JP4678939B2 - 基板処理装置、及び、基板処理方法 - Google Patents

基板処理装置、及び、基板処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理装置、及び、基板処理方法に関し、特に、エッチングレートが不安定である導電層のサイドエッチングの量比を均一に制御する基板処理装置、及び、基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板面に形成される単層膜、多層膜の露出層がエッチングされて、多様に回路基板が形成される。そのエッチングのために、エッチング液が基板面上に吐出的に供給される。基板の任意の部分面に供給されるエッチング液は、角度、流量、流速、温度の点で均一に供給されることが求められる。そのような均一性が与えられるエッチング技術は、コーン状にエッチング液を基板面に吐出する複数ノズル要素のノズル列を形成している。そのノズル列は、図14と図15に示されるように、ノズル要素が縦横に並び2次元的領域に均等間隔で分散的に配列されている。1つのノズル要素101から吐出されるコーン状の吐出流102は、その中心軸心線上にある局所基板表面領域103で滞留し、理論的にはその局所領域でその流速は零になる。その局所領域103の周辺の吐出流は基板面に対して射流104であり基板面105に沿う流れの流速は外周域で最大になる。このような流れが全領域で合成され、中心領域106の流れの流速は最小になり、外周領域107の流れの流速が最大になる。
【0003】
全領域的に流速を均一にする技術は、特開平11−307434号に示されるように知られている。基板とノズル列を相対的に振動的・揺動的に運動させることは、全領域的に流速を均一にすることにある程度に貢献するが、1つのコーン状吐出流の周囲の射流は、隣り合うコーン状吐出流の周囲の射流に乱流的に合流し、微視的に見れば均一な流れを形成していない。
【0004】
このような乱流発生を抑制するために、隣り合うコーン状吐出流をオーバーラップさせて均一な流れを形成しようとする技術は、特開昭58−36949号で知られている。このようなオーバーラップは、射流どうしの衝突的合流を回避することができず、基板面に沿う流れの静的な均一性を全領域的に、且つ、局所的に保証することは困難である。
【0005】
エッチング対象が、エッチングされてゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を形成するAl、Mo、その合金であるような場合、これらの材料のエッチングレートが安定的でなく、そのエッチングの制御が困難であることが本発明者の実験によって判明した。Al層、Mo層、その合金層、それらを積層した多層膜をエッチングする場合、安定的に規定される許容誤差範囲のサイドエッチング量に制御するためには、用いられるエッチング液の粘性が深く関係していると推定される。その粘性は、エッチング液の基板面に沿う流れの均一性、特に乱流性が抑制された均一性に相関すると更に推定される。液晶表示デバイスでは、従来ゲート電極に用いられていたCrに代えられてAl、Mo等が適正である。このような材料変更は、エッチング液のより安定した流れ、特に、層流の均一性を要求することになる。この要求に応えるためには、電極回路の線幅のスケールで見て微視的・局所的に層流の均一性を充足することが重要である。導電性層の線幅の非一様性は、電気抵抗の非一様性を招き、電気抵抗の非一様性は液晶表示ディスプレイの表示ムラ、フリッカのような回路動作ムラを招く。
【0006】
エッチング液の層流の均一性をより均一に安定化することが望まれる。特に、Al、Mo、その合金のエッチングに用いられるエッチング液の層流の均一性を微視的・局所的により均一に安定化することが望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、エッチング液の層流の均一性をより均一に安定化することができる基板処理装置、及び、基板処理方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の課題は、エッチング液の層流の均一性を微視的・局所的により均一に安定化することができる基板処理装置、及び、基板処理方法を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、Al、Mo、その合金のエッチングに用いられるエッチング液の層流の均一性を微視的・局所的に安定化して全域的・大域的により均一にすることができる基板処理装置、及び、基板処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数・形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0010】
