JP2001179488A - アーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ - Google Patents

アーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ

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JP2001179488A
JP2001179488A JP36561199A JP36561199A JP2001179488A JP 2001179488 A JP2001179488 A JP 2001179488A JP 36561199 A JP36561199 A JP 36561199A JP 36561199 A JP36561199 A JP 36561199A JP 2001179488 A JP2001179488 A JP 2001179488A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な溶接作業性を有すると共に、ソリッド
ワイヤ並みの溶込み性能と低スラグ性とを有するアーク
溶接用メタル系フラックス入りワイヤを提供する。 【解決手段】 鋼製外皮中にフラックスを充填してなる
アーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤにおいて、
ワイヤ全重量に対するフラックス率が5乃至10質量%
であり、外皮の内面に、Cが外皮重量当たり0.005
乃至0.030質量%塗布され、フラックス中に鉄粉を
フラックス重量当たり30乃至80質量%含有する。ま
た、鉄粉はその粒子表面にNa及びKからなる群から選
択された少なくとも1種の元素が総量で鉄粉重量当たり
0.1乃至5質量%膜状に被覆されていることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラックスに主な
成分が鉄粉であるアーク溶接用メタル系フラックス入り
ワイヤに関し、特に、フラックス率が低く、良好な溶接
作業性を有すると共に、ソリッドワイヤ並みの溶込み性
能と低スラグ性とを有するアーク溶接用メタル系フラッ
クス入りワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】フラックス入りワイヤ(以下、FCWと
いう)は、鋼製外皮の中にフラックスを充填させてお
り、このフラックスの量及び種類は、溶接作業性及び溶
着金属性能等のFCWの品質に大きく影響する。
【0003】FCWの中には、スラグ造滓剤をフラック
ス質量当たり10乃至50質量%含有させ、溶接作業性
及び溶接金属の機械的性能を向上させたFCWと、スラ
グ造滓剤を極端に減少させスラグの発生を極端に少なく
したメタル系のFCWとがある。特に、後者のメタル系
のFCWは、1980年代頃に開発されたものであり、
従来、ソリッドワイヤが使用されていた市場及び分野に
使用可能のFCWとして画期的なものと考えられてい
る。
【0004】このメタル系のFCWの最大の特徴は、ソ
リッドワイヤと比較して、高溶着の溶接が可能であり、
且つフラックスを含有しているので、溶接時のスパッタ
を少なくすることができるという点である。従来、メタ
ル系のFCWとして、フラックス率(以下、F%ともい
う)が10乃至25%程度のFCWが一般的である(特
開平11−151592号公報)。これは、F%を低下
させると、フラックス量の低下に従い溶滴が大きくな
り、スパッタが増加するためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、メタル
系のFCWはソリッドワイヤが使用されているような分
野において、あまり拡販されていない。この原因として
は、メタル系のFCWは溶接時のアークが極めてソフト
であるため、ソリッドワイヤと比較して、溶込み性能が
劣るということが挙げられ、これがメタル系のFCWの
問題点になっている。
【0006】また、多層盛り溶接等の場合においては、
ソリッドワイヤに比較してメタル系のFCWはスラグの
発生量が多いことも指摘されている。従って、メタル系
のFCWにソリッドワイヤ並みの溶込み性能と低スラグ
性とを付与することが、従来ソリッドワイヤが使用され
ていた市場において、メタル系のFCWを拡販するため
に必要である。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、良好な溶接作業性を有すると共に、ソリッ
ドワイヤ並みの溶込み性能と低スラグ性とを有するアー
ク溶接用メタル系フラックス入りワイヤを提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアーク溶接
用メタル系フラックス入りワイヤは、鋼製外皮中にフラ
ックスを充填してなるアーク溶接用メタル系フラックス
入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対するフラックス
