JP4679020B2 - 胃内滞留性制御放出医薬剤形 - Google Patents

胃内滞留性制御放出医薬剤形 Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は胃腸管において狭い吸収窓を有する活性薬剤、すなわち通常は十二指腸および/または空腸で吸収される薬剤の制御放出のための医薬用薬物送達システムに関する。本発明はまた哺乳動物の胃腸関連障害および疾患の処置におけるこれらの制御放出送達システムの使用に関する。
【0002】
(発明の背景)
経口投与後に長時間胃内に滞留し、制御された様式で活性成分を放出する医薬剤形は広範囲の薬物の送達に重要である。長い胃内滞留時間を有する様々な医薬制御放出薬剤送達システムが文献に記載され、これらには様々な異なる技術が使用されている。
【0003】
薬物送達システムを使用する利点は多い。制御された薬物療法における大きな重要性の一つは処置における有効性の改善である。制御された薬物療法は必要な投与頻度を低下させ、周期的な間隔での単回用量で十分であり、患者のコンプライアンスの改善がもたらす。
【0004】
しかしながら、慣用されている制御放出薬物送達システムは(1)胃腸管において狭い吸収窓を有する薬物、すなわち十二指腸および/または空腸において吸収される薬物;(2)胃腸管の近位部分(胃および/または十二指腸)の局所的な処置;および(3)結腸で分解する薬物に対する使用にのみ限られている。これらの場合に治療の改善を可能にするためには、胃滞留性医薬剤形が開発されなければならない。経口投与後、このような胃滞留性剤形は胃内に滞留し、薬物を制御された様式で長期にわたって放出しなければならない。胃滞留性剤形の例には、浮遊性の剤形、及び胃内において膨張、膨潤または徐々に展開する剤形がある。
【0005】
膨張可能な薬物送達システムの開発の原理は抗蠕動運動により幽門から胃底および胃の本体に内容物の大部分を押し戻す幽門洞の性質、すなわちそれらの胃内滞留時間(GRT)を延長させることに基づいている。このような剤形は好ましくは、胃からのそれらの排泄を可能にするため、生物分解または崩壊を受けるように設計されなければならない。
【0006】
米国特許3,574,820には、胃内において水和され、ゲル化し、膨潤し、N−アセチル−ホモシステインチオラクトンと架橋して幽門を通過するには大きすぎるマトリックスを形成するゼラチンマトリックスの使用が教示されている。
【0007】
米国特許4,207,890には、非水和、体液および薬物透過性ポリマーのフィルムから作成された崩壊性、膨張性の無孔エンベロープからなり、ポリマーのエンベロープ内には薬物および膨張剤も含有される薬物配剤デバイスが開示され、これは体液と接触した場合に、そのデバイスが胃内に滞留されるような容量にエンベロープの膨張を生じる。
【0008】
米国特許4,434,153には、長期間にわたり胃内に滞留するため、胃からの液体を吸収し、膨張し、膨潤するヒドロゲルから形成されたマトリックス、ならびに薬物含有コアおよびコアを取り囲む脂肪酸および蝋の壁部を有するマトリックスを通して分散する複数個の小さな丸剤からなるデバイスが記載されている。
【0009】
上述の刊行物のデバイスにおける重要な欠点はそれらが、サイズの急速な漸減に寄与し、胃からのデバイスの早期の除去を導く胃の自然の収縮を無視していることにあるように思われる。これらのデバイスは胃の収縮を包含する自然の機械的な活動に抵抗するのに必要な機械的強度を欠いている。
【0010】
米国特許4,767,627,米国特許4.735,804および米国特許4,758,436には様々な幾何的形態:すなわち連続固体スティック;四面体、平面ディスク;多重裂片平板デバイス;およびリングの剤形が提示されている。これらのデバイスは嚥下に適当なサイズに圧縮され、幽門の通過が防止されるサイズに自己膨張する。それらは既定の時間、幽門の急速な通過を防止する胃の力に十分に抵抗し、胃液の存在下に侵食する。デバイスは均一で、すなわちそれらはデバイスの異なる領域に同一のポリマー構成成分を含有する。特許4,735,804に提供される四面体は互いにポリマーマトリックスにより結合するその4つの裂片において均一である。
【0011】
医薬は液体溶液または懸濁液としてデバイス中に導入され、これらには言及した防腐剤または緩衝剤を添加する必要がある。別法として、放出が制御された薬物モジュールをデバイスに繋留または固着させることもできる。
【0012】
米国特許5,002,772および5,443,843には、胃腸管の通過を遅らせた経口薬物送達システムが開示されている。これはその中に含まれた薬物(単数または複数)を制御された様式で放出し、それらの膨張形態では胃腸管の通過に抵抗する。これらの送達システムは、1または2以上の非連続的な圧縮可能エレメントとしての保持アームからなり、これが制御放出薬物含有デバイスに固定されている。好ましい構成はコイルまたは螺旋である。これらのシステムは少なくとも2つの異なる部分(少なくとも1個の保持アームおよび制御放出デバイス)から構成される必要がある。
【0013】
米国特許5,047,464および5,217,712には、生物腐食性、熱硬化性、共有結合により架橋されたポリ(オルト)エステルポリマーからなるシステムが記載されている。これは送達時に圧縮状態から膨張する。胃における酸性環境は最終的にシステム内のポリマーの分解を生じ、それにより胃からのその排出が可能になる。このシステムは高い弾性を特徴とする。
【0014】
最後に、米国特許5,651,985にはポリビニル−ラクタムとポリアクリレートの混合物から案出されたシステムが記載されている。これらは胃内におけるそれらの高い膨潤度を特徴とし、長時間にわたる胃内での滞留を生じる。
【0015】
胃内滞留デバイスの開発にもかかわらず、既知のデバイスはなお多くの欠点を有し、まださらに改良された送達システムの必要性がある。本発明は、既知のデバイスの欠点を克服するこのような改良されたデバイスを目的とするものである。
【0016】
したがって本発明の目的は、十分な時間胃内に滞留し、この間にそれから活性薬物を放出する制御放出薬物送達システムを提供することにある。
【0017】
本発明のこの目的および他の目的は説明の進行に従いさらに明瞭になるものと確信する。
【0018】
(発明の概要)
本発明は、胃腸管内に活性薬剤を制御放出する胃内滞留性薬物送達システムにおいて、そのシステムが、
(a)慣用の剤形よりも胃内に滞留することはないポリマーを含む二または三次元幾何学的構成を有する単一層または多重層マトリックスであって、上記ポリマーは:
(1)(i)胃液に即時には溶解しない親水性ポリマー;
(ii)5.5未満のpHにおいては実質的に不溶性の腸溶性ポリマー;
(iii)疎水性ポリマー;および
(iv)(i),(ii)または(iii)に定義した少なくとも2種のポリマーの混合物から選択される分解性ポリマー;
から選択される分解性ポリマー、
(2)非分解性ポリマー;ならびに
(3)(1)に定義した少なくとも1種のポリマーと(2)に定義した少なくとも1種のポリマーの混合物、
から選択される、上記単一層または多重層マトリックス;
(b)上記マトリックスに固定または付着され、慣用の剤形よりも胃内に滞留することはない連続的または非連続的な膜であって、実質的な機械的強度を有する少なくとも1種のポリマーを含む上記膜、ならびに
(c)粒子の形態であってもよく、または任意により薬物含有手段内に含有された薬物であって、上記薬物または上記薬物含有手段内に含有された薬物は上記マトリックスの層に包埋されるかもしくは上記マトリックスの少なくとも2層の間に捕獲されるか、または上記送達システムに結合される、上記薬物、
を含み、上記マトリックスが上記膜に固定または付着されている場合には、上記送達システムの胃からの排泄を約3〜約24時間の間防止する、上記薬物送達システムに関する。
【0019】
