JP4679767B2 - 射出成形機における逆流防止装置 - Google Patents

射出成形機における逆流防止装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱シリンダの内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュの先端部に取り付けられているスクリュヘッドと、該スクリュヘッドの小径部に挿通する形で、前記スクリュの先端部と前記スクリュへッドのヘッド部との間に軸方向に移動可能に設けられている環状の逆止リングとからなり、前記逆止リングの内周面と前記スクリュヘッドの小径部の外周面との間に所定断面積の樹脂通路が形成されている、射出成形機における逆流防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
射出成形機は、文献名を挙げるまでもなく従来周知で、概略的には加熱シリンダと、この加熱シリン内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュとからなっている。このような射出成形機は、そのスクリュの形式により逆止リング付きの射出成形機と、逆止リングを備えていない射出成形機とに大別できる。また、逆止リングの方から区別すると、スクリュと共に回転する供回り式と、スクリュの回転とは連動しない非供回り式とに分けられる。
【0003】
従来の供回り式のスクリュヘッドの近傍の要部が、図5の(a)に示されている。すなわち、この射出成形機は、加熱シリンダ50と、この加熱シリンダ50の内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュ51とからなっている。スクリュ51の先端部には、押金52が装着されてスクリュヘッド53がネジによりスクリュ51の先端部に取り付けられている。そして、このスクリュヘッド53の軸部に逆止リング54が装着されている。押金52には、その前方に円錐形の座55が形成され、この座55に対応して逆止リング53の後端部には、逆円錐形の弁座56が形成されている。また、逆止リング54の先端部には、軸方向に所定深さに切り欠かれて溝57が形成されている。そして、この溝57にスクリュヘッド53に固着されているピン58が緩く嵌っている。したがって、スクリュ51が回転駆動されるときは、逆止リング54も回転駆動される。なお、スクリュヘッド53の軸部の外周面と、逆止リング54の内周面との間には所定の間隔があり、溶融樹脂の樹脂通路59が確保されている。
【0004】
非供回り式の射出成形機の例が図5の(b)に示されている。図5の(a)に示されている供回り式の構成要素と同じ要素には同じ参照数字を付けて重複説明はしないが、本射出成形機は、逆止リング54’を装着してから当金53’が付いているスクリュヘッド53をスクリュ51の先端部にネジにより固定されるようになっている。このスクリュヘッド53と、逆止リング54’とは、機械的には関係がない。したがって、スクリュ51すなわちスクリュヘッド53が回転駆動されても、逆止リングは回転しないことになる。
【0005】
次に、上記従来例の作用について説明する。可塑化工程では、樹脂材料を加熱シリンダ50に供給すると共にスクリュ51を回転駆動する。そうすると、樹脂材料は従来周知のようにして可塑化され、逆止リング54’は可塑化される溶融樹脂の圧力により前方へ押される。この結果、押金52の座55から逆止リング54の弁座56が離間し、樹脂通路が確保される。これにより、溶融樹脂はスクリュヘッド53の先端部のリザーバ50’へ送られる。このとき、供回り式の逆止リング54は、ピン57を介してスクリュ51と共に回転駆動される。リザーバ50’に蓄えられる溶融樹脂の圧力により、スクリュ51が後退し、所定量蓄積して可塑化工程を終わる。
【0006】
また、使用する樹脂材料の種類例えば低粘度樹脂材料、成形条件等によっては可塑化工程後に、スクリュ51を回転させることなく図5において右方すなわち後進させる、いわゆるサックバックを実施する。これにより、リザーバ50’側の樹脂圧力が減圧され、金型を開く型開時、加熱シリンダ50の先端に取り付けられている射出ノズルの後退時等において溶融樹脂が射出ノズルの先端から外部へ流れ出すドルーリングすなわち鼻たれ現象を防止することができる。
【0007】
次いで、射出工程に入る。スクリュ51を図5において左方へ駆動する。そうすると、リザーバ50’の樹脂圧力が上昇し逆止リング54、54’が右方へ押され、逆止リング54、54’の弁座56が押金52の座55に着座する。これにより、リザーバ50’側の溶融樹脂は、スクリュ51側へ漏れることなく、所定量の溶融樹脂が型締された金型へ射出充填されることになる。冷却固化を待って金型を開くと成形品が得られる。
【0008】
上記のように従来の逆止リング54、54’を備えた射出成形機によっても成形品を得ることは出来るし、共回り式の逆止リング54によると、加熱シリンダ50の内周壁に付着する滞留溶融樹脂が掻き取られる効果があり、また逆止リング54のリザーバ50’側への移動がピン58で規制されるようになって、構造が簡単になるという利点もある。一方、非供回り式の逆止リング54’によると、逆止リング54’の外周面の耐摩耗性に優れ、また加熱シリンダ50の内周面と逆止リング54’の外周面との隙間から溶融樹脂が逆流する量を減らす効果が得られる。
【0009】
しかしながら、上記した従来の逆流防止装置では溶融樹脂の一部が望ましくない方向へ逆流あるいは漏れる欠点がある。すなわち、第1番目の欠点は、可塑化完了から射出開始までの間は、スクリュ51側の圧力が高いので、逆止リング54、54’を左方向へ押す力が作用し、その弁座56が押金52の座55から離間し、スクリュ51側からリバーザ50’側へ逆流する欠点がある。この状態が図6の(a)に示されている。第2番目に、図6の(b)に示されているように、射出中は、リザーバ50’側の圧力は高くなるので、逆止リング54、54’の弁座56は、押金52の座55に着座し逆流は起こらないが、射出を開始してから、逆止リングの弁座56が押金52の座55に着座するまでの間に溶融樹脂が逆流する。第3番目の欠点は、図6の(c)に示されているように、加熱シリンダ50の内周面と逆止リング54、54’の外周面との間の隙間から漏れることである。第4番目に、図6の(d)に示されているように、サックバック工程後に、スクリュ51側からリザーバ50’側へ逆流する。なぜならば、加熱シリンダ50の内周面と逆止リング54、54’の内周面との間には摩擦抵抗があるので、スクリュ51を後退させるとき、逆止リング54、54’はスクリュ51の後退動作に完全に追従することなく残る。しかも、スクリュ51が後退するので、リザーバ50’側の圧力は強制的に減圧され、スクリュ51側の高圧の溶融樹脂は容易にリザーバ50’の方へ逆流する。
【0010】
上記の第3番の逆流は、図5の(b)に示されているような非供回り式の逆止リング54’の適用、加熱シリンダ50の内周面と逆止リング54、54’の外周面との間の隙間の最適化、工作精度の向上等により、ある程度抑えることはできる。しかしながら、第1、2および4番目の逆流は、上記した従来の逆流防止装置の構造では回避できないものである。
【0011】
このような逆流が生じると、射出工程で充填される溶融樹脂材料の充填量が不安定になり、成形品の重量変動、ショートショット、バリ等の成形品の品質低下を招く主要因となる。そこで、特公昭59−47979号公報、特開昭62−19423号公報、特開平4−86232号、特開平4−119812号、特開平4−351518号、特許第3017081号明細書、特開平11−34128号、特許第2966779号明細書等により多数の逆流防止装置が提案されている。
【0012】
