JP4681974B2 - リング類を軸に固定するための固定リング - Google Patents

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Description

本発明は軸との固定に同心性、確実性、作業容易、廉価が望まれる軸受、プーリ、位置決めリング、などのリング類を軸所定位置に固定する固定リングに関する。
ここでは、本発明の固定リングの主たる適用分野であり、本発明の動機であった軸受に結合固定する場合を記述する。
軸受を軸に嵌め込んで、その内輪ととを結合固定するのに、従来より、いろいろの方法が採用されている。
その最も多く採用されている方法は、軸受内輪へのの圧入であり、また場合によっては焼嵌もおこなわれている。圧入、焼嵌のいずれの場合も、軸受との中心軸は一致する。
しかし、圧入も焼嵌も困難な場合、たとえば、軸受ユニット(軸受箱と称する枠に嵌め込まれた軸受)を、機械組立作業現場で、に嵌め込んで結合固定する場合などでは、専ら、内輪をその軸方向に延長して、この内輪延長部ととを結合固定することによって目的を果たしているが、それには、従来より、いろいろな方法が提供されてきた。
この内輪延長部ととを結合固定する方法では、止めねじ法が最も一般的でありつぎに偏心輪法が多く用いられている。しかし、止めねじ法、偏心輪法の両者とも、それぞれ、止めねじあるいは偏心輪(に対して偏心した内周端を持った輪)を利用して、内輪延長部を外周軸方向の一線上に押し付けるため、軸受との中心軸が一致しない。また、押し付ける力が作業者の個人差に左右され、さらに、止めねじ法では、ねじ先で傷をつけるという欠点もある。
軸受との中心軸が一致しないと、稼働時の振動や騒音の発生が激しくなり、軸受自体の寿命が短くなるという欠点が挙げられる。とくに高速回転軸受の場合にこの欠点が致命的となる。
軸受ユニットで軸受との中心軸を一致させたいという要望に適うために発明され実用されている代表的な方法はアダプタ法である。
アダプタ法は、軸受内輪の内側に軸方向のテーパを付け、この内側に、外側に上記内輪内側のテーパに対面するテーパが付けられ、かつ、軸方向に一箇所がカットされた円筒を挿し込み、この円筒の内側にを挿入してから、上記円筒の外径の小さい方の端部に施したねじ機構をして、円筒をその隙間を狭ませながら内輪内で引き込ませることによって、内輪、円筒、を互いに圧着させる方法である。この方法では軸受との中心軸が一致する。また、止めねじ法のごとくに傷をつけることもない。しかし、複雑な機構で製作費が大幅に嵩み、使用にあたって面倒な作業を伴い、作業者の個人差も影響し必ずしも好まれて用いられるものではない。
つぎに、アダプタ法のような複雑な機構、面倒な作業をともなわずに、軸受との中心軸を一致させる方法として、近年、注目されてきている方法に、軸方向のスリットを切った内輪延長部(Inner Ring Extension) でを抱き込む方法がある。この方法は、軸受内輪をその軸方向に延長し、この内輪延長部にその根本付近から先端に至るまで開いたままの複数条の軸方向のスリット(以下、このように一先端で開いたままの軸方向のスリットを単にスリットと称す)を切り、このスリットで分断されている内輪延長部分を、その外側より何らかの方法によって抱き込んで内方へ押し込みながら、結果として、この内輪延長部をしてさらに、内輪と内輪延長部とに一貫して嵌め込まれているを抱き込ませる方法である。なお、内輪延長部は内輪本体より、外径を小さく薄肉にして外側よりの抱き込みによって内方へ押し込まれるための変形を容易にし、同時に、その変形の内輪本体に及ぼす影響を小さくする。この方法では、軸受との中心軸が実質的に一致する。また、止めねじ法のごとくに傷をつけることもない。
以下、この方法をスリットエキステンション法(Slit Extension Method)と呼称する。
スリットエキステンション法でスリットを切った内輪延長部の外側よりの抱込方法の従来の主な例としては、下記の諸方法がある。
