JP4682916B2 - 通信システム及び通信装置 - Google Patents
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Description
図14には、1つのマスタ(例えば、車両用のECU)1と、複数のスレーブ2(1〜67)とを、バス3(+,−)を介して列状に接続した構成を示す。尚、各スレーブ2の内部に存在するスイッチ4は、後続のスレーブ2に故障が発生した場合に、当該スレーブ2に対するバス3の接続を切り離し、正常なスレーブ2のみで通信を続行するために設けられている。
Data Phaseにおいてマスタ1がデータを送信する場合は、バス3を電圧レベルVL0,VL1の何れかにドライブする。これらの電圧レベルは、夫々データ「0,1」に対応する。また、スレーブ2がデータを送信する期間では、マスタ1はData Phaseでバス3を電圧レベルVL0にドライブする。尚、Power Phase,Data Phaseの期間長は、等しくなるように規定されている。
それから、マスタ1は通信モードを指定するため、MSA,SELの2データビットを送信すると、以降はスレーブ2側がデータを送信する期間となる。即ち、Slot1_data及びそれに続くCRCは、マスタ1(1)のデータ送信期間であり、CRC(Cyclic Redundancy Check)は、Slot1_dataについて付された誤り検出符号である。以降同様に、他のスレーブ2により、Slot2_data,Slot3_data,・・・Slot_n_dataが順次送信される。
尚、SbWは、未だ余り普及が進んでいない技術であるため、出願人は提示すべき適切な先行技術文献を見つけることはできなかった。
即ち、アップダウンカウンタがアップカウント,ダウンカウントを行う期間は等しいので、マスタによる電源供給期間とスレーブによるデータビット送信期間との等時性は確保される。そして、ダウンカウント動作により漸減するカウント値はデータビット送信期間の残り時間を示すので、そのカウント値が所定の値に達した時点からバスのドライブを停止すれば、マスタとのドライブレベルの干渉をより確実に回避することができる。
以下、本発明の通信システムをSbWに適用した第1実施例について図1乃至図4を参照して説明する。尚、図14と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。図3は、本実施例におけるスレーブ(通信装置)11の構成を、本発明の要旨に係る部分について概略的に示す機能ブロック図である。
シリアル通信用のバス3(+),3(−)の間には、電圧監視回路(電圧監視手段)12が接続されている。この電圧監視回路12は、マスタ1がドライブするバス3の電圧を監視することで、スレーブ11が通信タイミングを把握するための情報を得るもので、電圧レベル比較用のコンパレータなどを内蔵して構成されている。そして、電圧監視回路12は、バス3のドライブレベルが正常か否かを監視し、その監視結果をCPU(マイクロコンピュータ)13に対して出力する。
但し、一致回路19は、上記比較動作を、ANDゲート18より与えられる比較イネーブル信号(CPE)がアクティブである場合に行う。尚、設定値レジスタ20には、CPU13が適当なデータを書き込んでセットする。ANDゲート18のもう一方の負論理入力端子には、電圧監視回路12からのU/D切替信号が与えられている。
即ち、一致回路19がHi−Z指令を出力するのはData Phaseの末尾となり(上記の例では0.25μsの期間)、その期間(非ドライブ期間)は、スレーブ11によるバス3のドライブが停止されるため続くPower Phaseとの間の緩衝期間となる。
従って、CPU13は、ステップS7で電圧監視回路12の監視結果を参照することでレベル干渉が発生しているか否かを判定し、干渉が発生していなければ(「NO」)ステップS8に進み、干渉が発生していれば(「YES」)それにより通信が失敗したことを示す情報をマスタ1に送信する(ステップS9)。そして、設定値レジスタにセットしたデータ値をより大きくするように更新すると(ステップS10)ステップS1に戻る。
また、スレーブ11は、自身のデータ送信期間の開始時点でアップダウンカウンタ15にカウント動作を開始させ、アップダウンカウンタ15は、Power Phaseの間にアップカウント動作を行ない、Data Phaseの間にダウンカウント動作を行なう。そして、スレーブ11は、カウンタ15のダウンカウント値が、設定値レジスタ20にセットされたしきい値に達するとバス3のドライブを停止するようにした。従って、Power PhaseとData Phaseとの等時性を確保できると共に、マスタ1とのドライブレベルの干渉をより確実に回避することができる。
