JP4679225B2 - 火災警報器および煙センサの交換時期演算方法 - Google Patents

火災警報器および煙センサの交換時期演算方法 Download PDF

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本発明は、煙感知機能を有する煙センサと、前記煙センサが所定値以上の煙を検知したときに警報を発する警報手段と、前記煙センサに駆動電力を供給すると共に交換可能な電源部とを備えた火災警報器、および、前記煙センサの交換時期の演算方法に関する。
火災警報器は、例えば屋内の火災等に起因する煙の発生を煙センサにより検知し、警報を発するように構成してある。このように警報を発することで、火災の初期消火が可能となり、被害を最小限に抑えることができる。
この火災警報器には、煙センサを駆動する電源が必要である。電源は、外部電源式および電池式がある。
外部電源式の火災警報器は、ケーブル配線やコンセント設置等の電源供給工事が必要となる場合があり、このときには、火災警報器自身の設置以外に、電源供給工事のコストや労力を費やすことになる。そのため、火災警報器の普及促進の観点から、簡便に設置できる電池式の火災警報器が好ましい。
また、煙センサは、センサ素子表面の汚れやセンサ素子の劣化等によりセンサ感度が経年変化する。このため、煙が存在しない状況下において定期的なセンサ感度点検作業を行い、煙センサが正常に稼動するかを検査する必要がある。これにより、センサ感度の正常な煙センサを使用して、確実に火災を検知できる火災警報器となる。
尚、上記火災警報器は一般的な装置構成を有するため、特許文献は示さない。
上述した電池式の火災警報器において、できるだけ設置場所を選ばないようにするため、火災警報器の小型化が望まれる。そのため、使用できる電池の本数をできるだけ制限する必要がある。この場合、長期に亘って火災警報器を継続使用するためには電池交換が必要となる。
また、煙センサは、定期的な感度点検作業を行い、ある一定のセンサ感度を保持しなくなると、センサ寿命が尽きたと判断し、煙センサは交換することになる。
ここで、電池式の火災警報器においては、煙センサおよび電池の交換は、通常、業者が行う。
一般に、電池寿命と煙センサ寿命とは一致しない。例えば、業者が電池交換を行う際に、同時に煙センサの感度点検を行うことがある。この点検の結果、正常なセンサ感度を有していると判断された場合には、次回の電池交換時までセンサ寿命を有するケースと、次回の電池交換時までにセンサ寿命が尽きるケースがある。つまり、煙センサの交換時期はセンサ感度点検作業時には不明である。
後者のケースでは、センサ寿命が尽きたときにセンサ感度異常の報知により煙センサの交換を行うことになる。このとき、煙センサ交換と電池交換とが異なったタイミングで行われる。そのため、これらの交換作業が別途発生するため、その都度、メンテナンスコストや労力を費やすことになるという問題点があった。
従って、本発明の目的は、煙センサの交換時期を明確にし、メンテナンスコストや労力を削減できる火災警報器、および、煙センサの交換時期演算方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る火災警報器は、煙感知機能を有する煙センサと、前記煙センサが所定値以上の煙を検知したときに警報を発する警報手段と、前記煙センサに駆動電力を供給すると共に交換可能な電源部とを備えた火災警報器であって、その特徴構成は、煙が存在しない時の前記煙センサのセンサ感度を点検する感度点検手段と、前記感度点検手段により得られたセンサ感度を記憶する感度履歴記憶手段と、前記感度履歴記憶手段に記憶されたセンサ感度を基に前記煙センサの交換時期を前記電源部の交換時に演算する交換時期演算手段とを備えた点にある。
