JP4686187B2 - キメラmhcタンパク質およびそのオリゴマー - Google Patents

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Description

本発明はキメラMHCタンパク質、同タンパク質をコードする発現カセット、ベクター、上記キメラタンパク質のオリゴマー、該オリゴマーを使用することにより、哺乳動物T細胞の有する抗原レセプターの特異性に従いそれらを標識、検出および分離する方法、ならびに上記キメラタンパク質を構築するのに好適なプライマーに関する。
主要組織適合性複合体(MHC)分子は、組織の細胞の表面に見出され、細胞抗原を短い直鎖状ペプチドの形でT細胞に対し提示し、T細胞表面にあるT細胞レセプター(TCRs)と相互作用させるのに重要な役割を果たしている。
単離形または組換え体形状のMHC−ペプチド分子は、それらT細胞が認識する特異的ペプチド抗原に拠ったT細胞の検出、分離および操作に有用であることが明らかにされている。また細胞表面を横切るMHC分子とTCRs間の相互作用は多量体型であること、そしてあるTCRに対して単一型のMHC分子の親和性が一般には低親和性であることも分かっている。
そのために上記応用にとってより有用な分子を作るために、多量体型の単離または組換え体MHC−ペプチド分子を開発する努力が払われている。
欧州特許出願EP 812 331号は哺乳動物T細胞をそれらが有する抗原レセプター特異性に従い標識、検出および分離するための多量体結合複合体を開示しており、このとき複合体は式(α−β−P)nを有する(式中の(α−β−P)はMHCペプタイド分子であり、nは≧2であり、αはMHCIまたはMHCIIクラス分子のα鎖を含み、βはMHCタンパク質のβ鎖を含み、そしてPは実質的に均質なペプチド抗原である)。MHCペプチド分子は、MHC分子のαまたはβ鎖の一つのC末端をビオチン化し、MHCモノマーを4価のストレプトアビジン/アビジンと結合することにより、あるいはαまたはβ鎖の一つのC末端において多量体化の実体として働く対応する抗体が認識するエピトープを含むよう修飾されているMCH分子のキメラタンパク質を提供することによって多量体化される。明細書はさらに、TCR特異性に拠る特定T細胞の検出、標識および分離へのMHCオリゴマーの使用も教示する。
欧州特許出願EP 665 289は特異的ペプチド、これらペプチドを結合しているMHC分子、およびそれぞれ特異的ペプチドが結合している各MHC分子を架橋して得たオリゴマーとを開示している。オリゴマー化は、化学架橋剤を使用すること、またはIgGもしくはIgMのような免疫グロブリンにより認識されるエピトープを含むMHCキメラタンパク質を提供することにより達成する。MHC分子は標識を含んでもよく、そしてそれらの特異的レセプター結合に拠ったT細胞の標識、検出および分離に使用してもよく、実際にヒトの治療に用いてもよい。
国際出願WO93/10220はMHC分子の可溶性部分を含むキメラMHC分子であって、免疫グロブリン定常域と融合したクラスIまたはクラスIIMHCのいずれかであるキメラMHC分子を開示する。分子のMHC部分は、相補的なαおよび/またはβ鎖を含み、そしてペプチドはMCH分子の各結合グローブ内に結合している。2量体免疫グロブリンの存在により、これらキメラMHC−Ig分子は自己集合して2量体構造を形成する。
別の研究では、これまで軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質(COMP)のオリゴマー化ドメインは複数のタンパク質を多量体化するツールとして用いられきた。COMPはEfimovと共同研究者らにより記載され、特徴付けが行われている(Proteins: Structure、Function、and Genetics 24: 259〜262(1996年)参照)。COMPはトロンボスポンジンファミリーの5量体糖タンパク質である。5量体を形成するタンパク質の自己集合は、該タンパク質のN−末端64個のアミノ酸残基を包含する5本の鎖が螺旋状の束を形成することで達成される。上記多量体化ドメインのアミノ酸配列についてはEfimovらが、FEBS Letters 341:54〜58(1994)に開示している。
国際特許出願WO 00/44908は、ヒト軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質(COMP)のN−末端領域に結合したTSP−1、TSP−2、エンドスタチン、アンジオスタチン、血小板因子4またはプロラクチンの抗血管新生活性部分を含有し、その結果5量体形成が可能となったキメラタンパク質を開示している。明細書は得られたキメラタンパク質が伝達する抗血管新生作用を活用することに主に関係している。この開示によれば、キメラタンパク質はその中に含まれるTSP−ドメインが正しく折りたたまれ易くし、その結果これらキメラタンパク質はTSR配列に基づくペプチドに比べより天然のタンパク質に近い。
米国特許第6、218、513号は、グロブリンのオリゴマー形成に適した非天然型結合ドメインを含有するグロブリンを開示している。COPMオリゴマー化ドメインは、開示された結合ドメインの1つである。オリゴマー化による利点は、単量体グロブリンタンパク質に比しサイズが大きくなることによるオリゴマー化グロブリンタンパク質の半減期の延長、故に血管内分解に対する抵抗性の向上ならびに血管外溢出の減少に関係する。
Hollerら、Journal of Immunological Methods 237: 159〜173(2000年)は、IgG定常領域もしくはCOMP自己集合ドメインに融合したTNF−レセプターファミリーメンバーを含むオリゴマー化レセプターに基づくFasLおよびCD40Lの改良型可溶性インヒビターの開発を開示している。そこでは、TNF−レセプターファミリーのオリゴマー可溶性キメラレセプターに見られる親和性の上昇は一般的な現象ではないと結論している。この様なオリゴマーキメラレセプターのそのリガンドに対する親和性は、考慮の対象となる具体的なレセプター−リガンドの組に依存しており、近い関係にある蛋白質間でさえ大きく異なることが分かっている。
前記MHCタンパク質の多量体化の試みには幾つかの欠点が提示されている。化学的架橋は、例えば最終的なMHCオリゴマーに予想不能な構造をもたらし、それは複合体によって大きく異なると思われる。その結果、標的への結合も同様に最終的なオリゴマーの構造に応じて変化するだろう。このことは転じてオリゴマーを使用しているアッセイシステムの正確性および信頼性を損なうこともある。最悪の場合、化学的架橋が機能的MHCオリゴマーの集合形成を阻害することもあるだろう。
国際特許出願WO93/10220に記載されている様に、1または2本のMHCポリペプチド鎖と免疫グロブリン分子の定常領域とを融合させると2量体のMHC分子複合体が出来る。2量体相互作用は複合体の親和性を上昇させるが、抗原特異的T細胞の検出またはかかる細胞を上手く活性化するといった様々な応用に求められる親和性を得るには抗イディオタイプ抗体またはプロテインAもしくはGを使ってさらに多量体化を進める必要があるだろう。しかしこの様な2段階の多量体化工程は実行に時間がかかり、最終生成物の均一性を制御するのが困難である。
ビオチン/ストレプトアビジン結合ペアの様な非ヒト性の結合パートナー、または一方に非ヒト性の抗体を使用してMHCモノマーを多量体化すると、オリゴマーの中に非ヒト性タンパク質成分が取り込まれる。これにより、インビボ(in vivo)での使用を想定する応用、例えばヒトの治療といった応用では、複合体が毒性を有する可能性および/または複合体のこの非ヒト部分に対する免疫反応が懸念される。それ故に、オリゴマー複合体中では非ヒト部分を回避することが望ましいだろう。
さらにビオチン−ストレプトアビジン相互作用に基づくMHC多量体の生成では、数回のタンパク質精製段階およびビオチン化反応を含め多数の工程段階を包含しており、それにより活性物質が大きく失われることもある。さらに単体のMHCサブユニットのビオチン化効率、および最終の多量体生成物の品質を制御することは困難である。
当技術分野より利用可能なMHCオリゴマーは、MHCモノマーそのものに比べ複合体の親和性を確かに高める。しかしながら、複合体合成の複雑度を上げることなく、一方でかかる合成により高い均一性を有した分子を確実に生成しながら、親和性をさらに高めることが強く望まれている。
本発明の目的は、従来技術の持つ上記欠点およびその他不利益を克服すること、ならびにT細胞レセプターおよびタンパク質配列への結合に同時に利用でき、非ヒト成分の含有を最小限に留める均一で高い結合価を持つMHCペプチド成分を用いて容易に製造できる多量体MHCペプチド複合体を提供することである。
発明の概要
上記の従来技術の不利益および欠点は、MHCペプチド鎖またはその機能的部分に由来する第1セクションおよびオリゴマーMHC複合体を形成するオリゴマー形成コイルドコイル(coiled-coil)タンパク質に由来するオリゴマー化ドメインを含む第2セクションとを含む少なくとも2つのキメラタンパク質を用いることで克服される。
