JP4685249B2 - 貨幣識別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば遊技店内に配置された遊技台の中央(台間)に設置される遊技媒体貸出機又はその遊技媒体貸出機に設けた貨幣識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、遊技店の各遊技島には遊技台に隣接して遊技媒体貸出機が配置されている。上記遊技媒体貸出機は、貨幣を投入して貸出すものや磁気カード等の記憶媒体を投入して貸出すものが提供されている。
また、上記した遊技媒体貸出機は、左右いずれか一方の遊技台に対して専用(各遊技台毎)となっているために、限られた遊技島のスペースに遊技台と遊技媒体貸出機とを交互に配設した場合には、遊技客は専用の遊技媒体貸出機となるので貸出し操作が容易になる反面、遊技店にとっては遊技媒体貸出機が遊技台毎に配置されるため、必然的に遊技台そのものの設置台数が減り1店舗当たりの売り上げ効率が抑制される問題があった。
【0003】
そこで、上記問題を解決しようとした遊技媒体貸出機(玉貸機)が例えば、実開平3−122888号公報(以下、先行技術1という)にて開示されている。
該先行技術1の玉貸機の構成を記すれば、正面パネルの上下に、それぞれ左右の遊技台に対応した貨幣挿入口を備え、上下のいずれかの貨幣挿入口に貨幣が挿入された場合に、対応する遊技台に遊技媒体をノズルから払出すように成している。
【0004】
また、上記の先行技術1においては、貨幣挿入口を上下に設けたものであるが、遊技媒体貸出機に左右2つの貨幣挿入口を備えた貨幣識別機を配設し、それぞれの貨幣挿入口を左右の遊技台に対応させて、貨幣が挿入された側の遊技台に遊技媒体を払出すようにした台間玉貸機の貨幣識別機が、特許第2966191(以下、先行技術2という)及び特公平6−77628(以下、先行技術3という)にて開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記先行技術1の玉貸機は、実質的に左右の遊技台専用の貨幣識別機を2台分個別に設置しなくてはならず、玉貸機そのものの製品コストがアップしてしまったり、貨幣識別機の故障やトラブルも2台分、招く恐れがあった。
【0006】
また、上記先行技術2又は先行技術3に開示されている台間玉貸機の貨幣識別機は、左右の貨幣挿入口と単一の貨幣搬送路とを連通させる左右の誘導路の切替手段に係るものであり、左右のいずれかの貨幣挿入口に貨幣が挿入された場合に、対応する誘導路を選択的に貨幣搬送路と連通さ、他方を遮断するようにしたものである。上記、誘導路切替手段はアクチュエータやフラッパー等のメカニカルなものであるために、長年の使用で疲弊し故障の原因(要因)となる課題を有していた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、低コストで信頼性の高い貨幣識別装置及びその装置を利用した遊技媒体貸出機の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記、目的を達成するために本発明の請求項1の貨幣識別装置は、正面パネルの前面に備えた第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口と、貨幣を搬送し後面より排出させる単一の貨幣搬送路と、第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口付近に備えた貨幣挿入検出センサーと、貨幣搬送路に面して貨幣を識別する貨幣識別センサー等から成る貨幣識別手段と、第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口の合流部から貨幣搬送路に向けて設けた薄板状の貨幣ガイド部材と、から構成された貨幣識別装置において、前記貨幣ガイド部材により、第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口の合流部から貨幣搬送路内に第一誘導路及び第二誘導路を形成すると共に、第一貨幣挿入口に第一誘導路が、第二貨幣挿入口に第二誘導路がそれぞれ連なって接続され、当該貨幣ガイド部材は、第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口の合流部から貨幣搬送路内の貨幣識別センサーの設置位置を越えた辺長を有したことにより、達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を各図を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の遊技媒体貸出機の概略斜視図である。図2は、貨幣識別手段の正面図である。図3は、図2におけるX−X矢視図であり、図4は同じくY−Y矢視図であり、図5は同じくZ−Z矢視図である。図6は、遊技媒体払出手段の内部の概略構成を示した側面図である。図7は、本発明の遊技媒体貸出機を遊技島に設置した態様を示した概略斜視図である。