上記第一特徴構成によれば、感度点検手段により得られたセンサ感度を記憶する感度履歴記憶手段を備えているため、煙センサ設置直後のセンサ感度や、感度点検手段により得られたセンサ感度点検時のセンサ感度といったセンサ感度履歴が常に感度履歴記憶手段に保持できる。そのため、電池交換後に電池交換以前のセンサ感度、例えば煙センサ設置直後のセンサ感度がクリアされてしまうことなく、電池交換後においても電池交換以前のセンサ感度の履歴が保持される。これにより、例えば煙センサ設置直後のセンサ感度と現在のセンサ感度とを比較し、煙センサの交換時期を交換時期演算手段により正確に演算することができる。
特に、電池交換作業時に煙センサの交換時期の演算も同時に行うと、電池交換時に煙センサの寿命の予測ができることとなって煙センサの交換時期を明確にできる。そして、このときに煙センサの交換時期が、例えば次回の電池交換時期より以前であることが判明すれば、現電池交換時に煙センサの交換も合わせて行うようにできる。
従って、本発明の火災警報器であれば、煙センサの交換時期が明確に判断できるようになり、計画的に煙センサの交換作業が行えるため、メンテナンスコストや労力を削減できる。
上記目的を達成するための本発明に係る煙センサの交換時期演算方法の第一特徴構成は、上述の火災警報器における前記煙センサの交換時期の演算を、前記電源部の交換時に行う点にある。
電池式の火災警報器を長期に亘って継続使用するためには電池交換が必要となる。そのため、電源部である電池の交換は、定期的に必要となる火災警報器のメンテナンス作業である。
そのため、電池交換作業時に煙センサの交換時期の演算も同時に行うと、電池交換時に煙センサの寿命の予測ができることとなって煙センサの交換時期を明確にできる。そして、このときに煙センサの交換時期が、例えば次回の電池交換時期より以前であることが判明すれば、現電池交換時に煙センサの交換も合わせて行うようにできる。
従って、本発明の煙センサの交換時期演算方法であれば、業者が煙センサの交換時期の演算のみを行うために火災警報器の設置現場に出向く手間が省ける。そのため、煙センサ交換と電池交換とが異なったタイミングで行われるために発生していた別途のメンテナンスコストや労力を削減できる。
本発明に係る煙センサの交換時期演算方法の第二特徴構成は、前記感度履歴記憶手段に記憶してあるセンサ感度の変化に基づき感度変化定数を算出し、当該感度変化定数を用いて、所定期間後における煙が存在しない時の前記煙センサのセンサ感度を算出し、このセンサ感度が、正常センサ感度である所定感度範囲に収まるかを判断することにより、前記煙センサの交換時期の演算を行う点にある。
本構成では、感度履歴記憶手段に記憶してあるセンサ感度の変化に基づき感度変化定数を算出する。例えば、煙センサ設置直後のセンサ感度と、電池交換時のセンサ感度が感度履歴記憶手段に記憶してある場合、これらセンサ感度をグラフ化することによりセンサ感度の変化が傾きとして算出される。つまり、この傾きを感度変化定数とすることができる。
そして、この感度変化定数を用いて、所定期間後(例えば次回電池交換時)における煙が存在しない時の煙センサのセンサ感度を演算する。つまり、当該感度変化定数を用いて、将来のある時期のセンサ感度の予測値を算出する。
このとき、次回電池交換時における予測センサ感度が、正常センサ感度の許容範囲外となった場合、現在の電池交換時のセンサ感度が、正常センサ感度の許容範囲内であっても、煙センサの異常と判断する。つまり、当該煙センサは長期の寿命を有していないと判断し、現在の電池交換時に当該煙センサを交換する。
これにより、将来のある時期において、センサ感度が異常となることを事前の演算によって予測することができるため、この予測ができた時点で煙センサを交換できる。
従って、本構成であれば、感度履歴記憶手段に記憶してあるセンサ感度を基に感度変化定数を算出し、この感度変化定数を用いて煙センサの交換時期の演算を行うことができるため、簡便な方法で煙センサの寿命を予測できる。さらに、煙センサのセンサ感度が異常な状態で火災警報器を使用することがなくなり、確実な火災の警報を行うことができる。