第1の方法は、内輪延長部の全外面に、一箇所をカットしたリングを被せ、この隙間をねじ機構で狭めることによって、内輪延長部を抱き込み、その結果として内輪延長部をしてさらにを抱き込ませる方法である(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法では、内輪延長部が全長にわたって均等に抱き込まれ、したがってその根本に鮮明な剪断応力が集中発生するので信頼性に乏しく、現在は用いられていない。
第2の方法は、内輪延長部外面にその先端に向かって外径が小さくなるようなテーパねじを付け、この内輪延長部に、このテーパねじに対応するテーパねじを内面に付けた円筒(テーパナット)を被せ、ねじを締めて内輪延長部を内方に抱き込み、その結果として、内輪延長部をしてを抱き込ませる方法である(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法はテーパねじの加工やかなり面倒なねじ締付作業を必要とするため普及していない。
第3の方法は、特許文献1の方法と同じくねじ締付式カットリングで内輪延長部を抱き込むが、内輪延長部の根本部分の外周面を窪ませてこのリングに接触させないことによりその根本部分以外のみが抱き込まれ、その結果、根本部分で曲げ応力が発生するが、特許文献1の方法の欠点であるところの根本での剪断応力の集中発生が避けられる(例えば、特許文献3参照)
第4の方法は、やはり、ねじ締付式カットリングで内輪延長部を抱き込むが、このリング内面の嵌込み端付近の内径を拡げて、リングを嵌め込み易くすると同時に、このリングが内輪延長部の根本部分には接触しないで抱き込むことによって、特許文献3の方法と同じ効果を得る方法である(例えば、特許文献4参照)
上述4種のスリットエキステンション法の内、現在は、後記の2種が、主として米国で適用されているが、これらの方法でもなお、製作費、その結果として価格、およびカットリングのねじ締めの確実性、すなわち作業者の個人差についての問題があり、さらに、より簡単、確実な内輪延長部の抱込方法の提供が望まれている。
米国特許3,276,828(1966年登録)Fig4、Fig8 実用新案公開昭和55−26111(昭和55年、1980年公開) 第1図、第2図 米国特許4,537,519(1985年登録)Fig1 または特許1779395(平成5年、1993年登録)Fig1 実用新案3055655(平成10年、1998年登録)図1、図2 または米国特許6,036,372(2000年登録)Fig1、Fig2
スリットエキステンション法(前述の通り、軸受との中心軸が一致する)が最も一般的な止めねじ法(前述の通り、軸受との中心軸が一致せず、にも傷をつける)と比較して、製作費が嵩む理由は、内輪延長部を薄肉にするためのその外面切削、内輪延長部のスリット加工、ならびに、抱き込んで軸受などを軸に結合固定するためのカットリング(以下、固定リングと称す)などの製作費である。これらの理由の内、前者の2つは多量生産時に加工ラインに専用加工機を追加することなどによって可成り解決するから、形状や抱込機構が簡単で従来のものより廉価な固定リングを提供することが本発明の一つの課題であり、さらに、その提供する固定リングで内輪延長部を抱き込むのに、従来のものと比較して、作業簡易で、かつ、作業者の個人差に影響されないことも課題である。
さらに、本発明は、軸受と同じ機械分野で多く用いられ、軸受と同様に、同心性を保持した作業簡易で軸を傷つけることなく、軸との結合固定が望まれるプーリにも適用され得よう。
さらにまた、リング自体を軸上の所定の位置に固定して用いる位置決めリング(市場ではセットカラーとも称されている)としては、従来専ら、ねじ締付け式のカットリングが用いられていたが、この分野でも、本固定リングは取付け作業簡易で廉価な位置決めリングとしても利用され得よう。
上記課題を解決するため、軸受などのリング類を軸に結合固定する固定リングについて、下記の固定リングを発明した。
本発明の要旨は次のとおりである。
(1)環状のリング本体及び楔からなり、環状のリング本体の一部が径方向にカットされ、カット部隙間を縮小することによって軸を抱き込み、リング類を所定位置に固定する固定リングにおいて、前記カット部隙間に楔を径方向に押し込んだときに前記リング本体が開くように拡張されて前記軸とすきまばめとなり、楔を取り外しときに前記リング本体がそれ自体の弾性により閉じるように縮小して前記軸を抱き込み、しまりばめとなり、前記楔を取り外した状態で前記リング本体のみでリング類を固定することを特徴とする固定リング。
