JP4682160B2 - C型肝炎ウイルスのジェノタイプの判別方法 - Google Patents

C型肝炎ウイルスのジェノタイプの判別方法 Download PDF

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本発明は、新規オリゴヌクレオチド、それから成るC型肝炎ウイルスのジェノタイプ判別用プライマー及びそれを用いるC型肝炎ウイルスのジェノタイプの判別方法に関する。
世界各地のC型肝炎ウイルス(以下、「HCV」ということがある)の遺伝子配列が決定され(例えば特表平5−500155号及び特開平5−301887号)、その結果、世界各地に異なるタイプのHCVが存在することが明らかになった。従来、ウイルスのタイプ分類は感染源の推定やその地理的分布等の分子疫学的な調査研究を目的に汎用されていたが、ことHCVに関しては、臨床上C型慢性肝炎患者のインターフェロン治療効果を予測する上でも有用であることがわかり、治療上どうしてもHCVのタイプ分類が必要になった。
ウイルスを分類する場合、従来、ウイルスの抗原性の違いを利用する血清型を利用してなされてきた。しかしながら、血清型では正確なタイプ分類を行うことができないことがわかってきた。一方、ウイルスを構成するタンパク質は遺伝子によりコードされている。そして、その遺伝子の変異により進化していく。従って、ウイルス間の比較をする場合、先に述べた血清型を比較するより、ウイルス遺伝子間の違いを比較した方がより本質的である。すなわち、HCVについても、ジェノタイプ(遺伝子型)に基づき分類する方がより本質的であり、正確である。
従来、HCVのジェノタイプの分類は、各研究者によってまちまちであった。従って、ある研究者があるジェノタイプに関する研究を発表したとしても、他の研究者はそのジェノタイプが自分が使っている分類のどれに該当するのかを明確に知ることができず、他の研究者の成果を効率よく利用できなくなっており、問題であった。そこで、国際的にHCVのジェノタイプの分類を統一するために、各国の研究者たちが共同で、統一的なジェノタイプの分類方法を提唱した(Hepatology, 19: 1321-1334, 1994, Correspondence, "A Proposed System for the Nomenclature of Hepatitis C Viral Genotypes"、以下、この分類方法を、便宜的に「国際統一分類法」と呼ぶことがある)。この国際統一分類法は、HCVのNS−5領域の変異に基づいてHCVを1a、1b、1c、2a、2b、2c、3a、3b、4a、5a及び6aの11タイプに分類するものである。今後、HCVのジェノタイプは、この分類に基づいて行われるものと予想される。従って、今後もたらされるHCVに関する種々の情報を効率良く利用するためには、HCVのジェノタイプを国際統一分類法に基づき分類する必要がある。
特開平5−301887号は、PCRを利用してHCVのジェノタイプを判定する方法を開示している。すなわち、各ジェノタイプに特異的な配列を選択し、これらの配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドをプライマーとして用い、被検試料中のHCVゲノムのcDNAを鋳型としてPCRを行い、該PCRによりDNAが増幅されるか否か、さらには増幅されるDNAのサイズを測定することにより、HCVのジェノタイプを分類する方法が記載されている。
特表平5−500155号公報 特開平5−301887号公報 Hepatology, 19: 1321-1334, 1994, Correspondence, "A Proposed System for the Nomenclature of Hepatitis C Viral Genotypes"
しかしながら、この方法では、ジェノタイプの分類が独自のものであり、国際統一分類法に基づいて行われたものではない。従って、この公開公報に記載されているプライマーを用いたのでは国際統一分類法に基づく分類を行うことはできない。また、下記実施例で示されるように、この方法では、一部の型について、HCVが試料中に存在するにもかかわらず、HCV陰性と判定されることがかなりの頻度で起きる。従って、HCVのジェノタイプを国際統一分類法に基づいて正確に分類するための手段が求められている。
従って、本発明の目的は、HCVのジェノタイプを国際統一分類法に基づいて正確に、かつ、簡便に分類するための手段を提供することである。
本願発明者らは、多数の被検試料を用いて鋭意研究の結果、HCVのジェノタイプを国際統一分類法に基づき重複することなく分類することができ、かつ、PCRによる増幅が効率良く起きるプライマー領域を設定することに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、検体中のC型肝炎ウイルスゲノム又はその一部を鋳型としてcDNAを合成する工程と、該cDNAを鋳型とし、配列表の配列番号12及び17に記載の塩基配列から成るオリゴヌクレオチドを同時にプライマーとして用いてPCRを行うことを含む、C型肝炎ウイルスのジェノタイプ3aの判別方法を提供する。

