JP5709742B2 - 半径方向位置に伴って強度が増大する軸方向電場を提供する多極性イオン誘導 - Google Patents

半径方向位置に伴って強度が増大する軸方向電場を提供する多極性イオン誘導 Download PDF

Info

Publication number
JP5709742B2
JP5709742B2 JP2011511952A JP2011511952A JP5709742B2 JP 5709742 B2 JP5709742 B2 JP 5709742B2 JP 2011511952 A JP2011511952 A JP 2011511952A JP 2011511952 A JP2011511952 A JP 2011511952A JP 5709742 B2 JP5709742 B2 JP 5709742B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ions
rod set
ion
axial force
field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011511952A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011523173A (ja
Inventor
フランク ロンドリー,
フランク ロンドリー,
Original Assignee
ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド, ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド filed Critical ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
Publication of JP2011523173A publication Critical patent/JP2011523173A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5709742B2 publication Critical patent/JP5709742B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/42Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
    • H01J49/4205Device types
    • H01J49/421Mass filters, i.e. deviating unwanted ions without trapping

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

本発明は、概して、質量分析法に関し、より具体的には、強度が半径方向位置に伴って増加する軸方向電場を使用する質量選択的軸方向輸送のための方法および装置に関する。
多くの種類の質量分析計が知られており、イオンの構造を決定するトレース分析のために広く使用されている。これらの分析計は、典型的には、イオンの質量対電荷比(「m/z」)に基づいて、イオンを分離させる。そのような質量分析計システムの1つは、質量選択的軸方向出射を伴うものである(例えば、2001年1月23日発行の特許文献1(Hager)参照)。本特許は、その中に選択された質量対電荷比のイオンがトラップされる細長いロッドセットを含む線形イオントラップについて記載している。これらのトラップされたイオンは、非特許文献1に記載されているように、質量選択的方法で、軸方向に出射され得る。質量選択的軸方向出射ならびに他の種類の質量分析法システムでは、異なるイオンの軸方向位置を制御することは、時として有利となるであろう。
米国特許第6,177,668号明細書
Londry and Hager in "Mass Selective Axial Ejection from a Linear Quadrupole Ion Trap," J Am Soc Mass Spectrom 2003, 14, 1130−1147
本発明の実施形態のある側面によると、第1の端部と、第2の端部と、複数のロッドと、中心縦軸とを有する、細長いロッドセットを有する質量分析計を操作する方法が提供される。本方法は、a)ロッドセット内へとイオンを入射することと、b)複数のロッド間にRF場を生成し、ロッドセット内にイオンを半径方向に閉じ込めることであって、RF場は、ロッドセットの長さの少なくとも一部に沿って変動し、各イオンに対して、イオンに作用する対応する第1の軸方向力を提供して、第1の軸方向にイオンを押出す、ことと、c)各イオンに対して、対応する第2の軸方向力を提供し、第1の軸方向と反対の第2の軸方向にイオンを押出すこととを含み、対応する第1の軸方向力は、対応する第2の軸方向力に対して、中心縦軸に対して直角の任意の方向における中心縦軸からのイオンの半径方向変位に伴って増加することによって、イオンが、中心縦軸から閾値半径方向距離未満にある場合、第1の対応する軸方向力は、対応する第2の軸方向力未満であって、イオンが、中心縦軸に対して直角の任意の方向における閾値半径方向距離を上回って、中心縦軸から半径方向に変位される場合、対応する第1の軸方向力は、対応する第2の軸方向力を超える。
本発明の第2の実施形態のある側面によると、a)イオン源と、b)ロッドセットであって、縦軸方向に沿って延在する複数のロッドと、イオン源からイオンを入射するための第1の端部と、ロッドセットの縦軸を横断するイオンを出射するための第2の端部とを有するロッドセットと、c)i)ロッドセットにRF電圧を提供して、ロッドセットの複数のロッド間にRF場を生成し、ロッドセット内にイオンを半径方向に閉じ込めるRF電圧供給モジュールであって、ロッドセットは、RF場が、ロッドセットの少なくとも一部に沿って変動し、各イオンに対して、イオンに作用する対応する第1の軸方向力を提供して、第1の軸方向にイオンを押出すように構成されているRF電圧供給モジュールと、d)i)ロッドセットに二次的電圧を提供して、各イオンに対して、対応する第2の軸方向力を提供し、第1の軸方向と反対の第2の軸方向にイオンを押出す二次的電圧供給モジュールとを含み、対応する第1の軸方向力が、対応する第2の軸方向力に対して、中心縦軸に対して直角の任意の方向における中心縦軸からのイオンの半径方向変位に伴って増加することによって、イオンが、中心縦軸からの閾値半径方向距離未満にある場合、第1の対応する軸方向力は、対応する第2の軸方向力未満であって、イオンが、中心縦軸に対して直角の任意の方向において閾値半径方向距離を上回って、中心縦軸から半径方向に変位される場合、対応する第1の軸方向力は、対応する第2の軸方向力を超える、質量分析計システムが提供される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
細長いロッドセットを有する質量分析計システムを操作する方法であって、上記ロッドセットは、第1の端部と、第2の端部と、複数のロッドと、中心縦軸とを有し、
a)上記ロッドセット内へとイオンを入射することと、
b)上記複数のロッド間にRF場を生成し、上記ロッドセット内に上記イオンを半径方向に閉じ込めることであって、上記RF場は、上記ロッドセットの長さの少なくとも一部に沿って変動し、各イオンに対して、対応する第1の軸方向力を提供して、上記イオンに作用し、第1の軸方向に上記イオンを押出す、ことと、
c)各イオンに対して、対応する第2の軸方向力を提供し、上記第1の軸方向と反対の第2の軸方向に上記イオンを押出すことと
を含み、上記対応する第1の軸方向力は、上記対応する第2の軸方向力に対して、上記中心縦軸に対して直角の任意の方向における上記中心縦軸からの上記イオンの半径方向変位に伴って増加し、上記イオンが、上記中心縦軸から閾値半径方向距離未満にある場合、上記第1の対応する軸方向力は、上記対応する第2の軸方向力未満であって、上記イオンが、上記中心縦軸に対して直角の任意の方向における上記閾値半径方向距離を上回って上記中心縦軸から半径方向に変位される場合、上記対応する第1の軸方向力は、上記対応する第2の軸方向力を超える、方法。
(項目2)
d)第1のイオン群を半径方向に励起し、上記中心縦軸からの上記第1のイオン群の関連する半径方向振幅を増加させることであって、上記第1のイオン群内の各イオンに対して、上記イオンに作用する上記対応する第1の軸方向力が、上記イオンに作用する上記対応する第2の軸方向力を超え、上記ロッドセットの第2の端部に向かって上記第1のイオン群を押出す、ことと、
e)第2のイオン群を半径方向に閉じ込め、上記第1のイオン群の上記関連する半径方向振幅より小さい関連する半径方向振幅を有することであって、上記第2のイオン群内の各イオンに対して、上記イオンに作用する上記対応する第2の軸方向力が、上記イオンに作用する上記第1の軸方向力を超え、上記ロッドセットの第2の端部と反対の上記ロッドセットの第1の端部に向かって上記第2のイオン群を押出す、ことと
をさらに含み、上記第1のイオン群は、第1の質量範囲内にあって、上記第2のイオン群は、上記第1の質量範囲から外れた第2の質量範囲内にある、項目1に記載の方法。
(項目3)
d)は、上記ロッドセットの上記第2の端部から上記第1のイオン群を出射することをさらに含み、
e)は、d)の間、上記ロッドセット内に上記第2のイオン群を保持することをさらに含む、
項目2に記載の方法。
(項目4)
d)は、i)半径方向共鳴励起のための補助信号を提供することと、ii)上記RF場のRF振幅を第1のレベルまで増加させて、上記第1のイオン群を上記補助信号と共鳴させ、上記第1のイオン群を半径方向に励起することとを含む、項目2に記載の方法。
(項目5)
d)およびe)の後に、