本発明の送達システムはさらに、上記マトリックスの少なくとも一面をカバーし、所望により上記膜のすべてまたは部分をカバーする遮蔽層を含んでいてもよく、ここで上記遮蔽層は慣用の剤形よりも胃内に滞留することはないポリマーからなり、上記ポリマーは、(a)胃液に即時には溶解しない親水性ポリマー;(b)5.5未満のpHには実質的に不溶性の腸溶性ポリマー;(c)疎水性ポリマー;および(d)(a)、(b)または(c)のいずれかに定義した少なくとも2種のポリマーの混合物から選択される。
【0020】
本発明の送達システムに含有される薬物は、未加工粉末、もしくは適当な液体中に溶解、分散もしくは包埋された粉末、半固体、ミクロもしくはナノ粒子、ミクロもしくはナノ球体、錠剤、カプセルまたは適当な特異的二もしくは三次元マトリックス中の形態である。
【0021】
本発明の送達システムはさらに、適当な可塑剤を含んでいてもよく、これは送達システムの任意の成分中に含有される。可塑剤は好ましくはフタル酸エステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、脂肪酸エステルおよび酒石酸エステルから選択されるエステル、グリセリンもしくはグリコール誘導体、またはソルビトールから選択される。可塑剤は好ましくは遮蔽層に含有される。
【0022】
加えて、さらに本発明の送達システムは少なくとも1種の気体形成剤からなる。気体形成剤は好ましくは体温で沸騰する液体の気体形成剤または固体の気体形成剤であり、好ましくは医薬的に許容される炭酸塩である。
【0023】
特定の実施態様においては、本発明の送達システムは、さらにその少なくとも一外表面に固着した抗接着層を含んでもよい。抗接着層は好ましくは医薬的に許容されるセルロースまたはその誘導体、シリケート、またはpH5.5未満では実質的に不溶性の腸溶性ポリマーを含む。とくに好ましい実施態様においては、上記抗接着層は微結晶セルロースを含む。
【0024】
本発明の送達システムを構成する親水性ポリマーはタンパク質、ポリサッカライド、ポリアクリレート、ヒドロゲル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびこのようなポリマーの誘導体から選択される。
【0025】
本発明の送達システムを構成する腸溶解性ポリマーは、シェラック、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートおよび好ましくはエステル基対遊離カルボキシル基の比が2:1のメチルメタクリレート−メタクリル酸コポリマーからなる群より選択される。
【0026】
好ましい実施態様においては、本発明の送達システムは上記親水性ポリマーと上記腸溶性ポリマーならびにさらに任意に可塑剤の混合物を含む遮蔽層から構成される。このような実施態様においては上記親水性ポリマーは好ましくは適当な架橋剤とくにグルタールアルデヒドで架橋されている。親水性ポリマーは酵素的に加水分解された架橋ゼラチンまたはその誘導体であることが好ましい。上記腸溶性ポリマーは好ましくは、エステル基対遊離カルボキシル基の比が2:1のメチルメタクリレート−メタクリル酸コポリマーである。とくに好ましい可塑剤はグリセリンである。
【0027】
さらに特異的な実施態様においては、本発明の送達システムにおける構成成分の疎水性非分解性ポリマーはエチルセルロース、約5〜10%の官能性四級アンモニウム基を有するアクリル酸とメタクリル酸エステルのコポリマー、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルおよびそれらの任意の混合物からなる群より選択される。
【0028】
さらに他の特定の実施態様においては、本発明の送達システムにおける膜は、疎水性、非分解性のポリマー(単数または複数)、疎水性、分解性のポリマー(単数または複数)またはそれらの混合物を含む。好ましくは、上記膜は1−ポリ(乳酸)(1−PLA)およびエチルセルロースのそれぞれ9:1における比の混合物からなる。
【0029】
本発明の送達システムは胃腸管内において狭い吸収窓を有する薬物の送達に適している。このような薬物は、治療用の核酸もしくはアミノ酸配列、核酸もしくはアミノ酸誘導体、ペプチド模倣薬物、抗生物質、治療用イオン、ビタミン、気管支拡張剤、抗痛風剤、抗高血圧剤、利尿剤、抗高脂血症剤またはACE阻害剤である。
【0030】
送達システムはまた、胃腸管の局所的処置を意図される薬物の送達にとくに適している。このような薬物には、抗腫瘍剤、ヒスタミン(H2)ブロッカー、ビスマス塩、合成プロスタグランジンまたは抗生物質がある。
【0031】
さらに本発明の送達システムは結腸で分解する薬物、たとえばメトプロロールの送達に適している。
【0032】
本発明の送達システムは、消化性潰瘍、非潰瘍性消化不良、ゾリンジャー・エリソン症候群、胃炎、十二指腸炎および関連潰瘍性損傷、胃または十二指腸新生物から選択される胃腸管関連障害の処置にとくに有用である。
【0033】
本発明の送達システムはディスク、多重裂片構成、三角または四角の形態を有し、上記システムは平面でも非平面でもよい。
【0034】
本発明の送達システムは適当なカプセル中に折り畳れていてもよい。したがって更なる実施態様においては、本発明はまた、本発明の送達システムを含有するカプセルに関する。
【0035】
本発明を一つには添付された図面を参照してさらに詳細に説明される。
【0036】
(発明の詳細な説明)
本発明の剤形のような制御された様式で薬物を放出する胃内滞留性の医薬剤形は多くの治療的利益を提供する。本発明の胃内滞留性制御送達デバイスが有利な一用途には狭い吸収窓を有する薬物の投与がある。これらの薬物は通常、胃腸管の上部の限られたセグメント(多くの場合、十二指腸および空腸)で吸収される。さらに、これらの薬物の多くは上述の胃腸管の上部において能動輸送システムによって吸収されるか、または腸液の中位のpHでは貧弱な溶解性しか示さない。狭い吸収窓を有する薬物の長期にわたる十二指腸への送達はそれらの生物学的利用性を増大させ、明らかにその治療効果も増大させる。このような増大の一例は、十二指腸に直接輸液したレボドーパの改良された生物学的利用性および治療効果に見られる。
【0037】
長期胃滞留性薬物送達システムの使用が有利である他の用途は胃または十二指腸の疾患の局所的治療である。薬物を病理学的組織に標的化すると通常、疾患に冒された組織または臓器において達成される薬物濃度はその全身的濃度より高く、標的化臓器または組織における薬物の有効性が上昇し、全身的な副作用は低下するので、局所的な障害の処置は好ましい。
【0038】
本発明の送達システムのような胃内滞留性送達システムはまた獣医学的な使用に適当で、哺乳動物とくに家庭用の動物およびペットに使用される。
【0039】
本発明の送達システムの基底にある基本的な概念は、少なくとも2種の成分、すなわちマトリックスおよびそれに結合または付着した膜からなるシステムの組み合わせの提供である。別個に使用すると、マトリックスも膜も慣用の剤形の場合より胃内に滞留するものではない。しかしながら、膜をマトリックスに固定または付着させた場合、それは所望の時間、マトリックスの排泄を防止する。同時に、膜をマトリックスに固定または付着させた場合、マトリックスは所望の時間、胃からのその急速な排泄を導くことになるいわゆる膜の「崩壊」を防止する。本発明の送達システムは所望の薬物放出時間後には、その崩壊が可能なように設計されているので、その成分のすべてが胃から排泄される。
【0040】
したがって本発明は、胃腸管内に活性薬剤を制御放出する胃内滞留性薬物送達システムにおいて、そのシステムが、
(a)慣用の剤形よりも胃内に滞留することはないポリマーを含む二または三次元幾何学的構成を有する単一層または多重層マトリックスであって、上記ポリマーは:
(1)(i)胃液に即時には溶解しない親水性ポリマー;