上記の公報に開示されている逆流防止装置は、逆止リングを積極的にスクリュの先端部に設けられているシールリングに着座させるもので、このような逆流防止装置の中で、本発明の先行技術としては特開平4−351518号公報と特許第3017081号明細書を挙げることができる。前者の特開平4−351518号に示されている逆流防止装置は、スクリュの先端部に設けられているシールリング、このシールリングの前方に軸方向に移動自在に設けられている逆止リング、この逆止リングをスクリュの先端部に止めているスクリュヘッド等からなっている。そして、スクリュヘッドの逆止リングに向いた位置には係止溝が形成され、逆止リングには前記係止溝の内部に臨んでいるテーパ面を有する爪が形成されている。したがって、スクリュを正回転方向に回転駆動して、従来周知のように可塑化し、可塑化終了後スクリュを逆方向に回転駆動すると、スクリュヘッドの係止溝の端部が逆止リングの爪に形成されているテーパ面に当接し、逆止リングをスクリュのシールリングの方へ押す。これにより、逆止リングの後端部がシールリングに着座し、リザーバあるいは計量室の溶融樹脂が、射出工程時にスクリュの方へ逆流することが防止される。
【0013】
一方、特許第3017081号明細書に記載されている逆流防止装置も、上記逆流防止装置と同様にスクリュの先端部に設けられているシールリング、このシールリングの前方に軸方向に移動自在に設けられている環状の逆止リング、この環状の逆止リングをスクリュの先端部に止めているスクリュヘッド等からなっている。そして、スクリュヘッドの小径部の円周面には軸方向に延びる複数個の溝が形成されている。また、環状の逆止リングの前方には、前記溝に対応した弧状突片が形成されている。したがって、スクリュを正方向に回転駆動すると、スクリュヘッドの本体部が孤状突片に当たる。この正方向に回転して当たった位置は、リザーバ側とスクリュ側とが連通する位置であるので、スクリュの回転駆動を続行することにより、従来周知のようにして樹脂材料を可塑化することが出来る。また、可塑化終了後スクリュを逆方向に所定量回転駆動すると、スクリュヘッドの本体部は今度も孤状突片に当たる。この当たった位置は、今度はリザーバ側とスクリュ側とが閉鎖される位置である。これにより、スクリュを後方へ駆動するサックバックあるいはスクリュを軸方向に駆動して射出することも出来る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記従来の逆流防止装置によっても、樹脂材料を可塑化することも、また射出・保圧工程時に溶融樹脂の逆流を一応防止することもできるが、従来の逆流防止装置には色々な改良すべき点あるいは問題点が認められる。例えば、前者の逆流防止装置は、スクリュを逆回転させて爪に形成されているテーパ面により逆止リングを後退させて、シールリングに着座させても、逆回転を停止すると、スクリュ側に存在する高圧の樹脂圧力が逆止リングに前方へ押す力が加わっているので、逆止リングはテーパ面に沿って前方へ移動し、シールリングから離間する可能性がある。離間すると、逆流防止効果はなくなる。また、可塑化終了後にサックバックを実施した場合、加熱シリンダの内周壁と逆止リングの外周壁との間には摩擦抵抗があるので、スクリュを後退させても逆止リングはスクリュに追従することが出来ずに、逆止リングはその位置に留まり、シールリングから離間する可能性がある。このように、従来の逆流防止装置は、閉鎖動作に不確実な面を有している。
【0015】
一方、後者の特許第3017081号明細書に記載されている逆流防止装置は、可塑化時には溝を通った溶融樹脂が一方の孤状突片と他方の孤状突片との間に形成されている樹脂流路を通ってリザーバの方へ押し出されるようになっているので、樹脂流路の断面積が小さく、樹脂流路を通過するときの流動抵抗が増大し温度が上昇する恐れがある。その結果、使用する樹脂の種類によっては、樹脂焼け現象、サージング現象等を起こす可能性がある。また、このような現象が生じるので、樹脂流路の断面積を広くすることのできない小型の射出成形機の逆流防止装置としては適用し難い。さらには、樹脂流路の位置関係が、円周上の微妙な角度でずれ、樹脂流路の断面積が変動する危険性もある。例えば、可塑化工程においてスクリュ側から流動する溶融樹脂の圧力により、逆止リングと孤状突片が直ちに密着し、そしてスクリュヘッドに押しつけられ、逆止リング、孤状突片およびスクリュヘッドが一体化して供回りする可能性もある。このような状態は、樹脂通路の不完全な開放状態であり、樹脂流路の断面積は小さくなっている。したがって、前述したように樹脂焼け、サージング等が突然に発生し、成形品の品質の低下を招く。また、射出工程を実施する前にスクリュを逆回転するときも同様な角度のずれが発生する可能性があり、その結果樹脂流路は不完全は閉鎖状態となる。そうすると、溶融樹脂の逆流が生じ、今後はショートショット、ヒケのような成形不良を招く。また、構成部材数が比較的多く、構造が複雑でコスト高になり、さらには小型化あるいは耐久性を向上した設計をするときに制約を受けやすいという問題もある。
【0016】
本発明は、上記したような問題点を解決した逆流防止装置を提供することを目的とし、具体的には可塑化工程時にも、またサックバックあるいは射出工程時にも溶融樹脂の逆流がより完全に防止され、しかも構造は簡単で、溶融樹脂の樹脂通路は比較的大きく採れ、設計上の制約を受け難い逆流防止装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、逆止リングには後方あるいは前方のいずれの方向に駆動されても、スクリュあるいはスクリュヘッドの構成要素に形成されているシート座に着座する弁座が設けられる。また、スクリュを回転駆動するとき、逆止リングを強制的に軸方向に駆動して、弁座がシート座から離間するように、あるいは着座するように構成される。さらには、着座状態を維持するようにも構成される。また、複数個の逆流防止装置を組み合わせるようにも構成される。すなわち、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、加熱シリンダの内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュの先端部に取り付けられているスクリュヘッドと、該スクリュヘッドの小径部に挿通する形で、前記スクリュの先端部と前記スクリュへッドのヘッド部との間に軸方向に移動可能に設けられている環状の逆止リングとからなり、前記逆止リングの内周面と前記スクリュヘッドの小径部の外周面との間に所定断面積の樹脂通路が形成されている逆流防止装置であって、前記逆止リングには、前記スクリュの先端部のシート座に着座する後方弁座と前記ヘッド部のシート座に着座する前方弁座とが形成され、そして内側には複数個の滑り追従部からなるカム穴が形成されていると共に、前記スクリュヘッドには前記カム穴と共働するカム爪が設けられ、前記スクリュを正方向に回転駆動すると、前記カム爪が前記カム穴の所定の滑り追従部に当接して前記逆止リングを軸方向に駆動し、前記逆止リングの両弁座が前記両シート座から離間して開放状態になり、逆方向に回転駆動すると、他の滑り追従部に当接して前記逆止リングを軸方向に駆動し、前記逆止リングのいずれか一方の弁座が前記スクリュの先端部のシート座あるいは前記ヘッド部のシート座に着座して閉鎖状態になるように構成される。