率が5乃至10質量%であり、前記外皮の内面に、Cが
外皮質量当たり0.005乃至0.030質量%塗布さ
れ、フラックス中に鉄粉をフラックス質量当たり30乃
至80質量%含有することを特徴とする。
【0009】この場合、前記鉄粉はその粒子表面にNa
及びKからなる群から選択された少なくとも1種の元素
が総量で鉄粉質量当たり0.1乃至5質量%膜状に被覆
されていることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係るアー
ク溶接用メタル系フラックス入りワイヤについて詳細に
説明する。本願発明者等は実験研究の結果、フラックス
率を低下させることにより、溶込み性能と低スラグ性と
の両方を向上させることができることを見出した。即
ち、FCWに占める外皮(鋼の部分)をより多くするこ
とにより、FCWはソリッドワイヤに近いワイヤ形状と
なり、溶込み性能及び低スラグ性の両方が向上する。具
体的には、フラックス率が10%以下になると、FCW
の溶込み性能及び低スラグ性がほぼソリッドワイヤの溶
込み性能及び低スラグ性と等しくなる。
【0011】上述のことから、本願発明者等はF%を低
下させた場合においても、スパッタを増加させないよう
なメタル系のFCWの開発に注力し、種々の実験研究の
結果、外皮の内面に脱酸剤であるCを塗布し、溶滴の表
面張力を上昇させることにより、溶滴の離脱が飛躍的に
向上することを明らかにした。このCは、単にフラック
スに含有させるだけではその効果は発揮されず、あくま
でFCWの外面に近い側(溶滴の表面に近い側)に存在
することに意味があることが判明した。
【0012】FCWの最表面という意味においては、外
皮の外面(FCWの表面)にCを塗布する方法もあり、
本願発明者等はこの方法においても溶滴の離脱が飛躍的
に向上する効果を得ることができることを確認してい
る。しかし、外皮の外面にCを塗布した場合には、ワイ
ヤ送給系でCが脱離してしまう。このCの脱離は、溶滴
の離脱の効果が不安定になると共に、溶接時の通電性の
不安定さを促進させる要因となり、ワイヤ送給系にCが
堆積しワイヤ送給系を詰まらせる要因ともなる。このた
め、外皮の内面にCを塗布することが現実的である。な
お、Cの塗布方法としては、外皮にフラックスを投入す
る前に、外皮の内面を処理してCを添着する方法、又は
外皮の内面をダル加工(梨地加工)し、Cを物理的に外
皮の内面に付着させる方法等の種々の方法が挙げられ
る。
【0013】また、塗布するCの種類としては、粒径が
2乃至10μmの粒子があり、そのうち、Cの平均粒径
が3μmものが、溶滴の離脱の効果を最も発揮する。
【0014】更に、本願発明者等はメタル系のFCWの
フラックスの主成分である鉄粉の表面に、例えばNa又
はK等のアルカリ金属を被覆することにより、溶接作業
性が向上することを見出した。これは、アーク安定剤と
してのNa及びKがフラックス全体に均一に分布すると
共に、溶滴の主成分である鉄粉の表面にアーク安定剤が
存在することが影響しているためである。鉄粉だけでな
く、全てのフラックスの成分をアルカリ金属で被覆した
場合には、アルカリ金属の量が過多になり、かえって溶
接作業性が劣化する。
【0015】また、鉄粉の表面をNa及び/又はKを含
有する膜で被覆する表面処理を施すことにより、フラッ
クス中にアーク安定剤として添加しているフラックス原
料(アルカリ弗化物又は長石類等)を減少させることが
できる。このため、より一層低スラグ性を増すことがで
きる。なお、鉄粉の表面処理方法としては、例えば水ガ
ラスで造粒する方法がある。この方法は、鉄粉、Na粉
末及びK粉末を水ガラス中に添加して混合し、乾燥させ
た後、粉末状に造粒するものである。これにより、鉄粉
にNa及びKが膜状に被覆される。
【0016】以下、本発明のアーク溶接用メタル系フラ
ックス入りワイヤの数値限定理由について、説明する。
【0017】フラックス率:ワイヤ全質量に対して5乃
至10質量% ワイヤ全質量に対するフラックス率が5質量%未満の場
合には、溶接作業性が劣化しすぎると共に、脱酸剤が不
足し、更に、FCWを安定して製造することができない
という問題点が生じるので現実的ではない。一方、ワイ
ヤ全質量に対するフラックス率が10質量%を超える場
合には、溶込み性能及び低スラグ性等の点が劣化する。
従って、ワイヤ全質量に対するフラックス率は5乃至1
0質量%とする。溶接作業性、溶込み性能及び低スラグ
性等を考慮すると、ワイヤ全質量に対するフラックス率
は7乃至9質量%が好ましい範囲である。
【0018】外皮の内面のCの塗布量:外皮質量当たり
0.005乃至0.030質量% 外皮の内面のCの塗布量が外皮質量当たり0.005質
量%未満の場合、スパッタの発生量を低減する効果が発
揮されない。一方、外皮の内面のCの塗布量が外皮質量
当たり0.030質量%を超える場合、溶接作業性が劣
化すると共に、ヒューム量も増加する。従って、外皮の
内面のCの塗布量は外皮質量当たり0.005乃至0.