本発明により、HCVのジェノタイプを国際統一分類法に基づいて正確に、かつ、簡便に分類するために用いることができる新規なオリゴヌクレオチド、それからなるプライマー及びそれを用いるHCVのジェノタイプの判別方法が提供された。
なお、本願発明者らは、上記の国際統一分類法による分類に加え、さらに6b(7a)、6c(7b)、6d(8a)及び6gを加えた(GenBank Accession No. D64170及びD64173)。これらのうち、本発明は6bの判定を可能にするプライマーをも提供するものであり、6bには、VN787(GenBank Accession No. D17486)、VN843(GenBank Accession No. D17489)、VN540 (GenBank Accession No. D14209) 、B5及びB7株(GenBank Accession No. D64170 及びD64173) が含まれる。
上述のように、本発明の方法に用いることができるオリゴヌクレオチドは、配列表の配列番号1〜30、47、48、66〜69で示されるものである。これらのオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いる場合に、各プライマーがハイブリダイズするHCVゲノム上の領域、該領域のセンス鎖又はアンチセンス鎖の別、そのプライマーによって判別できる型及び本願発明者らが便宜的に付したプライマー名を下記表1に示す。

Figure 0004682160
*:「センス又はアンチセンス」の表示は、プライマーがハイブリダイズするDNA鎖がセンス鎖かアンチセンス鎖かを示す。
なお、上記表1において、「コンセンサス」は、全ての型に共通にハイブリダイズするプライマーである。また、配列番号2において、「N」はA、T、G、C又はI(イノシン)を示す。
なお、上記表1における、各ジェノタイプのゲノム上の領域の塩基番号の基準となるHCVの株名及び該塩基番号を記載した文献を下記表2に示す。
Figure 0004682160
*:1aのうち、配列番号25〜28
文献1:Ohno, T. et al., Thesis (1993) The University of Tokyo, "Hepatitis C Virus"
文献2:Wu Rong-Rong et al, Journal of Medical Virology (1994, in press)
文献3:Ohno Tomoyoshi et al., Journal of Gastroenterology (1994, in press)
文献4:Ohno Tomoyoshi et al., Journal of Medical Virology 42: 409-413 (1994)
文献5:Bukh et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91, 8239-8243 (1994)
文献6:Choo, Q.-L., et al, "Genetic organization and diversity of the hepatitis C virus" Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88, 2451-2455 (1991)
なお、後述のPCRにより増幅されるものは二本鎖cDNAであるから、上記各オリゴヌクレオチドとそれぞれ相補的な配列を有するオリゴヌクレオチド同士の組合せをプライマーとして用いても同じ領域が増幅される。従って、これらの相補的なオリゴヌクレオチドもHCVのジェノタイプ判別のためのプライマーとして用いることができ、本発明の範囲内に入る。
上記の各オリゴヌクレオチドは、市販のDNA合成機を用いた化学合成により容易に調製することができる。
本発明の方法により、検体中のHCVのジェノタイプを分類するためには、先ず、検体中のHCVのRNAに相補的なcDNAを調製する。cDNAの調製は、逆転写酵素とプライマーを用いて行うことができ、この方法自体は周知であり、その一例が下記実施例にも記載されている。
次いで、得られたcDNAを鋳型として、本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCRを行う。PCRの方法自体は、この分野において周知であり(Saiki et al., Science, 239, 487-491, 1988)、センス鎖にハイブリダイズするプライマーとアンチセンス鎖にハイブリダイズするプライマーとを用い、これらのプライマーと鋳型DNAと耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で、アニーリング、伸長、変性の工程から成るサイクルを20回ないし40回程度繰り返すことにより行うことができる。PCRの一例も下記実施例に記載されている。
PCRには常に少なくとも一対のプライマーが必要であり、これらは鋳型DNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖にそれぞれハイブリダイズする必要がある。従って、判別しようとする型のためのプライマー(表1参照)を選び、これと反対側の鎖にハイブリダイズするプライマー(コンセンサスプライマー又はその型のためのプライマー)を選んで上記PCRを行う。特定の型を判別するためのプライマーは、その型の鋳型DNAにのみハイブリダイズし、他の型の鋳型DNAにはハイブリダイズできないので、そのプライマーを用いてもし増幅が起きれば、検体中のHCVがその型のジェノタイプであることがわかる。
