以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係るプッシュスイッチ構造(スイッチモジュール)の第一実施例を示すものである。
図1において、1は合成樹脂製の前面カバー、2は前面カバー1に組み込まれる合成樹脂製の印字式のキースイッチ本体、3は回転式の調整摘み、4,5は、本発明の特徴部分であり、シールラバー(弾性シール部材)6,7で透過式のキースイッチ本体8,9の周囲を囲うように一体成形して成るシールラバースイッチ構造体(一体構造体)(図2参照)、10,11は、一体構造体4,5の裏側に密着して組み付けられる透明電極基板、12は、透明電極基板10,11に密着して位置するディスプレイ、13はディスプレイ12を組み付ける制御基板、14は上記各構成部品(1,13)を組み付ける金属製のケースを示す。前面カバー1と印字式のキースイッチ本体2とディスプレイ12と制御基板13とケース14とは従来の構造とほぼ同様である。
前面カバー1は正面壁15と枠状壁16とで構成され、正面壁15に、ディスプレイ12に対する表示窓17と、表示窓17の側方及び下側においてシールラバースイッチ構造体4,5に対する収容開口18,19と、印字式の各キースイッチ本体2に対する収容開口20とが設けられている。
また、制御基板13には、ディスプレイ12の一側方において前記透明電極基板10に対する接続用のコネクタ部21が設けられると共に、ディスプレイ12の上下及び他側方において印字式のキースイッチ本体2に対するタクトスイッチ(マイクロスイッチ)22や、CD等に対する挿通スリット23が設けられている。ケース14の内部にはCDプレーヤ等の機器24が収納され、ケース14の正面側に制御基板13や前面カバー1を組み付ける開口25が設けられている。
図2の如く、シールラバースイッチ構造体4,5は、光透過性(以下単に透過性という)の合成樹脂製の複数のキースイッチ本体8,9と、各キースイッチ本体8,9の間及び周囲に一体に形成された弾性体のシールラバー6,7とで構成される。本例のキースイッチ本体8,9は正面視で長方形状に形成され、図3の如くある程度の厚みを有している。シールラバー6,7はキースイッチ本体8,9の四方の周壁28(図3)に一体成形により固着され、その固着部30(図3)から透明電極基板10,11に向けて外向きに傾斜状に延びる薄肉の傾斜部31,32と、透明電極基板10,11に密着する基板部33,34とを有している。シールラバー6,7は例えばシリコンゴムシートを用いてキースイッチ本体8,9に一体成形される。キースイッチ本体8,9にシールラバー6,7を接着剤や熱溶着や薬品による溶着等で固着させることも可能である。
シールラバー6,7の傾斜部31によってキースイッチ本体8,9が基板部33,34よりも弾性的に持ち上げられて位置し、透明電極基板10,11とキースイッチ本体8,9との間に押圧ストロークを得るための空間35(図3)が構成されている。傾斜部31は本例のように直線的な形状であっても、あるいは湾曲的な形状であっても構わない。隣接する各キースイッチ本体8(図3)の間においても傾斜部31は基板部33と同一平面に続いている。
図2の如く、本例では、キースイッチ本体8の長辺側を相互に対向させて複数(六つ)のキースイッチ本体8を上下方向に並列に配置したシールラバースイッチ構造体(一体構造体)4と、キースイッチ本体9の短辺側を相互に対向させて複数(三つ)のキースイッチ本体9を左右方向に並列に配置したシールラバースイッチ構造体(一体構造体)5とを用いている。
シールラバー6,7の基板部33,34の四隅と透明電極基板10,11の四隅とには、固定用のねじ孔36,37が設けられている。図3の如く、シールラバー6,7(図2)の外周側の基板部33,34(図2)と透明電極基板10,11(図2)とは前面カバー1の裏面で押圧固定される。それにより、シールラバー6,7の基板部33,34の表面と前面カバー1の裏面とが弾性的に密着し、基板部33の裏面と透明電極基板10の表面とが弾性的に密着して、確実な防水が行われる。これは、透明電極基板10,11を用いずにディスプレイ12の例えば硬質な窓枠部(図示せず)をシールラバー6,7の基板部33,34の裏面に密着させる場合も同様である。本実施形態においては、平坦な透明電極基板10を用いてシールラバー6に対する密着部としたことで、シールラバースイッチ構造体4の組付性や水密・気密性が向上している。
各キースイッチ本体8,8の間における基板部33は前面カバー1で押圧されることなく、透明電極基板10に密接している。基板部33と透明電極基板10やディスプレイ12の窓枠部(図示せず)とを接着剤等で固着させることも可能である。各キースイッチ本体8,8の間で基板部33を固着させれば、キースイッチ本体8毎に内部空間35が区画化・気密化されて、防湿性や、キースイッチ本体8の裏面や透明電極基板10の表面の防曇性が高まる。キースイッチ本体8とシールラバー6とは一体成形や接着等によって隙間なく固着されているから、キースイッチ本体8とシールラバー6との間から水が浸入したりすることはない。
透明電極基板10,11にはFPCやFFCといったフレキシブルなフラット回路体38(透明電極基板10側のみ図示する)が一体的に接続されている。フラット回路体38の先端部には導体39が露出されて、カードエッジタイプの接続部40が構成されている。導体39はフラット回路体38の片面側の絶縁皮膜41を剥がすことで露出する。
