JP4676940B2 - スラグ量が少ないメタル系フラックス入りワイヤおよび高疲労強度溶接継手の作製方法 - Google Patents
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Description
C換算値の合計量=[グラファイト]+0.3×[SiC] ・・・(1)
但し、上記[グラファイト]、[SiC]は、それぞれワイヤ全体に対するグラファイト、SiCの質量%を示す。
C換算値の合計量=[グラファイト]+0.3×[SiC] ・・・(1)
但し、上記[グラファイト]、[SiC]は、それぞれワイヤ全体に対するグラファイト、SiCの質量%を示す。
C換算値の合計量=[グラファイト]+0.3×[SiC] ・・・(1)
但し、上記[グラファイト]、[SiC]は、それぞれワイヤ全体に対するグラファイト、SiCの質量%を示す。
C換算値の合計量=[グラファイト]+0.3×[SiC] ・・・(1)
但し、上記[グラファイト]、[SiC]は、それぞれワイヤ全体に対するグラファイト、SiCの質量%を示す。
最初に、高SiC成分系および低SiC成分系に共通な基本成分の限定理由について説明する。
SiC以外のCは、メタル系フラックス入りワイヤにおいて主として鋼製外皮中に含有させ、ワイヤ製造中の線引き工程での断線防止を目的に含有する。なお、SiC以外のCは、溶接金属の変態温度を低減させる作用も有するが、本発明では、鋼製外皮内に充填するフラックス中のSiCの含有量を成分系に応じて調整して溶接金属の変態温度を十分低減させることができる。鋼製外皮中のCによるワイヤ線引き工程での断線防止効果を得るためには、SiC以外のC含有量の下限を0.01%とする必要がある。一方、鋼製外皮中にCを過度に添加すると、今度は線引き中に硬化してしまい断線の発生原因となるため、SiC以外のC含有量の上限を0.20%と設定した。
SiC以外かつSiO2以外のSiは、アーク溶接中の溶接金属の脱酸効果を得るために、その含有量の下限を0.05%とした。また、Siは、溶融プールと鋼板のなじみを良くし良好なビード形状を得るための作用も有するため、上記脱酸効果に加えてビード形状の向上効果を得るためには上記Si含有量の下限を0.1%とすることが望ましい。一方、SiC以外かつSiO2以外のSiは過度に添加すると、溶接金属を硬化させ、継手特性の観点から好ましくないためその含有量の上限を1.2%とした。
Mnは、溶接金属の強度確保に必要な元素であり、その含有量が0.2%より低くなると、溶接金属強度の確保が難しくなるのでMn含有量の下限は0.2%とした。一方、Mn含有量が過度に高くなると、溶接金属の靱性劣化を引き起こすためMn含有量の上限を3.0%とした。
PおよびSは、溶接金属の不可避的不純物元素であり、本発明では、これら元素が溶接金属に多く存在するとその靭性が劣化するため、PおよびSの含有量の上限をそれぞれ0.03%、0.02%とした。
フラックス中に含有されるSiO2、Al2O3、Na2O、K2Oは、通常スラグ材と呼ばれているものである。これらは、メタル系フラックス入りワイヤの製造前のメタル系フラックス成分を造粒する際にバインダーの役目を果たし、また、鋼製外皮内にメタル系フラックス成分を充填した後、所定のワイヤ径まで線引きする工程において、鋼製外皮内面とメタル系フラックスとの抵抗を少なくする潤滑材の働きをする。本発明では、潤滑作用を有するSiCを含有することにより、これらの酸化物であるスラグ材を従来に比べて低減してもワイヤ線引き工程での加工性を確保できる。しかし、SiO2、Al2O3、Na2OおよびK2Oの1種または2種以上の合計量が0.05%を下回ると上記加工性加工性を維持することが困難となり、ワイヤ品質と製造効率上問題が発生するために上記合計量の下限を0.05%とした。一方、SiO2、Al2O3、Na2OおよびK2Oの1種または2種以上の合計量が0.40%を上回る場合は、溶接部のスラグ発生量が多くなり、塗装性の劣化の問題が生じてくるため上記合計量の上限を0.40%とした。
次に高SiC成分系の基本成分および選択成分の限定理由について説明する。
高SiC成分系では、溶接金属の変態開始温度を低減させる主要元素C源となり、かつ潤滑性および脱酸性を有するSiCを必須成分とする。
