JP4683844B2 - インフルエンザウイルス感染予防剤 - Google Patents

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本発明は、生体内において、自然免疫(または、先天性免疫:innate immunity)を増強させることにより、インフルエンザウイルスからの感染を予防する薬剤に関わり、さらには、インフルエンザウイルスによる感染から予防するための当該薬剤の使用方法に関する。
インフルエンザ(influenza)は、呼吸気道の粘膜上皮へのインフルエンザウイルスが感染することによって発症する呼吸器疾患であり、わが国では毎年冬に流行が起こり、高齢者での肺炎ならびに若年者での重篤な脳症が致死的であり、社会的な問題となっている疾患である。
インフルエンザウイルスは増殖が早いものであり、感染後数日で発症するために、インフルエンザウイルスからの罹患を防ぐためには、予めワクチンを接種し、インフルエンザウイルスへの抗体反応によるウイルス感染を阻止するか、あるいは生体の免疫力自体を高めておく必要がある。現在わが国では、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(赤血球凝集素:hemagglutinin:HA)を主成分としたエーテル処理不活化ワクチンを用いて、インフルエンザウイルス感染予防に一定の効果が得られているものの、遺伝因子の多型性により、ワクチンが必ずしも著効するとは限らない問題がある。
また、インフルエンザワクチンの生産面においても、発育鶏卵を用いて製造しているため、ウイルスの変異株に合わせた短期間での大量生産が不可能であり、流行株の予測が外れた場合などには対応できない問題点がある。さらに、鶏卵に対してアレルギーを有するヒトへの投与は危険を伴うものでもある。例えば、1997年に香港で発生し、瞬く間に流行し、多くの死者を出した、ヒトに対する強毒型の鳥型のインフルエンザウイルスH5N1では、鶏卵での増殖が困難であり、したがってインフルエンザワクチンの調製が不可能であった例もある。
そこで、安全であり、しかも低コストでインフルエンザウイルスからの感染を防御する方法の開発が望まれているが、これまでかかる問題に直接的に応えた感染予防方法は提案されていない。
インフルエンザウイルスからの感染予防の方法の一つとして、従来の獲得免疫を引き起こすワクチンの他に、自然免疫(先天性免疫:innate immunity)を増強させて、ウイルス感染を防御する方法が考えられる。
本発明者等は、上記問題点に鑑み、インフルエンザウイルスの変異株に対しても広く予防し得る手段として、生体における自然免疫(先天性免疫)を増強させることに着目した。その一つとして、生体における自然免疫の増強を担う生体内抗菌ペプチドと呼ばれる物質の分泌に注目した。
この生体内抗菌ペプチドは、免疫反応を担う宿主由来の防御物質と把握することができるものであり、生体には本来的に、外来異物(細菌、ウイルス)の進入に対する保護を行うため、先天的な免疫反応のメカニズムが備わっている。この場合の先天的な免疫反応(Innate Immune Response)の構成要素の一つとして、生体由来の抗菌ペプチドの分泌、通常は、デフェンシン類の分泌が挙げられる(非特許文献1)。
すなわち、生体の免疫的な防御機構として、細菌、ウイルス感染等の危険性が生じた場合には、デフェンシンなどいくつかのタイプの抗菌ペプチドが上皮細胞表面において産生され、この抗菌ペプチドが、病原体となり得るものに対する先天性免疫のエフェクターとして作用していることが知られている。
R.I. Lehrer, et al., Cell, 64, 229-230(1991)
ところでこのような生体内抗菌ペプチドの分泌が、アミノ酸のなかでも分枝鎖を有する必須アミノ酸であるロイシン、イソロイシンまたはバリンを投与することにより促進されることが知られている。そこで本発明者等はかかる分枝鎖を有する必須アミノ酸によるインフルエンザウイルス感染を抑制する先天性免疫(innate immunity)の誘導を検討したところ、分枝鎖必須アミノ酸のなかでもイソロイシンが特異的に先天性免疫を誘導し、インフルエンザウイルス感染を抑制することを見出し、本発明を完成させるに至った。
したがって本発明は、かかる検討結果に基づき完成されたものであり、生体において先天性免疫(innate immunity)の誘導を生じさせることにより、インフルエンザウイルスからの感染予防剤を提供すること、さらに、かかる感染予防のため、イソロイシンの使用方法を提供することを課題とする。
しかして本発明の基本的態様である請求項1に記載の発明は、イソロイシンを有効成分として含有するインフルエンザウイルス感染予防剤である。
そのなかでも、より具体的な請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、かかる予防剤が、鼻腔内投与剤形である感染予防剤である。