また、スレーブ11は、マスタ1による電源供給が停止することで、電圧監視回路12より監視されるバス3の電圧が所定レベルまで低下すると、アップダウンカウンタ15の動作をダウンカウントに切り替えるので、Power Phaseが終了したことを確実に認識してからData Phaseを開始させることができる。
加えて、スレーブ11は、マスタ1が通信開始を示した時点から、バス3上で送信されたデータビット数をカウントすることで自身のデータ送信期間の開始を判定するので、当該期間が開始されるまでは詳細な時間計測を行う必要が無く、構成を簡単にすることができる。
図5は本発明の第2実施例であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例の構成は、基本的に第1実施例と同様であるが、スレーブ11においては、アップダウンカウンタ15のアップカウント値の最大値がラッチされ、そのラッチデータをCPU13が読み込むことができるように構成されている(図示せず)。この場合、ラッチ信号には、U/D切替信号の立下りを利用すれば良い。上記構成を前提として、CPU13のソフトウエアにより実現される機能が追加されている。
以上のように第2実施例によれば、スレーブ11は、アップダウンカウンタ15の動作をダウンカウントに切り替える場合のカウント値の差を各データビット毎に検出し、その差が所定値以上になった場合はマスタ1に送信期間異常を伝達するようにした。従って、通信タイミングの管理に異常があることをマスタ1に伝達して対処させることができる。
図6乃至図10は本発明の第3実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分について説明する。図6は第1実施例の図3相当図であり、スレーブ(通信装置)21の構成を示すものである。第3実施例のスレーブ21は、第1実施例のスレーブ11におけるアップ/ダウンカウンタ15及びクロック回路16に替えて充放電回路22が配置され、また、一致回路19及び設定値レジスタ20に替えてHi−Z指令出力回路23が配置されている。
そして、充放電回路22の充放電切換え制御は、電圧監視回路12によって、第1実施例ではアップ/ダウン切替信号として出力されていた信号により行なわれる。また、CPU12に替わるCPU24は、充放電回路22の充放電時定数を切換えるように制御する。即ち、第3実施例では、Data Phaseの末尾に非ドライブ期間を設けるためのタイミング管理を、充放電回路22において行う充放電制御に基づいて行うようになっている。
する(ステップS1b)。即ち、通信レートが高ければ充放電時定数が小さくなるように設定する。そして、以降のステップS2〜S9は、第1実施例と同様に実行する。
そして、コンデンサ27の端子電圧が0V付近になると、指令出力回路23がHi−Z指令を出力し、通信ドライバ/レシーバ17は、バス3のドライブを停止して出力状態をハイインピーダンスとする。上述したように、(充電時定数)>(放電時定数)となっているのでコンデンサ27の放電時間は常に充電時間よりも短くなり、両者の時間差によって非ドライブ期間が確保されるようになっている。
た場合は(「YES」)、その事象に基づくエラー処理を行ってから(ステップS17)ステップS1に戻る。
また、スレーブ21は、データビット送信期間におけるバス3の電圧が干渉レベルであると判定すると、非ドライブ期間がより長くなるように調整するので、マスタ−スレーブ間におけるドライブレベルの干渉発生を回避するように調整を行なうことができる。更に、スレーブ21は、非ドライブ期間を調整した結果、当該期間の長さが上限を超えた場合は、マスタ1に通信エラーの発生を伝達するので、マスタ1にその旨を伝達して通信を停止させるなどの処置を取ることができる。
図11は本発明の第4実施例を示すものであり、第3実施例と異なる部分について説明する。第4実施例の構成は基本的に第3実施例と同様であり、CPU24によるソフトウエア的な処理内容が異なっている。即ち、図9相当図である図11において、CPU24は、ステップS1の実行後に、SOFにより提示された通信レートが前回提示されたレートより変更されているか否かを判断し(ステップS18)、変更されていなければ(「NO」)ステップS2に移行する。この場合、以前に実行済みであるステップS1bの状態は保持されているとする。一方、通信レートが変更されていれば(「YES」)後述する処理に使用するフラグをクリアしてから(ステップS19)ステップS1bに移行する。
CPU24は、内部のメモリにおけるフラグ格納領域を参照して「調整停止フラグ」のセット状態を確認し、当該フラグがセットされていなければ(「NO」)放電時定数回路26の時定数を1段階大きくするように調整する(ステップS21)。それから、前記調整を行なったことを記憶するための「調整済みフラグ」を格納領域にセットすると(ステップS22)ステップS1に移行する。また、ステップS20において「調整停止フラグ」がセットされていれば(「YES」)そのままステップS1に移行する。