(ii)5.5未満のpHにおいては実質的に不溶性の腸溶性ポリマー;
(iii)疎水性ポリマー;および
(iv)(i),(ii)または(iii)に定義した少なくとも2種のポリマーの混合物から選択される分解性ポリマー;
から選択される分解性ポリマー、
(2)非分解性ポリマー;ならびに
(3)(1)に定義した少なくとも1種のポリマーと(2)に定義した少なくとも1種のポリマーの混合物、
から選択される、上記単一層または多重層マトリックス;
(b)上記マトリックスに固定または付着され、慣用の剤形よりも胃内に滞留することはない連続的または非連続的な膜であって、実質的な機械的強度を有する少なくとも1種のポリマーを含む上記膜、ならびに
(c)粒子の形態であってもよく、または任意により薬物含有手段内に含有された薬物であって、上記薬物または上記薬物含有手段内に含有された薬物は上記マトリックスの層に包埋されるかもしくは上記マトリックスの少なくとも2層の間に捕獲されるか、または上記送達システムに結合される、上記薬物、
を含み、上記マトリックスが上記膜に固定または付着されている場合には、上記送達システムの胃からの排泄を約3〜約24時間の間、好ましくは約8〜約12時間の間防止する、上記薬物送達システムに関する。
【0041】
本明細書および前述の特許請求の範囲を通じて「を含む」およびその変化、たとえば「を含み」または「を含んでいる」の語は、前後関係から他の解釈が要求される場合のほかは、述べられた整数もしくは工程または整数もしくは工程のグループが包含されることを意味するが、他の任意の整数もしくは工程または整数もしくは工程のグループを排除するものではないことを理解すべきである。
【0042】
「胃内に慣用の剤形の場合よりも滞留しない」の語は一般的に、絶食した胃内に2時間以上にわたり滞留することはないこのような内容および任意によりサイズのポリマーを意味する。
【0043】
「胃液に即時には溶解しないポリマー」の語は一般に、胃内で投与から約15分以内で溶解するポリマーを意味する。このようなポリマーには、たとえば環境のpHには無関係に水溶性のポリマー[たとえば、Byco(登録商標)またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)]がある。
【0044】
「胃液に即時には溶解しないポリマー」の語は一般にその胃内滞留中に徐々に溶解するポリマーを意味する。このようなポリマーには、たとえば24時間にわたりポリマー約50%の速度で溶解する架橋ポリマーがある。
【0045】
「実質的な機械強度を有する」の語は一般に、すべてInstronの引っ張り張力テスターをクロスヘッドスピード25mm/分で使用して約100〜2000Mpaのヤング率を有し、約2〜25Mpaの力(0.5%オフセットにおいて)を生じるポリマーを意味する。
【0046】
送達デバイス中に含有される薬物または薬物の組み合わせの機械的強度、侵食および放出特性を制御するためには、医薬的に許容される非毒性の充填剤をマトリックス、膜または遮蔽層に添加してもよい。このような充填剤の例には、デンプン、グルコース、ラクトース、無機塩、たとえば塩化、炭酸、重炭酸、硫酸、硝酸、ケイ酸ナトリウムまたはカリウムならびにアルカリ金属リン酸塩および酸化物がある。
【0047】
膜は既定の時間システムをその望ましい構成に維持することによりシステムの胃内滞留を制御しなければならない。システムの胃からの排泄は遮蔽層(それが存在しない場合はマトリックス層)が生物分解、生物侵食、溶解または崩壊を受けて、膜がその小さい分画に分離可能になったのち、膜、したがって必然的にシステムに任意の他の方法による排泄が起こる。
【0048】
本発明のデバイスに使用される膜は実質的な機械的強度を有する。このような膜は、たとえばセルロースエーテルおよび他のセルロース誘導体、たとえばセルロースナイトレート、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレートまたはセルロースアセテートプロピオネート;ポリエステルたとえばポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンおよびそのコポリマーおよび配合物;ポリラクチドおよびそのp−ジオキサノンとのコポリマー、ポリグリコリド、ポリラクチドグリコリド;ポリエチレンおよびポリプロピレンを含むポリオレフィン;フルオロプラスティックスたとえばポリビニリデンフルオリドおよびポリテトラフルオロエチレン、それらのヘキサフルオロプロピレンまたはエチレンとのコポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリビニルアルコール、アンモニウム−メタクリレートコポリマーおよび他のポリアクリレートおよびポリメタクリレート;ポリアクリロニトリル;ポリウレタン;ポリフタルアミド;ポリアミド;ポリイミド;ポリアミド−イミド;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエチレンスルフィド;ポリブタジエン;ポリメチルペンテン;ポリフェニレンオキシド(修飾されていてもよい);ポリエーテルイミド;ポリヒドロキシアルカノエート;チロシン誘導ポリアリーレートおよびポリカルボネートたとえばポリエステルカルボネート、ポリ無水物、ポリフェニレンエーテル、ポリアルケナマー、アセタールポリマー、ポリアリル、フェノール性ポリマー、ポリメラミンホルムアルデヒド、エポキシポリマー、ポリケトン、ポリビニルアセテートおよびポリビニルカルバゾールからなる。
【0049】
好ましい一例においては、膜はl−ポリ(乳酸)(l−PLA)およびエチルセルロースのそれぞれ比9:1の混合物からなる。
【0050】
膜は適当な不活性金属たとえばチタニウムまたは不活性合金を含有するかまたはそれによって置換させることによって本発明の送達システム中に導入される。このような金属または金属合金はデバイスの投与後、急速に消失することを防止する。
【0051】
好ましい実施態様においては、本発明の胃内滞留性送達システムは、さらに、上記マトリックスの少なくとも一部の面をカバーし、所望により上記膜のすべてまたは部分をカバーする遮蔽層を含む。遮蔽層は慣用の剤形の場合よりも胃内に滞留することはないポリマーからなり、上記ポリマーは、(a)胃液に即時には溶解しない親水性ポリマー;(b)5.5未満のpHには実質的に不溶性の腸溶性ポリマー;(c)疎水性ポリマー;および(d)(a)、(b)または(c)のいずれかに定義した少なくとも2種のポリマーの混合物から選択される。
【0052】
「既定の時間後にこの層の生物分解、生物腐食、溶解または崩壊を防止しない」の語は治療的必要に従い、一般的に3〜12時間、24時間まで、好ましくは8〜12時間を意味する。
【0053】
本発明の送達システムは少なくとも1種の医薬的に有効な薬物を含有し、この薬物は任意の薬物含有手段中に含有されてもよい。薬物は、未加工粉末、または適当な液体中に溶解、分散または包埋された粉末、半固体、ミクロもしくはナノ粒子、ミクロもしくはナノ球体、錠剤、カプセルまたは適当なマトリックスの形態である。任意の上記形態中の薬物または薬物混合物は本発明の送達システムにおけるマトリックスの少なくとも一つの層に包埋される。別法として、多重層マトリックス、好ましくは二重層マトリックスを有する実施態様においては、薬物は遊離形態でまたは薬物含有手段内に含有された形態のいずれかで、上記任意の2層の間に捕獲されていてもよい。たとえば、半固体の薬物はマトリックスの2層間に含有される。他の例では、薬物は錠剤、カプセルまたは医薬的に適合性のあるマトリックス中に含有され、薬物含有錠剤、カプセルまたは医薬的に適合性のマトリックスがマトリックスの任意の2層間に捕獲される。このような多層実施態様は遮蔽層を有することが好ましい。別法として、好ましくは上記薬物含有手段中に含有された薬物は本発明の送達システムに繋留手段によって繋留されるか、または他の方法で結合される。