030質量%とする。なお、低スパッタ性を考慮する
と、外皮の内面のCの塗布量は外皮質量当たり0.01
0乃至0.020質量%が好ましい範囲である。
【0019】鉄粉:フラックス質量当たり30乃至80
質量% 鉄粉の含有量がフラックス質量当たり30質量%未満で
ある場合、メタル系のFCW特有の溶接の高能率性能が
劣化する。一方、鉄粉の含有量がフラックス質量当たり
80質量%を超える場合、Si又はMn等の脱酸剤の量
が不足する。従って、フラックス中の鉄粉の含有量はフ
ラックス質量当たり30乃至80質量%とする。
【0020】鉄粉の粒子の表面に被覆されたNa及びK
からなる群から選択された少なくとも1種の元素:総量
で鉄粉質量当たり0.1乃至5質量% Na及びKからなる群から選択された少なくとも1種の
元素の含有量が総量で鉄粉質量当たり0.1質量%未満
である場合、フラックス中のNa及び/又はKの含有量
が総量でフラックス質量当たり80質量%を超えていて
も、スパッタ発生の低減の効果は発揮されない。一方、
Na及びKからなる群から選択された少なくとも1種の
元素の含有量が総量で鉄粉質量当たり5質量%を超える
場合、フラックス中のNa及び/又はKの合計の含有量
がフラックス質量当たり30質量%未満であっても、溶
接作業性が劣化したり、ワイヤの水分量が上昇し溶接金
属に欠陥を発生させる要因となる。従って、Na及びK
からなる群から選択された少なくとも1種の元素の含有
量は総量で鉄粉質量当たり0.1乃至5質量%とするこ
とが好ましい。なお、低スパッタ性を考慮すると、Na
及びKからなる群から選択された少なくとも1種の元素
の含有量は総量で鉄粉質量当たり0.2乃至2質量%が
好ましい範囲である。
【0021】
【実施例】以下、本発明の範囲に入るアーク溶接用メタ
ル系フラックス入りワイヤの実施例について、その特性
を比較例と比較して具体的に説明する。
【0022】下記表1に示すフラックスと下記表2に示
す軟鋼製外皮とを使用して溶接用FCWを試作した。こ
のFCWのフラックス率、外皮の内面のCの塗布量及び
表面処理鉄粉の割合を種々変更させ、各種のFCWを作
製した。この結果を表3及び4に示す。なお、フラック
ス率を変更する時には、ワイヤ成分が全てのワイヤにお
いて等しくなるように、フラックスの各組成の量を調整
した。また、FCWの線径は1.2mmである。
【0023】なお、表1に示すスラグ形成剤は、Si、
Mn、Zr、Al、Ca、Mg及びBa等の金属酸化物
である。但し、TiO2は除く。また、メタル成分は、
Fe、Fe−Si、Fe−Mn、Fe−Al、Ni及び
Mg等である。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】以下、フラックス率の測定方法、C量の測
定方法並びにNa及びKの測定方法について説明する。
【0027】次に、フラックス率の測定方法について説
明する。先ず、FCW(線径:製品径は約4mm)の成
形工程が終了した後、FCWの質量を測定する。次に、
フープを剥いてフラックスを取り除き、外皮の質量を測
定する。ワイヤ質量と外皮質量との差からフラックス質
量を求め、これをワイヤ全質量で除してフラックス率を
算出する。
【0028】次に、C量の測定方法について説明する。
先ず、外皮の外面を有機溶剤で洗浄し、外皮の外面のC
を除去する。次に、外皮を有機溶剤中で超音波洗浄し、
外皮の内面に付着したCを有機溶剤中に回収する。これ
により、外皮内面に付着したCのみを抽出することがで
きる。次に、このCの量を燃焼赤外線吸収法により測定
し、これを外皮内面のC量とする。
【0029】次に、Na及びKの測定方法について説明
する。鉄粉中に、Na及びKは通常含有されない。そこ
で、先ず、Na及びKの皮膜が被着した鉄粉の全質量を
測定する。次に、鉄粉全量を塩酸、硫酸、硝酸又は王水
等により溶解する。そして、溶解液を原子吸光法により
分析してNa及びKの量を測定する。そして、このよう
に測定されたNa及びKの量を前述の如くして予め測定
されている鉄粉の全質量当たりの量に換算し、Na及び
Kの鉄粉質量当たりの被着量とする。従って、このNa
及びKの量を規定する際の基準となる鉄粉の量はNa及
び/又はKを含んだ量である。
【0030】表1のフラックスにおいて、表3及び4に
示すFCWについて、溶込み性能、溶接作業性及びスラ
グ発生量を評価した。図1はビードの被溶接板に対する
溶込み状態を示す断面図である。
【0031】溶込み性能については、溶接電流を280
A、溶接電圧を適正電圧とした溶接条件で被溶接板1に