もっとも、1対ずつのプライマーを用いてジェノタイプ判別を行っていたのでは、1つの検体についてPCRを何回も行わなければならないので、不便である。もし、3種以上のプライマーを同時に用いてPCRを行い、ジェノタイプに応じて異なるサイズの領域が増幅されるのであれば、1回のPCRで複数のジェノタイプの判別を行うことができるので有利である。本発明のプライマーは、そのように選択されており、これらを混合して用いてPCRを行うと、各ジェノタイプに応じて異なるサイズの領域が増幅されるように設定されている。
もっとも、本発明のプライマーを全て混合してPCRを行うと、後の電気泳動工程において検出すべきバンドの数が多くなりすぎ、また、近いバンドを識別して検出する必要があるので、型判別が容易ではなくなる。もっとも、十分に大きなゲルを用いて時間をかけて電気泳動を行えば、近接したサイズのバンドでも離れた位置に検出することが可能であるので、全プライマーを混合して用いることもできる。
上述のように、全てのプライマーを混合して用いるとかえって不便であるので、3個以上のプライマーをセットで用いることが好ましい。この場合、各プライマーセットにはコンセンサスプライマーを1対(センス及びアンチセンス)含めておくことが好ましい。一対のコンセンサスプライマーを含めておくと、HCVが検体中に存在すれば、そのジェノタイプにかかわらず、必ず増幅バンド(以下、一対のコンセンサスプライマーにより増幅されたバンドをコンセンサスバンドと言うことがある)が検出されるので、もしも、各ジェノタイプ特異的プライマーによってバンドが全く検出されなかった場合に、検体がHCV陰性なのか、検体に含まれるHCVの型が用いたプライマーでは検出できないものであるのかを知ることができるので好ましい。さらに、各プライマーセットに1つのジェノタイプを検出するためのプライマーを複数含ませることもできる。このようにすれば、1つのプライマーが増幅に失敗したとしても、同じジェノタイプを検出する他のプライマーでうまく複製が起きれば、そのジェノタイプを検出することができるので、判定の確実性を高めることができる。
本願発明者らは、このような点を考慮に入れて、実際に検体の分析を行う上で極めて好ましいプライマーの組合せを設定することに成功した。下記表3〜17にそれらを示す。もっとも、プライマーの組合せは、下記具体例に限定されるものではなく、要は、各ジェノタイプを増幅するためのセンス及びアンチセンスプライマーがそれぞれ含まれていればよい。
(1) プライマーセット1(1b、2a、2b、3bの型判別用)
Figure 0004682160
(2) プライマーセット2(1a、3a、4a、5a、6aの型判別用)
Figure 0004682160
(3) プライマーセット3(1b、2a、2bの型判別用)
Figure 0004682160
(4) プライマーセット4(1aの型判別用)
Figure 0004682160
(5) プライマーセット5(1a、1b、2a、2bの型判別用)
Figure 0004682160
(6) プライマーセット6(1a、1bの型判別用)
Figure 0004682160
(7) プライマーセット7(1b、2a、2bの型判別用)
Figure 0004682160
(8) プライマーセット8(1b、2a、2b、3bの型判別用)
Figure 0004682160
(なお、OMM3bはOMM15の配列を限定したもので、その塩基配列は配列表の配列番号42に示されている)。
(9) プライマーセット9(1a、3a、4a、5aの型判別用)
Figure 0004682160
(なお、OMM1aS、OMM1aA、OMM3a、OMM4a及びOMM5aは、それぞれOMM21、OMM211、OMM23、OMM24及びOMM25の塩基配列を限定したもので、その塩基配列は配列表の配列番号45、46、41、43及び44にそれぞれ示されている。)
(10)プライマーセット10(1a、3a、4a、5a、6aの型判別用)
Figure 0004682160
(11)プライマーセット11(1a、3a、4a、5a、6aの型判別用)
Figure 0004682160
(なお、OMM21TCSは、OMM21TCの塩基配列を限定したもので、その塩基配列は配列表の配列番号49に示されている)。
(12)プライマーセット12(1b、2a、2bの型判別用)
Figure 0004682160
(なお、OMM1b、OMM2aS、OMM2aA及びOMM2bは、それぞれOMM11、OMM121、OMM13及びOMM14の塩基配列を限定したもので、その塩基配列は配列表の配列番号62、63、64及び65にそれぞれ示されている)。
(13)プライマーセット13(1aの型判別用)
Figure 0004682160
(なお、OMM22Cは、OMM22の塩基配列を限定したもので、その塩基配列は配列表の配列番号35に示されている)。
(14)プライマーセット14(3a、4a、5aの型判別用)
Figure 0004682160
