JP4682398B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、スロットマシンあるいはコイン遊技機などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機であるパチンコ機では、多数個のパチンコ球を取得することができる遊技者にとって有利な遊技状態と、遊技者がパチンコ球を消費する遊技者にとって不利な遊技状態とを発生させており、遊技者の面白味を永続されるために、各遊技状態に応じて臨場感のある表示態様を表示している。例えば、従来のパチンコ機では、パチンコ機における遊技状態を遊技者に識別させたり、演出効果を高めたりするための2次元の画像である図柄を、遠近法などを用いて描いた2次元の画像である背景上に重ねた表示画像を生成し、この表示画像をモニタの表示画面に表示する。このとき、その背景上で図柄を変動させることで、臨場感のある表示態様を実現して、遊技機を遊技する遊技者の面白味を永続させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のパチンコ機においては、次のような問題がある。
【0004】
従来のパチンコ機では、2次元の画像である図柄を遠近法を用いて描かれた背景上で変動させているが、それら図柄が立体的でないので、全体として臨場感の乏しい表示態様になるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、臨場感のある表示態様によって遊技者の面白味を永続させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る遊技機は、
図柄に対応する3次元の仮想物体であって複数のポリゴンによって構成される3次元情報である図柄オブジェクトを記憶する第1記憶手段と、前記図柄オブジェクトの各ポリゴンに対応させる前記図柄の画像を記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段に記憶された図柄オブジェクトを仮想3次元座標空間内に設定する図柄オブジェクト設定手段と、前記図柄の背面側において所定の表示画面に表示される第1背景の画像と、前記図柄の前面側または背面側において前記表示画面の一部に表示される、前記第1背景の少なくとも一部の画像と同種の模様である第2背景の画像と、前記第2背景が表示される領域に対応する3次元情報である背景オブジェクトとを記憶する背景情報記憶手段と、仮想3次元座標空間内に前記背景情報記憶手段に記憶された背景オブジェクトを設定する背景オブジェクト設定手段と、前記第1背景の画像と、前記背景オブジェクト設定手段によって仮想3次元座標空間内に設定される背景オブジェクトの各ポリゴンに対応させる第2背景の画像と、前記図柄オブジェクト設定手段によって仮想3次元空間内に設定される図柄オブジェクトの各ポリゴンに対応させる図柄の画像とを用いた表示画像を生成する表示画像生成手段とによって生成された少なくとも1画面分の表示画像を記憶する画像記憶手段と、
該画像記憶手段に記憶された表示画像が表示される表示画面を有する表示手段と、
を備え、
該表示手段は、前記第1背景の画像と前記第2背景の画像と前記図柄の画像とを用いた表示画像を前記表示画面に表示するものであり、
前記第2背景の画像は、前記仮想3次元空間内に設定される視点に基づいて前記第1背景の画像に対して立体的に表示され、
前記図柄の画像は、少なくとも前記遊技状態の一時期において、前記第1背景の画像と前記第2背景の画像との間に出入りする変動を行うように表示されることをその要旨としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず、有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等についても説明する。
【0008】
手段1.少なくとも2種類の遊技状態のいずれかを発生させる遊技状態発生手段と、前記遊技状態に応じて表示される各種図柄及び前記図柄とは別個の補助画像を含む表示画像を所定の画像生成領域において生成し表示する画像表示手段とを備えた遊技機において、前記画像表示手段は、予め記憶した2次元情報である所定の2次元補助画像を前記画像生成領域内に設定するとともに、所定の仮想3次元空間内に設定した3次元情報であるオブジェクトに基づいて生成される前記図柄及び補助画像を前記2次元補助画像に貼付けるように前記画像生成領域内に設定し、前記表示画像を生成することを特徴とする遊技機。
【0009】
上記手段1によれば、画像表示手段は、まず、2次元情報である所定の2次元補助画像を画像生成領域に設定する。続いて、画像表示手段は、仮想3次元空間内に設定された3次元情報であるオブジェクトに基づいて生成された図柄及び補助画像を前記画像生成領域内に設定する。こうすることによって、2次元情報と3次元情報を組み合わせた臨場感のある立体的な表示画像を生成することができる。また、3次元情報であるオブジェクトに基づいて表示画像全体を生成する場合に比べて、比較的情報量の少ない2次元の画像を使用しているため、画像表示手段の画像生成処理速度を上げることができる。
【0010】
手段2.少なくとも2種類の遊技状態のいずれかを発生させる遊技状態発生手段と、前記遊技状態に応じて表示される各種図柄及び前記図柄とは別個の補助画像を含む表示画像を所定の画像生成領域において生成し表示する画像表示手段とを備えた遊技機において、前記画像表示手段は、予め記憶した2次元情報である所定の2次元補助画像を前記画像生成領域内に設定するとともに、所定の仮想3次元空間内に前記図柄及び補助画像に対応する3次元情報であるオブジェクトを設定し、前記3次元情報であるオブジェクトを含む仮想3次元空間内の少なくとも一部の態様を前記2次元補助画像に重ね合わせるように画像生成領域内に設定し、前記表示画像を生成することを特徴とする遊技機。
【0011】
上記手段2によれば、画像表示手段は、まず、2次元情報である所定の2次元補助画像を画像生成領域に設定する。続いて、画像表示手段は、図柄及び補助画像に対応する3次元情報であるオブジェクトを含んだ仮想3次元空間内の一部の態様を画像生成領域内に設定する。このようにすれば、仮想3次元空間内に設定された3次元情報であるオブジェクトのみから表示画像を生成する際に生じる奥行き方向奥側部分の細小化を2次元補助画像の描画構成例えば表示画像手前側に表示される図柄及び補助画像等と同種かつ同等の大きさのものを描画した構成により防ぐことができる。その結果、臨場感のある立体的かつ明瞭な表示画像を生成することができる。また、3次元情報であるオブジェクトに基づいて表示画像全体を生成する場合に比べて、比較的情報量の少ない2次元の画像を使用しているため、画像表示手段の画像生成処理速度を上げることができる。
【0012】
手段3.少なくとも2種類の遊技状態のいずれかを発生させる遊技状態発生手段と、前記遊技状態に応じて表示される各種図柄及び前記図柄とは別個の補助画像を含む表示画像を所定の画像生成領域において生成し表示する画像表示手段とを備えた遊技機において、前記画像表示手段は、予め記憶した2次元情報である所定の2次元補助画像を前記画像生成領域内に設定するとともに、所定の仮想3次元空間内に前記図柄及び補助画像に対応する3次元情報であるオブジェクトと、該仮想3次元空間内の態様を所定方向から見るための基準点となる視点と、前記視点から見える前記3次元情報であるオブジェクトを含む仮想3次元空間内の少なくとも一部の態様を投影し2次元情報に変換するための投影平面とを設定し、前記投影平面に投影される前記仮想3次元空間内の少なくとも一部の態様を前記2次元補助画像に重ね合わせるように画像生成領域内に設定し、前記表示画像を生成することを特徴とする遊技機。
【0013】
上記手段3によれば、画像表示手段は、まず、2次元情報である所定の2次元補助画像を画像生成領域に設定する。続いて、画像表示手段は、図柄及び補助画像に対応する3次元情報であるオブジェクトを含んだ仮想3次元空間内の少なくとも一部の態様を視点から見て、投影平面に投影し、投影されたものを画像生成領域内に設定する。このようにすれば、視点から見た仮想3次元空間内に設定された3次元情報であるオブジェクトのみから表示画像を生成する際に生じる視点から離れた部分(奥行き方向奥側部分)の細小化を2次元補助画像の描画構成例えば表示画像手前側に表示される図柄及び補助画像等と同種かつ同等の大きさのものを描画した構成により防ぐことができる。その結果、臨場感のある立体的かつ明瞭な表示画像を生成することができる。また、3次元情報であるオブジェクトに基づいて表示画像全体を生成する場合に比べて、比較的情報量の少ない2次元の画像を使用しているため、画像表示手段の画像生成処理速度を上げることができる。
【0014】
手段4.手段3において、前記画像表示手段は、前記仮想3次元空間内に設定された前記補助画像に対応するオブジェクトを前記投影平面に平行投影することを特徴とする遊技機。
【0015】