本発明による基板処理装置は、移送面(6)上で基板(P)を移送するための移送機器(5)と、移送面(6)に対向し2次元的に配置される複数点に吐出口(9)をそれぞれに有する複数ノズル要素(8)から形成されるノズル列(7)とから構成されている。複数点のうちの3つの隣接複数点から吐出されるエッチング液の複数吐出流は基板(P)の1点を覆う。
【0011】
このような3点重合のエッチング液の局所的複合流は、全域的に層流(21)に生成されて局所的に乱流の生成を有効に防止し、その結果として、全域的に静的な層流(21)を基板(P)上に生成する。静的な層流の下で基板(P)が処理を受け、基板(P)の局所的処理が静的に実行され、結果的に、全域的にバラツキがなく均一・均質な処理を受ける。
【0012】
3つの隣接複数点の配置は、2様に実現される。1つは、3点が1直線上に配置されることであり、他の1つは3点が三角形に配置されることである。基板(P)は、正方形、円形に限られず、長方形に形成されることが多く、この場合、3点が1直線上に配置されることはその技術的意義を失わない。3つの隣接複数点が三角形上に配置されることは、その対称性がより強くなって好ましい。
【0013】
数学的により具体的に表現されるならば、移送面(6)は平面であり、且つ、複数点(8−jk)は1平面(11)に配置される。移送面(6)は、1平面(11)に平行であり、移送面(6)と1平面(11)との間の距離がZで表され、吐出口(8−jk,8−j(k+1))から吐出される吐出流は充円錐を形成することが均一な流れを形成させやすい点で特に好ましい。その充円錐の中心軸線(L)を含む平面(断面)の上でその吐出流の広がり角度が2θで表され、3つの隣接複数点のうちの2つの隣接複数点の間の距離がaで表され、中心軸線(L)は移送面(6)に直交する場合、大小関係:a≦tan(θ)・Zが充足される。
【0014】
3つの隣接複数点のうちの他の2つの隣接複数点の間の距離がbで表され、大小関係は次の関係:b≦tan(θ)・Zが更に充足される。後の関係は、更に層流(21)の対称性をより高くすることができる。3点の座標は、離散化された射交座標系で、3点が1直線上にある場合に、8−jk,8j(k+1),8−j(k+2)で表され、3点が三角形の3頂点で表される場合、8−jk,8j(k+1),8−(j+1)kで表される。3点配置が後者である場合、a=bであれば、層流は最も高い対称性を持ち、最も乱流性が低くなる。但し、このような対称性は、基板の形状に依存することがある。
【0015】
実際には、チャンバー(1)が更に追加されている。ノズル列又はノズル行列(7)と移送装置を構成する移送機器(5)は、チャンバー(1)の中に配置され、移送機器(5)は、基板(P)をチャンバー(1)の中で移送面(6)上で往復運動させる。連続処理が可能であることは、既述の通りである。既述の層流(21)の速度は、点対称的に形成されるがその速度は均一ではない。その往復運動は、時間平均的に全領域でその速度を均一にする。基板(22又は31)の上面側に導電層(23又は32〜34)が形成され、導電層(23又は32〜34)の上面側にレジストパターン(24又は35)が形成され、導電層(23又は32〜34)はレジストパターン(24又は35)に対応するパターンでエッチングされる。このようなパターンは、全域に広がって形成されるが、パターン要素は局所的に散在する。局所的に層流(21)が静的であることが、面内のエッチングレートを均一に制御する点で重要であり、これによりサイドエッチング(29)の量の絶対値と量比を均一に制御することが可能になる。往復運動は、層流速度を時間平均的により均一化するが、速度の適正化、例えば、速度一定化、適正な加速度化により一方方向運動に変更され得る。