従って本発明の第一の局面は、少なくとも2つのキメラタンパク質を含むオリゴマーMHC複合体であって、前記キメラタンパク質がMHCペプチド鎖もしくはその機能的部分に由来する第1セクションとオリゴマー形成コイルドコイルタンパク質に由来するオリゴマー化ドメインを含む第2セクションとを含み、オリゴマーMHC複合体の形成が該キメラタンパク質のオリゴマー化ドメインでのオリゴマー化形成により生じ、そして上記オリゴマーに含まれる全キメラタンパク質の第1セクションの少なくとも2つが同一のMHCペプチド鎖に由来するもものであるオリゴマーMHC複合体に関する。
キメラタンパク質の第1セクションは、MCHクラスIもしくはIIα鎖の細胞外部分に由来するのが好ましい。あるいは、キメラタンパク質の第1セクションはMHCクラスIもしくはIIβ鎖の細胞外部分に由来するものでもよい。
発明の好適実施態様では、キメラタンパク質の第2セクションに含まれるオリゴマー化ドメインは、ヒト軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質(COMP)の5量体化ドメインに由来する。より好ましくは、キメラタンパク質の第2セクションに含まれるCOMPの5量体化ドメインは上記タンパク質のアミノ酸1〜128を、好ましくは20〜83を、最も好ましくは20〜72を含み、そしてこれらアミノ酸より成るのが好ましい。
好ましくは、キメラタンパク質はさらにMHCペプチド鎖(第1セクション)とオリゴマー化ドメイン(第2セクション)との間に第1リンカーを含む。
好ましくは、オリゴマー中のキメラタンパク質の少なくとも1つは、第2リンカー、タグ化ドメインおよび精製ドメインより成る群から選択するドメインを1またはそれ以上含む。
発明の別の実施態様は、少なくとも2つのキメラタンパク質に対し相補的であるMHC結合ペプチド鎖をさらに含み機能的MCH結合複合体を形成する上記オリゴマーMHC複合体に関する。
好ましくは、発明の第1局面によるオリゴマーMHC複合体は、クラスI複合体に関してはMHCα1およびα2ドメイン、そしてクラスII複合体に関してはMHCα1およびβ1ドメインにより形作られるグローブ内で複合体のMHC部分と結合するペプチドを含む。
発明のオリゴマーMHC複合体は標識を含んでもよい。好ましくは、標識は光検出標識、放射活性標識、酵素、エピトープ、レクチンまたはビオチンより成る群から選択される。
発明の第2の局面では、MHCペプチド鎖またはその機能的部分に由来する第1セクションおよびオリゴマー形成コイルドコイルタンパク質に由来するオリゴマー化ドメインを含むキメラタンパク質であって、コイルドコイルタンパク質は該オリゴマー化ドメインが由来する少なくとも2つの実質的に同一版のポリペプチド鎖が並置することでオリゴマーを形成するキメラタンパク質に関する。好ましくは、オリゴマー化ドメインはCOMPの5量体化ドメインに由来する。より好ましくは、オリゴマー化ドメインはCOMPのアミノ酸1〜128、好ましくは20〜83、最も好ましくは20〜72を含み、好ましくはこれらアミノ酸より成る。
発明の第3の局面は、上記発明のオリゴマーMHC複合体の取り込みに適した、キメラタンパク質をコードするヌクレオチド配列に作動的に連結したプロモータ配列を含む組換え体発現カセットに関する。
発明の第4の局面は、上記組換え体カセットを含むベクターに関する。
発明の第5の局面は、発明のオリゴマーMHC複合体を含む医薬または診断組成物に関する。
発明の第6の局面は、それらの抗原レセプターの特異性に基づく哺乳動物T細胞を標識および/または検出する方法であって、方法が
(i)発明のオリゴマーMHC複合体とT細胞を含む浮遊液もしくは生物学的サンプルとを混合すること、および
(ii)上記複合体とT細胞の特異的結合の存在を検出すること、
を含む方法に関する。
発明の第7の局面は、それらの抗原レセプターの特異性に基づく哺乳動物T細胞を分離する方法であって、方法が
(i)発明のオリゴマーMHC複合体とT細胞を含む浮遊液もしくは生物学的サンプルとを混合すること、および
(ii)上記複合体と結合したT細胞を未結合の細胞から分離すること、
を含む方法に関する。
発明のその他の局面では、発明はさらに上記キメラペプチドの構築に有用なプライマーにも関係する。
発明の詳細な説明
発明のオリゴマーMHC複合体は、従来技術の不利益および欠点を解決するためのものである。より具体的には、発明者は上記オリゴマーMHC複合体が、例えばビオチンおよびストレプトアビジンを介した結合によるMHC複合体の4量体化によって得られるオリゴマーに比べて実質的に高いT細胞レセプターに対する親和性を獲得できることを見出した。理論と結びつける意図なしに、この親和性の上昇は3個またはそれ以上のMHC分子を実質的に同一面に配置し、全ての結合面を同一方向に向けた時に達成されると思われる。これに対し、ストレプトアビジン結合の4量体複合体は四面体配置を取っており、T細胞表面との接触に同時に利用できるMHC結合ドメインは3つまでである。発明の複合体はさらに選択した標識による活性MHCドメインへの干渉を最小限に留めたまま効率的な標識が可能であるが、これは標識がオリゴマー形成コイルドコイルドメインの反対端部に配置されるからである。
本発明の範囲内では「オリゴマー形成コイルドコイルタンパク質」とはオリゴマー化ドメインを含むタンパク質を意味する。上記ドメインは2またはそれ以上のポリペプチドサブユニットを含むが、これらサブユニットは同一でも、または同一でなくともよい。かかるオリゴマー化ドメインの2またはそれ以上のサブユニットは互いに集合し、オリゴマー化ドメイン内の各サブユニットは集合状態の中で実質的に螺旋型の立体構造をとるが、この時オリゴマー化ドメイン内のサブユニットはある識別可能な軸に沿って配置され、そしてオリゴマー化ドメインは上記軸に沿って2つの識別可能な両端部を有し、さらに少なくとも2つのポリペプチドサブユニットは上記軸に沿った同一のアミノ〜カルボキシル方向を示す。このようなオリゴマー化ドメインおよびオリゴマー形成コイルドコイルタンパク質は、たとえば本明細書導入部に引用されている様に当分野既知である。
オリゴマー化ドメインはいずれかの種の好適オリゴマー形成コイルドコイルタンパク質
に由来するだろう。MHC分子はヒト型のオリゴマー形成コイルドコイルタンパク質のオリゴマー化ドメインと融合するのが好ましく、この場合複合体をヒトに投与した場合でも不要な免疫反応および/または拒絶反応は最小限に留められるだろう。
オリゴマー形成コイルドコイルタンパク質の例としては、各種タイプのコラーゲン、マンノース結合蛋白の様なC−レクチンのトリプルコイルドコイルドメイン;C1q、ミオシン、p53に生ずる様なロイシンジッパー、GCN4、バクテリオファージp22 Mnt6リプレッサー;およびCOMPの様なトロンボスポンジンファミリータンパク質が挙げられる。オリゴマー化ドメインは軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質COMPに由来するのが好ましい。より好ましくは、MHC分子は上記の理由によりヒト型COMP
のオリゴマー化ドメインと融合する。
発明のオリゴマーMHC複合体に含まれるキメラタンパク質の数(n)は、キメラタンパク質の第2セクションの起源であるオリゴマー化ドメインのタイプに主に依存しており、一般には2またはそれ以上であり、好ましくはn=2〜10、最も好ましくはn=3もしくは5である。オリゴマー化するキメラタンパク質の第2セクションが、例えばCOMPの5量体化ドメインに由来する場合にはこの数は典型的には5であり、オリゴマーは5量体(n=5)であるが、これらオリゴマー化ドメインがコラーゲンに由来する場合にはこの数は3であろう(n=3)
従って本発明の第1の局面はMHCペプチド鎖もしくはその機能的部分に由来する第1セクションと、オリゴマー形成コイルドコイルタンパク質のオリゴマー化ドメインを含む第2セクションとを含むキメラタンパク質を包含するオリゴマーMHC複合体に関する。第1セクションのMHCペプチド鎖はキメラタンパク質のN末端部分を形成するのに対し、第2セクションのオリゴマー化ドメインはそのC末端領域内に位置しているが、両セクションはどのような順番でもよいだろう。しかしながら、好ましい配置ではMHC部分はいずれの場合でもその機能的特性を維持できるだろう。
本明細書で使用する場合、用語「キメラタンパク質」は、そのアミノ酸配列の少なくとも一部は2種類の天然産タンパク質もしくはタンパク質鎖部分、本例ではMHCペプチドおよび少なくともオリゴマー化ドメインの有意な部分を実質的に含むペプチドに由来する単一ペプチドタンパク質を意味する。本明細書で使用する場合、用語「その機能的部分」とは、起源となる完全長ペプチドの望まれる機能的特徴を提示し続けているペプチド鎖の一部分を意味する。従ってMHCではペプチド鎖は、必要に応じて、その相補的MHCペプチド鎖により完成した時あるいは集合した時に、抗原性ペプチドを結合できるペプチド鎖を意味している。用語「相補的」MCHペプチド鎖とは、天然のMHC複合体で対を成すペプチド鎖同士を意味する。MHC複合体のα鎖の相補的鎖はβ鎖であり、その逆もまた同じである。