(2)環状のリング本体及び楔からなり、前記リング本体の一部が径方向にカットされ、カット部隙間を縮小することによって軸を抱き込み、軸受を軸に固定する固定リングにおいて、
前記軸受は、軸受の内輪より外径が小さく、内輪の肉厚より薄い内輪延長部が内輪端部から軸方向に延びており、該内輪延長部に周方向に間隔をおいて軸方向に内輪端部から先端まで延びる複数のスリットが切られており、
前記固定リングは、内径が前記内輪延長部の肉厚の2倍と前記軸の外径との和より小さく、環状のリング本体の一部が径方向にカットされ、カット部隙間に楔を径方向に押し込んだときに前記リング本体が開くように拡張されて前記内輪延長部とすきまばめとなり、楔を取り外したときに前記リング本体がそれ自体の弾性により閉じるように縮小して前記内輪延長部を抱き込み、しまりばめとなり、前記楔を取り外した状態で前記リング本体のみで軸受を固定することを特徴とする固定リング。
(3)プーリのハブより外径が小さく、前記ハブの肉厚より薄いハブ延長部がハブ端部から軸方向に延びており、該ハブ延長部に周方向に間隔をおいて軸方向にハブ端部から先端まで延びる複数のスリットが切られており、カット部隙間に前記楔を径方向に押し込んだときに前記リング本体が開くように拡張されて前記ハブ延長部とすきまばめとなり、前記楔を取り外したときに前記リング本体がそれ自体の弾性により閉じるように縮小して前記ハブ延長部を抱き込み、しまりばめとなり、前記軸に嵌め込まれたプーリを所定の位置に固定する(1)記載の固定リング。
(4)前記軸に嵌め込んだ固定リング自体を所定の位置に固定させて位置決めリングとする(1)記載の固定リング。
リング類に嵌め込んで結合固定するのにあたって、両者の中心軸が実質的に一致し、しかもを傷つけることもない前記スリットエキステンション法において、従来より用いられていたねじ締付機構による固定リングと比べて、楔の取り外しのみによって抱き込む本発明による固定リングは、ねじ加工の必要もなく形状簡単、一般的な材料でよいので製作費廉価、しかも結合固定作業が極めて簡易で作業結果に個人差がない。
また、楔の取外し作業は、ペンチなどで引き抜くのみでよく、極めて簡易であり、従来のスリットエキステンション法と比較した場合は勿論、従来の最も一般的な止めねじ法と比較しても、なお簡易である。また、ハンマで叩き取れればさらに簡易である。
本発明による固定リングは、プーリを軸に嵌め込んで固定する場合にも適用されて、上述と同じ効果が発揮されることは明らかであろう。
また、本発明による固定リング単体で、軸上の位置決めリング(セットカラー)としても広く適用されて、上述と同じ効果が発揮されることも明らかであろう。
図1、図2は本発明による固定リング(以下、本固定リングと記述する)の最良の形態の例であり、それぞれ正面図、およびその中央縦方向の断面図である。以下、例として軸受を軸に固定する固定リングについて説明する。
これらの図において、本固定リング1は、そのリング本体1aの全周の一か所がカットされている。カット部隙間2に楔3が挿し込まれてそれが広げられ、その結果、本固定リング1は拡大拘束された状態にある。
このように楔3によって拡大拘束される以前の本固定リング1の内径は、それの嵌め込み対象物(軸受の内輪延長部)外径よりこの対象物のへの嵌め代(直径基準)を引いた数値(すなわちの直径とこの内輪延長部の肉厚の2倍との和)より僅かに小さいものとする。
ここでは、拡大拘束される以前の本固定リング1の内径と上記内輪延長部外径との差を抱き代と称する。
さらに、本固定リング1の内径は、使用にあたって、内輪延長部への嵌め代を加味して拡大拘束されていなければならない。この嵌め代は可能な限り小さく止める。
固定リング1を内輪延長部に嵌め込ませ易くするためなどの後述する理由で、本固定リング1の内面の嵌込み口近くにテーパ4が付けられている。
以下、本発明の固定リングを実施例に基づいて説明する。