本発明に係る煙センサの交換時期演算方法の第三特徴構成は、前記電源部の交換に至る前に、複数の感度変化定数を算出すると共に、これらの定数を基に複合感度変化定数を算出し、当該複合感度変化定数を用いて、所定期間後における煙が存在しない時の前記煙センサのセンサ感度を算出し、このセンサ感度が、正常センサ感度である所定感度範囲に収まるかを判断することにより、前記煙センサの交換時期の演算を行う点にある。
本構成では、煙センサが設置の途中からセンサ感度変化の割合が変化する場合を想定している。
即ち、本構成は、電源部の交換に至る前に、複数の感度変化定数を算出する。例えば、煙センサ設置直後のセンサ感度と、ある一定期間経過後のセンサ感度と、電池交換時のセンサ感度が感度履歴記憶手段に記憶してある場合、これらセンサ感度をグラフ化することにより二つの傾き(感度変化定数)を算出できる。
ここで、煙センサは設置の途中からセンサ感度が変化しているため、これら二つの定数は異なる値となる。つまり、これら二つの定数に存在する変化割合を用いて現時点から所定期間後までの間の傾きと予測される複合感度変化定数を算出する。
そして、この複合感度変化定数を用いて所定期間後、例えば次回電池交換時における煙が存在しない時の煙センサのセンサ感度を算出する。つまり、当該複合感度変化定数を用いて、将来のある時期のセンサ感度の予測値を算出する。
従って、本構成であれば、複数のパラメータ(感度変化定数)を基に算出された複合感度変化定数を用いて煙センサの交換時期の演算を行えるため、より確実に煙センサの感度変化を捉えることができるため、確実な交換時期を演算により予測できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
火災警報器は、例えば屋内の火災等に起因する煙やガスの発生をセンサにより検知し、警報を発するように構成してある。このセンサは、煙を検知する煙センサや、火災時に発生するCOガス等を検知する公知のガスセンサ等が適用できる。本実施例では、煙センサを適用した火災警報器について説明する。
この火災警報器は、例えば屋内であれば、壁掛け型あるいは天井設置型等の態様により配設される。
図1に示したように、火災警報器Xは、煙感知機能を有する煙センサSと、煙センサSが所定値以上の煙を検知したときに警報を発する警報手段10と、煙センサSに駆動電力を供給すると共に交換可能な電源部20とを備えている。
そして、本発明の火災警報器Xは、煙が存在しない時の煙センサSのセンサ感度を点検する感度点検手段30と、感度点検手段30により得られたセンサ感度を記憶する感度履歴記憶手段40と、感度履歴記憶手段40に記憶されたセンサ感度を基に煙センサSの交換時期を電源部20の交換時に演算する交換時期演算手段50とを備えている。
煙センサSは、煙感知機能を有する例えば散乱光式煙センサSを適用できる。散乱光式煙センサSは、発光部S1と受光部S2とからなり、発光部S1からの光が煙粒子にあたると生じる散乱現象を利用し、受光部S2の受光素子が散乱光を受けて生じる光電流の変化を煙濃度に換算するように構成してある。
警報手段10は、散乱光式煙センサSが所定値以上の煙を検知したときに火災による煙と判断し、警報信号を出力するように制御されたマイコン等で構成される。警報手段10は、スピーカ・警報ランプ等の報知手段11と接続してある。つまり、警報手段10から報知手段11に警報信号が出力されると、警報音により聴覚的に、或いは、ランプの点滅等により視覚的に火災による煙の発生を報知できる。
電源部20は、交換可能な電池を収容すると共に散乱光式煙センサSに駆動電力を供給する。電池は、アルカリ電池やリチウム電池等、公知の電池が適用できる。また、電源部20は、散乱光式煙センサSのみに駆動電力を供給するだけでなく、火災警報器X内の部材のうち、駆動電力を必要とする全ての部材に電力を供給するように構成する。