第1実施態様によれば、キメラタンパク質内のMHCペプチド鎖はMCHクラスIまたはIIα鎖の細胞外部分である。別の実施態様によれば、MHCペプチド鎖はMHCクラスIまたはIIβ鎖の細胞外部分である。MHCタンパク質は脊椎動物種、例えば霊長類種、特にヒト;マウス、ラット、ハムスターおよびウサギを含む齧歯類;ウマ、ウシ、イヌ、ネコ;等由来のものであろう。特に興味深いものはヒトHLAタンパク質、およびマウスH2−タンパク質である。HLAタンパク質に含まれるものとしては、クラスIIサブユニットHLA−DPα、HLA−DPβ、HLA−DQα、HLA−DQβ、HLA−DRαおよびHLA−DRβ、ならびにクラスIタンパク質HLA−A、HLA−B、HLA−C、そしてβ2−ミクログロブリンが挙げられる。マウスH−2サブユニットに含まれるものとしては、クラスI H−2K、H−2D、H−2L、ならびにクラスII I−Aα、I−Aβ、I−EαおよびI−Eβ、そしてβ2−ミクログロブリンを挙げることができる。幾つかの代表的なMHCタンパク質のアミノ酸配列は欧州特許EP 812 331号内に引用されている。
好適実施態様では、MHCペプチド鎖は通常膜に結合している蛋白の可溶性形態に相当する。クラスIサブユニットの場合、可溶性形態は天然形態より膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを削除して得られる。クラスIタンパク質では、可溶性形態はα鎖のα1、α2およびα3ドメインを含むだろう。クラスIIタンパク質では、可溶性形態はα鎖またはβ鎖の各α1およびα2、またはβ1およびβ2ドメインを含むだろう。
含まれる膜貫通ドメインのアミノ酸は約10未満、一般には約5未満であり、好ましくは全く含まないだろう。欠失はα3ドメイン内に約10アミノ酸程度まで及んでも良いだろう。α3ドメインのアミノ酸は欠失しないことが好ましい。欠失は、それが機能的なジスルフィド結合構造物に折りたたまれるα3ドメインの能力を妨げないものであろう。クラスIβ鎖、β2mはもともと膜貫通ドメインを欠いた形態であるため、切断する必要はない。一般的には、クラスIIサブユニットをクラスIサブユニットと共に使用することはない。
上記の欠失はクラスIIサブユニットにも同様に適用される。欠失はα2またはβ2ドメイン内に約10アミノ酸まで及んでも良いが、α2またはβ2ドメインのアミノ酸は欠失しないことが望ましい。欠失は、それが機能的なジスルフィド結合構造物に折りたたまれるα2またはβ2ドメインの能力を妨げないものであろう。
ポリペプチド末端に少数のアミノ酸を導入することを望む場合、その数は一般的には25を越えない、より一般的には20を越えないであろう。アミノ酸の欠失または挿入は、一般にクローニングでの必要から、例えば有利な制限部位等を提供するため、および分子集合に於ける潜在的立体配置問題を解消するために行われる。さらに、同様の理由から1またはそれ以上のアミノ酸を別のアミノ酸と置換することが望まれる場合でも、一般に1つのドメイン内で約5を超えるアミン酸を置換することはない。
本発明によれば、上記キメラタンパク質の第1セクションに含まれるMHCペプチド鎖は、好ましくはそのC末端で、オリゴマー形成コイルドコイルタンパク質のオリゴマー化ドメインと融合する。COMPの5量体化ドメインをオリゴマー化ドメインとして用いる場合、このドメインは本発明の開示の背景技術で論じた様に、上記タンパク質のN末端のアミノ酸1〜128より、好ましくは20〜83、最も好ましくは20〜72を含み、よりこのましくはこれらアミノ酸より成る。アミノ酸の番号の付け方に関しては、Efimovら、FEBS Letters 341: 54〜58(1994年)を参照せよ。さらに、発明のキメラタンパク質のMHC部分と同様に、オリゴマー化ドメインの自己集合が損なわれない範囲に於いて、このドメインもアミン酸置換、欠失または挿入により変更できる。
キメラタンパク質内での両ペプチド、即ちそれぞれMHCとオリゴマー化ドメインの融合は直接的であってもよく、または図1および2に示すようにMHCペプチドおよびオリゴマー化ドメイン(OD)を結合し、且つ隔てる第1リンカー(L1)を含有してもよい。リンカーの使用による連結が好ましい。一般に、この種のリンカーは30を越えない、好ましくは26を越えないアミノ酸を含むだろう。当分野では好適リンカーが知られており、例えば免疫グロブリンヒンジ領域もしくはセリングリシン反復配列が挙げられる。
図1および2にさらに示されている様に、発明のキメラタンパク質はさらに、好ましくはそのC末端に、1もしくはそれ以上の第2リンカー(L2)、ビオチン化ペプチド(BP)ならびにタグ化ドメインおよび/もしくは精製ドメイン(TD)をいずれかの順番で含んでいる。好適実施態様では、発明のキメラタンパク質は上記3種類のものを、記載の順番に含んでいる。一般に第2リンカーは25を越えない、好ましくは20を越えないアミノ酸を含み、前記第1リンカーに関する説明があてはまるだろう。
発明のキメラタンパク質に場合により含まれるタグ化ドメインは、タンパク質を標識できると見込まれるドメインであればいずれでもよい。好ましくは、タグ化ドメインは標識を含有する。この標識は抗体により認識されるエピトープ、または光検出可能もしくは放射活性標識の様な、ドメインそのものに含めることができる。好ましくは、標識はFITCの様な蛍光マーカー、R−もしくはB−フィコエリスリンの様なフィコビリプロテイン、アロフィコシアニン、Cy3、Cy5、Cy7、発光マーカー、125Iもしくは32Pの様な放射活性標識、西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼ、例えば小エビアルカリホスファターゼ(alkaline shrimp hposphatase)のような酵素、エピトープ、レクチンまたはビオチン/ストレプトアビジンより成る群から選択される。
標識自体がタンパク質である場合は、標識に用いるタンパク質のポリペプチド鎖をキメラタンパク質、好ましくはそのC末端と融合してタンパク質を標識できる。例えばグリーンフルオレセントプロテイン(GFP)またはフィコビリプロテインのサブユニットの様な蛍光タンパク質をこのキメラに用いることができるだろう。GFPキメラタンパク質技術は当分野周知である。フィコビリプロテインの好適ドメインを含むキメラタンパク質は、例えば国際特許出願WO 01/46395号に記載されている。
あるいは、標識をタグ化ドメイン内に与えられた特異的結合部位に結合してもよい。例えばタグ化ドメインは、タグ化ドメインの部位特異的にビオチン化でき、その結果ストレプトアビジン/アビジンによる認識を可能にするビオチンタンパク質リガーゼBirAの認識部位を含んでもよい。BirAの好適認識配列は欧州特許EP 711 303号に記載されている。同様にレクチンを結合してもよく、または修飾酵素のアミノ酸認識配列を発明のキメラタンパク質のアミノ酸配列内に組込むことによってその他の部位特異的酵素修飾を行ってもよい。その他の可能なタイプの酵素修飾は欧州特許EP812 331号に記載されている。あるいは、好適に標識された抗体、または標識F(ab)断片の様な抗体断片を結合させても標識できる。
場合により、発明のキメラタンパク質に含まれることがある精製ドメインは、例えば特異的結合特性を提供することによって発明のタンパク質の精製を支援するいずれのドメインでもよい。これに相応しい配列は当業者に知られており、それらがキメラタンパク質の機能的MHCおよびオリゴマー化ドメインを妨害しない限りにおいて利用できる。精製ドメインはヘキサヒスチジン配列であることが好ましい。
本発明の第1の局面によれば、発明は上記キメラタンパク質の第2セクション内にあるオリゴマー形成コイルドコイルタンパク質のオリゴマー化ドメインが自己集合することでオリゴマー化し形成されるオリゴマー化MHC複合体に関する。オリゴマー化ドメインのオリゴマー化は、一般的には自発的に起こり、キメラタンパク質の安定したオリゴマーを生ずる。典型的には、オリゴマー複合体は複数の同一モノマーサブユニット(少なくともそれらのMHC部分に於いては、オリゴマー化ドメインに依存している)より成るだろう。しかし望まれる場合には、それらのMHC部分において異なる2つ以上のキメラタンパク質をオリゴマー化前に混合してもよい。それによって均一なオリゴマーが得られてもよい。しかしながら、一般には各複合体内の少なくとも2つのキメラタンパク質は同一のMHCαもしくはβサブユニットに由来する第1セクションを含むだろう。n>2の場合には、オリゴマーは各複合体内に2つのキメラタンパク質を含有し、それらタンパク質は同一のMHC分子に由来する第1セクションを含むだろう。
COMPのオリゴマー化ドメインを用いて安定したキメラタンパク質の5量体を自発的に集合させることが好ましい。
オリゴマーMHC複合体はさらに相補的MHCペプチド鎖を含んで上記の機能的MHC結合複合体を形成してもよく、そしてクラスIMHC複合体についてはMHCα1およびα2ドメインにより、またクラスIIMHC複合体についてはMHCα1およびβ1ドメインにより形作られるグローブ内に結合するペプチドを含んでもよい。ペプチドは実質的に均一であることが好ましい。