本発明における高SiC成分系において、グラファイトは、C源として溶接金属の変態開始温度を低減させるために寄与し、継手疲労強度の向上の効果を有するのみならず、ワイヤ線引き中に鋼製外皮とフラックスとの抵抗を低減し、ワイヤ加工性を向上する働きがある。このため、これらの作用を利用し、ワイヤ加工性の向上、低スラグ化及び継手高疲労強度の向上の効果をより高めるため、フラックス中にグラファイトを0.02%以上含有することが好ましく、より好ましくは0.05%以上含有することが望ましい。また、本発明では、フラックス中のグラファイト含有量の上限は特に規定する必要はないが、SiCとともに、グラファイトをワイヤ中に含有させる場合は、上述したSiCと同様に溶接金属中のCを増加させる原因となり、オーステナイト組織が多くなり変態点が高くなる恐れが生じ、また、溶接金属の硬化や、靭性や溶接割れの問題が生じるため、上記(1)式で定義されるグラファイトおよびSiCのC換算値の合計量が0.6%以下の範囲内とすることが好ましい。
本発明における高SiC成分系において、Ni、Cr、Mo、Cuは、Cと同様に溶接金属の変態開始温度の低減作用を有するため、さらに継手疲労強度を向上させるために、Ni、Cr、MoおよびCuの1種または2種以上を含有させることができる。なお、これらの合金元素は鋼製外皮またはフラックスの何れかまたは両方から添加することができる。
低SiC成分系では、高SiC成分系と同様に、溶接金属の変態開始温度を低減させる主要元素C源となり、かつ潤滑性および脱酸性を有するSiCを必須とするが、SiC含有量を低減し、Cと同様に溶接金属の変態開始温度の低減作用を有するNi、Cr、MoおよびCuの1種または2種以上を適正量含有とすることで、継手疲労強度の向上を実現させる。低SiC成分系では、高SiC成分系に比べてSiC含有量が低いため、溶接金属のC含有量に起因する靭性低下は少なく、継手疲労強度を向上し、かつ溶接金属の靭性も良好に維持することができる。
低SiC成分系では、SiC含有量が0.6%以下と低いため、溶接金属の変態開始温度を低減させ、継手疲労強度を十分に向上するためには、Cと同様に溶接金属の変態開始温度の低減作用を有するNi、Cr、MoおよびCuの1種または2種以上を適正量含有とする必要がある。なお、これらの合金元素は鋼製外皮中またはフラックス中の何れかまたは両方から添加することができる。
本発明における低SiC成分系において、グラファイトは、C源として溶接金属の変態開始温度を低減させるために寄与するのみならず、ワイヤ線引き中に鋼製外皮とフラックスとの抵抗を低減する働きがある。このため、これらの作用を利用し、ワイヤ加工性の向上、低スラグ化及び継手高疲労強度の向上の効果をより高めるためには、フラックス中にグラファイトを0.02%以上含有することが好ましく、より好ましくは0.06%以上含有することが望ましい。
Bは焼入性元素であり、溶接金属の焼入性を確保し、溶接金属のミクロ組織をより高強度の組織にし、また、高温で変態開始する組織の生成を抑えより低い温度で変態するミクロ組織にする作用がある。鋼板に比べ溶接金属は酸素含有量が高いため、Bは酸素と結合しその効果を奪われてしまう恐れがあるため、溶接金属中のBによる上記焼入れ性およびミクロ組織制御による引張り強度および疲労強度を改善するために、B含有量の下限を0.001%とするのが好ましい。一方、B添加量の上限は、これを上回る量を添加してもB添加で得られる効果が増加しないことから0.015%と定めた。
Nb、V、Tiはいずれも溶接金属中で炭化物を形成し強度を増加させる働きをもつ元素であり、Nb、V、Tiの1種または2種以上を溶接金属中に少ない量含有することで継手強度の向上が図れる。Nb、V、Tiの1種または2種以上の合計含有量の下限は、0.005%を下回ると、継手強度の向上があまり期待できなくなるため、その合計含有量の下限を0.005%とするのが好ましい。一方、上記合計含有量が0.3%を上回ると、溶接金属の強度が過大になり、継手特性上問題が生じるため、上記合計含有量上限を0.3%とするのが好ましい。なお、Tiに関しては、溶接金属の強度向上効果に加えて、溶接アークを安定させる働きがあるため、Tiを含有させる場合には、好ましくはTi含有量の下限を0.003%とすることが望ましい。
アーク安定剤とは、鋼製外皮内に充填するフラックス中に含有させることにより、溶接アークを安定にする作用を有する元素である。上述したフラックス中に含有させるNa2OやK2Oなどもアーク安定剤としての働きがあるため、これらの成分は本発明の目的とする溶接部のスラグ発生量の低減を阻害しない程度に含有するのが好ましい。また、アーク安定剤としての働きは、Na2OやK2Oなどの酸化物としなくても、氷晶石(Na3AlF6)などのNa、Al、Fの化合物であれば、上記アーク安定化効果は得られため、スラグ発生量低減の観点から酸化物以外の化合物として含有させるのが好ましい。