図3の如く、フラット回路体38の接続部40(図2)は制御基板13側のコネクタ21に挿入接続される。フラット回路体38はシールラバー6の基板部33の外側に位置する。前述の如くシールラバー6の基板部33が透明電極基板10の表面に密着し、キースイッチ本体8と透明電極基板10との間に空間35が設けられ、透明電極基板10がディスプレイ12の表面に密着し、ディスプレイ12が制御基板13に組み付けられている。
透明電極基板10,11(図2)は透明な基板本体に薄膜状の透明な電極を有したものであり、技術的には例えば特開平9−147671号等で公知である。透明電極基板10の透明電極43に対向して図4の如くキースイッチ本体8の裏面に同様な透明電極基板42が一体に形成されている。キースイッチ本体8を押すことで、キースイッチ本体側の透明電極43がディスプレイ側の透明電極基板10(図3)の透明電極43に接触し、スイッチがオンの状態となって透明電極基板10が電気的に導通される。なお、キースイッチ本体8の中央側のみを透明な樹脂部材で形成し、キースイッチ本体8の周部を不透明な樹脂部材で形成することも可能である。上記構成は他方のシールラバースイッチ構造体5においても同様である。
キースイッチ本体8,9に透明電極43を用いたことで、従来のタクトスイッチが不要となっている。また、弾性シール部材であるシールラバー6,7の弾力によりキースイッチ本体8,9の復元が行われ、ばね等の部品が不要となっている。シールラバー6,7の耐久性も高い。それらにより構造の簡素化と薄型化が促進されている。また、シールラバー6,7に較べて硬質な合成樹脂製のキースイッチ本体8,9によって確実な操作感が得られると共に、ディスプレイ12の確実な視認性が得られる。また、透明電極基板10,11をディスプレイ12に密着させたことで、ディスプレイ12の表示が透明電極基板10,11を透過してキースイッチ本体8,9に浮き上がって見え、視認性が向上している。例えばキースイッチ本体8,9を斜めから見た場合、透明電極基板10,11の屈折率が空気層よりも大きいから、ディスプレイ上の死角が減少され、表示文字の角部が欠けることなく明確に表示される。薄型の透明電極基板10,11によりプッシュスイッチ構造(スイッチモジュール45)(図3)が薄型化されることは言うまでもない。
また、各キースイッチ本体8(図3)の間及び周囲をシールラバー6で一体的に連結したことで、キースイッチ本体8の内側への防水や防塵が確実に行われる。また、複数のキースイッチ本体8を整列させた状態でシールラバー6で一体化し、シールラバースイッチ構造体4としてモジュール化したから、複数のキースイッチ本体8の組付作業が一回で済み、且つ組付と同時に各キースイッチ本体8がディスプレイ12に対して所要の場所に位置決めされ、組付作業が効率化する。なお、上記キースイッチ本体8は一つのみで配置することも可能である。
図5〜図7は、シールラバースイッチ構造体の他の実施形態を示すものである。
これらの構造においては、スイッチ操作時のクリック感(節度感)を高めるために金属ばね製のメタルコンタクトをキースイッチ本体の内側に設けている。車載機器においては、キースイッチ本体を押した時の力が一般の家電製品等におけるよりも高い数値であることが望まれているからである。
図5のシールラバースイッチ構造体46では、キースイッチ本体47の両側に円弧状のメタルコンタクト48,48が配置されている。キースイッチ本体47はキートップを含む中央側の透過性の(透明な)樹脂部材(光透過部)49と、樹脂部材49の周囲の不透過性の(不透明な)黒色の樹脂部材(不透過性の部分)50とで一体に構成されている。不透過性の樹脂部材50は断面略くの字状に屈曲しており、透過性の樹脂部材49に続く傾斜部50aと、傾斜部50aに続く平行部50bとで構成され、平行部50bが樹脂部材49よりも電極基板(透明電極基板)51側に一段低く位置し、平行部50bの裏面にメタルコンタクト48が配置され、且つ平行部50bの周端に弾性シール部材であるシールラバー52が一体に形成されて続いている。
透過性の樹脂部材49と不透過性の樹脂部材50とは例えばABS樹脂で一体に形成される。シールラバー52は傾斜部52aと基板部52bとを備え、基板部52bは電極基板51に密着している。基板部52bは電極基板51と前面カバー(図3の符号1参照)で水密及び気密に挟持される。円弧状のメタルコンタクト48の中央に接点(インデント)48aが位置している。キースイッチ本体47を押圧することで、メタルコンタクト48が潰れ方向に撓んで、中央の接点48aが電極基板51の接点に接触し、スイッチがオンの状態となる。シールラバー52の傾斜部52aと円弧状のメタルコンタクト48とで復元反力を発揮する。シールラバーとメタルコンタクト48との反力に抗してキースイッチ本体47を押すことで、操作時のクリック感(節度感)が高まる。
透過性の樹脂部材49と不透過性の樹脂部材50との接合面53は垂直ではなく傾斜した状態となっている。これは運転者及びパッセンジャの視角を考慮したためと、キースイッチ本体47の押圧方向の機械的強度を高めるためでもある。
運転者等がキースイッチ本体47の表示を斜めから見た場合、実際にはキースイッチ本体47の奥のディスプレイ54の表示を見ているわけであり、キースイッチ本体47の内部に死角を生じている。そこで透過性の樹脂部材49のカット角を視角に一致させると共に、キースイッチ本体内部の死角部分にメタルコンタクト48を設けることにより、メタルコンタクト48が隠され、キースイッチ本体内のデッドスペースが有効に活用される。
