JP4679768B2 - 軟判定復号装置及び軟判定復号方法 - Google Patents

軟判定復号装置及び軟判定復号方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、軟判定を実施して光信号を復号する軟判定復号装置及び軟判定復号方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は例えば「Omar AIT SAB,“FEC Contribution in submarine transmission systems”,SubOptic2001,paper.P4.2.6,Kyoto,2001」に示された従来の軟判定復号装置を示す構成図であり、図において、1は伝送路である光ファイバ、2は光ファイバ1から光信号を受信すると、その光信号を電気信号(以下、受信信号と称する)に変換するフロントエンド、3は相互に異なる複数の識別レベルと受信信号を比較し、その比較結果である2値信号を出力するマルチレベル識別器である。
【0003】
4はマルチレベル識別器3の比較結果が反転する識別点(識別レベル)を判別し、その識別点を示す情報(以下、信頼度情報と称する)を当該2値信号に付加して、qビットの2進信号(軟判定結果)を出力するバイナリエンコーダ、5は直列/並列変換回路、6はqビットの2進信号に基づいて誤り訂正の繰返し復号を実施するブロックターボ復号器である。
【0004】
次に動作について説明する。
まず、光ファイバ10029中を伝送される光信号は、途中の光増幅器による雑音加算や光ファイバ1の分散と非線形効果による波形歪などの影響を受けて、品質が劣化する。
従来の軟判定復号装置は、品質が劣化している光信号を正確に復号するために軟判定を実施して誤り訂正を行うようにしている。
【0005】
フロントエンド2は、光ファイバ1から光信号を受信すると、その光信号を電気信号に変換し、その電気信号を受信信号としてマルチレベル識別器3に出力する。
マルチレベル識別器3は、フロントエンド2から受信信号を受けると、相互に異なる複数の識別レベルと受信信号を比較し、その比較結果である2値信号を出力する。即ち、受信信号が識別レベルより大きければ“1”の信号を出力し、受信信号が識別レベルより小さければ“0”の信号を出力する。なお、図9の例では、7つの識別レベルと比較しているので、7つの2値信号を出力する。
【0006】
バイナリエンコーダ4は、マルチレベル識別器3から複数の2値信号を受けると、マルチレベル識別器3の比較結果が反転する識別点を判別する。
例えば、7つの識別レベルと比較する場合において、1,2番目に大きい識別レベルとの比較結果が“0”、3〜7番目に大きい識別レベルとの比較結果が“1”である場合、2番目に大きい識別レベルと3番目に大きい識別レベルの間で、比較結果が反転しているので、この2つの識別レベル間が識別点であると判別する。
【0007】
バイナリエンコーダ4は、上記のようにして比較結果が反転する識別点を判別すると、その識別点を示す情報を当該2値信号に付加して、qビットの2進信号(軟判定結果)を出力する。
なお、その識別点を示す情報は、比較結果の確からしさを示す信頼度情報となり、qビットのうち、下位q−1ビットが信頼度情報になるので、例えば、q=3の場合、下位2ビットが信頼度情報になる。したがって、バイナリエンコーダ4の出力するqビットの2進信号は、“111,110,101,100,000,001,010,011”の何れかとなる。
ただし、上記例では、中間の識別レベル(4番目に大きい識別レベル)との比較結果が“1”であるので、バイナリエンコーダ4の出力するqビットの2進信号は、“111,110,101,100”の何れかとなる。
【0008】
直列/並列変換回路5は、バイナリエンコーダ4が軟判定結果であるqビットの2進信号をシリアル出力すると、直列/並列変換を実施して、qビットの2進信号をパラレル出力する。
ブロックターボ復号器6は、所定の復号アルゴリズムを実行することにより、qビットの2進信号に基づいて誤り訂正の繰返し復号を実施する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の軟判定復号装置は以上のように構成されているので、光信号の品質が劣化しても、ある程度は誤り訂正を実施することができるが、比較結果が反転する識別点が中間の識別レベルの近傍である場合(信頼度情報が低い場合)、精度よく誤り訂正を実施することができない課題があった。