上記手段4によれば、画像表示手段は、補助画像に対応する3次元情報であるオブジェクトを投影平面に平行投影する。ここで、平行投影とは3次元情報をそのままの状態で投影する投影方法である。このため、3次元情報から生成される補助画像は、仮想3次元空間内の奥行き情報を含まないものとなり、表示画像が表示される際には、3次元情報であるオブジェクトから生成される補助画像と、画像生成領域に設定された2次元補助画像とは、より近い態様で表示される。結果として、前記2種類の補助画像を重ね合わせて表示画像を生成しても、表示される際には両者が一体的に表示されるため、違和感のない表示画像を生成し、より臨場感のある表示態様を実現して遊技者の面白味をより永続させることができる。
【0016】
手段5.手段3又は手段4において、前記画像表示手段は、前記仮想3次元空間内に設定された前記図柄に対応するオブジェクトを透視投影することを特徴とする遊技機。
【0017】
上記手段5によれば、画像表示手段は、図柄に対応する3次元情報であるオブジェクトを投影平面に透視投影する。ここで、透視投影とは3次元情報を視点から見た状態で投影する投影方法である。このため、3次元情報から生成される図柄は、仮想3次元空間内の奥行き情報を含むものとなり、臨場感のある立体的な表示画像を生成することができる。
【0018】
手段6.手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記2次元補助画像は、変動表示されない静的な背景画像であることを特徴とする遊技機。
【0019】
手段6によれば、画像表示手段は、2次元補助画像を背景画像として画像生成領域に設定する。こうすることにより、画像表示手段は、前記2次元補助画像が占める背景部分の表示画像を仮想3次元空間内に設定される3次元情報から生成する必要がなくなる。つまり、仮想3次元空間内に設定された3次元情報であるオブジェクトから表示画像の背景部分を生成する際に生じる背景部分の細小化を2次元補助画像の描画構成例えば表示画像手前側に表示される図柄及び補助画像等と同種かつ同等の大きさのものを描画した構成により防ぐことができる。その結果、臨場感のある立体的かつ明瞭な表示画像を生成することができる。また、3次元情報であるオブジェクトに基づいて表示画像全体を生成する場合に比べて、比較的情報量の少ない2次元の画像を使用しているため、画像表示手段の画像生成処理速度を上げることができる。
【0020】
手段7.手段6において、前記3次元情報であるオブジェクトに基づいて生成される補助画像は、前記2次元補助画像とともに前記表示画像の背景部分を構成する画像であることを特徴とする遊技機。
【0021】
上記手段7によれば、画像表示手段は、2種類の補助画像から前記表示画像の背景部分を生成する。このため、表示画像は、複数種類の画像を組み合わせた臨場感のある立体的な背景画像を有することとなり、より臨場感のある表示態様を実現して遊技者の面白味をより永続させることができる。
【0022】
手段8.手段7において、前記2次元補助画像と前記3次元情報であるオブジェクトに基づいて生成される補助画像は、同種の模様が描画された画像であり、
前記画像表示手段は、前記2種類の補助画像の少なくとも一部が重なるように前記画像生成領域に設定することを特徴とする遊技機。
【0023】
上記手段8によれば、表示画像が表示される際には、同種の模様が描画された2次元補助画像と3次元情報に基づいて生成された補助画像とが重なって表示される。つまり、遊技者には、前記2種類の補助画像から構成されている背景画像があたかも一つの画像で構成されているかのように視認される。その結果、複数種類の補助画像を組み合わせ構成される臨場感のある立体的な表示画像を形成することができ、臨場感のある表示態様によって遊技者の面白味を永続させることができる。
【0024】
手段9.手段7において、前記2次元補助画像と前記3次元情報であるオブジェクトに基づいて生成される補助画像は、表示態様上関連性のあるものが描画された画像であり、
前記画像表示手段は、前記2種類の補助画像の少なくとも一部が重なるように前記画像生成領域に設定することを特徴とする遊技機。
【0025】
上記手段9によれば、表示画像が表示される際には、表示態様上関連性のあるものが描画された2次元補助画像と3次元情報に基づいて生成された補助画像とが重なって表示される。つまり、遊技者には、前記2種類の補助画像から構成されている背景画像があたかも一つの画像で構成されているかのように視認される。その結果、複数種類の補助画像を組み合わせ構成される臨場感のある立体的な表示画像を形成することができ、臨場感のある表示態様によって遊技者の面白味を永続させることができる。
【0026】
手段10.手段1乃至手段9のいずれかにおいて、前記画像表示手段は、少なくとも前記遊技状態の一時期において、前記図柄が変動表示可能となるよう前記仮想3次元空間内に前記図柄に対応するオブジェクトを設定し、前記画像生成領域において前記表示画像を生成することを特徴とする遊技機。
【0027】
上記手段10によれば、遊技状態の一時期において、3次元情報に基づいて生成された立体的な画像である図柄が変動表示するという臨場感のある表示態様によって遊技者の面白味を永続させることができる。
【0028】
手段11.手段10において、前記画像表示手段は、前記図柄が変動表示される少なくとも一時期において、前記3次元情報に基づいて生成される補助画像の背後に隠れてしまう表示態様となるように、前記図柄及び補助画像に対応するオブジェクトを前記仮想3次元空間内に設定することを特徴とする遊技機。
【0029】
手段11によれば、図柄は、その変動中の一時期に3次元情報に基づいて生成される補助画像の背後に隠れるように表示される。このようにすれば、遊技者が図柄と補助画像の対応関係から前記表示画像に3次元的な奥行きを感じるような臨場感のある立体的な表示画像を形成し、臨場感のある表示態様によって遊技者の面白味を永続させることができる。
【0030】
手段12.手段10又は手段11において、前記画像表示手段は、前記図柄が変動表示される少なくとも一時期において、前記2次元補助画像と前記3次元情報に基づいて生成される補助画像の間から出入りする変動を行うように、前記図柄及び補助画像に対応するオブジェクトを前記仮想3次元空間内に設定することを特徴とする遊技機。
【0031】
手段12によれば、図柄は、その変動中の一時期に2次元補助画像と3次元情報に基づいて生成される補助画像の間から出入りするように表示される。このようにすることによって、遊技者が図柄と補助画像の対応関係から前記表示画像に3次元的な奥行きを感じるような臨場感のある立体的な表示画像を形成し、臨場感のある表示態様によって遊技者の面白味を永続させることができる。
【0032】
手段13.手段1乃至手段12のいずれかにおいて、前記画像表示手段は、前記3次元情報であるオブジェクトに基づいて生成される補助画像を複数個表示可能とすることを特徴とする遊技機。
【0033】
手段13によれば、複数個の3次元情報であるオブジェクトに基づいて生成される補助画像を組み合わせ構成される臨場感のある立体的な表示画像を形成することができ、臨場感のある表示態様によって遊技者の面白味を永続させることができる。
【0034】
手段14.手段1乃至手段13のいずれかにおいて、前記画像表示手段は、少なくとも前記遊技状態の一時期において、前記3次元情報であるオブジェクトに基づいて生成される補助画像が動的な表示態様で表示可能となるよう前記仮想3次元空間内に前記補助図柄に対応するオブジェクトを設定し、前記画像生成領域において前記表示画像を生成することを特徴とする遊技機。
【0035】
上記手段14によれば、遊技状態の一時期において、3次元情報に基づいて生成された立体的な画像である補助画像が動いている臨場感のある表示態様によって遊技者の面白味を永続させることができる。
【0036】
手段15.手段1乃至手段14のいずれかにおいて、前記図柄は、前記遊技状態に応じてその遊技状態を識別させるための識別図柄、又は、前記識別図柄とは別個の遊技状態における演出効果を高めるために表示される補助図柄であることを特徴とする遊技機。
【0037】
手段16.手段1乃至手段15のいずれかにおいて、前記画像表示手段は、前記遊技状態の一時期において、所定条件成立時に前記2次元情報である2次元補助画像を前記画像生成領域に設定することを特徴とする遊技機。
【0038】
手段16によれば、画像表示手段は、所定条件成立時に2次元補助画像を含んだ表示画像を生成する。こうすることにより、画像表示手段は、3次元情報だけに基づいて生成される表示画像と、2次元情報と3次元情報とを含んだ表示画像を生成することができる。また、ある特定の時期にのみ2次元補助画像を含んだ表示画像を表示できるとともに、常に3次元情報だけに基づいて表示画像を生成する場合に比べて、比較的情報量を少なくでき、画像表示手段の画像生成処理速度を上げることができる。
【0039】