なお、電極基板51は透明電極基板でなくてもよく、その場合は、透過性の樹脂部材49に対向して電極基板51に開口あるいは透明部を設けておき、ディスプレイ54の表示を樹脂部材49側に通過させる。これは後述の図6〜図7においても同様に可能である。
図6のシールラバースイッチ構造体55においては、キースイッチ本体56の一側部にヒンジ受け部57が設けられ、キースイッチ本体56の他側部に図5と同様の円弧状のメタルコンタクト60が一つ設けられている。ヒンジ受け部57とメタルコンタクト60とは透過性の樹脂部材61に続く不透過性の樹脂部材62の裏側に設けられ、前例同様にキースイッチ本体内部のデッドスペースの活用が図られている。電極基板63上に支持突部59が設けられ、支持突部59にヒンジ軸部58が電極基板63と平行に突出されている。52はシールラバーである。キースイッチ本体56の一方にヒンジ(57,58)を設け、他方に円弧状のメタルコンタクト60を設けたことで、クリック感が一回となって操作者が確実に体感できる。
図7のシールラバースイッチ構造体64においては、ドーム状のシールラバー65の中央に透過性の樹脂部材66が一体成形され、シールラバー65の内面に沿ってドーム状のメタルコンタクト67が配置され、メタルコンタクト67の中央部は透過性の樹脂部材66に対応した開口68となっている。接点(インデント)67aはメタルコンタクト67の開口68の両側に一対設けられている。透過性の樹脂部材66とシールラバー65とでキースイッチ本体69が構成されている。
樹脂部材66を押すことで接点67aが電極基板70の接点に接触し、電極基板70が電気的に導通される。ドーム状のシールラバー65は平坦なシールラバー基板部71に続き、シールラバー基板部71は電極基板70に密着している。本例では不透過性の樹脂部材(図6の符号62)は用いられていない。なお、一方のシールラバー65の下側に図6と同様なヒンジを設け、他方のシールラバー65の下側にメタルコンタクト67を設けることも可能である。
上記図5〜図7に示した構造によれば、図1〜図4の構造における効果に加えて、スイッチ操作時のクリック感(節度感)が確実に体感される。また、メタルコンタクト48,60,67に対応して、高価な透明電極基板に代えて通常の電極基板51,63,70を用いることで、コストが大幅に低減される。シールラバー52,65により内部が密閉されて、メタルコンタクト48,60,67が防塵・防水保護されることは言うまでもない。なお、上記キースイッチ本体47〜69は一つで配置されてもよく、あるいは図3のように複数連続して配置されてもよい。
図8〜図15は、本発明に係るプッシュスイッチ構造(スイッチモジュール)の第二実施例を示すものである。本例の構造は、シールラバー一体型のキースイッチ本体の操作性及び節度感を向上させると共に、防塵・防水効果を一層高めるためのものである。
図8において、73は印字タイプのキースイッチ本体、74は回転式の調整摘み、75は合成樹脂製の前面カバー、76は、本実施例の第一の特徴部分であるシールラバースイッチ構造体(一体構造体)、77は、本実施例の第二の特徴部分であるディスプレイケース、78はディスプレイ、79は制御基板を示す。金属製のケース(図1の符号14)は図示を省略している。
前面カバー75には、ほぼ中央部にディスプレイ78に対する表示窓80が設けられ、表示窓80の上下及び一側方に、印字式の複数のキースイッチ本体74に対する組付用の開口81が設けられ、表示窓80の他側方に、シールラバースイッチ構造体76に対する露出用の開口82が設けられている。印字式のキースイッチ本体73は前面カバー75の表面側から開口81内に挿入してもよく、あるいは制御基板79に組み付けた状態で前面カバー75の裏側から開口81内に挿入させてもよい。
シールラバースイッチ構造体76は基本的には前例とほぼ同様の構造であるが、キースイッチ本体83を片持ち支持させ、スイッチストロークを確保するためにシールラバー(弾性シール部材)84に弛みを持たせた構造としている(詳細は後述する)。シールラバースイッチ構造体76は予めディスプレイケース77に組み付けられる。シールラバースイッチ構造体76の透過性のキースイッチ本体83はディスプレイ78に対向して配置される。
ディスプレイケース77は、合成樹脂製のケース本体86の側部寄りに、シールラバースイッチ構造体76に対する収容部87を有している。ケース本体86は正面壁88と枠状の周壁89とで構成され、正面壁88側にディスプレイ表示窓90と前記収容部87とを有し、上下の周壁89に各一対の固定部91を有し、収容部87の近くの側方の周壁89に、制御基板79に対する接続用のコネクタ部92を有している。
ディスプレイ78はLCDでもELDでもよい。ディスプレイ78はディスプレイケース77の収容部87に対向して、ディスプレイ表示窓90の内側に位置する。制御基板79はディスプレイ78よりも大きく、ディスプレイケース77とほぼ同等の大きさに形成され、上下及び一側方に、印字式の各キースイッチ本体73に対するタクトスイッチ93を並列に有し、他側方に、ディスプレイケース77のコネクタ部92に対応する接続用のコネクタ部94を有している。制御基板79の四隅には、ディスプレイケース77の固定部91に対する固定孔95が設けられている。