感度点検手段30は、散乱光式煙センサSのセンサ感度を点検するように構成する。例えば、あるタイミングで煙が存在しない通常の雰囲気において散乱光式煙センサSのセンサ出力を測定する。あるタイミングとは、未使用の散乱光式煙センサSを火災警報器Xに設置した直後、電池交換時、或いは、設定された所定間隔等、種々のタイミングを設定できる。設定された所定間隔で感度点検を行うため、火災警報器X内に時計機能を有するリアルタイムクロックを設けることが可能である。
そして、所望のタイミングで自動的に、或いは、作業者が手動で点検スイッチ(図示せず)を入力して、散乱光式煙センサSのセンサ感度を点検する。
感度履歴記憶手段40は、感度点検手段30により得られたセンサ感度を記憶する、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ等の電源を切っても記憶したデータは消えないメモリ等が適用できるが、これらに限られるものではなく、公知のメモリであれば適用可能である。
交換時期演算手段50は、感度履歴記憶手段40に記憶されたセンサ感度のデータを基に、散乱光式煙センサSの交換時期を演算するマイコン等で構成される。散乱光式煙センサSの交換時期の演算は後述する。
交換時期演算手段50は、スピーカ・警報ランプ等のセンサ異常報知手段51と接続してある。つまり、交換時期演算手段50により、散乱光式煙センサSが感度異常であると判断されるとセンサ異常信号をセンサ異常報知手段51に出力し、警報音により聴覚的に、或いは、ランプの点滅等により視覚的にセンサの感度異常を報知できる。
本発明の火災警報器Xによれば、感度点検手段30により得られたセンサ感度を記憶する感度履歴記憶手段40を備えているため、散乱光式煙センサS設置直後のセンサ感度や、感度点検手段30により得られたセンサ感度点検時のセンサ感度といったセンサ感度履歴が常に感度履歴記憶手段40に保持できる。そのため、電池交換後に、電池交換以前のセンサ感度、例えば散乱光式煙センサS設置直後のセンサ感度がクリアされてしまうことなく、電池交換後においても電池交換以前のセンサ感度の履歴が保持される。これにより、例えば散乱光式煙センサS設置直後のセンサ感度と現在のセンサ感度とを比較し、散乱光式煙センサSの交換時期を交換時期演算手段50により正確に演算することができる。
従って、本発明の火災警報器Xであれば、散乱光式煙センサSの交換時期が明確に判断できるようになり、計画的に煙センサの交換作業が行えるため、メンテナンスコストや労力を削減できる。
以下に、本発明の火災警報器Xの警報レベル、および、散乱光式煙センサSの交換時期の演算方法について詳述する。
<火災警報器におけるセンサの感度変化に伴う警報レベルの設定方法>
上述したように、散乱光式煙センサSは、発光部S1からの光が煙粒子にあたると生じる散乱現象を利用し、受光部S2の受光素子が散乱光を受けて生じる光電流の変化を煙濃度に換算するように構成してある。
一方、煙が存在しない雰囲気においても、発光部S1からの光の散乱は生じているため、初期状態における散乱光式煙センサSの出力電圧値はゼロではない(図2、Na)。そのため、煙濃度と受光部S2の出力電圧値との関係は関数Aで表される。これは、散乱光式煙センサSの感度劣化が生じていない初期特性の関数である。
ここで、散乱光式煙センサSは、センサ素子表面の汚れやセンサ素子の劣化等によりセンサ感度が経年変化する。当該散乱光式煙センサSの感度変化は、高感度化と低感度化とがある。
高感度化は、散乱光式煙センサSの汚れ等により、光の散乱が増加して受光部S2が受ける光量が増加し、その結果、信号値が上昇することにより発生する。
この変化は、初期特性の関数Aに対して平行移動した関数Bにより表される。
一方、低感度化は、発光部S1の発光素子、或いは、受光部S2の受光素子の劣化により、発光量あるいは受光量が減少することにより発生する。
この変化は、初期特性の関数Aの傾きを減少させた関数Cにより表される。
散乱光式煙センサSの感度変化を考慮すると、当該散乱光式煙センサSにおける正常と判断できるセンサ感度の範囲を定義する必要がある。これは、煙の存在しない(煙濃度0(%/m))、例えば点検時の出力電圧値(ベース電圧値)における、感度変化によりベース電圧値が変動する範囲により定義する。つまり、ベース電圧値において上限値と下限値とを設定し、実際の点検時のベース電圧値が、これら上下限値のレベルから外れたときに、当該散乱光式煙センサSが感度異常であると判断する。