手段17.手段1乃至手段16のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であること。中でも、パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備えておりそのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを必要条件として画像表示手段における図柄(前記遊技状態に応じてその遊技状態を識別させるための識別図柄又は前記識別図柄とは別個の補助図柄)の変動が開始すること、又、特定の遊技状態発生中には遊技領域内の所定の位置に配置された入賞口が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能として、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへの書き込む等も含む)が付与されること等が挙げられる。上記パチンコ機には、少なくとも多数個の遊技球を取得できる遊技者に有利な状態である特別遊技状態(大当たり状態)と、遊技球を消費する遊技者に不利な状態である通常遊技状態の2種類の遊技状態が存在する。また、通常の遊技状態時に表示される識別図柄等の変動を通常変動といい、大当たりの発生の有無に関係なく、大当たりが発生するかのような演出(大当たりが発生する場合も含む)を行うための変動をリーチという。なお、上記パチンコ機における識別図柄とは、大当たりやリーチ等を遊技者に認識させるためのいわゆる図柄番号または図柄番号が付けられた図柄の画像をいい、補助図柄とは大当たりやリーチ等においてその演出効果を高めるために表示される識別図柄以外の図柄の画像をいう。
【0040】
手段18.手段1乃至手段16のいずれかにおいて、遊技機はスロットマシンであること。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「遊技状態に応じてその遊技状態を識別させるための複数の識別図柄からなる識別図柄列を変動表示した後に識別図柄を確定表示する画像表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別図柄の変動が停止され、その停止時の確定識別図柄が特定識別図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。上記遊技機には、少なくとも多数個の遊技媒体例えばコイン、メダル等を取得できる遊技者に有利な状態である特別遊技状態(大当たり状態)と、遊技媒体を消費する遊技者に不利な状態である通常遊技状態の2種類の遊技状態が存在する。また、通常の遊技状態時に表示される識別図柄等の変動を通常変動といい、大当たりの発生の有無に関係なく、大当たりが発生するかのような演出(大当たりが発生する場合も含む)を行うための変動をリーチという。なお、スロットマシンにおける識別図柄とは、大当たりやリーチ等を遊技者に認識させるためのいわゆる図柄番号または図柄番号が付けられた図柄の画像をいい、補助図柄とは大当たりやリーチ等においてその演出効果を高めるために表示される識別図柄以外の図柄の画像をいう。
【0041】
手段19.手段1乃至手段16のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機であること。中でも、前記融合させた遊技機の基本構成としては、「遊技状態に応じてその遊技状態を識別させるための複数の識別図柄からなる識別図柄列を変動表示した後に識別図柄を確定表示する画像表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別図柄の変動が停止され、その停止時の確定識別図柄が特定識別図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、前記識別図柄の変動開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。上記遊技機には、少なくとも多数個の遊技球を取得できる遊技者に有利な状態である特別遊技状態(大当たり状態)と、遊技球を消費する遊技者に不利な状態である通常遊技状態の2種類の遊技状態が存在する。また、通常の遊技状態時に表示される識別図柄等の変動を通常変動といい、大当たりの発生の有無に関係なく、大当たりが発生するかのような演出(大当たりが発生する場合も含む)を行うための変動をリーチという。なお、上記遊技機における識別図柄とは、大当たりやリーチ等を遊技者に認識させるためのいわゆる図柄番号または図柄番号が付けられた図柄の画像をいい、補助図柄とは大当たりやリーチ等においてその演出効果を高めるために表示される識別図柄以外の図柄の画像をいう。
【0042】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
【0043】
画像表示装置を備える遊技機としてパチンコ機を例に採って説明する。図1は本実施例に係るパチンコ機の概略構成を示す正面図であり、図2はパチンコ機に備える制御基盤および画像表示装置の概略構成を示す機能ブロック図であり、図3は画像表示装置の画像処理部の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0044】
本実施例に係るパチンコ機は、パチンコ機の全体を制御する制御基盤1(図2参照)を備える遊技盤2と、遊技盤2が取り付けられた枠体3と、遊技盤2の下側に設けられた上受け皿4と、上受け皿4に貯留したパチンコ球を遊技盤2の盤面に発射する図示しない発射装置が連結された回転式ハンドル5と、上受け皿4の下側に設けられた下受け皿8と、遊技者が遊技状態を識別する識別図柄、およびその遊技状態における演出効果を高めるために表示される識別図柄以外の図柄である補助図柄等を表示する液晶モニタ6の表示画面6aが遊技盤2の盤面のほぼ中央に配置されるように搭載された画像表示手段としての画像表示装置7(図2参照)とを備えている。なお、表示画面6aには、1または複数個の識別図柄および補助図柄の変動(移動,回転,変形等)が、遊技機における遊技状態に応じて表示される。識別図柄とはパチンコ機における大当たりやリーチ等を遊技者に認識させるためのいわゆる図柄番号または図柄番号が付けられた図柄の画像をいい、補助図柄とは大当たりやリーチ等においてその演出効果を高めるために表示される識別図柄以外の図柄の画像をいう。また、大当たりとは、多数個のパチンコ球を取得できる遊技者に有利な状態をいい、通常の遊技状態とは、パチンコ球を消費する遊技者に不利な状態をいう。通常の遊技状態時に表示される識別図柄等の変動を通常変動といい、大当たりの発生の有無に関係なく、大当たりが発生するかのような演出(大当たりが発生する場合も含む)を行うための変動をリーチという。また、大当たり時には、後述するラウンドごとの表示態様が表示される。さらに、パチンコ機における遊技が行われていない場合にはデモンストレーションなどの表示が行われる。本発明における図柄は、識別図柄や補助図柄を含む概念である。
【0045】
遊技盤2には、回転式ハンドル5によって発射されたパチンコ球を盤面に案内するレール2aと、パチンコ球を不特定箇所に誘導する複数本の図示しないクギと、クギによって誘導されてきたパチンコ球が入賞する複数個の入賞口2bと、遊技盤2のほぼ中央付近に誘導されてきたパチンコ球が入賞する始動口2cと、特定の遊技状態において比較的多数のパチンコ球を一時に入賞させることができる大入賞口2dとが設けられている。各入賞口2b、始動口2cおよび大入賞口2d内には、パチンコ球の入球を検出する入賞検出センサ11(図2参照)がそれぞれ設けられている。入賞検出センサ11がパチンコ球の入球を検出すると、遊技盤2に備える制御基盤1によって所定個数のパチンコ球が上受け皿4に供給される。また、始動口2c内には、始動開始センサ12(図2参照)が設けられている。さらに、大入賞口2dには、開閉式ソレノイド13(図2参照)が設けられており、この開閉式ソレノイド13の動作によって、大入賞口2dが開閉自在に構成されている。なお、遊技盤2は、上述したものの他に始動口2cに入球したパチンコ球の個数を記憶する例えば保留ランプ等を備えるが、この実施例ではその説明を省略する。
【0046】
上受け皿4は、受け皿形状になっており、パチンコ球が供給される球供給口4aから供給されたパチンコ球を貯留する。また、球供給口4aが配置された上受け皿4の反対側には、パチンコ球をレール2aに向けて発射する発射装置に連通する図示しない球送り口が設けられている。さらに、上受け皿4の上部には、貯留したパチンコ球を下受け皿8に移すための球抜きボタン4bが設けられており、この球抜きボタン4bを押すことで、上受け皿4に貯留したパチンコ球を下受け皿8に移すことができる。下受け皿8は、受け皿形状になっており、上受け皿4から移されてきたパチンコ球を受け止める。なお、下受け皿8には、その中に貯留したパチンコ球を抜く図示しない球抜きレバーが設けられている。
【0047】
回転式ハンドル5には、パチンコ球をレール2aに向けて発射する発射装置が連結されている。回転式ハンドル5を回転させることにより、発射装置はその回転量に応じた強さでパチンコ球を発射する。なお、遊技者が回転式ハンドル5を回転させた状態で保持することにより、発射装置はパチンコ球を所定の間隔ごとに一個ずつ発射する。
【0048】
図2に示すように、遊技盤2に備える制御基盤1は、メモリおよびCPU等で構成されるマイクロコンピュータである主制御部(基盤制御部)16と、遊技機における遊技状態を決定する値を出力するカウンタ14と、始動口2c(図1参照)でパチンコ球の入球を検出する始動開始センサ12と、入賞口2b等(図1参照)でパチンコ球の入球を検出する入賞検出センサ11と、大入賞口2d(図1参照)を開閉する開閉式ソレノイド13と、画像表示装置7のI/F(インターフェイス)17に情報流通可能に接続されるI/F(インターフェイス)15などを備えて構成されている。この制御基盤1は、上述した入賞口2bや始動口2cの球検出センサの検出に基づいて所定量のパチンコ玉を供給したり、図示しないランプやスピーカを作動させたりする各種のイベントを実行するものである。また、制御基盤1は、遊技状態に応じた表示態様を指示するための各種のコマンドをI/F15を通じて画像表示装置7に送信する。