【0013】
始めに遊技媒体貸出機1の構成について説明する。尚、該遊技媒体貸出機1は、ここではメダルを貸出すメダル貸出機を実施形態として説明するが、パチンコ玉を貸出す貨幣搬送装置付のパチンコ貸出機でも良い。
【0014】
先ず、図1に示すように遊技媒体貸出機1は、遊技媒体払出手段2を備えた長方形状から成る本体部と、その本体部の上部に別体から成る矩形状の貨幣識別手段3とから大別され構成している。
該本体部(遊技媒体払出手段2)の下部には、排出された遊技媒体(例えば、メダル)を一時貯留する第一受皿4と、第二受皿5とを上下に分けて個別に備えられている。
【0015】
第一受皿4は、左側に座った遊技客に排出された遊技媒体を一時貯留するためのものであり、第二受皿5は、右側に座った遊技客に排出された遊技媒体を一時貯留するためのものである。何れの第一受皿4及び第二受皿5も例えば樹脂等で形成され、略コップ形状から成していて、後述する貨幣識別手段の第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8に挿入される貨幣によって何れか一方側に排出される。
尚、それぞれの第一受皿4及び第二受皿5は、隣の遊技客が間違って他人の遊技媒体を取られないように、対応する遊技台とは反対側の受皿の側面を高くした壁の作用と成す仕切り部材4a、5aが設けられている。
【0016】
次に、本体部の上部に設けた貨幣識別手段(貨幣識別装置)3について説明する。例えば、貨幣識別手段3は水平状から成る天板35に遊技媒体貸出機の本体部とは切り離して同位置に取付けられている。
図2に示すように貨幣識別手段3は、矩形状から成り前面の正面パネル6に第一貨幣挿入口(左側貨幣挿入口)7と、第二貨幣挿入口(右側貨幣挿入口)8を備えている。該第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8は、その高さがそれぞれ貨幣の幅を許容するように形成され、入口付近は扇状に拡がっている形状から成している。尚、ここでの第一貨幣挿入口(左側貨幣挿入口)7と、第二貨幣挿入口(右側貨幣挿入口)8は左右側配列としたが、図示しない上下側配列としても良い。例えば、第一貨幣挿入口(上側貨幣挿入口)とし、第二貨幣挿入口(下側貨幣挿入口)とした配列としても良い。
【0017】
また、該第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8の壁面には貨幣が挿入されたことを検知する第一貨幣挿入検出センサー9及び第二貨幣挿入検出センサー10が備えられている。該第一貨幣挿入検出センサー9及び第二貨幣挿入検出センサー10での検出信号によって、何れかで挿入されたことを検出すると共に、例えば、第一貨幣挿入検出センサー9で検出されると左側の遊技客での売上出力を図示しないホールコンピュータに出力する。
【0018】
次に、図3乃至図5を参照して貨幣識別手段(貨幣識別装置)3の内部の概略構成を詳細に説明する。
図3に示すように、貨幣識別手段3は前端部(前)に第一誘導路(左側)11及び第二誘導路(右側)12と、該第一誘導路11と第二誘導路12とを仕切る貨幣ガイド部材である貨幣ガイド板13と、単一の貨幣搬送路14とを有し、上記第一誘導路11と第二誘導路12は第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8と、単一貨幣搬送路14とを連通させている。さらに、貨幣搬送路14はその後端部(後)に貨幣排出口15を備え、後述する貨幣搬送装置36に連通している。
【0019】
貨幣ガイド部材である貨幣ガイド板13は、第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8の合流部Pから貨幣搬送路14の奥に向かって延在し、その末端は後述する貨幣識別センサー17の近傍部付近、好ましくはそのやや後方に位置するように形成されている。例えば、図3に示すように貨幣識別センサー17を略中央付近に設けた場合はその貨幣識別センサー17の近傍部付近までの長さ(貨幣の長手方向の長さ分より若干長め)と成っている。このように、貨幣ガイド板13が貨幣識別センサー17近傍部まで延在して備えられていることにより、貨幣を返却する際に、貨幣ガイド板13に沿って貨幣が戻るので途中で引っかかり貨幣詰まりする恐れがない。