ここで、実際の点検時の出力電圧値、上限値および下限値の関係について、図2により詳述する。
火災時において、散乱光式煙センサSは、ある特定の警報レベルYa以上の出力電圧値によって、ある特定の煙濃度Xa以上の煙を検知したと判断するように設定される。ここで、散乱光式煙センサSの感度変化を考慮した場合、特定の煙濃度Xaにある程度の幅を持たせ、その範囲内の煙濃度を検知した場合に火災であると判断するのが望ましい。この煙濃度の範囲を警報範囲とする。これにより確実な火災警報を発することができる。
即ち、図2に示したように、正常な散乱光式煙センサSの感度特性を関数Aで表すと、煙濃度Xaが警報レベルYaであり、このとき、当該散乱光式煙センサSにおけるベース電圧値はNaとなる。
一方、散乱光式煙センサSが高感度化したとき(関数B)、警報レベルYaは煙濃度Xbとなる。さらに、散乱光式煙センサSが低感度化したとき(関数C)、警報レベルYaは煙濃度Xcとなる。つまり、散乱光式煙センサSの感度変化を考慮して、警報範囲は煙濃度Xb〜Xcとなっており、各煙濃度の警報範囲における関係は、Xb<Xa<Xcとなる。
ここで、散乱光式煙センサSの感度が上昇したときには、高感度化した散乱光式煙センサSであっても、煙濃度がXbに到達するまでは警報を発しない。そして、高感度化した散乱光式煙センサSの特性は、初期特性の関数Aに対して同じ傾きを持つ関数Bで表される。この関数Bにおいてベース電圧値はNbとなり、このベース電圧値を上限値Nbとする。
一方、散乱光式煙センサSの感度が低下したときには、低感度化した散乱光式煙センサSであっても、煙濃度がXcにまで高まれば警報を発する。そして、低感度化した散乱光式煙センサSの特性は、初期特性の関数Aに対して傾きを減少させた関数Cで表される。この関数Cにおいてベース電圧値はNcとなり、このベース電圧値を下限値Ncとする。尚、関数Aおよび関数Cにおいては、出力電圧値のゼロ点Mは共通である。
従って、上述した警報範囲の特性変化は、煙のない状態での出力電圧値によって判断できる。このような各ベース電圧値の関係は、Nc<Na<Nbとなる。
このように、散乱光式煙センサSの初期特性の関数Aにおいて、煙濃度Xa(例えば10%/m)を基準とし、高感度化および低感度化したときの警報レベルYaである煙濃度XbおよびXc(例えば5%/mおよび15%/m)を想定して特性変化した散乱光式煙センサSの関数BおよびCをそれぞれ導く。そして、ベース電圧値において、散乱光式煙センサSの正常センサ感度を定義する上下限値XbおよびXcを設定する。即ち、実際の点検時のベース電圧値が、これら上下限値のレベルから外れたときに、当該散乱光式煙センサSが感度異常であると判断する。
これにより、散乱光式煙センサSの感度が変化している場合であっても、ベース電圧値の許容範囲を設けることができるため、高感度化による誤報の多発や低感度化による遅報の発生を防止し、信頼性の高い火災警報を発することができる。
<散乱光式煙センサの交換時期の演算方法>
上述したように設定した上限値Nbと下限値Ncとを基準に、電池交換時において、散乱光式煙センサSを継続して設置できるかを調べるため、当該散乱光式煙センサSの交換時期を演算する方法を以下に示す。当該散乱光式煙センサSの感度異常として低感度化を例示するが、高感度化も同様の方法で交換時期の演算が可能である。
(演算方法1)
本方法では、感度履歴記憶手段40に記憶してあるセンサ感度の変化に基づき感度変化定数を算出し、当該感度変化定数を用いて、所定期間後における煙が存在しない時の散乱光式煙センサSのセンサ感度を算出し、このセンサ感度が、正常センサ感度である所定感度範囲に収まるかを判断することにより、散乱光式煙センサSの交換時期の演算を行う。