ガスシールド溶接において、一般に、シールドガスは、100%CO2またはArガス中にCO2ガスが含有されているものが用いられる。本発明の目的は、スラグ発生量の少ない高疲労強度溶接継手の作製方法を提供することであり、スラグのほとんどがSiO2やMnOなどの酸化物系であることを考えると、シールドガスにおいても酸素含有量の少ないものを選択することが望ましい。そのため、本発明における溶接方法では、シールドガスとしてAr+3〜25%CO2ガスを採用することとした。なお、CO2ガスを0%にするのは溶接アークの安定性上好ましくないため、Arガス中には3%以上のCO2を含有するのが好ましい。25%を上回るCO2を含有したArガスでは、スラグ生成上100%CO2ガスの場合とほぼ同じになるのでCO2含有量の上限を25%とするのが好ましい。
このような理由から、メタル系フラックス入りワイヤを用いて溶接金属の変態膨張により溶接部に圧縮残留応力を導入し、溶接継手の疲労強度向上を十分に達成するためには、溶接金属の周囲の鋼板からの十分な拘束力を確保する必要がある。
初めに鋼板の板厚を限定した理由について述べる。
本発明において鋼板の板厚が1mmを下回る場合は、本発明のメタル系フラックス入りワイヤを用いて継手を作製する際に、溶接部の板厚に対する溶け込み深さが大きくなる。このため、凝固した溶接金属が冷却過程で変態膨張する際に溶接部の周囲の鋼板から溶接金属の膨張を充分拘束できなくなる。この結果、溶接金属の変態膨張を利用し溶接部に圧縮残留応力を導入し、引張残留応力を低減することができなくなり、疲労強度向上は困難となる。そのため、本発明では、溶接金属の変態膨張時に周囲からの拘束力を維持し、溶接部の圧縮残留応力の導入により継手疲労強度を十分に向上するために、鋼板の板厚の下限を1.0mmと設定した。一方、本発明の目的とする溶接継手の塗装性の向上が要求させるのは、自動車分野に適用される薄板溶接であり、造船分野などで適用させる厚板溶接では、溶接ビードにスラグが存在しても特に大きな問題が発生しない。一般に、自動車分野では板厚が5mmを上回るような場合はほとんどなく、また、5mmを超えて板厚が増大すると、溶接熱が板裏面まで達しにくくなり、溶接金属の変態が終了した後の熱収縮過程で溶接部の周囲の鋼板からの強に拘束力により引張り応力が発生してしまい、継手疲労強度の向上効果は困難となる。そのため、本発明では、継手疲労強度の向上効果を十分に得るために、鋼板の板厚の上限を5.0mmと設定した。
次に、鋼板強度を限定した理由について述べる。
鋼板強度が440MPaより低い場合は、本発明のメタル系フラックス入りワイヤを用いて継手を作製する際に、凝固した溶接金属が冷却過程で変態膨張する際に溶接部の周囲の鋼板からの拘束力が十分でなくなるため、溶接部に十分に圧縮応力を導入することができない。その後、室温までの溶接金属の熱収縮により圧縮応力が引張応力により相殺され、結果的に溶接部の引張残留応力が低減されず、継手疲労強度は向上することは困難となる。したがって、本発明では、溶接金属の変態膨張時に周囲からの拘束力を維持し、溶接部の圧縮残留応力の導入により継手疲労強度を十分に向上するために、鋼板の鋼板強度の下限を440MPaとした。
上述したように、本発明は、板厚が1.0〜5.0mmであり、かつ強度が440〜908MPaである鋼板をガスシールドアーク溶接するためのワイヤであって、溶接ワイヤ製造時、特にフラック調合・造粒工程及び線引き工程における作業性、生産性が良好であり、溶接時のスラグ発生量が少なく、かつ疲労強度に優れた溶接継手が得られる溶接ワイヤおよびこのワイヤを用いた溶接継手の作製方法を提供することを目的とする。
上述の通り、SiCとともにグラファイトをワイヤ中に含有したワイヤを製造する場合は、グラファイトをその他のフラックスと配合し、混合する際にグラファイトが飛散して作業性および原料歩留を低下させる原因となる。このグラファイトの飛散量を測定することにより、フラックス調合工程での作業性を評価した。
3、4:板厚
P:疲労荷重負荷方向
S:シャルピー試験採取位置
W:I開先、突合せ溶接
Claims (18)