尚、貨幣ガイド板13の形状や材質等については後述する。
【0020】
次に、貨幣の検出手段(貨幣識別手段)について説明する。
第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8付近の壁面に備えた第一貨幣挿入検出センサー9及び第二貨幣挿入検出センサー10と、貨幣の挿入を検出して貨幣識別手段3を駆動させる貨幣識別手段駆動センサー16と、貨幣の真偽を識別する貨幣識別センサー17、及び磁気センサー18と、図示しない制御部とで構成されている。
尚、第一貨幣挿入検出センサー9及び第二貨幣挿入検出センサー10と、貨幣識別手段駆動センサー16と、貨幣識別センサー17は、それぞれ例えば発光素子と受光素子とにより構成された一対の光センサー等から成したものであり、何れか一方が発光素子で、他方が受光素子となる。
【0021】
該貨幣搬送路14の後方部には、貨幣の引抜防止片19が回動自在にかつ貨幣搬送路14の壁面に突出するように付勢されて設けられている。尚、図3においては、図面が煩雑となるのを避けるために、上記の各種センサーのみを示し、他の要素については省略されている。
【0022】
図4には、貨幣識別手段3内部の一方の壁面に備えた主な要素が示されている。貨幣識別手段3の前端部であって、第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8の壁面の上下には第一貨幣挿入検出センサー9及び第二貨幣挿入検出センサー10を有し、貨幣搬送路14の前方上端部には貨幣識別手段駆動センサー16、中央部には貨幣識別センサー17とを備えている。
【0023】
また、プーリー20、21、22に掛け渡した搬送用ベルト23が2本、上下に平行して備えられている。さらに、プーリー22に隣接してガイドローラー24、中央付近には上下端に補助ローラー25が備えられている。上記プーリー20、21、22、ガイドローラー24、補助ローラー25及び搬送用ベルト23は、壁面より僅かに貨幣搬送路14側に突出している。
【0024】
貨幣ガイド板13には、搬送用ベルト23に対応して長細形状のスリット26が、また、補助ローラー25に対応して長方形の窓27が設けられている。貨幣ガイド板13は薄板で構成されるが、柔らかいプラスチックフィルムが好適である。何故なら、柔らかいがために貨幣搬送路14内にあって動きが自在となり、例えば、貨幣が一方の誘導路にある場合には他方の誘導路を自動的に遮断するため、誘導路に切替手段(例えば、従来のようなアクチュエータやフラッパー等)のメカニカル手段を備える必要がなくなる。
【0025】
また、貨幣ガイド板13が不透明な薄板である場合には、貨幣識別手段駆動センサー16及び貨幣識別センサー17に対応させて、光を通過させる窓が設けられる。
【0026】
図5には、貨幣識別手段3本体内部の他方の壁面に備えた主な要素が示されている。図4に示すプーリー20、21及びガイドローラー24に対応して6個の押圧ローラー28が、また中央付近上下端部には貨幣の真偽を識別する磁気センサー18が、壁面より僅かに貨幣搬送路14側に突出して備えられている。
上記の押圧ローラー28は、プーリー20、21及びガイドローラー24とによって貨幣を挟持し、搬送用ベルト23の駆動に従って貨幣を搬送する作用をする。
【0027】
次に、本体部の内部中央付近に設けた遊技媒体を払出す遊技媒体払出手段2の構成について説明する。
図6に示すように、遊技媒体払出手段2の上方には、多数枚の遊技媒体を収納するための容器であるホッパー29を有し、その下方には遊技媒体を所定数だけ計数して払出す駆動モータ(図示せず)にて回転する円盤状の媒体送出手段30と、下方に図示しない制御部とを備え、該媒体送出手段30に接続して払出される遊技媒体を第一受皿4及び第二受皿5に導く各通路31を備えている。
【0028】
該各通路31は、その途中において分岐通路31L(左客用)と、分岐通路31R(右客用)とに分岐し、該分岐点Qには分岐通路31Lと分岐通路31Rとを選択する通路切替手段であるシャッター32が備えられている。該シャッター32は、貨幣が貨幣識別手段3の第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8の何れかに挿入された場合、対応する分岐通路と通路31とを連通させ、他方の分岐通路を遮断する作用(働き)をする。尚、上述したように本体部の遊技媒体払出手段2の下部には、第一受皿(左客用)4と、第二受皿(右客用)5を上下に配置(図6においては、上部が第一受皿(左客用)4であり、直下部が第二受皿(右客用)5を備えている。尚、第一受皿4及び第二受皿5は、それぞれ対応する分岐通路31L、31Rと連通している。