すなわち、インフルエンザは、呼吸気道の粘膜上皮にウイルス感染することによって生じる急性の呼吸器疾患であることより、特に鼻腔内粘膜への感染が問題とされることが多い。したがって、かかる鼻腔内にイソロイシンを投与することにより、インフルエンザウイルスの感染をより効果的に予防し得るものである。
また、本発明の別の基本的態様である請求項3に記載の発明は、インフルエンザウイルスによる感染症を予防するために、イソロイシンを投与することからなる生体での先天性免疫(innate immunity)を増強させる方法である。
すなわち本発明は、イソロイシンである分枝鎖必須アミノ酸を投与することで生体抗菌ペプチド、例えばデフェンシンの分泌を誘導し、粘膜や上皮の防御バリヤーを増強し、インフルエンザウイルスからの感染を予防するために先天性免疫(innate immunity)を増強させるこという、全く新しい方法を提供する点に特徴を有するものである。
本発明が提供するイソロイシンを有効成分として含有するインフルエンザウイルス感染予防剤により、生体にウイルスの感染に対する先天性免疫(innate immunity)を増強させることができる。したがって、増強された先天性免疫により効果的なインフルエンザウイルス感染予防を行うものであり、極めて安全なものであり、インフルエンザの流行に左右されることが無く、効果的にインフルエンザからの感染を防止することができる。
また、インフルエンザワクチンの投与を行うことなくインフルエンザからの感染を防御し得るものであり、ワクチンによる副作用等の発生を回避し得る利点を有している。
本発明は上記したように、生体における先天的免疫能を発揮する抗菌ペプチドの分泌を誘発させ、先天性免疫(innate immunity)を増強させることによりインフルエンザウイルスからの感染を予防する予防剤である。
本発明が提供するインフルエンザウイルス感染予防剤を投与するにあたっては、その有効成分であるイソロイシン含有する組成物を、経口的あるいは非経口的に投与することで行い得る。
その含有量は特に限定されるものではなく、生体に投与することにより、先天性免疫応答を増強させ、その結果インフルエンザウイルスからの感染を予防するに十分な量を投与すればよい。なお、本発明が提供する予防剤の有効成分であるイソロイシンは、必須アミノ酸の一種であり、その安全性は十分確認されていることより、ある程度過剰量を投与しても、何ら悪影響をあたえるものではない。
例えば、経口的に投与する場合には、適宜他の製剤用担体、例えば、デンプン、乳糖、白糖、結晶セルロース、リン酸水素カルシウム等の賦形剤;アカシア、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等の結合剤;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等の滑沢剤;加工デンプン、カルシウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の崩壊剤、カルボキシビニルポリマー等と共に、製剤学的に汎用されている経口投与製剤である錠剤、顆粒剤、カプセル剤、あるいは散剤等の形態に製剤化することができる。
また、非経口的に投与する場合には、経鼻投与による鼻腔内投与が特に好ましく、その場合の剤形としては、液剤によるスプレー投与、微粉末製剤によるスプレー投与等が挙げられる。また、注射剤の形態で投与することができる。液剤として調製する場合には、適宜蒸留水、低級アルコール、多価アルコール等の有機溶媒、さらには適宜界面活性剤等と共にイソロイシンを溶解し、液剤として調製することができる。
特に、インフルエンザは、呼吸気道の粘膜上皮におけるウイルス感染することによって生じる急性の呼吸器疾患であり、鼻腔内粘膜を通して感染されることが問題とされる。したがって、本発明が提供するインフルエンザウイルス感染予防剤は、かかる鼻腔内に投与することにより、効果的にインフルエンザウイルスの感染を予防し得るものであり、かかる剤形としては、有効成分であるイソロイシンの水溶液をスプレーにより鼻腔内に投与し得る剤形とするのが好ましく、鼻腔内投与と経口投与の併用を用いることも可能である。
以下に本発明が提供する、有効成分であるイソロイシンによるインフルエンザウイルスの感染防御の実際を、マウスを用いた試験検討で行い、その結果を説明することにより、本発明をさらに詳細に説明する。
試験例1イソロイシンの経鼻接種によるインフルエンウイルス感染防御検討
[材料と方法]
試験動物:Balb/cマウス;雌性6週齢
ウイルス:インフルエンザウイルスH1N1(A/PR8)株
薬剤:
イソロイシン:イソロイシン粉末を蒸留水で溶解し、使用した。
ロイシン:ロイシン粉末を蒸留水で溶解し、使用した。
試験−1イソロイシン投与後の日数と、インフルエンザ防御効果の検討
マウスを、インフルエンザウイルスPR8(N1H1)の1×10pfuのウイルス量で感染させた。感染処理前1、5および9日前に、イソロイシン100μg/mLの溶液を、2.2μL/鼻腔の用量(0.22μg)で経鼻投与し、その感染防御効果を、ウイルス感染3日後の鼻腔洗浄液中のウイルス価で判定した。