【0049】
具体的に、制御基盤1で行なわれる処理について図4に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0050】
ステップS1(入球を検出)
遊技者は、回転式ハンドル5によってパチンコ球を遊技盤2内に打ち込み、パチンコ遊技を開始する。遊技盤2内に打ち込まれた一部のパチンコ球は盤面の中央付近まで導かれ、始動口2cに入球する。パチンコ球が始動口2cに入球すると、始動口2c内に入球した球を検出する始動開始センサ12は、始動開始信号を主制御部16に送り、始動口2c内に設けられた入賞検出センサ11は、入賞信号を主制御部16に送る。なお、この実施例では、始動開始センサ12と入賞検出センサ11とは、同一のセンサによって併用される。また、入賞口2bにパチンコ球が入球した場合にも、各入賞口2bの入賞検出センサ11は、入賞信号を主制御部16に送る。
【0051】
ステップS2(パチンコ球を供給)
主制御部16は、入賞検出センサ11からの入賞信号を検出すると、図示しないパチンコ球供給機構を稼働させて、所定数量のパチンコ球を球供給口4aを通じて上受け皿4に供給する。
【0052】
ステップS3(大当たり抽選)
主制御部16は、始動開始センサ12からの始動開始信号を検出すると、カウンタ14の出力値を読取り、大当たり抽選を行う。大当たり抽選では、カウンタ14の出力値が所定値であれば、「大当たり」を発生させる。一方、カウンタ14の出力値が所定値以外であれば、「はずれ」である通常の遊技状態を継続する。
【0053】
ステップS4(コマンドを送信)
主制御部16は、通常の遊技状態または特定の遊技状態に応じた表示態様を決定し、その表示態様に応じたコマンドをI/F15を介して画像表示装置7に送信する。コマンドは、画像表示装置7に所定の表示プログラムを実行させる命令であり、その表示プログラムの実行により遊技状態に応じた表示パターンが表示画面6aに表示される。例えば、大当たりが発生した場合には、主制御部16は、所定のリーチの開始を指示するコマンドを送信し、所定時間経過後に、そのリーチの最終段階で停止させる大当たりの識別図柄の種類を指示するコマンドを送信する。これにより、画像表示装置7の表示画面6aには、コマンドで指示された種類のリーチが表示された後に、さらにコマンドで指示された種類の大当たりの識別図柄で停止するように表示される。このとき、主制御部16は、表示画面6aにおいて大当たりの識別図柄の停止が表示された後に、開閉式ソレノイド13に開放信号を与えて大入賞口2dを開放して、遊技者が多数個のパチンコ球を取得できる状態にする。さらに、この遊技状態において、制御基盤1は例えば約10個の球が大入賞口2dに入賞したのを1ラウンドとして、そのラウンドが終了するたびにそのラウンドの終了または次のラウンドの開始を指示するコマンドを画像表示装置7に送信する。これにより、表示画面6aには、ラウンドごとに異なるパターンの表示態様が表示される。一方、ハズレの場合には、リーチの最終段階で停止させるハズレの識別図柄の種類を指示するコマンド、または通常の遊技状態時に変動されている識別図柄をハズレの識別図柄で停止させるためのコマンドを画像表示装置7に送信する。これにより、表示画面6aには、リーチを表示した後にハズレの識別図柄で停止するように、または通常変動後にハズレの識別図柄で停止するように表示される。
【0054】
ステップS5(新たな入球検出があるかどうか)
主制御部16は、始動開始センサ12からの新たな始動開始信号の有無(新たな入球)を検出するまで待機する。新たな始動開始信号がなければ、この処理を終了して新たな始動開始信号が検出されるまで待機する。上述したステップS1〜S5を実行する制御基盤1は、本発明における遊技状態発生手段に相当する。なお、識別図柄の変動(リーチ、通常変動等)中にパチンコ球の入球を始動開始センサ12が検出し、その入球したパチンコ球の個数を記憶する上述で説明を省略した保留ランプが点灯している場合には、その保留ランプの点灯を新たな始動開始信号として検出する。新たな始動開始信号があれば、ステップS2〜S4を繰り返し行なう。
【0055】
画像表示装置7は、図2に示すように、制御基盤1から送られてきたコマンドを受信するI/F17と、そのコマンドに基づいてワールド座標系に設定される3次元情報であるオブジェクト、そのオブジェクトの模様の画像情報であるテクスチャおよび背景画像を記憶するキャラクタ記憶部18と、受信したコマンドに応じたプログラムを実行して、ワールド座標系にオブジェクトを設定するとともに、そのオブジェクトにテクスチャを貼付けた表示画像を生成する3次元画像処理部19と、3次元画像処理部19で生成された表示画像を一時的に記憶する画像記憶部20と、その表示画像を表示する液晶モニタ6とを備えている。なお、ワールド座標系とは、本発明における仮想3次元空間に相当する3次元の座標系である。オブジェクトとは、ワールド座標系に設定される3次元の仮想物体であり、複数のポリゴンによって構成された3次元情報である。ポリゴンとは、複数個の3次元座標の頂点で定義される多角形平面である。テクスチャとは、オブジェクトの各ポリゴンに貼付ける画像情報であり、テクスチャがオブジェクトに貼付けられることにより、オブジェクトに対応する画像、例えば識別図柄や補助図柄が生成される。
【0056】
I/F17は、制御基盤1のI/F15に情報流通可能に接続されており、制御基盤1から送られてくるコマンドを受信するものである。I/F17は、受信したコマンドを3次元画像処理部19に順次渡す。
【0057】
キャラクタ記憶部18は、3次元画像処理部19から適宜読み出される3次元情報であるオブジェクト、そのオブジェクトの2次元の画像情報であるテクスチャおよび2次元補助画像としての2次元の背景の画像等を記憶するメモリである。具体的には、キャラクタ記憶部18には、図5に示すように、液晶モニタ6の表示画面6aの全体に表示されるイソギンチャクの写真である第1背景B1〔図5(a)参照〕の画像と、表示画面6aの一部に表示され、第1背景画像B1と同様のイソギンチャクの写真である補助画像としての第2背景B2〔図5(b)参照〕の画像のテクスチャとを記憶している。また、キャラクタ記憶部18には、図6に示すように、大当たり時の当たり識別図柄Z1〔図6(a)参照〕のテクスチャと、大当たりのラウンドの回数を示すラウンド表示図柄Z2〔図6(b)参照〕のテクスチャと、そのラウンド時に演出用に表示される補助図柄Z3〔図6(c)参照〕のテクスチャとが記憶されている。大当たり識別図柄Z1のテクスチャは、通常変動時やリーチ時に表示される識別図柄Z1aのテクスチャと、その識別図柄Z1aの図柄番号を表示する番号図柄Z1bのテクスチャと、識別図柄Z1aおよび番号図柄Z1bの背面側に表示される潜水艦の窓枠がデザインされた窓枠図柄Z1cのテクスチャとから構成されている。ラウンド表示図柄Z2のテクスチャは、ラウンドの回数が表示された数字図柄Z2aのテクスチャと、その数字図柄Z2aが嵌め込まれたように表示され、潜水艦の窓枠がデザインされた窓枠図柄Z2bのテクスチャとから構成されている。補助図柄Z3のテクスチャは、魚(例えば、くまのみ)がデザインされたものであり、その頭部がデザインされた頭部図柄Z3aのテクスチャと、その胴体部がデザインされた胴体部図柄Z3bのテクスチャと、その尾びれ部がデザインされた尾びれ部図柄Z3cのテクスチャとから構成されている。図6には、補助図柄Z3の側面側からのテクスチャしか図示していないが、上面、下面、前面および後面側からの全てのテクスチャがキャラクタ記憶部18には記憶されている。さらに、キャラクタ記憶部18には、上述した各図柄のテクスチャが貼付けられる3次元情報である図柄オブジェクトおよび第2背景B2のテクスチャが貼付けられる3次元情報である背景オブジェクトが記憶されている。また、上述した第2背景B2は、図5(b)に示したように、4角形平面状のテクスチャであるが、斜め左半分は透明であり、斜め右半分がイソギンチャクの写真の画像が描かれたものである。なお、キャラクタ記憶部18には、さらに、複数種類の識別図柄のテクスチャおよびオブジェクトや、複数種類の補助図柄のテクスチャおよびオブジェクトや、各種の画像等が記憶されている。これら各オブジェクト、テクスチャおよび各種の画像は3次元画像処理部19によって適宜読み出される。なお、キャラクタ記憶部18は、本発明における画像表示手段および背景情報記憶手段に相当する。
【0058】