図9の如く、ディスプレイ78は制御基板79に組み付けられ、制御基板組立体(組立体)96を構成する。シールラバースイッチ構造体76はディスプレイケース77の収容部87に組み付けられる。シールラバー84はディスプレイケース77に密着する。その状態でシールラバースイッチ構造体76を図示しない係止手段で収容部87に係止させることも可能である。シールラバー84の周端部をディスプレイケース77に接着することも可能である。
シールラバースイッチ構造体76をディスプレイケース77に組み付けた後、ディスプレイケース77が制御基板組立体96に組み付けられる。これらの組付作業は防塵室内で一括して行うことが好ましい。ディスプレイケース77内の例えば収容部87内に、シールラバースイッチ構造体76の透過性のキースイッチ本体83の内面の曇り(水滴の付着)を防止するための除湿材(図示せず)を装着する。
制御基板79側のコネクタ部94は基板本体97の表面に立設され、合成樹脂製のハウジング(符号94で代用)内に、制御基板79側のプリント回路等に続く端子部98を有している。ディスプレイケース77側のコネクタ部92は、ハウジング内に収容部87側のタクトスイッチ99に続く端子部を有している。
シールラバースイッチ構造体76の各キースイッチ本体83は横長(長方形状)に形成され、上下方向に並列に配置されている。各キースイッチ本体83の間及び周囲は薄板状のシールラバー84で一体に連結されている。各キースイッチ本体83は一側方のヒンジ(図示せず)を支点として他側方が押圧方向に大きくストロークする。ディスプレイケース77の収容部87内に、キースイッチ本体83の他側方に対向してタクトスイッチ99が設けられている。本例のスイッチモジュール100には前例のような高価な透明電極基板は使用していない。収容部87にはキースイッチ本体83の裏面に対向して開口101が設けられている。
図10にディスプレイケース77の収容部87の構造の一実施形態を示す如く、合成樹脂製のケース本体86に横方向の格子状の隔壁102が一体に形成され、各隔壁102の間にディスプレイ78(図9)の表示を通過させる開口101が形成され、各隔壁102の一端が縦方向の支持壁103に連結され、隔壁102の一端側において支持壁103にヒンジ受け部104が突設され、隔壁102の他端側がケース本体86の周壁89′側に連結され、周壁89′に続く開口101の側縁にタクトスイッチ99が配置され、タクトスイッチ99の各一対のリード端子105が周壁89′側に突出している。
図10の実施形態ではリード端子105を周壁89′から突出させたが(周壁89′は切欠して示しているが、実際には鎖線の如く直線的に連続している)、図9,図11の如く周壁89の内側にリード端子(図示せず)を収容することも可能である。各リード端子はコネクタ部92内の端子に接続している。
収容部87は隔壁102と支持壁103とによって区画され、隔壁102の裏面と支持壁103の裏面とはディスプレイ78(図9)の表示面106に密接する。シールラバー84は開口101の周縁121すなわち収容部87の外周縁に密着し、その状態で前面カバー75で押圧される。シールラバーを周縁121に接着したり、隔壁102の表面や支持壁103の表面に密着させることも可能である。
各リード端子105は図9のコネクタ部92の端子に接続される。ヒンジ受け部104にはキースイッチ本体83(図9)のヒンジ軸部が係合し、キースイッチ本体83が片持ち支持される。ヒンジ受け部104は一対の可撓性の係合爪で構成され、ヒンジ軸部をワンタッチで係合可能である。タクトスイッチ99によってスイッチ操作時のクリック感が発揮される。
図11の如く、シールラバースイッチ構造体76をディスプレイケース77に組み付けた後、ディスプレイケース組立体107が制御基板組立体96に組み付けられる。この組付は同一工程で行われる。図10の収容部87の開口101を構成する隔壁102と支持壁103とがディスプレイ78の表示面に接し、且つ開口101がシールラバースイッチ構造体76(図11)で覆われることで、収容部87内への水や塵等の侵入が防止され、タクトスイッチ99等が保護される。
各キースイッチ本体83とディスプレイケース77との間はシールラバー84で隙間なく密閉され、ディスプレイケース77の周壁89の先端89aが制御基板79に密着することで、ディスプレイケース77と制御基板79とが隙間なく密閉される。ディスプレイケース組立体107を制御基板組立体(組立体)96に組み付けると同時に両コネクタ92,94が嵌合接続される。
図12の如く、ディスプレイケース77の隔壁102や支持壁103(図11)がディスプレイ78の表示面106に接し、ディスプレイ78の表示が隔壁102間の薄層の空間108を経て、キースイッチ本体83の透明な樹脂部材109を透過する。シールラバー84は前面カバー75で押圧固定される。
キースイッチ本体83は図13にも示す如く、合成樹脂の二色成形により、中央側の透過性の樹脂部材109と周端側の不透過性の樹脂部材110とで構成されている。前例でも述べた如く両樹脂部材109,110の接合面111(図12)の角度θ1 ,θ2 は、運転者及びパッセンジャの視角に応じて、ディスプレイ78からキースイッチ本体83の表面側に向かうに従ってテーパ状に拡がるように設定されている。不透過性の樹脂部材110によってキースイッチ本体83の周部からの光洩れが防止される。