f)上記第2のイオン群を半径方向に励起し、上記中心縦軸からの上記第2のイオン群の上記関連する半径方向振幅を増加させることであって、上記第2のイオン群内の各イオンに対して、上記イオンに作用する上記対応する第1の軸方向力が、上記イオンに作用する上記対応する第2の軸方向力を超え、上記ロッドセットの第2の端部に向かって、上記第2のイオン群を押出す、ことと、
g)上記第2のイオン群の上記関連する半径方向振幅より小さい関連する半径方向振幅を有するように第3のイオン群を半径方向に閉じ込めることであって、第3のイオン群内の各イオンに対して、上記イオンに作用する上記対応する第2の軸方向力が、上記イオンに作用する上記第1の軸方向力を超え、上記ロッドセットの第2の端部と反対の上記ロッドセットの第1の端部に向かって、上記第3のイオン群を押出す、ことと
をさらに含み、上記第3のイオン群は、上記第2の質量範囲から外れた第3の質量範囲内にある、項目3に記載の方法。
(項目6)
f)は、上記ロッドセットの第2の端部から上記第2のイオン群を出射することをさらに含み、
g)は、f)の間、上記ロッドセット内に第3のイオン群を保持することをさらに含む、
項目5に記載の方法。
(項目7)
d)は、i)半径方向共鳴励起のための補助信号を提供することと、ii)上記RF場のRF振幅を第1のレベルまで増加させて、上記第1のイオン群を上記補助信号と共鳴させ、上記第1のイオン群を半径方向に変位させることとを含み、
f)は、上記RF場の上記RF振幅を第2のレベルまで増加させて、上記第2のイオン群を上記補助信号と共鳴させ、上記第2のイオン群を半径方向に励起することを含む、
項目6に記載の方法。
(項目8)
上記RF場の上記RF振幅は、上記第1のレベルから上記第2のレベルまで、継続的に走査される、項目1に記載の方法。
(項目9)
c)は、各イオンに対して、上記対応する第2の軸方向力を提供する第2の軸方向場を提供することを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
上記第2の軸方向場は、上記ロッドセットの第1の端部と第2の端部との間に提供される障壁場であって、
各イオンに対して、i)上記イオンが、上記中心縦軸からの上記閾値半径方向距離未満にある場合、上記障壁場は、上記障壁場と上記ロッドセットの上記第1の端部との間に上記イオンを含むように動作可能であって、ii)上記イオンが、上記閾値半径方向距離を上回って、上記中心縦軸から半径方向に変位される場合、上記対応する第1の軸方向力は、上記障壁場を越えて、上記イオンを押出すように動作可能である、
項目9に記載の方法。
(項目11)
上記RF場は、多極性RF半径方向場であって、上記多極性RF半径方向場は、上記第1の端部から上記第2の端部へと上記ロッドセットに沿って減退する、項目1に記載の方法。
(項目12)
上記多極性RF半径方向場は、上記第1の端部から上記第2の端部へと実質的に線形に減退する、項目11に記載の方法。
(項目13)
上記ロッドセットと連動して第2のロッドセットを操作することであって、上記第2のロッドセットは、第1の分解能で、上記ロッドセットの第2の端部から軸方向に出射される上記第1のイオン群を受け取るように位置付けられている、こと
をさらに含み、上記第2のロッドセットは、上記第1の分解能より高い第2の分解能で、上記第1のイオン群を軸方向に出射するように構成されている、項目3に記載の方法。
(項目14)
上記ロッドセットは、上流イオン密度を有し、上記第2のロッドセットは、下流イオン密度を有し、上記方法は、上記下流イオン密度を上記上流イオン密度より低く維持して、上記第2の分解能を上記第1の分解能より高く維持することをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
質量分析計システムであって、
イオン源と、
ロッドセットであって、縦軸方向に沿って延在する複数のロッドと、上記イオン源からイオンを入射するための第1の端部と、上記ロッドセットの上記縦軸を横断するイオンを出射するための第2の端部とを有する、ロッドセットと、
i)上記ロッドセットにRF電圧を提供して、上記ロッドセットの上記複数のロッド間にRF場を生成し、上記ロッドセット内に上記イオンを半径方向に閉じ込めるRF電圧供給モジュールであって、上記ロッドセットは、上記RF場が、上記ロッドセットの少なくとも一部に沿って変動し、各イオンに対して、上記イオンに作用する対応する第1の軸方向力を提供して、第1の軸方向に上記イオンを押出すように構成されているRF電圧供給モジュールと、
i)上記ロッドセットに二次的電圧を提供して、各イオンに対して、上記ロッドセットの少なくとも上記一部に沿って、対応する第2の軸方向力を提供し、上記第1の軸方向と反対の第2の軸方向に上記イオンを押出すことのための二次的電圧供給モジュールと
を含み、上記対応する第1の軸方向力は、上記対応する第2の軸方向力に対して、上記中心縦軸に対して直角の任意の方向における上記中心縦軸からの上記イオンの半径方向変位に伴って増加し、上記イオンが、上記中心縦軸から閾値半径方向距離未満にある場合、上記第1の対応する軸方向力は、上記対応する第2の軸方向力未満であり、上記イオンが、上記中心縦軸に対して直角の任意の方向において上記閾値半径方向距離を上回って上記中心縦軸から半径方向に変位される場合、上記対応する第1の軸方向力は、上記対応する第2の軸方向力を超える、システム。
(項目16)
上記複数のロッドは、上記第1の端部から上記第2の端部への上記第1の軸方向において上記縦軸から発散的に広がる、項目15に記載の質量分析計システム。
(項目17)
上記複数のロッドは、上記縦軸から離れる0.1%乃至3%の勾配を有する、項目16に記載の質量分析計システム。
(項目18)
上記複数のロッドは、上記縦軸から離れる0.15%乃至2%の勾配を有する、項目16に記載の質量分析計システム。
(項目19)
上記複数のロッドは、上記縦軸から実質的に線形に発散的に広がる、項目16に記載の質量分析計システム。
(項目20)
上記複数のロッド内の各ロッドは、複数のセグメントを含み、各ロッドに供給される上記RF電圧のRF振幅は、各ロッドの隣接するセグメント間で変動する、項目15に記載の質量分析計システム。
(項目21)
各ロッドの上記隣接するセグメントの各対は、コンデンサおよびレジスタによって電気的に結合され、上記コンデンサおよびレジスタは、上記第1の端部により近い隣接するセグメントから上記第2の端部により近い隣接するセグメントへと上記RF振幅を低減するように共同して動作可能である、項目20に記載の質量分析計システム。
(項目22)
上記コンデンサの静電容量および上記レジスタの抵抗は、各ロッドの上記隣接するセグメントの各対に対して選択され、上記RF振幅は、上記ロッドセットの長さに沿って、セグメントからセグメントへと実質的に等量ずつ低減される、項目21に記載の質量分析計システム。
(項目23)
上記二次的電圧供給モジュールは、上記ロッドセットに接続され、上記ロッドセットの隣接するセグメントのうちの少なくとも1つの対間にDCオフセット電位を提供し、
上記第2の軸方向場は、上記DCオフセット電位によって提供される障壁場であって、
各イオンに対して、i)上記イオンが、上記中心縦軸から上記閾値半径方向距離未満にある場合、上記障壁場は、上記障壁場と上記ロッドセットの上記第1の端部との間に上記イオンを含むように動作可能であり、ii)上記イオンが、上記閾値半径方向距離を上回って上記中心縦軸から半径方向に変位される場合、上記対応する第1の軸方向力は、上記障壁場を越えて上記イオンを押出すように動作可能である、
項目20に記載の質量分析計システム。
(項目24)
上記複数のセグメントは、上記ロッドの一端における第1の端部セグメントと、上記ロッドの第1の端部と反対の上記ロッドの第2の端部における第2の端部セグメントとを含み、
上記二次的電圧供給モジュールは、上記第1の端部セグメントに第1のDC電圧を供給するための第1のDC供給部と、上記第2の端部セグメントに第2のDC電圧を供給するための第2のDC供給部とを含み、上記第1のDC電圧が上記第2のDC電圧とは異なることにより、上記対応する第2の軸方向力を提供する、項目20に記載の質量分析計システム。
(項目25)
上記複数のロッドは、上記RF電圧供給モジュールから上記RF電圧を受け取って上記RF場を生成し、
上記ロッドセットは、二次的軸方向場を提供する複数の補助電極をさらに含み、各イオンに対して、上記二次的軸方向力を提供し、上記二次的電圧供給モジュールは、上記複数の補助電極に電気的に結合され、上記二次的軸方向場を提供する、
項目15に記載の質量分析計システム。
(項目26)
上記複数のロッド内の各ロッドは、
外部導電性表面と、
上記外部導電性表面上の螺旋軌道に沿って設置されるインダクタであって、上記螺旋軌道に沿って誘導効果を提供し、上記RF場を変動させるように動作可能な螺旋インダクタと
を含む、項目25に記載の質量分析計システム。
(項目27)
上記複数のロッド内の各ロッドに対して、上記インダクタは、上記螺旋軌道に沿って、上記外部導電性表面に切削された溝を含む、項目26に記載の質量分析計システム。
(項目28)
上記複数のロッド内の各ロッドに対して、上記インダクタは、上記外部導電性表面上の上記螺旋軌道に沿って設置された絶縁体を含む、項目26に記載の質量分析計システム。
(項目29)
上記ロッドセットの上記第2の端部から軸方向に出射されるイオンを受け取るように位置付けられている第2のロッドセットであって、上記RF電圧供給モジュールは、上記第2のロッドセットに接続され、上記第2のロッドセット内にRF場を生成し、上記第2のロッドセット内に上記イオンを半径方向に閉じ込める、第2のロッドセットと、