【0029】
上記の第一受皿4及び第二受皿5は、上下に配置した形状と成しているが、これに限定されるものでなく、受皿を半分の位置に仕切り部材を設けて左右に均等とした形状であっても良い。
また、昨今の遊技店の遊技台(スロット台)の設置した遊技島は、最近、薄暗い照明と成しているため、左右の遊技客が間違いなく、さらに第一受皿4及び第二受皿5の位置を判り易くするため、視覚的表示手段(例えば、第一受皿4及び第二受皿5の外壁等の周辺に点灯、点滅する手段による発行表示手段)を備えても良い。
さらに、上記の発行表示手段による視覚的表示手段以外に着色(色別手段)による手段であっても良い。例えば、第一貨幣挿入口7と第一受皿4とを同色(青色)とし、第二貨幣挿入口8と第二受皿5とを同色(黄色)としたものであっても良い。
【0030】
次に、本発明の遊技媒体貸出機1を遊技島に設置した形態について説明する。
図7の遊技島の概略斜視図に示すように、遊技媒体貸出機1は水平状から成る棚板33上に複数台並べて配設された二台の遊技台34の中央に設置される。その具体的配列は、1台の遊技台34−遊技媒体貸出機1−2台の遊技台34−遊技媒体貸出機1−2台の遊技台34−遊技媒体貸出機1−1台の遊技台34の態様となる。
即ち、2台の遊技台34に対して1台の遊技媒体貸出機1の設置となるため、遊技台34毎に隣接した位置に遊技媒体貸出機1本体を設ける必要がなくなるが、実質は遊技台毎に隣接した設備と同じ機能を有していることになる。
【0031】
遊技台34の上部には水平状から成る天板35を備え、該天板35の適宜箇所に貨幣識別手段3が設けられている。該貨幣識別手段3の後部に連通して貨幣搬送装置36が一端から他端まで設置されている。、該貨幣搬送装置36はその一端側には貨幣搬送装置36にて搬送してきた貨幣を整列収納する貨幣収納装置3が設けられている。
【0032】
このように設置された遊技島の形態において、例えば、遊技媒体貸出機1を挟んで左側の遊技台を選択した遊技客は、遊技媒体の貸出しを受けるために遊技媒体貸出機1の貨幣識別手段3の第一貨幣挿入口7(左客用)側に貨幣を挿入することと成る。貨幣が挿入され、該貨幣が真券と判定されると、所定数量の遊技媒体が第一受皿4(左客用)側に排出される。同時に、貨幣は貨幣搬送装置36内を搬送していき貨幣収納装置37内に収納される。尚、右側の遊技台を選択した遊技客においては、第二貨幣挿入口8(右客用)側に貨幣を挿入することと成る。貨幣が挿入され、該貨幣が真券と判定されると、所定数量の遊技媒体が第二受皿5(右客用)側に排出される。
【0033】
次に、図8のフローチャート及び図9乃至図12の動作タイミングチャートを参照して本発明の遊技媒体貸出機1の動作について説明する。
ここで、図9は正常時、図10は使用された貨幣が真券ではない場合、図11は第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8に同時に貨幣が挿入された場合、図12は第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8に相前後して同時期に貨幣が挿入された場合の動作タイミングチャートである。
【0034】
先ず、正常動作の場合について説明する。
貨幣(例えば、千円紙幣)が挿入されると、ST1で貨幣識別手段3の動作状態がチェックされる。ここで、貨幣識別手段3が初期状態、即ち、貨幣の挿入待ち受け状態であった場合(Y)には、ST2に進み貨幣が挿入されたのは第一貨幣挿入口7か、第二貨幣挿入口8の何れか一方のみであるかどうかが判定される。判定は、貨幣挿入検出センサー9、10によって行われる。ここでは、第一貨幣挿入口7(左客用)にのみ貨幣が挿入された場合を例に説明する。
【0035】
この時、図9に示すように貨幣挿入検出センサー9のみがONする。ST2においてY判定のときはST3に進んで、貨幣が貨幣識別手段駆動センサー15を通過したことを検知して貨幣識別手段3がONし、貨幣搬送用ベルト23の正転がONする(図9を参照)。
【0036】
この場合、貨幣は貨幣搬送用ベルト23によって搬送されて、貨幣識別手段3の奥に引き込まれる。この際、貨幣が貨幣搬送路14の壁面側に突出している引抜防止片19を押して、これに連動する貨幣の通過確認スイッチをONする(ST4)(図9を参照)。
【0037】