判定には、MDCK細胞を用いたプラーク法を用いた。なお、コントロールとして、ロイシン投与群、および無処置群を設けた。
結果
その結果を表1にまとめて示した。
Figure 0004683844
表1に示したように、インフルエンザウイルス感染前にイソロイシンの100μg/mL溶液を2.2μL/鼻腔内の用量で経鼻投与し、インフルエンザウイルスPR8(N1H1)を、ウイルス量1×10pfuを1.2μLで接種したマウスでは、1日前の投与群で、最もウイルス価の抑制が認められた。しかしながらその効果は、鼻腔洗浄液中のウイルス価をコントロール群の104.9pfu/mLを103.5pfu/mLに下げる程度のものでしかなかった。
なお、コントロールのロイシン投与グループでは、104.2pfu/mLと抑制の効果はほとんど認められないものであった。
試験−2イソロイシン投与後の日数と、インフルエンザ防御効果の持続時間の検討
マウスを、インフルエンザウイルスPR38(N1H1)の1×10PFU量および1×10PFU量で感染させ、感染処理前6時間、1、3および7日前にイソロイシン100μg/mLの溶液を5μL/鼻腔内(投与量:0.5μg)投与し、そのインフルエンザウイルスの感染防御効果を、鼻腔内洗浄液中のウイルス価で判定した。判定には、MDCK細胞を用いたプラーク法を用いた。なお、コントロールとして、無処置群を設けた。
その結果を表2にまとめて示した。
Figure 0004683844
表2から明らかなように、インフルエンザウイルス感染前にイソロイシンの100μg/mL溶液を5μL/鼻腔内の用量で経鼻投与し、インフルエンザウイルスPR8(N1H1)1×10PFU量を感染させたマウスでは、ウイルス価の抑制が1日効果的に継続していることが判明した。
なお、インフルエンザウイルスPR8(N1H1)1×10PFU量を感染させたマウスでは、この投与量では感染を防御することはできなかった。しかしながら、自然界のインフルエンザウイルス感染を考えると、1×10pfuのウイルス価の感染を予防できることは、充分実用に耐え得る値であるといえる。
試験−3イソロイシン投与後の時間とインフルエンザ防御効果の検討
インフルエンザウイルスの感染処置6時間前、または9時間前、ならびに6時間前および9時間前の両時間に、イソロイシンの100μg/mL溶液を5.0μL/鼻腔内の用量(0.5μg)で経鼻投与し、感染処置3日後の鼻腔内洗浄液中のウイルス価で判定した。判定には、MDCK細胞を用いたプラーク法を用いた。
コントロール群として無処置の群を設けた。
結果
その結果を表3に示した。
Figure 0004683844
表3に示したように、インフルエンザウイルス感染前6時間前および9時間前にイソロイシン100μg/mL溶液を5μL/鼻腔内投与用量(投与量:0.5μg)で経鼻投与することにより、鼻腔でのウイルス増殖を抑制することができていることが判明する。この抑制は、感染6時間前のイソロイシンの投与で顕著なものであった。なお、感染6時間前および9時間前の2回投与では抑制が認められなかった。
試験−4イソロイシンによるインフルエンザウイルス感染防護に与えるチャレンジウイルスのウイルス価の影響の検討
各群5匹のマウスを使用し、チャレンジウイルスのウイルス価を、1×10pfu、1×10pfu、1×10pfuと変化させて、イソロイシン100μg/mL溶液を5μL/鼻腔内投与用量で鼻腔内投与し、その感染防御効果を、感染3日後の鼻腔洗浄液中のウイルス価で判定した。判定には、MDCK細胞を用いたプラーク法を用いた。なお、コントロールとして、ロイシン投与群、および無処置群を設けた。
結果
その結果を表4にまとめて示した。
Figure 0004683844
各群5匹のマウスを用いて、各薬剤を鼻腔内投与前6時間前に、100μg/mLのインフルエンザウイルス(PR8/H1N1)を各鼻に1.2μLの接種を行った。ウイルスの希釈は、1×10pfuが20μLで投与時にウイルス価40LD50に相当する。表4に示した結果からも判明するように、ウイルス価1×10pfuではイソロイシンの投与によりウイルス増殖抑制はほとんど認められないが、1×10,1×10pfuのウイルス価で感染していくと、ウイルス増殖抑制効果が現れ、1×10pfuのウイルス価においては、103.4pfuを100.1pfuと、ほぼ検出できない値までの顕著なウイルス増殖抑制効果が観察された。
自然界のインフルエンザウイルス感染を考えると、1×10pfuのウイルス価の感染を予防できることは、充分実用に耐え得る値であるといえる。
試験例2A型インフルエンザウイルス/B型インフルエンザウイルス感染に対する防御効果
