JP4684287B2 - 質量選択的な軸方向放出のための方法および装置 - Google Patents

質量選択的な軸方向放出のための方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、一般に質量分析法に関し、より詳しくは、選択的な軸方向放出のための方法および装置に関する。
多くのタイプの質量分析計が知られており、これらはイオン構造を判断するための微量成分分析用に広く利用されている。これらの分析計は、通常、イオンの質量電荷比(m/z)に基づいてイオンを分離する。
例えば、タンデム質量分析計は、質量選択部と、それに続いてフラグメンテーションセルと、次に質量分解部とを含むと考えられる。通常、MS/MS解析では、一つの前駆イオンあるいは親イオンが第1の質量選択部において選択される。残りのイオンはこの第1の質量選択部において除去される。次に、対象の親イオンあるいは前駆イオンはフラグメンテーションセル(fragmentation cell)において断片化される。次に、これらの断片(fragment)は下流の質量分解部に供給され、対象の特定の断片が選択される。残りの断片は、通常、除去される。
この手法は、タンデム質量分析法が検体物質の混合物を解析するために利用された場合に非効率的である。すなわち、一タイプのイオンがMS/MS試験の前駆体として選択されると、混合物の他の物質を表わすイオンは除去され失われることになる。また、他の物質を表わすイオンもまた対象であれば、これら他の対象のイオンに着目し、次のMS/MS分析を実行する必要があり、したがってこれらの試験を行なう時間と費用が増える。
タンデム質量分析法の別の動作モードは「前駆イオン走査」と呼ばれる。この動作モードでは、最初のロッド部と下流のフラグメンテーションセルとの間のフィルタリング窓が、選択的に前駆イオンを入れるためにゆっくりと変形される。次に、これら前駆イオンのそれぞれは、フラグメンテーションセルにおいて断片化され、そしてフラグメンテーションスペクトルを生成するために必要に応じ他のMS/MS計器により、フラグメンテーションセルの下流でさらなる質量分析にかけられる。異なるイオンに対して生成されたこれらのフラグメンテーションスペクトルから、所望のフラグメンテーションスペクトルを識別することができる。また、しかしながら、この動作モードにおいては、大部分のイオンが除去されるので効率は非常に低い。例えば、フィルタリング窓が1トムソン(Thomson)で、かつ、走査期間が1000トムソンの場合、計器の全体効率は、当該の単一前駆イオンのMS/MS試験と比較して、1/1000に低下するであろう。従って、混合物の異なる成分を表わすイオンのすべてを、貯蔵することができ、かつ、上述のような効率損失無しに選択ベースでフラグメンテーション段階に導入することができれば、MS/MS作業は、感度と効率の両方の点から実質的に改善されるであろう。
タンデム質量分析計は、また、四重極型質量分析器を上流に備えてもよく、この分析器では、RF/DCイオンガイドを使用して、狭い幅のm/z値範囲内のイオンを下流の「飛行時間」(「TOF」)分析器に送り、そこで既知経路に渡るイオンの飛行時間を測定することによりそのm/zを判定することができる。
四重極型質量分析器とは異なり、TOF分析器は、質量フィルタの走査パラメータを必要とせずに完全な質量スペクトルを記録し、それにより、より好適なデューティサイクルとより高い獲得速度(すなわち、分析工程におけるより迅速なターンアラウンド)を提供できる。一部の質量分析計では、RFイオンガイドは直交TOF質量分析器に接続され、ここでは、そのイオンガイドは、TOF分析器にイオンを送るためのものであるか、あるいはフラグメントイオンを生成しTOF分析器にフラグメントイオン(残りのすべての親イオンに加えて)を送るための衝突セルとして使用される。直交TOF質量分析器とイオンガイドとを組み合わせることは、分析用のTOF分析器にイオンを送る好都合な方法である。
イオンガイドを使用する直交TOF質量分析計の少なくとも2つの動作モードを採用することが、今日知られている。
第1のモードでは、連続的なイオンの流れは、衝突セルと質量フィルタからなる無線周波数のみの四重極型イオンガイドから出て、TOF分析器の抽出領域に導かれる。この流れは、次に、通常のTOFの方法で検出用TOF抽出パルスにより試料採取される。この動作モードは、例えば、非特許文献1に記載されるようにデューティサイクル損失を有する。
第2の動作モードは、Chernushevichらにより、および特許文献1と2に説明される。このモードは、特定のm/z値(すなわち、厳密に定義された範囲内のm/z値)を有するイオンがTOFの抽出領域内で一塊にして集められるように、2次元のイオンガイドからイオンをパルスにより取り出す工程を含む。この動作モードは、イオンガイドとTOF間の送出損失を低減するが、イオン速度のm/z比率依存性のために、小範囲のm/zからのイオンのみしか正しく同期することができなく、TOF分析器により効果的に検知することができる狭い範囲のm/z(典型的には、mmax/mmin≒2)に帰着する。したがって、広範囲の質量を有するイオンを記録しなければならない場合、すべてのスペクトルを記録するためには、重なり合うm/z範囲に特有のパラメータを有する複数のパルスを送信する必要がある。送信窓の外のイオンが抑制されるかまたは失われるので、これは非効率な結果をもたらす。この損失を回避する一つの方法は、本発明の譲受人に譲渡されている特許文献3に提案されている。この特許では、イオンの移動度段階はTOF分析器の上流に採用される。イオンの移動時間はイオンのm/z値と幾分相関がある。これによりパルスモードにおけるTOF窓の調整が可能となるので、TOF窓は、イオン移動段階から抽出するイオンのm/zに常に合わせられ得る。しかしながら、分析計装置に移動度段階を追加することにより、装置の複雑性とコストが増加する。さらに、パルスによる放出を使用することと、対応するTOF窓の連続的な調節により、分析計に対するサイクルタイムまたはプロセスターンアラウンドにおける最適な効率が妨げられる。
米国特許第5,689,111号明細書 米国特許第6,285,027号明細書 米国特許第6,744,043号明細書 Journal of Mass Spectrometry,2001,Vol.36,849〜865,Chernushevich et al.