ビードオンプレート溶接を行い、被溶接板1に対するビ
ード2の溶込み深さDをソリッドワイヤ及び従来のFC
Wと比較して評価した。この比較に使用したソリッドワ
イヤはYGW11(JIS Z3311)であり、同じ
く従来のFCWはYFWC50DM(JIS Z331
3)である。いずれのワイヤも直径は1.2mmであ
る。
【0032】また、溶込み性能については、被溶接板1
に対するビード2の溶込み深さDに基づいて評価した。
溶込み深さDが4.5mm以上(ソリッドワイヤ並)の
ものを◎とし、溶込み深さDが4.3mmを超え4.5
mm未満(従来のFCWより上ソリッドワイヤ未満)の
ものを○+とし、溶込み深さDが4.0mmを超え4.3
mm以下(従来のFCWより上ソリッドワイヤ未満)の
ものを○とし、溶込み深さDが4.0mm以下(従来の
FCW)のものを△とした。
【0033】溶接作業性については、溶接電流を280
A、溶接電圧を適正電圧、溶接速度を30cm/分、ワ
イヤ突出し長さを25mmとした溶接条件で、被溶接板
にビードオンプレート溶接を行い、箱型スパッタ捕集法
により、1分間に発生したスパッタを捕集し、このスパ
ッタの発生量を評価した。
【0034】また、溶接作業性については、1分間に発
生したスパッタ量の総量(トータル量)及び官能評価に
より評価した。スパッタ発生量が1.2g/分未満で官
能評価が良好なのものを◎+とし、スパッタ発生量が
1.2g/分未満のものを◎とし、スパッタ発生量が
1.2乃至1.5g/分で官能評価が良好なのものを○
+とし、スパッタ発生量が1.2乃至1.5g/分のも
のを○とし、スパッタ発生量が1.5g/分を超えるも
のを△とした。
【0035】スラグ発生量については、溶接電流を28
0A、溶接電圧を適正電圧、溶接速度を30cm/分、
ワイヤ突出し長さを25mmとした溶接条件で、被溶接
板にビードオンプレート溶接を行い1分間に発生したス
ラグ発生量を測定し、このスラグ発生量を評価した。な
お、スラグ発生量の測定方法は、ビードの上に発生した
スラグを剥離させてその質量を測定した。
【0036】スラグ発生量の評価については、1分間に
発生したスラグ発生量のトータル量をソリッドワイヤ及
び従来のFCWと比較して評価した。スラグ発生量が
1.5g/分未満のものを◎とし、スラグ発生量が1.
5乃至1.8g/分のものを○とし、スラグ発生量が
1.8g/分を超えるものを△とした。
【0037】また、溶接溶込み性能、溶接作業性及びス
ラグ発生量の結果に基づいて総合判定を下した。これら
の結果を表5及び6に示す。
【0038】総合判定の評価については、溶込み性能、
溶接作業性及びスラグ発生量の評価が全て○であるもの
は総合判定を○とし、溶込み性能、溶接作業性及びスラ
グ発生量の評価うち、いずれか1つでも○+があるもの
は総合判定を○+とし、溶込み性能、溶接作業性及びス
ラグ発生量の評価うち、いずれか1つでも◎があるもの
は総合判定を◎とし、溶込み性能、溶接作業性及びスラ
グ発生量の評価うち、いずれか1つでも◎+があるもの
は総合判定を◎+とした。また、溶込み性能、溶接作業
性及びスラグ発生量の評価うち、△がいずれか1つでも
あるものは総合判定を△とした。
【0039】但し、溶込み性能、溶接作業性及びスラグ
発生量の評価うち、◎が2つあるものでも、総合判定は
◎とした。また、溶込み性能、溶接作業性及びスラグ発
生量の評価が◎又は○であっても、その他の不具合があ
れば総合判定は△とした。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】上記表5に示すように、実施例No.1乃至
9は、フラックス率を低下させ、外皮の外面にCを塗布
したFCWであって、溶込み性能及びスラグ発生量が向
上し、溶接作業性も良好であり、総合判定についても良
好な結果を得ることができた。特に、実施例No.3は、
フラックス率が好ましい範囲内にあるので、溶込み性能
が特に良好であった。また、実施例No.6及び7は、外
皮の内面のC量が好ましい範囲内にあるので、溶接作業
性が更に良好であった。
【0045】実施例No.10乃至12は、フラックス率
を低下させ、外皮の内面にCを塗布し、且つ表面処理鉄
粉を使用したFCWであって、溶込み性能が良好であ
り、スラグ発生量がより一層少なく、溶接作業性もより
一層良好であり、総合判定についても更に良好な結果を
得ることができた。
【0046】実施例No.13は、請求項1は満足するも
のの、Na+K量が請求項2の上限値を超えているた
め、総合判定が更に良好ではないが、良好であった。
【0047】実施例No.14及び15は、フラックス率
を低下させ、外皮の内面にCを塗布し、且つ表面処理鉄
粉を使用したFCWであって、溶込み性能が良好であ
り、スラグ発生量が少なく、溶接作業性が極めて良好で
あり、総合判定についても極めて良好な結果を得ること
ができた。
【0048】実施例No.16は、請求項1は満足するも
のの、Na+K量が請求項2の下限値未満であるため、
総合判定が更に良好ではないが良好であった。
【0049】一方、比較例No.17は、従来のフラック
ス入りワイヤであり、フラックス率が本発明の上限値を
超えているので、溶込み性能及びスラグ発生量が劣り、
総合判定の評価が劣った。
【0050】比較例No.18乃至20は、外皮の内面の
Cの塗布量が本発明の下限値未満であるので、溶込み性
能が良好であり、スラグ発生量が少なかったが、溶接作
業性が劣り、総合判定の評価が劣った。
【0051】比較例No.21は、外皮の内面のCの塗布
量が本発明の上限値を超えているので、溶込み性能が良
好であり、スラグ発生量が少なかったが、溶接作業性が
劣り、総合判定の評価が劣った。
【0052】比較例No.22及び23は、フラックス率
が本発明の下限値未満であるので、溶込み性能が良好で
あり、スラグ発生量が少なかったが、溶接作業性が劣
り、総合判定の評価が劣った。
【0053】比較例No.24は、鉄粉の含有量が本発明
の上限値を超えているので、合金不足となり溶着金属性
能が劣り、総合判定の評価が劣った。
【0054】比較例No.25は、フラックス率が本発明
の上限値を超えているので、溶込み性能が劣り、総合判
定の評価が劣った。
【0055】比較例No.26は、鉄粉の含有量が本発明
の下限値未満であるが、溶込み性能が良好であり、スラ
グ発生量が少なく、溶接作業性も良好であるが、メタル
系の特徴である高能率性が劣るため、実用的でない。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、フ
ラックス率、外皮の内面のCの塗布量及びフラックスの
組成を所定の範囲に規定することにより、良好な溶接作
業性を有すると共に、ソリッドワイヤ並みの溶込み性能
と低スラグ性とを有するアーク溶接用メタル系フラック
ス入りワイヤを得ることができる。また、フラックスの
成分の1つである鉄粉の表面にNa及び/又はKの元素
を被覆することにより、更に溶接作業性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビードの被溶接板に対する溶込み状態を示す断
面図である。
【符号の説明】
1;被溶接板 2;ビード

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製外皮中にフラックスを充填してなる
    アーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤにおいて、
    ワイヤ全質量に対するフラックス率が5乃至10質量%
    であり、前記外皮の内面に、Cが外皮質量当たり0.0
    05乃至0.030質量%塗布され、フラックス中に鉄
    粉をフラックス質量当たり30乃至80質量%含有する
    ことを特徴とするアーク溶接用メタル系フラックス入り
    ワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記鉄粉はその粒子表面にNa及びKか
    らなる群から選択された少なくとも1種の元素が総量で
    鉄粉質量当たり0.1乃至5質量%膜状に被覆されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接用メタ
    ル系フラックス入りワイヤ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006104248A1 (ja) * 2005-03-29 2006-10-05 Nippon Steel Corporation メタル系フラックス入りワイヤ、及びこれを用いた溶接方法ならびにスラグ量が少ない高疲労強度溶接手の作製方法
JP2006272405A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Nippon Steel Corp メタル系フラックス入りワイヤおよび溶接方法
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