クラスIMHCタンパク質との複合体の場合には、抗原性ペプチドは約6〜14アミノ酸長であり、通常は約8〜11アミノ酸長である。クラスIIMCHタンパク質との複合体の場合には、ペプチドは約6〜35アミノ酸長であり、通常は10〜20アミノ酸長である。ペプチドは様々なタンパク質に由来する配列を有するだろう。多くの例では、T細胞エピトープとして機能するペプチドを使用することが望ましいだろう。当分野では、数多くの抗原のエピトープ配列が知られている。
あるいは、エピトープ配列は天然のMHCタンパク質に結合したペプチドを単離して配列決定することにより、標的配列から演繹される一連の抗原性ペプチドを合成してから各種ペプチドに対するT細胞反応性についてアッセイすることにより、またはこれらペプチドを使って一連のMHC−ペプチド複合体を生成してT細胞結合を定量化することによって経験的に決定してもよい。合成ペプチドの合成、配列確認、および関連する最小抗原性配列の特定を包含するペプチド調製法は当分野既知である。いずれの場合も、オリゴマーMHC複合体に含まれるペプチドは実質的に均一であることが好ましく、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95%のペプチドが同一であることを意味する。
第2の局面では、本発明はキメラタンパク質そのものに関しており、そのキメラタンパク質は発明のオリゴマーMHC複合体にオリゴマー化できる。キメラタンパク質はMHCペプチド鎖もしくはその機能的部分に由来する第1セクションと、オリゴマー形成コイルドコイルタンパク質に由来するオリゴマー化ドメインを含む第2セクションとを含むが、このコイルドコイルタンパク質はオリゴマー化ドメインの起源である実質的に同一版のポリペプチド鎖が少なくとも2つ並列することでオリゴマー化する。言い換えると、本発明のキメラタンパク質内にオリゴマー化ドメインを提供するのに用いられるオリゴマー形成コイルドコイルタンパク質は、ホモオリゴマーまたはヘテロオリゴマーであろう。しかし一般的には、それはそのオリゴマー化ドメイン内に、オリゴマー形成時に並列する、実質的に同一であるポリペプチド鎖セクションを2またはそれ以上のコピー含んでいる。オリゴマー化ドメインはCOMP5量体化ドメインに由来することが好ましい。好適実施態様は、オリゴマーMHC複合体そのものに関する上記実施態様に同じである。
第3の局面では、本発明はMHCペプチド鎖もしくはその機能的部分をコードしている第1ヌクレオチド配列およびCOMPのオリゴマー化ドメインのコードする第2ヌクレオチド配列とに作動可能に連結しているプロモータ配列を含む組換え体発現カセットに関する。第1実施態様では、第1ヌクレオチド配列はMHCクラスIもしくはIIα鎖の細胞外部分のMHCペプチド鎖をコードしている。第2実施態様では、第1核酸配列はMHCクラスIもしくはIIβ鎖の細胞外部分のMHCペプチド鎖をコードしている。好ましくは、第2ヌクレオチド配列はCOMPのアミノ酸1〜128、好ましくは20〜83、最も好ましくは20〜72をコードする。COMP配列はヒトCOMPに由来するのが好ましい。
一般的には、本明細書で使用する命名方法および記載の組換え体DNA技術での実験手法は当業者周知であり、当業界で広く用いられている。DNAおよびRNAの単離、増幅およびクローニングに関しては標準的な技術を用いた。DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ、制限エンドヌクレアーゼ等を包含する一般的な酵素反応は、製造元の指示書に従い、製造元が供給する酵素緩衝液を用いて実施した。これらの技術および各種その他技術は当業界で知られている様に一般的に実施した。MHC、およびCOMPの様なオリゴマー形成コイルドコイルドメインの好適ヌクレオチド配列配列は上記の如く、当分野既知である。
DNA構築体は、一般的にはタンパク質をコードする配列と作動可能に連結している、本来備わっているかまたは異質のプロモータ領域を包含する発現制御DNA配列を含んでいる。発現カセットはさらに適当な開始および停止コドン、リーダー配列をコードしている配列等を、選んだ宿主に応じて含むだろう。発現カセットは、選択した宿主を形質転換する、および/または上記宿主での安定した発現を維持するのに適したベクター内に組み入れることができる。
本明細書で使用する場合、用語「作動可能に連結」は1またはそれ以上のDNA配列の上流にあるプロモータと連結しており、該プロモータがDNA配列の転写を媒介することを意味する。好ましくは、発現制御配列は、希望する真核生物または非真核生物宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションできるような、ベクター内にある真核生物または非真核生物プロモータシステムである。ベクターを適当な宿主内に組込んだら、宿主をヌクレオチド配列の高レベル発現に好適な条件の下に維持し、キメラタンパク質を収集し、精製する。
COMPを含むオリゴマー形成コイルドコイルタンパク質に由来する好適オリゴマー化ドメインのMHC−DNA配列およびDNA配列は、各種のヒトまたはその他細胞より周知な方法に従って単離できる。伝統的には希望の配列は、適当な細胞株から単離したメッセンジャーRNAより調製した好適なcDNAライブラリーから増幅する。DNA配列に好適な細胞源、ならびに発現および分泌に好適な宿主細胞は、American Type Culture Collection(ATCC)またはその他商業的供給元といった様々な供給源から得ることができる。
宿主細胞のトランスフェクションに用いるヌクレオチド配列または発現カセットは、標準的な技術によって変更でき、希望する様々な特性を持ったキメラ分子を生ずる。本発明の分子は、当業者周知の様々な組換え体DNA技術を利用して容易にデザインおよび製造できる。例えば、アミノ酸の挿入、置換、欠失等によって鎖を本来ある配列の一次構造レベルで変更できる。このような変更を様々に組み合わせて用いて、最終的な変更タンパク質鎖を生成できる。一般には、キメラ分子をコードしている遺伝子の変更は、部位指定突然変異誘導といった各種周知技術により容易に達成できる。
上記アミノ酸配列の変異種は、キメラ分子の精製および調製を容易にする、または複合体のインビボ(in vivo)およびエクス(ex vivo)での安定性を高めるために、標的T細胞に対する分子親和性を上げること、クラスIまたはクラスIIMHC複合体と相互作用するそれぞれCD4またはCD8コレセプターに対する分子親和性を上げるか、または下げることを包含する想定される様々な目的に対し調製できる。しかし変異種はそれぞれ、一般的には本来のMHC分子と同一もしくは類似の生物活性を示し、関係するオリゴマー形成コイルドコイルタンパク質のもつ本来のオリゴマー化ドメインに相当するオリゴマー化特性を保持するだろう。
さらに、オリゴマーの調製は前進的な工程である。治療を目的とする使用では、それは哺乳動物細胞の培養、例えばCHO、COSまたはヒト細胞株で実施されるだろう。あるいは本発明の分子の発現には、バキュロウイルスやDrospophila melanogaster発現系を含む昆虫細胞の培養、酵母発現系、またはEscherichia coli(E.coli)の様な原核生物発現系を含む他の発現系を用いることもできる。原核生物発現系で発現を行う場合には、可溶性発現、即ち細胞質もしくはペリプラズマ内への発現、または不溶性発現、即ち封入体への発現のいずれもが可能である。
E.coliにとって典型的なベクターは、誘導性のlacオペロンに基づく系の中にバクテリオファージT7RNAポリメラーゼによる効率的発現を組み合わせたpETファミリーのベクターの一つであろう。対象のヌクレオチド断片を含有するベクターは、宿主細胞のタイプに応じて、周知の方法により宿主細胞内にトランスフェクションできる。例えば、原核生物細胞では一般に化学物質−もしくは電気−コンピテント細胞への形質転換が利用されるが、その他宿主細胞の場合にはリン酸カルシウム処理、陽イオン性リポソーム、またはエレクトロポレーションが用いられるだろう。哺乳動物細胞をトランスフェクションするのに用いられるその他方法としては、Polybrene、プロトプラストキメラ、マイクロプロジェクタイルおよびマイクロインジェクションの使用が挙げられる。
キメラタンパク質および相補的MHCαもしくはβサブユニットをそれぞれ同一細胞内で共発現してオリゴマー複合体として集合させてもよい。あるいは、これら2成分を別々に生成してから選択した抗原性ペプチド存在下にインビトロ(in vitro)で会合させて安定したオリゴマーMHCペプチド複合体を形作ってもよい。後者では、2成分の混合と会合は、キメラペプチドのオリゴマー形成の前または後のいずれに行ってもよい。