この時点で前記フラグがセットされていれば(「YES」)、以降は通信レートが変更されない限り非ドライブ期間をより短縮する調整は不要である。そのため、続くステップS24において「調整停止フラグ」をセットしてからステップS16に移行する。また、ステップS23において「調整済みフラグ」がセットされていなければ(「NO」)、そのままステップS16に移行する。
以上のように第4実施例によれば、スレーブ21は、データビット送信期間にドライブレベルの干渉が発生しない状態が所定回数継続すると、非ドライブ期間を短縮するように調整するので、非ドライブ期間の最適化を図ることができる。
図12は本発明の第5実施例を示すものであり、第3実施例と異なる部分について説明する。第5実施例のスレーブ(通信装置)31は、CPU24aがバスのドライブレベルが干渉したことを検出するのに、バス3(+)に介挿した電流監視回路(電流監視手段)32により検出されるバス3のドライブ電流の変化に基づいて検出するようになっている。即ち、ドライブレベルの干渉が発生した場合には、ドライブ電流が異常な変動状態を示すので、そのような異常変動を検出する。従って、図9に示すステップS4,S7では、CPU24aは電流監視回路32の出力状態を参照して、ドライブ電流が異常な変動を示すかどうかを判断する。
図13は本発明の第6実施例を示すものであり、第3実施例と異なる部分について説明する。第6実施例は、第3実施例における充電時定数回路25とは異なる構成の充電時定数回路33を示すもので、充電時定数回路33は、FETに替えて抵抗素子34を使用しており、抵抗素子34とスイッチ35との並列回路を、通信バス3(+)と充電側スイッチ28Cとの間に複数直列接続して構成されている。
斯様に構成すれば、CPU24は、スイッチ35のON,OFFを制御することで直列抵抗値を変化させ、充電時定数の大小を設定することができる。即ち、スイッチ35をOFFする数を増やすほど、直列抵抗値が上昇して充電時定数は大きくなる。尚、図示はしないが、放電時定数回路側も同様に構成すれば良い。
バス3の電圧を監視した結果に基づいて、例えばクロック回路16が出力するクロック信号の周波数補正を行なっても良い。例えば、通信レートが固定である場合に、バス3のドライブレベルが所定レベルに達する間隔を基準として補正を行なう。
バス3の電圧監視は、必要に応じて行えば良い。
通信レートの判定はSOFに基づいて行うものに限らず、バス上で送信される通信波形を参照して判定すれば良い。
マスタと複数のスレーブとのバス接続形態は、その他、ツリー形式やリング形式などであっても良い。
ドライブレベルの干渉が発生した場合は、クロック回路16が出力するクロック信号の周波数を調整するようにしても良い。
第4実施例の処理を、第1,第2実施例の構成に適用しても良い。
第4実施例において、ステップS20〜S22の処理は必ずしも送信終了時に行う必要はなく、送信中に複数のデータビットを送信した段階で行うようにしても良い。
第6実施例において、抵抗素子とスイッチとの直列回路の組みを、複数並列接続して構成しても良い。
エアバッグ装置に適用するものに限ることなく、複数のスレーブを介して得られる情報をマスタに送信する必要がある通信システムであれば、適用が可能である。
通信プロトコルは、SbWに限ることはない。少なくとも、マスタとバスを介して接続される複数のスレーブとの間で非同期通信を行うもので、マスタが通信の開始を示すと、各スレーブがその時点を基点として割り当てられている夫々のデータ送信期間にバスをドライブするか否かで示される複数のデータビットをマスタに送信し、各データビットが送信される間に、マスタがバスをドライブして電源を供給する期間が挿入される通信プロトコルであれば適用が可能である。
Claims (15)
- マスタと、このマスタにバスを介して接続される複数のスレーブとの間で非同期通信を行うもので、
前記マスタが通信の開始を示すと、各スレーブは、前記通信開始の時点を基点として割り当てられている夫々のデータ送信期間において、前記バスをドライブするか否かで示される複数のデータビットを前記マスタに送信すると共に、
前記データ送信期間において各データビットが送信される間に、前記マスタが前記バスをドライブして電源を供給する期間が挿入されている通信プロトコルを採用する通信システムにおいて、
前記スレーブは、データビットを送信する期間の末尾に、前記バスのドライブを停止する非ドライブ期間を設けるように構成され、
前記マスタが、前記通信の開始を示す際に、通信レートの設定を提示すると、