本発明の第1の態様に基づき、入口端、出口端、複数のロッドおよび長手方向軸を有する細長いロッドセットを有する質量分析計を動作させる方法が提供される。本方法は、(a)ロッドセットの入口端にイオンを入れる工程と、(b)複数のロッド間にRF電界を生成して、ロッドセット内にイオンを径方向に閉じ込める工程と、(c)ロッドセット内に静的軸方向電界を提供する工程と、(d)ロッドセット内に、ロッドセットの長手方向軸に沿って変化する振動性軸方向電界(oscillating axial electric field)を提供して静的軸方向電界を打ち消すことにより、イオンを第1の群のイオンと第2の群のイオンに分離する工程とを有してなる。
本発明の第2の態様によると、質量分析計装置は、(a)イオン源と、(b)長手方向軸に沿って延在する複数のロッドと、イオン源からのイオンを入れるための入口端と、ロッドセットの長手方向軸を通過するイオンを放出するための出口端とを有する、ロッドセットと、(c)ロッドセットの複数のロッド間にRF電界を生成するための電源モジュールであって、(i)振動性軸方向電界がロッドセットの長手方向軸に沿って変化し、(ii)選択された静的軸方向電界と選択された振動性軸方向電界が互いに相殺し合い、選択された質量電荷比に基づいてイオンを第1の群のイオンと第2の群のイオンとに分離するように、ロッドセットに結合されて選択された静的軸方向電界と選択された振動性軸方向電界を供給する電源モジュールと、を備える。

本発明の好適な態様につき、添付の図面を参照し、以下に詳細に説明する。
図1に、本発明の好適な態様に基づくイオンガイド20を概略図により図示する。イオンガイド20は一組のロッド22により表わされ、径方向にイオンを閉じ込めるためにRF電圧がロッド電源22aにより(既知の方法で)これらに印加される。イオンガイド20の末端は、適切な電圧を出口電源25aから電極25に供給することにより閉塞することができる。この出口電極電圧は静的なDC成分と交番AC成分とを含むことができる。イオンは、出口電極25と、イオンガイド20内の軸方向電界分布に影響を及ぼすように配置された補助障壁電極30との間の領域27に捕獲することができる。適切な電圧が電源30aにより障壁電極30に供給される。
イオンガイド20の動作サイクルは、図1の線35、37、40で示すイオンガイド20の軸に沿った電位分布の略図により示される。分布電位35により表される蓄積期間中、イオンはイオンガイド20を充填することができる。一定時間経過後、これらイオンのうちの選択された群は、障壁電極30に適切な電圧を印加して障壁電極30の反対側の異なるm/z範囲のイオンを捕獲することにより、イオンガイド20内の他のイオンから隔離される(選択された当該イオンは、領域27の出口電極25隣接部分に捕獲される)。この中間期間のイオンガイドの軸に沿った電位分布は、図1の線37により図示される。次に、最終期間の線40により表される分布電位においては、領域27内に捕獲されたイオンは、出口障壁25に、あるいは主ロッド22に、あるいは出口障壁25と主ロッド22の両方に、印加されるACまたはDC電位の少なくとも一つの振幅を変化させることにより、イオンガイド20から質量選択的に放出される。
例えば、ロッドオフセットと出口障壁25との間のDC電位差が、イオンを出口に向かって引っ張る軸方向力を生成するようになっている。同時に、出口障壁25に印加されるAC電圧は、出口障壁からイオンを反発させる質量依存慣性力を生成する。これらの2つの力の全体的な効果は、DCおよびAC電圧の振幅により定められる閾値を超えたm/zを有するイオンを押して出口障壁25を通過させることができ、一方、この閾値より小さいm/zを有するイオンは出口障壁25によりイオンガイド20内に保持される。イオンのこの質量選択的な軸方向放出は、異なるm/zのイオンが軸方向に放出される、異なる電位分布を示す点線45による分布電位40に例示される。この手段により、出口障壁25に、またはロッド22に、あるいは出口障壁25とロッド22の両方に印加されるACおよび/またはDC電圧を変化させることにより、イオンをイオンガイド20から順次、抽出することができる。AC電圧による慣性力もまたAC電圧の周波数に依存し得るので、この周波数もまた、イオン放出のためのm/z閾値を走査するために変化させることができる。
図2に、本発明の第2の好適な態様に基づくイオンガイド120を概略図により図示する。図2のイオンガイド120では、ロッド電源122aによりイオンガイド120に提供されるRF電界は、イオンガイド120の出口に向かって減少させることが多い。この結果、イオンビームの径方向の閉じ込め強度は出口に向かって減少し、したがって、トラップを出るイオンの空間的分布および速度的分布を広げ得る。さらに、出口近くのフリンジング電場におけるRF電界とAC電界によって引き起こされる運動の不要な結合は、さらに空間的分布および速度的分布を歪め得る。図2のイオンガイド120は、この問題に対処するための機能を含む。
図1のイオンガイド20と同様に、図2のイオンガイド120は一組のロッド122を含み、径方向にイオンを閉じ込める既知の方法でRF電界はそれらに印加される。イオンガイド120の末端は、出口電源125aにより供給される適切な電圧を分割領域125の各ロッドへ印加することより閉塞することができ、この分割領域125は図1のイオンガイド20の出口障壁25を置換している。この出口電圧は静的なDC成分と交番AC成分を含んでよい。イオン127は、分割領域125と、イオンガイド120における軸方向電界分布に影響を及ぼすように配置された補助障壁電極130との間に捕獲することができる。適切な電圧が、電源130aにより障壁電極130に供給される。