独立した成分をインビトロで会合させることの利点は、オリゴマーMHCペプチド複合体を高いペプチド均一度、例えば95%を超える、または99%を超える均一度で獲得できることである。複合体を完全に集合した分子として発現させる場合は、対象のペプチドは、発現細胞を対象の抗原性ペプチドを含有する培地で培養するか、またはインビトロで発現している最中に対象のペプチドを内因性に結合したペプチドで交換することによって複合体内に取り込むことができるが、後者は一般的には精製した複合体を過剰量のペプチドと低もしくは高pHでインキュベーションして抗原結合ポケットを開かせることで行われる(例えば国際特許出願93/10220参照)。抗原性ペプチドはまたフォトアフィニティー標識法のような標準的な方法を用いても共有結合できる(例えば国際特許出願WO93/10220参照)。
あるいは、ペプチドをキメラタンパク質の発現構築体またはその相補的αもしくはβ鎖に直接結合または融合してもよい。キメラタンパク質またはその相補的αもしくはβ鎖のペプチド部分とN末端間に、例えばポリグリシン反復配列の様な好適リンカーを入れてもよい。ペプチドを発現構築体内にキメラペプチドとして含有させることにより、抗原性ペプチドをさらに付加することなしに、またはペプチドを交換することなしに完全なMHC−ペプチドオリゴマー複合体を発現させ、折り畳ませることができる。
インビトロでのサブユニットおよびキメラタンパク質の折り畳み、および会合を可能にする条件は当分野既知である。クラスIMHCペプチド複合体の集合、ならびに機能的クラスII複合体の集合は、例えば欧州特許EP 812 331に記載されている。許容条件の一例では、ほぼ等モルの可溶化したαおよびβサブユニットを対象の抗原性ペプチドが過剰量存在する状態で、尿素溶液の中で混合する。クラスIIMHC分子の場合は、尿素を含まない緩衝液に希釈するか、または透析することで再折り畳み(refolding)が開始する。ペプチドを空のクラスIIヘテロダイマー内に約pH5〜5.5で、約1〜3日間加えてから中和し、濃縮して緩衝液を交換する。α−β−ペプチド複合体の形成と同時に、複合体のオリゴマー化が起こるはずである。あるいは2段階で5量体のαまたはβ複合体を獲得してもよい:第1段階でオリゴマー化ドメインのオリゴマー化を行い、続いて上記方法に従ってペプチド存在下に相補的αもしくはβサブユニットとさらに再折り畳みを行う。
発明の集合複合体、または当初分離した状態の本発明のキメラタンパク質および相補的なαもしくはβサブユニットは、硫安沈殿法、ゲル電気泳動法、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を含むカラムクロマトグラフィー法を含む当分野の標準的な方法に従って精製できる。
生じた本発明のペプチド鎖またはオリゴマーMHC複合体は治療目的に使用しても、あるいはアッセイ方法、免疫染色等の開発および実施に使用してもよい。本発明のオリゴマーMHC複合体の治療的使用では、特定の病気を治療するのに役立つMHCハプロタイプおよび抗原を特定することが求められる。さらに本発明による複合体の治療に使用する前に、患者の組織タイプを決定することも必要となろうが、しかしこれは当分野周知の標準的な方法である。本発明は癌、感染症、自己免疫疾患の治療、および移植体拒絶の予防に特に好適である。当業者は、この様な病気の病因に関する知識、および関連の動物モデルの研究結果を基にして、この様な各種病気と関係するMHCは、ハプロタイプおよび抗原を特定し、単離できる。
従って、第5の局面では、本発明は先に記載の上記オリゴマーMHC複合体を含む医薬用又は診断用組成物に関する。タンパク質を含む医薬用組成物は、例えば非経口投与、すなわち皮下内、筋肉内又は静脈内で使用できる。さらに、多くの新規な薬剤配送方法が開発されている。本発明の医薬組成物は、これらの新しい方法を使用して投与するのにも同様に適している。
非経口投与用組成物は、一般的には許容可能な担体、好ましくは水性担体に溶解したキメラタンパク質もしくはその5量体の溶液を含むだろう。各種水性担体、例えば緩衝水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシン等を用いることができる。これら溶液は無菌であり、一般には粒子状物を含まない。これら組成物は通常の、周知の滅菌技術により滅菌されるだろう。組成物は生理的状態を近づける必要がある場合には、pH調整および緩衝化剤、毒性調整剤等の医薬的に許容可能な補助物質、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等を含有してもよい。これら製剤中のキメラタンパク質の濃度は広範囲であり、即ち約1pg/ml未満、少なくとも約0.1mg/mlから10〜100mg/ml程までであり、実際の投与形態に従い、液体の容積、粘度等に主に基づき選択されるだろう。
筋肉内注射向けの典型的な医薬組成物は、無菌緩衝水1ml、オリゴマー複合体タンパク質0.1mgを含有する様に調合されるだろう。静脈内注入向けの典型的組成物は無菌リンゲル液250ml、およびオリゴマー複合体タンパク質10mgを含有する様に調合されるだろう。非経口投与可能な組成物の調合に関する実際の方法は当業者に知られているか、または自明である。
本発明のキメラタンパク質またはオリゴマーMHC複合体は保存のために凍結乾燥することができ、そして使用前に好適キャリアを用いて元に戻すことができる。この技術は効果的であることが示されており、一般に用いられる凍結乾燥および還元技術が利用できる。凍結乾燥および還元が様々な程度で活性を失わせること、および使用レベルを調整してこれを補償しなければならないことが当業者により認識されるだろう。
T細胞をそれらの抗原レセプターの特異性に基づき検出する、または分離することは、上記の如く、いずれかの既知技術を包含してもよい。好適な技術は、例えば欧州特許EP 812 331に開示されており、そして参照によってここに組込まれている。より詳しくは、発明のオリゴマーMHC複合体は浮遊液もしくはその他生物学的サンプル、例えば組織サンプル中の抗原特異的T細胞の標識化および検出に用いることができ、あるいは例えば当業者既知の常磁性もしくはその他ビーズを含む基材上に結合もしくは固定することによる、またはフローサイトメトリーによるT細胞の分離に使用してもよい。
従って本発明の複合体は、例えば特定の抗原に特異的であるT細胞を精製および濃縮すること、ならびにこれらT細胞を細胞培養で拡張および/その他操作を行った後に各種疾患状態にある患者に自家移植的に戻すことに用いることができる。あるいは、例えば自己免疫疾患またはその他不要のT細胞免疫反応に於いてT細胞を選択的に除くこともできる。
本発明のオリゴマーMHC複合体は、特異的T細胞レセプターに対し高められた親和性を有することから、薬物の効力の改善、血清半減期の向上を可能にし、さらには薬物動態も改善できるが、後者は分子質量の増加に拠るものと思われる。
非真核生物系では、発明のオリゴマーMHC複合体に含まれるキメラタンパク質および相補的MHCαもしくはβ部分を発現する可能性があることから、それらはより容易かつ高収率に作製することができ、そしてそれらをサブコンポーネントとして発現した後に抗原性ペプチドの均一集団が存在する状態で互いに再折り畳みすることもできる。
当業者は上記説明より、これら並びにその他の利点を利用することができる。以下の実施例は例示のみを目的とするものであり、いかなる形でも発明を限定するものとして解釈してはならない。
以下は5量体型のクラスIMHC複合体のクローニング、発現および精製に関する詳しい例であり、複合体はβ2mとCOMPのキメラ融合体を含んでいる。キメラβ2m−COMPタンパク質はE.coliでは不溶性の封入体の中に発現し、その後インビトロで5量体のβ2m−COMPに集合する。次にT細胞抗原を表す適当な合成結合ペプチド存在下にβ2m−COMP5量体とHLA−A*0201として知られるヒトMHCクラスIα分子とを組み合わせる2回目の再折り畳み反応により5量体型クラスIMHCペプチド複合体を形作る。この例では、エプスタインバーウイルスBMLF1タンパク質に由来する特性のよく分かっている抗原であるGLCTLVAML(アミノ酸289〜297)を使用している。得られた複合体を蛍光成分で標識し、フローサイトメトリーを用いた混合リンパ細胞集団からの抗原特異的T細胞検出の染色試薬として用いる。
1.β2m−COMP構築体の分子クローニング
作業はβ2mをpET−24cベクター内に連続的にクローニングすること、pETBMC01と称する構築体を獲得すること、続いてビオチン−タンパク質リガーゼBirAを用いて部位特異的にビオチン化するためのビオチンアクセプター配列(BP)と共に軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質(COMP)のオリゴマー化ドメインを挿入すること、pETBMC02と称する構築体を獲得することを包含する。ポリグリシンリンカーをβ2mとCOMPの間にクローニングし、pETBMC03と称する3番目の構築体を獲得し、部位指定突然変異導入法によりセリン残基、ポリグリシンリンカーの前に置かれたセリン残基を取り除いて、目的とするpETBMC04と称する(図3も参照)β2m−COMP/pET−24c構築体を得る。セリン残基の除去は、β2m分子がMHCクラスIα鎖タンパク質と会合した時に立体的な障害を起こさないように実施する。