図3に示したように、初期状態における散乱光式煙センサSの出力電圧値(センサ感度)をN(0)とし、電池交換時の散乱光式煙センサSの出力電圧値をN(x)とし、交換時出力電圧値N(x)は初期状態出力電圧値N(0)に比べて感度が低下しているものとする。これらの出力電圧値は、自動的に或いは作業者による手動操作入力により感度履歴記憶手段40に記憶される。
このとき、散乱光式煙センサSの感度低下の変化を示す傾きG(感度変化定数)を求める。そして、次回電池交換時までに当該センサSの出力電圧値が感度異常となるか否か、つまり、下限値Ncを下回るか否か、を調べるため、前記傾きGに基づき、次回電池交換時における散乱光式煙センサSの予測出力電圧値N(y)を算出する。
図3に示したように、交換時出力電圧値N(x)〜予測出力電圧値N(y)間の傾きG’を、前記傾きGと同様に設定して予測出力電圧値N(y)導き出した場合、予測出力電圧値N(y)は下限値Ncを上回っている。このため、次回電池交換時においても散乱光式煙センサSは感度異常とならない。つまり、当該センサは長期の寿命を有しているものと認められる。従って、散乱光式煙センサSの設置を継続できる。
一方、電池交換時の散乱光式煙センサSの交換時出力電圧値をN(x1)とした場合を以下に示す。このとき、散乱光式煙センサSの感度低下の変化を示す傾きG1に基づき、交換時出力電圧値N(x1)〜予測出力電圧値N(y1)間の傾きG1’を、前記傾きG1と同様に設定して予測出力電圧値N(y1)導き出す。そして、算出した散乱光式煙センサSの予測出力電圧値N(y1)は下限値Ncを下回ると、次回電池交換時において散乱光式煙センサSは感度異常となる。つまり、当該センサSは長期の寿命を有していないものと認められる。従って、今回の電池交換時に当該センサSを交換する。
これにより、将来のある時期(図3においては、次回電池交換時)において、センサ感度が異常となることを事前の演算によって予測することができるため、この予測ができた時点で煙センサを交換できる。
尚、リセットスイッチを設ける等して、煙センサを交換した場合に感度履歴記憶手段40に記憶してあるセンサ感度をクリアできるように構成するとよい。
尚、交換時出力電圧値N(x)が既に下限値Ncを下回る場合は、散乱光式煙センサSの寿命は尽きているものと判断し、今回の電池交換時に当該センサSを交換する。
(演算方法2)
本方法では、電源部20の交換に至る前に、複数の感度変化定数を算出すると共に、これらの定数を基に複合感度変化定数を算出し、当該複合感度変化定数を用いて、所定期間後における煙が存在しない時の散乱光式煙センサSのセンサ感度を算出し、このセンサ感度が、正常センサ感度である所定感度範囲に収まるかを判断することにより、散乱光式煙センサSの交換時期の演算を行う。
本方法では、散乱光式煙センサSが設置の途中からセンサ感度変化の割合が変化する場合を想定している。
上述した演算方法1において、電池交換時の前に点検機会を自動或いは手動で設定し、このときの散乱光式煙センサSの出力電圧値をN(z)とする(図4)。そして、電池交換時の当該散乱光式煙センサSの出力電圧値をN(x1)とする。これらの出力電圧値は、演算方法1と同様の方法で感度履歴記憶手段40に記憶される。尚、前記点検機会は、一定時間毎に、或いは、不定期に行ってもよく、回数においても一回以上設定してもよい。
それぞれの場合に感度低下の変化を示す傾き(感度変化定数)を算出する。つまり、初期状態出力電圧値N(0)〜点検時出力電圧値N(z)までの感度変化定数である傾きG2、点検時出力電圧値N(z)〜交換時出力電圧値N(x1)までの感度変化定数である傾きG3を算出する。このようにして、電池交換に至る前に、複数の感度変化定数を算出する。
このような場合において、次回電池交換時までに当該センサSが感度異常となるか否かを調べるとき、感度低下の傾きG2およびG3を用いる。ここで、散乱光式煙センサSは設置の途中からセンサ感度が変化しているため、これら二つの定数は異なる値となる。つまり、これら二つの定数に存在する変化割合に基づき、現時点から次回電池交換時までの予測される傾きG4(複合感度変化定数)を算出し、次回電池交換時の散乱光式煙センサSの予測出力電圧値N(y2)を算出する。