請求項2に記載の発明は、加熱シリンダの内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュの先端部に取り付けられているスクリュヘッドと、該スクリュヘッドの小径部に挿通する形で、前記スクリュの先端部と前記スクリュへッドのヘッド部との間に互いに近づく方向と離間する方向とに移動可能に設けられている複数個の環状の逆止リングとからなり、前記逆止リングの内周面と前記スクリュヘッドの小径部の外周面との間に所定断面積の樹脂通路が形成されている逆流防止装置であって、前記逆止リングには、前記スクリュの先端部のシート座に着座する後方弁座と前記ヘッド部のシート座に着座する前方弁座とが形成され、そして内側には前記複数個の逆止リングにまたがって複数個の滑り追従部からなるカム穴が形成されていると共に、前記スクリュヘッドには前記カム穴と共働するカム爪が設けられ、前記スクリュを正方向に回転駆動すると、前記カム爪が前記カム穴の所定の滑り追従部に当接して前記逆止リングを互いに近づく方向に駆動し、前記逆止リングの両弁座が前記両シート座から離間して開放状態になり、逆方向に回転駆動すると、他の滑り追従部に当接して前記逆止リングを互いに離間する方向に駆動し、前記逆止リングの両弁座が前記スクリュの先端部のシート座と前記ヘッド部のシート座に着座して閉鎖状態になるようように構成される。請求項3に記載の発明は、加熱シリンダの内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュの先端部に取り付けられているスクリュヘッドと、該スクリュヘッドの小径部に挿通する形で、前記スクリュの先端部と前記スクリュへッドのヘッド部との間に互いに離間する方向と近づく方向とに移動可能に設けられている複数個の環状の逆止リングと、前記複数個の逆止リングの間に介在する形で前記スクリュヘッドの小径部に設けられているシールリングとからなり、前記逆止リングの内周面と前記スクリュヘッドの小径部の外周面との間に所定断面積の樹脂通路が形成されている逆流防止装置であって、前記複数個の逆止リングには、前記シールリングの一方のシート座に着座する後方弁座と他方のシート座に着座する前方弁座とがそれぞれ形成され、そして側部には複数個の滑り追従部からなるカム穴が形成されていると共に、前記スクリュヘッドあるいはスクリュには前記カム穴と共働するカム爪がそれぞれ設けられ、前記スクリュを正方向に回転駆動すると、前記カム爪が前記カム穴の所定の滑り追従部に当接して前記逆止リングを互いに離間する方向に駆動し、前記複数個の逆止リングの弁座が前記シールリングのシート座から離間して開放状態になり、逆方向に回転駆動すると、他の滑り追従部に当接して前記複数個の逆止リングを互いに近づける方向に駆動し、前記複数個の逆止リングの弁座が前記シールリングのシート座に着座して閉鎖状態になるように構成され、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の逆流防止装置において、前記カム穴には、前記逆止リングの弁座が前記シート座に着座した閉鎖状態を維持するロック部が設けられ、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの項に記載の逆流防止装置と、他の逆流防止装置との組み合わせからなり、前記他の逆流防止装置は、その外周面が加熱シリンダの内周面に比較的密に接してスクリュの回転とは無関係で、軸方向に移動自在に設けられている環状の逆止リングからなり、前記逆止リングの内周面と、該逆止リングが挿通されている軸部の外周面との間には所定断面積の樹脂通路が形成されていると共に、前記逆止リングの端部にはスクリュへッドの構成要素に形成されているシート座に着座する弁座が形成され、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかの項に記載の逆流防止装置において、前記逆止リングの前方弁座と、前記ヘッド部のシート座あるいは前記シールリングのシート座との間には、前記前方弁座が前記シート座に着座するときも、多少の隙間があるように構成されている。そして、請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかの項に記載の逆流防止装置において、前記逆流防止リングの前方弁座には、溶融樹脂が作用する受圧面が前記スクリュ側に向いている複数個の切欠溝が形成されている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1の(a)は、樹脂通路が開放された状態を、そしてその(b)は閉鎖された状態をそれぞれ示す断面図であるが、図の表示を明瞭にするために、図1の(a)には主として逆止リング関係の構成要素の参照数字を入れ、スクリュおよび加熱シリンダ関係の参照数字は図1の(b)の方に記入して説明する。本発明の第1の実施の形態に係わる逆流防止装置は、スクリュ1の先端部に取り付けられている環状の押金2、この押金2の前方すなわち図1の(a)あるいは(b)において左方に、軸方向に移動自在に設けられている逆止リング10、スクリュ1の先端部にネジ止めされているスクリュヘッド40等から構成されている。
【0019】
軸方向に所定長の加熱シリンダ3は、図1には示されていないが従来周知のように、その外周部には個々に発熱温度が制御される複数個のヒータが設けられ、その先端部すなわち図1において左端部には射出ノズルが取り付けられ、その後方が計量室すなわちリザーバ4となっている。また、後方寄りには樹脂材料供給口が明けられ、その後端部にスクリュ駆動装置が設けられている。このように構成されている加熱シリンダ3の内部に、従来周知の形態をしたスクリュ1が設けられている。このスクリュ1は、可塑化時には加熱シリンダ3内で駆動装置により正方向に回転駆動され、射出時には軸方向に駆動されるようになっている。上記のように駆動されるスクリュ1の先端面は、平らな垂直面となり、この面から軸方向に所定深さに嵌合孔5が明けられ、この嵌合孔5の底部からは、小径のメネジ6がさらに所定深さに形成されている。このメネジ6にスクリュヘッド40のオネジが螺合される。
【0020】
環状の押金2は、リング状のシート部7と、このシート部7よりも小径の、筒状の挿入部とからなっている。シート部7の外径は、加熱シリンダ3の内径よりも小さく、その外周面と加熱シリンダ3の内周面路との間には、所定断面積の溶融樹脂の樹脂通路が確保されている。シート部7の前方部分すなわち逆止リング10側には、円錐台形のシート座2aが形成されている。このシート座2aに、詳しくは後述するように、射出時等に逆止リング10の後方弁座が着座するようになっている。
【0021】
逆止リング10は、軸方向に所定長さの筒状あるいは環状を呈し、その外周面は加熱シリンダ3の内周面に接し、そして軸方向に移動可能になっている。また、その内径は後述するスクリュヘッド40の小径部の外径よりも十分に大きい。これにより、逆止リング10の内周面とスクリュヘッド40の小径部の外周面との間に、所定断面積の第2の樹脂通路J2が構成される。このように構成されている逆止リング10の後端部には、押金2のシート座2aに着座する後方弁座10aが形成されている。この後方弁座10aは、図1に示されているように、後方へ向かって拡径されたテーパ面から構成されている。後方弁座10aと押金2のシート座2aとの間に、可塑化時に第1の樹脂通路J1が構成される。
【0022】
逆止リング10の前方端部には、前方弁座10bが形成されている。この前方弁座10bは、後方に向かって縮径されたテーパ面からなっている。このように、本実施の形態によると、弁座10a、10bが逆止リング10の両端部に形成されているので、逆止リング10が後方あるいは前方へ駆動されても、溶融樹脂の逆流が防止されることになる。
【0023】
上記のように構成されている逆止リング10の軸方向の略中心部には、透孔状のカム穴11が明けられている。このカム穴11は、後述するカム爪と共働するもので、図1の(a)に示されているように、スクリュ1の回転方向に関連して、第1〜3の滑り追従部12〜14と、第1、3の滑り追従部12、14の上端部から逆止リング10を横切る方向すなわち図1の(a)において上方へ直線上に延びている第1、2の直線部15、16とから、閉鎖された穴として形成されている。第1、2の滑り追従部12、13は、スクリュヘッド40が可塑化方向に回転駆動されるとき、カム爪に接して逆止リング10を開放位置へ駆動するもので、互いに逆方向に傾斜し、その合流点すなわち下端は谷部vになっている。この谷部vにカム爪が当たることで、逆止リング10の軸方向の妄りな移動が阻止される。また、第3の滑り追従部14は、スクリュ1が可塑化方向と逆の方向に回転駆動されるとき、カム爪に接して逆止リング10を閉鎖位置へ駆動するもので、第の滑り追従部13と略平行で、谷部vの上方に位置している。さらには、第1、2の直線部15、16は、所定量だけ上方へ延びてロック部17を構成している。