イオンガイド120の動作サイクルは、図2の線135、137、140で示すイオンガイド120の軸に沿った電位分布の略図により示される。分布電位135により表される蓄積期間中に、イオンはイオンガイド120を充填することができる。一定時間経過後、これらイオンのうち選択された群は、障壁電極130に適切な電圧を印加することにより、障壁電極130の反対側の異なるm/zのイオンを捕獲することによりイオンガイド120内の他のイオンから隔離される(選択された当該イオンは、分割領域125に隣接する領域127に捕獲される)。この中間期間におけるイオンガイド120の軸に沿った電位分布は、図2の線137により図示される。次に、最終期間の線140により表される分布電位においては、捕獲されたイオンは、分割領域125に、あるいは主ロッド122に、あるいは分割領域125と主ロッド122の両方に、印加されるACまたはDC電位の少なくとも一つの振幅を変化させることにより、イオンガイド120から質量選択的に放出され得る。この時、ACおよびDC電位は軸方向力および反作用慣性力を生成するために使用され、選択された閾値を超えるm/zを有するイオンを押して分割領域125を通過させる一方、この閾値より小さいm/zを有するイオンは、分割領域125と障壁電極130との間のイオンガイド120内に保持される。イオンのこの質量選択的放出(mass selective ejection)は、異なるm/zのイオンが軸方向に放出される異なる電位分布を示す点線145により分布電位140に例示される。この手段により、図1のイオンガイド20と同様にして、分割領域125に、またはロッド122に、あるいは分割領域125とロッド122の両方に、印加されるACおよび/またはDC電圧を変化させることにより、イオンを、イオンガイド120から順次、抽出することができる。さらに、分割領域125は、イオンビームをイオンガイド120の出口に向かって径方向に閉じ込め、これによりイオンガイド120を出るイオンの空間的分布および速度分布を狭くする。
図3に、本発明の第3の好適な態様に基づくイオンガイド220を概略図により図示する。イオンガイド220はロッド222からなり、分割電極または分割領域225がイオンガイド220の末端における出口障壁を設ける。ロッド電源222aによってイオンガイド220のロッド222に印加されるのと同じRF電圧が、セグメント電源225a、228a、230aによって分割電極225、228、230にもそれぞれ印加され、イオンガイド220内にイオンビームを径方向に閉じ込める。もちろん、異なるRF電圧、そして異なるRF周波数ですら異なるセグメントに使用できるので、ロッド222の残りに印加されるものと同じRF電圧を分割電極225、228、230のそれぞれに必ずしも印加する必要はない(但し、これらの電圧と周波数はイオンビームを径方向に閉じ込めるとものとする)。
図3のイオンガイド220の動作サイクルは、図1のイオンガイド20の動作サイクルと似ている。すなわち、イオンは、分割領域225と分割領域230との間の分割領域228に隣接する領域227内に捕獲することができる。イオンガイド222の動作サイクルは、イオンガイド220の軸に沿った電位分布235、237、240により示される。分布電位235により表される蓄積期間中に、イオンはイオンガイド220を充填することができる。一定時間経過後、これらイオンのうち選択された群は、異なるm/z範囲のイオンを分割領域230の反対側で捕獲するために、分割領域230に適正電圧を印加することによりイオンガイド220内の他のイオンから隔離される(選択された当該イオンは分割領域230と225の間に捕獲される)。この中間期間におけるイオンガイドの軸に沿った電位分布は、図3の線237により図示される。次に、最終期間の線240により表される分布電位において、分割領域225のロッドのそれぞれに、あるいは主ロッド222のそれぞれに、あるいは分割領域225と主ロッド222の両方に、印加されるACまたはDC電位の少なくとも一つの振幅を変えることにより、捕獲されたイオンはイオンガイド220から質量選択的に放出される。
図4に、本発明の第4の好適な態様に基づくイオンガイド320を概略図により図示する。イオンガイド320は複数のセグメント325に分割される。イオンガイド320の出口は図4の右側に設置される。同じRF電圧をイオンガイドの各セグメントに印加することでイオンビームを径方向に閉じ込めることができる。複数のセグメント325のセグメント毎に、個々のバイアス電圧(例えば、i番目のセグメントのUi)をRF電圧と重ね合わせて軸方向の電界を制御することができる。最初の2つのセグメント対するUi(すなわち、U1、U2)を図4に示す。一般に、各バイアス電圧Uiは、すべてのバイアス電圧が連携して、イオンガイド320の軸に沿った所望の任意のプロフィルを提供できるように、個々に選択される。図示のように、個々のバイアス電圧U1とU2は、独立に制御可能な電源P1とP2によりそれぞれのセグメントに供給される。一般に、バイアス電圧Uiは独立に制御可能な電源Piによりロッドセットの各ロッドに供給される。
複数のセグメント325の個々のセグメントに対する個別電源PSiについて、図4aにさらに詳細に例示する。図示のように、各個別電源は付随の抵抗器326とキャパシタ328を含む。抵抗器326は、それぞれのセグメントに印加される特定のDC電圧を決定する役割を主として担い、一方、キャパシタ328は、それぞれのセグメントに供給されるAC電圧を決定する役割を主として担う。
図示のように、個々のセグメントPSiに印加される電圧Ui(t)は、また、時間の関数とすることができる。例えば、バイアス電圧は、Un=An+Bn×sin(Ωt)の形式を取ってもよい。ここで、Anはバイアス電圧のDC成分、BnはAC電圧発振の振幅、ΩはAC発振のサイクル周波数である。異なるバイアス電圧をイオンガイド320の異なるセグメントに印加できるようにすることで、DC軸方向力と実効AC力をイオンガイド320の軸に沿って所望どおりに変化させることができる。
DC軸方向力と実効AC力の可能な分布プロフィルを、図4の線330、335、340、345に図示する。実線330は、イオンガイド320の出口327に向かってイオンを押すDC電気力を表わす。図1〜図3に関連し上に説明した構成と同様に、複数のセグメント325の各セグメントに印加されるAC電圧は、反対方向に作用する実効電界を生成しイオンを押してイオンガイド320の出口327から離すような方式で、イオンガイド320の長さに沿って変化する。図4に示す例では、AC電圧による実効電界はイオンガイド320の入口に向かって減少する。異なるm/zのイオンの慣性力は破線335、340、345により表される。破線335、340、345は、簡潔のため直線として示されるが、実際には、これらの慣性力は階段関数で表されるであろう。ここでは、慣性力は、イオンガイド320の複数のセグメント325の各セグメントに渡って一定のままであり、新しいセグメントにおいて異なる慣性力に急激に変化する。しかしながら、好ましくは、イオンガイド320の軸に沿った複数のセグメント325の各セグメントの寸法は、これらの階段関数が直線335、340、345に近づくように、可能な限り小さくすべきである。