次に、貨幣識別センサー16及び磁気センサー18によって真券かどうかが判定される(ST5)。貨幣の真偽の判定は、貨幣識別センサー16による貨幣の色印刷部の適・不適を、また磁気センサー18による磁気印刷部の適・不適のチェックによって行われる。また、ここでいう貨幣の偽の意味は、偽貨幣のみを意味するものではなく、使い古されて識別不能な貨幣をも含まれる。
【0038】
貨幣が真券と判定された場合には(Y)、貨幣は貨幣搬送装置36に引き込まれ、貨幣の末端が引抜防止片19を通過し終えると引抜防止片19がOFFし(ST6)、真券パルス(売上パルス)が発せられ(ST7)、貨幣識別機3、貨幣搬送用ベルト23、第一貨幣挿入識別センサー9がOFF(ST8)して一連の動作が終了する(図9を参照)。貨幣はそのまま貨幣搬送装置36によって搬送され一端の貨幣収納装置37内に収納される。
【0039】
次に、ST5において貨幣が真券ではないと判定された場合について説明する。
この場合は、所定時間内に真券パルスが発せられない状態であり、この時は、ST5ではN判定となりST9に進んで図10に示すように貨幣搬送用ベルト23の反転をONして貨幣を返却する(ST9)(図10を参照)。
そして、引抜防止片19がOFF(ST10)した後、貨幣識別手段3、貨幣搬送用ベルト23、第一貨幣挿入検出センサー9がOFF(ST11)して一連の動作が終了する(図10を参照)。
【0040】
次に、ST2において第一貨幣挿入口7と第二貨幣挿入口8に同時に貨幣が挿入されたことを検出した場合について説明する。
この場合は、ST2ではN判定となりST12に進んで図11に示すように貨幣識別手段3がONし、貨幣搬送用ベルト23が反転をONする。そして、両方の貨幣を返却した後、貨幣識別手段3、貨幣搬送用ベルト23、第一貨幣挿入検出センサー9がOFF(ST13)して一連の動作が終了する。この場合は、引抜防止片19は作動せず、従って真券パルスも発せられることがない(図11を参照)。
【0041】
次に、ST1において第一貨幣挿入口7か、第二貨幣挿入口8の何れか一方にに既に貨幣が挿入されている場合について説明する。
この場合、図12に示すように、貨幣識別手段3がONし、貨幣搬送用ベルト23が正転をONして、先行の貨幣が識別処理状態にある。この時、貨幣が他方の第二貨幣挿入口8(ここでは右側)に挿入されると、第二貨幣挿入検出センサー10がONする。この場合、ST1ではN判定となりST14に進んで貨幣搬送用ベルト23の反転をONして先の貨幣及び後の貨幣を返却する。
【0042】
そして、引抜防止片19がOFF(ST15)した後、貨幣識別手段3、貨幣搬送用ベルト23、第一貨幣挿入検出センサー9がOFF(ST16)して一連の動作が終了する(図12を参照)。
【0043】
本発明においては、貨幣識別手段3の単一の貨幣搬送路14と、第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8とを、貨幣ガイド板13で仕切って形成された第一誘導路11及び第二誘導路12でもって連通させているため、誘導路での切替手段(例えば、従来のようなアクチュエータやフラッパー等)のメカニカル手段は備えていない。それ故、誘導路を含む貨幣搬送路の構成が簡単となり、製品のコストアップを抑制することができる。また、メカニカルな誘導路の切替手段を備えていないために長年使用しても誘導路の切替手段に起因した故障の発生がなく、信頼性に優れるという特徴を有している。
【0044】
また、本発明には上記したように誘導路の切替手段を備えていないために、第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8に対して同時期に貨幣が挿入された場合の問題に対しては、第一貨幣挿入口7及び第二貨幣挿入口8の壁面に備えた第一貨幣挿入検出センサー9及び第二貨幣挿入検出センサー10の何れか一方のみがONしている時だけ、貨幣識別処理及び遊技媒体の貸出処理を行わせるようにし、第一貨幣挿入検出センサー9及び第二貨幣挿入検出センサー10の双方がONした場合には、双方の貨幣を返却するようにしているから、遊技媒体の払出処理におけるトラブルが発生する恐れがない。
【0045】
さらに、貨幣ガイド板13が貨幣識別センサー17近傍部まで延在して備えられているため貨幣を返却する際に、貨幣ガイド板13に沿って貨幣が戻るため途中で引っかかり貨幣詰りする恐れがない。
【0046】