【0024】
スクリュヘッド40は、円錐形のヘッド部41と、このヘッド部41の後方の当金42と、該当金42から後方へ延びている小径部43と、この小径部43から更に後方へ延びている軸部とからなり、そして軸部にスクリュ1のメネジ6に螺合するオネジ44が形成されている。当金42の外経は、加熱シリンダ3の内径よりも小さく、これらの間には所定断面の樹脂通路が確保されている。当金42の後方側には、テーパ状に縮径されたシート座42bが形成されている。このシート座42bと逆止リング10の前方弁座10bとの間に、可塑化時に第3の樹脂通路J3が確保される。スクリュヘッド40の小径部43の外径は、逆止リング10の内径よりも十分に小さい。したがって、小径部43の外周面と逆止リング10の内周面との間には、前述したように、十分に大きな第2の樹脂通路J2が確保されている。また、小径部43は、逆止リング10よりも所定量だけ軸方向に長い。したがって、逆止リング10は、押金2と当金42との間を軸方向に移動可能である。
【0025】
上記のように構成されているスクリュヘッド40の小径部43に、第1の実施の形態ではピンの形状をしたカム爪18が設けられている。このカム爪18は、逆止リング10のカム穴11と共働するためにカム穴11内に臨んでいるが、その頂部は逆止リング10の外表面から突き出てはいない。したがって、カム爪18の頂部が加熱シリンダ3の内周面に接触するようなことはない。なお、カム穴11とカム爪18の位置関係は、後述する作用・効果を達するような関係になっている。
【0026】
本実施の形態に係わる逆流防止装置は、例えば次のようにして組み立てることができる。すなわち、スクリュヘッド40の小径部43に当金42、逆止リング10、押金2の順に装着し、そしてカム爪18を、カム穴11内に臨むようにして小径部43に例えば圧入式あるいはネジ式を適用して取り付ける。次いで、スクリュヘッド40のオネジ44をスクリュ1のメネジ6にねじ込む。これにより、図1の(a)あるいは(b)に示されているように組み立てられる。
【0027】
次に、上記第1の実施の形態の作用について説明する。樹脂材料を可塑化するときは、スクリュ1を図1の(a)において矢印Aで示されている正方向に回転駆動する。そうすると、スクリュヘッド40も同方向に駆動され、その小径部43に設けられているカム爪18も同方向に駆動される。スクリュ1が回転駆動されても、逆止リング10は摩擦抵抗等により停止しているので、カム爪18の方が相対的に回転する形になり、第1の滑り追従部12あるいは第2の滑り追従部13に当接する。そうすると、逆止リング10は、反作用によりカム爪18が谷部vに至るように軸方向に駆動される。この谷部vに至って安定した状態が図1の(a)に示されている。この状態は、図示されているように、逆止リング10が小径部43の軸方向の略中心部に位置し、押金2のシート座2aと逆止リング10の後方弁座10aとの間には第1の樹脂通路J1が、また当金42のシート座42bと逆止リング10の前方弁座10bとの間には第3の樹脂通路J3が構成される。以下、スクリュ1が矢印Aで示されている可塑化方向に回転駆動されると、逆止リング10もカム爪18により同方向に供回り的に駆動される。これにより、加熱シリンダ3の内周面の溶融樹脂の掻き取り効果が得られる。
【0028】
図示されないホッパから加熱シリンダ3内に供給される樹脂材料は、加熱シリンダ3の外周部に設けられているヒータから加えられる熱、スクリュ1を回転駆動するときの摩擦作用、剪断作用などにより生じる熱等により溶融され、そして第1〜3の樹脂通路J1〜J3を通ってスクリュヘッド40の前方のリザーバ4に圧送・蓄積される。蓄積される溶融樹脂の圧力により、スクリュ1は後退する。あるいは蓄積される溶融樹脂量に比例して後退させる。所定量後退したら、スクリュ1の回転駆動を停止する。これにより、所定量の溶融樹脂が蓄積される。スクリュ1は、従来周知のように軸方向の移動あるいは位置が固定される。
【0029】
可塑化工程が終了したら、射出工程を実施する前に、スクリュ1を図1の(b)において矢印Bで示されている逆方向に所定量だけ回転駆動する。そうすると、逆止リング10と加熱シリンダ3との間には摩擦抵抗があるので、逆止リング10は停止状態であり、スクリュヘッド40との間に相対的な移動が生じ、カム爪18は今度は第3の滑り追従部14に当接する。そうして、その反作用により逆止リング10を図1の(b)において右方へ移動させる。これにより、逆止リング10の後方弁座10aが押金2のシート座2aに着座する。さらに駆動すると、カム爪18はロック部17に入る。これにより、着座状態がロックされる。このロック状態は、スクリュ1を正方向へ回転駆動しない限り解けない。必要に応じて、スクリュ1を後方へ強制的に駆動するサックバックを実施する。このとき、逆止リング10はロックされ着座状態が維持されているので、スクリュ1の後退速度が例え大きくても、逆止リング10はスクリュ1の移動に追従し、溶融樹脂の逆流は起こらない。
【0030】
なお、可塑化工程を終わると、スクリュ1の回転が停止し、カム穴11とカム爪18との間の係合状態が緩むので、またカム爪18が第3の滑り追従部14に当接するまでは、短時間ではあるが逆止リング10は軸方向に自由であるので、さらには逆止リング10には両端部に弁座10a、10bが形成されているので、何らかの原因によりリザーバ4側とスクリュ1側との間に溶融樹脂の圧力に差があると、逆止リング10は圧力の低い方へ駆動される。その結果、逆止リング10の後方弁座10aあるいは前方弁座10bのいずれかが押金2のシート座2aあるいは当金42のシート座42bに着座する。これにより、溶融樹脂の低圧側への逆流あるいは移動が阻止される。また、例えば摩耗などにより加熱シリンダ3の内周面と逆止リング10の外周面との間の摩擦抵抗が減少し、スクリュ1を逆回転させても逆止リング10が所定のロック動作を完了しない場合でも、本実施の形態によると、逆止リング10の両端部に弁座10a、10bが形成されているので、溶融樹脂の圧力差により、逆止リング10の弁座10a、10bは押金2のシート座2aあるいは当金42のシート座42bのいずれかに着座する。これにより、可塑化完了から射出開始までの間の逆流あるいはサックバック後の逆流が阻止される。
【0031】
次に、射出工程に入る。スクリュ1を軸方向に駆動する。そうすると、リザーバ4に蓄積されている溶融樹脂は、型締めされている金型のキャビテイに射出される。保圧し、冷却固化を待って金型を開くと成形品が得られる。次の可塑化のために、スクリュ1を正方向に回転駆動すると、前述した理由によりカム爪18の方が相対的に回転し、ロック部17から抜け、ロック状態が解除されると共に、カム爪18が第2の滑り追従部13に当接する。以下前述したように、樹脂通路J1、J3が構成され、可塑化できる。同様にして、サックバック、射出等を行う。
【0032】