(15)プライマーセット15(3b、6a、6bの型判別用)
Figure 0004682160
上記から明らかなように、各プライマーセットを単独で用いたのでは、各表の冒頭に記載したジェノタイプの検出しか行うことができない。しかしながら、上記のプライマーセットの複数を別個に用いて各検体についてPCRを行うことにより、より多くのジェノタイプの判別を行うことができる。例えば、上記プライマーセット1及び2を別個に用いてPCRを行うことにより、1a、1b、2a、2b、3a、3b、4a、5a及び6aのジェノタイプを判別することができる。
下記実施例に記載するように、上記の各プライマーセットを用いてPCRを行った場合の電気泳動パターンが図1ないし図15に示されている。
次いで、PCRにより増幅された増幅産物を検出する。増幅産物の検出は、ゲル電気泳動により行うことが好ましい。DNAのゲル電気泳動による分離、検出方法は、この分野において周知であり、また、一例が下記実施例に記載されている。
なお、ジェノタイプ特異的プライマーを用いる増幅に先立ち、一対のコンセンサスプライマーを用いてPCRにより増幅し、次いで、ジェノタイプ特異的プライマー(例えば、上記プライマーセット)を用いてPCRを行うことにより、分析の感度をさらに高めることができる。好ましいプライマーとして、OMM1とOMM2の組合せを挙げることができる。
なお、上記本発明のオリゴヌクレオチドは、プライマーとしてのみならず、適当な標識を付すことにより、HCVジェノタイプ判別用のプローブとして用いることも可能である。この場合には、上記各オリゴヌクレオチドよりも延長されたものであってよく、特に3’末端方向に数塩基延長されたものでもよい。
本発明のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズするHCVゲノムの領域には、各ジェノタイプに特異的なアミノ酸配列を有するペプチドをコードするものがある。従って、それらのアミノ酸配列と特異的に反応する抗体をHCVと反応させることにより、検体中に含まれるHCVの型判別を直接的に行うことができる。また、それらのアミノ酸配列を含むペプチドを血清等の体液と反応させることにより、該体液中に含まれる、各HCVジェノタイプに特異的な抗体を検出することができ、それによって、HCVの型判別を行うことができる。これらは、例えば、サンドイッチELISAや放射免疫測定法、ラテックス凝集法等の周知のイムノアッセイにより容易に行うことができる。
本発明のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域のHCVゲノムがコードする各ジェノタイプに特異的なアミノ酸配列は、配列表の配列番号50〜61に示されており、各オリゴヌクレオチドの名称、該アミノ酸配列(配列番号で示す)及び該アミノ酸配列に特異的なHCVジェノタイプを下記表18に示す。
Figure 0004682160
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例において用いたプライマーは、そのプライマーを示す配列表に記載された配列中に複数の塩基を示す記号が用いられている場合には、それらの記号により示される塩基の混合物を用いた。
実施例1
(1) 試料の調製
HCVキャリアの血清100μl(213検体)をRNAzolB(商品名、biotex inc.,USA)900μl及びクロロホルム150μlと混合し、5秒間攪拌し、−20℃で5分間インキュベートした。次いで、12000rpmで5分間遠心し、上清を500μlのイソプロパノール及び20μgのグリコーゲンと混合し、−20℃で15分間インキュベートした。次いで、これを12000rpmで20分間遠心した。沈殿に75%エタノールを1ml加え、懸濁後、12000rpmで3分間遠心した。この75%エタノール処理〜遠心操作をさらに2回行い、沈殿をデシケーター中で15分間乾燥させ、精製されたRNAを得た。
(2) プライマーの調製
オリゴヌクレオチド(プライマー)は、Model 394 DNA シンセサイザ(商品名、Perkin-Elmer Corporation) 又は8909 expedite (TM) Nucleic Acid synthesis system(商品名、Milipore Corporation) で合成した。さらに、OPCカラム又はHPLCを用いて常法により精製した。
(3) cDNA合成
cDNA合成は、精製乾燥したRNAを15μlのDEPC処理水(Milli-Q reagent water system(ミリポア社製)で精製した水に0.2%になるようにジエチルピロカーボネートを加え、16時間攪拌し、さらに高温高圧滅菌(オートクレーブ)処理した水)に溶解し、60℃で5分加温後、100単位のモロニーネズミウイルス逆転写酵素(Molony murine virus reverse transcriptase 、商品名;GIBCO-BRL, USA) を含む逆転写溶液(50mM Tris-HCl (pH 8.3) 、75mM KCl、3mM MgCl 、10mMジチオスレイトール)を15μl加え、42℃で60分加温し行った。なお、cDNA合成のためのプライマーとしては、OMM2を10pmol用いた。