イオンは、一方向のDCすなわち軸方向力が反対方向に作用する慣性力とつり合った領域のイオンガイド320において捕獲され得る。例えば、破線335で表される慣性力に従うm/zを有するイオンはイオンガイド320の領域337において捕獲され、一方、破線340で表される慣性力に従うm/zを有するイオンは領域342において捕獲され得る。破線345で表される慣性力に従うm/zを有するイオンは、この場合に供給されるACおよびDC電位では捕獲されず、出口端327を介しイオンガイド320から軸方向に放出され得るということに留意されたい。
各セグメントに印加されるバイアス電圧を変えることにより、イオンをイオンガイド320の出口端327に向かって移動させることができ、m/z比率に基づき順次、抽出することができる。
図1〜図3のイオンガイドには共通の制約がある。障壁電極と、出口電極または出口ロッドセグメントとの間の質量選択的放出領域が非常に小さい。その結果、これらのイオンガイドは空間電荷に対し極めて限られた容積を有する。言いかえれば、非常に少数のイオンのみが、図1〜図3の質量選択領域27、127、227それぞれの中に入ることが許される。対照的に、図4のイオンガイド320は、異なるm/zのイオンがトラップの異なる領域を占めることができ、それにより局部的な電荷密度を低減するので、空間電荷に対してはるかに大きな容積を有する。さらに、軸方向電位の相対的変化は、図1〜図3に示されるイオンガイドに比べて低減することができる(ロッド径がすべての場合に対し同じであると仮定する)。軸方向電界の変化は、ガウスの定理(div E=0)の結果として、常に、径方向の電界の変化に帰着するということに留意されたい。したがって、軸方向に急速に電界を変えることは、イオントラップの径方向の閉じ込め能力を制限し得る。
図4のイオンガイド320の一つの欠点は、複数のセグメント325の各セグメントに、独立して制御されるACおよびDC電圧と、イオンビームを径方向に閉じ込めるために複数のセグメント325の各セグメントに印加されなければならないRF電圧とを供給する多数の電源PSiを必要とするので電気的な観点からいくぶん複雑であるということである。しかしながら、ACおよびDC電圧の軸方向分布の選択の柔軟性を犠牲にするが、より単純な電気的な構造を用いてイオンガイド内の変更可能な軸方向電界を実現することができる。これら相反する切実な要求間の様々な妥協物を、図5、5a、5bの変形において例示する。
図5に、本発明の第5の態様に基づくイオンガイド420を概略図により例示する。イオンガイド420は複数のセグメント425を含む。イオンガイド420において、複数の抵抗性および容量性分圧器455は、電源422から各セグメントの各ロッドにACおよびDC電圧を供給するために使用される。各抵抗性および容量性分圧器455はキャパシタ457と抵抗器459とを含む。一実施形態では、複数の抵抗性および容量性分圧器455の各抵抗器459は同じ値を有し、複数の抵抗性および容量性分圧器455の各キャパシタ457は同じ値を有する。この選択肢は、製造上の理由から最も好都合なものかもしれない。次に、不均一な軸方向電界は、図5に示すように、イオンガイド420の軸に沿ったセグメント425の長さを変えることにより提供することができる。あるいは、不均一な軸方向電界を提供するために分圧器455の抵抗器459とキャパシタ457の値を変えてもよいであろう。キャパシタ457はイオンガイド420に沿ったAC電圧プロフィルを主に定義し、一方、抵抗器はイオンガイドに沿ったDC電圧プロフィルを定義することに留意されたい。図4と図5の変形は、電気的な容易性と、イオンガイドに提供される軸方向電界における変化を制御する能力との間の妥協の両極端を表わす。しかしながら、これらの両極端の間で多くの中間的妥協が可能である。これらのうちの2つを図5aと図5bに例示する。
図5aに、本発明の第6の態様に基づくイオンガイド420’を概略図により図示する。明確にするため、アポストロフィーを加えた同じ参照符号が、図5に関連して上に述べたものと同様な素子を明示するために使用される。しかしながら、簡略化のため、図5の説明は図5aに関しては繰り返さない。
図5のイオンガイド420に印加されるAC電圧プロフィルとDC電圧プロフィルは、電源422だけでなく、抵抗器459およびキャパシタ457によって予め決められている。対照的に、図5aのイオンガイド420’の電源の構成は、時間経過と共にとともにDC電圧プロフィルではなくAC電圧プロフィルを容易に変えられるようにしている(もちろん、印加するDCの大きさを変えることができる)。すなわち、イオンガイド420’に沿ったDC電圧プロフィルを提供するために単一のDC電源422’が使用される。このDC電圧プロフィルは、抵抗器459’の抵抗値に基づきイオンガイド420’の複数のセグメント425’間で変化する。したがって、この電圧プロフィルの形を変える場合は、必ず抵抗器459’の抵抗値を変える。
しかしながら、個々のAC電源は各セグメントに供給される。すなわち、各セグメントiはキャパシタ457を介しAC電源I(PSi)に連結される。これら個々のAC電源は独立して制御可能なので、複数のセグメント425’の各セグメントに供給されるAC電圧は、個々に制御することができる。
図5bに、本発明の第7の態様に基づくイオンガイド420”を概略図により図示する。明確にするため、二重のアポストロフィーを加えた同じ参照符号が、図5に関連して上に述べたものと同様の素子を明示するために使用される。しかしながら、簡略化のため、図5の説明は図5bに関しては繰り返さない。
図5bにおいて、状態は図5aのものに対して逆にされる。すなわち、単一のAC電源422”は、キャパシタ457”を介し、イオンガイド420”の複数のセグメント425”の各セグメントに連結される。この場合、もちろん、これらのAC電圧プロフィルの大きさをAC電源422”により変えることができるが、イオンガイド420”に提供されるAC電圧プロフィルは、キャパシタ457”の値により予め決められている。しかしながら、対照的に、個々のそして独立して制御可能なDC電源iは、複数のセグメント425”のi番目のセグメントに供給される。この個々の電源は、抵抗器459”により関連するセグメントに接続される。この場合、イオンガイド420”に沿って提供されるDC電圧プロフィルは、各セグメントに対する個々のDC電源を独立して制御することにより時間経過と共に変化させることができる。