【0010】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、精度よく誤り訂正を実施することができる軟判定復号装置及び軟判定復号方法を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る軟判定復号装置は、軟判定手段から出力された軟判定結果が、複数の識別レベルに含まれている所定の中間の識別レベルと近傍の軟判定結果である場合、変更手段が、その軟判定結果の隣接ビットの符号の種類に基づいて、その軟判定結果を確からしい符号寄りに変更するようにしたものである。
【0012】
この発明に係る軟判定復号装置は、軟判定結果の信頼度情報が所定レベルより低い場合、前2ビット及び後ろ2ビットの符号が“0”であれば、変更手段がその軟判定結果を“1”寄りに変更するようにしたものである。
【0013】
この発明に係る軟判定復号装置は、軟判定結果の信頼度情報が所定レベルより低い場合、前2ビット及び後ろ2ビットの符号が“1”であれば、変更手段がその軟判定結果を“0”寄りに変更するようにしたものである。
【0014】
この発明に係る軟判定復号装置は、軟判定結果の信頼度情報が所定レベルより低い場合、前2ビットの符号が“0”であって、後ろ2ビットの符号が“1”であれば、変更手段がその軟判定結果を“1”寄りに変更するようにしたものである。
【0015】
この発明に係る軟判定復号装置は、軟判定結果の信頼度情報が所定レベルより低い場合、前2ビットの符号が“1”であって、後ろ2ビットの符号が“0”であれば、変更手段がその軟判定結果を“0”寄りに変更するようにしたものである。
【0016】
この発明に係る軟判定復号装置は、変更手段が信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれているトレーニングバイトを参照して伝送系の符号間干渉量を推定し、その符号間干渉量に基づいて当該軟判定結果の変更度合を決定するようにしたものである。
【0017】
この発明に係る軟判定復号装置は、軟判定結果の変更規則が信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれている場合、変更手段がその変更規則にしたがって軟判定結果を変更するようにしたものである。
【0018】
この発明に係る軟判定復号装置は、変更手段が既知のビットパターンに係る誤り率に応じて軟判定結果の変更規則を動的に変更するようにしたものである。
【0019】
この発明に係る軟判定復号方法は、受信信号の軟判定結果が、複数の識別レベルに含まれている所定の中間の識別レベルと近傍の軟判定結果であれば、その軟判定結果の隣接ビットの符号の種類に基づいて、その軟判定結果を確からしい符号寄りに変更するようにしたものである。
【0020】
この発明に係る軟判定復号方法は、信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれているトレーニングバイトを参照して伝送系の符号間干渉量を推定し、その符号間干渉量に基づいて当該軟判定結果の変更度合を決定するようにしたものである。
【0021】
この発明に係る軟判定復号方法は、軟判定結果の変更規則が信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれている場合、その変更規則にしたがって軟判定結果を変更するようにしたものである。
【0022】
この発明に係る軟判定復号方法は、既知のビットパターンに係る誤り率に応じて軟判定結果の変更規則を動的に変更するようにしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による軟判定復号装置を示す構成図であり、図において、11は伝送路である光ファイバ、12は光ファイバ11から光信号を受信すると、その光信号を電気信号(以下、受信信号と称する)に変換するフロントエンド、13は相互に異なる複数の識別レベルと受信信号を比較し、その比較結果である2値信号を出力するマルチレベル識別器、14はマルチレベル識別器13の比較結果が反転する識別点(識別レベル)を判別し、その識別点を示す情報(以下、信頼度情報と称する)を当該2値信号に付加して、qビットの2進信号(軟判定結果)を出力するバイナリエンコーダである。なお、フロントエンド12、マルチレベル識別器13及びバイナリエンコーダ14から軟判定手段が構成されている。
【0024】
15はバイナリエンコーダ14から出力されたqビットの2進信号を前後の符号を考慮して変更する重み付け回路(変更手段)、16は直列/並列変換回路、17はqビットの2進信号に基づいて誤り訂正の繰返し復号を実施するブロックターボ復号器である。なお、直列/並列変換回路16及びブロックターボ復号器17から復号手段が構成されている。