第1の実施の形態によると、色々な効果が得られる。例えばスクリュ1を可塑化方向に回転駆動するときは、カム爪18が第1、2の滑り追従部12、13がなす谷部vに嵌るので、確実に樹脂通路J1、J3が確保される効果が得られる。また、可塑化終了後スクリュ1の回転を停止すると、カム爪18とカム穴11との間の係合状態がゆるむので、スクリュ1側とリザーバ4側との間に溶融樹脂に圧力差があると、この圧力差により、逆止リング10が軸方向に駆動され、逆止リング10の後方弁座10aと前方弁座10bのいずれかがシート座2aあるいは42bに着座する。これにより、溶融樹脂の望ましくない方向への逆流あるいは移動が防止される。また、可塑化終了後、スクリュ1を逆方向に回転駆動すると、カム爪18がロック部17に嵌るので、確実に閉鎖状態が維持される。したがって、サックバックするときのスクリュ1の後退速度が大きくても、逆止リング10は追従し閉鎖状態が維持される。また、サックバック後にスクリュ1側からリザーバ4の方へ溶融樹脂が逆流するようなこともない。すなわち、本実施の形態によると、図6の(c)により説明した従来の逆流防止装置の欠点以外はすべて解消される効果が得られる。さらには、第1〜3の樹脂通路J1〜J3は、必要なだけ大きく採れ、またその構造は簡単でもある。さらには、スクリュ1を逆回転させても逆止リング10が所定のロック動作を完了しない場合でも、本実施の形態によると、逆止リング10の両端部に弁座10a、10bが形成されているので、溶融樹脂の圧力差により、逆止リング10は押金2のシート座2aあるいは当金42のシート座42bのいずれかに着座する。これにより、可塑化完了から射出開始までの間の逆流あるいはサックバック後の逆流が阻止される。
【0033】
なお、図1に示されている実施の形態では、カム穴11は1個示されているが、対称位置に複数個例えば2〜3個受けることもできる。また、カム穴11およびカム爪18の形状・構造が図示の実施の形態に限定されないことは明らかである。例えば、カム穴の形状を変更することにより、スクリュ1を逆方向に回転駆動するとき、逆止リング10の前方弁座10bが当金42のシート座42bに着座するように実施することもできる。
【0034】
次に、図2により、本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、前述した第1の実施の形態の構成要素と同じ要素には、同じ参照数字を付けて、同様な構成要素には同じ参照数字にダッシュ「’」を付けて重複説明はしない。また、図を明瞭にするために、構成要素を指す参照数字は図2の(a)、(b)に適宜分けて記入する。第2の実施の形態によると、逆止リングは、輪切り状に2分割された、スクリュ1側に位置する第1の逆止リング20と、その前方に位置する第2の逆止リング20’とから構成されている。そして、これらの第1、2の逆止リング20、20’は互いに離間する方向と、互いに近づくあるいは接する方向とに駆動されるようになっている。そのために、透孔状のカム穴21は第1、2の逆止リング20、20’の分割面にわたって形成されている。カム穴21は、図2において下方に位置する第1、2の滑り追従部22、22’と、上方に位置する第3、4の滑り追従部23、23’と、これらの滑り追従部22、23および22’、23’とを結ぶ直線部24、24’とから形成されている。第1、2の滑り追従部22、22’は、平面的に見ると、互いに近づいたとき共働して略山形をなし、第3、4の滑り追従部23、23’は略谷形をなしている。
【0035】
一方、カム穴21内に臨むように取り付けられるカム爪25は、スクリュ1が正方向に回転駆動されるときにカム穴21の第1、2の滑り追従部22、22’にそれぞれ当接し、そしてこれらの第1、2の滑り追従部22、22’したがって第1、2の逆止リング20、20’を引き寄せる作用をする翼状をした第1、2の作用部26、26’と、逆方向に回転駆動されるとき第3、4の滑り追従部23、23’間に押し入り、第1、2の逆止リング20、20’を左右方向すなわち前後方向へ押し広げる作用をする凸部27とから一体的に構成されている。このようなカム爪25は、平面的に見ると所定の面積を有するので、側断面形状は略円弧状を呈するように形成されている。また、カム爪25の表面は逆止リング20、20’の外周面と略同一曲面を構成しているが、若干低めになっている。
【0036】
第2の実施の形態に係わる逆流防止装置も、前述した逆流防止装置と略同様に作用するので、詳しい説明はしないが、可塑化するために、スクリュ1を図2の(a)において矢印Aで示されている正方向に回転駆動すると、前述したような理由により第1、2の逆止リング20、20’は停止しているので、カム爪25の第1、2の作用部26、26’が、第1、2の逆止リング20、20’の第1、2の滑り追従部22、22’にそれぞれに係合し、第1、2の逆止リング20、20’を互いに引き寄せる。この結果、第1の逆止リング20の後方弁座20aは、押金2のシート座2aから離間し、第2の逆止リング20’の前方弁座20’bも当金42のシート座42bから離間する。これにより、樹脂通路J1、J3が構成される。このとき、カム穴21の第1、2の滑り追従部22、22’は、略山形をなし、この山形部分にカム爪25の第1、2の作用部26、26’が当接・係止するので、樹脂通路J1、J3は確実に保持される。前述したようにして可塑化する。可塑化終了後、スクリュ1を逆方向に回転駆動すると、今度はカム爪25の凸部27が第3、4の滑り追従部23、23’したがって第1、2の逆止リング20、20’の分割面の間を押し広げる。これにより、第1、2の逆止リング20、20’は、互いに離間する方向に駆動され、第1の逆止リング20の後方弁座20aが押金2のシート座2aに着座し、また同時に第2の逆止リング20’の前方弁座20’bが当金42のシート座42bに着座する。さらに駆動すると、カム爪25の凸部27は、完全に第1、2の逆止リング20、20’の分割面の間に入る。これにより、閉鎖状態がロックされる。このロック状態も、スクリュ1を正方向に回転駆動しない限り解除されない。このように、2カ所で閉鎖され、そしてロックされている状態が、図2の(b)に示されている。必要に応じてサックバックを実施する。そして、射出工程を実施する。
【0037】
第2の実施の形態によっても、前述した第1の実施の形態と同様な効果が得られることは明らかであるが、第2の実施の形態によると、スクリュ1を逆方向に回転すると、第1、2の逆止リング20、20’の後、前の両弁座20a、20’bが同時にシート座2a、42bに着座し、より確実に逆流が防止される効果が得られる。なお、第2の実施の形態も変形が可能であること、例えばカム穴21、カム爪25の数、形状等が変形可能であることは明らかである。
【0038】
図3により、本発明の第3の実施の形態を説明する。なお、前述した第1あるいは第2の実施の形態の構成要素と同じ要素には、同じ参照数字を付けて、また同様な構成要素には同じ参照数字にダッシュ「’」を付けて重複説明はしない。第3の実施の形態も、逆止リングは第2の実施の形態と同様に輪切り状に2分割された形の2個の第1、2の逆止リング30、30’からなっている。そして、第1、2の弁座30a、30’bは、分割された側に形成されている。また、その後方端と前方端には、樹脂通路を確保するための切欠31、31’が形成されている。このように構成されている第1、2の逆止リング30、30’の後方側と前方側に、側部が開放した透孔状の第1、2のカム穴32、32’が形成されている。これらのカム穴32、32’および後述するカム爪は線対称形に構成されているので、以下一方の構成要素について説明し、他方については同じ参照数字にダッシュ「’」を付けて説明を省略する。第1のカム穴32は、下方に位置する第1の滑り追従部33と上方に位置する第2の滑り追従部34と、これらの滑り追従部33、34の下端部を結んでいる直線部35とからなっている。これらの第1、2の滑り追従部33、34の傾斜方向は、第1の滑り追従部33にカム爪が当接すると、第1の逆止リング30が後述するシールリング50から離間する方向へ駆動され、第2の滑り追従部34に係止すると、シールリング50に接する方向へ押し出すように傾斜している。第2の滑り追従部34の上方部分は、直線状となって、後述する第1のカム爪60の幅広の直線部63rが入りストッパの作用を奏するが、入ったときはロック作用も奏するので、この直線状部分がロック部36となっている。なお、第3の実施の形態によると、第1、2の実施の形態に係わる押金2および当金42に相当する部材2’、42’には、シート座は形成されていない。