【0054】
本発明のデバイスはさらに、デバイスの外表面(単数または複数)に固着できる抗接着物質によってコートするのが有利である。このような物質はその水和時にデバイスの外層(たとえば、マトリックスまたは遮蔽層)の自己接着を防止する任意の不活性、非膨潤性物質とすることができる。抗接着物質はたとえばセルロースまたはセルロース誘導体、ケイ酸塩たとえばケイ酸マグネシウムもしくはケイ酸アルミニウム、またはpH5.5未満で実質的に不溶性の腸溶性ポリマーとすることができる。抗接着層として使用されるこのような物質の好ましい一例には微結晶セルロースがある。
【0055】
投与を容易にするために、本発明の送達デバイスは折り畳んだ形態で投与することができる。好ましくは、デバイスはカプセル好ましくはゼラチンカプセル中に折り畳まれる。このような実施態様では、折り畳まれた構成においてその外層が互いに付着することを防止するために、デバイスをさらに上記医薬的に許容される抗接着層でコーティングすることが好ましく、このように投与後に胃の内腔での湿潤過程で展開することができる。
【0056】
折り畳まれたデバイスは、デバイスの膨張または浮揚を意図するものではなくむしろ内圧を付与して、折り畳まれたデバイスがカプセルの投与および胃内でのその溶解後に開くように、さらに気体形成剤から構成されてもよい。気体形成剤は体温(34℃〜40℃)で沸騰する液体の気体形成剤または固体の気体形成剤である。固体の気体形成剤の例は任意の適当な炭酸塩、たとえば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムであり、炭酸水素ナトリウムが好ましい。液体の固体形成剤はギ酸メチルエステル、テトラメチルシラン、イソペンタン、ペルフルオロペンタンの異性体、ジエチルまたはジエテニルエーテルである。気体形成剤は上記マトリックスと混合するか、またはそれらに直接もしくは間接に結合させる。
【0057】
本発明の送達デバイスはさらに任意に、医薬的に許容される可塑剤から構成されてもよい。可塑剤はデバイスの任意の部分、たとえばマトリックス、遮蔽層、または膜に含有される。可塑剤は熟練者に周知の任意の適当な可塑剤とすることができる。たとえば、可塑剤はエステルたとえばフタル酸エステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、脂肪酸エステルおよび酒石酸エステル、グリセリンもしくはグリコール誘導体、またはソルビトールである。遮蔽層に含有される好ましい可塑剤はグリセリンである。
【0058】
デバイスの各成分は、製薬および薬物設計の技術分野の熟練者には周知の任意の慣用方法、たとえば各層を加熱もしくは溶融することにより、または適合性のある慣用の接着材料たとえばα−シアノアクリレート、アクリルもしくはメタクリル接着剤、エポキシドもしくは可塑性ポリビニル接着剤を用いて、他の成分に固着させてデバイスを形成する。しかしながら、層の「接着」はポリマーをわずかに溶解する有機溶媒たとえばエチルアルコール、アセトン、メチレンクロリド、クロロホルムまたは四塩化炭素を用いて行うのが好ましい。
【0059】
本発明の送達システムの様々な成分に適当な親水性ポリマーは、必要に応じて適当な処理後、胃液に即時には溶解しない任意の親水性ポリマーであり、たとえばタンパク質、ポリサッカライド、ポリアクリレート、ヒドロゲルまたはこれらのポリマーにおける任意の誘導体である。
【0060】
タンパク質の例には、結合組織に由来するタンパク質たとえばゼラチンおよびコラーゲン、アルブミンたとえば血清アルブミン、ミルクアルブミンもしくは大豆アルブミンがある。好ましい実施態様においては、親水性ポリマーはゼラチンまたはゼラチン誘導体、好ましくは酵素的に加水分解されたゼラチンである。特定の例には分子量10,000〜12,000の酵素的に加水分解されたゼラチンがある。
【0061】
適当なポリサッカライドには、アルギン酸ナトリウムまたはカルボキシメチルセルロースがある。
【0062】
他の親水性ポリマーには、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはポリアクリレートたとえばポリヒドロキシエチルメチルアクリレートがある。
【0063】
親水性ポリマーは適当な架橋剤で架橋されていてもよい。このような架橋剤は薬学および薬物設計の技術分野の熟練者には周知である。これらには、たとえばアルデヒド(たとえばホルムアルデヒドおよびグルタールアルデヒド)、アルコール、二、三または四価のイオン(たとえばアルミニウム、クロム、チタニウムまたはジルコニウムイオン)、アシルクロリド(たとえばセバコイルクロリド、テトラフタロイルクロリド)または任意の他の適当な架橋剤たとえば尿素、ビス−ジアゾベンチジン、フェノール−2,4−ジスルホニルクロリド、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン、3,6−ビス−(メルクロメチル)−ジオキサン尿素、アジピミジン酸ジメチルエステル、N,N’−エチレン−ビス−(イソアセトアミド)またはN−アセチルホモシステインチオラクトンがある。他の適当なヒドロゲルおよびそれらの適当な架橋剤は、たとえばHandbook of Biodegradable Polymers[A.J.Domb,J.Kost&D.M.Weisman編(1997)Harwood Academic Publishers]に掲げられている。この記載は引用により本明細書に導入される。好ましい架橋剤はグルタールアルデヒドである。
【0064】
腸溶性ポリマーはpH5.5未満では実質的に不溶性のポリマーである。このようなポリマーは一般に腸溶性ポリマーと呼ばれ、製薬工業においては錠剤の腸溶性コーティングに使用される。例としては、シェラック、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートまたはメチルメタクリレート−メタクリル酸コポリマーがある。
【0065】
腸溶性ポリマーは改良された機械的性質(たとえば、ヤング率および産生強度)を有するので、マトリックスまたは遮蔽層に腸溶性ポリマーを包含させることにはいくつかの利点がある。遮蔽層への腸溶性ポリマーの添加はインビトロにおける遮蔽層の急速な破壊を防止する。腸溶性ポリマーを使用する更なる利点は、胃内では起こらなかったデバイス成分たとえばマトリックス、遮蔽層または膜の腸内での完全な溶解および/または崩壊を保証することである。遮蔽層に導入される好ましい腸溶性ポリマーはエステル基対遊離カルボキシル基の比が2:1のメチルメタクリレート−メタクリル酸コポリマーである。
【0066】
本発明の特定の実施態様によれば、マトリックスは腸溶性ポリマー中に包埋された薬物からなる。マトリックス、膜および遮蔽層からなるこのような特異的な実施態様においては、遮蔽層はその溶解性を低下させるために適当に架橋された親水性ポリマー約50%、腸溶性ポリマー約30%および可塑剤好ましくはグリセリン約20%を含む。
【0067】
送達デバイスにおけるマトリックスまたは遮蔽層には、分解性または非分解性疎水性ポリマーを単独でまたは組み合わせて含有されてもよい。
【0068】
本発明の送達デバイス内に使用できる非分解性疎水性ポリマーの例には、エチルセルロースまたはアクリル酸−メタクリル酸エステルコポリマーがあり、約5〜10%の機能性四級アンモニウム基を有する。他の適当なポリマーはポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルおよびそれらの混合物である。このような非分解性ポリマーは侵食/分解を受けないので、それらがマトリックス中に用いられた場合、マトリックスのサイズまたはその機械的特性はデバイスの胃からの排出を妨げるものであってはならない。
【0069】