【0016】
レジストパターンの幅がWで表され、エッチング後の導電層の有効幅がW’で表されれば、ΔW(=W−W’)が規定される範囲に収められる。ΔWは規定値よりも狭く、且つ、均一に制御され得る。課題(ムラ発生防止)をより良く達成するためには、基板面内の任意の位置でのΔWのより均一な制御が必要であるが、ΔWの制御だけでなく、ΔWの単位距離当たりの変化値、品種、配線太さ、膜厚、ドライバ等の多岐の条件制御が必要である。このような条件下で、ΔWの制御の意義が重要になる。例えば、液晶表示装置に用いられる薄膜トランジスタ(TFT)型アクティブマトリクス基板では、特に基板と平行になる方向に電解を形成するIPS型のアクティブマトリクス基板の場合、表示ムラ防止のために共通電極や画素電極の線幅W’の基板内ばらつきを0.8μm程度以下に抑える必要がある。そのWのばらつきはW’のばらつきに比べ非常に小さいため、そのW’のばらつきがほぼΔWのばらつきであるとみなすことができる。従って、このような場合、そのΔWを0.8μm程度以下に制御する必要がある。
【0017】
現在の当面の技術として求められる導電層は、Al、Mo、Al合金、Mo合金から選択される材料の単層膜又は積層膜である。これらの材料は、従来用いられている材料のCrよりも抵抗が小さく望ましいが、エッチングレートが不安定である。本発明は、これらの材料を用いる半導体回路の製造のために特に効果的に適用される。
【0018】
本発明による基板処理方法は、基板又は基板プレート(P、単に基板という)を移送面(6)上で移送すること、平行流のエッチング液を基板(P)に噴射すること、基板(P)の上面に平行である層流(21)を形成すること、基板(P)に形成されているレジストパターン(24又は35)に対応するパターンで基板(P)をエッチングすることとから構成されている。均一な静的な層流化により安定したエッチングレートで基板の処理を行うことができることは、既述の通りである。
【0019】
基板(P)を移送面(6)上で往復運動させること、エッチング液の噴射は、2次元的に配置される複数点から基板(P)に向かう概ね円錐状であるエッチング液の流れを形成すること、移送面(6)は平面であり、且つ、複数点は1平面(11)に配置され、移送面(6)は1平面(11)に平行であり、移送面(6)と1平面(11)との間の距離がZで表され、複数点から吐出される吐出流は充円錐を形成し、充円錐の中心軸線(L)を含む断面の上で吐出流の広がり角度が2θで表され、3つの隣接複数点のうちの2つの隣接複数点の間の距離がaで表され、中心軸線(L)は移送面(6)に直交し、3つの隣接複数点のうちの他の2つの隣接複数点の間の距離がbで表され、関係:a≦tan(θ)・Z、関係:b≦tan(θ)・Zが充足され、特に、a=bであることなどは、既述の通りである。噴射噴流は、乱流的・ジェット的でなく気泡を含まず静的に層流的であることは当然に望ましい。このように、層流を形成して、その層流の層流面に接する局所領域でエッチングを実行し、そのエッチングの反応が反応促進剤により促進され、反応関与物資はその層流面を介して交換されることにより、反応が均一に一様に促進され、特に、高粘度条件下でその反応の均一・一様性が効果的に発揮され、線幅が一定に維持されて、多様な画面ムラの発生が回避される。
【0020】
【発明の実施の形態】
図に対応して、本発明による基板処理装置の実施の形態は、ノズル列が処理槽の中で搬送ローラとともに設けられている。その処理層(チャンバ)1は、図1に示されるように、入口2と出口3とを有している。入口2と出口3とは、開閉自在であるシャッタを備え、後述される処理対象の基板の出入りのタイミングに同調して開閉する。
【0021】
その搬送ローラ列4は、移送方向aに等間隔で並ぶ複数ローラ5から形成されている。ローラ5は、それぞれに歯付プーリ(図示されず)を有し、複数の歯付プーリは互いに単一のタイミングベルト(図示されず)で回転連結され、同期的に回転することができる。ローラ列4は、接平面として単一の搬送面又は移送面6を形成している。ローラ列4の一部分は、処理層1の中に配置されている。ローラ5の高精度な同期は、基板Pの反りの発生を効果的に防止する。