図4に示したように、傾きG3は傾きG2に比べて、緩やかな傾きとなっているため、散乱光式煙センサSの感度低下の割合は減少している。これは、例えば、点検時までに散乱光式煙センサSが低感度化して感度低下の傾きがG2となった後、散乱光式煙センサSの汚れ等により当該センサSが高感度化し、その結果、低感度化と高感度化が同時に進行して感度低下の傾きが緩やかなG3になるような場合がある。
図4に示したように、予測出力電圧値N(y2)は下限値Ncを上回っているため、次回電池交換時においても散乱光式煙センサSは感度異常とならない。つまり、当該センサは長期の寿命を有しているものと認められる。従って、散乱光式煙センサSの設置を継続できる。
このように、電池交換時以外にも点検機会を設定し、感度低下の傾きを複数算出することにより、複数のパラメータ(感度変化定数)を基に算出された複合感度変化定数を用いて煙センサの交換時期の演算を行えるため、より確実に散乱光式煙センサSの感度変化を捉えることができるため、正確な交換時期を演算により予測できる。
〔別実施の形態1〕
上述したように、感度点検手段30により、電池交換時以外にも点検機会を設定できる。この点検機会において、電源部20の寿命を診断するように構成できる。例えば電池の電圧を測定するように構成する。そして、電源部20の交換が必要であると判断されると、電源部交換警報を報知するように構成することが可能である。
本発明の火災警報器は、火災の発生、若しくは、煙濃度の異常上昇を初期において検知するために利用される。また、本発明の煙センサの交換時期の演算方法は、煙センサの交換に要するメンテナンスコストや労力を軽減するために利用される。
本発明の火災警報器の概略図 正常な煙センサ、高感度化した煙センサおよび低感度化した煙センサの特性変化を基に、ベース電圧値の許容範囲の設定方法を概説した図 散乱光式煙センサの交換時期の演算方法1を概説した図 散乱光式煙センサの交換時期の演算方法2を概説した図
符号の説明
S 散乱光式煙センサ
X 火災警報器
10 警報手段
20 電源部
30 感度点検手段
40 感度履歴記憶手段
50 交換時期演算手段

Claims (4)

  1. 煙感知機能を有する煙センサと、前記煙センサが所定値以上の煙を検知したときに警報を発する警報手段と、前記煙センサに駆動電力を供給すると共に交換可能な電源部とを備えた火災警報器において、
    煙が存在しない時の前記煙センサのセンサ感度を点検する感度点検手段と、前記感度点検手段により得られたセンサ感度を記憶する感度履歴記憶手段と、前記感度履歴記憶手段に記憶されたセンサ感度を基に前記煙センサの交換時期を前記電源部の交換時に演算する交換時期演算手段とを備えた火災警報器。
  2. 請求項1に記載の煙センサの交換時期の演算を、前記電源部の交換時に行う煙センサの交換時期演算方法。
  3. 前記感度履歴記憶手段に記憶してあるセンサ感度の変化に基づき感度変化定数を算出し、当該感度変化定数を用いて、所定期間後における煙が存在しない時の前記煙センサのセンサ感度を算出し、このセンサ感度が、正常センサ感度である所定感度範囲に収まるかを判断することにより、前記煙センサの交換時期の演算を行う請求項2に記載の煙センサの交換時期演算方法。
  4. 前記電源部の交換に至る前に、複数の感度変化定数を算出すると共に、これらの定数を基に複合感度変化定数を算出し、当該複合感度変化定数を用いて、所定期間後における煙が存在しない時の前記煙センサのセンサ感度を算出し、このセンサ感度が、正常センサ感度である所定感度範囲に収まるかを判断することにより、前記煙センサの交換時期の演算を行う請求項3に記載の煙センサの交換時期演算方法。
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