図6に、本発明の好適な態様に基づくイオン分離方法をフローチャートにより例示する。図6のフローチャートの工程502では、イオンはロッドセットの入口端に入れられる。次に、工程504では、ロッドセットの出口端に隣接するロッドセットの出口部材において出口電界を生成することにより、およびロッドセット内に径方向にイオンを閉じ込めるためにロッドセットのロッド間にRF電界を生成することにより、イオンをロッドセットの内に捕獲する。工程506では、イオンを少なくとも2つの異なる群のイオンに分離するための質量電荷比が選択される。次に工程508と510それぞれでは、静的軸方向電界および振動性軸方向電界がロッドセット内に提供されて、イオンを第1の群のイオンと第2の群のイオンに分離する。静的軸方向電界と振動性軸方向電界の両方は、工程504で生成された出口電界とRF電界のいずれかまたは両方を使用して生成することができる。静的軸方向電界は、長手方向軸に略平行な第1の方向にイオンに作用する軸方向力を提供するために使用され、一方、振動性軸方向電界は、第1の方向と反対の第2の方向にイオンに作用する慣性力を提供するために使用される。本発明の一つの態様によると、第2の方向は、入口端からロッドセットの出口端に向かう。
振動電界の全対の力は、以下の式で近似できることは周知である〔「不均一RF電界:低速度イオンを有する処理の研究のための多目的ツール」ディータガーリッヒ(1992年)、状態選択および状態間イオン分子反応力学、C.Y.Ng、M.バエル編集、化学物理学の進歩シリーズ、第82巻、J.ウィリー&サンズ(J.Wiley&Sons)(1992)」〕〔“Inhomogeneous RF Fields:A Versatile Tool For The Study Of Processes With Slow Ions”by Dieter Gerlich(1992)−from:State−Selected and State−to−State Ion−Molecule Reaction Dynamics,edited by C.Y.Ng and M.Baer. Advances in Chemical Physics Series,LXXXII,J.ウィリー&サンズ(J.Wiley&Sons)(1992)〕
Figure 0004684287
振動電界により提供される慣性力は質量に依存することに留意されたい。したがって、静的軸方向電界により提供される質量非依存の軸方向力の反作用と、振動性軸方向電界により提供される質量依存の慣性力とにより、イオンのm/zに基づいて分離することができる。また、上記の式から、慣性力が提供されるためには、振動性軸方向電界がロッドセットの長手方向軸に沿って変化しなければならないということに留意されたい。
静的軸方向電界と振動性軸方向電界は、様々な方法で提供することができる。例えば、静的軸方向電界は、RF電界のDCロッドオフセットと出口電界の静的なDC成分との間のDC電位差により提供することができ、一方、振動電界は出口電界の交番AC成分により提供される。
選択された質量電荷比に依存して、振動性軸方向電界または静的軸方向電界の少なくとも一つを調整して所望の分離を行うことができる。例えば、振動性軸方向電界の振幅を調整して慣性力を変化させ、それによって分離が発生するm/z閾値を変化させることができる。あるいは、静的軸方向電界の振幅を変化させて、分離のためのm/z閾値を変更することができる。別の変形によると、振動性軸方向電界の周波数を変化させて、分離のためのm/z閾値を変更することができる。
工程512では、振動性軸方向電界または静的軸方向電界の少なくとも一つを質量電荷比に基づいて調整して、第2の群のイオンをロッドセット内に保持しつつ第1の群のイオンを軸方向に放出する。工程512の前に、第1の群のイオンと第2の群のイオンの両方はロッドセットの質量選択的放出領域内に捕獲されることが好ましい。質量選択的放出領域は、障壁電極からロッドセットの出口端に向かって延在する。障壁電界は、質量選択的放出領域内にイオンを捕獲するために障壁電極に提供される。
質量選択的放出領域は、図2と図3に示すように出口端から間隔をあけることが好ましい。
あるいは、図4と図5に示すように、第1の群のイオンを第1の捕獲場所で捕獲し、一方、第2の群のイオンを第1の捕獲場所から間隔をあけた第2の捕獲場所で捕獲してもよい。これは、慣性力が第1捕獲場所で第1の群のイオンの軸方向力と等しく、第2の捕獲場所で第2の群のイオンの軸方向力と等しくなるように、ロッドセットの長手方向軸に沿った軸方向力に対して変化する振動性軸方向電界により提供される慣性力の結果である。こうして、異なる群のイオン(異なるm/z比率を有するイオン)をロッドセットの長径に沿った異なる点で捕獲することができるので、イオン電荷をロッドセットの長手方向に沿って間隔をあけて配置することができる。
本発明の好適な態様によると、反作用慣性力と軸方向力は、タンデム質量分析計の上流の質量分析計に使用される。次に、工程514では、第1の群のイオンがこの上流の質量分析計から軸方向に放出された後、この第1の群のイオンは、タンデム質量分析計の他の構成部内でさらに処理される。例えば、第1の群のイオンはフラグメンテーションセルにおいて断片化され、これらの断片が続いて検出されてもよく、あるいは、第1の群のイオン自身が軸方向放出工程512の後に検知されてもよい。工程512の軸方向に放出された第1の群のイオンの検出は、例えばTOF分析器によるものでよい。この場合、重いイオンに、TOF分析器を通過する走行上の有利なスタートを与えるために、軽いイオンが保持される一方で、重いイオンはTOF分析器に対し軸方向に放出されることが好ましい。その後、軽いイオンは軸方向にTOF分析器へ放出される。
したがって、工程516に示すように、第2の群のイオンは、静的軸方向電界と振動性軸方向電界の少なくとも一つを変化させることにより軸方向に放出される。次に、上記工程514と同様に工程518では、第2の群のイオンはさらに処理されることとなる。