【0022】
そのノズル列7又はノズル行列は、移送方向aに等間隔で並ぶ複数ノズル要素8から形成されている。ノズル列7のそれぞれの吐出口9は、同一平面である吐出口配置平面11の上に2次元的に配置されている。ノズル要素8は、下方に向かって充コーン状にエッチング液を吐出する。
【0023】
移送面6の入口側近辺と出口側近辺とに処理層1の中で、入口側動作スイッチ12と出口側動作スイッチ13とが配置されている。入口側動作スイッチ12と出口側動作スイッチ13は、近接スイッチ又は傾倒式スイッチであり、傾倒式スイッチが図に例示されている。入口側動作スイッチ12と出口側動作スイッチ13は、それぞれに機械的接触子14と電気的接触子対15とを備えている。入口側動作スイッチ12と出口側動作スイッチ13は、後述する基板に機械的接触子14が接触した時に、パルス的に電気信号をそれぞれに出力する。
【0024】
液盛りナイフ16が、処理層1の中で入口側近辺の上方位置に配置され設けられている。液盛りナイフ16は、面状流のエッチング液を後述される基板に横方向に均質に吹き付ける。処理層1の中には、エッチング液とエッチング霧を排出する排出路に配置されるマニュアルダンパ又はオートダンパ(図示されず)が設けられている。
【0025】
図2は、ノズル列7の詳細を示している。ノズル列7は、ノズル列要素8−jkから形成されている。ノズル列要素8−jkは、マトリックス状のパターンの2次元点列状、特に、千鳥状に配置されている。図2に示されるように、射軸(射交)座標系(j,k)が設定され、座標は離散的に採択されている。k軸方向に並ぶノズル列要素8−jkのうちの2つの隣り合う要素の間隔はaであり、j軸方向に並ぶノズル列要素8−jkのうちの2つの隣り合う要素の間隔はbである。今の場合、a<bである。
【0026】
図3に示されるように、吐出口配置平面(点列配置平面)11と移送面6との間の距離はZで示され、各ノズル列要素8−jkが噴射する充円錐流の中心軸線Lを含む平面で切断した断面上でその広がり角度が2θで示され、その断面上でその充円錐流と移送面6との交線の長さが2Xkで表されている。次式が成立する。
Xk=tan(θ)・Z...(1)
【0027】
Xkがaより大きい場合、即ち、
a<=tan(θ)・Z・・・(2)
であれば、k方向に隣り合って並ぶ2個のノズル列要素8−jk,8−j(k+1)の両充円錐流は移送面上でオーバーラップする。同様に、
b<=tan(θ)・Z・・・(3)
であれば、j方向に隣り合って並ぶ2個のノズル列要素8−jk,8−(j+1)kの両充円錐流は移送面上でオーバーラップする。a=bであることは、流れがより均一になる点で好ましい。
【0028】
図4は、式(1)が充足され、且つ、
a=b=tan(θ)・Z・・・(4)
である場合の3点相互オーバーラッピングを示している。3つの充円錐流に対応する3つの円C1,C2,C3は、1つの共有面CSを共有して重合している。もっとも厳しい条件である式(1)と式(4)の連立は、互いに最近接する3つのノズル列要素8−jk,8−j(k+1),8(j+1)kが全領域で共有面CSを共有し、この共有は全領域で共通であることを示している。このような重合は、移送面6上の全ての流れを充円錐の中心軸線に平行にする。条件がやや緩和される下記連立は、好ましい:
a<=tan(θ)・Z・・・(2)
b<=tan(θ)・Z・・・(3)
このような条件式は、更に多様化される。個々のノズルの噴射流が充円錐流でなく充楕円水流に変更される場合、(b/a)はその変更に対応して変更される。
【0029】
図1に示されるように、後に切断され単一基板化される薄い基板又は極めて薄い基板用フィルムは、ローラ列4が形成する移送面6上で処理層1に向かって移送され、図示されない検知手段により基板Pの近接に対応して入口2が開く。入口2は、基板Pの末端が処理層1の中に入りきった後に閉鎖される。
【0030】