図5はこの発明の実施の形態1による軟判定復号方法を示すフローチャートである。
【0025】
次に動作について説明する。
最初に光通信の符号間干渉について説明する。図2はある情報ビット列“0,1,0,0,1,1,1,0”について、符号間干渉がある場合とない場合のフロントエンド12の波形を模式的に示している。
ただし、光信号の符号形式はReturn−to−zero、フロントエンド12には等化フィルタが含まれているものとする。
【0026】
一般的に光伝送系には、送信機、伝送路及び受信機の3要素で決定される伝達関数が存在し、その良し悪しによって受信機のフロントエンド12の出力波形に歪みが現れる。
ナイキストフィルタと呼ばれる形状の伝達関数を有する系、即ち、理想的な伝達関数を有する系では、図2(a)に示すように、各ビットが隣接ビットに干渉しない(歪みのない)波形が得られる。波形歪みによって隣接ビットに干渉する現象は「符号間干渉」と呼ばれ、パルスの裾引きなどで知られている。
【0027】
一方、図2(b)は符号間干渉のある場合の受信機のフロントエンド12の出力波形である。実際の光伝送系では、理想的な伝達関数を得ることが極めて難しいため、一般的には図2(b)に示すように、“0”が連続した後の“1”が立ち上がりきらず、次ビットに裾を引く波形となる。2ビット目の“1”に着目すると、本来7ビット目の“1”が到達している点線レベルまで立ち上がるべき波形がそこまで至らず、次の3ビット目で“0”に立ち下がるところが緩やかに裾を引き3ビット目の識別点(タイムスロットの真中)で“0”に立ち下がりきっていない。これは、系の周波数帯域が不足する場合に特によく起きるものであり、高ビットレートになればなる程、この現象は起こりやすい。
【0028】
図3は符号間干渉が存在する場合、どうようなビット列に着目すべきかを示す説明図である。
判定対象ビットに前後2ビットを加えた5ビットのワードを考える。図3に示すように“010,010,000,011,010”という軟判定結果が得られたとする。ここで、下位2ビットは信頼度情報を表している。
【0029】
通常“*00”は最も信頼度が低いため、この例の真中のビットの軟判定結果“000”は最も不確かであるが、前後を比較的高い信頼度の“0”で挟まれているため、真中のビットは立ち上がりきっていないと考えるのが妥当である。従って、1ポイント“1”寄りの判定結果に置き換えることがふさわしい。この場合、信頼度情報は変わらず“00”で判定符号を“0”から“1”に変更することになる。
因みに、5ビットのワードの軟判定結果が“010,010,100,011,010”であれば、図3(b)に示すように、真中のビット“100”は“101”とするのが望ましい。
【0030】
以下、図1の軟判定復号装置の動作を具体的に説明する。
まず、フロントエンド12は、光ファイバ11から光信号を受信すると、その光信号を電気信号に変換し、その電気信号を受信信号としてマルチレベル識別器13に出力する(ステップST1)。
マルチレベル識別器13は、フロントエンド12から受信信号を受けると、相互に異なる複数の識別レベルと受信信号を比較し、その比較結果である2値信号を出力する(ステップST2)。即ち、受信信号が識別レベルより大きければ“1”の信号を出力し、受信信号が識別レベルより小さければ“0”の信号を出力する。なお、図1の例では、7つの識別レベルと比較しているので、7つの2値信号を出力する。
【0031】
バイナリエンコーダ14は、マルチレベル識別器13から複数の2値信号を受けると、マルチレベル識別器13の比較結果が反転する識別点を判別する(ステップST3)。
例えば、7つの識別レベルと比較する場合において、1,2番目に大きい識別レベルとの比較結果が“0”、3〜7番目に大きい識別レベルとの比較結果が“1”である場合、2番目に大きい識別レベルと3番目に大きい識別レベルの間で、比較結果が反転しているので、この2つの識別レベル間が識別点であると判別する。
【0032】
バイナリエンコーダ14は、上記のようにして比較結果が反転する識別点を判別すると、その識別点を示す情報を当該2値信号に付加して、qビットの2進信号(軟判定結果)を出力する(ステップST4)。
なお、その識別点を示す情報は、比較結果の確からしさを示す信頼度情報となり、qビットのうち、下位q−1ビットが信頼度情報になるので、例えば、q=3の場合、下位2ビットが信頼度情報になる。したがって、バイナリエンコーダ4の出力するqビットの2進信号は、“111,110,101,100,000,001,010,011”の何れかとなる。