本発明者は、代表的な軸受ユニット用の軸受であるJIS B1558に定められている転がり軸受ユニット用玉軸受UC204(の直径20mm用)、UC207(の直径35mm用)、UC210(の直径50mm用)およびUC212(の直径60mm用)の内輪延長部を、本発明の実施のために僅かに長くし、内輪本体より外径を小さくして薄肉にし、それに6条のスリットを切り、そのような形状にした軸受(以下、それぞれUC204M、UC207M,UC210MおよびUC212Mと称す)ととの結合固定に本発明の方法を実施した。 以下に、まず実施例などの図面を示し、併せてそれらを参照図面として実施要領を説明する。
なお、本実施例での軸受各部や固定リング肉厚は、できる限り、現在、スリットエキステンション法で採用されている寸法に準拠した。以下にそれらの寸法も含めて詳述する。
本実施例では、本固定リング1の材質は、一般に広く用いられているJIS G4051機械構造用炭素鋼鋼材S43Cとし、その半径方向肉厚aと軸方向肉厚bは、UC204Mでは10mmと9.5mm、 UC207Mでは11.5mmと11mm、UC210Mでは14mmと14.5mm、 UC212Mでは20mmと17.4mmとした。
また、抱き代は、UC204MおよびUC207Mでは310±30μ、UC210MおよびUC212Mでは370±30μとした。なお、この抱き代の内数である内輪延長部のへの嵌め代(直径基準)は、UC204MおよびUC207Mでは30〜40μ、UC210MおよびUC212Mでは40〜45μであった。
また、本固定リング1の軸受内輪延長部への嵌め代(直径基準)は、いずれの大きさの軸受についても250±20μとした。
図3、図4は、図1、図2で図示した本固定リング1を、軸受5の内輪6を外径を小さく薄肉にして延長した内輪延長部7に嵌め込んだ状態を示すところの、それぞれ、正面図およびB−B線に沿う断面図例である。この内輪延長部7には、その端部から先端に至るまでの複数条(この実施例では6条)のスリット8が切られている。なお、これらの図面では、軸受5が、結合固定されようとする9に嵌められている状態で描いてあるが、この状態では未だ9とは結合されていない。
図5は、解り易いように、本固定リング1を、9を挿入した受5の内輪延長部7に嵌め込む寸前の状態としたところの斜視図である。なお、作業現場では、この図の場合と異なり、本固定リング1を内輪延長部7に嵌め込んでから、軸受5を9に嵌め込む方が一般的である。
なお、図3、図4および図5では、内輪6、外輪およびボール以外の軸受5本体の構成部品は省略してある。
図3および図4の状態のつぎに、楔3が取り外されると、本固定リング1の元来の寸法に戻ろうとする弾性力により、それの内側にあるスリットで分割されている内輪延長部7を抱き込んで内方に押え込む。そしてさらに、この内輪延長部7が9を抱き込む結果となり、そこで軸受5と9とが結合固定される。軸受5と9との中心軸は一致する。図6および図7はそれぞれ、本固定リング1により軸受5を軸9に固定した状態を示している。
なお、本固定リング1の挿し込み端で内径が大きくなるようにテーパ4を付けてあるのは、本固定リング1を内輪延長部7に嵌め易くするため、そのことによって、本固定リング1の内輪延長部7への嵌め代を抑制するため、また、本固定リングの抱込力(すなわち弾性力)が内輪延長部7の根本では作用しないので、そこでの剪断応力の集中発生を防止すると同時に、この抱込力の影響で内輪6までもが変形することを抑えるためである。したがって、このテーパ4を付けることは極めて望ましい。
内輪延長部7の肉厚は、これが、本固定リング1による抱き込みに対して大きく抵抗せずに、9を強く抱き込むために、また、内輪延長部7自体の抱き込まれることによる変形が内輪6の形状に影響し難いように、薄いほど有効である。したがって、この肉厚は、軸受回転中に破壊されない範囲で、出来るだけ薄くするべきである。
本実施例での軸受5の内輪延長部7の長さcと肉厚dは、UC204Mでは9.5mmと2mm、 UC207Mでは11mmと3mm、 UC210Mでは14.5mmと3mm、 UC212Mでは17mmと3.75mmとした。