【0039】
第3の実施の形態によると、カム爪は、第1のカム爪60と第2のカム爪60’の2個のカム爪から構成され、第1、2の逆止リング30、30’の側部にそれぞれ設けられている。第1のカム爪60は、第1のカム穴32の第1の滑り追従部33に当接して第1の逆止リング30をシールリング50から離間する方向に駆動する第1の作用部61と、第1のカム穴32の第2の滑り追従部34に当接して第1の逆止リング30をシールリング50に近づける方向に駆動する第2の作用部62と、上方および下方の直線部63、64とから一体的に形成されている。第1、2の作用部61、62の間は、幅広の直線部63rとなっている。この直線部63rがロック部に36に嵌ると、閉鎖状態が維持されることになる。第3の実施の形態に係わる第1、2のカム爪60、60’も所定の面積を有するので、側面的に見れば断面形状は円弧状を呈するように形成されている。また、その表面は、第1、2の逆止リング30、30’の外周面より若干低くなっている。
【0040】
このように構成されている第1、2のカム爪60、60’は、図1の(b)に示されているように、スクリュヘッド40’の軸部43aに嵌る筒部60t、60’tと一体的に形成されている。本実施の形態によると、第1、2の逆止リング30、30’の間に環状のシールリング50が設けられている。このシールリング50の頂部の外経は、加熱シリンダ3の内径よりも小さく、シールリング50の頂部の外周面と加熱シリンダ3の内周面との間には樹脂通路が確保されている。このようなシールリング50の後・前両面に、第1、2の逆止リング30、30’の第1、2の弁座30a、30’bに対応する、テーパ状の第1、2のシール座50a、50’bがそれぞれ形成されている。
【0041】
本実施の形態に係わるスクリュヘッド40’は、ヘッド部41’から軸方向に所定長さに延びた軸部43を備えている。そしてこの軸部43の後端部にはオネジ44が形成されている。したがって、図3の(b)に示されているように、スクリュヘッド40’の軸部43aに第2のカム爪60’、第2の逆止リング30’、シールリング50、第1の逆止リング30、第1のカム爪60の順に挿入あるいは装着し、そしてスクリュヘッド40’のオネジ44をスクリュ1のメネジ6にねじ込むと、逆流防止装置が組み立てられる。
【0042】
第3の実施の形態に係わる逆流防止装置も、前述した第1の実施の形態の逆流防止装置と略同様にして組み立てられるので、図3の(b)にはその組み立て順序を示すにとどめ説明はしない。また、作用的に見れば、第2の実施の形態と略同様に作用するので詳しい説明はしないが、図3の(a)において矢印Aで示されている正方向にスクリュ1を回転駆動すると、第1、2の逆止リング30、30’は、加熱シリンダ3との間に摩擦抵抗があるので、一応静止状態にある。したがって、第1、2のカム爪60、60’との間に相対的な移動が生じ、これらのカム爪60、60’の第1の作用部61、61’が、第1、2のカム穴32、32’の第1の滑り追従部33、33’にそれぞれ係止し、第1、2の逆止リング30、30’を第1、2のカム爪60、60’の方へ引き寄せる。すなわち、第1、2の逆止リング30、30’を互いに離間する方向へ駆動する。これにより、図3の(a)に示されているように、第1、2の逆止リング30、30の弁座30a、30’bが、シールリング50の第1、2のシール座50a、50’bから離間する。この状態は、可塑化中は保持される。
【0043】
したがって、スクリュ1の正方向の回転駆動を続行すると、従来周知のように可塑化され、そして第1の逆止リング30に形成されている切欠31、第1の逆止リング30の内周面と後方小径部43aとの間の樹脂通路、第1の逆止リング30の第1の弁座30aとシールリング50の第1のシール座50aとの間の樹脂通路J’1、第2の逆止リング30’の第2の弁座30’bとシールリング50の第2のシール座50’bとの間の樹脂通路J’3、第2の逆止リング30’の内周面と第2の小径部43’bとの間の樹脂通路および切欠31’を通ってリザーバ4に蓄積される。
【0044】
所定量蓄積され可塑化が終了したら、スクリュ1の回転駆動を停止する。そうして、スクリュ1を逆方向に所定量だけ回転駆動する。そうすると、第1、2の逆止リング30、30’と加熱シリンダ3との間には摩擦抵抗があるので、これらの逆止リング30、30’は一応停止状態であり、スクリュ1あるいはスクリュヘッド40との間に相対的な移動が生じ、第1、2のカム爪60、60’の第2の作用部62、62’は、今度は第1、2のカム穴32、32’の第2の滑り追従部34、34’に当接する。そうして、そしてその反作用により第1、2の逆止リング30、30’を互いに近づく方向へ押しやる。これにより、第1、2の逆止リング30、30’の第1、2の弁座30a、30’bがシートリング50の第1、2のシート座50a、50’bにそれぞれ着座する。着座し樹脂通路が閉鎖状態になっている状態が図3の(c)に示されている。さらに、駆動すると、第1、2のカム爪60、60’の幅広の直線部63r、63’rはロック部36、36’に入る。これにより、着座状態がロックされる。このロック状態は、スクリュ1を正方向へ回転駆動しない限り解けない。必要に応じて、スクリュ1を後方へ強制的に駆動するサックバックを実施する。
【0045】
次いで、前記したようにスクリュ1を軸方向に駆動して射出する。そして、成形品を得る。第3の実施の形態によっても、前述した第2の実施の形態と同様な効果が得られることは明らかである。なお、本実施の形態でも、第1、2のカム穴32、32’と、第1、2のカム爪60、60’との間に所定の遊びがあると、可塑化を終了した後に、スクリュ1を逆方向に回転駆動する前に、スクリュ1側とリザーバ4側との間に溶融樹脂に圧力差があると、この圧力差により第1、2の逆止リング30、30’のいずれかの弁座30a、30’bがシートリング50の第1、2のシート座50a、50bのいずれかに着座して逆流が防止される。また、前述したように例えば摩耗などにより加熱シリンダ3の内周面と第1、2の逆止リング30、30’の外周面との間の摩擦抵抗が減少し、スクリュ1を逆回転させても逆止リング30、30’が所定のロック動作を完了しない場合でも、本実施の形態によると、第1、2の逆止リング30、30’の両方に弁座30a、30’bが形成されているので、溶融樹脂の圧力差により、第1、2の逆止リング30、30’はシールリング50の第1のシール座50aあるいは第2のシート座50’bのいずれかに着座する。これにより、可塑化完了から射出開始までの間の逆流あるいはサックバック後の逆流が阻止される。
【0046】
最後に、図4の(a)により本発明の第4の実施の形態を説明する。図4の(a)に示されている実施の形態によると、第3の実施の形態に係わる逆流防止装置Xの前方に従来周知の形態をした逆流防止装置Yが直列的に設けられている。逆流防止装置Xについては説明したので、主な構成要素に同じ参照数字を入れて説明は省略し、逆流防止装置Yについてのみ説明する。逆流防止装置Yは、非供回りの逆止リング70を備えている。そして、この逆止リング70の後方端部に、当金42’のシート座42bに着座するテーパ状の弁座70aが形成され、前方端部には、逆止リング70が当金42に当接するとき樹脂通路を確保するために切欠71が形成されている。逆止リング70の内周面とスクリュヘッドの小径部の外周面との間には、前記実施の形態と同様に所定の断面積の樹脂通路が確保されている。
【0047】