ただし、上記例では、中間の識別レベル(4番目に大きい識別レベル)との比較結果が“1”であるので、バイナリエンコーダ14の出力するqビットの2進信号は、“111,110,101,100”の何れかとなる。
【0033】
重み付け回路15は、バイナリエンコーダ14からqビットの2進信号を受けると、前後の符号を考慮してqビットの2進信号、即ち、軟判定結果の信頼度情報又は判定符号を変更する(ステップST5)。
以下、3ビットの軟判定結果を例にして変更処理を説明する。ただし、前後のビットは信頼度情報が“*10”(*は任意)以上であって、同符号であるとする。即ち、“011”もしくは“010”の組み合わせか、“111”もしくは“110”の組み合わせであるものとする。
【0034】
このとき、真中のビットの信頼度情報が“01”以下で低い場合、即ち、真中のビットが“001”,“000”,“100”,“101”である場合、例えば、真中のビットの軟判定結果を1つ上にずらすように変更する。つまり、“001”は“000”に、“000”は“100”に、“100”は“101”に、“101”は“110”にという具合に変更する。
【0035】
このように、軟判定結果を変更した方が望ましいと考えられるビット列は、少なくとも4通りある(図4を参照)。何れも前2ビット、後ろ2ビットが同符号のものである。
(a)のように“0,0”に挟まれた場合は、重み付け回路15によって1つ“1”寄りに書き換え、(b)のように“1,1”に挟まれた場合は、重み付け回路15によって1つ“0”寄りに書き換える。
また、(c)のように“0,0”から“1,1”に立ち上がる場合には、ひとつ“1”寄りに書き換え、(d)のように“1,1”から“0,0”に立ち下がる場合には、ひとつ“0”寄りに書き換える。
【0036】
直列/並列変換回路16は、重み付け回路15が軟判定結果であるqビットの2進信号をシリアル出力すると、直列/並列変換を実施して、qビットの2進信号をパラレル出力する(ステップST6)。
ブロックターボ復号器17は、所定の復号アルゴリズムを実行することにより、qビットの2進信号に基づいて誤り訂正の繰返し復号を実施する(ステップST7)。
【0037】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、重み付け回路15がバイナリエンコーダ14から出力された軟判定結果を前後の符号を考慮して変更するようにした構成したので、軟判定結果の信頼度情報が低い場合でも、精度よく誤り訂正を実施することができる効果を奏する。
【0038】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2による軟判定復号装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
18は軟判定結果の信頼度情報に基づいて伝送系の符号間干渉量を推定し、その符号間干渉量に基づいて当該軟判定結果の変更度合を決定する変更度合決定部(変更手段)である。
図7はオーバヘッドの中にトレーニングバイトが配置されているフレームフォーマットを示す説明図である。図8はトレーニングバイトの一例を示す説明図であり、24ビットのトレーニングバイトには、図4で示した4パターン×2の8パターンをすべて含んでいる。それぞれのパターンの真中のビットを矢印で示している。
【0039】
次に動作について説明する。
上記実施の形態1では、軟判定結果の変更度合が固定的であるものについて示したが、変更度合決定部18が軟判定結果の信頼度情報に基づいて伝送系の符号間干渉量を推定することにより、その符号間干渉量に基づいて当該軟判定結果の変更度合を決定するようにしてもよい。
具体的には次の通りである。
【0040】
変更度合決定部18は、例えば、図8の左から“0,0,1,1,1”に着目すると、真中のビットはあらかじめ“1”であることが分かっているので、軟判定結果の信頼度情報が例えば“11”なのか“10”なのかによって、その伝送系の符号間干渉量を定量的に知ることができる。
仮に信頼度情報として“11”が最も多く観測されれば、この伝送系は符号間干渉が極めて小さく、このパターンにおいては、重み付け回路15が信頼度情報を変更する必要がないと判断する。
一方、仮に信頼度情報として“00”が一番多く観測されれば、符号間干渉が極めて大きいと判断できるため、このパターンにおいては、重み付け回路15が信頼度情報を2レベル上、即ち、“10”まで変更しても良いと判断する。
【0041】