分解性疎水性ポリマーの例には、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、たとえばポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物がある。
【0070】
送達デバイス中に薬物が含有される実施態様においては、マトリックスの役割は繋留またはそれに付着させるというよりも薬物を含有することである。マトリックスを構成するポリマー/ポリマー混合物が胃液に即時には溶解しない場合、遮蔽層は任意であるが、薬物が液体溶液もしくは懸濁液中、任意の種類の半固体たとえばゲル、軟膏もしくはクリーム中、または即時可溶性のポリマーフィルムもしくはマトリックス中に包埋されている場合には、また一方これらがマトリックス層内に包埋されるかまたはマトリックス層の間に捕獲される場合には、遮蔽層は必須になる。
【0071】
遮蔽層の役割は送達システムの物理的統合性を維持し(換言すれば、マトリックスと膜との付着を助け)、同時に送達システムからの薬物放出速度の制御を助けることである。遮蔽層は、間接的にマトリックスの膜への付着を補助する以外には、それ自体でシステムの胃内滞留性を制御するものではない。
【0072】
本発明の送達システムの成分はすべて、不活性な医薬的に適合性のある物質であることは明らかである。「不活性」の語は、活性薬物と反応せず、また他のいかなる方法でもその性質に影響しないこと、またはそれが生物学的もしくは他の作用とくに処置対象への投与に際し有害作用を生じないことを意味する。「医薬的に適合性のある」の語は処置対象への投与に際し、生物学的または他の作用とくに有害作用を生じないことを意味する。
【0073】
本発明の送達システムは少なくとも1種の活性物質の医薬的有効量からなる。この量は、この場合の目的では本技術分野で周知の考慮によって決定され、一般的に疾患または障害を防止、緩解、処置または治癒するのに十分な量を意味する。活性薬剤は(粉末、溶液、分散液および任意の他の適当な形態として)マトリックス内に導入するか、またはそれと混合する。「マトリックス内に包埋する」の語は薬物とマトリックスとのこのような任意の導入または組み合わせを意味する。マトリックス中に包埋された活性薬物は、標的組織または臓器への薬物の送達を助けるすべて不活性の、非毒性固体または液体物質である適当な担体、希釈剤およびアジュバントと組み合わせてもよい。
【0074】
薬物含有層(医薬貯蔵部)は連続的または非連続的なマトリックスまたはヒドロゲルの形態であり、それは薬物を溶液もしくは分散液またはそれら両者として含有する。また任意に、薬物はまず制御放出ミクロもしくはナノ粒子またはミクロもしくはナノ球体に導入し、マトリックスまたはヒドロゲルと混合する。薬物は任意の種類の半固体たとえばゲル、軟膏もしくはクリームに導入し、または直接錠剤もしくはカプセルに導入し、薬剤含有錠剤もしくはカプセルをマトリックス中に包埋させるかまたは薬物含有錠剤もしくはカプセルを上記送達システム(この実施態様では、デバイスのマトリックスは任意に他の薬物(単数または複数)から構成されてもよい)に繋留または付着させることができる。錠剤またはカプセルは任意の医薬的に許容される繋留手段たとえばコントラスト縫合糸を含む分解性または非分解性縫合糸によって繋留することができる。
【0075】
本発明による活性薬物は胃腸管内の疾患または障害を防止、緩解、処置または治癒するのに適当な任意の薬物とすることができる。
【0076】
薬物は胃腸管において狭い吸収窓を有する薬物である。胃腸管において狭い吸収窓を有する薬物の例には、治療用核酸配列または誘導体、アミノ酸配列または誘導体、ペプチド模倣薬、抗生物質、治療用イオン、ビタミン、気管支拡張剤、抗抗血圧症剤、利尿剤、抗痛風剤、抗高脂血症剤またはACE阻害剤がある。
【0077】
治療用核酸誘導体の例には、たとえば、アシクロビール、AZTまたはジダノシンがある。
【0078】
治療用アミノ酸配列またはそれらの誘導体の例は、ガバペンチン、レボドーパ、α−メチルドーパ、バクロフェンまたはバラシクロビールである。
【0079】
狭い吸収窓を有する抗生物質の例には、ニトロフラントイン、シプロフロキサシンまたはβ−ラクタム抗生物質たとえばアモキシシリンもしくはセファレキシンがある。
【0080】
治療用イオンの例には、炭酸またはクエン酸リチウム、炭酸またはクエン酸カルシウムがある。
【0081】
ビタミンの例には、リボフラビン、アスコルビン酸、葉酸またはビタミンEがある。
【0082】
抗高脂血症剤にはプラバスチンがある。
【0083】
ACE阻害剤の例には、カプトプリル、ベナゼプリル、エナラプリル、シラザプリル、フォシノプリルまたはラミプリルがある。
【0084】
気管支拡張剤の例にはアルブテロールまたはピルブテロールがある。
【0085】
胃腸管内で狭い吸収窓を有する薬物の他の例にはフロセミド、アロプリノールまたはアテノロールがある。
【0086】
胃腸管内で狭い吸収窓を有する薬物のほかに、本発明の送達システムは胃腸管の局所的処置のための薬物から構成されてもよい。これらはたとえば、胃の新生物たとえば胃の腺癌または胃リンパ腫に使用することができる。
【0087】
胃腸管の局所的処置に対する薬物の例には抗腫瘍剤、ヒスタミン(H2)ブロッカー、ビスマス塩、合成プロスタグランジンまたは抗生物質がある。H2ブロッカーはシメチジン、ファモチジンまたはラニチジンである。ビスマス塩はビスマスサブサリチル酸塩またはビスマスサブクエン酸塩である。合成プロスタグランジンの例にはミソプロストールがある。抗腫瘍剤は5−フルオウラシル、ドキソルビシン、マイトマイシン、セムスチン、シスプラチン、エトポシドまたはメトトレキセートである。適当な抗生物質はクラリスロマイシン、アモキシシリン、メトロニダゾールまたはテトラサイクリンである。
【0088】
胃腸管内で狭い吸収窓を有するか胃腸管の局所的処置に意図される上述の薬物に加えて、本発明の送達システムには活性薬物として結腸で分解する薬物たとえばメトプロールを含有させてもよい。
【0089】
上述の薬剤以外でも、胃腸管内において治療効果を有する薬剤、または胃腸管内で狭い吸収窓を有する薬剤、または結腸で分解する薬剤は本発明のデバイスによって送達することができる。このような薬剤は本技術分野に属する熟練者には周知であり、単独または他の適当な治療剤と組み合わせて送達することができる。
【0090】
本発明のデバイスの一例を図1に例示する。デバイス(1)は三次元構成を有し、薬物を含有するマトリックス(100)を含む。ストリップ(110)は三次元マトリックス(100)の側部に固着し、機械的強度を有する連続的な膜(また、フレームとも呼ばれる)を形成する。ストリップ(110)は互いに隣接し、薬物含有マトリックスはそれらの内部に囲まれている。デバイスはさらにそれらの露出した面を抗接着性粉末層(130)で覆われた遮蔽層(120)からなる。
【0091】
別のデバイス(2)を図2に例示する。図から明らかなように、ストリップ(210)はそれらの間のギャップで薬物含有マトリックスに固着し、非連続なフレームを形成する。
【0092】
他の実施態様を図3に例示する。この実施態様(3)においては、膜(310)は1個のユニットのみからなる。それは薬物含有マトリックス(300)の頂部に固着される。別法として、膜(フレーム)は図1のフレームに例示するように、分画化された連続的とすることもできるし、また図2のフレームに類似の様式で非連続的とすることもできる。遮蔽層(320)はマトリックスの底部ならびに膜(310)およびマトリックスの頂部に固着される。抗接着粉末層(330)は遮蔽層の露出した表面に固着される。したがって、遮蔽層は薬剤含有マトリックスと、それに固着された機械的に強力な膜に挟まれる。
【0093】
