JP4678584B2 - 酸素吸収性組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた酸素吸収性を示し、食品、医薬品、金属部品、電子部品、電機部品、精密部品の保存等に用いられる酸素吸収性組成物の製造方法に関する。
保存物品をガスバリア性容器に密封し、容器内の雰囲気を低酸素状態あるいは限りなく無酸素状態に保つことにより、食品であれば腐敗を防止することができ、金属であれば腐食を防止することができる等、保存物品の品質、性能を良好に保つことができる。そこで、ガスバリア性容器に保存物品とともに密封し、容器内の酸素を吸収する酸素吸収剤が提案されており、近年は、食品分野に限らず、医薬品、金属部品、金属製品、精密部品、電子部品、電気部品等、あらゆる分野での物品の保存に使用されている。
酸素吸収剤としては、例えば鉄その他の金属粉、亜硫酸塩等の還元性イオウ化合物、第一鉄塩等の無機化合物を主成分とする無機系酸素吸収剤と、例えば不飽和脂肪酸化合物、不飽和基を有する炭化水素化合物、カテコール、グリコール、アスコルビン酸および/またはその塩等の有機化合物を主成分とする有機系酸素吸収剤とが知られている。
無機系酸素吸収剤の中では、鉄粉を主成分とする鉄系酸素吸収剤が、特に有用なものとして知られているが、鉄系酸素吸収剤は顆粒や粉体のものが多く、使用する際には酸素吸収剤組成物を小袋に包装する必要があった。また、例えば、食品等に使用された場合に、酸素吸収剤を入れた小袋が破損し、酸素吸収剤が食品を汚染する可能性がある。
鉄粉等の金属粉等を使用しない酸素吸収剤として、有機系の酸素吸収剤が鋭意検討されている。特開平5−269376号公報には、アスコルビン酸またはその塩を主剤とする酸素吸収剤が記載されている。しかし、当該酸素吸収剤は酸素吸収時に水分を必要とし、また酸素吸収能も十分とは言えない。
特開平4−29741号公報には、不飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸からなる油脂を例えとして不飽和脂肪族炭化水素を主成分とする酸素吸収剤が記載されている。しかしながら当該組成物は酸素吸収時に悪臭を発生する。また同公報には、不飽和基を有した液状炭化水素重合物の例として不飽和脂肪族炭化水素を主成分とする酸素吸収剤が記載されている。しかしながら当該酸素吸収剤は粘度が高く担体に担持することが困難である。
特開平10−113555号公報には、液状ポリブタジエンオリゴマー等の液状オリゴマーを主成分とする酸素吸収用組成物が記載されている。しかし、これら公知の方法は、酸素吸収能の点でいまだ十分に満足しうるものではない。
一方、食品包装分野では、食品の酸素曝露を制限する手段として酸素バリア性フィルム包装等が提案されているが、このような酸素バリア性フィルムは、酸素等の気体を、いまだ無視しがたい量透過する。(例えば、特開2001−106866号公報、特開2001−179090号公報)
そこで、前記の酸素吸収剤の問題を解決するとともに、ガスバリア性フィルム包装の気体透過性の問題を克服するため、酸素吸収性組成物を酸素透過性樹脂中に配合し、ガスバリア性のフィルムにラミネートすることにより多層体化し、包装体自身に酸素吸収能を付与する方法が行われている。例えば特公昭62−1824号公報には、酸素透過性を有する樹脂に還元性物質を主剤とする酸素吸収剤を配合して成る層と、酸素ガス遮断性を有する層とを積層して成る包装用多層構造物が記載されている。
また、このような多層体化に、有機系酸素吸収性組成物を用いる方法も提案されており、この方法に用いられる有機系酸素吸収性組成物、特に酸素吸収性樹脂組成物も知られている。例えば、特開2001−106866号公報には、炭素−炭素二重結合を有する構造単位を有する熱可塑性樹脂(a)と遷移金属塩(b)とを含有する酸素吸収性樹脂組成物が記載されており、特開2001−179090号公報には、ポリメタキシリレンアジペートを主成分とし、金属触媒を含む酸素吸収性材料が記載されている。しかし、これら公知の方法は、酸素吸収能の点でいまだ十分に満足しうるものではない。
さらに、特開2002−88265号公報には、有機過酸化物等のラジカル開始剤を含有する酸素吸収性樹脂組成物を用いる方法が開示されている。しかし、該組成物中でラジカル発生剤は、その一部が補助的に作用しているにすぎず、その酸素吸収促進効率は小さい。従って、酸素吸収能の点でいまだ十分に満足しうるものではない。