このように、あらかじめ分かっている固定パターンをオーバヘッドにトレーニングバイトとして埋め込むことにより、その伝送系の符号間干渉量を知ることができるので、それに基づいて信頼度情報の変更度合を変えることにより、常に最適な信頼度情報を得ることができる。信頼度情報の変更度合は、あらかじめテーブル化しておき、時々刻々と得られる信頼度情報の確からしさの統計データをもとに、当該テーブルを動的に書き換えるようにする。そうすることで、伝送路の状態が時間的に変動するような場合でも、常に最適な信頼度情報を得ることができ、誤り訂正能力がさらに向上する。
【0042】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、軟判定結果の信頼度情報に基づいて伝送系の符号間干渉量を推定し、その符号間干渉量に基づいて当該軟判定結果の変更度合を決定するように構成したので、伝送路の状態が時間的に変動するような場合でも、精度よく誤り訂正を実施することができる効果を奏する。
【0043】
実施の形態3.
上記実施の形態1,2では、特に言及していないが、重み付け回路15における軟判定結果の変更規則が信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれている場合、その変更規則にしたがって軟判定結果を変更するようにしてもよい。
これにより、回路規模の増大を招くことなく、軟判定結果を変更することができる効果を奏する。
【0044】
また、重み付け回路15は、既知のビットパターンに係る誤り率に応じて軟判定結果の変更規則を動的に変更するようにしてもよい。
即ち、軟判定結果の変更規則が信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれている場合、随時、信頼度情報とそれに対応して発生する誤り率とを比較し、その比較結果に応じて軟判定結果の変更規則を動的に変更する。
これにより、装置交換や時間変動などで、伝送系のパラメータが変わった場合でも、特に調整を施すことなく、誤り訂正能力を高めることができる効果を奏する。
【0045】
上記実施の形態1〜3では、軟判定復号装置を光受信機に適用する例について示したが、本発明の原理を適用できるものであれば、無線、有線に拘わらず、如何なる受信機にも適用可能であることは言うまでもない。
また、上記実施の形態1〜3では、誤り訂正復号器としてブロックターボを用いるものについて示したが、軟判定を用いる方式であれば、これに限るものではない。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、軟判定手段から出力された軟判定結果が、複数の識別レベルに含まれている所定の中間の識別レベルと近傍の軟判定結果である場合、変更手段が、その軟判定結果の隣接ビットの符号の種類に基づいて、その軟判定結果を確からしい符号寄りに変更するように構成したので、軟判定結果の信頼度情報が低い場合でも、精度よく誤り訂正を実施することができる効果がある。
【0047】
この発明によれば、軟判定結果の信頼度情報が所定レベルより低い場合、前2ビット及び後ろ2ビットの符号が“0”であれば、変更手段がその軟判定結果を“1”寄りに変更するように構成したので、誤り訂正能力を高めることができる効果がある。
【0048】
この発明によれば、軟判定結果の信頼度情報が所定レベルより低い場合、前2ビット及び後ろ2ビットの符号が“1”であれば、変更手段がその軟判定結果を“0”寄りに変更するように構成したので、誤り訂正能力を高めることができる効果がある。
【0049】
この発明によれば、軟判定結果の信頼度情報が所定レベルより低い場合、前2ビットの符号が“0”であって、後ろ2ビットの符号が“1”であれば、変更手段がその軟判定結果を“1”寄りに変更するように構成したので、誤り訂正能力を高めることができる効果がある。
【0050】
この発明によれば、軟判定結果の信頼度情報が所定レベルより低い場合、前2ビットの符号が“1”であって、後ろ2ビットの符号が“0”であれば、変更手段がその軟判定結果を“0”寄りに変更するように構成したので、誤り訂正能力を高めることができる効果がある。
【0051】
この発明によれば、変更手段が信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれているトレーニングバイトを参照して伝送系の符号間干渉量を推定し、その符号間干渉量に基づいて当該軟判定結果の変更度合を決定するように構成したので、伝送路の状態が時間的に変動するような場合でも、精度よく誤り訂正を実施することができる効果がある。
【0052】