3次元画像処理部19は、画像表示装置の全体を制御管理するCPU(中央演算処理装置)、CPUにおける演算結果を適宜記憶するメモリおよび液晶モニタ6に出力する画像を生成する画像データプロセッサなどで構成されるものである。3次元画像処理部19は、コマンドに応じた表示態様を実現するために、3次元の仮想空間であるワールド座標系内に視点およびキャラクタ記憶部18から読み出した各種のオブジェクトを設定し、そのオブジェクトを移動させたり、視点を変位させる。さらに、いわゆるジオメトリ演算処理を行い、ワールド座標系内のオブジェクトを視点に基づく投影平面に投影した2次元座標情報である投影情報を生成する。その投影情報に基づいて、画像記憶部20に設けられたフレームバッファ内における各オブジェクトの各ポリゴンの頂点に相当する位置、すなわちフレームバッファ内のアドレスを求め、キャラクタ記憶部18から読み出したテクスチャを各オブジェクトの各ポリゴンの頂点に合うように変形させて、そのテクスチャをフレームバッファ内の各アドレスを基準にして描画する。全てのオブジェクトへのテクスチャの描画が終了して、画像記憶部20のフレームバッファ内に表示画像が生成されると、その表示画像を液晶モニタ6に出力する。なお、3次元画像処理部19は、本発明における視点設定手段、図柄オブジェクト設定手段、背景オブジェクト設定手段、投影手段、表示画像生成手段および背景画像設定手段に相当する。また、画像記憶部20内に設けられたフレームバッファは、本発明における画像生成領域に相当する。
【0059】
具体的には、3次元画像処理部19は例えば次のように構成されている。以下、3次元画像処理部19の一例について図3を参照しながら詳細に説明する。
【0060】
図3に示すように、3次元画像処理部19は、CPU21と、CPU21によって実行されるプログラムを記憶したプログラムROM22と、プログラムの実行によって得られたデータを記憶するワークRAM23と、CPU21の指示によってワークRAM23に記憶したデータを一括して転送するDMA24と、DMA24によって転送されたデータを受信するI/F25と、そのI/F25によって受信したデータに基づいて座標演算処理を行うジオメトリ演算処理部26と、I/F25によって受信したデータ等に基づいて表示画像を生成するレンダリング処理部27と、レンダリング処理部27に色情報を与えるパレット処理部28と、画像記憶部20内に設けられた複数のフレームバッファを切り換えるセレクタ部29と、表示画像を液晶モニタ6に出力するビデオ出力部30とを備えている。また、上述したCPU21とプログラムROM22とワークRAM23とDMA24とI/F25とは同一のデータバスに接続されており、オブジェクトおよびテクスチャ等を記憶したキャラクタ記憶部18は、上述したデータバスとは独立したデータバスを介してジオメトリ演算処理部26およびレンダリング処理部27に接続されている。
【0061】
プログラムROM22は、遊技機に電源が投入された際にCPU21によって最初に実行されるプログラムや、制御基盤1から送られてくるコマンドの種類に応じた表示を行うための複数種類のプログラムなどを記憶したものである。表示を行うためのプログラムは、例えば予め用意されたテーブルを参照したり、参照したデータに演算処理を施すことで、コマンドに応じた表示態様を実現するためにワールド座標系にオブジェクトおよび視点を設定するための設定情報を導出するものである。表示プログラムには、単独で実行されるプログラムだけでなく、例えば複数個のタスクを組み合わせることで、コマンドの種類に応じた表示を行うためのタスクを生成するようなものも含まれる。また、設定情報は、ワールド座標系内に設定するオブジェクトの配置位置を指示する配置座標データ、そのオブジェクトの姿勢を指示する姿勢データ、ワールド座標系内に設定する視点の配置位置を指示する配置座標データ、その視点に基づく視線を回転するための回転データ、キャラクタ記憶部18内に記憶されたオブジェクトやテクスチャや背景画像の格納アドレスなどを含むデータであるとともに、表示画面6aに表示する一画面分の表示画像を生成するためのデータである。
【0062】
CPU21は、プログラムROM22に記憶された制御プログラムによって画像表示装置2の全体を管理・制御する中央演算処理装置であり、主に、制御基盤1から送られてきたコマンドに応じたプログラムを実行することで、ワールド座標系内にオブジェクトおよび視点を設定し、表示画面6aの背景画像を設定するなどの処理を行うものである。具体的には、CPU21は、I/F17によって受信したコマンドの種類に応じて、そのコマンドに対応する表示を行うための表示プログラムを実行して得られた設定情報をワークRAM23に順次書き込み、所定の割り込み間隔(例えば1/30秒や1/60秒)ごとに、ワークRAM23内の設定情報の転送をDMA24に指示するものである。
【0063】
ワークRAM23は、CPU21によって得られた実行結果である設定情報を一時的に記憶するものである。また、DMA24は、CPU21での処理を介さずワークRAM23内に記憶されたデータを転送することができる、いわゆるダイレクトメモリアクセスコントローラである。つまり、DMA24は、CPU21からの転送開始の指示に基づいて、ワークRAM23に記憶された設定情報を一括してI/F25へ転送する。
【0064】
I/F25は、DMA24によって転送されてきた設定情報を受信する。I/F25は、設定情報に含まれる、キャラクタ記憶部18に記憶されたオブジェクトの格納アドレスや、オブジェクトをワールド座標系に配置するため配置座標データや、視点を設定する視点データや、その視点に基づく視線を回転させる回転データなどの座標演算の対象となるデータをジオメトリ演算処理部26に与えるとともに、設定情報に含まれる、キャラクタ記憶部18に記憶されたテクスチャおよび背景画像の格納アドレスなどの画像描画の対象となるデータをレンダリング処理部27に与える。さらに、I/F25は、設定情報に含まれているテクスチャの色情報を指定するためのカラーパレットデータをパレット処理部28に与える。
【0065】
ジオメトリ演算処理部26は、I/F25から与えられたデータに基づいて、3次元の座標点の移動や回転等に伴う座標演算処理を行うものである。具体的には、ジオメトリ演算処理部26は、キャラクタ記憶部18内に記憶されたオブジェクトの格納アドレスに基づいて、ローカル座標系に配置された複数のポリゴンで構成されたオブジェクトを読み出し、そのオブジェクトを姿勢データおよび配置座標データに基づいてワールド座標系に設定した際のワールド座標系におけるオブジェクトの各ポリゴンの座標データを算出する。ローカル座標系とは、基準の姿勢のオブジェクトが設定されるオブジェクト独自の座標系である。さらに、視点データおよび回転データに基づいて設定される視点を基準とする視点座標系におけるオブジェクトの各ポリゴンの座標データを算出する。また、視点に基づく視線に垂直に設定された投影平面にオブジェクトを投影した際の投影平面上のオブジェクトの各ポリゴンの2次元の座標データである投影情報を算出する。そして、ジオメトリ演算処理部26は、投影情報をレンダリング処理部27に与える。
【0066】
パレット処理部28は、CPU21によって例えば初期化時に予め書き込まれた複数種類の色情報であるカラーパレットを保持する図示しないパレットRAMを備えており、I/F25から与えられたカラーパレットデータに応じたカラーパレットをレンダリング処理部27に与えるものである。なお、色情報は、赤色(R),緑色(G),青色(B)の組合せによって決定されるものである。カラーパレットを与えるとは、例えばパレットRAMに記憶されたカラーパレットの格納アドレスをレンダリング処理部27に与えることをいい、レンダリング処理部27は、表示画像を生成する際にその格納アドレスに記憶された色情報を参照する。
【0067】
レンダリング処理部27は、まず、キャラクタ記憶部18内の背景画像の格納アドレスに基づいて背景画像を読み出し、背景画像を画像記憶部20内に設けられたフレームバッファ内に描画し、そのフレームバッファ内に投影情報に基づくオブジェクトの各ポリゴンを展開する。さらに、レンダリング処理部27は、キャラクタ記憶部18内のテクスチャの格納アドレスとカラーパレットデータに基づいて、キャラクタ記憶部18から読み出したテクスチャをフレームバッファ内の各ポリゴンに相当する領域上に描画する。これにより、フレームバッファ内には、所定の縦横比例えば縦横比が3:4の表示画像が生成される。なお、上述したジオメトリ演算処理部26およびレンダリング処理部27では、画面に表示する部分を決定するクリッピング処理、ポリゴンの前後関係によって見える部分と見えない部分とを判定する隠面処理、光源からの光の当たり具合や反射の様子を演算するシェーディング計算処理などの処理も適宜行われる。
【0068】
セレクタ部29は、複数のフレームバッファを適宜選択するものである。具体的には、セレクタ部29は、上述したレンダリング処理部27によって画像の描画が行われる際には、画像記憶部20内に設けられた複数のフレームバッファである例えば第1フレームバッファまたは第2フレームバッファのいずれか一方を選択する。この場合には、その選択されている側のフレームバッファ内に表示画像が生成される。一方、セレクタ部29は、描画が行われていない側のフレームバッファから既に表示画像の生成が終わっている表示画像を読み出し、その表示画像をビデオ出力部30に送る。なお、セレクタ部29は、読み出し側のフレームバッファと、描画側のフレームバッファとを順次切り換える。ビデオ出力部30は、セレクタ部29から送られてきた表示画像をビデオ信号に変換して液晶モニタ6に出力する。