選択された質量対電荷比に基づいて、上記RF電圧供給モジュールを制御するためのコントローラであって、並行して、i)上記ロッドセットに半径方向励起場を提供して上記選択された質量対電荷比のイオンを半径方向に励起することによって、上記選択された質量対電荷比の上記イオンに作用する上記第1の軸方向力が、上記第2の軸方向力を超え、上記ロッドセットを通して上記選択された質量対電荷比の上記イオンを押出して、上記ロッドセットの上記第2の端部から上記選択された質量対電荷比の上記イオンを軸方向に出射し、ii)上記ロッドセットと連動して上記第2のロッドセットを構成することによって、上記第2のロッドセットは、上記選択された質量対電荷比の上記イオンを軸方向に出射するように構成されている、コントローラと
をさらに含む、項目15に記載の質量分析計システム。
(項目30)
上記ロッドセットは、上記ロッドセットの部分を含む上流部分であって、上記上流部分に沿って上記RF場が変動し、各イオンに対して、上記イオンに作用する上記対応する第1の軸方向力を提供して、上記第1の軸方向内の上記イオンを押出す、上流部分と、上記縦軸方向に沿って、実質的に一定のRF場を提供するように構成されている下流部分とを含む、項目15に記載の質量分析計システム。
当業者は、後述される図面が、例証目的にすぎないことを理解するであろう。図面は、出願人の教示の範囲をいかようにも制限することを意図するものではない。
図1は、グラフとして、本発明の実施形態のある側面による、正の軸方向電場を提供する四重極ロッドセット内の種々の半径方向振幅に対する軸方向位置の関数として、V/mm単位で軸方向場をプロットする。 図2は、グラフとして、セグメント化されたロッドセットのセグメントのRF振幅の変動状態を例証するものであって、ロッド間の内接円が、0.020の勾配を伴って発散的に広がる(diverge)ロッドをシミュレーションする。 図3は、概略図として、ある実施形態による、セグメント化されたロッドセットを含むシステムを例証する。 図4Aは、グラフとして、図5の回路に対して、結合コンデンサを選択し、発散的に広がるロッドセットをシミュレーション可能であることを例証する。 図4Bは、グラフとして、図4Aの結果を提供するために使用可能な結合コンデンサの値を例証する。 図5は、概略図として、螺旋実施形態用の等価回路を例証する。 図6Aは、横断断面図として、ある実施形態による、テーパT−電極を伴う、四重極ロッドアレイを例証する。 図6Bは、縦断断面図として、図6AのテーパT−電極を例証する。
以下に詳述するように、軸方向場は、半径方向RF場の強度を軸方向に変動させることによって、言い換えると、半径方向RF場内に軸方向依存性を導入することによって、多極性ロッドセット内に提供され得る。半径方向RF場の強度は、いくつかの方法において、軸方向位置の関数として変動し得る。一方法は、セグメント化されたロッドを使用することであって、隣接するセグメントは、容量結合される。別の方法は、誘導性ロッドを使用することである。3つ目の方法は、発散的に広がるロッドを使用することである。本3つ目の方法は、説明目的として、直下に記載される。例えば、その中のロッド間の内接円の半径が、出口端に向かって1または2%のみ発散的に広がる線形イオントラップでは、半径方向位置に伴って二次的に増加する軸方向場が、提供され得る。平衡化負の軸方向場が、本正の軸方向電場と重畳され得る場合、イオン選別が可能である可能性がある。平衡化する負軸方向場が、半径方向位置に伴って、正の軸方向電場ほど急速に増加しない有効強度を有する場合、本平衡化する負軸方向場は、正の軸方向電場と重畳され、比較的高い半径方向振幅によって、イオンを出口端に向かって押出し得る一方、熱化されたイオンは、入口端に蓄積する。
差し当たって、熱化されたイオンは、入口端に凝集されると仮定し、それらが半径方向に励起される場合、出口端に向かう正の正味軸方向力を被ることになり、その正の軸方向力は、半径方向位置の増加に伴って二次的に増加する。イオンが出口端に向かって移動するにつれて、その有効q値(マシュー安定性パラメータ)は、軸方向位置の増加に伴って減少する。しかしながら、任意の特定の軸方向位置では、イオンのq値は、経時的に、RF振幅が正に傾斜するにつれて、増加するであろう。したがって、イオンが出口に向かって移動するにつれて、その永年周波数は減少するが、RF振幅の増加に応答して、その永年周波数は増加するであろう。推定上、容認可能な質量分解能を伴う、非常に効率的軸方向出射をもたらす動作パラメータを識別可能なはずである。これらの動作パラメータは、セルまたは多極の長さ、ロッドの発散的に広がる角度、平衡化力の特別な特性、RF振幅の走査速度、および半径方向共鳴励起にために使用される補助RF場の振幅を含み得る。
質量選択的軸方向位置決めを達成するために、上述の正の軸方向力は、負の軸方向力によって平衡化され得ることによって、熱化されたイオンは、線形イオントラップ(LIT)の入口端に向かって、特定の軸方向範囲内に集中され得る。平衡化軸方向力に対して、いくつかの可能性が存在する。1つの可能性は、四重極ロッドに印加される弱四重極DCであり得る。別の可能性は、多極性トラップ場の漸近線上に半径方向に位置付けられる、縦方向テーパT−電極であり得る。第3の可能性は、隣接するロッドセグメントに異なるDCオフセット電位を印加することによって生成され得る、単純なロッド−オフセット軸方向障壁である。第4の可能性は、例えば、米国特許第5,847,386号(段落13および図32参照)に記載されるように、縦方向テーパT−電極をセグメント化された補助ロッドと置換することであろう。第5の可能性は、抵抗結合されたロッドセグメントの一方の端部に異なるDCオフセット電位を印加することであろう。
入口端に向かって、平衡化軸方向力を提供する方法の1つは、例えば、米国特許出願公開第2006/0289744号に記載のように、正確な極性の四重極DCによるものであるだろう。本方法の可能性として考えられる不利点の1つは、四重極DCによって生成される軸方向力もまた、半径方向位置に伴って二次的に増加し、それは、平衡化力が、半径方向位置に伴って、出口に向かう軸方向力ほど著しく増加しない場合、より単純となるであろうことである。第2の不利点は、走査線がq−軸上になく、最高質量イオンの付随して生じる損失を伴うことであるだろう。
考えられる別の要因は、四重極DCによって生成される軸方向力の方向が、2つの極間のイオンの半径方向運動の相対的振幅に依存することである。熱イオンは、引力極のロッド間により高い半径方向振幅を有する傾向にあり得、ロッドが発散的に広がる場合、それらのイオンは、入口端に向かって正味力を受けるであろうため、本特性は、有利に作用し得る。加えて、イオンが、反発極のロッド間で励起される場合、出口に向かって加速され得る。実際、米国特許出願公開第2006/0289744号に記載されるように、並列ロッドの長さにわたって、四重極DCを抵抗的に降下させるのではなく、四重極DCは、発散的に広がるロッドに均一に印加され得る。しかしながら、これは、四重極場のDCおよびRF成分によって生成される力の相対的強度のため、実装が困難であり得る。すなわち、比較的弱四重極DCによって生成される軸方向場は、恐らく、RFからの付随する寄与により圧倒され得る。四重極DCの強度が、RF振幅に対し、軸方向力が匹敵する点まで増加される場合、トラップ可能な質量範囲は、非常に制限され得る。
考えられる別の要因は、ある半径方向に励起されるイオンが、方位角方向(azimuthally)に分散されるであろう程度であって、それは、正味軸方向力の強度に大幅に影響するであろうためである。上記の電位の多極性展開における四重極ならびに緩衝ガスとの衝突は、方位角方向分散に寄与するであろう。
平衡化軸方向力を提供するための別の選択肢は、半径方向四重極RF場の漸近線上のRFロッド間に位置付けられる、テーパT−電極であるだろう。本方法には、少なくとも2つの利点が存在するであろう。利点の1つは、最も重いイオンの安定性が、四重極DCによって損なわれないことである。別の利点は、平衡化軸方向力が、半径方向振幅に伴って、それほど著しく増加しないことである。実際、対向するロッドの平面上では、テーパT−電極による軸方向力は、半径方向振幅に伴って、実質的に減少する。したがって、イオンの半径方向運動が、主に一極面に制限される場合、平衡化軸方向力は、半径方向振幅の増加に伴って減少する一方、正の軸方向力は増加し得る。しかしながら、緩衝ガスとの衝突および上記の電位の多極性展開における四重極は、半径方向に励起されるイオンの有意な方位角方向分散をもたらし、平衡化軸方向力の強度は、その方位角方向分散の程度に伴って変動し得る。
(ロッドオフセット電位)
平衡化軸方向力のための第3の選択肢は、多極性ロッドアレイの隣接するセグメント間のDCロッド−オフセット電位である。すなわち、熱化されたイオンは、ロッドのDC電気的導通の断絶によって特徴化される軸方向範囲の出口端において、軸方向に閉じ込められ得る。四重極ロッドアレイの2つの区画間のDCオフセット電位は、その強度が半径方向位置に伴ってほとんど変動しない軸方向障壁を提供し得る。その結果、思慮深く選択されたオフセット電位は、熱化された(低半径方向振幅)イオンのための閉じ込め障壁を提供する一方、より高い半径方向振幅を伴うイオン(正の軸方向力がより強力である)は、透過されるであろう。
(セグメント化された補助電極)
抵抗結合される隣接するセグメントを伴う、セグメント化された補助電極を採用する第4の選択肢は、テーパT−電極を使用する利点と、方位角方向非均一性の不利点とを共有する。しかしながら、セグメント化された補助電極は、テーパT−電極に優る少なくとも3つの利点を有する。最も重要なことは、対向端部に接続される独立DC供給部によって、抵抗結合されるセグメントを伴う補助電極は、軸方向電場を提供することであって、その最大強度は、遥かに大きく、その強度は、T−電極によって提供される軸方向場より遥かに広範囲にわたって変動し得る。多用途性の向上に加え、セグメント化されたT−電極は、プリント回路基板として安価に製造されるという付加的利点を有する。
(正の軸方向力−理論)