この発明によれば、軟判定結果の変更規則が信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれている場合、変更手段がその変更規則にしたがって軟判定結果を変更するように構成したので、回路規模の増大を招くことなく、軟判定結果を変更することができる効果がある。
【0053】
この発明によれば、変更手段が既知のビットパターンに係る誤り率に応じて軟判定結果の変更規則を動的に変更するように構成したので、装置交換や時間変動などで、伝送系のパラメータが変わった場合でも、特に調整を施すことなく、誤り訂正能力を高めることができる効果がある。
【0054】
この発明によれば、受信信号の軟判定結果が、複数の識別レベルに含まれている所定の中間の識別レベルと近傍の軟判定結果であれば、その軟判定結果の隣接ビットの符号の種類に基づいて、その軟判定結果を確からしい符号寄りに変更するように構成したので、軟判定結果の信頼度情報が低い場合でも、精度よく誤り訂正を実施することができる効果がある。
【0055】
この発明によれば、信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれているトレーニングバイトを参照して伝送系の符号間干渉量を推定し、その符号間干渉量に基づいて当該軟判定結果の変更度合を決定するように構成したので、伝送路の状態が時間的に変動するような場合でも、精度よく誤り訂正を実施することができる効果がある。
【0056】
この発明によれば、軟判定結果の変更規則が信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれている場合、その変更規則にしたがって軟判定結果を変更するように構成したので、回路規模の増大を招くことなく、軟判定結果を変更することができる効果がある。
【0057】
この発明によれば、既知のビットパターンに係る誤り率に応じて軟判定結果の変更規則を動的に変更するように構成したので、装置交換や時間変動などで、伝送系のパラメータが変わった場合でも、特に調整を施すことなく、誤り訂正能力を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による軟判定復号装置を示す構成図である。
【図2】 符号間干渉を示す説明図である。
【図3】 符号間干渉が存在する場合、どうようなビット列に着目すべきかを示す説明図である。
【図4】 軟判定結果を変更した方が望ましいと考えられるビット列を示す説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による軟判定復号方法を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2による軟判定復号装置を示す構成図である。
【図7】 オーバヘッドの中にトレーニングバイトが配置されているフレームフォーマットを示す説明図である。
【図8】 トレーニングバイトの一例を示す説明図である。
【図9】 従来の軟判定復号装置を示す構成図である。
【符号の説明】
11 光ファイバ、12 フロントエンド(軟判定手段)、13 マルチレベル識別器(軟判定手段)、14 バイナリエンコーダ(軟判定手段)、15 重み付け回路(変更手段)、16 直列/並列変換回路(復号手段)、17 ブロックターボ復号器(復号手段)、18 変更度合決定部(変更手段)。

Claims (14)

  1. 光信号を受信すると、その受信信号を複数の識別レベルと比較して、その受信信号の軟判定結果を出力する軟判定手段と、
    上記軟判定手段から出力された軟判定結果が、上記複数の識別レベルに含まれている所定の中間の識別レベルと近傍の軟判定結果である場合、上記軟判定結果の隣接ビットの符号の種類に基づいて、上記軟判定結果を確からしい符号寄りに変更する変更手段と、
    上記変更手段により軟判定結果が変更された場合、変更後の軟判定結果に基づいて誤り訂正を実施し、上記変更手段により軟判定結果が変更されていない場合、上記軟判定手段から出力された軟判定結果に基づいて誤り訂正を実施する復号手段と
    を備えた軟判定復号装置。
  2. 光信号を受信すると、その受信信号を複数の識別レベルと比較して、その受信信号の軟判定結果を出力する軟判定手段と、
    上記軟判定手段から出力された軟判定結果が、上記複数の識別レベルに含まれている所定の中間の識別レベルと近傍の軟判定結果である場合、上記軟判定結果の同符号で連続する隣接ビットの符号の種類に基づいて、上記軟判定結果を確からしい符号寄りに変更する変更手段と、