1.1 pET−24cベクター内へのβ2mのクローニング
β2mの供給源
β2mの細胞外部分はDNA配列の74bp〜370bpにコードされる99アミノ酸(成熟タンパク質のIle1〜Met99に等しい)を含む。β2m配列のこの領域は正常人リンパ細胞cDNAライブラリーより、それぞれNdeIおよびBamHI制限部位を組み込んでいるプライマーBMC#1(1μM)およびBMC#2(1μM)を用いたポリメラーゼチェインリアクション(PCR)により増幅した。(Sigma-Genosys、プライマー配列に関する補遺Iを参照)。増幅はプルーフリーディングDNAポリメラーゼ(Pfx、Invitrogen)(1.25U)を用い、2mM MgSO4および0.2mM dNTPsを追加したPfx増幅緩衝液中で、次の標準的なサーマルサイクル条件で実施した。ステップ1:94℃、4分間;ステップ2:94℃、1分間;ステップ3:55℃、1分間;ステップ4:72℃、30秒間;ステップ5:ステップ2に循環、34回;ステップ6:72℃、10分間。
β2mおよびpET−24cの制限酵素消化
β2mPCR産物を上記混合物よりQIAquick PCR精製キットを、製造元指示書(Qiagen)に従い使用して精製した。精製PCR産物200ngおよびpET−24cベクター(Novagen)1μgをそれぞれ、製造元指示書に従ってBamHI(10U)およびNdeI(10U)制限酵素(New England Biolabs、NEB)で4時間、37℃消化した。消化断片を1%アガロース(Bioline)を用いた水平式ゲル電気泳動で分離し、QIAEX IIゲル抽出キットを製造元指示書(Qiagen)に従い用いて精製した。
β2mのpET−24c内連結(pETBMC01)
ゲル精製した挿入物およびベクターDNAをモル比1:3(ベクター:挿入物、50ng:7.5ng)でT4DNAリガーゼ(5U;Bioline)を用いT4DNAリガーゼ緩衝液(添付品)中で16時間、16℃で連結した。
pETBMC01のE.coli宿主株XL1−Blue内への形質転換
続いて連結混合物および適当なコントロールをXL1−Blue株コンピテントE.coli細胞内に、製造元の指示書(Stratagene)に従って形質転換した。細胞をカナマイシン30μg/mlを含有するLuria-Bertani(LB)寒天プレート上に細胞を接種し、一晩37℃でインキュベーションして上手く形質転換した細胞を選別した。
形質転換細胞のPCRスクリーニング
細菌形質転換プレートから選択した単一コロニーを、クローニング部位に隣接するpETベクター領域に相補的であるT7プロモータ(1μM)およびT7ターミネータ(1μM)プライマー(Sigma Genosys、プライマー配列に関する補遺I参照)を用いたPCRでスクリーニングした。増幅はTaqDNAポリメラーゼ(1U、Bioline)を2mM MgSO4および0.2mM dNTPsを追加したTaq反応緩衝液(添付品)中に用い、上記25サーマルサイクル反応で実施した。形質転換細胞は約500bpのDNA断片を生成したが、これは1.5%アガロースゲル電気泳動で確認された。
プラスミドDNA調製
正確な大きさのPCR産物を生成した形質転換細菌細胞を無菌のLB−カナマイシン培地6mlに接種し、200rpmで振盪しながら一晩、37℃でインキュベーションした。pETBMC01プラスミドDNAを菌培養物より、QIAprep Spin Mini-prepキットを製造元の指示書(Qiagen)に従い用いて回収した。これらプラスミド内にβ2m断片が存在することをさらに自動DNAにより確認した。pETBMC01の概略図を図3(b)に示すが、特に制限部位を明示している。
1.2.pETBMC01内へのCOMP−BPのクローニング
COMP−BPカセットの構築
COMPのオリゴマー化ドメインの配列はGenebankデータベース(登録番号1705995)より、そしてコイルドコイルドメイン(アミノ酸21〜85)はCOMPの自己会合実験(Efimovら、FEBS Letters 341: 54〜58(1994年))に基づき選択した。ビオチンアクセプタ配列「BP」;SLNDIFEAQKIEWHEをC末端に組み入れ、さらに14アミノ酸リンカー、即ちPQPQPKPQPKPEPETを加えてCOMPオリゴマー化ドメインとBPとの間を物理的に隔てた。
「PCRアッセンブリ」反応に重複する相補的オリゴヌクレオチド(BMC#3、BMC#4、BMC#5、BMC#6、BMC#7およびBMC#8)を用いて全領域を合成した。オリゴヌクレオチド配列は補遺Iに示しており、Sigma-Genosysを用いて合成および精製(「PAGE-pure」)した。プライマー(4.8pmoles)をT4キナーゼ(10U、Gibco)を用いて、ATPを1mM追加したフォワード反応緩衝液(添付品)に1時間、37℃でリン酸化した。反応は80℃で15分間加熱して反応を停止した後、室温まで冷却してオリゴヌクレオチドをアニーリングさせた。アニーリングしたオリゴヌクレオチドを1.1節と同様にT4DNAリガーゼを用いて一つに連結し、PCRに〜10ngを用いて配列末端を「埋める」し、合成遺伝子を増幅した。PCR反応はBMC#3(15μM)およびBMC#8(15μM)次のサーマルサイクル条件でフォワードおよびリバースプライマーとして用いた以外は実質的に1.1節と同様であった:ステップ1:95℃、4分間;ステップ2、1分間;ステップ3:70℃、1分間;ステップ4:72℃、2分間;ステップ5:ステップ2に循環、15回;ステップ6:72℃、10分間。正確なサイズのPCR産物は前述(1.1節)同様にゲル精製した。
pETBMC01内にCOMP−BPカセットを挿入してpETBMC02を生成する
生成COMP−BP200ngおよびpETBMC01ベクター1μgを、1.1節に記載した様にHindIII(10U)およびXhoI(10U)制限酵素(NEB)を用いて、4時間、37℃で消化した。消化産物を1.1節同様に精製、連結、形質転換およびPCRスクリーニングした。スクリーニングの結果が陽性のプラスミドを精製し、1.1節同様に配列決定した。
制限部位を明示したpETBMC02の概略図を図3(C)に示す。COMP−BPをコードするセクションはこの構築体のフレーム外にある。
1.3.pETBMC02内へのポリグリシンリンカーのクローニング
ポリグリシンリンカーの合成
ポリグリシンリンカーを、重複するオリゴヌクレオチドBMC#9およびBMC#10(Sigma-Genosys、「PAGE-pure」、補遺I)をアニーリングして合成した。ポリグリシンリンカーは、正確なリーディングフレームにコードされている場合には、一文字アミノ酸コードで表される次のモチーフ:GS(GGGGS)4GGKを含んでいる。先頭の2個の残基はBamHI制限部位によりコードされたものであり、最後の残基はHindIII制限部位によりコードされたものである。ポリグリシンリンカーのヌクレオチド配列は切断されたBamHI制限部位の5’突出部と切断されたHindIIIヌクレオチド認識モチーフの3’突出部のみを組み込んでいることから、次の連結に好適な相補的な一本鎖突出部を作るためにアニーリング生成物をさらに消化する必要はない。オリゴヌクレオチドは1.2節に記載した様にリン酸化し、アニーリングした。
pETBMC02内にポリグリシンリンカーを挿入しpETBMC03を生成する。
pETBMC02をBamHI(10U)およびHindIII(10U)で消化した。アニーリングしたポリグリシンリンカーのpETBMC02内への連結は、アニーリングしたオリゴヌクレオチド量を96fmole/μlとして前述同様(1.1節)に行った。形質転換およびPCRスクリーニング反応は1.1節に記した通りであるが、さらにPCRスクリーニング産物を制限酵素消化してSalI制限部位の有無を確認し、挿入されたリンカーが存在することを実証した。上手く形質転換した細胞は、プラスミドベクターの主鎖より部位が除かれているため、SalI消化に対し感受性ではない。pETBMC03の精製および自動配列決定は1.1節に記載の通りに行った。
pETBMC03の概略図を図3(d)に示し、制限部位を明示した。BamHI部位はポリグリシン配列直前にセリン残基をコードしている。このセリン残基は最終的に取り除かれ、3(a)に示す様にpETBMC04を生ずる。
1.4.ポリグリシンリンカー直前にあるセリン残基の除去
pETBMC03の部位指定突然変異導入
MHCクラスI分子のX線結晶分析モデルの解析から、β2mのC末端はα鎖のα3ドメインに近接していることが示されている。従って、BamHI制限モチーフがコードするセリン残基を取り除き、G(GGGGS)4GGKを含むリンカーを作ることにより、ポリグリシンリンカーの開始点の柔軟度を最大にすることが望ましい。部位指定突然変異誘導キット(「QuickChange」、Stratagene)を製造元指示書に厳格に従って用い、BamHI認識モチーフ内にセリンをコードしているTCCトリプレットを取り除くことができるPCRプライマーBMC#11およびBMC#12(「PAGE-pure」、補遺I)を得た。この構築物が正確なものであることは、自動配列決定(1.1節)により実証され、pETBMC04と命名された。