1RFサイクルわたって平均される2D四重極場内の一価のイオンが受ける電位は、式(Londry, F. A. and Hager, J. W., ”Mass−Selective Axial Ejection from a Linear Quadrupole Ion Trap”, J Am Soc Mass Spectrom 2003, 14, 1130−1147, Eq. 20.参照)によって、低いqにおいて、最良近似まで求められ得ることが確証されている。
Figure 0005709742
式中、Ωは、RF駆動の角周波数であって、XおよびYは、1RFサイクルにわたって平均されたイオンの半径方向位置を定義し、m/Qは、キログラム/クーロン単位におけるイオンの質量対電荷比であって、qは、マシュー安定性パラメータである。
ロッドに印加されるRF電圧の振幅および内接円の半径を陽に<φ2DRFを表すと、式1は、以下となる。
Figure 0005709742
式中、Vは、印加されるRF電圧の振幅であって、rは、内接円の半径である。ここで、内接円の半径は、以下に従って、勾配に伴って、zの関数として、線形に増加すると仮定する。
Figure 0005709742
したがって、式2は、以下となる。
Figure 0005709742
以下のように、イオンの永年運動の近似値を求める。
Figure 0005709742
式中、Tは、永年周期であって、以下に従って、1永年周期にわたる<φ2DRFの予測値を計算可能である。
Figure 0005709742
式6を解いて、以下を求める。
Figure 0005709742
式中、XおよびYは、それぞれ、xならびにy方向におけるイオンの永年運動の振幅である。しかしながら、本近似値の正確性は、マシュー安定性パラメータqが増加するにつれて減退することに留意されたい。具体的には、qが0.4を超えて増加するにつれて、式7は、平均電位および付随して生じる軸方向場を大幅に過大評価するであろう。たとえそうであっても、いずれかの点から開始する必要がある。
電場の軸方向成分は、以下のように、式7の電位を微分することによって求められ得る。
Figure 0005709742
明らかに、軸方向場は、軸方向位置に伴って変動する。電場の軸方向成分<<Ez,quadRFsecが、図1のグラフにおいて、α=0.020に対する10rの軸方向範囲にわたる軸方向位置の関数として示される。
(発散的に広がるrのシミュレーション)
発散的に広がるロッドセット内の電位場が、軸方向位置zの関数として単調減少ことは、式4から明らかである。したがって、発散的に広がるrの影響は、等価単調減少電場電位が提供される、ロッドセットの他の構成または配列によってシミュレーションされ得る。
式2の電場電位のための式は、ロッドセットの長さに沿って、一定のrおよび均一印加RF電圧Vを仮定する。軸方向依存性RF電圧V(z)を有するように式2を書き換え、式2および4の右辺を等しくすることによって、
Figure 0005709742
は、軸方向依存性電圧V(z)のための式を提供し、半径rの並列ロッドセットに印加される際、均一RF電圧Vが印加される場合、発散的に広がるrに対して生成される電場電位をシミュレーションすることが見出される。したがって、RF印加電圧が、式9に従って、軸方向変動を有するロッドセット構成を使用して、発散的に広がるrの影響をシミュレーション可能である。
セグメント化されたロッドを使用して、セグメント化されたロッドの一端にRF信号を印加し、セグメント化されたロッドの隣接するセグメントを結合コンデンサと接続することによって、軸方向範囲にわたって印加されるRF振幅を変動させることが可能である。結合コンデンサの適切な選択によって(かつ、十分に多数のロッドセグメントを仮定して)、軸方向依存性が、単調に減少する限り、RF振幅の任意の軸方向依存性は、近似され得る。したがって、線形発散的に広がるrは、一定のrのLITのセグメント化された軸方向範囲によって、実験的にシミュレーションされ得る。
内接円が式3に従って増加するロッドをシミュレーションするために、セグメント化されたロッドセットの離散セグメントに印加されるRF振幅は、式9に従って変動し得る。α<0.01の場合、式9は、直線によって、十分に近似され得る。代替として、αに伴って増加する式9の非線形性が、考慮され得る。例えば、図2の実線は、並列ロッド上のRF振幅が、α=0.020をシミュレーションするために、10rの軸方向範囲にわたる軸方向位置の関数として変化する必要があるであろう状況を示す。図2では、破線は、比較のために、単に、端点を直線で接続する。図2では、直線近似値は、ある状況では、適切であり得ることが明白である。
(セグメント化されたアレイ)
図3は、入口端から開始し、セグメント化されたロッドセット310の出口端に向かって移動する、セグメント化されたロッドセット310の離散セグメントに単調減少RF振幅を提供するために使用され得るRCネットワーク300を示す。RCネットワーク300は、RF源320と、2つのDCオフセット電源330、340と、結合コンデンサ350と、レジスタ360とを含む。RF源320は、結合コンデンサ350およびレジスタ360を介して、セグメント化されたロッドセット310(図3では、SからSとして示される)の個々のセグメントに結合される。SからSn−1のロッドセット310の隣接するセグメントの各対は、対応するコンデンサ−レジスタの並列の組み合わせによって、電気的に結合される。セグメント化されたロッドセットのセグメントSおよびS、ならびにセグメントSn−1およびSは、対応するコンデンサのみによって、電気的に結合される。
RCネットワーク300は、終端コンデンサ370およびインダクタ380、390をさらに含み得る。終端コンデンサ370は、RCネットワーク300内に含まれ、セグメント化されたロッドセット310のRF振幅特性を浮遊容量の影響を受け難くする。DCオフセット電源330、340は、インダクタ380、390を通して、セグメント化されたロッドセット310のA極およびB極に接続され、RF電圧320が短絡するのを防止する。また、DCオフセット電源330は、インダクタ380のみを通して、セグメント化されたロッドセット310のセグメントSに結合される一方、DCオフセット電源340は、インダクタ390を通して、セグメント化されたロッドセット310のセグメントSからSn−1に結合されることを理解されたい。
ロッドセグメントの物理長および半径rを与えることによって、式9は、αの異なる選択された値に対して解かれ、発散的に広がるロッドセットをシミュレーションする個々のロッドセグメントSからSn−1に印加されるRF電圧の値を決定することが可能である。言い換えると、セグメントSの軸方向位置Zは、セグメントの物理長および数から決定可能であって、次いで、式9に代入され、そのセグメントの印加されるRF電圧Vを決定する。本プロセスは、セグメント化されたロッドセット310内の各セグメントに対して繰り返され、単調減少RF電圧プロファイルを決定可能である。次いで、複素回路分析が、セグメント化されたロッドセット310の長さにわたって、必要とされる単調減少RF振幅を提供するであろう結合コンデンサ350の値を解くために用いられ得る。ロッドセグメントSからSn−1は、回路分析内の接地(RF電圧320の負の端子)の等価静電容量としてモデル化され得る。レジスタ360は、印加されるRFに影響しないように十分に大きいが、大きな時定数または位相シフトを導入しないように十分に小さくなるように選択されるべきである。式9を使用して設計される結合コンデンサ350の値によって、RCネットワーク300内のセグメント化されたロッドセット310は、発散的に広がるrをシミュレーションする。
セグメント化されたロッドセットの使用を確認し、発散的に広がるrをシミュレーションするために、図3のRCネットワーク300に対して、セグメントSからS16を長さ4mmおよびr=4.17mmをとる、18−セグメントロッドセット(すなわち、n=17)が求められた。加えて、以下の条件が指定された。各セグメントSからSn−1の接地に対する静電容量は、0.59pFである。セグメントSの接地に対する静電容量は、10pFである。結合レジスタ360はすべて、100kΩである。終端コンデンサ370は、12pFである。インダクタ380、390は、50mHであって、内部抵抗は、125Ωである。
これらのシミュレーションパラメータを考慮して、結果が、図4aおよび4bに示される。図4aの実線は、式9によって求められるように、2%の発散的広がりを伴う発散的に広がるロッドセットに対して必要とされるRFプロファイルを示す。図4aの三角形は、図4bに指定される値を有する結合コンデンサ360が使用され、セグメント化されたロッドセット310のセグメントを接続する場合における、各セグメント上のRF振幅を表す。言い換えると、図4bに示される静電容量値は、ロッドセグメントに印加されるRF電圧が、意図されるように図4aの実線を追跡するようなRCネットワーク300の複素回路分析を通して決定される。RCネットワーク300が、実際に、これらの結合コンデンサ350を使用して解法される場合、各セグメントに対して必要とされるRF電圧は、予測通りに観察される。したがって、図4aおよび4bは、セグメント化されたロッドセットの使用を確認し、発散的に広がるrをシミュレーションする。
(螺旋実装)
軸方向に減退する四重極RF半径方向場を生成する別の方法は、レーザを使用して導電性塗膜に螺旋を切削し、金めっきセラミックロッドの一部をインダクタに替えることである。レーザを使用して、導電性塗膜に螺旋を切削し代替として、導電性ロッドは、同一目標を達成するために、好適に絶縁されたワイヤによって巻かれ得る。ロッドの誘導性部分にわたるRF増加は、 要求に応じて、軸方向位置に伴って増加(または、配向に応じて、減少)するRF四重極場をもたらし得る。
図5は、上述の螺旋実施形態のための等価回路を示す。LCR負荷は、標識されるように、ロッドの螺旋部分および終端成分を表す。各成分は、以下に記載される。
(RF振幅)