不透過性の樹脂部材110の一端部であるストローク最大部分に停止突起112(図13)が設けられ、停止突起112は前面カバー75(図12)の正面壁の内面に当接する。図12の如くスイッチ83の外側のシールラバー84がディスプレイケース77の収容部87(図9)の周縁に密着し、且つディスプレイケース77の先端89aが制御基板79に密着する。これによりキースイッチ本体83の内面とディスプレイ78の表示面106とが密閉され、高い防水・防塵性が発揮される。
図14の如く、複数のキースイッチ本体83は近接して並列に位置し、各キースイッチ本体83の不透過性の樹脂部材110がシールラバー84(図11)のU字状(湾曲状)の可撓部114で連結されている。樹脂部材110は、透過性の樹脂部材109に接合した傾斜部110aと、傾斜部110aの先端側(キースイッチ本体83の表面側)で外向きに突出した部分110bとを有し、突出部分110bの裏面にシールラバー84の湾曲状の可撓部114の端面が接合されている。可撓部114はディスプレイ78上の隔壁102の上に位置している。115はキースイッチ本体を押圧ストロークさせるための空間である。
図15(a) の如く、シールラバースイッチ構造体76は、シールラバー84とキースイッチ本体83との一体成形を完了した状態で、隣接する各キースイッチ本体83の間にシールラバー84の扇状部116を有している。扇状部116はキースイッチ本体83のヒンジ端部117側から操作端部118側に向かうにつれてテーパ状に拡幅され、徐々に面積を増している。扇状部116は平面的に操作端部118側のシールラバー84の基板部119に連続している。キースイッチ本体83のヒンジ端部117側にもシールラバー84の基板部119が一体に延長形成されている。
シールラバースイッチ構造体76をディスプレイケース77(図9)に組み付ける際に、あるいはシールラバースイッチ構造体76のフォーミング加工時に、図15(b) の如く隣接するキースイッチ本体83を相互に寄せ合って、キースイッチ本体83の側面120同士を近接ないし軽く接触させることで、扇状部116(図15(a) )が内向きに圧縮されてU字状に撓んで湾曲状の可撓部114(図14)となる。各キースイッチ本体83は平行に位置する。
可撓部114によって片持ち支持のキースイッチ本体83のストローク量が確保される。ストロークの大きな操作端部118側においてシールラバー84の湾曲状の可撓部114を深く設定し、ストロークの小さなヒンジ端部117側にかけて徐々に可撓部114を浅く設定することで、スイッチ操作時にシールラバー84がスムーズに撓み、スムーズで確実なスイッチ操作が可能となる。
なお、上記第二実施例(図8〜図15)において第一実施例(図1〜図4)の透明電極基板10,42を用い、シールラバースイッチ構造体76と透明電極基板10,42との組付体をディスプレイケース77の収容部87に組み付ける構造とすることも可能である。その場合、透明電極基板10はコネクタ92に接続させる。また、各実施例におけるスイッチの防水・防塵構造は印字式のキースイッチ本体2,73にも適用可能である。
また、上記各実施例ではシールラバー6,84を用いた防水・防塵構造を採用したが、シールラバー6,84に代えて例えば溌水性のスポンジやウレタン等の弾性シール部材(図示せず)を用いることも可能である。この場合、キースイッチ本体の周囲にスポンジやウレタン等の弾性シール部材を一体成形したり、あるいは板状の溌水性のスポンジの表面側にキースイッチ本体の下半分を収納する溝を形成し、溝内にキースイッチ本体を嵌合して隙間なく密着(固着)させた状態で、スポンジをディスプレイケースの収容部内に敷き詰める。スポンジの弾性でキースイッチ本体の復元が図られ、スポンジがキースイッチ本体と収容部に密着することで、防塵・防水性が発揮される。
図16〜図19は、本発明に係るプッシュスイッチ構造の第三実施例を示すものである。
この実施例は前例のようにキースイッチ本体8(図2)に弾性シール部材であるシールラバー6(図2)を一体成形や接着で一体化させるのではなく、シールラバー157(図16)の開口部159にキースイッチ本体156を挿入密着させ、シールラバー157の反撥力でキースイッチ本体156とシールラバー157とを密着させるようにしたものである。
図16は本例の一実施形態を示すものであり、このプッシュスイッチ構造(スイッチモジュール160)は、合成樹脂製のカバー161と、合成樹脂製のキースイッチ本体156と、弾性シール部材であるシールラバー157と、合成樹脂製のベース部158を含むものである。
カバー161は板状の前面カバー154と、前面カバー154の裏側に密着したサブカバー155とで構成され、各キースイッチ本体156に対する挿通用の矩形状の開口部162を並列に有している。サブカバー側の開口部162の内周面の各辺には、キースイッチ本体156に対する支持用の突起163が形成され、各突起163によってキースイッチ本体156のスムーズな操作と正確な位置決めと鍔部164の確実な突き当てが可能となっている。前面カバー154の四隅には、ベース部158に対する固定用のねじ挿通孔165が設けられている。カバー161はABS樹脂やPC(ポリカーボネート)で形成される。