図7に、本発明のさらに別の態様に基づくタンデム質量分析計構造600をブロック図で例示する。タンデム質量分析計構造600は、イオンを図4、4a、5、5a、5bのいずれかのイオンガイドのような質量選択的放出トラップ604に入れるイオン源602含む。図6に関連して説明したように、イオンは質量選択的放出トラップ604内で捕獲される。次に、選択的な質量電荷比に基づき、イオンを第1の群のイオンと第2の群のイオンに分離するために静的軸方向電界と振動性軸方向電界が質量選択的放出トラップ内に提供される。軸方向電界は第1の方向にイオンに作用する軸方向力を提供するために使用され、一方、振動性軸方向電界は第1の方向と反対の第2の方向にイオンに作用する慣性力を提供するために使用される。次に、慣性力または軸方向力の一つは、質量選択的放出トラップ604からフラグメンテーションセル606に、第1の群のイオンを軸方向に放出するために使用される。フラグメンテーションセル606において第1の群のイオンは、断片化されて軸方向に放出され、そして質量分析計608において検出され得る。フラグメンテーションセル606からの第1の群のイオンの断片を放出したあと、後続の断片化と質量分析計608による下流の検出のために第2の群のイオンを質量選択的放出トラップ604からフラグメンテーションセル606へ軸方向に放出することができる。
図8に、本発明の別の態様に基づくMS/MS構造をブロック図で例示する。この態様において、イオンはイオン源702から放出され、そして第1のフラグメンテーションセル706に供給される前に最初の質量選択のための第1の質量分析計704を通過させられる。フラグメンテーションセル706内では、第1の質量分析計704において選択されたイオンが断片化される。次に、すべての断片は、図4、4a、5、5a、5bに関連して上に説明したイオンガイドのいずれかを含む質量選択的放出トラップ708に対し軸方向に放出される。質量選択的放出トラップ708内では、選択的な質量電荷比に基づき、フラグメントイオンは、静的軸方向電界と振動性軸方向電界を上述のように使用することにより少なくとも2つの異なる群のイオンに分割される。次に、この複数のフラグメントイオンのうちの選択された群は、さらなる断片化のための第2のフラグメンテーションセル710に対し軸方向に放出される。次に、生成された断片は、第3の質量分析計712に対し軸方向に放出され、そこで検出される。これらの生成された断片が第2のフラグメンテーションセル710から軸方向に放出された後、質量選択的放出トラップ708内に貯蔵された他のフラグメントイオンの群を、要望通り第2のフラグメンテーションセル710に対し軸方向に放出することができ、そして処理は継続される。
図9に、本発明の別の態様に基づくイオンガイド820を概略図により図示する。イオンガイド820は、複数のセグメント825と、入口セグメント822および出口セグメント824に分割される。図4のイオンガイド320と同様に、複数のセグメント825のセグメント毎に、個々のバイアス電圧Uiは、RF電圧と重ね合わされて、軸方向電界を制御することができる。最初の2つのセグメント対するUi(すなわち、U1、U2)を図9に示す。一般に、各バイアス電圧Uiは、すべてのバイアス電圧が連携してイオンガイド820の軸に沿った所望の任意のプロフィルを提供できるように、個々に選択される。個々のバイアス電圧U1とU2は、独立に制御可能な電源P1とP2によりそれぞれのセグメントに供給される。一般に、バイアス電圧Uiは独立に制御可能な電源Piによりロッドセット内の各セグメントに供給される。この実施形態では、複数のセグメント825のうちの個々のセグメントに対する個別電源Piは、複数のセグメント825内の隣接するセグメントと反対極性のAC電圧を供給する。したがって、P1が、複数のセグメント825内の第1のセグメントに印加された負のAC電圧からなると、iが奇数のすべてのPiは負のAC成分からなり、iが偶数のすべてのPiは正のAC成分からなる。ガーリッヒ(Gerlich)の式を適用するとACプロフィル835が得られ、ここでは、擬電位井戸が各セグメントの中央に向かって供給され、隣接するセグメントが接続される点で最高値に達する。
イオンを捕獲するため、DC電界855はゼロまたは小さい値に設定することができ、一方、AC電圧は適度に高い値に維持される。十分な回数の衝突後、イオンは擬電位井戸の底近くの領域842に沈殿し得る。
この構成の結果、離散的な群のイオン842を、個々のセグメントの中心に向かって軸方向に集めることができ、そして複数のセグメント825における異なるセグメントの接合点で非常に低いイオン濃度とすることができる。したがって、図9の構成は、イオンガイド820の長手方向軸に沿ってイオンを軸方向に分散する。
イオンを質量選択的に放出するために、個々のセグメントにDC電圧を印加することにより、出口に向かって傾斜する新しいDC電位プロフィル830が印加される。この新しいDC電位プロフィル830はDC電界855に置き換わる。ACプロフィル835による慣性力は質量に依存し、DC電位830による軸方向力はそうでないので、軽いイオンが保持される一方で、重いイオンはイオンガイド820から軸方向に放出され得る。DC電位830を増加するか、AC電位835の振幅を低減するか、AC周波数を増加するか、あるいはそれらの組み合わせにより、イオンをイオンガイド820から順次、放出することができる。
本発明のその他の変形および変更は可能である。例えば、図5に関連して示し記載したものに加えて他の電気的な構成を使用して、イオンガイドの個々セグメントにACおよびDC電圧を供給することができるであろう。さらに、軸方向電界とイオンガイドを生成する他の方法を適用して線形イオントラップ内に所望の電界を生成することができる。例えば、ロッド上の導電性皮膜をセグメントの代わりに使用することができ、あるいは追加の補助電極を使用して軸方向電界を生成することができる。これら方法の大部分は米国特許第5,847,386号明細書と米国特許第6,111,250号明細書に要約される。さらに、上記イオンガイド、特に図4に関連して説明したイオンガイドは、DC電位により供給される軸方向力がイオンを出口に向かって押す一方で、慣性力がイオンを出口から反発させると説明したが、この構成は、DC電位による軸方向力がイオンを出口から反発させる一方で、慣性力がイオンを出口に向かって押すように容易に逆にすることができるであろう。あるいは、必要に応じ、イオンガイドはイオンを入口へ送るように構成することができるであろう。このような変更あるいは変形はすべて、ここに添付された特許請求の範囲により規定される本発明の範囲と趣旨に属すると考えられる。