RFは、螺旋の一部に印加されるRF駆動である。
termは、螺旋の端部におけるRF電圧である(Vterm>VRF)。
(螺旋負荷)
spiral=Kμlπrは、螺旋のインダクタンスである。
式中、μは、自由空間の透磁率であって(セラミックの磁化率はごく少量であると仮定)、nは、単位長当たりの巻数であって、lは、螺旋の長さであって、rは、ロッドの半径である。因数Kは、螺旋の有限長を考慮する(Paul Lorrain and Dale Corson, ”Electromagnetic Fields and Waves, Second Edition,” W. H. Freeman and Company, San Francisco, 1970参照)。
spiralは、ロッドの螺旋部分の静電容量である。
spiralは、以下のように、巻数に依存する螺旋の抵抗である。
Figure 0005709742
式中、pは、金の抵抗率であって、Lは、トレースの長さであって、Aは、トレースの断面積であって、tは、金トレースの厚さであって、wは、螺旋を切削するために使用されるレーザビームの幅である。
(終端負荷)
termは、ロッドの螺旋部分にDCオフセット電圧を提供する電源を絶縁するために使用される、インダクタのインダクタンスである。
termは、螺旋の端部と接地との間の終端コンデンサの静電容量である。
termは、ロッドの螺旋部分にDCオフセット電圧を提供する電源を絶縁するために使用される、インダクタの抵抗である。
(負の平衡化軸方向力)
正の軸方向場が、直ぐ上に記載される螺旋実装によって、またはロッドの長さにわたって減退するRF振幅をセグメント化されたロッドセットに提供することによって、あるいは出口端に向かって発散的に広がるロッドによって、提供されるかどうかに関わらず、本正の軸方向力を平衡化する負の軸方向力が、依然として、イオン選別を促進するためにロッドセット内に提供され得る。上述のように、本負の軸方向力を提供する種々の方法が存在し、それらは、以下に詳細に記載される。
発散的に広がるロッドに印加される四重極DCは、負の軸方向力を提供し、正の軸方向力を平衡化し得る。しかしながら、上述のように強度の方位角方向依存性および制限された質量範囲は、四重極DCによって生成される軸方向場の望ましくない副作用である。
(テーパT−電極)
本発明の実施形態によるテーパT−電極は、図6Aおよび6Bの断面図に例証される。具体的には、図6A、四重極ロッドアレイ1000のx−y面の横断断面図として、四重極場の漸近線上に設置されるテーパT−電極1002を例証する。図6Bは、図6Aの四重極ロッドアレイ100のテーパT−電極1002を例証する。示されるように、テーパT−電極は、四重極ロッドアレイの隣接するロッド間に設置される。四重極ロッドアレイは、対向するロッドAの一対と、対向するロッドBの別の対とを含む。図6Bに示されるように、各テーパT−電極は、ロッドアレイ1000の長さに沿ってテーパとなる突起1004を含む。
T−電極によって提供される軸方向電場の強度は、テーパの勾配と、T−電極に印加されるDC電位の強度および極性とによって制限される。T−電極と同様に設置されるセグメント化された補助電極は、より制限的でない代替を提供し得る。上述のように、抵抗結合される隣接するセグメントおよび対向する端部に接続される独立DC供給部によって、セグメント化された補助電極は、軸方向電場を提供し、その強度は、類似供給部によって駆動される、T−電極によって提供される軸方向より遥かに広範囲にわたって変動し得る。
同様に作用し得る同一主題の別の変形例は、中心軸方向に向かうその突起が比較的に大きい、超短非テーパT−電極の使用であろう。これらによって生成される負の軸方向力は、熱化されたイオン上の正の軸方向力を平衡化するために適度であり得るが、本負の軸方向力は、それ自体では、出口端近傍で熱化されたイオンを入口に戻すことはないであろう。
(ロッドオフセット電位)
別の可能性は、ロッドセグメント(セグメントロッドセットの場合)にわたって、ロッド−オフセットを変動させることであって、それは、半径方向および方位角方向の両方に比較的均一性の軸方向場を提供し得る。そのような方式は、単純に、各レジスタチェーンの一方端に独立DC供給部を接続することによって、実装され得る。本方式の弱点は、DC電位の降下によって、レジスタにわたって熱が生成さ得ることである。
同一主題に関するある変形例は、2つの隣接するロッドセグメント間に単一DCロッド−オフセット電位を印加することであろう。本構成は、前段落に論じられるより軸方向に均一な場ではなく、調節可能な高さの単一軸方向障壁を提供するであろう。思慮深く選択されたオフセット電位は、熱化された(低半径方向振幅)イオンに対して閉じ込め障壁を提供し得る一方、正の軸方向力がより強力なより高い半径方向振幅を伴うイオンは、透過されるであろう。
(いくつかの一般的観点)
本発明におけるいくつかの実施形態のいくつかの側面によると、イオンは、ロッドセット内に入射される。ロッドセットの複数のロッド間に提供されるRF場を使用して、ロッドセット内にイオンを半径方向に閉じ込める。本RF場は、ロッドセットの長さの少なくとも一部に沿って変動し、各イオンに対して、イオンに作用する対応する第1の軸方向力を提供して、第1の軸方向(典型的には、ロッドセットの出口端に向かうが、必ずしもそうではない)にイオンを押出す。上述のように、RF場の本変動は、例えば、縦軸方向から0.1%乃至3%の勾配で、または代替として、縦軸方向から0.15%乃至2%の勾配で、ロッドを若干発散的に広げることによって提供され得る。代替として、上述のように、セグメント化された電極または螺旋実装を使用して、RF場に本変動あるいはある他の変動を提供し得る。
各イオンに対して、対応する第2の軸方向力が提供され、第1の軸方向と反対の第2の軸方向(例えば、第2の軸方向は、ロッドセットの入口の方向であり得る)にイオンを押出し得る。同様に、上述のように、対応する第1の軸方向力は、対応する第2の軸方向力に対して、中心縦軸に対して直角の任意の方向における中心縦軸からのイオンの半径方向変位に伴って増加し得ることによって、イオンが、中心縦軸から閾値半径方向距離未満にある場合、対応する第1の軸方向力は、対応する第2の軸方向力未満である。イオンが、閾値半径方向距離を上回って、中心縦軸に対して直角の任意の方向に、中心縦軸から半径方向に変位される場合、対応する第1の軸方向力は、対応する第2の軸方向力を超える。
本発明の実施形態のある側面による動作モードに従って、第1のイオン群は、半径方向に励起され、中心縦軸に対して、その関連する半径方向振幅を増加させ得ることによって、本第1のイオン群内の各イオンに対して、イオンに作用する対応する第1の軸方向力は、対応する第2の軸方向力を超え、イオンに作用し、ロッドセットの第2の端部に向かって第1のイオン群を押出す。いくつかの実施形態によると、本第1のイオン群は、当技術分野において周知のように、半径方向共鳴励起のためのロッドの少なくともいくつかに補助RF信号を提供し、次いで、同様に当技術分野において周知のように、RF場のRF振幅を第1のレベルまで増加し、第1のイオン群を補助信号と共鳴させ、第1のイオン群を半径方向に励起することによって、半径方向に励起され得る。
同時に、本第1のイオン群が半径方向に励起されるにつれて、第1のイオン群と異なるm/zを有する第2のイオン群は、半径方向に閉じ込められ得ることによって、第1のイオン群の関連する半径方向振幅より小さい関連する半径方向振幅を有し、第2のイオン群内の各イオンに対して、イオンに作用する対応する第2の軸方向力は、イオンに作用する第1の軸方向力を超え、ロッドセットの第2の端部と反対のロッドセットの第1の端部に向かって第2のイオン群を押出す。本第1のイオン群は、第2のイオン群の第2の質量範囲から外れる第1の質量範囲内にあり得る。
対応する第1の軸方向力が、第2のイオン群ではなく、第1のイオン群に対して、対応する第2の軸方向力を超えるにつれて、第1のイオン群は、ロッドセットの第2の端部から出射され得る一方、第2のイオン群は、ロッドセット内に保持される。
本発明のいくつかの実施形態によると、本第1のイオン群は、例えば、その後の質量分析のために、第2の質量分析計に対して軸方向に出射され得る。その場合、対応する第1および第2の軸方向力を提供するために使用されるロッドセットを使用して、非常に多数のイオンを保存し、これらのイオンのその後の質量分析のために、選択されたイオン群を下流質量分析計へと周期的かつ高速出射可能である。これは、下流質量分析計内の空間電荷問題を低減し得る。
いくつかの実施形態によると、RF場のRF振幅は、第1のイオン群を補助信号と共鳴させるために好適な第1のレベルから、第2のイオン群を補助信号と共鳴させるために選択された第2のレベルへと継続的に走査され得、第2のレベルの時点において、第2のイオン群は、半径方向に励起され、対応する第1の軸方向力は、第2のイオン群に対して、対応する第2の軸方向力を超えるであろう。同時に、第3のイオン群が、第2のイオン群の関連する半径方向振幅より小さい関連する半径方向振幅を有するように半径方向に閉じ込められ、第3のイオン群内の各イオンに対して、イオンに作用する対応する第2の軸方向力は、イオンに作用する第1の軸方向力を超え、ロッドセットの第2の端部と反対のロッドセットの第1の端部に向かって第3のイオン群を押出す。第3のイオン群は、第2のイオン群(ならびに第1のイオン群)の第2の質量範囲から外れる第3の質量範囲を有し得る。第1のイオン群に関連した上述と同様に、次いで、第2のイオン群も、その後の質量分析または他の処理のために、下流質量分析計に対して軸方向に透過され得る。