【0069】
画像記憶部20は、レンダリング処理部27によって生成される表示画像を記憶するいわゆるビデオRAMである。画像記憶部20は、例えば一画面分の表示画像を記憶する記憶領域である第1フレームバッファと、第2フレームバッファとが設けられたいわゆるダブルバッファで構成されている。なお、画像記憶部20に設けるフレームバッファは、2つに限定されるものではなく、1つ以上であれば幾つでもよい。
【0070】
液晶モニタ6は、ビデオ出力部30から出力された表示画像を表示する画面6aを備えており、その画面6aが遊技盤2の盤面に露出するように取り付けられている。その表示画面6aは例えば縦横比が9:16のいわゆるワイド画面であり、液晶モニタ6は、ビデオ出力部30から出力されてきた縦横比が3:4の表示画像を表示画面6aの縦横比に合わせて、表示画面6aに表示画像を表示する。液晶モニタ6は、本発明における表示手段に相当する。なお、表示画像を表示するための表示手段は液晶モニタに限定されるものではなく、例えばCRTモニタやプラズマディスプレイモニタなどでもよい。また、液晶モニタ6は、縦横比が3:4の表示画像をそのまま表示する機能をも備えており、遊技状態に応じて表示画面6aに表示される表示画像の縦横比を適宜変化させることもできる。
【0071】
上述した液晶モニタ6の表示画面6aには、制御基盤1から送られてきたコマンドに基づいて、例えば図7,図8に示すような表示態様が表示される。この表示態様は、パチンコ機において大当たりが発生した後に表示されるラウンド表示の一態様である。以下、この表示態様について説明する。なお、本発明は、ラウンド時の表示態様に限定されるものではなく、例えばリーチ時、通常変動時またはデモンストレーション時の表示態様について適宜適用することもできる。
【0072】
図7(a)に示すように、ワイド画面である表示画面6aには、大当たり識別図柄Z1と、ラウンド表示図柄Z2とが最前面に表示されている。その大当たり識別図柄Z1に含まれる識別図柄Z1aは、その場所で停止した状態で泳いでいるように尾びれを振るように表示される。大当たり識別図柄Z1とラウンド表示図柄Z2との背面側には、第2背景B2〔図5(b)参照〕が右斜め下部分に表示されており、さらに第2背景B2の背面側には補助図柄Z3が表示されている。さらに、表示画面6aの最背面には、第1背景B1〔図5(a)参照〕が表示されている。
【0073】
図7(a)に示すように、第2背景B2の後ろ側から頭部を出していた補助図柄Z3が、図7(b)に示すように、第2背景B2からその全身が現れるように泳ぎだす。そして、補助図柄Z3は、図7(c)に示すように、全身を反転させて再び第2背景B2の後ろ側に戻るように泳ぎだす。また、図8(a)〜(c)に示すように、補助図柄Z3は第2背景B2の後ろ側に隠れた後、再び第2背景B2から頭部を出すように表示される。したがって、補助図柄Z3は、図7(a)〜(c)および図8(a)〜(c)に示すように、第2背景B2の背面側から現れて、その第2背景B2の背面側に再び隠れるように、例えば八の字状の環状軌道を描いて泳ぐように表示される。このとき、補助図柄Z3は、その軌道上での移動速度を変化させながら、例えば第2背景B2から現れるときは遅い速度で、第2背景B2の後ろ側に戻るときには早い速度で移動するように表示される。
【0074】
以下、上述した図7,図8に示す表示態様を実現するために画像表示装置7で行なわれる処理を図9に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0075】
ステップT1(コマンドの把握)
I/F17は、制御基盤1から送られてくるコマンドを順次受信して、そのコマンドを3次元画像処理部19に順次渡す。3次元画像処理部19は、そのコマンドをワークRAM23に設けた図示しないコマンドバッファ内に記憶する。さらに、3次元画像処理部19は、液晶モニタ6からの割り込み処理があるたびに、コマンドバッファ内に記憶したコマンドを読み出し、そのコマンドに対応するプログラムROM22内のプログラムを実行する。そのプログラムの実行によって、3次元画像処理部19内では、以下のステップが実行される。なお、上述した割り込み処理は、液晶モニタ6の1/30秒または1/60秒ごとの例えば垂直走査信号に同期して行われる。
【0076】
ステップT2(ワールド座標系に視点を設定)
3次元画像処理部19は、複数個のオブジェクトを設定するための仮想3次元空間に相当するワールド座標系を設定する。次に、ワールド座標系内の様子を液晶モニタ6の表示画面6aに表示するための視点をワールド座標系内に設定する。視点は、ワールド座標系内の所定方向、例えばオブジェクトが設定されている空間の方向を向くような視線をz軸とする座標系の基準点である。具体的には、図10に示すように、3次元画像処理部19は、プログラムによって導出される視点を配置するためのワールド座標系内の座標値および視線の方向を決定するための回転データに基づいて、視線が例えば後述する図柄オブジェクトOZ3に向くような視点SPを設定する。この視点SPからの視線が向いた方向のワールド座標系内の様子が液晶モニタ6の表示画面6aに表示される。なお、この実施例では、ワールド座標系内の所定の位置に固定した視点SPについて説明するが、割り込み処理ごとにその値が変化するような座標値および回転データに基づいて、その視点SPの位置および視線が変位するような視点SPを設定することもできる。ステップT2は、本発明における視点設定手段の機能に相当する。
【0077】
ステップT3(図柄オブジェクトを設定)
3次元画像処理部19は、図10に示すように、ワールド座標系において八の字状の環状軌道K上を移動するように、補助図柄Z3に対応する3次元情報である図柄オブジェクトOZ3(以下、単に「補助図柄オブジェクトOZ3」と呼ぶ)を設定する。このとき、魚が泳ぐような変動をさせるため、補助図柄オブジェクトOZ3の移動とともに、補助図柄オブジェクトOZ3を構成する各図柄オブジェクトを変動させる。つまり、ワールド座標系における環状軌道K上を泳ぐような魚の形をした補助図柄オブジェクトOZ3を設定することにより、表示画面6aでは魚が泳ぎまわるような表示態様を表示することができる。なお、補助図柄オブジェクトOZ3の形態や動作についての詳細は図12を用いて説明するが、図12以外の図面では、便宜上補助図柄オブジェクトOZ3を球体状のオブジェクトとして図示する。ステップT3は、本発明における図柄オブジェクト設定手段の機能に相当する。
【0078】
具体的には、まず、3次元画像処理部19は、補助図柄Z3に対応する3次元情報である補助図柄オブジェクトOZ3をキャラクタ記憶部18から読み出す。この補助図柄オブジェクトOZ3は、図12(a)に示すように、補助図柄Z3の頭部図柄Z3aのテクスチャが貼付けられる頭部オブジェクトOZ3aと、胴体部図柄Z3bのテクスチャが貼付けられる胴体部オブジェクトOZ3bと、尾びれ部図柄Z3cのテクスチャが貼付けられる尾びれ部オブジェクトOZ3cとから構成されており、頭部オブジェクトOZ3aと胴体部オブジェクトOZ3bとは連結点P1で連結され、胴体部オブジェクトOZ3bと尾びれ部オブジェクトOZ3cとは連結点P2で連結されている。
【0079】
次に、3次元画像処理部19は、補助図柄オブジェクトOZ3の形態を決定する。この形態の決定は割り込み処理があるたびに行われる。例えば、図12(b)〜(d)に示すように、頭部オブジュクトOZ3aと尾びれ部オブジェクトOZ3cとを連結点P1,P2を基準として左右に振った補助図柄オブジェクトOZ3の3つの基本形態(第1〜第3基本形態)をそれぞれ決定するための基本形態データをプログラムROM22内から読み出す。さらに、それら各基本形態の中間の形態を決定するための中間形態データを適宜算出する。それら基本形態データおよび中間形態データに基づいて、魚がスムーズに泳ぐような態様の補助図柄オブジェクトOZ3の形態を決定する。例えば、第1基本形態データは、頭部オブジェクトOZ3aを連結点P1を基準にしてy軸周りにθ1゜、尾びれ部オブジェクトOZ3cを連結点P2を基準にしてy軸周りに−θ2゜それぞれ回転させるためのデータであり、第2基本形態データは、頭部オブジェクトOZ3aを連結点P1を基準にしてy軸周りに0゜、尾びれ部オブジェクトOZ3cを連結点P2を基準にしてy軸周りに0゜それぞれ回転させるためのデータである場合には、θ1゜〜0゜および−θ2゜〜0゜の間の回転角度を適宜求めることで、中間形態データを求める。
【0080】