特開平5−269376号公報 特開平4−29741号公報 特開平10−113555号公報 特公昭62−1824号公報 特開2001−106866号公報 特開2001−179090号公報 特開2002−88265号公報
本発明の課題は、前記の従来の酸素吸収剤や酸素吸収性組成物の問題を解決し、優れた酸素吸収能を有する有機系酸素吸収性組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、有機系酸素吸収剤組成物について鋭意検討した結果、ジエン系ポリマー等、不飽和結合を分子内に有するポリマーを有機溶媒中に溶解した溶液に、ラジカル発生剤を加えてラジカルを発生させるとともに、酸素を含有するガスを吹き込むことにより分子内にハイドロパーオキサイドを蓄積させたポリマーが得られ、さらに、このポリマーを含む溶液に酸化促進物質を添加することにより、さらに優れた酸素吸収能を示す有機系酸素吸収剤組成物が得られることを見いだした。
すなわち、本発明は、不飽和結合を分子内に有するポリマーを有機溶媒中に溶解した溶液に、ラジカル発生剤を加えてラジカルを発生させるとともに、酸素を含有するガスを吹き込むことによりハイドロパーオキサイドを蓄積させたポリマーを生成させる工程1と、工程1の後、前記溶液に酸化促進物質を添加する工程2を有することを特徴とする酸素吸収性組成物の製造方法を提供する。
本発明の酸素吸収性組成物の製造方法により、優れた酸素吸収能を有する酸素吸収性組成物を製造することができる。
本発明の酸素吸収性組成物の主剤となるポリマーは、ジエン系ポリマー等の不飽和結合を分子内に有するポリマーから得られる。ジエン系ポリマーとは、ジエン系のモノマーの重合体、又はジエン系のモノマーと他のモノマーとの共重合体である。ジエン系ポリマーとしては、ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、スチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体等のブタジエン系化合物、ポリイソプレン、天然ゴム、スチレンイソプレン共重合体等のイソプレン系化合物が例示される。
また、不飽和結合を分子内に有するポリマーは必ずしも単一物質である必要はなく、2種以上の混合物であっても良いし、前記のように共重合体でも良い。共重合体はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であっても良い。また、ジエン系ポリマーは、ハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボニル基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基等の不飽和基以外のその他の置換基を持っていても良い。
本発明の酸素吸収性組成物の製造に用いられるラジカル発生剤としては、熱等によりラジカルを発生する化合物であればよく、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルハーオキシ)−3−ヘキシン等の有機過酸化物類、また、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ化合物類、また過硫酸カリウム等の無機過酸化物等があげられる。これらラジカル発生剤は必ずしも単独である必要はなく、2つ以上組み合わせても良い。
本発明の酸素吸収性組成物の主剤であるポリマーは、前記の不飽和結合を分子内に有するポリマーを有機溶媒中に溶解した溶液に、ラジカル発生剤を加えてラジカルを発生させるとともに、酸素を含有するガスを吹き込むことにより得られる。有機溶媒としては、不飽和結合を分子内に有するポリマーと反応することなく、該ポリマーを溶解又は分散し粘度を低減させる溶剤であれば良く、特に限定されない。
ポリマーを有機溶媒中に溶解した溶液に、ラジカル発生剤を加えてラジカルを発生させる方法としては、ポリマーを、溶媒に溶解あるいは分散した後、ラジカル発生剤を加え、加熱する方法が通常採用される。すなわち、反応容器に溶媒とポリマーを加え撹拌し、必要に応じて加熱する。内容物が均一に溶解あるいは分散してから、ラジカル発生剤を添加する。そして溶液の温度をラジカル発生剤の分解温度とすることにより、ラジカルを発生させる。溶液の温度は、ラジカル発生剤の添加前に分解温度まで上げ、そこにラジカル発生剤を添加してもよい。