キースイッチ本体156は矩形状の幅広の操作部(表示部)166と、操作部166に続く幅狭な矩形状の係合部167と、操作部と係合部167との間で全周に突出形成された鍔部164とで構成されている。鍔部164や係合部167の外周側は不透過性の材料で形成されることが好ましい。
キースイッチ本体156の操作部166はカバー161の裏面側から開口部162内に進入可能である。係合部167はシールラバー157の表面側からシールラバー157の開口部159内に進入可能であり、係合部167の外周面167aはシールラバー157の開口部159の内周面159aに密着可能である。鍔部164の表面はサブカバー155の裏面に対向し、鍔部164の裏面はシールラバー157の表面に対向して位置し、鍔部164はサブカバー155とシールラバー157とに密着可能である。キースイッチ本体156は例えばPMMA(メタクリル樹脂やアクリル)又はPCで形成される。
シールラバー157は、平坦な基板部168と、基板部168側の開口端(図示せず)から斜め内向きに立ち上げられた傾斜状の周壁すなわち傾斜部169と、傾斜部169の先端から内向きに且つ基板部168と平行に突出された内向きの鍔部170と、鍔部170の内側に形成された矩形状の開口部159とで構成されている。
傾斜部169は矩形枠状に形成され、内側に、キースイッチ本体156の係合部167に対する収容空間を有している。開口部159の内幅寸法は係合部167の外幅寸法に較べて同等ないしは小さく設定されている。内向きの鍔部170はキースイッチ本体156の外向きに鍔部164に対向し、シールラバー157の内向きの鍔部170の表面がキースイッチ本体156の外向きの鍔部164の裏面に当接して密着可能である。各キースイッチ本体156に対して矩形状の傾斜部169が隣接して配置され、各傾斜部169の間は基板部168で連結されている。基板部168の外周部はベース部158に対向して位置し、外周部の裏面がベース部158の表面に密着可能である。シールラバー157は例えばシリコーンゴムで形成される。
ベース部158は、ディスプレイ(図示せず)の表示を通過させるための大きな開口部171を有して、矩形枠状に形成されている。開口部171の周縁(表面)172にシールラバー157の基板部168の外周部が密着可能である。ベース部158はシールラバー157の基板部168よりも一廻り大きく形成されている。ベース部158の開口部171上にシールラバー157の開口部159が対向して位置する。ベース部158の四隅には、カバー161のねじ挿通孔165に対するねじ螺挿孔173が設けられている。ベース部158の開口部171内に第一実施例のような透明電極基板(図2の符号11)を配置することも可能である。この場合、ベース部158の溝174は透明電極基板11のリード線に対する導出部として作用する。ベース部158は例えばABS樹脂やPCで形成される。
図17は、図16の構成に類似する実施形態の組付状態を示すものである。図16と同一又は類似の部分には同一の符号にダッシュを付して説明する。
図17で、154′は前面カバー、155′はサブカバー(カバー)、156′はキースイッチ本体、157′は、弾性シール部材であるシールラバー、175は、ベース壁(ベース部)158′を含むディスプレイケース、176はディスプレイ、177は制御基板を示す。
各部材の材質は前記実施形態と同様である。すなわち、各カバー154′,155′はABS又はPC、キースイッチ本体156′はPMMA又はPCによる二色成形、シールラバー157′はシリコーンゴム、ディスプレイケース175はABS又はPCで形成されている。キースイッチ本体156′は二色成形され、透過性の部分180はグレースモークで透過率40%に設定され、外側の不透過性の部分183は黒色で形成されている。サブカバー155′やディスプレイケース175は黒色で形成されている。
前面カバー154′は正面壁184と枠状の周壁185とで構成され、前面カバー154′の内側にサブカバー155′やシールラバー157′やディスプレイ176やディスプレイカバー175や制御基板177が収容されている。正面壁184の裏面にサブカバー155′の正面壁186が密着している。サブカバー155′は前面カバー154′よりも小さな正面壁186と矩形枠状の周壁187とで構成されている。サブカバー155′の周壁187の先端187aはディスプレイケース175のベース壁158′に当接し、周壁187の先端部内側に、シールラバー157′の基板部168′を挟み込むための溝188が形成され、溝188内において基板部168′の外周部がサブカバー155′とベース壁175とで挟持密着されている。
各カバー154′,155′の正面壁184,186にキースイッチ本体挿通用の開口部162′が貫通して設けられ、開口部162′内にキースイッチ本体156′の透過性の操作部(表示部)166′が位置して正面壁184から前方に突出している。操作部166′の後方に操作部166′よりも小さな幅寸法の透過性の幅狭部179が一体に形成され、幅狭部179の外周に不透過性の部分183である係合部167′と外向きの鍔部164′とが一体成形されている。鍔部164′は操作部166′よりも外側に突出し、鍔部164′の表面は操作部166′と幅狭部179との間の段部178と同一平面に位置し、係合部167′は操作部166′よりも内側に位置している。