さらに、3次元画像処理部19は、上述したように形態が順次変えられた補助図柄オブジェクトOZ3が八の字状の環状軌道K上を移動するように順次配置する。この環状軌道K上の移動は、補助図柄オブジェクトOZ3の初期の配置位置を基準として、補助図柄オブジェクトOZ3に与える移動量および移動方向のデータに基づいて順次配置することにより実現する。この実施例では、まず、補助図柄オブジェクトOZ3をワールド座標系における座標値(X,Y,Z)に配置して、次に、その座標値(X,Y,Z)に割り込み処理すなわち1フレームごとの移動量Δlと、補助図柄オブジェクトOZ3を回転させるための回転角度Δθとを順次与えることにより、八の字状の環状軌道K上を移動させる。より具体的には、(フレーム数,移動量)=(31,12),(31,08),(15,00),(63,08),(190,16),(63,08)の各移動量のデータと、(フレーム数,x軸周りの回転角度,y軸周りの回転角度,z軸周りの回転角度)=(64,0,0,0),(16,0,1,0),(84,0,−2,0),(64,0,0,0),(92,0,2,0),(32,0,0,0),(16,0,−2,0),(16,0,0,0)の各回転角度のデータとに基づくことにより、補助図柄オブジェクトOZ3を環状軌道K上において移動させることができる。その結果、図7,8に示したように、補助図柄Z3の移動を表示することができる。ここで、(フレーム数,移動量)は、「フレーム数」で指定されたフレーム数の間において、フレームごとに移動量分(ドット)だけ補助図柄オブジェクトOZ3を移動させることを、(フレーム数,x軸周りの回転角度,y軸周りの回転角度,z軸周りの回転角度)は、「フレーム数」で指定されたフレーム数の間において、フレームごとに回転角度だけ補助図柄オブジェクトOZ3を回転させることを、それぞれ表している。なお、各軸周りの回転角度は、例えば360°を256段階(1バイト分)で表した数値である。また、移動量のデータにおける移動量Δlを変化させることにより、表示画面6aに表示される補助図柄Z3の移動スピードを変化させている。
【0081】
ステップT4(視点座標系を変形補正)
3次元画像処理部19は、ワールド座標系における補助図柄オブジェクトOZ3を、視点SPを基準とする視点座標系に配置して、その視点座標系を液晶モニタ6の表示画面6aの縦横比に基づいて変形補正する。
【0082】
具体的には、3次元画像処理部19は、ワールド座標系を視点SPを基準すなわち原点とする視点座標系に変換する。これにより、ワールド座標系における補助図柄オブジェクトOZ3の座標値が、視点座標系における座標値に変換される。ここで、レンダリング処理部27によってフレームバッファ内に生成される表示画像の縦横比は3:4であるので、この表示画像を縦横比が9:16の表示画面6aに表示すると、表示画像が間延びした画像となる。このとき、演出効果を高めるために表示される補助図柄Z3が間延びしてしまうと、演出効果が損なわれる可能性がある。そこで、その補助図柄Z3を間延びさせないために、視点座標系を変形補正し、その補助図柄Z3のテクスチャが貼付けられる補助図柄オブジェクトOZ3を予め変形させる。
【0083】
3次元画像処理部19は、視点座標系を変形補正するための変形補正データを算出する。この変形補正データは、補助図柄オブジェクトOZ3の縦幅または横幅を拡大もしくは縮小するための倍率値である。変形補正データは、表示画面6aの縦横比をA:B、表示画像の縦横比をa:bとすると、次式(1)によって算出することができる。なお、次式(1)で算出される変形補正データは、表示画像の縦倍率を基準にして、その横幅を画面に合わせて変形した場合には、補助図柄オブジェクトOZ3の横幅を変形補正するための倍率値である。また、表示画像の横倍率を基準にして、その縦幅を画面に合わせて変形する場合には、前記変形補正データの逆数が補助図柄オブジェクトOZ3の縦幅を変形補正するための倍率値となる。
【0084】
(A×b)÷(a×B) …(1)
フレームバッファ内に生成される表示画像の縦横比が3:4であり、表示画面6aの縦横比が9:16である場合には、表示画面6aには表示画像の縦横比が9:16で表示されるので、表示画像の横幅が4/3倍に拡大されたように表示される。このとき、表示画像に含まれる補助図柄Z3の横幅も4/3倍に拡大される。ここで、式(1)に表示画像および表示画面6aの縦横比の各値を代入することで、補助図柄オブジェクトOZ3の横幅を4分の3倍(以下、「3/4倍」と示す)に縮小する倍率値の変形補正データを算出する。さらに、3次元画像処理部19は、図11に示すように、変形補正データに基づいて補助図柄オブジェクトOZ3が設定された視点座標系SBの仮想空間の横方向(x軸方向)を3/4倍に縮小する。その結果、補助図柄オブジェクトOZ3は、視点座標系のx軸方向に3/4倍に縮小される。
【0085】
ステップT5(背景オブジェクト等を設定)
3次元画像処理部19は、第2背景B2のテクスチャを貼付けるための背景オブジェクトOB2をキャラクタ記憶部18から読み出し、図13に示すように、その背景オブジェクトOB2を視点座標系における補助図柄オブジェクトOZ3よりも視点SP側に設定する。さらに、3次元画像処理部19は、大当たり識別図柄Z1のテクスチャを貼付けるための大当たり識別図柄オブジェクトOZ1と、ラウンド表示図柄Z2のテクスチャを貼付けるためのラウンド表示図柄オブジェクトOZ2とをキャラクタ記憶部18から読み出し、大当たり識別図柄オブジェクトOZ1とラウンド表示図柄オブジェクトOZ2とを背景オブジェクトOB2よりも視点SP側に設定する。なお、ラウンド表示図柄オブジェクトOZ2および大当たり識別図柄オブジェクトOZ1は、それぞれ図6に示したテクスチャの形状と同様の形状であるが、説明の便宜上球体状のオブジェクトとして説明する。また、大当たり識別図柄オブジェクトOZ1に含まれる識別図柄オブジェクトOZ1aは、上述した補助図柄オブジェクトOZ3と同様に、魚が泳ぐように形態を変動させるように設定される。
【0086】
具体的には、3次元画像処理部19は、プログラムROM22内のプログラム内に予め用意されているテーブルを参照して、背景オブジェクトOB2、ラウンド表示図柄オブジェクトOZ2および大当たり識別図柄オブジェクトOZ1をそれぞれ配置するための座標値を導出する。その導出される座標値は、視点を基準とする座標値である。3次元画像処理部19は、キャラクタ記憶部18から読み出した背景オブジェクトOB2、ラウンド表示図柄オブジェクトOZ2および大当たり識別図柄オブジェクトOZ1を、各座標値に基づいて配置する。つまり、視点座標系内に、背景オブジェクトOB2等を設定する。なお、ステップT5の背景オブジェクトOB2を設定する処理は、本発明における画像表示手段の機能に相当する。
【0087】
ステップT6(投影平面に投影)
3次元画像処理部19は、図14に示すように、視点SPから視線方向の視界範囲TM内の様子を投影するための投影平面SCを設定し、この投影平面に視界範囲TM内に含まれる各オブジェクトを投影する。なお、ステップT6は、本発明における投影手段の機能に相当する。
【0088】
具体的には、3次元画像処理部19は、視点SPと、大当たり識別図柄オブジェクトOZ1およびラウンド表示図柄オブジェクトOZ2との間に、視点座標系の視線方向であるz軸に垂直な投影平面SCを設定する。投影平面SCは視点座標系のz軸に垂直であり、かつ、z値が固定されているので、投影平面SC上は2次元の座標系として取り扱うことができる。この投影平面SCは、画像記憶部20内に設けられたフレームバッファに対応する領域を有している。
【0089】
さらに、3次元画像処理部19は、図15(a)に示すように、投影平面SCに大当たり識別図柄オブジェクトOZ1と、ラウンド表示図柄オブジェクトOZ2と、背景オブジェクトOB2とを平行投影する。これにより、各オブジェクトを構成する各ポリゴンの各頂点は、投影平面SCに平行移動するようにそのまま投影され、各頂点の3次元の座標値が投影平面SC上の2次元の座標値に変換される。一方、3次元画像処理部19は、図15(b)に示すように、投影平面SCに補助図柄オブジェクトOZ3を透視投影する。これにより、補助図柄オブジェクトOZ3を構成する各ポリゴンの頂点は、視点SP方向に移動するように投影され、各頂点の3次元の座標値が投影平面SC上の2次元の座標値に変換される。3次元画像処理部19は、視界範囲TM内の全てのオブジェクトの投影が終了すると、図16に示すように、投影平面SC上の投影された各オブジェクトの2次元の座標値を投影情報として取得する。図16は2次元の投影情報を図示したものである。
【0090】
ここで、特定のオブジェクトを平行投影し、他のオブジェクトを透視投影することについての効果等の理解を容易にするため、具体例を挙げて説明する。例えば、図17に示すように、ワールド座標系内に立方体形状のオブジェクトOBa,OBbを間隔をあけて並べて設定し、それらのオブジェクトOBa,OBbの間のほぼ中央に視線が向くように視点SPを設定する。この場合に、その視点SPに基づく図示しない投影平面を設定し、この投影平面に各オブジェクトOBa,OBbを透視投影すると、図18(a)に示すように、オブジェクトOBa,OBbに相当する図柄Ba,Bbが表示画面6a内の左右に間隔をあけて表示される。図18(a)から明らかなように、図柄Baには、正面の数字「1」と上面の数字「2」と右面の数字「3」とが表示されている。一方、図柄Bbには、正面の数字「1」と上面の数字「2」と左面の数字「4」とが表示される。その結果、遊技者が識別するための同一の図柄であるはずの図柄Ba,Bbとが異なった模様で表示されてしまうので、識別しにくいという問題が生じていた。そこで、本ステップで説明したように、オブジェクトOBa,OBbをそれぞれ平行投影し、図18(b)に示すように、同一の図柄を同様の模様になるように表示させることで、遊技者が識別図柄を識別しやすくなるという効果が得られる。一方、透視投影されたオブジェクトは、表示画面6aには視点に基づいて立体的に表示されるので、臨場感のある表示態様が表示される。