    上記変更手段により軟判定結果が変更された場合、変更後の軟判定結果に基づいて誤り訂正を実施し、上記変更手段により軟判定結果が変更されていない場合、上記軟判定手段から出力された軟判定結果に基づいて誤り訂正を実施する復号手段と
    を備えた軟判定復号装置。
  3. 変更手段は、軟判定結果の信頼度情報が所定レベルより低い場合、前2ビット及び後ろ2ビットの符号が“0”であれば、その軟判定結果を“1”寄りに変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軟判定復号装置。
  4. 変更手段は、軟判定結果の信頼度情報が所定レベルより低い場合、前2ビット及び後ろ2ビットの符号が“1”であれば、その軟判定結果を“0”寄りに変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軟判定復号装置。
  5. 変更手段は、軟判定結果の信頼度情報が所定レベルより低い場合、前2ビットの符号が“0”であって、後ろ2ビットの符号が“1”であれば、その軟判定結果を“1”寄りに変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軟判定復号装置。
  6. 変更手段は、軟判定結果の信頼度情報が所定レベルより低い場合、前2ビットの符号が“1”であって、後ろ2ビットの符号が“0”であれば、その軟判定結果を“0”寄りに変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軟判定復号装置。
  7. 変更手段は、軟判定手段から出力された軟判定結果を変更する際、信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれているトレーニングバイトを参照して伝送系の符号間干渉量を推定し、その符号間干渉量に基づいて当該軟判定結果の変更度合を決定することを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の軟判定復号装置。
  8. 変更手段は、軟判定結果の変更規則が信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれている場合、その変更規則にしたがって軟判定結果を変更することを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の軟判定復号装置。
  9. 変更手段は、既知のビットパターンに係る誤り率に応じて軟判定結果の変更規則を動的に変更することを特徴とする請求項記載の軟判定復号装置。
  10. 光信号を受信すると、その受信信号を複数の識別レベルと比較して、その受信信号の軟判定結果を出力し、その軟判定結果が、上記複数の識別レベルに含まれている所定の中間の識別レベルと近傍の軟判定結果であれば、その軟判定結果の隣接ビットの符号の種類に基づいて、その軟判定結果を確からしい符号寄りに変更し、その軟判定結果に基づいて誤り訂正を実施する一方、上記受信信号の軟判定結果を変更しなければ、その軟判定結果に基づいて誤り訂正を実施する軟判定復号方法。
  11. 光信号を受信すると、その受信信号を複数の識別レベルと比較して、その受信信号の軟判定結果を出力し、その軟判定結果が、上記複数の識別レベルに含まれている所定の中間の識別レベルと近傍の軟判定結果であれば、その軟判定結果の同符号で連続する隣接ビットの符号の種類に基づいて、その軟判定結果を確からしい符号寄りに変更し、その軟判定結果に基づいて誤り訂正を実施する一方、上記受信信号の軟判定結果を変更しなければ、その軟判定結果に基づいて誤り訂正を実施する軟判定復号方法。
  12. 軟判定結果を変更する際、信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれているトレーニングバイトを参照して伝送系の符号間干渉量を推定し、その符号間干渉量に基づいて当該軟判定結果の変更度合を決定することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の軟判定復号方法。
  13. 軟判定結果の変更規則が信号フレームのオーバヘッドに埋め込まれている場合、その変更規則にしたがって軟判定結果を変更することを特徴とする請求項10から請求項12のうちのいずれか1項記載の軟判定復号方法。
  14. 既知のビットパターンに係る誤り率に応じて軟判定結果の変更規則を動的に変更することを特徴とする請求項13記載の軟判定復号方法。
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