いた。
ハイペリシンおよびシュードハイペリシシン分析用のサンプルは、透明なガラスバイアルに入れ、155±5μmolm−2s−1PPFの光源(100Wタングステンランプ、東芝)を40分間照射し、近似体(proto-form)をハイペリシンおよびシュードハイペリシシンに変換した。
20μlの抽出物のサンプルをPhenomenex Hypersil C18カラム(3.0μm、4.6mm×100mm)に注入し、HPLCシステムに設置した。該HPLCシステムは、SCL−10Aシステムコントローラ、SIL−10Aオートインジェクタ、およびCTO−10Aカラムオーブン(島津製作所)からなる。分析検体のアイソクラチックな分離を、移動相として0.1molL−1の酢酸トリエチルアンモニウムおよびアセトニトリル(33:67、v/v)を用い、流速をハイペリシンおよびシュードハイペリシシンならびにハイパーフォリンに対して、0.5mLmin−1および1.0mLmin−1として行った。
定量は、ピーク面積(RTは、それぞれに対して5.8分、3.5分および7.8分)を標準曲線と比較して行った。
二次代謝物の濃度はmgg−1葉の乾燥重量によって表し、それらの量は前記濃度に植物体の総の乾燥重量を乗じて求めた。
試験は3×3の変動要因につき、完全ランダムデザインによって、10反復にて行った。試験は2回行った。統計的有意度の決定は、一元配置分散分析(ANOVA)によって、Sigma Stat program(Windows(登録商標)のSigma Stat((商標)V2.03,SPSS Inc.)を用いて行った。平均値の差は、Student-Newman-Keuls testにより、P≦0.05として評価を行った。
セイヨウオトギリソウの生重量および乾燥重量は、光合成光子量束密度(PPF)および/またはCO2濃度の増大に伴って増加した(図2〜4)。移植後45日目には、HH処理区おいて生重量および乾燥重量は最大となり、それぞれ対照区(FC)の29倍および30倍となった。生重量および乾燥重量は、PPFが300または600μmolm−2s−1の場合、CO2濃度の増大に伴って増加した。
茎の節の数は、PPFおよび/またはCO2濃度の増大に伴って増加した(図5)。茎の節の数は、HH処理区おいて最大となり、対照区の約4倍であった。
制御した試験区においては、ハイパーフォリンの濃度はPPFの増大に伴って増加し、300または600μmolm−2s−1において最大となった(図8C)。全体では、MH処理区におけるハイパーフォリンの濃度が最大となり、対照区の45倍の量となった。
Glycyrrhiza uralensisにおける二次代謝物の産生の増大(紫外線の影響など)
1.材料と方法
1.1 植物、処理および生育条件
・移植前の植物・・・10日令のGlycyrrhiza uralensisの苗(4枚の展開葉を有する)
Glycyrrhiza uralensis(Fisch.)の種を濃硫酸に20分間浸漬した後水道水で数回洗浄し、湿った混合土壌(ヤンマー農機(株))を入れたマルチトレーに直ちに播種した。発芽4〜5日後にトレーを人工光(100μmolm−2s−1PPF(光合成有効光子量束))に保管した。
日長:16L8D(16時間明期8時間暗期)
温度:明期、暗期のそれぞれにおいて28℃および26℃
(1)水耕システムに移植したもの・・・苗(高さ5cm)を、プラスチックのトレー(長さ54cm×幅39cm×深さ8cm。栄養溶液を含む)に載せたスタイロフォーム・シートの孔(支持用のスポンジ付き)に入れた。
栽植密度・・・トレイ当たり12株(38株/m2)
処理当たりトレー数・・・3
(2)プラスチックポットに移植したもの・・・
土:湿った混合土壌(ヤンマー農機(株))。ポット当たり550g。
処理当たりポット数・・・30
栽植密度・・・52株/m2
日長:16L8D(16時間明期8時間暗期)
温度:明期、暗期のそれぞれにおいて28℃および26℃
CO2濃度:1000μmol mol−1
光度:7日間の100μmolm−2s−1PPF
相対湿度:65−70%
施肥:ハイポネックス(登録商標、N:P:K=6:6:6、株式会社ハイポネックス)を正規の力価として行った。
栄養液剤のpH・・・5.8