A型インフルエンザウイルスとしてA/Guizhouウイルスを、B型インフルエンザウイルスとしてB/Ibarakiウイルスにより経鼻感染させ、同時にイソロイシン100μg/mL溶液を5μL/鼻腔内投与用量(投与量:0.5μg)で経鼻投与し、そのインフルエンザウイルスの感染防御効果を、鼻腔内洗浄液中のウイルス価で判定した。なお、対照としてA型インフルエンザウイルスであるA/Guizhouウイルス、およびB型インフルエンザウイルスであるB/Ibarakiウイルスを単独経鼻感染した群をおいた。判定には、MDCK細胞を用いたプラーク法を用いた。
その結果を表5に示した。
Figure 0004683844
表中の結果からも判明するように、ウイルス感染と共にイソロイシンを経鼻投与することにより、A型インフルエンザウイルスであるA/Guizhouウイルス、およびB型インフルエンザウイルスであるB/Ibarakiウイルス共にその感染が抑制されており、特に、A型インフルエンザウイルスであるA/Guizhouウイルスの感染の抑制が顕著であることが判明した。
試験例3イソロイシンの経鼻投与による、抗菌ペプチドであるデフェンシン類の分泌の確認
Balb/cマウスに、イソロイシン100μg/mLの溶液を5μL/鼻腔内投与用量(投与量:0.5μg)で経鼻投与し、投与後0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5および5時間後の気管支組織における生体内抗菌ペプチドであるβ−デフェンシン遺伝子の発現を、常法によりPCR−電気泳動法により検討した。
なお、対照として、経鼻投与しなかったマウスの気管支組織における発現も検討した。
その結果を図1に示した。図から判明するように、イソロイシンの経鼻投与後において、生体内抗菌ペプチドであるβ−デフェンシン遺伝子として、β−デフェンシン1遺伝子は投与後4.5時間においても確認され、β−デフェンシン2遺伝子、β−デフェンシン3遺伝子およびβ−デフェンシン3ファミリー遺伝子の発現は、投与後4時間においても確認された。
したがって、本発明のイソロイシンを有効成分とするインフルエンザウイルス感染予防剤により、効果的に自然免疫が獲得されていることが確認された。
試験例4イソロイシンの経口投与によるインフルエンウイルス感染防御検討
[材料と方法]
試験動物:Balb/cマウス;雌性6週齢
ウイルス:インフルエンザウイルスH1N1(A/PR8)株
薬剤:
イソロイシン:イソロイシン粉末を蒸留水で溶解し、使用した。
マウスを、インフルエンザウイルスPR8(H1N1)の1×10pfuのウイルス量で感染させた。感染処理前に、イソロイシンを経口投与し、その感染防御効果を、ウイルス感染3日後の鼻腔洗浄液中のウイルス価で判定した。
イソロイシンの経口投与に当たっては、イソロイシン10mg/mLの溶液(原液)100μL投与群、原液を10倍希釈した溶液100μL投与群、および原液を100倍希釈した溶液100μL投与群をおいた。
判定には、MDCK細胞を用いたプラーク法を用いた。なお、コントロールとして、無処置群(無投与群)を設けた。
結果
その結果を表6に示した。
Figure 0004683844
表中に示した結果からも判明するように、イソロイシン原液(10mg/mL)を100μL経口投与した群では、インフルエンザウイルスPR8(N1H1)を、ウイルス量1×10pfuを1.2μLで接種したマウスにおいてウイルス価の抑制が認められ、イソロイシンの経口投与によるインフルエンザウイルスの感染予防が確認された。
製剤例1鼻腔内スプレー剤
イソロイシン5gを注射用蒸留水200mLに溶解し、鼻腔内スプレー用の液剤を得た。
本液剤を、1日適宜の回数鼻腔内にスプレーし、投与する。
製剤例2顆粒剤
組成:
イソロイシン 300g
乳糖 134g
結晶セルロース 20g
トウモロコシ澱粉 20g
3%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液 100mL
製法:
イソロイシンに乳糖、結晶セルロースおよびトウモロコシ澱粉を60メッシュのふるいで篩化し、均一に混合した後、練合機に入れ、3%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液を注加して、さらに練合した。次いで16メッシュのふるいで篩化し、造粒を行い、50℃で通風乾燥し、顆粒剤とした。
以上記載のように、本発明は、イソロイシンを投与することにより、生体にウイルスの感染に対する先天性免疫(innate immunity)を増強させることにより効果的なインフルエンザウイルス感染予防を行うものであり、安全であり、しかも低コストで予防し得る点から、その医療上の価値は多大なものである。
図1は、試験例3における結果を示す電気泳動写真である。

Claims (2)

  1. イソロイシンを有効成分として含有する鼻腔内投与形態にあるインフルエンザウイルス感染予防剤。
  2. インフルエンザウイルスによる感染症を予防するための、イソロイシンを有効成分として含有する鼻腔内投与形態にある生体の先天性免疫(innate immunity)増強剤
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