以上の実施形態の説明においては、遊技媒体貸出機の貨幣識別装置に挿入する貨幣を千円紙幣として説明したが、カードや硬貨であっても良いことは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の貨幣識別装置及びその装置を利用した遊技媒体貸出機によれば、貨幣識別手段が備える第一貨幣挿入口(左客用)及び第二貨幣挿入口(右客用)と、単一の貨幣搬送路とを連通させる第一誘導路及び第二誘導路を仕切る手段として、薄板の貨幣ガイド部材(貨幣ガイド板)を第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口の合流部から貨幣搬送路の奥に向けて延在させて備えると共に、第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口付近に備えた貨幣挿入識別センサー等により、何れか一方にのみ貨幣が挿入されたことを検知した時だけ貨幣の識別処理及び遊技媒体の貸出処理を行うようにし、同時期に第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口の双方に貨幣が挿入された場合には、いずれの貨幣も返却するようにしたものであるので、第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口を備えた貨幣識別手段であっても、左右の誘導路を切替えるメカニカルな誘導路の切替手段を備える必要がなくなる。
その結果、製品のコストアップを抑制することが出来ると共に、信頼性の高い遊技媒体貸出機を提供することが出来る効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遊技媒体貸出機の概略斜視図である。
【図2】本発明に係る貨幣識別手段の正面図である。
【図3】図2におけるX−X矢視図である。
【図4】図2におけるY−Y矢視図である。
【図5】図2におけるZ−Z矢視図である。
【図6】本発明に係る遊技媒体払出手段の内部の概略構成を示した側面図である。
【図7】本発明の遊技媒体貸出機の設置態様示した概略斜視図である。
【図8】本発明の遊技媒体貸出機の動作を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の正常時の動作タイミングチャートである。
【図10】本発明において使用された貨幣が真券ではない場合の動作タイミングチャートである。
【図11】本発明において第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口に同時に貨幣が挿入された場合の動作タイミングチャートである。
【図12】本発明において第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口に相前後して同時期に貨幣が挿入された場合の動作タイミングチャートである
【符号の説明】
1 遊技媒体貸出機
2 遊技媒体払出手段
3 貨幣識別手段(貨幣識別装置)
4 第一受皿(左客用)
5 第二受皿(右客用)
7 第一貨幣挿入口(左客用)
8 第二貨幣挿入口(右客用)
9 第一貨幣挿入検出センサー
10 第二貨幣挿入検出センサー
13 貨幣ガイド部材(貨幣ガイド板)
30 遊技媒体送出手段
32 シャッター(通路切替手段)

Claims (1)

  1. 正面パネルの前面に備えた第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口と、
    貨幣を搬送し後面より排出させる単一の貨幣搬送路と、
    第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口付近に備えた貨幣挿入検出センサーと、
    貨幣搬送路に面して貨幣を識別する貨幣識別センサー等から成る貨幣識別手段と、
    第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口の合流部から貨幣搬送路に向けて設けた薄板状の貨幣ガイド部材と
    から構成された貨幣識別装置において、
    前記貨幣ガイド部材により、第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口の合流部から貨幣搬送路内に第一誘導路及び第二誘導路を形成すると共に、
    第一貨幣挿入口に第一誘導路が、第二貨幣挿入口に第二誘導路がそれぞれ連なって接続され、
    当該貨幣ガイド部材は、第一貨幣挿入口及び第二貨幣挿入口の合流部から貨幣搬送路内の貨幣識別センサーの設置位置を越えた辺長を有したことを特徴とする貨幣識別装置。
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