キースイッチ本体156′の係合部167′がシールラバー157′の開口部159′内に挿入され、キースイッチ本体156′の外向きの鍔部164′の裏面にシールラバー157′の内向きの鍔部170′が当接し、シールラバー157′の傾斜状の周壁である傾斜部169′の弾性力(矢印イ方向の反力)によってキースイッチ本体156′が前方へ押圧付勢されている。それにより、キースイッチ本体156′の鍔部164′がサブカバー155′の裏面に当接密着し、その状態でシールラバー157′の鍔部170′の表面がキースイッチ本体156′の鍔部164′の裏面に弾性的に強く密着している。それにより、キースイッチ本体156′の内側への水や塵等の侵入が確実に防止されている。シールラバー157′の鍔部170′の先端すなわち開口部159′の内周面はキースイッチ本体156′の係合部167′の外周面に密着している。これによっても防水・防塵性が高まると共に、ディスプレイ176に対するキースイッチ本体156′の正確な位置決めが行われる。
キースイッチ本体156′の透過性の幅狭部179に対向してストローク隙間を存してディスプレイ176が配置され、ディスプレイ176は制御基板177上に設けられ、ディスプレイケース175のベース壁158′の開口部171′の周縁158a′がディスプレイ176の表面側の周縁に当接し、ディスプレイケース175の周壁190が制御基板177に当接している。
キースイッチ本体156′を押圧操作した際は、シールラバー157′の傾斜部169′が撓んで、キースイッチ本体156′の鍔部164′とサブカバー155′との間に隙間が生じるが、前述の如くシールラバー157′の基板部168′がディスプレイケース175のベース壁158′に密着しているから、隙間からの水や塵等がサブカバー155′内に入ったとしても、シールラバー157′の内側すなわちディスプレイ176側に入り込む心配は皆無である。前述の如くディスプレイ176の表面に透明電極基板(図2の符号10,11)を配置し、キースイッチ本体156′に透明電極(図4の符号43)を配置することも可能である。
このスイッチモジュール160′の組付に際しては、先ずシールラバー157′の開口部159′にキースイッチ本体156′の幅狭な係合部167′を挿入し、次いでサブカバー155′を被せて、サブカバー155′の周壁187の先端部でシールラバー157′の基板部168′をディスプレイケース175のベース壁158′に密着させると共に、サブカバー155′の正面壁186でキースイッチ本体156′の鍔部164′をシールラバー157′の反力に抗して押え付ける。この状態でシールラバー157′の傾斜部169′はややスイッチ押圧方向に撓んでいることが必要である。キースイッチ本体156′を押した時でもシールラバー157′の反力により、シールラバー157′の鍔部170′とキースイッチ本体156′の鍔部164′とが常に隙間なく密着して、離れることがなく、良好なシール性が発揮される。
また、キースイッチ本体156′の係合部167′の外幅寸法よりもシールラバー157′の開口部159′の内幅寸法を小さく設定することで、係合部167′の外周面が開口部159′の内周面すなわち鍔部170′の先端面で緊迫され、これによっても良好なシール性が発揮される。
また、シールラバー157′の開口部159′にキースイッチ本体156′を挿入してサブカバー155′で押さえるという簡単な作業で防水構造が構成されるから、キースイッチ本体156′にシールラバー157′を一体成形したり接着したりする大掛かりな装置や手間が要らず、部品コストや製造コストが低減される。
また、キースイッチ本体156′の操作部166′よりも幅狭部179が径方向に小さくなっていることで、斜め方向からの表示の視認に対するデッドスペースが削減されている。そのスペースにシールラバー157′の鍔部170′を配置したことで、スイッチ構造が径方向にコンパクト化されている。また、シールラバー157′の鍔部170′が操作部166′よりも小さな径の係合部167′をシールすることで、密着面積が小さくて済み、シール性が高まっている。
また、キースイッチ本体156′の係合部167′と鍔部164′とを黒色として光を不透過としたことで、運転者やパッセンジャが斜めから操作部166′を見た時に、ディスプレイ176上の隣の操作部166′の表示文字や記号が透過することが防止されると共に、カバー154′の開口部162′と操作部166′との隙間からの光洩れが防止されている。
前記第一,第二実施例においても同様であるが、ディスプレイ176の表示をキースイッチ本体156′に透過させるために、シールラバー157′には大きな開口部159′が必要であり、そのためにシールラバー157′の開口端とキースイッチ本体156′との接触面積は極めて小さなものとなっている。ディスプレイ176を用いない場合は、シールラバー157′に開口部159′が必要ないから、シールラバー157′とキースイッチ本体156′との接触面積はキースイッチ本体156′の表面積と同程度に大きくすることができるが、ディスプレイ176の表示を透過させる場合は、両者(156′,157′)の接触面積が小さいために、第一,第二実施例のようにシールラバー6(図3)にキースイッチ本体8(図3)を一体成形や接着等の手段で固着させても、固着強度を確保し、且つ剥がれを防止するために、品質管理を徹底する必要がある。その点、第三実施例のようにシールラバー157′にキースイッチ本体156′を挿入して、シールラバー157′の反力でキースイッチ本体156′との密着力を得る構成とすることで、これらの問題が解消され、且つ前述の如く低コスト化が実現される。