このように密閉された処理層1の中の液盛りナイフ16は、エッチング液を平面状に低圧で吐出する。エッチング液は、移送中の基板Pの表面に均一の膜厚で予備的に液盛りされる。基板Pが出口側動作スイッチ13に近接し又は接触して出口側動作スイッチ13が後退電気信号を出力すれば、ローラ5の回転方向が逆方向になって、基板Pは後退する。基板Pが入口側動作スイッチ12に近接し又は接触して入口側動作スイッチ12が前進電気信号を出力すれば、ローラ5の回転方向が再び順方向になって、基板Pは前進する。このように、基板Pは、移送面上で複数回の前進と後退を繰り返す。ローラ5に微小振動を与え、往復運動中の基板Pに微小振動を随意に与えることは好ましい。
【0031】
全ノズル要素8−jkは、一様な吐出圧と吐出流量でエッチング液を噴霧的に噴射する。ノズル要素8−jkから噴射される吐出流は互いに干渉し、基板Pの表面上のエッチング液の流れは、基板Pに対して垂直方向(鉛直方向下方向)に矯正され、平行流になる。基板P上では、図5に示されるように、基板Pの四周方向に向かって基板Pに平行である層流21が形成される。中心領域では、理論的には、層流の速度は低速になる。その低速領域(滞留領域)は、運動する基板P上で基板Pに対して相対的に後退し、既述のスイッチングにより、前進し、その低速領域Rは基板Pに対して往復運動を繰り返す。層流21は、基板P上で時間平均的に一様な流れを形成する。規定回数の往復運動が終われば、ノズル列7の吐出が停止し、出口側動作スイッチ13は動作せず、出口3が開いて、基板Pは順方向に前進して処理層1から出て、出口3が閉じ、1枚の基板Pの処理工程が完了する。なお、適正な速度制御を行うことによって、往復運動は一方方向運動に変更され得る。
【0032】
図6は、エッチング中の基板Pを示している。基板Pは、ガラス基板22と、ガラス基板22の上面に形成されたAl層(導電層)23とから形成されている。Al層23の上面にレジストパターン24が形成されている。吐出されて形成されるエッチング液の既述の層流21が、レジストパターン24の上面側に形成されている。重力とエッチング液の吐出流体圧力との合成である平均有効圧力PRの静的圧力流体26が、レジスト欠損領域27とAl層23に形成されるエッチング済み孔28に満たされている。層流21により覆われる静的圧力流体26は、良好に静的であり、順方向aと逆方向a’に前進後退する基板Pの全領域に亘って概ね均質・均等に静的であって、その圧力PRはそのように静的である。
【0033】
エッチングが進めば、層流21の一部が鉛直方向下方向bに僅かの流量でエッチング済み孔28に静かに流入する。エッチングの進行に伴って、レジストパターン24の下面側の領域のAl層23が溶解してサイド(アンダー)エッチング29が僅かに進む。エッチング液のエッチング関与物質は、エッチング済み孔28の中のある温度のある高粘度のエッチング液中で静かに拡散して、エッチング作用に関与する。Al、Moのエッチングは、エッチング済み孔28の中のエッチング液の温度と粘度とエッチング関与物質の拡散度に強く影響を受けることが、本発明者により確認されている。そのエッチング液の温度と粘度とエッチング関与物質の拡散度が適正である場合に、サイドエッチング29の形成速度は、層流21の層流性に強く依存する。レジストパターン24の上面に層流21でなく乱流層が形成される場合は、サイドエッチング29の形成速度は非一様であり、図13で示される既述のΔWが一様でなくなる。温度と粘度と平均有効圧力PR(ノズル列7の吐出圧とその単位時間当たりの吐出流量)は、実験により求められるパラメータである。
【0034】
Al又はMoのエッチング機構は、他の導電性物質(例示:従来使用されていたCr)のエッチング機構と異なっている。ΔWを小さく、且つ、均等にする理由は、適正に規定されるパラメータの下で、層流形成と層流の一様性にあると推定される。
【0035】
図7〜図12は、本発明による基板処理方法の実施の形態を示している。図7に示されるように、液晶表示デバイス用のガラス基板31の上面(側)に、Mo−導電層32が形成される。図8に示されるように、Mo−導電層32の上面にAl−導電層33が形成され、Al−導電層33の上面に、図9に示されるように、更にMo−導電層34が形成される。次に、図10に示されるように、Mo−導電層34の上面にレジストパターン35が形成される。
【0036】