膜は連続的でも非連続的でも、分画化されていてもいなくてもよく、図1〜3に示す実施態様に限定されるものではない。すなわち膜は連続的もしくは非連続的であり、分画化されもしくは分画化されず、円形、多重裂片または十字型構成を有していてもよい。これらの連続的または非連続的、分画化されまたは分画化されていない膜は分解性ポリマー(単数または複数)、非分解性ポリマー(単数または複数)またはそれらの混合物からなり、その高い機械的性質により、腸へのデバイスの急速な通過を可能にするサイズへの収縮を含めて、その自然の機械的活動によるデバイスサイズの急速な低下から胃を防御ことを意図する。膜は送達システムの適当な任意の部分、たとえばフレームの全部または部分に導入され、対称的または非対称的構成を有していてもよい。膜はまたフレーム以外の送達システムの特定部分に導入することもできる。
【0094】
本発明の送達システムを用いて防止、緩解、処置または治癒される胃腸関連疾患および障害には、それらに限定されるものではないが、消化性潰瘍、非潰瘍性消化不良、ゾリンジャー・エリソン症候群、胃炎、十二指腸炎および関連潰瘍性損傷、胃または十二指腸新生物が包含される。本技術分野の熟練者には周知のように考えれば自明のように、本発明のデバイスが胃腸管関連の他の障害にも使用できることは明らかである。
【0095】
本発明のデバイスは様々な二または三次元の構成たとえばディスク、多重裂片構成、三角または四角の形態を有し、上記システムは平面でも非平面でもよい。デバイスが長方形の場合、表面積および厚さはそれぞれ約2〜8cm×1.5〜5cmおよび0.1〜3mmであることが好ましい。好ましくは、表面積は5cm×2.5cm,厚さは0.9mmである。
【0096】
薬物または医薬貯蔵部は内部マトリックス中に均一に分布している必要はない。たとえば、デバイスが多重裂片構成を有する場合には、一部の裂片のみが薬物または医薬貯蔵部を含有することが可能である。さらに、活性薬物はそれらに固着させた錠剤として一つの裂片にのみ(またはデバイスにおける任意の他の形態部分にのみ)導入させることもできる。
【0097】
マトリックスは、約0.5〜7.0cm×0.5〜4cmの寸法、さらに好ましくは4cm×1.5cmの寸法を有する。
【0098】
膜を形成するストリップの寸法は、好ましくは0.5〜7.0cm×0.1〜1.0cm,厚さは0.05〜2.5mmであり、さらに好ましくは寸法約2〜4.5cm×0.5mm,厚さ0.65mmである。
【0099】
遮蔽層の寸法は、好ましくは2〜8cm×1.5〜5cmであり、さらに好ましくは5cm×2.5cmである。
【0100】
デバイスの表面積は、嚥下の容易さおよび便宜からみると、実質的に大きいので、それは適当な担体たとえば医薬的に許容されるカプセル中に折り畳みまたは巻き込んでもよい。胃に到達後、担体は溶解し、デバイスはその元のサイズに開いて所望の長時間胃内におけるその滞留が生じる。薬物はついで制御された様式で標的部位に放出される。
【0101】
本発明は以下の実施例によってさらに詳細に説明する。これらは例示するのみであって、特許請求の範囲に定義された本発明をいかなる意味においても限定するものではない。
【0102】
(実施例)
材料および方法
グリセリン、エチルアルコールおよびメチレンクロリドはFrutaromから、酵素的に加水分解された平均分子量10,000〜12,000のゼラチンはCrodaから、ヘキサンスルホン酸はBDHから購入した。メチルメタクリレート−メタクリル酸コポリマーはRhom−Pharmから供給された。Mw427,000およびMn224,500のl−PLAはBoehringer Ingelheimから購入した。トリエチルクエン酸はMorflexにより、エチルセルロースはTevaにより、ポリビニルピロリドンはTaroにより提供された。グルタールアルデヒド25%およびトリクロロ酢酸はMerckから購入した。クロロホルム、オルトリン酸及びトリクロロ酢酸はBakerから購入した。溶媒は、HPLC用のアセトニトリルを除いて、すべて分析用とした。
【0103】
例示したデバイスの層は適当なポリマー溶液を鋳型に注ぎ、溶媒を37℃でまたは薄い層のフード中室温で蒸発させて調製した。l−PLAおよびエチルセルロース含有層の調製には、溶媒としてクロロホルムを使用した。
【0104】
外層(遮蔽層)とくに親水性ポリマーおよび腸溶性ポリマーの混合物からなる層の調製には、溶媒として50%エチルアルコールおよび50%のNaOH−K2HPO4緩衝液(pH12.7)を使用した。
【0105】
例1−リボフラビン含有医薬デバイス
A.エチルアルコール中にシェラックを溶解し(1:10)、同じ溶媒中にリボフラビンを分散させてリボフラビン(30%)とシェラック(70%)の配合物を含む直径9.5cmのディスクを調製した。混合物をついで鋳型に注ぎ、溶媒を37℃で蒸発させて除去した。乾燥したディスクを5cm×2.5cmのセグメントに切断した。
【0106】
注型物をついで、50%エチルアルコールおよび50%のNaOH−K2HPO4緩衝液の混合物中酵素的に加水分解されたゼラチン(48%,平均分子量10,000〜12,000)、エステル対遊離カルボン酸基の比2:1のメチルメタクリレート−メタクリル酸コポリマー(30%)およびグリセリン(20%)を混合して調製した2つの同じ中間層(遮蔽層)内に挟んだ。同じ溶媒に希釈したグルタールアルデヒド(2%)を攪拌しながら、架橋および蒸発のため注型の直前に加えた。コントラスト縫合糸(長さ0.5cm)を鋳型に、溶媒の最終的蒸発の前に加え、投与後のデバイスのレントゲン写真による検出を可能にした。
【0107】
得られた層をついで微結晶セルロース粉末(抗接着剤)の薄い(外)層でコーティングした。
【0108】
原理的には、各層、すなわちリボフラビン含有層(内層)、中間(遮蔽)層および外層は、それらにエチルアルコールの溶液を適用し、それを乾燥させることによって、中間層は内層の表面上に、微結晶セルロース(外)層は中間層上に固着させた。得られたデバイスは約5cm×2.5cm×0.75cmの長方形の構成を有した。
【0109】
B.Aに記載のように調製した長方形の薬物含有層(内層)を4cm×1.5cmのセグメントに切断し、先にクロロホルムに溶解し、鋳型に入れたl−PLA(90%)およびエチルセルロース(10%)を含む4個の0.5cm幅のストリップ(4.5cmおよび2cm長)で連続的にフレームした。得られたストリップの間にギャップのないフレームはある程度の機械的強度を提供した。ストリップはコントラストのある材料の縫合糸を含む(長い方のストリップは2つの縫合糸を含有し、短い方のストリップは1本だけの縫合糸を含有した)。
【0110】
中間層(遮蔽層)はAに記載のように調製した。内層はそれにエチルアルコールの溶液を適用することによって遮蔽層に固着させた。
【0111】
フレームは最小量のメチレンクロリドを用い、ついでそれを蒸発させることによって遮蔽層の側部に固着させた。
【0112】
第二の遮蔽層は上述の溶媒を用いて、すなわちエチルアルコールおよび最小量のメチレンクロリドをそれぞれ使用して内層およびフレームに接着させた。
【0113】
この実施態様においては、遮蔽層の一つは3つのコントラスト縫合糸を含有した。それぞれ長い方のストリップは2つのコントラスト縫合糸を含有し、短い方のストリップは1本の縫合糸を含有した。
【0114】
ついで、中間層を微結晶セルロースでコーティングし、エチルアルコールを用いてそれに接着させた。
【0115】
異なる特性たとえばプラスティック膜の厚さ、プラスティック膜のポリマー構成、デバイスのサイズ、ならびにプラスティックストリップのサイズ、数および連続性を有するデバイスを調製するために、同じ原理を使用した。
【0116】
例2−胃内滞留性剤形(GRDF)の異なる性質の胃におけるその通過時間に対する作用のインビボ評価
ビーグル犬(6匹)を、送達デバイス(#1〜#8)を投与する前に少なくとも18時間絶食させた。イヌに水は自由に与えた。ついで各イヌに胃チューブを通して400mLの緩衝液(HCl−KCl,pH1.5)、続いてゼラチンカプセル(000)中に折り畳んだデバイスを経口的に与えた。実験はそれぞれのデバイスについて6匹のイヌで反復した。