図18〜図19は第三実施例における他の実施形態を示すもので、スイッチ接点部であるタクトスイッチ192をキースイッチ本体193の内側に収容したプッシュスイッチ構造を示すものである。各構成部品の材質やシールラバー(弾性シール部材)194とキースイッチ本体193との密着構造は基本的に図17の実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
図18の如く、キースイッチ本体193の不透過性の部分195に、タクトスイッチ192に対する収容凹部196が形成され、収容凹部196内に、タクトスイッチ192の操作部192aに対する押圧用の突部197が形成されている。収容凹部196内の空間198にタクトスイッチ192が位置している。収容凹部196は長方形状のキースイッチ本体193(図19参照)の一端部寄りに形成されている。
不透過性の部分195は透過性の部分201である表示部(幅広部)199と幅狭部200との全周に渡って一体成形されている。収容凹部196は透過性の部分201の一端側に続いており、表示部199の外側に位置する第一部分202と、第一部分202と直交して表示部199と幅狭部200との間の段部203に沿う第二部分204と、第二部分204と直交して幅狭部200の外周に沿う第三部分205と、第一部分202と直交して表示部199と同一面に延長された操作部としての第四部分206と、第四部分206と直交して第一部分202と平行に対向した第五部分207とを含んでいる。
第一部分202と第五部分207との間の内幅はタクトスイッチ192の外径(外幅)よりも大きく、第三部分205はタクトスイッチ192よりも深く位置している。第四部分206の裏面に前記押圧用の突部197が一体に形成され、第五部分207と直交して外向きの一方の鍔部208が形成され、鍔部208の裏面に直交して一方の係合部209が短く突出形成されている。
第四部分206を表示部199と同一面に形成し、第四部分206の内側に収容空間198を形成して、透過性の部分201の板厚の範囲内でタクトスイッチ192を収容させることで、タクトスイッチ192の突出高さが低く抑えられ、スイッチ構造の高さ方向の肥大化が防止されている。
一方の係合部209は図19のキースイッチ本体193の幅方向に延びて、キースイッチ本体193の長手方向の係合部210(図18)に直交し、長手方向の係合部210は他方の係合部211に続いている。一方の係合部209の突出長さは他方の係合部211の突出長さよりも短く、シールラバー194の内向きの鍔部212の板厚よりも大きい。係合部209〜211はキースイッチ本体193の全周に連続している。
透過性の部分201の他端側において段部203と同一面に外向きの鍔部213が係合部211と直交して続いている。鍔部208,213はキースイッチ本体193の全周に連続している。前記実施形態と同様に、鍔部208,213と係合部209〜211とにシールラバー194の内向きの鍔部212が弾性的に密着している。鍔部212は開口部214の全周に渡って続いていることは言うまでもない。
前記タクトスイッチ192は幅狭な基板215上に配置され、基板215はベース部216に固定されている。ベース部216の表面と前面カバー217の周壁218の先端の溝部219との間でシールラバー194の基板部220が挟持固定され、前面カバー217の正面壁222がキースイッチ本体193の鍔部208,213をシールラバー194の鍔部212に向けて押圧し、シールラバー194の傾斜部223の反力で各鍔部208,213,212が相互に密着し、且つシールラバー194の鍔部212の内周面すなわち開口部214の内周面が係合部209〜211の外周面に密着している。
ベース部216の開口部224に対向してディスプレイ(図示せず)あるいはディスプレイを写すミラー等が配置される。図17の実施形態のようにベース部216をディスプレイケース(図17の符号175)と一体に形成することも可能である。本実施形態ではサブカバー(図17の符号155′)を用いずに前面カバー217のみでシールラバー194とキースイッチ本体193との押えを行っている。
なお、第三実施例においても、第一,第二実施例における各種の構成を適用することが可能である。例えば、図19における複数のキースイッチ本体193の間でシールラバー194(図18)を扇状に形成し、各キースイッチ本体193を近接させることで扇状部(図15の符号116)を湾曲させて可撓部(図14の符号114)とすることや、図17におけるディスプレイ176の表示面に透明電極基板(図3の符号10)を配置し、キースイッチ本体156′(図17)に、透明電極基板に対する透明電極(図4の符号43)を設けることや、透明電極基板(図3の符号10)にシールラバー157′(図17)の基板部168′を密着させることや、キースイッチ本体193(図18)とシールラバー194との一体構造体をディスプレイケース(図9の符号77)に組み付けて、ディスプレイケースをディスプレイ(図9の符号78)と制御基板(図9の符号79)との組立体に組み付けることや、ディスプレイケース(図9の符号77)の収容部(図9の符号87)の表側にシールラバー194(図18)の基板部220を密着させ、収容部の裏側にディスプレイ(図9の符号78)を密接させることや、ディスプレイケース175(図17)内に防湿剤を装着することも可能である。