本実施例では、上述した実施諸条件で、軸受5と9との結合固定後の軸方向負荷への耐力目標2kN以上を達成できた。
本実施例での検証によると、本固定リング1の楔3による拡大拘束での歪は、UC212Mでは弾性限界内、UC210MとUC207Mではほぼ弾性限度、UC204Mでは弾性限度を超えた。弾性限度を超えない場合は勿論問題なく、弾性限度を超えた場合でも、9への抱き込みは残留弾性力で適えた。
リング類と軸とを結合固定する作業は1回の作業で済むのが普通であるから、上記リングの材料としては、高度の弾性体を選ぶ必要はなく一般的な材料より選ぶことができる。たとえ、弾性限度を超えた応力を発生させていても繰返し使用による疲労弱化の問題はない。
また、通常、軸受が使用される約250℃以下の温度では、弾性力の実質的劣化はない。
なお、本実施例よりも判る通り、本固定リング1の材質としては、廉価な機械構造用炭素鋼、所謂、普通鋼で目的を適えるが、より弾性の強い材料を使用すると、その適用範囲が拡大されるのは当然と考えられよう。
もし、極めて稀な場合として、軸受5と9との結合作業と離脱作業とを繰り返す場合には、本固定リング1の材質を弾性の強い材料、例えばばね鋼とすることもよいが、むしろ、廉価な普通鋼製のものを数回の使用に止める消耗品として取り扱うのもよかろう。
なお、理論的には、本固定リング1は、楔3で拡大拘束されている間は勿論、つぎに楔3が取り外されて内輪延長部7を抱き込んでいても、それは真円を保持し得ていない。それを補正するためには、例えば本固定リング1の断面や真円度合の微調整が考えられるが本実施例では勿論、一般にも、そのような対策を講ずる必要はない。内輪延長部7が9を抱き込んだ状態では、その圧着部が必ず中心軸に実質的対称となるので、軸受5と9とが実質的に同心軸上に結合されるからである。
この方法で結合固定された軸受5と9とを離す場合には、再び楔などを本固定リング1のカット部隙間2に挿し込んで、その内径を拡大すればよい。
なお、本発明は楔3の形式を限定するものではない。たとえば図8に例示した形式でも差し支えない。図8は楔3の取り外しにあたって、それを引き抜く作業に代わって、楔3a を空洞4a内に叩き込む作業を採用した場合の本抱込リング1のカット隙間2a 付近の例示である。この場合には、楔3a を一叩きで極めて簡単に取り除ける。叩き込んだ楔3a は、横から引き出せばよい
以上の記述では、内輪延長部7が内輪本体の片側のみに延長されている一般の場合について述べたが、例えば特に大きな荷重に配慮しなければならない場合などには、内輪の両側に延長されてもよい。
以上の実施例1では、本固定リング1を軸受との結合固定作業に適用する場合を対象としたが、プーリ、歯車、カム、車輪など各種のリング類についても、それらのハブ11に延長部12を設けることによって、軸受の場合と全く同様にに結合固定できることは明らかである。図9はプーリ10に適用した場合の斜視図を例示するごとく、プーリ10のハブ11より外径が小さく、ハブ11の肉厚より薄いハブ延長部12がハブ端部から軸方向に延びており、該ハブ延長部12に周方向に間隔をおいて軸方向にハブ端部から先端まで延びる複数のスリット13が切られている。プーリ10を軸に固定する方法は、軸受の場合と同じである。
さらに、本発明者は、図9に示す斜視図のごとく、本固定リング1を軸9に直接に嵌め込んで固定することによって、この本固定リング1を、極めて作業性の良い軸9上の位置決めリングとしても利用した。例えば、この位置決めリング2個の間に物体を挟むことによって、あるいは、この位置決めリングに物体を取り着けることによって、それら物体を軸9の定位置に固定することが出来るなど、その利用範囲は広い。なお、位置決めリング(所謂セットカラー)として利用した場合、その軸9を抱き込む面を粗面として摩擦係数を増大さすとさらに強く固定された。
なお、この実施例3の場合には、抱き代は、楔3によって拡大拘束される以前の本固定リングの内径との直径との差であることは言うまでもない。