【0117】
デバイス#1:
2つの外膜(遮蔽層)は同一であり、48%の酵素的に加水分解されたゼラチン、平均分子量10,000〜12,000、30%のエステル対遊離カルボキシル基の比2:1のメチルメタクリレート−メタクリル酸コポリマー、20%のグリセリンおよび2%グルタールアルデヒドから構成され、微結晶セルロース粉末の薄い層で覆われた。
【0118】
マトリックスは70%シェラックおよび30%リボフラビンを含む。
各遮蔽層およびマトリックスの厚さはそれぞれ0.135mmおよび0.5mmであった。マトリックスおよびマトリックスを覆う遮蔽層のサイズ、ならびに、したがってデバイスのサイズは5cm×2.5cmであった。
【0119】
遮蔽層の一つはそれぞれ長さ0.5cmの9本のコントラスト縫合糸を含有する。
【0120】
すべての膜および微結晶セルロース層の接着はエチルアルコールによった。
【0121】
デバイス#2:
デバイス#1と同じ構成成分を有するマトリックスのサイズは4cm×1.5cmであった。2つの遮蔽層はデバイス#1と同じであった。
【0122】
マトリックスは90%l−PLAおよび10%−エチルセルロース混合物の4個のプラスティックストリップを有した。それぞれ2つのストリップの幅は0.5cmとした。それぞれ2つのストリップの長さは4.5cmおよび2cmとした。ストリップの厚さは0.65mmであった。
【0123】
長い方のストリップはそれぞれ2つの縫合糸を含有し、短い方のストリップはそれぞれ1本の縫合糸を含有した。遮蔽層の一つは3本の縫合糸を含有した。
【0124】
遮蔽層のマトリックスおよび微結晶セルロースへの接着はエチルアルコールにより、プラスティック膜はメチレンクロリドを用いて接着させた。
【0125】
デバイス#3:
2つの遮蔽層、マトリックスおよびそれらのサイズはデバイス#2と同様とした。すべてのプラスティックストリップは、マトリックスのフレーム中にある。長い寸法の各側における2つのプラスティックストリップは長さ2.1cmであった(全部で4個のストリップ)。短い寸法の各側における2つのプラスティックストリップはデバイス#2と同じ長さ(2cm)を有した。ストリップの厚さはデバイス#2の場合(0.65mm)と同じであった。6個のプラスティックストリップそれぞれの間には2mmの明瞭なギャップが存在した。
【0126】
それぞれのプラスティックストリップは1本のコントラスト縫合糸を包含した。遮蔽層の一つは3本のコントラスト縫合糸を含有した。
【0127】
すべての層の接着はデバイス#2の場合と同様に行った。
【0128】
デバイス#4:
2つの遮蔽層、マトリックスおよびそれらのサイズはデバイス#2と同様とした。すべて12個のプラスティックストリップは、マトリックスのフレーム中入れた。それぞれフレームの短いおよび長い寸法の各側における2個および4個プラスティックストリップすべてのサイズは0.5cm×1cmであった。ストリップの厚さはデバイス#2の場合と同じであった。12個のプラスティックストリップそれぞれの間には2mmの明瞭なギャップが存在した。
【0129】
それぞれのプラスティックストリップは1本のコントラスト縫合糸を包含した。遮蔽層の一つは3本のコントラスト縫合糸を含有した。
【0130】
すべての層の接着はデバイス#2の場合と同様に行った。
【0131】
デバイス#5:
遮蔽層、マトリックスおよびプラスティックストリップの構成成分はデバイス#2と同様であった。
マトリックスのサイズは1.5cm×1.5cmであった。4個プラスティックストリップのサイズは0.5cm×2cmであった。ストリップの厚さはデバイス#2の場合と同じであった。すべてのプラスティックストリップはマトリックスのフレーム中に存在した。マトリックスおよびストリップを覆う遮蔽層のサイズ(したがって、デバイスのサイズである)は2.5cm×2.5cmであった。
【0132】
それぞれのストリップおよび遮蔽層の一つは0.5cmの長さのコントラスト縫合糸を含有した。
【0133】
すべての層の接着はデバイス#2の場合と同様に行った。
【0134】
デバイス#6:
遮蔽層、マトリックスおよびそれらのサイズはデバイス#2の場合と同様であった。プラスティックストリップは97%エチルセルロース−3%クエン酸トリエチルエステルから構成され、先にメチレンクロリドに溶解し、鋳型に入れた。マトリックスのフレーム中に存在するストリップはそのサイズおよび厚さにおいて、デバイス#2におけるプラスティックストリップの場合と同じであった。コントラスト縫合糸およびすべての層の接着はデバイス#2と同様であった。
【0135】
デバイス#7:
デバイス#7はプラスティックストリップの厚さが0.2mmであったほかはデバイス#2と同様であった。
【0136】
デバイス#8:
98%エチルセルロース−2%ポリビニルピロリドンから構成される錠剤を湿式顆粒法により調製した。錠剤の寸法は、直径0.8cm,厚さ0.35cmであった。各錠剤は互いに垂直に配置された長いコントラスト縫合糸2本を含有した。
【0137】
X線画像は1,2,4,6,8および13時間後に撮影した。GRTの結果は表1に示す。
Figure 0004679020
【0138】
例3−ボーラス経口および静脈内投与様式に比較して、その生物学的利用性および薬物動態学的プロフィルにおけるGRDFを経るリボフラビンの持続放出作用
リボフラビンの生物学的利用性に対する投与様式の作用を評価するため、少なくとも18時間飼料を摂取させなかった(水は自由に与えた)ビーグル犬(n=6)に100mgのリボフラビン−5−ホスフェート(フラビンモノヌクレオチド)を3つの異なる投与様式:(1)薬物の滅菌等張溶液5mLを静脈内にボーラス投与し、さらに同時に400mLの緩衝溶液(HCl−KCl,pH=1.5)を胃チューブによって胃に送達させる経口投与を行う;(2)400mLの同じ酸性緩衝溶液中薬物を経口ボーラス投与する;(3)GRDF(マトリックス層がシェラック:リボフラビン−5−ホスフェート5.5:4.5の比から構成されたほかは実施例2に記載のデバイス#2と類似のデバイス)をゼラチンカプセルに入れ、同じ緩衝溶液400mLとともに胃に投与することにより、薬物を持続放出様式で放出させた。各イヌに、これらの様式のそれぞれで薬物を投与し、試験の各相の間には少なくとも1週間のウォシュアウト期間を設けた。
【0139】
各投与後に、血液サンプル(4mL)を、アルミフォイルで包んだ(光から保護するため)5mlヘパリン化試験管に、様式(1)および(2)では時間0,0.25,0.5,1,1.5,2,2.5,3,3.5,4,6,8,11,24に、様式(3)では時間0,0.5,1,1.5,2,2.5,3,4,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36および48に採集した。遠心分離(4000rpmで10分間)後、血漿を分離し、分析を行うまで−20℃で保存した。
【0140】
GRDF投与(様式3)後には、送達システムの位置を確認するため、4,6,8,12,24,36および48時間にX−線撮影を行った。実験の開始後24時間にイヌに飼料を与えた。
【0141】
リボフラビンの血漿濃度は次のようにHPLC法で測定した。すなわち100μLのトリクロロ酢酸(20%)を300μLの血漿サンプルと混合した。混合物を遠心分離(13,000rpmで10分間)上澄みを分離し85℃で10分間インキュベーションした。さらなる遠心分離(13,000rpmで10分)後、60μLの溶液をC18 HPLCカラムに注入し、移動相は溶液A(10mmolリン酸二水素カリウム/Lおよび5mmolヘキサンスルホン酸/Lをオルトリン酸でpH3にした)中15%アセトニトリルから構成され、流速1mL/分で分離した。励起波長445nmに分光蛍光検出計をセットし、発光波長530nmで薬物を検出した。薬物濃度は適当な標準曲線によって定量した。様式3では、X−線写真によりすべてのデバイスが48時間後にもなお6匹のイヌの胃内に存在することが示された。