ラジカルを発生させると同時に、溶液中に酸素を含有するガスをバブリングする。酸素を含有するガスとしては、純酸素ガスや空気が例示される。酸素を含有するガスのバブリングを、一定の温度、時間で行うことにより、前記ポリマーにハイドロパーオキサイドを生じ、蓄積させることができる。
このようにしてポリマー中にハイドロパーオキサイドを蓄積させることにより、ポリマーが活性化され、自動酸化反応における誘導期間を消失又は短縮させて、酸素吸収剤として使用するときに、ただちに良好な酸素吸収能力を発現させることができる。
バブリングの温度及び時間は、ハイドロパーオキサイドが蓄積して、ポリマーが活性化されるのに必要かつ十分な温度及び時間であればよく、好ましくはポリマーの過酸化物価が35ミリ当量/kg以上、より好ましくは100ミリ当量/kg以上となるように選ばれる。また、過酸化物価の上限は特に制限されないが、1000ミリ当量/kg以下とすることが好ましい。過酸化物価が1000ミリ当量/kgを超えると、ポリマーが本来有している酸素吸収容量の一部又は大部分がこの段階で消費されてしまい、酸素吸収剤として使用するときの酸素吸収容量が低下する。また、酸素吸収剤溶液がゲル化しやすくなるなどの問題が発生する。
本発明の酸素吸収性組成物の過酸化物価とは、下記の過酸化物価の分析法により測定された過酸化物価であり、ラジカル発生剤と酸素の作用によりポリマー中に蓄積されたハイドロパーオキサイドの量を示す値である。本発明の酸素吸収性組成物中のポリマーの過酸化物価は、好ましくは35ミリ当量/kg以上であり、より好ましくは100ミリ当量/kg以上である。
[過酸化物価の分析法]
試料溶液(ポリマーを有機溶剤中に溶解した溶液でポリマーの濃度10〜40重量%)の規定量(0.1〜2g程度)をコニカルビーカーに精秤する。クロロホルム20mlを加え混合し、次に酢酸10mlを加えて混合する。ヨウ化カリウム水溶液(KI/イオン交換水=70g/100g)1mlをホールピペットで分取して加え、1分間撹拌し、5分間暗所に静置する。
静置後、イオン交換水50mlを加えて混合し、1%デンプン水溶液1mlをホールピペットで分取して加える。0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液で、デンプン指示薬の変色するまで滴定し、次式により過酸化物価を算出する。
過酸化物価={(A−B)×F×10/C}×100/D
ここで
Aは本試験の0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液の使用量(ml)
Bは空試験の0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液の使用量(ml)
Fは0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液のファクター
Cは試料溶液採取量(g)
Dは試料溶液のポリマー濃度(重量%)
本発明の酸素吸収性組成物は、好ましくは、前記の主剤に加えて、さらに酸化促進物質を含有する。酸化促進物質の含有により、酸素吸収能がより向上する。
酸化促進物質とは、有機化合物の酸化を促進する金属化合物であり、Cu、Fe、Co、Ni、Cr、Mn等の遷移金属塩が好ましく、Co、Mnの遷移金属塩が特に好ましい。遷移金属塩の酸根としては、例えば、脂肪酸、芳香族カルボン酸等の有機酸や、硫酸、硝酸、塩化物等の無機酸が用いられる。これら酸化促進物質は、液状化および粘度調整のため溶媒で溶解、希釈されていても良い。溶媒としては、酸化促進物質と反応することなく、酸化促進物質を溶解し、粘度を低減させるものであれば良く、特に限定されるものではない。また、これらの酸化促進物質は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
前記のようにして得られたポリマー(主剤)、場合によりさらに酸化促進物質を含有する溶液を、基材等に塗布し、溶剤を除去することにより、本発明の酸素吸収性組成物からなるフィルム・シートを得ることができる。基材等は、特に制限されるものではないが、例えば、酸素バリア性を有する基材層に本発明の酸素吸収性組成物を塗工したフィルム・シートは好ましい形態の一つである。酸素バリア性を有する基材層としては、特に制限されるものではないが、アルミ箔等の金属箔、アルミナ、シリカ等の蒸着フィルム、従来知られている酸素バリア性樹脂又は樹脂組成物等からなるフィルムが例示される。