- 板厚が1.0〜5.0mmであり、かつ強度が440〜980MPaである鋼板をガスシールドアーク溶接するためのワイヤであって、ワイヤ全体の質量%で、SiC以外のC:0.01〜0.20%、SiC:0.6〜1.2%、SiCおよびSiO2以外のSi:0.05〜1.2%、Mn:0.2〜3.0%を含有し、P:0.03%以下、S:0.02%以下に制限し、さらに、SiO2、Al2O3、Na2OおよびK2Oの1種または2種以上を合計で0.05〜0.4%含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、かつ前記SiC、および、前記SiO2、Al2O3、Na2OおよびK2Oの1種または2種以上は少なくともフラックスとして鋼製外皮内に含有することを特徴とするスラグ生成量が少ないメタル系フラックス入りワイヤ。
- 前記メタル系フラックス入りワイヤ中に、ワイヤ全体の質量%で、さらに、グラファイト:0.02%以上を少なくとも前記フラックスとして鋼製外皮内に含有し、かつ下記(1)で定義される該グラファイトおよび前記SiCのC換算値の合計量が0.6%以下であることを特徴とする請求項1記載のスラグ生成量が少ないメタル系フラックス入りワイヤ。
C換算値の合計量=[グラファイト]+0.3×[SiC] ・・・(1)
但し、上記[グラファイト]、[SiC]は、それぞれワイヤ全体に対するグラファイト、SiCの質量%を示す。 - 前記メタル系フラックス入りワイヤ中に、ワイヤ全体の質量%で、さらに、Ni:0.5〜5.0%、Cr:0.1〜2.0%、Mo:0.1〜2.0%、および、Cu:0.1〜0.5%の1種または2種以上を合計で0.5〜6.0%含有するメタル系フラックス入りワイヤを用いることを特徴とする請求項1または2記載のスラグ生成量が少ないメタル系フラックス入りワイヤ。
- 板厚が1.0〜5.0mmで、強度が440〜980MPaである自動車用鋼板を溶接するためのワイヤであって、ワイヤ全体の質量%で、SiC以外のC:0.01〜0.20%、SiC:0.05〜0.6%、SiCおよびSiO2以外のSi:0.05〜1.2%、Mn:0.2〜3.0%を含有し、P:0.03%以下、S:0.02%以下に制限し、Ni:0.5〜5.0%、Cr:0.1〜2.0%、Mo:0.1〜2.0%、および、Cu:0.1〜0.5%の1種または2種以上を合計で1.0〜6.0%含有し、さらに、SiO2、Al2O3、Na2OおよびK2Oの1種または2種以上を合計で0.05〜0.4%含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、かつ前記SiC、および、前記SiO2、Al2O3、Na2OおよびK2Oの1種または2種以上は少なくともフラックスとして鋼製外皮内に含有することを特徴とするスラグ生成量が少ないメタル系フラックス入りワイヤ。
- 前記メタル系フラックス入りワイヤ中に、ワイヤ全体の質量%で、さらに、グラファイト:0.02%以上を少なくとも前記フラックスとして鋼製外皮内に含有し、かつ下記(1)で定義される該グラファイトおよび前記SiCのC換算値の合計量が0.35%以下であることを特徴とする請求項4記載のスラグ生成量が少ないメタル系フラックス入りワイヤ。
C換算値の合計量=[グラファイト]+0.3×[SiC] ・・・(1)
但し、上記[グラファイト]、[SiC]は、それぞれワイヤ全体に対するグラファイト、SiCの質量%を示す。 - 前記メタル系フラックス入りワイヤ中に、ワイヤ全体の質量%で、さらに、B:0.001〜0.015%を含有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のスラグ生成量が少ないメタル系フラックス入りワイヤ。
- 前記メタル系フラックス入りワイヤ中に、ワイヤ全体の質量%で、さらに、Nb、VおよびTiの1種または2種以上を合計で0.005〜0.3%含有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のスラグ生成量が少ないメタル系フラックス入りワイヤ。
- 前記メタル系フラックス入りワイヤ中に、酸化物系以外のアーク安定剤を、ワイヤ全体の質量%で、さらに、0.05〜0.5%を少なくとも前記フラックスとして鋼製外皮内に含有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のスラグ生成量が少ないメタル系フラックス入りワイヤ。