pETBMC04の概略図を図3(a)に示す。特にこの図はpET24c中にある完全なβ2m−COMP構築物の概略図を示しており(pETBMC04)、制限部位が明示されている。
2.HLA−A*0201α鎖構築物の分子クローニング
2.1 pET−11dベクター内へのA*0201α鎖のクローニング
HLA−A*0201α鎖(EMBL M84379)の細胞外部分はメッセンジャーRNA配列の塩基73〜900がコードする276個のアミノ酸(成熟タンパク質のGly1〜Pro276に等しい)を含む。A*0201配列のこの領域は、正常人リンパ細胞cDNAライブラリーから、それぞれNcoIおよびBamHI制限部位を組み込んだプライマーA2S#1およびA2S#2を用いてPCRにより増幅された。A*0201挿入物をNcoI/BamHI消化したpET−11dベクター(Novagen)内にクローニングする方法は、1.1節でのβ2mに関する説明と実質同じである。
得られたプラスミドはpETA2solと名付けられ、制限部位を明示した概略図を図3(e)に示す。
3.β2m−COMPおよびHLA−A*0201α鎖タンパク質の発現
同じ操作を実行してβ2m−COMPまたはA*0201α鎖タンパク質を生成した。プラスミドDNAをE.coli宿主細胞内に形質転換し、大規模に細菌調製を行った。タンパク質は細菌細胞内に不溶性の封入体として生成されるので超音波処理して回収した。精製封入体を変性緩衝液内で可溶化し、必要時まで−80℃で保存した。特に記載しない限り、化学薬品はSigmaより得た。
3.1.組換え体タンパク質の大規模生成
E.coli宿主株BL21(DE3)pLysS内へのpETBMC04およびpETA2solの形質転換
精製したプラスミドDNAをEcoli株BL21(DE3)pLysS内に形質転換したが、この株はpETをベースとする構築物からタンパク質を発現させるのに必要なT7ポリメラーゼの染色体コピーを持っている。BL21(DE3)pLysSコンピテント細胞(Stratagene)内への形質転換は、製造元指示書に従い、各反応について精製プラスミドDNA0.5μgを用いて、適当なコントロールと共に実施した。形質転換に成功したものを、カナマイシン30μg/ml(pETBMC04)またはアンピシリン100μg/ml(pETA2sol)に加えてクロラムフェニコール34μg/mlを含有するLB−寒天プレートを用いて選択した。
E.coli培養物の増殖
単一の形質転換細菌コロニーを、選択に適した抗生物質を含有する無菌LB培地60mlに接種し、暖かな(〜24℃)部屋に一晩放置した。一晩培養した物をLB培地6リットルに加え、振盪しながら(〜240rpm)、対数期半ばまで(OD600=0.3〜0.4)増殖させた。タンパク質の発現の誘導は、この段階で各フラスコに1MのIPTG1mlを加えて行った。培養物はさらに振盪しながら4時間、37℃に放置し、その後細胞を遠心分離により集め、上清を廃棄した。
超音波処理およびタンパク質回収
細菌細胞の沈殿を氷上に置いた小型のガラス製ビーカーの中で氷冷した緩衝塩類溶液に懸濁してから超音波処理して(XLシリーズ超音波装置;Misonix Inc.、USA)細胞を溶解し、タンパク質封入体を放出させた。細胞が完全に溶解した後、封入体をBeckmann高速遠心分離装置(J2シリーズ)を用いて15,000rpm、10分間遠心分離を行い、50mlのポリカーボネート製Oak Ridge遠心チューブの中に沈殿させた。次に封入体を冷したTriton洗浄緩衝液(0.5%Triton X-100、50mM Tris、pH8.0、100mM塩化ナトリウム、0.1%窒化ナトリウムおよび用時添加の2mMジチオスレイトール[DTT])で3回洗浄したが、洗浄が終わる度にハンドヘルド式のガラス製ホモジェナイザーを用いて沈殿を再懸濁した。最後に界面活性剤を含まない洗浄緩衝液で洗浄した。
得られた精製タンパク質調製物を、50mMのMES、pH6.0、0.1mM EDTAおよび1mM DTTを含む8M尿素緩衝液20〜50mlに溶かし、転倒型ローター内に一晩、4℃で放置した。不溶性粒子を遠心分離して取り除き、Brafordタンパク質アッセイ試薬(Bio-Rad Laboratories)を用い、既知標準物と比較してタンパク質の収量を決定した。またサンプルを15%ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル(SDS−PAGE)を用いた垂直型電気泳動にかけ、発現および精製の質についても検証した。典型的なタンパク質収量はLB培養物1リットル当たり25〜75mgであった。β2m−COMPおよびA*0201α鎖タンパク質の大きさはそれぞれ約27(kD)および35(kD)であった。尿素溶解タンパク質は、その後の使用に備えて10mgずつ小分けし、−80℃に保存した。
4.5量体β2m−COMP複合体の形成
4.1.β2m−COMPの5量体への集合
尿素可溶化封入体からのβ2m−COMPの集合は、0.2Mの塩化ナトリウムおよび1mMのEDTAを含む20mMのCAPS緩衝液、pH11.0にタンパク質を希釈して最終タンパク質濃度1.5mg/mlにすることで実施した。室温にて酸化および還元グルタチオンを最終濃度がそれぞれ20mMおよび2mMになるよう添加して、タンパク質を酸化した。一晩インキュベーションした後、10%ビス−トリシンゲル(Invitrogen)を用いた非還元型SDS−PAGEを用いてジスルフィド結合の形成について分析した。
続いてタンパク質混合物の緩衝液をCentricon Plus-20 Ultra-遠心分離濃縮装置(カットオフ分子量10kD、Millipore)を製造元指示書通りに使用して20mMのTris、pH8.0、50mM塩化ナトリウム(「S200緩衝液」)に交換し、BirA(Affinity、Denver、Colorado)を用いた酵素によるビオチン化に備えて最終容積を4.5mlまで濃縮した。10倍濃度のBirA反応緩衝液(添付品)0.5mlを加え、最終濃度10μMの組換え体BirA酵素に10mMのATP、pH7.0を追加した。タンパク質を保護するためにプロテアーゼインヒビター:0.2mMのPMSF、2μg/mlのペプスタチンおよび2μg/mlのロイペプチンも選択して使用した。反応液は室温に4時間放置した。
4.2.ビオチン化β2m−COMP5量体の精製
ビオチン化したβ2m−COMP5量体は、Superdex200HR26/60カラム(Amersham Biosciences)分子篩クロマトグラフィー(SEC)を用い、S200緩衝液を流して精製した。カラムは前もって製造元指示書に従い校正してから使用し、135kDa領域の5量体を含有する分画を集めた。タンパク質回収量はBradfordアッセイを用いて決定し、ビオチン化効率はHABA試薬(Pierce)を製造元指示書に従い用いて決定した。
5.再折り畳みHLA−A*0201/GLCTLVAML複合体の形成
5.1.HLA−A*0201α鎖のビオチン化β2m−COMPおよびペプチドの再折り畳み
再折り畳み緩衝液500mlを次のようにして準備した:100mM Tris、pH8.0、400mM塩酸アルギニン、2mM EDTA、5mM還元グルタチオンおよび0.5mM酸化グルタチオンを脱イオン水に溶解し、4℃で攪拌し続けた。凍結乾燥した合成ペプチドGLCTLVAML15mgをジメチルスルホキシド0.5mlに溶解し、攪拌しながら再折り畳み緩衝液に加えた。ビオチン化した5量体のβ2m−COMP50mgおよびA*0201α鎖30mgを連続的に加え、適当な分散を確保するために強く攪拌している緩衝液の中に23ゲージの皮下注射用針を通して直接注入した。再折り畳み混合液はそのまま16時間、4℃で攪拌し続けた。
5.2 再折り畳み5量体HLA−A*0201/GLCTLVAML複合体の精製
続いてタンパク質再折り畳み混合液を分子量カットオフ30kDのMini Kros中空糸限外濾過カートリッジ(Spectrum Labs、Rancho Dominguez、California)を用いて500mlから20mlに濃縮した。Centricon Plus-20遠心分離式濃縮装置(分子量カットオフ30kD)を製造元指示書通りに用いて複合体を20mlから5mlに更に濃縮し、続いて使い捨て式PD10脱塩カラム(Amersham Biosciences)を製造元指示書通りに用いて緩衝液をS200緩衝液に交換した。最終容積は7.5mlであった。濃縮したタンパク質再折り畳み混合液をまず4.2節同様にしてSuperdex 200 HR26/60ゲル濾過クロマトグラフィーカラムを用いたSECにより精製した。310kD領域のタンパク質複合体を含有する分画を集めた。
SECで集めた分画を一つにまとめ、MonoQ HR5/5カラムによる陰イオン交換クロマトグラフィーにかけ、15倍容量の20mM Tris中0〜0.5M塩化ナトリウムの塩勾配液を流して更に精製した。主要ピークを集めた。タンパク質回収量はBradfordアッセイを用い決定した。
5.3.精製複合体の蛍光標識化