また、基材等に本発明の酸素吸収性組成物が塗工されたフィルム・シートには、さらに一層以上の層を積層することもできる。例えば、ヒートシール性を有する層を積層し、ヒートシール性を有する層/本発明の酸素吸収性組成物からなる層/酸素バリア性を有する層の順に積層された構造からなるフィルム・シートは、好ましい形態の一つである。
ヒートシール性を有する層としては、特に制限されるものではないが、例えばポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等の従来シーラントとして知られている樹脂からなる層が挙げられる。
本発明の酸素吸収性組成物からなる層と他の材料からなる層との積層は、ラミネーション法、コーティング法等により行うことができる。本発明の酸素吸収性組成物からなる層を有してなる酸素吸収性フィルム・シートは、例えば、食品、医薬品、金属部品、金属製品、精密部品、電子部品、電気部品等の保存に極めて有用に使用できる。
本発明を、実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、本発明の範囲は実施例により限定されるものではない。先ず、実施例、比較例中で使用した、ポリマー、ラジカル発生剤、酸化促進物質、酸素濃度測定装置を示す。
ポリマー: (A−1)スチレン−ブタジエンブロック共重合体、(A−2)スチレン−イソプレンブロック共重合体、(A−3)液状ポリブタジエン、(A−4)液状ポリイソプレン、(A−5)水素添加したスチレン−ブタジエンブロック共重合体、(A−6)水素添加したスチレン−イソプレンブロック共重合体、(A−7)1,2−ポリブタジエン樹脂
ラジカル発生剤: (B−1)2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、(B−2)ラウロイルパーオキサイド
酸化促進物質: (C−1)ナフテン酸コバルト溶液(コバルト含有量:6%)、(C−2)ナフテン酸マンガン溶液(マンガン含有量:6%)、(B−1)2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
酸素濃度測定装置: 飯島電子(株)製 酸素分析計
実施例1
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(A−1)40gと、酢酸エチル360gを、0.5リットルフラスコに仕込み、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を溶解した。温度を上げ、70℃で安定したところで、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(B−1)を0.2g(ポリマー重量に対して0.5重量%)添加し、酸素ガス導入管から酸素ガスの吹き込みを毎分0.1リットルの流量で開始した。5時間保持した後冷却し、主剤溶液を得た。得られた主剤溶液200gを分取し、ナフテン酸コバルト溶液(C−1、コバルト含有量:6%)を0.5g(ポリマー重量に対して2.5重量%)加えて混合し酸素吸収剤均一溶液を得た。この均一溶液をPETシートに塗布した後、酢酸エチルを風乾し、酸素吸収シートを得た。
この酸素吸収用シートを23℃、60%RHの空気200mlとともにナイロン/EVOH/ナイロン/PEラミネートフィルム袋(サイズ14cm×24cm:以下ガスバリア性袋という)に封入した。この袋を23℃の定温庫内に保管し、一定時間後に袋内酸素濃度を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1で(A−1)を(A−2)に替えた以外は実施例1と同様に行い、主剤溶液を得た。また、実施例1と同じく酸素吸収シートを得て、同じく酸素吸収試験を行った。結果を表1に示す。
実施例3
液状ブタジエン(A−3)80gと酢酸エチル320gを0.5リットルフラスコに仕込み、液状ブタジエンを溶解した。温度を上げ、70℃で安定したところで、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(B−1)を0.4g(ポリマー重量に対して0.5重量%)添加し、酸素ガス導入管から酸素ガスの吹き込みを毎分0.1リットルの流量で開始した。5時間保持した後冷却し、主剤溶液を得た。