(4) PCR
検出感度を上げるために、1回目のPCRでは、コンセンサスプライマーOMM1及びOMM2を用いて上記cDNAをPCR増幅(Saiki ら、Science 239, 481-491, 1988) した。反応溶液は10mM Tris-HCl (pH 8.3)、1.5mM MgCl 、50mM KCl、800μM dNTP、1.25単位のAmpliTaq DNA polymerase (商品名、日本ROCHE)、プライマーOMM1、OMM2がそれぞれ5pmolで行った。PCR条件はサイクル35、変性94℃、30秒、アニール50℃、30秒、伸長72℃、1分で行った。さらに増幅産物を上記プライマーセット1、2、3又は4でそれぞれ2回目のPCR増幅(PCRサイクル25、変性94℃、30秒、アニール62℃、30秒、伸長72℃、1分)を行った。
(5) 電気泳動
得られた増幅産物を、アガロースゲル(トリス−ボレートバッファー、0.5μg/ml臭化エチジウム)で電気泳動(150V定電流)した。電気泳動後、紫外線照射下で、ポラロイド(ポラロイドタイプ667)撮影を行った。バンド移動度の差異により型判定を行った。
(6) 結果
各プライマーセット1、2、3及び4を用いて得られた電気泳動パターンをそれぞれ図1、2、3及び4に示す。各図において、一番左側のレーンは分子量マーカーの泳動パターンを示す。また、各レーン中、コンセンサスバンドは、各プライマーセットに含まれるコンセンサスプライマーにより増幅された増幅産物のバンドであり、検体中にHCVが存在すれば、そのジェノタイプに関係なく、常に一定の位置に現れるものである。各ジェノタイプに特有のバンドの右側には短い矢印を付して示した。この矢印で示されるバンドが検出されれば、その検体のHCVジェノタイプは、そのバンドのあるレーンの頂部に記載された型のジェノタイプである。各図から明らかなように、本発明のプライマーを用いることにより、HCVのジェノタイプの分類を国際統一分類に従って行うことができることが確認された。
実施例2
cDNA増幅の際に用いるプライマーとしてランダムヘキサマーオリゴヌクレオチドを用い、1回目のPCRにOMM1、OMM2及びOMM3をプライマーとして用い、2回目のPCRにプライマーセット5を用い、かつ、プライマー濃度が10pmolであることを除き、実施例1と同様に行った。得られた電気泳動パターンを図5に示す。
比較例1
上記の213検体を、特開平5−301887号に記載の方法により型判別を行った。その結果、上記本発明の実施例により型判別可能であった22検体(2a型20例、2b型2例)について、どのプライマーを用いても増幅が起きなかった(HCV陰性)。なお、上記213検体は全て、5’非翻訳領域に設定したプライマーYCS、YCS2及びMS13を用いたPCR(特願平6−142564号の第40段落に記載)により、HCV陽性であることを各検体について3回確認しているHCV陽性検体である。
実施例3、4
塩基配列を決定したHCV株1a、1b、2a、2bそれぞれ5例ずつの血清から実施例1と同様にしてRNAを抽出し、OMM2のうち配列番号31で示される塩基配列を有するものを用いて実施例1と同様にcDNA合成を行った。
次いで、OMM2のうち配列番号31で示される配列を有するものと、OMM1のうち配列番号32で示される塩基配列を有するものとをプライマーとして用い、1回目のPCRを94℃、30秒、50℃、30秒、72℃、60秒のサイクルで35サイクル行った。その50分の1(1μl)をさらにPCRで増幅した。この2回目のPCRは、上記プライマーセット6(実施例3)又はプライマーセット7(実施例4)を用いて行った。もっとも、各プライマーセット中、OMM21、OMM211、OMM22、OMM11、OMM12、OMM13及びOMM14は、それぞれ、配列番号33、34、35、36、37、38及び39で示される塩基配列を有するものを用いた。2回目のPCRは94℃、30秒、62℃、30秒、72℃、60秒のサイクルで25サイクル行った。PCR産物を実施例1と同様にアガロース電気泳動で分離した。得られた電気泳動パターンをそれぞれ図6及び図7に示す。
実施例5〜8
上記プライマーセット8(実施例5)、プライマーセット9(実施例6)、プライマーセット10(実施例7)又はプライマーセット11(実施例8)を用いて2回目のPCRを行うことを除き、実施例3及び4と同様な操作を行った。得られた電気泳動パターンをそれぞれ図8、図9、図10及び図11に示す。
実施例9〜12
血清は200例のC型慢性肝炎患者由来のものを用いた。RNAは、RNAzolB(商品名;BioLab)で血清150μl より調整した。cDNA合成は、300ng のランダムヘキサマー(商品名;ギブコBRL)、100UのMMLV−RT(商品名;ギブコBRL)、50UのRNaseインヒビター(商品名;宝酒造)を用い、30μl の系で1時間、37゜Cでインキュベーションした。cDNA10μl を、上記1st−PCR用プライマーOMM1、2、3各100ngを用い、50μl の系で、94℃、20秒、50℃、20秒、72℃、45秒、35回でPCRを行った。その1μl をそれぞれの型判別用プライマーセット12(実施例9)、13(実施例10)、14(実施例11)、15(実施例12)で2nd−PCRを行った。条件は94℃、20秒、62℃、20秒、72℃、45秒、25回で増幅バンドを3%アガロース(0.5% EtBr 含む)電気泳動(150V、30分)でDNAサイズマーカー、φX174/HaeIII digest(商品名;東洋紡)で検出されるバンドと比較しジェノタイプを判定した。得られた電気泳動パターンをそれぞれ図12、図13、図14及び図15に示す。