図1は、概略図により、イオンガイドを図示するとともに本発明の好適な実施形態によるイオンガイドの軸に沿った電位分布を簡略に示す。 図2は、概略図により、イオンガイドを図示するとともに本発明の第2の好適な実施形態によるイオンガイドの軸に沿った電位分布を簡略に示す。 図3は、概略図により、イオンガイドを図示するとともに本発明の第3の好適な実施形態によるイオンガイドの軸に沿った電位分布を簡略に示す。 図4は、概略図により、イオンガイドを図示するとともに本発明の第4の好適な実施形態によるイオンガイドの軸に沿った電位分布を簡略に示す。 図4aは、概略図により、個別電源装置と共に図4のイオンガイドをさらに詳細に図示する。 図5は、本発明の第5の好適な態様に基づくイオンガイドを概略図により図示する。 図5aは、本発明の第6の好適な態様に基づくイオンガイドを概略図により図示する。 図5bは、本発明の第7の好適な態様に基づくイオンガイドを概略図により図示する。 図6は、本発明の別の態様に基づくイオンの分離方法をフローチャートにより図示する。 図7は、本発明の一実施形態によるMS/MS構成をブロック図により図示する。 図8は、本発明の別の態様に基づく第2のMS/MS構成をブロック図により図示する。 図9は、本発明の別の態様に基づくイオンガイドを概略図により図示する。

Claims (28)

  1. 入口端、出口端、複数のロッドおよび長手方向軸を有する細長いロッドセットを有する質量分析計を動作させる方法であって、
    (a)前記ロッドセットの前記入口端にイオンを入れる工程と、
    (b)前記複数のロッド間にRF電界を生成して、前記ロッドセット内に前記イオンを径方向に閉じ込める工程と、
    (c)前記ロッドセット内に静的軸方向電界を提供する工程と、
    (d)前記ロッドセット内に、前記ロッドセットの長手方向軸に沿って変化する振動性軸方向電界を提供して、前記静的軸方向電界を打ち消すことにより、前記イオンを第1の群のイオンと第2の群のイオンに分離する工程と、を有してなることを特徴とする方法。
  2. 前記工程(d)は、前記イオンを前記第1の群のイオンと前記第2の群のイオンに分離するための質量電荷比を選択することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記質量電荷比に基づき前記振動性軸方向電界の振幅と前記静的軸方向電界の振幅の少なくとも一つを選択する工程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記質量電荷比に基づき前記振動性軸方向電界の周波数を選択する工程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 前記ロッドセットの前記出口端に隣接する出口部材における出口電界を生成することにより前記ロッドセット内にイオンを捕獲する工程をさらに含み、
    前記工程(c)は、前記出口電界と前記RF電界の少なくとも一つを使用することにより前記静的軸方向電界を提供することを含み、
    前記工程(d)は、前記出口電界と前記RF電界の少なくとも一つを使用することにより前記振動性軸方向電界を提供することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  6. 前記出口電界は静的DC成分と交番AC成分を含み、
    前記静的軸方向電界は、前記RF電界のDCロッドオフセットと前記出口電界の前記静的DC成分との間のDC電位差により提供され、
    前記振動性軸方向電界は前記出口電界の前記交番AC成分により提供されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記工程(c)は、前記静的軸方向電界を使用して、長手方向軸に略平行な第1の方向に、前記イオンに対し作用する軸方向力を提供することを含み、
    前記工程(d)は、前記振動性軸方向電界を使用して、前記第1方向と反対の第2の方向に、前記イオンに対し作用する慣性力を提供することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  8. 前記第2の方向は前記入口端から前記出口端に向かうことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記工程(d)は、前記第1の群のイオンを軸方向に放出すると同時に前記第2の群のイオンを保持することを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記工程(b)は前記ロッドセットの質量選択的放出領域内に前記イオンを捕獲することをさらに含み、前記質量選択的放出領域は障壁電極から前記ロッドセットの前記出口端に向かって延在し、障壁電界が、前記イオンを前記質量選択的放出領域に捕獲するために前記障壁電極において提供されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記質量選択的放出領域と前記出口端との間隔をあける工程をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記工程(d)は、前記第1の群のイオンを長手方向軸に沿った第1の捕獲場所に、前記第2の群のイオンを長手方向軸に沿った前記第1捕獲場所から間隔をあけた第2の捕獲場所に、捕獲する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 前記工程(c)は、前記静的軸方向電界を使用して、前記ロッドセットの長手方向軸に略平行な第1の方向に、前記イオンに対し作用する軸方向力を提供することを含み、
    前記工程(d)は、前記振動性軸方向電界を使用して、前記第1方向と反対の第2の方向に、前記イオンに対し作用する慣性力を提供することを含み、