このようにレジストパターン35が形成された基板Pが、図1に示されるように、処理層1に搬入され既述の通り処理層1の中で往復運動し、図11に示されるように、基板Pはエッチング液のシャワーを受ける。レジストパターン35の上面側に層流21が形成される。一様な圧力と一様な温度の条件の下で、適正な粘度のエッチング液(例示:PHC(燐酸酢酸硝酸混合液))のエッチング物質の静的拡散により3層32,33,34はエッチングを受け、図12に示されるように、ΔWが規定許容範囲の中で一様に収められる。ここで、図13に示されるように、レジストがその下層に覆い被さっている被覆幅であるレジストパターン幅がWで表され、エッチング後の3層32,33,34である金属層の有効幅がW’で表される。この場合、ΔW=W−W’である。その後に、レジストパターン35は、除去される。
【0037】
このようにエッチングされた後に残存する3層32,33,34のMo−Al−Mo3積層構造は、ゲートバス、ドレインバスなどの電気信号線(電極)などとして形成される。このような電極は、液晶を駆動する表示デバイスの要素になる。
【0038】
ローラ5上を搬送されるガラス基板31は、吐出圧力を受けて隣り合うローラ5の間で大きい反りを示す。吐出流が乱流化すれば、その反りは大きくなって、乱流は更に乱流化すると推定される。その乱流化は、その非線形物理的性質により非一様に起こる。一様な層流は、その反りを解消する動的作用を持つと推定される。但し、一様な層流は、エッチング進行領域のエッチング液の平均有効圧力PRを一様化し、このような一様化がエッチングにバラツキをもたらさないために最も重要な原因であろうと推定される。このようなことが考慮されながら、ΔWが規定される許容範囲に収められる。
【0039】
基板Pは、順方向又は逆方向に、1000mm/min〜9000mm/min(16.7mm/sec〜150mm/sec)の比較的に遅い速度で静かに運動する。基板Pのサイズは、650mm×550mmである。Mo−Al−Mo3積層構造は、Mo又はMo合金−Al又はAl合金−Mo又はMo合金の3層構造に変更され得る。このような3層構造化は、抵抗の一層の低減化(Alの抵抗<Moの抵抗)と、耐食性増強のためである。エッチング液・PHCの粘度は、Mo単層膜に関しては、常温で40CP、40゜Cで20CPであることが好ましく、一般的には、エッチング液としては高粘度のものが採択される。隣り合うローラ5の間の距離は120mmであるが、それ自体の重力、液の重力が考慮され、その間隔は適正に縮小されることが好ましい。
【0040】
3点重合は特に好ましいが、基板の形状(例示:一辺が他辺に対して十分に長い矩形)によっては、2点重合で十分であることがある。エッチング領域のエッチング液の温度、圧力、粘度は詳細には述べられていないが、模擬的製造過程で、実験的又は理論的に、吐出流量と吐出圧力と基板搬送速度に多変数的に対応するパラメータとして適正に決定される得る。その重合度合いは、領域の中心領域と外周領域で可変されることは好ましい。ノズルを配置する離散点は、射交座標系で表される千鳥配置に限られず、直交座標系で配置される格子配置、極座標系で配置される円周配置は、基板形状に関連して適正に選択され得る。本実施の形態の場合、550×650ガラス基板において、ΔWを約0.5μm以下に制御することができることが確認された。
【0041】
ここでは、Mo−Al−Moの3積層膜について証明したが、本発明は、Mo単層膜、Mo合金単層膜、Al単層膜、Al合金単層膜や、Mo又はMo合金膜とAl又はAl合金膜との2層積層膜に対して有効に適用され、更に3層以上の積層膜にも変更され得る。
【0042】
また、本発明による基板処理方法を液晶表示装置に用いられるTFT型アクティブマトリクス基板に適用した場合、ゲート電極、走査線やソース・ドレイン電極、信号線の形成、あるいは、反射型用アクティブマトリクス基板の画素電極の形成に用いることができる。更に、IPS型のアクティブマトリクス基板の共通電極、画素電極に用いた場合、既述のように、より精密なΔWの制御が可能になり、均一で表示ムラが生じない好適なエッチングが可能になる。勿論、本発明はアクティブマトリクス基板にのみその適用を限定されるものではない。
【0043】
エッチング機構とムラ発生の関係については以下のようになっている。
エッチング機構とムラ発生の関係:
Moのエッチング機構:
12Mo+24HNO→12MoO+24NO+12HO・・・(1)
12MoO+12HO→12HMoO・・・(2)
12HMoO+HPO
→H[P(Mo10]+12HO・・・(3)
12Mo+24HNO+HPO
→H[P(Mo10]+24NO+12HO・・・(4)
【0044】
硝酸HNOによってMoが酸化されたMoOが、燐酸HPOに溶解することによりエッチングが進行する。各式(1,2,3,4)で、その右辺の化学物質例えば12HOが反応系から排除されなければ、その式の反応は進行しない。式(4)で12HOが反応系から排除されなければ、その式の反応は進行しない。式(4)の反応が進む場合にも、式(4)の硝酸24HNOと燐酸がそのモル比で反応系に円滑に供給されなければ、式(4)の反応は円滑に進行しない。
【0045】
Alのエッチング機構:
2Al+2HPO→2AlPO+3H・・・(5)
3H+2HNO→2NO+4HO・・・(6)
式(6)でHOが円滑に反応系から排除されなければ、式(6)の反応は円滑に促進されない。硝酸は、H発生によって引き起こされる化学平衡状態を打破するための反応促進剤的な機能を有している。
【0046】
このような反応が局所的に狭い空間領域で円滑に実行されなければ、ΔWの制御が困難である。式(4,6)のHOが一様に排除されなければ、ΔWの制御が困難である。局所的反応領域に層流が接している。境界面が層流面であるこのような局所的領域は、その中のそれぞれの化学物質が均一に拡散する条件が整えられている。反応式の左辺の硝酸と燐酸とその右辺の水と酸化窒素とが拡散により均一に一様に交換され、反応式は一様に円滑に進行する。
【0047】
本発明によれば、IPS型アクティブマトリクス基板の場合、下記のような表示ムラが抑制される。
E=V/d
E:液晶駆動電界
V:画素電極〜共通電極間電位差
d:画素電極〜共通電極間距離
ゲート電極、走査線のパターニング工程にて、共通電極の細りが他の部分より大きくなると、その部分のdが大きくなって、その部分では他の部分に比べ液晶駆動電界が弱くなる。その電界が弱くなれば、液晶のねじれが不十分になるため、光の透過が不十分になり、他の部分よりも黒く見える。従って、反応促進が一様でない場合に、市松模様ムラが発生することになる。
ムラの例:
太共通電極→強電界→液晶ねじれ十分→パネル検査にて白領域
細共通電極→弱電界→液晶ねじれ不十分→パネル検査にて黒領域
【0048】
また、TN型アクティブマトリクス基板の場合、下記のような表示ムラ等が抑制できる。
線幅バラツキ→ストレージ面積バラツキ→フリッカ発生
信号線⇔信号線脇に走査線と同層に形成された遮光層間の寄生容量の変化→縦スジムラ発生
チャネル長、幅の変化→書き込み不良発生
【0049】
本発明によれば、このようなムラ発生が、一様・均一な反応の促進により効果的に抑制される。
【0050】
【発明の効果】
本発明による基板処理装置、及び、基板処理方法は、層流の有効な形成により、局所的に静的な圧力と温度のもとでエッチングが実行され、全域的に均一なエッチング処理が可能である。
【0051】
特に、Mo、Mo合金、Al、Al合金の単層膜、積層膜のエッチングなど高粘度のエッチング液を用いる場合に、既述の反応式の円滑一様性が効果的に働いて、非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による基板処理装置の実施の形態を示す断面図である。
【図2】図2は、ノズル列の配置の実施の形態を示す平面図である。
【図3】図3は、図2の正面図である。
【図4】図4は、ノズル配置点を示す幾何学図図である。
【図5】図5は、層流形成を示す正面断面図である。
【図6】図6は、エッチングを示す正面断面図である。
【図7】図7は、本発明による基板処理方法の実施の形態を示す断面図である。
【図8】図8は、図7の次のステップを示す断面図である。
【図9】図9は、図8の更に次のステップを示す断面図である。
【図10】図10は、図9の更に次のステップを示す断面図である。
【図11】図11は、図10の更に次のステップを示す断面図である。
【図12】図12は、図11の更に次のステップを示す断面図である。