ストレプトアビジン分子はそれぞれ最大4個までのビオチンに結合できることから、フィコエリスリン(PE)標識ストレプトアビジンを用いた最終標識化は、4.2章でβ2m−COMPに対して行ったはじめのビオチン化効率を考慮に入れて、それぞれビオチン化5量体複合体に対するストレプトアビジンのモル比を1:0.8にして実施した。必要とされる5量体複合体全量を分割し(例えば5等分し)、ストレプトアビジン−PE内に連続的に滴下した。A*0201の5量体−ストレプトアビジン複合体の濃度を0.01%アジ化物および1%BSAを補充したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1mg/mlに調整した。こうして作製した蛍光試薬は4℃に保存した。
6.抗原特異的T細胞の染色
抹消血リンパ球(PBL)は、健康なA*0201陽性であり、GLCTLVAML抗原を用いて強い細胞傷害性T細胞反応を誘導されたことが前もって確認されているEBVキャリアから血液サンプルを採取して得た。PBLはFicoll(Amersham Biosciences)を用いた密度勾配遠心分離により単離してからPBS溶液で洗浄し、細胞数を計測した。各染色条件について1〜2×106個のリンパ細胞を割り当て、細胞を1回、洗浄緩衝液(0.1%アジ化ナトリウム、0.1%BSAのPBS溶液)で洗浄してから洗浄緩衝液50□lに再浮遊した。抗CD8抗体(Dako)と組み合わせてPE標識したA*0201/GLCTLVAML5量体1□gを用い、小分け細胞の単一群を染色して細胞傷害性T細胞集団であることを確認した。浮遊液を氷上、暗所にて少なくとも30分間インキュベーションし、その後暗所にて細胞を洗浄緩衝液で2回洗ってから固定液(1%ウシ胎児血清、2.5%ホルムアルデヒドのPBS溶液)内に保存した。その後サンプルを、CellQuestソフトウエアーを用い、Becton-Dickinson FACScan(商標)フローサイトメータで、当業者周知の標準的な方法に従い分析した。
補遺I:DNA構築物の合成に用いたプライマー一覧表
Figure 0004686187

Figure 0004686187
発明のオリゴマーMHCクラスI複合体の概略図。図は完全に集合したオリゴマークラスIキメラ複合体の複数あるサブユニットのうちの2つを示している。β2−ミクログロブリン(β2m)はオリゴマー形成コイルド−コイルタンパク質のコイル状のオリゴマー化ドメイン(OD)と融合しているが、このドメインとは第1リンカー(L1)によって隔てられている。該ドメインのC末端には別のリンカー(L2)が備えられており、さらにビオチン−タンパク質リガーゼBirAによるビオチン化のための認識配列(BP)が続き、最後に精製および検出のためのタグ化/精製ドメイン(TD)が来ている。ビオチン化ペプチド(BP)の形態における認識配列のリジン残基と結合している、ビオチン分子(bt)も示している。ドメインα1、α2およびα3を有する相補的MHCクラスIα鎖は、β2mおよび抗原性ペプチド(P)と集合する。複合体のMHC部分を安定化するジスルフィド結合(S−S)が描かれている。オリゴマー化ドメインがCOMPに由来し、集合して安定な5量体を形成する特殊な例を図示する別のジスルフィド結合も示されているが、この場合これらジスルフィド結合が5量体内のCOMPドメインの各ペアを連結している。複合体中の各αおよびβのアミノ末端およびカルボキシル末端はそれぞれNおよびCで表している。 発明のオリゴマーMHCクラスII複合体の概略図。図では一般に図1の名称を用いているが、(β2m)はドメインα1、α2を有し、リンカー(L1)を介してオリゴマー化ドメインと融合しているMHCクラスIIα鎖に置換えられている。この場合、α鎖は、それに相補的であり、ドメインβ1、β2を有するMHCクラスIIβ鎖と集合する。 制限部位を包含する概略マップであり、それぞれ(a)β2m−COMP発現構築体であるpETBMC04ならびに(b)〜(d)β2m−COMP中間分子クローニング構築体であるpETBMC01−03、最後に(e)HLA−A*0201α鎖発現構築体であるpETA2solを示しており、後に詳しく説明する。ストップコドンは(a)〜(e)の各構築体に於いて‘*’で表している。

Claims (19)

  1. 高いT細胞レセプターに対する親和性を有しそして5つのキメラタンパク質を含む5量体MHC複合体であって、前記キメラタンパク質が各々MHCペプチド鎖に由来する第1セクションおよび軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質(COMP)の5量体化ドメインに由来するオリゴマー化ドメインを含む第2セクションを含み、5量体MHC複合体の形成がキメラタンパク質のオリゴマー化ドメインでのオリゴマー化により生じる5量体MHC複合体。
  2. キメラタンパク質の第1セクションがMHCクラスIα鎖またはMHCクラスIIα鎖の細胞外部分に由来する、請求項1に記載の5量体MHC複合体。
  3. キメラタンパク質の第1セクションがMHCクラスIβ鎖またはMHCクラスIIβ鎖の細胞外部分に由来する、請求項1又は2に記載の5量体MHC複合体。
  4. キメラタンパク質の少なくとも1つの第2セクションに含まれるCOMPの5量体化ドメインがヒトCOMPのアミノ酸21〜85を含む請求項3に記載の5量体MHC複合体。
  5. キメラタンパク質の少なくとも1つの第2セクションに含まれるCOMPの5量体化ドメインがヒトCOMPのアミノ酸21〜85より成る請求項3に記載の5量体MHC複合体。
  6. キメラタンパク質の少なくとも1つがMHCペプチド鎖とオリゴマー化ドメインとの間に第1リンカーを更に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の5量体MHC複合体。
  7. キメラタンパク質の少なくとも1つが第2リンカー、タグ化ドメインおよび精製ドメインから成る群より選択される1またはそれ以上のドメインを更に含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の5量体MHC複合体。
  8. クラスI複合体に関してはMHCαIおよびα2ドメインにより、またはクラスII複合体に関してはMHCα1およびβ1ドメインにより形作られるグローブ内に、複合体のMHC部分に結合したペプチドを更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の5量体MHC複合体。
  9. ペプチドが実質的に均一である、請求項に記載の5量体MHC複合体。
  10. 標識を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の5量体MHC複合体。
  11. 標識が光検出標識、放射活性標識、酵素、エピトープ、レクチンまたはビオチンより成る群から選択される、請求項10に記載の5量体MHC複合体。
  12. MHCペプチド鎖に由来する第1セクション、および軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質(COMP)の5量体化ドメイン由来オリゴマー化ドメインを含む第2セクションを含むキメラタンパク質であって、該キメラタンパク質はキメラタンパク質のオリゴマー化ドメインでのオリゴマー化により高いT細胞レセプターに対する親和性を有しそして5つのキメラタンパク質を含む5量体MHC複合体を形成することができる、キメラタンパク質。
  13. オリゴマー化ドメインがヒトCOMPのアミノ酸21〜85を含む、請求項12に記載のキメラタンパク質。
  14. オリゴマー化ドメインがヒトCOMPのアミノ酸21〜85より成る、請求項12に記載のキメラタンパク質。
  15. 請求項12または13に記載のキメラタンパク質をコードするヌクレオチド配列と作動可能に連結したプロモータ配列を含む組換え体発現カセット。
  16. 請求項15の組換え体発現カセットを含むベクター。
  17. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の5量体MHC複合体を含み、医薬的に許容可能な担体をさらに含んでもよい、診断薬組成物。
  18. 抗原レセプターの特異性に基づいてインビトロで哺乳動物T細胞を標識および/または検出する方法であって、
    (i)請求項1〜11のいずれか1項に記載の5量体MHC複合体とT細胞を含む浮遊液もしくは生物学的サンプルとを混合すること、および
    (ii)上記複合体とT細胞との特異的結合の存在を検出することを含む方法。
  19. 抗原レセプターの特異性に基づいてインビトロで哺乳動物T細胞を分離する方法であって、
    (i)請求項1〜11のいずれか1項に記載の5量体MHC複合体とT細胞を含む浮遊液もしくは生物学的サンプルとを混合すること、および
    (ii)上記複合体に結合したT細胞を未結合細胞から分離することを含む方法。
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