    前記慣性力は、前記ロッドセットの長手方向軸に沿った前記軸方向力に対して変化し、
    前記慣性力は、前記第1捕獲場所における前記第1の群のイオンに対する軸方向力と、前記第2の捕獲場所における前記第2の群のイオンに対する軸方向力とを等しくすることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 第1の放出段階において、前記静的軸方向電界と前記振動性軸方向電界の少なくとも一つを変化させて、前記第1の群のイオンを軸方向に放出すると同時に前記第2の群のイオンを保持する工程と、
    第2の放出段階において、前記静的軸方向電界と前記振動性軸方向電界の少なくとも一つを変化させて、前記第2の群のイオンを軸方向に放出する工程と、を連続してさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1の放出段階中に、前記軸方向に放出された第1の群のイオンの少なくとも一部を検知する工程と、
    前記第2の放出段階中に、前記軸方向に放出された第2の群のイオンの少なくとも一部を検知する工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1の放出段階中に、前記軸方向に放出された第1の群のイオンの少なくとも一部を断片化する工程と、
    前記第2の放出段階中に、前記軸方向に放出された第2の群のイオンの少なくとも一部を断片化する工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  17. 前記工程(d)は、前記ロッドセットの長手方向軸に沿った前記振動性軸方向電界の極性を変化させて、イオンを捕獲するための複数の領域を提供することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  18. (a)イオン源と、
    (b)ロッドセットであって、長手方向軸に沿って延在する複数のロッドと、前記イオン源からのイオンを入れるための入口端と、前記ロッドセットの長手方向軸を通過するイオンを放出するための出口端とを有するロッドセットと、
    (c)前記ロッドセットの前記複数のロッド間に、前記ロッドセット内にイオンを径方向に閉じ込めるためのRF電界を生成するための電源モジュールあって、
    前記ロッドセットに結合されて、
    (i)前記ロッドセットの長手方向軸に沿って変化する選択された振動性軸方向電界と、(ii)前記選択された振動性軸方向電界と相殺し合って、選択された質量電荷比に基づいて前記イオンが第1の群のイオンと第2の群のイオンとに分離されるような、選択された静的軸方向電界とを提供する電源モジュールと、
    を備えることを特徴とする質量分析計装置。
  19. 前記ロッドセットの出口端の出口部材であって、前記電源モジュールは、前記ロッドセット内に前記イオンを捕獲するために前記出口部材における出口電界を提供するように動作可能である、出口部材と、
    前記出口部材のそばの前記イオンを貯蔵するための質量選択的放出領域と、をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の質量分析計装置。
  20. 前記出口部材は、前記質量選択的放出領域と前記出口端との間隔をあけるために、前記出口端から前記ロッドセットの前記入口端に向かって延在することを特徴とする請求項19に記載の質量分析計装置。
  21. 前記出口部材は、前記ロッドセットの前記複数のロッドのロッド毎に、前記ロッドの出口セグメントを含むことを特徴とする請求項20に記載の質量分析計装置。
  22. 前記ロッドセットの前記複数のロッドの各ロッドは一連のセグメントを含み、
    前記電源モジュールは、前記一連のセグメントのセグメント毎に、独立して制御可能な電圧を前記セグメントに供給するための、前記セグメントに結合されたセグメント特有の電源を含むことを特徴とする請求項18に記載の質量分析計装置。
  23. 前記ロッドセットの前記複数のロッドの各ロッドは一連のセグメントを含み、
    前記電源モジュールは、前記ロッドセットの前記入口端で第1のセグメントに、前記ロッドセットの前記出口端で最後のセグメントに、電気的に結合され、選択されたAC電圧と選択されたDC電圧を前記ロッドセットの前記第1のセグメントと最後のセグメントとの間に供給し、
    前記一連のセグメントの各セグメントは、前記第1セグメントを除いて、前記一連のセグメントにおける先行するセグメントに電気的に結合されることを特徴とする請求項18に記載の質量分析計装置。
  24. 各容量性分圧器が抵抗器とキャパシタとを含む複数の容量性分圧器をさらに含み、
    前記一連のセグメントの各セグメントは、前記第1のセグメントを除き、前記複数の容量性分圧器のうちの一意的に関連付けられた容量性分圧器により、前記一連のセグメントにおける先行するセグメントに電気的に結合されることを特徴とする請求項23に記載の質量分析計装置。
  25. 前記一連のセグメントは、前記一連のセグメントにおける異なるセグメント間で、前記選択された静的軸方向電界と前記選択された振動性軸方向電界を変化させるように長さが変化することを特徴とする請求項24に記載の質量分析計装置。
  26. 前記複数の容量性分圧器は、前記一連のセグメントにおける異なるセグメント間で、前記選択された静的軸方向電界と前記選択された振動性軸方向電界の少なくとも一つを変化させるように、抵抗とキャパシタンスの少なくとも一つが変化することを特徴とする請求項24に記載の質量分析計装置。
  27. 前記質量分析計装置はタンデム質量分析計装置であり、さらなる処理のために、前記ロッドセットから放出されるイオンを受け取るための、前記ロッドセットの下流に設定される第2のロッドセットをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の質量分析計装置。
  28. 前記セグメントに特有の電源は、イオンを捕獲するための複数の領域を提供するために、前記一連のセグメントにおける隣接するセグメントとは反対極性のAC電圧を供給するように動作可能であることを特徴とする請求項22に記載の質量分析計装置。
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