得られた主剤溶液100gを分取し、ナフテン酸コバルト溶液(C−1)を0.5g(ポリマー重量に対して2.5重量%)加えて混合し酸素吸収剤均一溶液を得た。この均一溶液をPETシートに塗布した後、酢酸エチルを風乾し、酸素吸収シートを得た。実施例1と同じく酸素吸収試験を行った。結果を表1に示す。
実施例4
実施例3で(A−3)を(A−4)に替えた以外は実施例3と同様に行い、主剤溶液を得た。また、実施例3と同じく酸素吸収シートを得て、同じく酸素吸収試験を行った。結果を表1に示す。
実施例5
実施例4で(B−1)の添加量をポリマー重量に対して3.0重量%に増量した以外は実施例4と同様に行い、主剤溶液を得た。また、実施例4で(C−1)の添加量をポリマー重量に対して7.5重量%に増量した以外は実施例4と同様に行い、同じく酸素吸収シートを得て、同じく酸素吸収試験を行った。結果を表1に示す。
実施例6
実施例5で(B−1)を(B−2)に替えた以外は実施例5と同様に行い、主剤溶液を得た。また、実施例1と同じく酸素吸収シートを得て、同じく酸素吸収試験を行った。結果を表2に示す。
実施例7
実施例5と同様に行い、主剤溶液を得た。また、実施例5で酸化促進物質を添加せずに酸素吸収剤均一溶液を得た以外は、実施例5と同じく酸素吸収シートを得て、同じく酸素吸収試験を行った。結果を表2に示す。
実施例8
水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(A−1)40gと、トルエン360gを、0.5リットルフラスコに仕込み、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体を溶解した。温度を上げ、70℃で安定したところで、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(B−1)を1.2g(ポリマー重量に対して3.0重量%)添加し、酸素ガス導入管から酸素ガスの吹き込みを毎分0.1リットルの流量で開始した。5時間保持した後冷却し、主剤溶液を得た。
得られた主剤溶液200gを分取し、ナフテン酸コバルト溶液(C−1)を1.5g(ポリマー重量に対して7.5重量%)加えて混合し酸素吸収剤均一溶液を得た。この均一溶液をPETシートに塗布した後、酢酸エチルを風乾し、酸素吸収シートを得た。比較例1と同じく酸素吸収試験を行った。結果を表2に示す。
実施例9
実施例7で(A−5)を(A−6)に替えた以外は実施例7と同様にして主剤溶液を得た。また、実施例7と同じく酸素吸収シートを得て、同じく酸素吸収試験を行った。結果を表2に示す。
実施例10
実施例7で(A−5)を(A−7)に替えた以外は実施例7と同様にして主剤溶液を得た。また、実施例7と同じく酸素吸収シートを得て、同じく酸素吸収試験を行った。結果を表2に示す。
実施例11
実施例7で(A−5)を(A−7)に替えた以外は実施例7と同様にして主剤溶液を得た。また、実施例7と同じく酸素吸収シートを得て、酸素吸収試験を保管温度120℃、保管時間を30分に変えて行った。結果を表3に示す。
比較例1
実施例4で(A−4)を酢酸エチルに溶解したのみで、ラジカル発生剤を作用させなかった以外は実施例4と同様に行い主剤溶液を得た。また、実施例4と同じく酸素吸収シートを得て、同じく酸素吸収試験を行った。結果を表3に示す。
比較例2
比較例1と同様に行い、主剤溶液を得た。また、得られた主剤溶液100gを分取し、ナフテン酸コバルト溶液(コバルト含有量:6%)を1.5g(ポリマー重量に対して7.5重量%)と2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(B−1)を0.6g(ポリマー重量に対して3.0重量%)加えて混合し酸素吸収剤均一溶液を得た。比較例1と同じく酸素吸収シートを得て、同じく酸素吸収試験を行った。結果を表3に示す。
比較例3
ガスバリア性袋に23℃、60%RHの空気200mlのみを封入し、前記と同じく酸素吸収試験を行った。結果を表3に示す。
比較例4
特許文献7の実施例1に従い、1,2−ポリブタジエン樹脂40gとホモポリプロピレン10gをプレストグラフ(180℃)で溶融混練しながら、(B−3)を0.075g添加した。添加終了後さらに180℃で10分間混練し、酸素吸収組成物を得た。得られた組成物を180℃でプレス成形して厚さ2mmの成形体とし、この成形体12gを酸素吸収シートとした。また、同じく酸素吸収試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 0004678584