- ワイヤ全体の質量%で、SiC以外のC:0.01〜0.20%、SiC:0.6〜1.2%、SiCおよびSiO2以外のSi:0.05〜1.2%、Mn:0.2〜3.0%を含有し、P:0.03%以下、S:0.02%以下に制限し、さらに、SiO2、Al2O3、Na2OおよびK2Oの1種または2種以上を合計で0.05〜0.4%含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、かつ前記SiC、および、前記SiO2、Al2O3、Na2OおよびK2Oの1種または2種以上は少なくともフラックスとして鋼製外皮内に含有するメタル系フラックス入りワイヤを用いて、板厚が1.0〜5.0mmであり、かつ強度が440〜980MPaである鋼板をガスシールドアーク溶接することを特徴とするスラグ生成量が少ない高疲労強度溶接継手の作製方法。
- 前記メタル系フラックス入りワイヤ中に、ワイヤ全体の質量%で、さらに、グラファイト:0.02%以上を少なくとも前記フラックスとして鋼製外皮内に含有し、かつ下記(1)で定義される該グラファイトおよび前記SiCのC換算値の合計量が0.6%以下であることを特徴とする請求項9記載のスラグ生成量が少ない高疲労強度溶接継手の作製方法。
C換算値の合計量=[グラファイト]+0.3×[SiC] ・・・(1)
但し、上記[グラファイト]、[SiC]は、それぞれワイヤ全体に対するグラファイト、SiCの質量%を示す。 - 前記メタル系フラックス入りワイヤ中に、ワイヤ全体の質量%で、さらに、Ni:0.5〜5.0%、Cr:0.1〜2.0%、Mo:0.1〜2.0%、および、Cu:0.1〜0.5%の1種または2種以上を合計で0.5〜6.0%含有するメタル系フラックス入りワイヤを用いることを特徴とする請求項9または10記載のスラグ生成量が少ない高疲労強度溶接継手の作製方法。
- ワイヤ全体の質量%で、SiC以外のC:0.01〜0.20%、SiC:0.05〜0.6%、SiCおよびSiO2以外のSi:0.05〜1.2%、Mn:0.2〜3.0%を含有し、P:0.03%以下、S:0.02%以下に制限し、Ni:0.5〜5.0%、Cr:0.1〜2.0%、Mo:0.1〜2.0%、および、Cu:0.1〜0.5%の1種または2種以上を合計で1.0〜6.0%含有し、さらに、SiO2、Al2O3、Na2OおよびK2Oの1種または2種以上を合計で0.05〜0.4%含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、かつ前記SiC、および、前記SiO2、Al2O3、Na2OおよびK2Oの1種または2種以上は少なくともフラックスとして鋼製外皮内に含有するメタル系フラックス入りワイヤを用いて、板厚が1.0〜5.0mmであり、かつ強度が440〜980MPaである鋼板をガスシールドアーク溶接することを特徴とするスラグ生成量が少ない高疲労強度溶接継手の作製方法。
- 前記メタル系フラックス入りワイヤ中に、ワイヤ全体の質量%で、さらに、グラファイト:0.02%以上を少なくとも前記フラックスとして鋼製外皮内に含有し、かつ下記(1)で定義される該グラファイトおよび前記SiCのC換算値の合計量が0.35%以下であることを特徴とする請求項12記載のスラグ生成量が少ない高疲労強度溶接継手の作製方法。
C換算値の合計量=[グラファイト]+0.3×[SiC] ・・・(1)
但し、上記[グラファイト]、[SiC]は、それぞれワイヤ全体に対するグラファイト、SiCの質量%を示す。 - 前記メタル系フラックス入りワイヤ中に、ワイヤ全体の質量%で、さらに、B:0.001〜0.015%を含有することを特徴とする請求項9〜13の何れかに記載のスラグ生成量の少ない高疲労強度溶接継手の作製方法。
- 前記メタル系フラックス入りワイヤ中に、ワイヤ全体の質量%で、さらに、Nb、VおよびTiの1種または2種以上を合計で0.005〜0.3%含有することを特徴とする請求項9〜14の何れかに記載のスラグ生成量の少ない高疲労強度溶接継手の作製方法。
- 前記メタル系フラックス入りワイヤ中に、酸化物系以外のアーク安定剤を、ワイヤ全体の質量%で、さらに、0.05〜0.5%を少なくとも前記フラックスとして鋼製外皮内に含有することを特徴とする請求項9〜15の何れかに記載のスラグ生成量の少ない高疲労強度溶接継手の作製方法。
- シールドガスとして、CO2を3〜25%含有し、残部がArガスおよび不可避不純物からなるシールドガスを用いることを特徴とする請求項9〜16の何れかに記載のスラグ量の少ない高疲労強度溶接継手の作製方法。
- 前記シールドガス中に、さらに、O2ガスを4%以下含有するシールドガスを用いることを特徴とする請求項17記載のスラグ生成量の少ない高疲労強度溶接継手の作製方法。
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