前記スレーブは、前記通信レートの設定に応じて前記非ドライブ期間の長さを設定することを特徴とする通信システム。 - 前記スレーブは、
少なくとも自身のデータ送信期間の開始からカウント動作を開始し、前記マスタが前記電源を供給している期間に応じてアップカウント動作を行ない、自身がデータビットを送信する期間に応じてダウンカウント動作を行なうアップダウンカウンタを備え、
前記アップダウンカウンタのダウンカウント値がしきい値に達すると、前記バスのドライブを停止するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の通信システム。 - 前記スレーブは、
前記バスの電圧を監視する電圧監視手段を備え、
前記マスタによる前記電源の供給が停止することで、前記バスの電圧が所定レベルまで低下すると、前記アップダウンカウンタの動作をダウンカウントに切り替えるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の通信システム。 - 前記スレーブは、前記アップダウンカウンタの動作をダウンカウントに切り替える場合のカウント値の差を各データビット毎に検出し、その差が所定値以上になった場合は、前記マスタに送信期間異常を伝達することを特徴とする請求項3記載の通信システム。
- 前記スレーブは、
前記マスタにより供給される前記電源により充電が行なわれるコンデンサと、
このコンデンサを充電する場合の時定数が、当該コンデンサを放電させる場合の時定数よりも大きくなるように設定される時定数回路とを備え、
自身のデータ送信期間において、前記マスタが前記電源を供給している期間に前記コンデンサを充電し、自身がデータビットを送信する期間に前記コンデンサを放電させるように制御して、その放電時における前記コンデンサの端子電圧がしきい値以下になると、前記バスのドライブを停止するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の通信システム。 - 前記スレーブは、
前記バスの電圧を監視する電圧監視手段を備え、
前記マスタによる前記電源の供給が停止することで、前記バスの電圧が所定レベルまで低下すると、前記コンデンサの放電を開始させることを特徴とする請求項5記載の通信システム。 - 前記スレーブは、前記電圧監視手段によって前記バスのドライブ電圧を監視し、当該ドライブ電圧が許容範囲を外れた場合は、前記マスタにドライブ電圧異常を伝達することを特徴とする請求項3,4又は6の何れかに記載の通信システム。
- 前記スレーブは、前記電圧監視手段によって監視される前記データビット送信期間におけるバス電圧が干渉レベルであると判定すると、前記マスタに通信エラーの発生を伝達することを特徴とする請求項3,4,6,7の何れかに記載の通信システム。
- 前記スレーブは、前記電圧監視手段によって監視される前記データビット送信期間におけるバス電圧が干渉レベルであると判定すると、前記非ドライブ期間がより長くなるように調整することを特徴とする請求項3,4,6乃至8の何れかに記載の通信システム。
- 前記スレーブは、前記バスに流れる電流を監視する電流監視手段を備え、
前記電流監視手段によって監視される前記データビット送信期間におけるバス電流の変化に基づきレベル干渉が発生したと判定すると、前記マスタに通信エラーの発生を伝達することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の通信システム。 - 前記スレーブは、前記電流監視手段によって監視される前記データビット送信期間におけるバス電流の変化に基づきレベル干渉が発生したと判定すると、前記非ドライブ期間がより長くなるように調整することを特徴とする請求項10記載の通信システム。
- 前記スレーブは、前記非ドライブ期間を調整した結果、当該期間の長さが上限を超えた場合は、前記マスタに通信エラーの発生を伝達することを特徴とする請求項9,11記載の通信システム。
- 前記スレーブは、前記データビット送信期間にドライブレベルの干渉が発生しない状態が所定回数継続すると、前記非ドライブ期間を短縮するように調整することを特徴とする請求項4乃至12の何れかに記載の通信システム。
- 前記スレーブは、前記マスタが前記通信開始を示した時点から、前記バス上で送信されたデータビット数をカウントすることで自身のデータ送信期間の開始を判定することを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の通信システム。
- 請求項1乃至14の何れかに記載の通信システムにおいて、前記スレーブとして使用されることを特徴とする通信装置。
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