Figure 0004678584
Figure 0004678584
実施例12〜21
1,2−ポリブタジエン樹脂(A−7)40gと、トルエン360gを、0.5リットルフラスコに仕込み、1,2−ポリブタジエン樹脂を溶解した。温度を上げ、70℃で安定したところで、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(B−1)を0.12g(ポリマー重量に対して0.3重量%)添加し、酸素ガス導入管から酸素ガスの吹き込みを毎分0.1リットルの流量で開始した。経時的にサンプリングを行いながら2時間保持した後冷却し、主剤溶液を得た。
サンプリングした主剤溶液2.0gを分取し、ナフテン酸マンガン溶液(C−2、マンガン含有量:6%)をトルエンで10倍に希釈した1滴(ポリマー重量に対して原液換算約0.75重量%)加えて混合し酸素吸収剤均一溶液を得た。この均一溶液をPETシートに塗布した後、トルエンを風乾し、酸素吸収シートを得た。
この酸素吸収用シートを23℃、60%RHの空気100mlとともにガスバリア性袋に封入した。この袋を40℃の定温庫内に保管し、一定時間後に袋内酸素濃度を測定して酸素吸収量を算出した。結果を表4〜表5に示す。
実施例22〜31
実施例12〜21で(A−7)を(A−2)に替えた以外は実施例12〜21と同様にして主剤溶液を得た。また、実施例12〜21と同じく酸素吸収シートを得て、同じく酸素吸収試験を行った。結果を表6〜表7に示す。
Figure 0004678584
Figure 0004678584
Figure 0004678584
Figure 0004678584
実施例32〜36
1,2−ポリブタジエン樹脂(A−7)40gと、トルエン360gを、0.5リットルフラスコに仕込み、1,2−ポリブタジエン樹脂を溶解した。温度を上げ、70℃で安定したところで、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(B−1)を1.2g(ポリマー重量に対して3.0重量%)添加し、酸素ガス導入管から酸素ガスの吹き込みを毎分0.1リットルの流量で開始した。経時的にサンプリングを行いながら3時間保持した後冷却し、主剤溶液を得た。
サンプリングした主剤溶液5.0gを分取し、ナフテン酸マンガン溶液(C−2、マンガン含有量:6%)を1滴(ポリマー重量に対して約3重量%)加えて混合し酸素吸収剤均一溶液を得た。この均一溶液をPETシートに塗布した後、トルエンを風乾し、酸素吸収シートを得た。
この酸素吸収用シートを23℃、60%RHの空気100mlとともにガスバリア性袋に封入した。この袋を室温で保管し、一定時間後に袋内酸素濃度を測定して酸素吸収量を算出した。結果を表8に示す。
Figure 0004678584
本発明の酸素吸収性組成物の製造方法により、酸素吸収性の優れる有機系の酸素吸収性組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. 不飽和結合を分子内に有するポリマーを有機溶媒中に溶解した溶液に、ラジカル発生剤を加えてラジカルを発生させるとともに、酸素を含有するガスを吹き込むことによりハイドロパーオキサイドを蓄積させたポリマーを生成させる工程1と、工程1の後、前記溶液に酸化促進物質を添加する工程2を有することを特徴とする酸素吸収性組成物の製造方法。
  2. 工程1において生成するポリマーの過酸化物価が35ミリ当量/kg以上であることを特徴とする請求項1の酸素吸収性組成物の製造方法。
  3. 工程1において生成するポリマーの過酸化物価が100ミリ当量/kg以上であることを特徴とする請求項1の酸素吸収性組成物の製造方法。
  4. 工程1において生成するポリマーの過酸化物価が1000ミリ当量/kg以下であることを特徴とする請求項1の酸素吸収性組成物の製造方法。
  5. 酸化促進物質がマンガン塩及びコバルト塩からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1、2、3、又は4の酸素吸収性組成物の製造方法。
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