逆止リング70に対応して、当金42’の前方には、スクリュヘッド40”の軸部に嵌る筒部42’tが一体的に形成されている。この筒部42’tの外経は、逆止リング70の内径よりも小さく、筒部42’tの外周部と逆止リング70の内周部との間には、従来周知のように樹脂通路が確保されている。逆流防止装置X、Yを組み立てるには、初めにスクリュヘッド40”の軸部に当金42、逆止リング70、当金42’の筒部42’tを、この順序で挿入し、次いで逆流防止装置Xの構成要素を前述した順序で挿入する。そうして、スクリュヘッド40”のオネジ44をスクリュ1のメネジ6にねじ込むと、逆流防止装置X、Yが組み立てられる。
【0048】
逆流防止装置Yは、従来の技術の項で前述したように、色々な作用効果を奏するが、第1、2の逆止リング30、30’は、可塑化時にはスクリュ1の回転と共に回転する供回り式になっているので、図6の(c)によって説明したように、第1、2の逆止リング30、30’の外周面と加熱シリンダ3の内周面との間の隙間からある程度の溶融樹脂が逆流することは避けられない。これに対し、非供回り式の逆止リングによれば、上記逆流をある程度押さえることができる。したがって、第4の実施の形態によると、より完全に逆流が防止されることになる。
【0049】
本実施の形態も変形が可能である。例えば、第3の実施の形態の逆流防止装置に代えて、第1または第2の実施の形態の逆流防止装置を適用できることは明らかである。また、従来周知の逆流防止装置Yを、スクリュ側に設けることもできる。このように実施しても、同様な効果が得られることは明らかである。
【0050】
第1の実施の形態では、逆止リング10の前方弁座10bが当金42のシート座42bに着座するときは、密着閉鎖されるようになっているが、多少の隙間をもたせるように実施することもできる。このように実施すると、スクリュ1を可塑化方向に回転駆動するときの、前方弁座10bをシート座42bから離間する方向に作用する力よりも、スクリュ1側の溶融樹脂の圧力が高く、その結果前方弁座10bをシート座42bに押し付けていても、スクリュ1側からリザーバ4側への溶融樹脂の流れが、前記隙間によりある程度確保される。樹脂の流れが確保されると、スクリュ1側の溶融樹脂の圧力とリザーバ4側のそれとがバランスするようになり、スクリュ1を可塑化方向に駆動し続けると、逆止リング10の前方弁座10bが当金42のシート座42bから離間するようになる。これにより、完全な樹脂通路が確保される。
【0051】
また、上記隙間に代えて、図4の(b)に示されているように、逆止リング10の前方弁座10bに、円周方向に複数個の切欠溝80、80、…を設けることもできる。図1に示されている実施の形態の主な構成要素と同じ要素には同じ参照数字を付けて重複説明はしないが、本実施の形態によると、切欠溝80、80、…には、スクリュ1側を向いた受圧面81、81、…を有する。したがって、スクリュ1側の溶融樹脂の圧力は、これらの受圧面81、81、…にも作用し、逆止リング10を当金42のシート座42bから離す方向に作用する。これにより、可塑化するときのスクリュ1側の溶融樹脂の圧力とリザーバ4側のそれとがバランスし、逆止リング10は、スクリュ1の可塑化方向の回転により図1の(a)に示されているように駆動され、完全な樹脂通路が確保される。
【0052】
上記した隙間および切欠溝80、80、…は、図2に示されている実施の形態では、第2の逆止リング20’の前方弁座20’bと当金42のシート座42bとの間にも適用でき、また図3および図4に示されている実施の形態では、第1の逆止リング30の第1の弁座30aとシールリング50の第1のシール座50aの間に同様に適用できることも明らかである。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によると、逆止リングには、スクリュの先端部のシート座に着座する後方弁座と前記ヘッド部のシート座に着座する前方弁座とが形成され、そして内側には複数個の滑り追従部からなるカム穴が形成されていると共に、前記スクリュヘッドには前記カム穴と共働するカム爪が設けられ、前記スクリュを正方向に回転駆動すると、前記カム爪が前記カム穴の所定の滑り追従部に当接して前記逆止いは射出工程時にも溶融樹脂の逆流がより完全に防止されるという本発明に特有の効果リングを軸方向に駆動し、前記逆止リングの両弁座が前記両シート座から離間して開放状態になり、逆方向に回転駆動すると、他の滑り追従部に当接して前記逆止リングを軸方向に駆動し、前記逆止リングのいずれか一方の弁座が前記スクリュの先端部のシート座あるいは前記ヘッド部のシート座に着座して閉鎖状態になるので、可塑化工程終了後、射出工程開始までの間にも、またサックバックあるが得られる。また、本発明によると、逆止リングの両側に弁座が形成されているので、スクリュを逆方向に回転駆動して逆止リングの弁座をシート座に着座させる前に何らかの原因により逆止リングの前方の室すなわちリザーバ側とスクリュ側との間に溶融樹脂の圧力に差が生じると、あるいはスクリュを逆回転させても逆止リングが所定のロック動作を完了しない場合でも、本発明によると、逆止リンの両端部にシール部が形成されているので、溶融樹脂の圧力差により、逆止リングは圧力の低い方へ駆動され、逆止リングのいずれかの弁座がシート座に着座する。これにより、溶融樹脂の低圧側への逆流あるいは移動が阻止される効果も得られる。さらには、溶融樹脂が通る樹脂通路は、逆止リングの弁座とシート座との間および逆止リングの外周面と加熱シリンダの内周面との間であるので、樹脂通路の断面積を必要に応じて大きく採れる。したがって、樹脂焼け現象、サージング現象等も起こらない。また、溶融樹脂の樹脂通路が比較的大きく採れるので、さらには構造が簡単であるので、比較的小型の射出成形機に適用するための設計上の制約を受けることも少ない。
請求項2あるいは3に記載の発明によっても、前記発明と略同様な効果が得られるが、請求項2あるいは3に記載の発明よると、逆止リングは複数個の逆止リングからなり、スクリュを逆方向に回転駆動すると、逆止リングの両弁座がスクリュの先端部のシート座とヘッド部のシート座に着座して閉鎖状態になるので、より完全に逆流が防止される効果が得られる。また、請求項4に記載の発明によると、カム穴には逆止リングの弁座がシート座に着座した閉鎖状態を維持するロック部が設けられているので、ロック位置にすることにより確実に閉鎖状態が維持される。したがって、サックバックするときのスクリュの後退速度が大きくても、逆止リングは追従し閉鎖状態が維持され、サックバック後にスクリュ側からリザーバの方へ溶融樹脂が逆流するようなこともない、という効果がさらに得られる。請求項5に記載の発明によると、上記のような効果に加えて、その外周面が加熱シリンダの内周面に比較的密に接してスクリュの回転とは無関係で、軸方向に移動自在に設けられている環状の逆止リングからなり、前記逆止リングの内周面と、該逆止リングが挿通されている軸部の外周面との間には所定断面積の樹脂通路が形成されていると共に、前記逆止リングの端部にはスクリュへッドの構成要素に形成されているシート座に着座する弁座が形成されている逆流防止装置がさらに設けられているので、逆止リングの外周面と加熱シリンダの内周面との隙間、工作精度等を最適化することで、請求項1〜4に記載の発明では逆流する恐れのある溶融樹脂の逆流も防止できる。請求項6に記載の発明によると、逆止リングの前方弁座と、ヘッド部のシート座あるいはシールリングのシート座との間には、前方弁座がシート座に着座するときも、多少の隙間があるように構成されているので、上記のよう効果が得られると共に、スクリュを可塑化方向に回転駆動するとき、スクリュ側の溶融樹脂の圧力がリザーバ側の圧力よりも高く、加熱シリンダと逆止リングとの間の摩擦抵抗、カム穴とカム爪との間の摩擦抵抗等により、逆止リングの前方弁座がシート座に押し付けられ、離間しないときでも、ある程度の溶融樹脂の、リザーバ側への流れが確保される。