【図13】図13は、公知のサイドエッチングを示す断面図である。
【図14】図14は、公知のノズル配置を示す平面図である。
【図15】図15は、図14の正面図である。
【符号の説明】
1…チャンバー
5…移送機器(ローラ)
6…移送面
7…ノズル列
9…吐出口
8…ノズル要素
8−jk…複数点(複数ノズル要素)
21…層流
23,34…導電層
29…サイドエッチング
35…レジストパターン
L…中心軸線
P…基板

Claims (7)

  1. 移送面上で基板を移送するための移送機器と、前記移送面に対向し2次元的に配置される複数点に吐出口をそれぞれに有する複数ノズル要素から形成されるノズル列とを含み、前記複数点のうちの正三角形の頂点上に配置された第1の3つの隣接複数点から吐出されるエッチング液の複数吐出流は前記基板の1点を覆い、且つ前記複数点のうちの直線状に配置された第2の3つの隣接複数点から吐出されるエッチング液の複数吐出流は前記基板の1点を覆い、
    前記移送面は平面であり、且つ、前記複数点は1平面に配置され、前記移送面は、前記1平面に平行であり、前記移送面と前記1平面との間の距離がZで表され、前記吐出口から吐出される吐出流は充円錐を形成し、前記充円錐の中心軸線を含む平面の上で前記吐出流の広がり角度が2θで表され、前記3つの隣接複数点のうちの2つの隣接複数点の間の距離がaで表され、前記中心軸心線は前記移送面に直交し、下記関係:a≦tan(θ)・Zが充足され、
    前記3つの隣接複数点のうちの他の2つの隣接複数点の間の距離がbで表され、下記関係式:b≦tan(θ)・Zが充足され、
    下記関係:b=aが充足される基板処理装置。
  2. チャンバーを更に含み、
    前記ノズル列と前記移送機器は前記チャンバーの中に配置され、
    前記移送機器は、前記基板を前記チャンバーの中で前記移送面上で往復運動させる
    請求項1の基板処理装置。
  3. 基板を移送面上で移送すること、
    平行流のエッチング液を前記基板に噴射すること、
    前記基板に形成されているレジストパターンに対応するパターンで前記基板に形成されている薄膜をエッチングすることを含み、
    前記噴射することは、2次元的に配置される複数点から前記基板に向かう概ね円錐状である前記エッチング液の流れを形成することを備え、
    前記複数点のうちの正三角形の頂点上に配置された第1の3つの隣接複数点から吐出されるエッチング液の複数吐出流は前記基板の1点を覆い、且つ前記複数点のうちの直線状に配置された第2の3つの隣接複数点から吐出されるエッチング液の複数吐出流は前記基板の1点を覆い、
    前記移送面は平面であり、且つ、前記複数点は1平面に配置され、
    前記移送面は、前記1平面に平行であり、
    前記移送面と前記1平面との間の距離がZで表され、前記複数点から吐出される吐出流は充円錐を形成し、前記充円錐の中心軸線を含む断面の上で前記吐出流の広がり角度が2θで表され、前記3つの隣接複数点のうちの2つの隣接複数点の間の距離がaで表され、前記中心軸心線は前記移送面に直交し、下記関係:
    a≦tan(θ)・Z
    が充足され、
    前記3つの隣接複数点のうちの他の2つの隣接複数点の間の距離がbで表され、下記関係式:
    b≦tan(θ)・Z
    が更に充足され、
    下記関係:
    a=b
    が充足される基板処理方法。
  4. 前記基板を前記移送面上で往復運動させること
    を更に含む請求項3の基板処理方法。
  5. 前記基板を前記移送面上で一方方向に運動させること
    を更に含む請求項3の基板処理方法。
  6. 前記レジストパターンの幅がWで表され、エッチング後の前記導電層の有効幅がW’で表され、ΔW(=W−W’)が規定される範囲に収められる
    請求項3〜5から選択される1請求項の基板処理方法。
  7. 前記薄膜を多層膜で形成することを更に含み、
    前記多層膜のそれぞれは、Al、Mo、Al合金、Mo合金から選択される材料で形成されている
    請求項3〜6から選択される1請求項の基板処理方法。
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