【0091】
ステップT7(背景画像を設定)
3次元画像処理部19は、キャラクタ記憶部18内から第1背景B1の画像を読み出し、その第1背景B1の画像を画像記憶部20内のフレームバッファ内に設定する。つまり、上述した各オブジェクトにテクスチャが貼付けられる前のフレームバッファ内に第1背景B1の画像を描画する。ステップT7は、本発明における背景画像設定手段の機能に相当する。
【0092】
ステップT8(表示画像を生成)
3次元画像処理部19は、投影情報に含まれる各頂点の座標値に対応する画像記憶部20のフレームバッファ内の位置、すなわちアドレスを求める。そして、3次元画像処理部19は、キャラクタ記憶部18内から補助図柄オブジェクトOZ3に貼付ける補助図柄Z3のテクスチャを読み出し、そのテクスチャを第1背景B1が描画されたフレームバッファ内の対応する位置に描画する。同様に、キャラクタ記憶部18内から背景オブジェクトOB2に貼付ける第2背景B2のテクスチャと、大当たり識別図柄オブジェクトOZ1およびラウンド表示図柄オブジェクトOZ2に貼付ける大当たり識別図柄Z1およびラウンド表示図柄Z2のテクスチャを読み出し、それらのテクスチャを視点SPから遠い位置にあるオブジェクトから順番に描画する。全てのオブジェクトに対するテクスチャの貼付けが終了すると、図19に示すように、縦横比が例えば3:4の表示画像Sがフレームバッファ内に生成される。この表示画像Sには、その最背面に第1背景B1の画像が、その第1背景B1の前面側に補助図柄Z3が、補助図柄Z3の前面側に第2背景B2が、最前面に大当たり識別図柄Z1およびラウンド表示図柄Z2が、それぞれ描画されている。3次元画像処理部19は、画像記憶部27のフレームバッファ内に生成した表示画像Sを割り込み処理ごとに液晶モニタ6へ送る。なお、ステップT8は、本発明における表示画像生成手段の機能に相当する。
【0093】
ステップT9(表示)
液晶モニタ6は、割り込み処理ごとに3次元画像処理部19から送られてくる縦横比が3:4の表示画像Sを、縦横比が9:16の表示画面6aに合わせて順次表示する。上述したステップT3においてワールド座標系内を移動する補助図柄オブジェクトOZ3が設定されることによって、液晶モニタ6の表示画面6aには、図7,8に示したように、第2背景B2の後ろ側から泳ぎ出し、第2背景B2の後ろ側に再び戻るように泳ぎ回る補助図柄Z3の変動の表示態様が表示される。また、表示画面6aに表示される補助図柄Z3は、間延びした画像になることなくリアルに表示される。
【0094】
上述した実施例によれば、第1背景B1と第2背景B2とを同種の模様の画像にしているので、表示画面6aに表示された背景が単一のものとして遊技者に認識させることができ、その背景内から魚が泳ぎ出すように表示させることができる。その結果、臨場感のある表示態様を実現することができる。また、第1背景B1には3次元の画像処理を行っていないので、画像表示装置7全体として処理の軽減を図ることができる。
【0095】
なお、上述した実施例では、同種の模様(イソギンチャク)の第1背景B1と第2背景B2とを用いて説明したが、第1背景B1と第2背景B2とは関連性のある模様であればよく、例えば第1背景B1を川底の模様として、第2背景B2を岩の模様とすることもできる。この場合には、魚の補助図柄を岩影から泳ぎ出すような表示態様にすることもできる。
【0096】
また、上述した実施例では、第1背景B1と第2背景B2とをそれぞれ単一の画像によって、静止した状態の背景を表示したが、例えば複数種類の画像によって、第1背景B1、第2背景B2の模様が動くように、例えば背景のイソギンチャクが揺れ動くように表示させることもできる。
【0097】
また、上述した実施例では、第1背景B1と、単一の第2背景B2との間に単一の補助図柄の表示させたが、例えば第2背景B2の背景オブジェクトの背面側に複数個の背景オブジェクトを設定して、第1背景B1と第2背景B2との間に、補助図柄とともに単一または複数の背景画像を表示させることもできる。
【0098】
また、上述した実施例では、液晶モニタについて説明したが、例えば、液晶モニタの代わりにCRTモニタや、LEDモニタなどにすることもできる。
【0099】
また、上述した実施例では、遊技機としてパチンコ機について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばスロットマシン、パチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機、コインゲーム機、アケードゲーム機、家庭用ビデオゲーム機などの各種の遊技機に変形実施することができる。
【0100】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、臨場感のある表示態様を実現することができる。その結果、遊技者の面白味を永続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るパチンコ機の概略構成を示す外観図である。
【図2】 実施例に係るパチンコ機の機能ブロック図である。
【図3】 3次元画像処理部の機能ブロック図である。
【図4】 パチンコ機の制御基盤での処理を示すフローチャートである。
【図5】 キャラクタ記憶部に記憶された背景の画像を示す図である。
【図6】 キャラクタ記憶部に記憶された図柄の画像を示す図である。
【図7】 実施例に係るパチンコ機における表示態様を示す図である。
【図8】 実施例に係るパチンコ機における表示態様を示す図である。
【図9】 画像表示装置での処理を示すフローチャートである。
【図10】 ワールド座標系内の視点とオブジェクトとの様子を示す図である。
【図11】 視点座標系を変形補正した様子を示す図である。
【図12】 補助図柄オブジェクトの様子を示す図である。
【図13】 視点座標系内の様子を示す図である。
【図14】 視点と投影平面と各オブジェクトとの位置関係を示す図である。
【図15】 投影平面に各オブジェクトを投影する様子を示す図である。
【図16】 投影平面に全てのオブジェクトを投影した様子を示す図である。
【図17】 ワールド座標系内に視点と立体形状のオブジェクトとを設定した様子を示す図である。
【図18】 透視投影および平行投影した立体形状のオブジェクトの表示態様の相違を示す図である。
【図19】 フレームバッファ内に生成された表示画像の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 … 制御基盤
6 … 液晶モニタ
6a… 表示画面
7 … 画像表示手段としての画像表示装置
18 … キャラクタ記憶部
19 … 3次元画像処理部
20 … 画像記憶部
B1 … 2次元補助画像としての第1背景
B2 … 3次元情報に基づいて生成される補助画像としての第2背景
Z3 … 補助図柄
Claims (2)
- 図柄に対応する3次元の仮想物体であって複数のポリゴンによって構成される3次元情報である図柄オブジェクトを記憶する第1記憶手段と、前記図柄オブジェクトの各ポリゴンに対応させる前記図柄の画像を記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段に記憶された図柄オブジェクトを仮想3次元座標空間内に設定する図柄オブジェクト設定手段と、前記図柄の背面側において所定の表示画面に表示される第1背景の画像と、前記図柄の前面側または背面側において前記表示画面の一部に表示される、前記第1背景の少なくとも一部の画像と同種の模様である第2背景の画像と、前記第2背景が表示される領域に対応する3次元情報である背景オブジェクトとを記憶する背景情報記憶手段と、仮想3次元座標空間内に前記背景情報記憶手段に記憶された背景オブジェクトを設定する背景オブジェクト設定手段と、前記第1背景の画像と、前記背景オブジェクト設定手段によって仮想3次元座標空間内に設定される背景オブジェクトの各ポリゴンに対応させる第2背景の画像と、前記図柄オブジェクト設定手段によって仮想3次元空間内に設定される図柄オブジェクトの各ポリゴンに対応させる図柄の画像とを用いた表示画像を生成する表示画像生成手段とによって生成された少なくとも1画面分の表示画像を記憶する画像記憶手段と、
該画像記憶手段に記憶された表示画像が表示される表示画面を有する表示手段と、
を備え、
該表示手段は、前記第1背景の画像と前記第2背景の画像と前記図柄の画像とを用いた表示画像を前記表示画面に表示するものであり、
前記第2背景の画像は、前記仮想3次元空間内に設定される視点に基づいて前記第1背景の画像に対して立体的に表示され、
前記図柄の画像は、少なくとも前記遊技状態の一時期において、前記第1背景の画像と前記第2背景の画像との間に出入りする変動を行うように表示されることを特徴とする遊技機。 - 少なくとも前記遊技状態の一時期において前記図柄の画像が変動表示可能となるよう、前記図柄オブジェクト設定手段が、前記仮想3次元座標空間内に前記図柄オブジェクトを設定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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