栄養剤の施用・・・プラスチックポットに移植したものにおいては3日ごとに行った。水耕システムに移植したものにおいては10日ごとに新しいものと交換し、栄養液の量を一定に保つために、2から3日に1回の頻度で、必要に応じてトレイに栄養液を補充した。
サンプルの回収・・・プラスチックポットに移植したものにおいては、移植後1、3および6ヶ月に、プラスチックポットに移植したものにおいては6ヶ月に行った。
移植後の生育条件・・・プラスチックポット(直径15cm、高さ19cm)に移植。室内の実験設備に静置。
栽培株数・・・60
他の生育条件、栄養条件・・・該当するものについて、プラスチックポットに移植したものにおける上記条件に同じ
UV−B照射・・・移植3ヶ月後に、下記各処理を行った。
i)高UV−B照射を短期間(1.13W m−2、3日間)、300μmolm−2s−1PPF
ii)低UV−B照射を長期間(0.43W m−2、15日間)、300μmolm−2s−1PPF
iii)対照(UV−B照射なし)、300μmolm−2s−1PPF
なお、各UV−B照射の期間およびその前後に純光合成速度(Pn)の測定も行った。
グリチルリチン酸の抽出、単離は、Sato et al. (2004), Plant Sci. 166, 333-340に記載の方法を改変した方法によって行った。概略は、以下のとおりである。
根組織(生重量0.4−0.45g FM)を黄色のエッペンドルフ管(20mL)に入れ、直ちに液体窒素中にて凍結し、−85℃にて保存した。
1mLの80%(v/v)エタノールを各サンプルに入れ、MM200(登録商標、Retch Gmblt& Co., Germany)を用いて30Hzにて6分間粉砕した。次に10,000rpmにて、10分間遠心分離を行った(Kubota(登録商標)、(株)クボタ)。抽出液を0.2μmのシリンジフィルタ(Dismic-13HP、Advantech、東洋濾紙株式会社)によって濾過し、300μLのアリコートを、プラスチック製のHPLCのオートサンプラーのバイアルに入れ、20μLのサンプルをインジェクションし、HPLCによってピーク面積からグリチルリチン酸を定量した。
試験は2回行った。統計的有意度の決定は、一元配置分散分析(ANOVA)によって、Sigma Stat program(Windows(登録商標)のSigma Stat(商標)V2.03,SPSS Inc.)を用いて行った。平均値の差は、Tukey testにより、P≦0.05として行った。
プラスチックポットに移植したものは、水耕システムに移植したものより生育が旺盛であり、形態の外観もより優れていた(図11a、11b)。
移植3ヶ月後において、水耕システムに移植したものの葉および茎の状態は、赤色光照射区および青色光照射区と対照(白色光照射区)との間に差はなかった(図13a〜13d)。これに対して、根の生重量および乾燥重量においては、赤色光照射区および青色光照射区は対照より小さかった(図13e、13f)。
移植3ヶ月後および6ヶ月後の根の生重量および乾燥重量は、赤色光照射区において青色光照射区よりそれぞれ1.9倍、1.3倍および2倍、1.5倍大きかった(図15a、15b)。
グリチルリチン酸の濃度に対する照射光の影響については、赤色光照射区においてグリチルリチン酸の濃度は最も高く、対照区がこれに次ぎ、青色光照射区において最も低かった。
なお、各UV−B照射期間における純光合成速度は、その前後の期間より小さかった(図18、19)。
Claims (5)
- Glycyrrhiza属の植物におけるグリチルリチン酸またはその誘導体の産生を増大せしめる方法であって、
成苗期を経過した植物体に対して、600nm〜700nmの波長の光を含む単色光または複色光の照射を行い、さらにUV−Bの照射でストレスを与えることを含む、前記方法。 - 室内で行われる、請求項1に記載の方法。
- UV−Bの照射量が、全照射量として、2.5〜7.5Wm−2である、請求項1または2に記載の方法。
- UV−Bの照射が、2日〜20日の範囲で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 植物が、Glycyrrhiza uralensisである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
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