対応する第2の軸方向力は例えば、2つの隣接するロッドセグメント間、またはロッドセグメントとレンズとの間の単一DCロッド−オフセット電位によってもたらされる障壁場によって提供され得る第2の軸方向場によって生じ得る。次いで、イオンが、中心縦軸から閾値半径方向距離未満にある場合(対応する第1の軸方向力が、そのイオンに対して、対応する第2の軸方向力未満である)、本障壁場は、障壁場とロッドセットの第1の端部との間にイオンを閉じ込めるように動作可能であり得る。反対に、イオンが、閾値半径方向距離を上回って、中心縦軸から半径方向に変位される場合、対応する第1の軸方向力は、障壁場を越えてイオンを押出すように動作可能であり得る。
いくつかの実施形態では、ロッドセットを通る線に沿って変動するRF場は、第1の端部から第2の端部へとロッドセットに沿って軸方向に減退する、多極性RF半径方向場である。任意に、本多極性RF半径方向場は、ロッドセットの第1から第2の端部へと、実質的に線形に、または任意の単調減少関数形式に従って、減退してもよい。任意に、ロッドセットの第1の端部は、ロッドセットの入口端であってもよく、ロッドセットの第2の端部は、入口端と反対の出口端であってもよい。
本発明の実施形態のある側面によると、半径方向RF場の強度を軸方向に変動させることによって提供される軸方向場を伴う、ロッドセットまたはロッドセットの一部は、例えば、米国特許第6,177,668号(Hager)に記載されるような従来の質量選択的軸方向出射を伴う、ロッドセットまたはロッドセットの一部と組み合わせられることによって、有益となり得る。例えば、2つのロッドセットは、協働して動作され得る。第1または上流ロッドセットは、第1のロッドセットの軸方向に沿って変動して軸方向場を提供する半径方向RF場を提供するように構成され得る。対照的に、第2または下流ロッドセットに提供されるRF場は、第2または下流ロッドセットの縦軸方向に沿って、実質的に一定に維持され、第2または下流ロッドセットは、第1または上流ロッドセットの軸方向場を含まず、代わりに、従来の質量選択的軸方向出射に依存し、イオンを軸方向に出射する。
比較的に多数のイオンが、上流ロッドセット内に保存され得る。次いで、特定の選択された質量対電荷比を有する特定の着目イオンが、上流ロッドセット内に保存されるイオンから選択され得る。本選択された質量対電荷比に基づいて、コントローラは、上流および下流ロッドセットの両方に接続されるRF電圧供給モジュールを制御可能である。上流ロッドセットの場合、RF電圧供給モジュールは、双極または四重極励起場等の励起場を提供し、例えば、上流ロッドセット内の選択された質量対電荷比のイオンを半径方向に励起し得るが、それに限定されない。選択された質量対電荷比のイオンが、中心軸からの半径方向変位を増加するにつれて、軸方向場は、イオンに作用する対応する第1の軸方向力を提供し、上流ロッドセットおよび下流ロッドセットの出口端に向かって、第1の軸方向下流方向にイオンを押出し得る。選択された質量対電荷比のこれらの半径方向に変位されるイオンに対して、本第1の軸方向力は、反対または平衡化方向に作用する第2の軸方向力(第2の軸方向力は、上述のように提供され得る)を超え、選択された質量対電荷比のこれらのイオンは、上流ロッドセットの出口端に向かって押出され、上流ロッドセットから軸方向に出射される。
いくつかの実施形態では、軸方向場は、上流ロッドセットの上流端においてのみ半径方向RF場の強度を軸方向に変動させることによって、その上流端においてのみ、上流ロッドセット内に提供され得る。これは、少なくとも2つの理由から有利であり得る。第1に、上流ロッドセットの出口端の漏れ場(fringing field)からある距離において、選択された質量対電荷比のイオンを半径方向に変位させることは、好ましい可能性がある。すなわち、イオンが、漏れ場またはその近傍で半径方向に変位される場合、これは、イオンビームの半径方向分散を増加させ得る。言い換えると、同一質量対電荷比のイオン群に対して、中心軸方向からのその半径方向変位の変動は、漏れ場の近傍において半径方向に励起される場合、より大きくなり得る。本半径方向分散は、励起されたイオンがロッドセットの下流端の小開口を通して押出される必要があるため、望ましくない可能性がある。具体的には、本半径方向分散は、上流ロッドセットの下流または出口端の小開口を通過するイオンの確率を低下させ得るため、効率性を低減させ得る。
本理由に加え、RF半径方向場の強度が、漏れ場またはその近傍で変動され、イオンもまた、漏れ場の近傍で半径方向に励起される場合、半径方向分散における変動増加が、半径方向に励起された選択されたイオン群に付与される軸方向エネルギーの変動増加につながり得ることによって、それらのイオンに付与される軸方向エネルギーの範囲は、漏れ場から上流ロッドセットの上流端における半径方向に励起される場合より高変動を有することになるであろう。これは、選択された質量対電荷比のイオンの一部を下流ロッドセットに出射させ得、非常に多くの軸方向エネルギーが、下流ロッドセットおよび下流ロッドセットの出口障壁の両方を通して、無制御に放出される。
また、上述のコントローラを使用して、RF電圧供給モジュールを制御し、第1または上流ロッドセットと連動するように第2または下流ロッドセットを構成することによって、第2のロッドセットは、選択された質量対電荷比のイオンを軸方向に出射するように構成され得る。
協働して動作する2つのロッドセットの本組み合わせを使用して、質量分析計の効率性および分解能問題の両方の解決を試みることが可能である。具体的には、上述のように、ロッドセットに提供される半径方向RF場の強度を軸方向に変動させることによって軸方向場を提供されるロッドセットを使用して、比較的に高空間電荷密度でイオンを保存可能である。さらに、そのような軸方向場を使用して、比較的に高効率性で、例えば、80%の効率性で、本上流ロッドセットから選択されたイオンを軸方向に出射可能である。これは、非常に有利なことに、従来の質量選択的軸方向出射によって達成され得る、高空間電荷密度を伴うロッドセットからの軸方向出射の低効率性に匹敵し得る。残念ながら、本高効率性は、低分解能を犠牲にすることになり得る。
故に、下流ロッドセットを使用して、比較的に高効率性かつ低分解能で、上流ロッドセットから軸方向に出射される選択された質量対電荷比のイオンを受け取り可能である。下流ロッドセットは、大部分が、選択された質量対電荷比のイオンのみ含み得るという理由から、下流ロッドセット内の空間電荷密度は、比較的に低く維持され得るため、選択された質量対電荷比のイオンは、比較的に高分解能で、下流ロッドセットから軸方向に出射され得る。一般に、分解能は、より大きな空間電荷密度に対して低下する。
上流ロッドセットは、遥かに高いイオン集団密度を保存するために使用され得るため、下流ロッドセットより遥かに高圧で上流ロッドセットを操作することは、有利となる可能性がある。しかしながら、これは、必要ではない場合がある。例えば、本発明のいくつかの実施形態によると、直上に記載される上流および下流ロッドセットは、単一ロッドセットと置換され得る。実際、そのような単一ロッドセットは、例えば、図3に示されるように、セグメント化されたロッドセットであり得る。
上述および図3に示されるように、端部セグメントSおよびSは、中間セグメントに容量結合され得るが、抵抗結合されない。さらに、セグメントSおよびSは、任意の好適な長さであり得る。したがって、その上流端において半径方向RF場を変動させ、結果として生じる軸方向場を提供し、その下流端において比較的に従来の動作を伴うように構成されているロッドセットの場合、セグメントSは、長くされ得る。本実施形態では、半径方向RF場は、セグメントSに沿って、実質的に不変であり得ることによって、軸方向依存性半径方向場および結果として生じる軸方向力は、S内に提供されないであろう。代替として、付加的セグメント、例えば、Sn+1が提供され得る。そのような実施形態では、Sn−1は、セグメントSからSn−1を含む上流部分と、セグメントSn+1を含むロッドセットの下流部分との間のロッドセットの中間部分を表すであろう。
本発明のこれらの実施形態によると、半径方向RF場が変動され、軸方向場を提供するロッドセットの上流部分は、直ぐ上に記載される上流ロッドセットと同様の方法で操作され得る一方、セグメントSn+1を含む単一ロッドセットの下流部分は、上述の第2または下流ロッドセットに従って、比較的に従来の方法で操作され得る。当然ながら、これらの実施形態の両方では、半径方向RF場の変動によって提供される軸方向によりもたらされる軸方向力に対して作用する平衡化力は、上流ロッドセットまたは単一ロッドセットの上流端においてのみ提供され得る。
上述の実施形態と同様に、イオン集団の大部分は、好ましくは、セグメントSからSn−1を含むロッドセットの上流部分内に維持され得る。ロッドセットの上流および下流端の両方が、協働して操作され得ることによって、選択された質量対電荷比のイオンのみ、最初に、ロッドセットの上流端内の励起場によって半径方向に変位され、半径方向RF場の変動によって生成される軸方向場は、セグメントSおよびSn+1に向かって下方にこれらのイオンを押出し、二次的または平衡化軸方向力を克服し、可能性として、セグメントSで提供される生じ得る障壁場を貫通し、セグメントSn+1を含むロッドセットの部分内へと押出される。セグメントSn+1を含むロッドセットの下流端では、選択された質量対電荷比のイオンは、例えば、比較的に高分解能で、従来の質量選択的軸方向出射によって、軸方向に出射され得る。上述のように、セグメントSn+1は、軸方向出射のために使用されるため、セグメントSn+1に沿った半径方向RF場は、実質的に一定に維持され得る。
本明細書で使用される見出しは、編成目的のためにすぎず、記載される主題をいかようにも制限するものと解釈されない。
出願人の教示が、種々の実施形態および側面に関連して記載されるが、出願人の教示をそのような実施形態または側面に限定することを意図するものではない。対照的に、出願人の教示は、当業者には理解されるように、種々の代替、修正、および同等物を包含する。したがって、添付の請求項の範囲内において、本発明は、本明細書に具体的に記載されるものと別様に実践され得ることを理解されたい。