樹脂の流れが確保されるので、スクリュ側の溶融樹脂の圧力とリザーバ側のそれとがバランスするようになり、逆止リングの前方弁座がシート座から離間するようになる。これにより、完全な樹脂通路が確保されるとうい効果が得られる。請求項7に記載の発明によると、前方弁座には溶融樹脂が作用する受圧面がスクリュ側に向いた複数個の切欠溝が形成されているので、可塑化するときのスクリュ側の溶融樹脂の圧力とリザーバ側のそれとがバランスし、スクリュの可塑化方向の回転により逆止リングは前方弁座がシート座から離間する方向に駆動され、完全な樹脂通路が確保される効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の要部を一部断面にして示す図で、その(a)は逆止リングが開放状態にある断面図、その(b)は閉鎖状態にある断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態の要部を一部断面にして示す図で、その(a)は逆止リングが開放状態にある断面図、その(b)は閉鎖状態にある断面図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態の要部を一部断面にして示す図で、その(a)は逆止リングが開放状態にある断面図、その(b)は分解して示す図、その(c)は閉鎖状態にある断面図である。
【図4】 本発明のさらに他の実施の形態を示す図で、その(a)は第4の、その(b)は第5の実施の形態の要部をそれぞれ一部断面にして示す断面図である。
【図5】 従来例を一部断面にして示す図で、その(a)は供回り式の、そしてその(b)は非供回り式の逆流防止装置の例をそれぞれ示す断面図である。
【図6】 従来の供回り式の逆流防止装置の作用を模式的に示す図で、その(a)〜(d)は、それぞれ異なる状態を示す断面図である。

Claims (7)

  1. 加熱シリンダの内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュの先端部に取り付けられているスクリュヘッドと、該スクリュヘッドの小径部に挿通する形で、前記スクリュの先端部と前記スクリュへッドのヘッド部との間に軸方向に移動可能に設けられている環状の逆止リングとからなり、前記逆止リングの内周面と前記スクリュヘッドの小径部の外周面との間に所定断面積の樹脂通路が形成されている逆流防止装置であって、
    前記逆止リングには、前記スクリュの先端部のシート座に着座する後方弁座と前記ヘッド部のシート座に着座する前方弁座とが形成され、そして内側には複数個の滑り追従部からなるカム穴が形成されていると共に、前記スクリュヘッドには前記カム穴と共働するカム爪が設けられ、
    前記スクリュを正方向に回転駆動すると、前記カム爪が前記カム穴の所定の滑り追従部に当接して前記逆止リングを軸方向に駆動し、前記逆止リングの両弁座が前記両シート座から離間して開放状態になり、逆方向に回転駆動すると、他の滑り追従部に当接して前記逆止リングを軸方向に駆動し、前記逆止リングのいずれか一方の弁座が前記スクリュの先端部のシート座あるいは前記ヘッド部のシート座に着座して閉鎖状態になることを特徴とする、射出成形機における逆流防止装置。
  2. 加熱シリンダの内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュの先端部に取り付けられているスクリュヘッドと、該スクリュヘッドの小径部に挿通する形で、前記スクリュの先端部と前記スクリュへッドのヘッド部との間に互いに近づく方向と離間する方向とに移動可能に設けられている複数個の環状の逆止リングとからなり、前記逆止リングの内周面と前記スクリュヘッドの小径部の外周面との間に所定断面積の樹脂通路が形成されている逆流防止装置であって、
    前記逆止リングには、前記スクリュの先端部のシート座に着座する後方弁座と前記ヘッド部のシート座に着座する前方弁座とが形成され、そして内側には前記複数個の逆止リングにまたがって複数個の滑り追従部からなるカム穴が形成されていると共に、前記スクリュヘッドには前記カム穴と共働するカム爪が設けられ、
    前記スクリュを正方向に回転駆動すると、前記カム爪が前記カム穴の所定の滑り追従部に当接して前記逆止リングを互いに近づく方向に駆動し、前記逆止リングの両弁座が前記両シート座から離間して開放状態になり、逆方向に回転駆動すると、他の滑り追従部に当接して前記逆止リングを互いに離間する方向に駆動し、前記逆止リングの両弁座が前記スクリュの先端部のシート座と前記ヘッド部のシート座に着座して閉鎖状態になることを特徴とする、射出成形機における逆流防止装置。
  3. 加熱シリンダの内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスクリュの先端部に取り付けられているスクリュヘッドと、該スクリュヘッドの小径部に挿通する形で、前記スクリュの先端部と前記スクリュへッドのヘッド部との間に互いに離間する方向と近づく方向とに移動可能に設けられている複数個の環状の逆止リングと、前記複数個の逆止リングの間に介在する形で前記スクリュヘッドの小径部に設けられているシールリングとからなり、前記逆止リングの内周面と前記スクリュヘッドの小径部の外周面との間に所定断面積の樹脂通路が形成されている逆流防止装置であって、
    前記複数個の逆止リングには、前記シールリングの一方のシート座に着座する後方弁座と他方のシート座に着座する前方弁座とがそれぞれ形成され、そして側部には複数個の滑り追従部からなるカム穴が形成されていると共に、前記スクリュヘッドあるいはスクリュには前記カム穴と共働するカム爪がそれぞれ設けられ、
    前記スクリュを正方向に回転駆動すると、前記カム爪が前記カム穴の所定の滑り追従部に当接して前記逆止リングを互いに離間する方向に駆動し、前記複数個の逆止リングの弁座が前記シールリングのシート座から離間して開放状態になり、逆方向に回転駆動すると、他の滑り追従部に当接して前記複数個の逆止リングを互いに近づける方向に駆動し、前記複数個の逆止リングの弁座が前記シールリングのシート座に着座して閉鎖状態になることを特徴とする、射出成形機における逆流防止装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載の逆流防止装置において、前記カム穴には、前記逆止リングの弁座が前記シート座に着座した閉鎖状態を維持するロック部が設けられている、射出成形機における逆流防止装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の逆流防止装置と、他の逆流防止装置との組み合わせからなり、
    前記他の逆流防止装置は、その外周面が加熱シリンダの内周面に比較的密に接してスクリュの回転とは無関係で、軸方向に移動自在に設けられている環状の逆止リングからなり、前記逆止リングの内周面と、該逆止リングが挿通されている軸部の外周面との間には所定断面積の樹脂通路が形成されていると共に、前記逆止リングの端部にはスクリュへッドの構成要素に形成されているシート座に着座する弁座が形成されている、射出成形機における逆流防止装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかの項に記載の逆流防止装置において、前記逆止リングの前方弁座と、前記ヘッド部のシート座あるいは前記シールリングのシート座との間には、前記前方弁座が前記シート座に着座するときも、多少の隙間があるように構成されている、射出成形機における逆流防止装置。
  7. 請求項1〜5のいずれかの項に記載の逆流防止装置において、前記逆止リングの前方弁座には、溶融樹脂が作用する受圧面が前記スクリュ側向いた複数個の切欠溝が形成されている、射出成形機における逆流防止装置。
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