【0142】
100mgのリボフラビン−5−ホスフェートを3つの様式で投与したのち、イヌで検出された血漿リボフラビン濃度対時間のプロットを図4および5に示した。
【0143】
静脈内、経口溶液およびGRDFそれぞれの3つの様式で投与したのちの対数終末傾斜のスロープは0.44±0.13,0.35±0.14および0.021±0.014hr-1であった。これらの結果(ivとPOのデータの間には統計的な有意差はない)から、リボフラビンの消失速度は0.4hr-1と(ivおよびPO投与後のいずれにも認められるように)結論することができる。この所見はリボフラビンの吸収速度が消失速度より速いことも確証するものである。他方、GRDF投与後の対数週末傾斜は消失過程よりもかなり遅く、それはフリップフラップ動態論であることを指示し、このスロープはこの場合リボフラビンの吸収速度定数を表し、したがってGRDFからの薬物の持続放出パターンは吸収過程における律速工程であることが確認される。
【0144】
経口投与後のリボフラビンの絶対生物学的利用性は5.8±2.2%であることが見出された。静脈内AUC値によって正規化された時間0から48時間までの分画AUC値を計算することによって、GRDFは、他の投与様式に比較してGRDFで得られた薬物動態学的プロフィル(図4および5)から明らかなように3.5倍を優に越えるリボフラビンの生物学的利用性の増加をもたらすと結論される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のデバイスの実施態様における部分分画化破断透視図。
【図2】 図1に示した実施態様が修飾されたデバイスの部分分画化破断透視図。
【図3】 本発明によるデバイスの他の実施態様における部分分画化透視図。
【図4】 イヌの平均リボフラビン血漿濃度に対する100mgのリボフラビン−5−リン酸塩の投与様式の影響を示す。イヌ(6匹)にIVボーラス、経口溶液または胃滞留性剤形(GRDF)のいずれかの薬物を投与する。点線AおよびBの間の濃度はベースラインの生理学的リボフラビンレベルを表す。
【図5】 イヌの平均リボフラビン血漿濃度に対する100mgのリボフラビン−5−リン酸塩の投与様式の影響を示す。イヌ(6匹)に経口溶液または胃滞留性剤形(GRDF)のいずれかの薬物を投与する。点線AおよびBの間の濃度はベースラインの生理学的リボフラビンレベルを表す。

Claims (16)

  1. 胃腸管内に薬物を制御放出する折り畳み式の胃内滞留性製剤であって、該製剤は、
    (a)ポリマーを含む単一層又は多重層マトリックスであって、該ポリマーは、
    (1)(i)タンパク質、ポリサッカライド、ポリアクリレート、ヒドロゲル、
    ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンからなる群から選択
    される親水性ポリマー;
    (ii)5.5未満のpHにおいて不溶性の腸溶性ポリマー;
    (iii)疎水性ポリマー;及び
    (iv)(i),(ii)若しくは(iii)に定義した少なくとも2種
    のポリマーの混合物;
    から選択される、分解性ポリマー、
    (2)非分解性ポリマー、並びに
    (3)(1)に定義した少なくとも1種のポリマーと(2)に定義した少なくと
    も1種のポリマーの混合物、
    から選択されており、
    (b)すべてInstronの引っ張り張力テスターをクロスヘッドスピード25mm
    /分で使用して100〜2000Mpaのヤング率を有し、2〜25Mpaの力
    (0.5%オフセットにおいて)を生じる少なくとも1種のポリマーを含む少な
    くとも1つのストリップからなる連続的又は非連続的な膜であって、該マトリッ
    クスに付着されている膜、並びに
    (c)マトリックスに含有される薬物、
    を含む、上記折りたたみ式の胃内滞留製剤。
  2. 前記マトリックスの少なくとも一面をカバーする遮蔽層を更に含み、該遮蔽層はポリマーを含み、該ポリマーは、
    (a)タンパク質、ポリサッカライド、ポリアクリレート、ヒドロゲル、ポリビニルア
    ルコール、ポリビニルピロリドンからなる群から選択される親水性ポリマー;
    (b)5.5未満のpHにおいて不溶性の腸溶性ポリマー;
    (c)疎水性ポリマー;及び
    (d)(a)、(b)若しくは(c)のいずれかに定義した少なくとも2種のポリマー
    の混合物、
    から選択され、該遮断層が更に可塑剤を含む、
    請求項1に記載の製剤。
  3. 前記遮断層が、前記マトリックスの全部又は一部をカバーする、請求項2に記載の製剤。
  4. その少なくとも一外表面に固着した抗接着層を更に含む、請求項2又は3に記載の製剤。
  5. 前記遮蔽層が、前記親水性ポリマーと前記腸溶性ポリマーを含む、請求項2〜4のいずれかに記載の製剤。
  6. 前記親水性ポリマーが酵素的に加水分解されたゼラチンである、請求項に記載の製剤。
  7. 前記抗接着層が医薬的に許容されるセルロース、シリケート又は5.5未満のpHにおいて不溶性の腸溶性ポリマーを含む、請求項4〜のいずれかに記載の製剤。
  8. 胃腸管内に薬物を制御放出する折り畳み式の胃内滞留性製剤であって、該製剤は、
    (a)腸溶性ポリマー及び薬物を含むマトリックス;
    (b)該マトリックスの側面に付着する連続又は非連続性の膜であって、1−ポリ(乳
    酸)及びエチルセルロースを含む少なくとも1つのストリップからなる膜;
    (c)親水性ポリマー、腸溶性ポリマー、可塑剤及び架橋剤を含み、該マトリックス及
    び該膜の少なくとも一面をカバーする遮断層;並びに
    (d)微結晶セルロースを含み、該遮断層の少なくとも一面を覆う抗接着層;
    を含む、上記折りたたみ式の胃内滞留製剤。
  9. 胃腸管内に薬物を制御放出する折り畳み式の胃内滞留性製剤であって、該製剤は、
    (a)シェラック及び薬物を含むマトリックス;
    (b)該マトリックスの側面に付着する連続又は非連続性の膜であって、1−ポリ(乳
    酸)及びエチルセルロースを9:1の配合比で含む4つのストリップからなる膜

    (c)酵素的に加水分解された平均分子量10,000〜12,000のゼラチン、メ
    チルメタクリレート−メタクリル酸コポリマー、グリセリン及びグルタルアルデ
    ヒドを含み、該マトリックス及び該膜を挟む遮断層;並びに
    (d)微結晶セルロースを含み、該遮断層を覆う、抗接着層;
    を含む、上記折りたたみ式の胃内滞留製剤。
  10. シート形状に成形されている、請求項1〜のいずれかに記載の製剤。
  11. カプセル中に折り畳まれている、請求項1〜10のいずれかに記載の製剤。
  12. 前記薬物が十二指腸及び/又は空腸で吸収される薬物である、請求項1〜11のいずれかに記載の製剤。
  13. 前記薬物は胃腸管の局所的処置のための薬物である、請求項1〜12のいずれかに記載の製剤。
  14. 前記薬物はメトプロロールである、請求項1〜13のいずれかに記載の製剤。
  15. 前記薬物はリボフラビンである、請求項1〜13のいずれかに記載の製剤。
  16. 薬物は未加工粉末、液体中に溶解、分散若しくは包埋された粉末、半固体、ミクロ若しくはナノ粒子、ミクロ若しくはナノ球体、錠剤、カプセル又はマトリックスの形態である、請求項1〜15のいずれかに記載の製剤。
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