Claims (30)

  1. 細長いロッドセットを有する質量分析計システムを操作する方法であって、前記ロッドセットは、第1の端部と、第2の端部と、複数のロッドと、中心縦軸とを有し、
    a)前記ロッドセット内へとイオンを入射することと、
    b)前記複数のロッド間にRF場を生成し、前記ロッドセット内に前記イオンを半径方向に閉じ込めることであって、前記RF場は、前記ロッドセットの長さの少なくとも一部に沿って変動し、各イオンに対して、対応する第1の軸方向力を提供して、前記イオンに作用し、前記ロッドセット内で第1の軸方向に前記イオンを押出す、ことと、
    c)各イオンに対して、対応する第2の軸方向力を提供し、前記ロッドセット内で前記第1の軸方向と反対の第2の軸方向に前記イオンを押出すことと
    を含み、前記対応する第1の軸方向力は、前記対応する第2の軸方向力に対して、前記中心縦軸に対して直角の任意の方向における前記中心縦軸からの前記イオンの半径方向変位に伴って増加し、前記イオンが、前記中心縦軸から離れて半径方向距離の閾値の値未満にある場合、前記第1の対応する軸方向力は、前記対応する第2の軸方向力未満であって、前記イオンが、前記中心縦軸に対して直角の任意の方向における前記半径方向距離の前記閾値の値を上回って前記中心縦軸から離れて半径方向に変位される場合、前記対応する第1の軸方向力は、前記対応する第2の軸方向力を超える、方法。
  2. d)第1のイオン群を半径方向に励起し、前記中心縦軸からの前記第1のイオン群の関連する半径方向振幅を増加させることであって、前記第1のイオン群内の各イオンに対して、前記イオンに作用する前記対応する第1の軸方向力が、前記イオンに作用する前記対応する第2の軸方向力を超え、前記ロッドセット内で前記ロッドセットの第2の端部に向かって前記第1のイオン群を押出す、ことと、
    e)第2のイオン群を半径方向に閉じ込め、前記第1のイオン群の前記関連する半径方向振幅より小さい関連する半径方向振幅を有することであって、前記第2のイオン群内の各イオンに対して、前記イオンに作用する前記対応する第2の軸方向力が、前記イオンに作用する前記第1の軸方向力を超え、前記ロッドセット内で前記ロッドセットの第2の端部と反対の前記ロッドセットの第1の端部に向かって前記第2のイオン群を押出す、ことと
    をさらに含み、前記第1のイオン群は、第1の質量範囲内にあって、前記第2のイオン群は、前記第1の質量範囲から外れた第2の質量範囲内にある、請求項1に記載の方法。
  3. d)は、前記ロッドセットの前記第2の端部から前記第1のイオン群を出射することをさらに含み、
    e)は、d)の間、前記ロッドセット内に前記第2のイオン群を保持することをさらに含む、
    請求項2に記載の方法。
  4. d)は、i)半径方向共鳴励起のための補助信号を提供することと、ii)前記RF場のRF振幅を第1のレベルまで増加させて、前記第1のイオン群を前記補助信号と共鳴させ、前記第1のイオン群を半径方向に励起することとを含む、請求項2に記載の方法。
  5. d)およびe)の後に、
    f)前記第2のイオン群を半径方向に励起し、前記中心縦軸からの前記第2のイオン群の前記関連する半径方向振幅を増加させることであって、前記第2のイオン群内の各イオンに対して、前記イオンに作用する前記対応する第1の軸方向力が、前記イオンに作用する前記対応する第2の軸方向力を超え、前記ロッドセット内で前記ロッドセットの第2の端部に向かって、前記第2のイオン群を押出す、ことと、
    g)前記第2のイオン群の前記関連する半径方向振幅より小さい関連する半径方向振幅を有するように第3のイオン群を半径方向に閉じ込めることであって、第3のイオン群内の各イオンに対して、前記イオンに作用する前記対応する第2の軸方向力が、前記イオンに作用する前記第1の軸方向力を超え、前記ロッドセット内で前記ロッドセットの第2の端部と反対の前記ロッドセットの第1の端部に向かって、前記第3のイオン群を押出す、ことと
    をさらに含み、前記第3のイオン群は、前記第2の質量範囲から外れた第3の質量範囲内にある、請求項3に記載の方法。
  6. f)は、前記ロッドセットの第2の端部から前記第2のイオン群を出射することをさらに含み、
    g)は、f)の間、前記ロッドセット内に第3のイオン群を保持することをさらに含む、
    請求項5に記載の方法。
  7. d)は、i)半径方向共鳴励起のための補助信号を提供することと、ii)前記RF場のRF振幅を第1のレベルまで増加させて、前記第1のイオン群を前記補助信号と共鳴させ、前記第1のイオン群を半径方向に変位させることとを含み、
    f)は、前記RF場の前記RF振幅を第2のレベルまで増加させて、前記第2のイオン群を前記補助信号と共鳴させ、前記第2のイオン群を半径方向に励起することを含む、
    請求項6に記載の方法。
  8. 前記RF場の前記RF振幅は、前記第1のレベルから前記第2のレベルまで、継続的に走査される、請求項に記載の方法。
  9. c)は、各イオンに対して、前記対応する第2の軸方向力を提供する第2の軸方向場を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第2の軸方向場は、前記ロッドセットの第1の端部と第2の端部との間に提供される障壁場であって、
    各イオンに対して、i)前記イオンが、前記中心縦軸から離れて前記半径方向距離の前記閾値の値未満にある場合、前記障壁場は、前記障壁場と前記ロッドセットの前記第1の端部との間に前記イオンを含むように動作可能であって、ii)前記イオンが、前記半径方向距離の前記閾値の値を上回って、前記中心縦軸から離れて半径方向に変位される場合、前記対応する第1の軸方向力は、前記障壁場を越えて、前記ロッドセット内で前記イオンを押出すように動作可能である、
    請求項9に記載の方法。
  11. 前記RF場は、多極性RF半径方向場であって、前記多極性RF半径方向場は、前記第1の端部から前記第2の端部へと前記ロッドセットに沿って減退する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記多極性RF半径方向場は、前記第1の端部から前記第2の端部へと実質的に線形に減退する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ロッドセットと連動して第2のロッドセットを操作することであって、前記第2のロッドセットは、第1の分解能で、前記ロッドセットの第2の端部から軸方向に出射される前記第1のイオン群を受け取るように位置付けられている、こと
    をさらに含み、前記第2のロッドセットは、前記第1の分解能より高い第2の分解能で、前記第1のイオン群を軸方向に出射するように構成されている、請求項3に記載の方法。
  14. 前記ロッドセットは、上流イオン密度を有し、前記第2のロッドセットは、下流イオン密度を有し、前記方法は、前記下流イオン密度を前記上流イオン密度より低く維持して、前記第2の分解能を前記第1の分解能より高く維持することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 質量分析計システムであって、
    イオン源と、
    ロッドセットであって、縦軸方向に沿って延在する複数のロッドと、前記イオン源からイオンを入射するための第1の端部と、前記ロッドセットの前記縦軸を横断するイオンを出射するための第2の端部とを有する、ロッドセットと、
    i)前記ロッドセットにRF電圧を提供して、前記ロッドセットの前記複数のロッド間にRF場を生成し、前記ロッドセット内に前記イオンを半径方向に閉じ込めるRF電圧供給モジュールであって、前記ロッドセットは、前記RF場が、前記ロッドセットの少なくとも一部に沿って変動し、各イオンに対して、前記イオンに作用する対応する第1の軸方向力を提供して、前記ロッドセット内で第1の軸方向に前記イオンを押出すように構成されているRF電圧供給モジュールと、
    i)前記ロッドセットに二次的電圧を提供して、各イオンに対して、前記ロッドセットの少なくとも前記一部に沿って、対応する第2の軸方向力を提供し、前記ロッドセット内で前記第1の軸方向と反対の第2の軸方向に前記イオンを押出すことのための二次的電圧供給モジュールと
    を含み、前記対応する第1の軸方向力は、前記対応する第2の軸方向力に対して、前記中心縦軸に対して直角の任意の方向における前記中心縦軸からの前記イオンの半径方向変位に伴って増加し、前記イオンが、前記中心縦軸から離れて半径方向距離の閾値の値未満にある場合、前記第1の対応する軸方向力は、前記対応する第2の軸方向力未満であり、前記イオンが、前記中心縦軸に対して直角の任意の方向において前記半径方向距離の前記閾値の値を上回って前記中心縦軸から離れて半径方向に変位される場合、前記対応する第1の軸方向力は、前記対応する第2の軸方向力を超える、システム。
  16. 前記複数のロッドは、前記第1の端部から前記第2の端部への前記第1の軸方向において前記縦軸から発散的に広がる、請求項15に記載の質量分析計システム。
  17. 前記複数のロッドは、前記縦軸から離れる0.1%乃至3%の勾配を有する、請求項16に記載の質量分析計システム。
  18. 前記複数のロッドは、前記縦軸から離れる0.15%乃至2%の勾配を有する、請求項16に記載の質量分析計システム。
  19. 前記複数のロッドは、前記縦軸から実質的に線形に発散的に広がる、請求項16に記載の質量分析計システム。
  20. 前記複数のロッド内の各ロッドは、複数のセグメントを含み、各ロッドに供給される前記RF電圧のRF振幅は、各ロッドの隣接するセグメント間で変動する、請求項15に記載の質量分析計システム。
  21. 各ロッドの前記隣接するセグメントの各対は、コンデンサおよびレジスタによって電気的に結合され、前記コンデンサおよびレジスタは、前記第1の端部により近い隣接するセグメントから前記第2の端部により近い隣接するセグメントへと前記RF振幅を低減するように共同して動作可能である、請求項20に記載の質量分析計システム。
  22. 前記コンデンサの静電容量および前記レジスタの抵抗は、各ロッドの前記隣接するセグメントの各対に対して選択され、前記RF振幅は、前記ロッドセットの長さに沿って、セグメントからセグメントへと実質的に等量ずつ低減される、請求項21に記載の質量分析計システム。
  23. 前記二次的電圧供給モジュールは、前記ロッドセットに接続され、前記ロッドセットの隣接するセグメントのうちの少なくとも1つの対間にDCオフセット電位を提供し、
    前記第2の軸方向場は、前記DCオフセット電位によって提供される障壁場であって、
    各イオンに対して、i)前記イオンが、前記中心縦軸から離れて前記半径方向距離の前記閾値の値未満にある場合、前記障壁場は、前記障壁場と前記ロッドセットの前記第1の端部との間に前記イオンを含むように動作可能であり、ii)前記イオンが、前記半径方向距離の前記閾値の値を上回って前記中心縦軸から離れて半径方向に変位される場合、前記対応する第1の軸方向力は、前記障壁場を越えて前記ロッドセット内で前記イオンを押出すように動作可能である、
    請求項20に記載の質量分析計システム。
  24. 前記複数のセグメントは、前記ロッドの一端における第1の端部セグメントと、前記ロッドの第1の端部と反対の前記ロッドの第2の端部における第2の端部セグメントとを含み、
    前記二次的電圧供給モジュールは、前記第1の端部セグメントに第1のDC電圧を供給するための第1のDC供給部と、前記第2の端部セグメントに第2のDC電圧を供給するための第2のDC供給部とを含み、前記第1のDC電圧が前記第2のDC電圧とは異なることにより、前記対応する第2の軸方向力を提供する、請求項20に記載の質量分析計システム。
  25. 前記複数のロッドは、前記RF電圧供給モジュールから前記RF電圧を受け取って前記RF場を生成し、
    前記ロッドセットは、二次的軸方向場を提供する複数の補助電極をさらに含み、各イオンに対して、前記二次的軸方向力を提供し、前記二次的電圧供給モジュールは、前記複数の補助電極に電気的に結合され、前記二次的軸方向場を提供する、
    請求項15に記載の質量分析計システム。
  26. 前記複数のロッド内の各ロッドは、
    外部導電性表面と、
    前記外部導電性表面上の螺旋軌道に沿って設置されるインダクタであって、前記螺旋軌道に沿って誘導効果を提供し、前記RF場を変動させるように動作可能な螺旋インダクタと
    を含む、請求項25に記載の質量分析計システム。
  27. 前記複数のロッド内の各ロッドに対して、前記インダクタは、前記螺旋軌道に沿って、前記外部導電性表面に切削された溝を含む、請求項26に記載の質量分析計システム。
  28. 前記複数のロッド内の各ロッドに対して、前記インダクタは、前記外部導電性表面上の前記螺旋軌道に沿って設置された絶縁体を含む、請求項26に記載の質量分析計システム。
  29. 前記ロッドセットの前記第2の端部から軸方向に出射されるイオンを受け取るように位置付けられている第2のロッドセットであって、前記RF電圧供給モジュールは、前記第2のロッドセットに接続され、前記第2のロッドセット内にRF場を生成し、前記第2のロッドセット内に前記イオンを半径方向に閉じ込める、第2のロッドセットと、
    選択された質量対電荷比に基づいて、前記RF電圧供給モジュールを制御するためのコントローラであって、並行して、i)前記ロッドセットに半径方向励起場を提供して前記選択された質量対電荷比のイオンを半径方向に励起することによって、前記選択された質量対電荷比の前記イオンに作用する前記第1の軸方向力が、前記第2の軸方向力を超え、前記ロッドセットを通して前記選択された質量対電荷比の前記イオンを押出して、前記ロッドセットの前記第2の端部から前記選択された質量対電荷比の前記イオンを軸方向に出射し、ii)前記ロッドセットと連動して前記第2のロッドセットを構成することによって、前記第2のロッドセットは、前記選択された質量対電荷比の前記イオンを軸方向に出射するように構成されている、コントローラと
    をさらに含む、請求項15に記載の質量分析計システム。
  30. 前記ロッドセットは、前記ロッドセットの部分を含む上流部分であって、前記上流部分に沿って前記RF場が変動し、各イオンに対して、前記イオンに作用する前記対応する第1の軸方向力を提供して、前記ロッドセット内で前記第1の軸方向内の前記イオンを押出す、上流部分と、前記縦軸方向に沿って、実質的に一定のRF場を提供するように構成されている下流部分とを含む、請求項15に記載の質量分析計システム。
JP2011511952A 2008-06-09 2009-06-09 半径方向位置に伴って強度が増大する軸方向電場を提供する多極性イオン誘導 Expired - Fee Related JP5709742B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US5996208P 2008-06-09 2008-06-09
US61/059,962 2008-06-09
PCT/CA2009/000812 WO2009149550A1 (en) 2008-06-09 2009-06-09 A multipole ion guide for providing an axial electric field whose strength increases with radial position, and a method of operating a multipole ion guide having such an axial electric field