抱き代、本固定リング1の軸9、内輪延長部7、またはハブ延長部12への嵌め代、および、本固定リング1や内輪延長部7、ハブ延長部12の寸法や材質が、内輪延長部7、ハブ延長部129への抱込力、すなわち軸受、プーリとの結合力に影響する。したがって、種々の軸受、プーリに応じて、ばらつきをできる限り抑えたところの、適切な抱き代、嵌め代、寸法および材質をそれらの相互関連のもとに選定するべきであり、本実施例で記した寸法および材質も、現在、スリットエキステンション法で採用されている寸法にできる限り準拠して容易に的確な相互効果が認められた例示であると理解するべきである。
本発明による固定リングの例の正面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1、図2に示した本発明による固定リングを軸受のスリットを切った内輪延長部に嵌め込んだ状態の正面図である。 図3のB−B線断面図である。 図1、図2に示した本発明による固定リングを軸受のスリットを切った内輪延長部に嵌め込む寸前の状態での斜視図である。 本固定リングにより軸受を軸に固定した状態を示す正面図である。 図6のC−C線断面図である。 楔を叩き込んで取り外す形式の本発明による固定リングの他の例を示す正面図である 本発明による固定リングを、プーリの軸への結合固定に適用した場合の例の斜視図である。 本発明による固定リングを、軸上の位置決めリング(所謂セットカラー)として利用した場合の例の斜視図である。
符号の説明
1 本発明による固定リング
1a リング本体
2、2a カット部隙間
3、3a
テーパ
4a 空洞
軸受
軸受内輪
7 内輪延長部
8 スリット

10 プーリ
11 プーリハブ
12 ハブ延長部
13 スリット
a 本発明による固定リングの半径方向肉厚
b 本発明による固定リングの軸方向肉厚
c 内輪延長部の長さ
d 内輪延長部の肉厚

Claims (4)

  1. 環状のリング本体及び楔からなり、前記リング本体の一部が径方向にカットされ、カット部隙間を縮小することによって軸を抱き込み、リング類を所定位置に固定する固定リングにおいて、前記カット部隙間に前記楔を径方向に押し込んだときに前記リング本体が開くように拡張されて前記軸とすきまばめとなり、前記楔を取り外したときに前記リング本体がそれ自体の弾性により閉じるように縮小して前記軸を抱き込み、しまりばめとなり、前記楔を取り外した状態で前記リング本体のみでリング類を固定することを特徴とする固定リング。
  2. 環状のリング本体及び楔からなり、前記リング本体の一部が径方向にカットされ、カット部隙間を縮小することによって軸を抱き込み、軸受を軸に固定する固定リングにおいて、
    前記軸受は、軸受の内輪より外径が小さく、内輪の肉厚より薄い内輪延長部が内輪端部から軸方向に延びており、該内輪延長部に周方向に間隔をおいて軸方向に内輪端部から先端まで延びる複数のスリットが切られており、
    前記固定リングは、内径が前記内輪延長部の肉厚の2倍と前記軸の外径との和より小さく、前記リング本体の一部が径方向にカットされ、カット部隙間に前記楔を径方向に押し込んだときに前記リング本体が開くように拡張されて前記内輪延長部とすきまばめとなり、前記楔を取り外したときに前記リング本体がそれ自体の弾性により閉じるように縮小して前記内輪延長部を抱き込み、しまりばめとなり、前記楔を取り外した状態で前記リング本体のみで前記軸受を軸に固定することを特徴とする固定リング。
  3. プーリのハブより外径が小さく、前記ハブの肉厚より薄いハブ延長部がハブ端部から軸方向に延びており、該ハブ延長部に周方向に間隔をおいて軸方向にハブ端部から先端まで延びる複数のスリットが切られており、カット部隙間に前記楔を径方向に押し込んだときに前記リング本体が開くように拡張されて前記ハブ延長部とすきまばめとなり、前記楔を取り外したときに前記リング本体がそれ自体の弾性により閉じるように縮小して前記ハブ延長部を抱き込み、しまりばめとなり、前記軸に嵌め込まれたプーリを所定の位置に固定する請求項1記載の固定リング。
  4. 前記軸に嵌め込んだ固定リング自体を所定の位置に固定させて位置決めリングとする請求項1記載の固定リング。
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