実施例13
11カ国のC型慢性肝炎患者由来の血清を用いて、HCVの型判別を行った。この検査は具体的には次のように行った。
(1)試料の調製等は、実施例1と同様に行い、cDNA合成は、プライマーOMM1、OMM2、OMM3及び、ランダムヘキサマー(商品名;ギブコBRL)を使用した。
(2)PCR
検出感度を上げるために、1回目のPCRでは、コンセンサスプライマーOMM1、OMM2およびOMM3を用いて上記cDNAをPCR増幅した。さらに増幅産物を下記表19〜22に示すプライマーセットA、B、C、Dでそれぞれ2回目のPCR増幅(PCRサイクル25、変性94℃、15秒、アニール62℃、15秒、伸長72℃、45秒)をおこなった。
プライマーセット
1)プライマーセットA(1b、2a、2bの型判別用)
Figure 0004682160
2)プライマーセットB(1aの型判別用)
Figure 0004682160
3)プライマーセットC(3a、5a、4の型判別用)
Figure 0004682160
4)プライマーセットD(3b、6a、6bの型判別用)
Figure 0004682160
(3)電気泳動
得られた増幅産物を、3%アガロースゲル(トリス−ボレートバッファー、0.5μg/ml臭化エチジウム)で電気泳動(150V定電流)した。電気泳動後、紫外線照射下で、ポラロイド(ポラロイドタイプ667)撮影を行った。バンド移動度の差異により型判定を行った。
上記の方法において、各プライマーセットA、B、C及びDのそれぞれについて得られた電気泳動パターンを図16ないし図19にそれぞれ示す。また、上記方法により判別された型を有する人数を地域別に下記表23に示す。
Figure 0004682160
*:パキスタン/バングラデシュ
プライマーセット1を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット2を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット3を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット4を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット5を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット6を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット7を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット8を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット9を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット10を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット11を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット12を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット13を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット14を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセット15を用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセットAを用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセットBを用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセットCを用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。 プライマーセットDを用いてPCRを行って得られた電気泳動パターンの模式図である。

Claims (2)

  1. 検体中のC型肝炎ウイルスゲノム又はその一部を鋳型としてcDNAを合成する工程と、該cDNAを鋳型とし、配列表の配列番号12及び17に記載の塩基配列から成るオリゴヌクレオチドを同時にプライマーとして用いてPCRを行うことを含む、C型肝炎ウイルスのジェノタイプ3aの判別方法。
  2. 前記配列番号12に記載の塩基配列が配列番号41に記載の塩基配列である請求項1記載の方法。
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