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011523173A JP2011523173A (ja) 2011-08-04
JP5709742B2 true JP5709742B2 (ja) 2015-04-30

Family

ID=41399446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011511952A Expired - Fee Related JP5709742B2 (ja) 2008-06-09 2009-06-09 半径方向位置に伴って強度が増大する軸方向電場を提供する多極性イオン誘導

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8008618B2 (ja)
EP (1) EP2294603A4 (ja)
JP (1) JP5709742B2 (ja)
CA (1) CA2720249C (ja)
WO (1) WO2009149550A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8053723B2 (en) * 2009-04-30 2011-11-08 Thermo Finnigan Llc Intrascan data dependency
US8455814B2 (en) * 2010-05-11 2013-06-04 Agilent Technologies, Inc. Ion guides and collision cells
US8927940B2 (en) * 2011-06-03 2015-01-06 Bruker Daltonics, Inc. Abridged multipole structure for the transport, selection and trapping of ions in a vacuum system
US8969798B2 (en) * 2011-07-07 2015-03-03 Bruker Daltonics, Inc. Abridged ion trap-time of flight mass spectrometer
US9184040B2 (en) * 2011-06-03 2015-11-10 Bruker Daltonics, Inc. Abridged multipole structure for the transport and selection of ions in a vacuum system
US9209006B2 (en) 2011-11-03 2015-12-08 Analytik Jena Ag Mass spectrometry
US9330894B1 (en) 2015-02-03 2016-05-03 Thermo Finnigan Llc Ion transfer method and device
WO2016157030A1 (en) * 2015-04-01 2016-10-06 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Multipole ion guide
WO2017055978A1 (en) 2015-10-01 2017-04-06 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Mass-selective axial ejection linear ion trap
CN105957796B (zh) * 2016-06-30 2018-03-23 合肥美亚光电技术股份有限公司 一种质谱仪
US10236168B1 (en) 2017-11-21 2019-03-19 Thermo Finnigan Llc Ion transfer method and device
GB2571772B (en) 2018-03-09 2023-02-15 Micromass Ltd Ion confinement device
US11728153B2 (en) 2018-12-14 2023-08-15 Thermo Finnigan Llc Collision cell with enhanced ion beam focusing and transmission

Family Cites Families (40)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT528250A (ja) 1953-12-24
US4755670A (en) 1986-10-01 1988-07-05 Finnigan Corporation Fourtier transform quadrupole mass spectrometer and method
US5179278A (en) 1991-08-23 1993-01-12 Mds Health Group Limited Multipole inlet system for ion traps
US5420425A (en) 1994-05-27 1995-05-30 Finnigan Corporation Ion trap mass spectrometer system and method
US5783824A (en) 1995-04-03 1998-07-21 Hitachi, Ltd. Ion trapping mass spectrometry apparatus
WO1997007530A1 (en) * 1995-08-11 1997-02-27 Mds Health Group Limited Spectrometer with axial field
US6177668B1 (en) 1996-06-06 2001-01-23 Mds Inc. Axial ejection in a multipole mass spectrometer
JP2003507874A (ja) 1999-08-26 2003-02-25 ユニバーシティ オブ ニュー ハンプシャー 多段型の質量分析計
JP4578613B2 (ja) * 2000-04-03 2010-11-10 キヤノンアネルバ株式会社 Qポール型質量分析計
US6417511B1 (en) 2000-07-17 2002-07-09 Agilent Technologies, Inc. Ring pole ion guide apparatus, systems and method
US6627883B2 (en) 2001-03-02 2003-09-30 Bruker Daltonics Inc. Apparatus and method for analyzing samples in a dual ion trap mass spectrometer
US6774995B2 (en) 2001-08-03 2004-08-10 Pointsource Technologies, Llc Identification of particles in fluid
AU2002322895A1 (en) 2001-08-30 2003-03-10 Mds Inc., Doing Busness As Mds Sciex A method of reducing space charge in a linear ion trap mass spectrometer
US7049580B2 (en) * 2002-04-05 2006-05-23 Mds Inc. Fragmentation of ions by resonant excitation in a high order multipole field, low pressure ion trap
US6770871B1 (en) 2002-05-31 2004-08-03 Michrom Bioresources, Inc. Two-dimensional tandem mass spectrometry
US6897438B2 (en) 2002-08-05 2005-05-24 University Of British Columbia Geometry for generating a two-dimensional substantially quadrupole field
CA2494922A1 (en) * 2002-08-19 2004-02-26 Mds Inc., Through It`S Mds Sciex Division Quadrupole mass spectrometer with spatial dispersion
CA2502445C (en) 2002-09-25 2011-08-23 Ionalytics Corporation Faims apparatus and method for separating ions
US6838666B2 (en) 2003-01-10 2005-01-04 Purdue Research Foundation Rectilinear ion trap and mass analyzer system and method
JP4738326B2 (ja) 2003-03-19 2011-08-03 サーモ フィニガン リミテッド ライアビリティ カンパニー イオン母集団内複数親イオン種についてのタンデム質量分析データ取得
US7119331B2 (en) 2003-08-07 2006-10-10 Academia Sinica Nanoparticle ion detection
US7217919B2 (en) 2004-11-02 2007-05-15 Analytica Of Branford, Inc. Method and apparatus for multiplexing plural ion beams to a mass spectrometer
US7084398B2 (en) 2004-05-05 2006-08-01 Sciex Division Of Mds Inc. Method and apparatus for selective axial ejection
US7288761B2 (en) * 2004-05-24 2007-10-30 Mds Analytical Technologies, A Business Unit Of Mds Inc. System and method for trapping ions
JP4659395B2 (ja) 2004-06-08 2011-03-30 株式会社日立ハイテクノロジーズ 質量分析装置及び質量分析方法
JP5400299B2 (ja) 2005-01-17 2014-01-29 マイクロマス ユーケー リミテッド 質量分析計
CA2608972A1 (en) * 2005-05-18 2006-11-23 Mds Inc. Doing Business As Mds Sciex Method and apparatus for mass selective axial transport using quadrupolar dc
US7323683B2 (en) 2005-08-31 2008-01-29 The Rockefeller University Linear ion trap for mass spectrometry
EP1955359B1 (en) * 2005-11-30 2015-04-01 DH Technologies Development Pte. Ltd. Method and apparatus for mass selective axial transport using pulsed axial field
GB0526043D0 (en) 2005-12-22 2006-02-01 Micromass Ltd Mass spectrometer
US7569811B2 (en) * 2006-01-13 2009-08-04 Ionics Mass Spectrometry Group Inc. Concentrating mass spectrometer ion guide, spectrometer and method
US7456389B2 (en) 2006-07-11 2008-11-25 Thermo Finnigan Llc High throughput quadrupolar ion trap
CA2654253A1 (en) * 2006-07-19 2008-01-24 Mds Analytical Technologies, A Business Unit Of Mds Inc., Doing Business Through Its Sciex Division Method of operating a mass spectrometer to provide resonant excitation ion transfer
US7692142B2 (en) 2006-12-13 2010-04-06 Thermo Finnigan Llc Differential-pressure dual ion trap mass analyzer and methods of use thereof
JP2007165335A (ja) * 2007-01-30 2007-06-28 Hitachi Ltd 電荷調整方法とその装置、および質量分析装置
US20080210860A1 (en) 2007-03-02 2008-09-04 Kovtoun Viatcheslav V Segmented ion trap mass spectrometry
US7633060B2 (en) * 2007-04-24 2009-12-15 Thermo Finnigan Llc Separation and axial ejection of ions based on m/z ratio
GB0717146D0 (en) 2007-09-04 2007-10-17 Micromass Ltd Mass spectrometer
US7989765B2 (en) * 2007-11-30 2011-08-02 Agilent Technologies, Inc. Method and apparatus for trapping ions
GB0810599D0 (en) 2008-06-10 2008-07-16 Micromass Ltd Mass spectrometer

Also Published As

Publication number Publication date
US20090302216A1 (en) 2009-12-10
CA2720249A1 (en) 2009-12-17
CA2720249C (en) 2015-12-08
JP2011523173A (ja) 2011-08-04
EP2294603A1 (en) 2011-03-16
EP2294603A4 (en) 2017-01-18
WO2009149550A1 (en) 2009-12-17
US8008618B2 (en) 2011-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5709742B2 (ja) 半径方向位置に伴って強度が増大する軸方向電場を提供する多極性イオン誘導
Wilcox et al. Improved ion extraction from a linear octopole ion trap: SIMION analysis and experimental demonstration
US6700116B2 (en) Ion trap mass spectrometer
EP2697638B1 (en) High duty cycle ion storage/ion mobility separation mass spectrometer
US7960692B2 (en) Ion focusing and detection in a miniature linear ion trap for mass spectrometry
US7459679B2 (en) Method and apparatus for mass selective axial transport using pulsed axial field
US7405401B2 (en) Ion extraction devices, mass spectrometer devices, and methods of selectively extracting ions and performing mass spectrometry
DE112004000453B4 (de) Erlangen von Tandem-Massenspektrometriedaten für Mehrfachstammionen in einer Ionenpopulation
EP1704578B1 (en) Ion extraction devices and methods of selectively extracting ions
JP2009517815A5 (ja)
CA2565677A1 (en) Method and apparatus for mass selective axial ejection
JP2005500646A (ja) 質量分析の方法及び装置
US20130306861A1 (en) Ion guide with different order multipolar field order distributions across like segments
JP5808807B2 (ja) 放射方向振幅支援トランスファのための線形イオントラップ
JP2008541387A (ja) 四重極dcを用いる質量選択的な軸方向輸送の方法および装置
US11031232B1 (en) Injection of ions into an ion storage device
WO2014163940A2 (en) Methods and systems for applying end cap dc bias in ion traps
CN112951704B (zh) 用于离子处理管道的空间时间缓冲器
EP3357080B1 (en) Mass-selective axial ejection linear ion trap
CA2689091A1 (en) Mass spectrometry method and apparatus
JP7354337B2 (ja) イオントラップ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130830

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20131017

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20131024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140722

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140911

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140919

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150303

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5709742

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees