JP4674990B2 - 内視鏡用フード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡の挿入部の先端に取り付けて使用される内視鏡用フードに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内視鏡先端に取り付けて使用する内視鏡用補助具として、内視鏡的粘膜切除術に用いる内視鏡用フード(特開平8−131397号公報参照)、観察用に用いられる内視鏡用フード(特開平11−128159号公報参照)、食道胃静脈瘤結紮術などに用いられる軟性内視鏡結紮装置(USP4,735,194参照)、および異物回収用フードなどがある。
【0003】
まず、特開平8−131397号公報によって開示された内視鏡用フード(以下、透明キャップ)は、硬質の透明性樹脂からなる円筒状部材と、ゴム弾性を有した円筒状部材とから成る。ここで、ゴム弾性を有した円筒状部材の先端側に硬質の透明性樹脂からなる円筒状部材が接着剤で固定されている。そして、ゴム弾性を有した円筒状部材の基端部が内視鏡に接続されている。
【0004】
また、硬質の透明性樹脂からなる円筒状部材の筒内には基端部側に内視鏡の挿入部の先端を係止するフランジが内側に向かって突設されている。さらに、この透明な円筒状部材の先端にはスネアを係止する爪が設けられている。
【0005】
そして、高周波スネアの使用時には、透明キャップの先端の爪に高周波スネアを係止させたのち、粘膜を透明キャップの中に吸引し、スネアにて緊縛する。続いて、緊縛した粘膜を透明キャップ内から開放した後に、高周波スネアに通電し、緊縛した粘膜を切除するようになっている。
【0006】
また、特開平11−128159号公報によって開示された内視鏡用フードは、軟質の透明性樹脂からなる略円筒状の一体品である。この内視鏡用フードの使用時には、観察したい粘膜にフードを押し付けることにより、内視鏡の観察窓と粘膜との位置関係を固定し、容易に内視鏡観察を行うことができるようになっている。
【0007】
また、USP4,735,194によって開示された軟性内視鏡結紮装置(以下、EVL)は、内視鏡に接続された筒状部材の上に結紮用ゴムリングが装着されている。さらに、このゴムリングを開放する手段を有している。
【0008】
そして、この装置の使用時には、結紮したい粘膜を筒状部材内に吸引したのち、筒状部材の先端から結紮用ゴムリングを押し出して粘膜を結紮するようになっている。なお、実際に使用されているものは、筒状部材を内視鏡の挿入部の先端に固定する手段は、前述した透明キャップと同様である。
【0009】
また、異物回収用フードは、軟性部材からなる円筒状の一体品である。このフードの円筒体は基端側から先端側に向かって開口部が略円錐状に広がっていく形状をしている。
【0010】
そして、この異物回収用フードの使用時には、把持鉗子などで異物を把持したのち、把持した異物を異物回収用フードの略円錐状の開口部内に引き込み、この状態で内視鏡ごと体外へ取出すようになっている。
【0011】
以上のように従来の各内視鏡用補助具では、この内視鏡用補助具を内視鏡の挿入部の先端に固定する固定部分の構造は内視鏡用補助具の基端側にある軟性の円筒状部材内に内視鏡の挿入部の先端を挿入し、軟性の円筒状部材と内視鏡の挿入部の先端との間の摩擦によって固定している点が共通になっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成の各内視鏡用補助具では、次のような問題がある。
【0013】
まず第1に、従来型の円筒状の取付け部材では、内視鏡との着脱の際に内視鏡の挿入部の先端を擦るため、サイズを間違えて使用した場合や、適応しないサイズを使用した場合には、内視鏡用補助具や内視鏡の挿入部の先端を傷めたり、使用中に予期しない脱落が発生する可能性がある。
【0014】
第2に、内視鏡用補助具の内視鏡への固定力量は、使用中に容易に内視鏡から脱落しない程度に強力である。そのため、内視鏡用補助具の着脱作業時には内視鏡を破損しないように緩やかに着脱作業を行なう必要があるので、その作業が面倒なものとなっている。さらに、従来型の内視鏡用補助具では1つのサイズの円筒状取付け部材で対応できる内視鏡の挿入部の先端部の外径寸法の許容範囲は狭い範囲に制限されている。そのため、従来型の内視鏡用補助具を全ての内視鏡の機種に対応させる為には、多くのサイズの円筒状取付け部材が必要となり、サイズが異なる多くの円筒状取付け部材を準備する必要があるので、内視鏡用補助具のラインナップが多くなる。このようにラインナップが多くなると、量産効果が得らず高価になる問題がある。
【0015】
第3に、上述の通りラインナップが多くなってしまうと、ユーザーは、所持している内視鏡毎に内視鏡用補助具を買い揃えておかなければならないため、購入時に混乱しやすく、また煩わしくなる。
【0016】
第4に、透明キャップや、EVLなどのように内視鏡用補助具本体の先端側と基端側とが異材質の部品によって構成されている場合、それらの部品間を接着剤によって固定している。この接着作業時には、接着剤中に気泡が入ったり、接着部分以外の部分に接着剤がはみ出してしまうと固定強度が低下したり、視野が妨げられる可能性がある。そのため、接着剤中に気泡が入らないように各部品の寸法精度を高めるための加工費の増加、一度入ってしまった気泡の除去や、はみ出した接着剤の拭き取りの為の工数増加、さらに前記行程後の検査に要する工数の増加により、製造原価が高くなってしまう。
【0017】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、内視鏡の挿入部の先端に着脱する際に内視鏡の挿入部の先端を傷めることがないうえ、使用中の脱落も防止でき、かつ1つのサイズでより多くの内視鏡に対応させることができ、安価に製造できる内視鏡用フードを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、内視鏡の挿入部の先端に取り付けて使用される内視鏡用フードにおいて、略円筒形状のキャップ本体の先端部に、前記内視鏡用フードの機能部分が配設され、前記キャップ本体の筒内に前記内視鏡の挿入部の先端を係止する係止部が配設されるとともに、前記キャップ本体の基端部に内径寸法を縮少させる方向に弾性変形可能な内径可変部が配設され、かつ前記内径可変部の外側に前記キャップ本体上に移動可能に配置され、前記内径可変部の内径寸法を縮少させる方向に前記内径可変部を弾性変形させて前記内視鏡の挿入部の先端に係脱可能に係止する方向に付勢する係止位置と、前記内径可変部への付勢力を解除する係止解除位置とに切換え可能な操作部材が装着され、前記内径可変部は、円筒体を周方向に複数のブロックに分割したフラップが形成され、このフラップの外周面にキャップ本体の軸方向の中央部分から後端部側に向かうにしたがって外径寸法が徐々に大きくなるテーパー状の傾斜面が形成されているとともに、前記操作部材は、前記フラップ上を前記キャップ本体の軸方向に沿って移動可能に配置された操作リングを有し、前記操作リングの内径寸法は前記フラップの外周面の傾斜面における小径部側の外径寸法と略同径に設定され、前記操作リングを前記フラップの後部側に向けてスライド移動させ、前記フラップの外周面の傾斜面における大径部側に移動することにより、前記操作リングの移動に応じて前記フラップを縮径する方向に弾性変形させるものであり、前記係止部は、前記キャップ本体の筒内に内部側に向けて突設されたリング状のフランジ部によって形成され、前記フランジ部に前記内視鏡の挿入部の先端が突き当てられた状態で係止されることを特徴とする内視鏡用フードである。
そして、本請求項1の発明では、内視鏡用フードを内視鏡へ取付ける場合には、まず、操作部材を係止解除位置に移動し、内径可変部の内径が縮小していない状態にする。次に、内径可変部に基端側から内視鏡の挿入部の先端を挿入し、キャップ本体の筒内の中間部にあるフランジなどの係止部に突き当てる。その後、操作部材を係止位置方向に移動することにより、内径可変部の内径を縮少させる方向に弾性変形させて内視鏡の挿入部の先端に固定する。また、内視鏡から取外す場合には操作部材を係止解除位置方向に移動し、内径可変部の内径を縮小状態から開放する。この状態で、内径可変部から内視鏡の挿入部の先端を抜き取るようにしたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図3(A)〜(C)を参照して説明する。図1は本実施の形態の内視鏡用補助具の一例である透明キャップ1の全体図を示すものである。さらに、図2(A)は、それぞれ透明キャップ1を先端側から見た図と、図2(B)は、透明キャップ1を基端側から見た図である。
【0021】
本実施形態の透明キャップ1には、略円筒形状のキャップ本体(補助具本体)2が設けられている。このキャップ本体2の先端部には、内視鏡用補助具の機能部分にあたるキャップ部3が配設されている。
【0022】
さらに、キャップ本体2の筒内には図3(A)に示すように軸方向の略中間部分にリング状のフランジ部(係止部)4が内部側に向けて突設されている。このフランジ部4には図3(B)に示すように内視鏡5の挿入部6の先端7が突き当てられた状態で係止されるようになっている。
【0023】
また、キャップ本体2の基端部には内径寸法を縮少させる方向に弾性変形可能な内径可変部8が配設されている。この内径可変部8には円筒体を周方向に複数、本実施の形態では4つのブロックに分割したフラップ9が形成されている。このフラップ9の外周面には図3(A)に示すようにキャップ本体2の軸方向の略中央部分から後端部側に向かうにしたがって外径寸法が徐々に大きくなるテーパー状の傾斜面10が形成されている。なお、このキャップ本体2の内径可変部8の内径寸法はこの透明キャップ1が装着される内視鏡5における挿入部6の先端7の外径寸法よりも大径に設定されている。
【0024】
また、内径可変部8の外側には操作リング(操作部材)11が装着されている。この操作リング11は内径可変部8のフラップ9上をキャップ本体2の軸方向に沿って移動可能に配置されている。ここで、操作リング11の内径寸法はフラップ9の外周面の傾斜面10における小径部側の外径寸法と略同径に設定されている。そして、操作リング11を内径可変部8の後部側に向けてスライド移動させ、フラップ9の外周面の傾斜面10における大径部側に移動することにより、この操作リング11の移動に応じて操作リング11から内径可変部8の内径寸法を縮少させる方向に押圧力が作用し、内径可変部8のフラップ9を縮径する方向に弾性変形させるようになっている。このとき、内径可変部8のフラップ9を縮径する方向に作用する押圧力は操作リング11が大径部側に移動するにしたがって徐々に大きくなる。そして、図3(C)に示すように操作リング11が後部側の移動限界位置まで移動されることにより、操作リング11から内径可変部8のフラップ9を押圧する押圧力が大きくなり、内径可変部8のフラップ9が内視鏡5の挿入部6の先端7に強く圧接されて内視鏡5の挿入部6の先端7を係脱可能に係止する係止位置に切換えられるようになっている。
【0025】
さらに、操作リング11を図3(C)に示す係止位置から前方に向けてスライド移動させることにより、操作リング11から内径可変部8のフラップ9を押圧する押圧力が徐々に小さくなる。そして、操作リング11が図3(B)に示すように内径可変部8の前端位置まで移動されることにより、内径可変部8への押圧力がなくなり、内視鏡5の係合を解除する係止解除位置に切換えられるようになっている。
【0026】
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態の透明キャップ1を内視鏡5へ取付ける場合には、まず、操作リング11を図3(A)に示す係止解除位置に移動する。この係止解除位置では操作リング11から内径可変部8への押圧力がなくなり、内径可変部8のフラップ9の弾力によって内径可変部8のフラップ9の内径が縮小していない状態に弾性復帰される。そのため、この状態では内径可変部8のフラップ9が内方に突出されていない状態で保持される。
【0027】
この状態で、続いて、透明キャップ1の内径可変部8に基端側から内視鏡5の挿入部6の先端7を挿入する。ここで、透明キャップ1の内径可変部8に挿入された内視鏡5の挿入部6は図3(B)に示すように先端7がキャップ本体2の筒内の中間部にあるフランジ部4に突き当てられる位置まで挿入される。
【0028】
その後、操作リング11が係止位置方向に移動される。このとき、操作リング11は内径可変部8の後部側に向けてスライド移動され、フラップ9の外周面の傾斜面10における大径部側に移動する。この操作リング11の移動に応じて操作リング11から内径可変部8の内径寸法を縮少させる方向に押圧力が作用し、内径可変部8のフラップ9が縮径される方向に弾性変形される。このとき、内径可変部8のフラップ9を縮径する方向に作用する押圧力は操作リング11が大径部側に移動するにしたがって徐々に大きくなる。そして、図3(C)に示すように操作リング11が後部側の移動限界位置まで移動されることにより、操作リング11から内径可変部8のフラップ9に大きな押圧力が作用し、内径可変部8のフラップ9が内視鏡5の挿入部6の先端7に強く圧接されて内視鏡5の挿入部6の先端7を係脱可能に係止する係止位置に切換えられる。これにより、透明キャップ1の内径可変部8が内視鏡5の挿入部6の先端7に固定される。
【0029】
また、内視鏡5から透明キャップ1を取外す場合には図3(C)に示す係止位置から操作リング11をキャップ本体2の先端側、すなわち係止解除位置方向に移動させる。このとき、操作リング11を前方に向けてスライド移動させることにより、操作リング11から内径可変部8のフラップ9を押圧する押圧力が徐々に小さくなる。そして、操作リング11が図3(B)に示すように内径可変部8の前端位置まで移動されることにより、内径可変部8のフラップ9の弾力によって内径可変部8のフラップ9の内径が縮小していない状態に弾性復帰される。これにより、内径可変部8への押圧力がなくなり、内径可変部8のフラップ9が内方に突出されていない係止解除位置に切換えられ、内視鏡5の係合が解除される。この状態で、透明キャップ1の内径可変部8から内視鏡5の挿入部6の先端7を抜き取る操作が行われる。
【0030】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では透明キャップ1のキャップ本体2の基端部に内径寸法を縮少させる方向に弾性変形可能な内径可変部8を配設し、この内径可変部8の外側に配設された操作リング11を内径可変部8の軸方向にスライド移動させることにより、内視鏡5の挿入部6の先端7を係脱可能に係止するようにしている。そして、内視鏡5の挿入部6の先端7に透明キャップ1を着脱する際には操作リング11を図3(B)に示すように内径可変部8の前端位置まで移動させて内視鏡5の係合を解除する係止解除位置で保持することにより、内径可変部8のフラップ9が内方に突出されていない状態で保持させることができる。そのため、内視鏡5の挿入部6の先端7に透明キャップ1を着脱する際に内径可変部8のフラップ9の内周面に内視鏡5の挿入部6の先端7が擦れることが無い為、内視鏡5の挿入部6の先端7を傷めない。
【0031】
また、操作リング11を前方の係止解除位置から後方の係止位置に向けてスライド移動させることにより、操作リング11から内径可変部8のフラップ9を押圧する押圧力を大きくして、内径可変部8のフラップ9を内方に弾性変形させ、内視鏡5の挿入部6の先端7に強く圧接させて内視鏡5の挿入部6の先端7を係脱可能に係止するようにしている。このとき、内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法に合わせて操作リング11の移動量を調整することにより、内径可変部8のフラップ9の固定力量を変化させることができる。そのため、内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法が異なる場合でもそれに合わせて適正な位置に操作リング11を移動させることにより、内径可変部8のフラップ9の固定力量を適正に調整することができるので、内視鏡5の使用中に透明キャップ1が内視鏡5の挿入部6の先端7から脱落することを防止することができる。
【0032】
さらに、1つのサイズの透明キャップ1でより多くの内視鏡5に対応させることができるので、透明キャップ1の種類のラインナップの縮少が可能である。そのため、1つのサイズの透明キャップ1を多量に生産することができるので、量産効果が得られ、安価に製造できる。
【0033】
さらに、本実施の形態では透明キャップ1の製造時には接着剤による組立工程が省略できる為、各部品の寸法精度を格別に高める必要がない。そのため、組立工数を低減し、安価に製造できる効果がある。
【0034】
なお、本実施の形態の透明キャップ1のフランジ部4は、少なくとも次に示す2つの条件を満足する必要が有る。すなわち、内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法の如何に関わらず多くの機種の内視鏡に係止出来ることと、内視鏡5の観察窓(図示せず)や、内視鏡5と同時に使用する処置具(図示せず)と干渉しないことである。ここで、多くの機種の内視鏡に係止可能にする為には、フランジ部4のフランジ高さH1(図4(A)参照)を高くする必要が有り、一方で内視鏡の観察窓や、処置具と干渉しないようにする為には、フランジ部4のフランジ高さH1を低くする必要が有る。この相反する条件を満足する為の具体例を以下の各実施の形態に示す。
【0035】
図4(A),(B)は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3(A)〜(C)参照)の透明キャップ1の内周面のフランジ部4の部分の第1の変形例を示すものである。
【0036】
すなわち、本実施の形態の透明キャップ1では図4(A)に示すようにキャップ本体2の筒内に突設されたフランジ部4における後部側の壁面に、フランジ高さH1が基端側に向かって階段状に低くなる複数段、本実施の形態では4段のフランジ段部4a〜4dが設けられている。
【0037】
そして、本実施の形態の透明キャップ1では、透明キャップ1の内径可変部8に基端側から挿入された内視鏡5の挿入部6の先端7はフランジ部4における後部側の4段のフランジ段部4a〜4dのいずれかに突き当てられた状態で係止される。このとき、内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法が大きい場合は、透明キャップ1のフランジ部4における基端側のフランジ高さH1の低い部分(フランジ段部4d、4c)で係止され、内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法が小さい場合は、透明キャップ1の内部でより先端側まで挿入され、フランジ高さH1の高い部分(フランジ段部4a、4b)で係止される。
【0038】
そこで、本実施の形態の透明キャップ1ではフランジ部4における後部側の壁面にフランジ高さH1が基端側に向かって階段状に低くなる4段のフランジ段部4a〜4dを設けたので、内視鏡5の挿入部6の先端7がフランジ高さH1の低い部分(フランジ段部4d、4c)で係止された場合にフランジ高さH1の高いフランジ段部4aの部分と内視鏡5の挿入部6の先端7との間にスペースを設けることができる。そのため、フランジ高さH1の低い部分(フランジ段部4d、4c)で係止された内視鏡の観察窓や、鉗子口からフランジ高さH1の高いフランジ段部4aの部分までの距離が確保できるので、お互いに干渉し難くなる効果がある。
【0039】
また、図5(A),(B)は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3(A)〜(C)参照)の透明キャップ1の内周面のフランジ部4の部分の第2の変形例を示すものである。
【0040】
すなわち、本実施の形態の透明キャップ1では図5(A)に示すようにキャップ本体2の筒内に突設されたフランジ部4における後部側の壁面に、フランジ高さH1が基端側に向かってなだらかに低くなっているテーパー面状の係合面4eが設けられている。
【0041】
そして、本実施の形態の透明キャップ1では、透明キャップ1の内径可変部8に基端側から挿入された内視鏡5の挿入部6の先端7はフランジ部4における後部側のテーパー面状の係合面4eに突き当てられた状態で係止される。このとき、内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法が大きい場合は、透明キャップ1のフランジ部4の係合面4eにおけるテーパー面の基端側のフランジ高さH1の低い部分で係止され、内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法が小さい場合は、透明キャップ1の内部でより先端側まで挿入され、フランジ部4の係合面4eにおけるテーパー面のフランジ高さH1の高い部分で係止される。
【0042】
そこで、本実施の形態の透明キャップ1では図4(A)の第2の実施の形態の場合と同様に、内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法によって透明キャップ1のフランジ部4の係合面4eにおけるテーパー面上の内視鏡5の係止位置が変わるものの、幅広い機種の内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法に対応でき、第2の実施の形態と同様の効果がある。さらに、本実施の形態では透明キャップ1のフランジ部4の係合面4eにおけるテーパー面によってフランジ高さH1が連続的に変化している為、幅広い機種の内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法に精度良く対応できる利点がある。
【0043】
また、図6(A),(B)は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3(A)〜(C)参照)の透明キャップ1の内周面のフランジ部4の部分の第3の変形例を示すものである。
【0044】
すなわち、本実施の形態の透明キャップ1ではキャップ本体2の筒内に突設されたフランジ部4に代えて図6(B)に示すようにキャップ本体2の筒内に周方向に沿って複数、本実施の形態では4つの凸状部材21が略等間隔で並設されている。各凸状部材21は、例えば天然ゴム、ウレタンゴム、シリコンゴムなど、変形可能な軟性樹脂で略半球状に形成されている。
【0045】
そして、本実施の形態の透明キャップ1では、透明キャップ1の内径可変部8に基端側から挿入された内視鏡5の挿入部6の先端7は4つの凸状部材21に突き当てられた状態で係止される。このとき、4つの凸状部材21が軟性部材の為、幅広い機種の内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法に対応できる。
【0046】
また、本実施の形態の透明キャップ1では、4つの凸状部材21間に空間が形成されているので、凸状部材21間の空間部分に内視鏡の観察窓や、鉗子口を位置させることで、お互いの干渉を防ぐことが出来る。
【0047】
また、図7(A),(B)は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3(A)〜(C)参照)の透明キャップ1の内周面のフランジ部4の部分の第4の変形例を示すものである。
【0048】
すなわち、本実施の形態の透明キャップ1では図7(B)に示すようにキャップ本体2の筒内に突設されたフランジ部4の円周上に複数、本実施の形態では3つの切欠部22が略等間隔で形成されている。さらに、本実施の形態のフランジ部4のフランジ高さH1は最も外径寸法が小さい内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法に併せて設計されている。
【0049】
そして、本実施の形態の透明キャップ1では、透明キャップ1の内径可変部8に基端側から挿入された内視鏡5の挿入部6の先端7はフランジ部4に突き当てられた状態で係止される。このとき、本実施の形態のフランジ部4のフランジ高さH1は最も外径寸法が小さい内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法に併せて設計されているため、全ての機種の内視鏡5に対応できる。
【0050】
また、本実施の形態の透明キャップ1では、内視鏡5の挿入部6の先端7に装着する際に、フランジ部4の切欠部22の部分に内視鏡の観察窓や、鉗子口の位置を合わせることで、お互いの干渉を防ぐことが出来る。
【0051】
なお、フランジ部4の切欠部22の部分は、フランジが完全になくなっていても良いし、最大外径の内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法に対応したフランジ高さのみを残してあっても良い。さらに、フランジ部4の切欠部22の部分は、1個所でも良いし、複数箇所でも良い。
【0052】
また、図8(A),(B)は本発明の第6の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3(A)〜(C)参照)の透明キャップ1の内周面のフランジ部4の部分の第5の変形例を示すものである。
【0053】
すなわち、本実施の形態の透明キャップ1では図8(B)に示すようにキャップ本体2の筒内にこの筒内のすべてを閉塞するバルクヘッド31が配設されている。さらに、このバルクヘッド31には、図8(A)に示すように内視鏡の観察窓や、鉗子口などがあたる部分に開口部32が形成されている。
【0054】
そして、本実施の形態の透明キャップ1では、透明キャップ1の内径可変部8に基端側から挿入された内視鏡5の挿入部6の先端7はバルクヘッド31に突き当てられた状態で係止される。このとき、バルクヘッド31の開口部32に内視鏡の観察窓や、鉗子口を位置させることで、お互いの干渉を防ぐことが出来る。
【0055】
そこで、本実施の形態の透明キャップ1では第5の実施の形態(図7(A),(B)参照)と同様の効果を奏する。さらに、本実施の形態では、キャップ本体2の筒内にこの筒内のすべてを閉塞するバルクヘッド31を配設したので、第5の実施の形態のフランジ部4と比較して機械的強度が向上する効果がある。
【0056】
また、図9(A),(B)は本発明の第7の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3(A)〜(C)参照)の透明キャップ1におけるキャップ本体2の基端部の内径可変部8の部分の第1の変形例を示すものである。
【0057】
すなわち、本実施の形態の透明キャップ1では図9(A)に示すように内径可変部8の各フラップ9の内面側に階段状に成形された複数段、本実施の形態では4段の係合溝41が形成されている。
【0058】
そして、本実施の形態の透明キャップ1では、内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法が太く、フランジ部4まで挿入できない場合には図9(B)に示すように透明キャップ1の内径可変部8に基端側から挿入された内視鏡5の挿入部6の先端7は内径可変部8の各フラップ9の係合溝41のいずれかの段部に突き当てられた状態で係止される。このとき、内視鏡5の挿入部6の先端7がフランジ部4に突き当たらない為に内視鏡5への透明キャップ1の装着が不安定になるが、図9(B)に示すように、内視鏡5の挿入部6の先端7を内径可変部8の各フラップ9の係合溝41のいずれかの段部に突き当てることで、内視鏡5の挿入部6の先端7がフランジ部4に突き当たった場合と同様の効果を得ることが出来き、透明キャップ1を内視鏡5の挿入部6の先端7に確実に装着できる。
【0059】
そこで、本実施の形態の透明キャップ1では、内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法が透明キャップ1のキャップ本体2の内径寸法よりも太く、フランジ部4まで挿入できない場合であっても、内視鏡5の挿入部6の先端7を内径可変部8の各フラップ9の係合溝41のいずれかの段部に突き当てることで、内視鏡5の挿入部6の先端7がフランジ部4に突き当たった場合と同様の効果を得ることができる。そのため、本実施の形態の透明キャップ1では、内視鏡5の挿入部6の先端7の外径寸法が透明キャップ1のキャップ本体2の内径寸法よりも太く、フランジ部4まで挿入できない場合に特に有利である。
【0060】
さらに、操作リング11よりも内径寸法が大きい大径リング42を予め用意しておき、通常使用される操作リング11の代わりにこの大径リング42を内径可変部8の各フラップ9に係合することで、太い内視鏡5の挿入部6の先端7に透明キャップ1を固定できる。
【0061】
また、図10および図11(A),(B)は本発明の第8の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3(A)〜(C)参照)の透明キャップ1におけるキャップ本体2の基端部の内径可変部8の部分の第2の変形例を示すものである。
【0062】
すなわち、本実施の形態の透明キャップ1では図10に示すように内径可変部8における各フラップ9の外周面に各フラップ9の長さと略同じ長さの操作リング51が軸回り方向に回動可能に設けられている。
【0063】
また、図11(A)に示すように内径可変部8における各フラップ9の外周面に外向きに係合突起52が突設されている。各フラップ9の係合突起52には円周方向に沿って一端部側が他端部側に比べて突出高さが高く(肉厚が大きく)なる傾斜面53が形成されている。
【0064】
さらに、操作リング51の内周面側には周方向に沿って複数、本実施の形態では4つの押圧突起54が突設されている。これらの4つの押圧突起54は略等間隔に並設され、内径可変部8における各フラップ9の係合突起52間に配置されている。そして、操作リング51の回動操作時には4つの押圧突起54が各フラップ9の係合突起52に突き当たり、図11(B)に示すように各係合突起52の傾斜面53に沿って操作リング51の押圧突起54が各フラップ9の係合突起52に乗り上げるようになっている。このとき、操作リング51の押圧突起54によって内径可変部8における各フラップ9の係合突起52が内側に押し込まれるようになっている。
【0065】
そして、本実施の形態の透明キャップ1では、図11(A)に示すように操作リング51の押圧突起54とフラップ9の係合突起52とが干渉しない状態で、内視鏡5の挿入部6の先端7が透明キャップ1の内径可変部8に基端側から挿入される。続いて、内視鏡5の挿入部6の先端7がフランジ部4に突き当たった状態で、操作リング11を図11(B)中に矢印で示す方向に回転させると、各押圧突起54がフラップ9の肉厚な係合突起52の部分に乗り上げる状態で干渉し、フラップ9を内側へ押し込む。これによって、透明キャップ1が内視鏡5の挿入部6の先端7に確実に係止される。
【0066】
また、図12(A),(B)は本発明の第9の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3(A)〜(C)参照)の透明キャップ1の内径可変部8における操作リング11の係止部分の構成を次の通り変更したものである。
【0067】
すなわち、本実施の形態の透明キャップ1では図12(A)に示すようにキャップ本体2の外周面に雄ねじ部61が形成されている。さらに、操作リング11の内周面側にはキャップ本体2の雄ねじ部61に螺合する雌ねじ部62が形成されている。そして、操作リング11の回転操作にともない操作リング11の雌ねじ部62がキャップ本体2の雄ねじ部61との螺合部に沿って透明キャップ1の軸方向に螺進動作するようになっている。ここで、操作リング11の回転停止時には操作リング11の雌ねじ部62とキャップ本体2の雄ねじ部61との螺合部の摩擦力によって操作リング11の移動が停止された状態で保持され、操作リング11の係止機構が構成されている。
【0068】
そして、本実施の形態の透明キャップ1では、図12(A)に示すように操作リング11がキャップ本体2の先端側の係止解除位置に移動されている状態で、透明キャップ1の内径可変部8に基端側から内視鏡5の挿入部6の先端7を挿入する。ここで、透明キャップ1の内径可変部8に挿入された内視鏡5の挿入部6の先端7はフランジ部4に突き当てられる位置まで挿入される。
【0069】
その後、操作リング11が係合方向に回転操作される。このとき、操作リング11の回転操作にともない操作リング11の雌ねじ部62がキャップ本体2の雄ねじ部61との螺合部に沿って螺進動作される状態で、操作リング11が透明キャップ1の基端部方向に移動する。そして、操作リング11が図12(B)に示すように透明キャップ1の基端部側の係止位置に移動された状態で、透明キャップ1の内径可変部8が内視鏡5の挿入部6の先端7に固定される。
【0070】
また、内視鏡5から透明キャップ1を取外す場合には図12(B)に示す係止位置から操作リング11を係合方向とは逆方向に回転操作される。このとき、操作リング11の回転操作にともない操作リング11の雌ねじ部62がキャップ本体2の雄ねじ部61との螺合部に沿って係合方向とは逆方向に螺進動作される状態で、操作リング11が透明キャップ1のキャップ本体2の先端側、すなわち係止解除位置方向に移動される。
【0071】
そこで、上記構成の本実施の形態では操作リング11の雌ねじ部62とキャップ本体2の雄ねじ部61との螺合部の摩擦力によって操作リング11の移動を停止させた状態で保持する操作リング11の係止機構を構成したので、この機構を用いることによって、次の効果がある。すなわち、操作リング11が操作リング11の雌ねじ部62とキャップ本体2の雄ねじ部61との螺合部の摩擦力によって係止されている為、使用中の予測しない透明キャップ1の脱落を防止することが出来る。さらに、透明キャップ1の内径可変部8が内視鏡5の挿入部6の先端7に固定される際の装着力量を操作リング11の回転によって微調整することが出来る効果もある。
【0072】
また、図13(A),(B)は本発明の第10の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3(A)〜(C)参照)の透明キャップ1の内径可変部8における操作リング11の係止部分の構成を次の通り変更したものである。
【0073】
すなわち、本実施の形態の透明キャップ1では図13(A)に示すようにキャップ本体2の内径可変部8における各フラップ9の外周面に凹凸が連続した波状部71が成形されている。さらに、操作リング11の内周面には各フラップ9の波状部71の凹部に嵌合される嵌合凸部72が形成されている。ここで、操作リング11の嵌合凸部72を各フラップ9の波状部71の凹部に嵌合させることにより、操作リング11の移動を係止するリング部係止機構が形成されている。
【0074】
そして、本実施の形態の透明キャップ1では、図13(A)に示すように操作リング11がキャップ本体2の内径可変部8の先端側の係止解除位置に移動された状態で、透明キャップ1の内径可変部8に基端側から内視鏡5の挿入部6の先端7を挿入する。ここで、透明キャップ1の内径可変部8に挿入された内視鏡5の挿入部6の先端7はフランジ部4に突き当てられる位置まで挿入される。
【0075】
その後、操作リング11が基端側へ移動される。このとき、操作リング11が図13(B)に示すように透明キャップ1の基端部側の係止位置に移動された状態で、操作リング11の嵌合凸部72を各フラップ9の波状部71の凹部に嵌合させることにより、操作リング11を固定し、これによって、透明キャップ1の内径可変部8が内視鏡5の挿入部6の先端7に固定される。
【0076】
また、内視鏡5から透明キャップ1を取外す場合には図13(B)に示す係止位置から操作リング11を先端方向に移動させる。このとき、操作リング11を先端方向に押し出すことにより、操作リング11の嵌合凸部72を各フラップ9の波状部71の凹部から引き抜き、嵌合を解除することができる。この状態で、操作リング11が透明キャップ1のキャップ本体2の先端側、すなわち係止解除位置方向に移動される。
【0077】
そこで、上記構成の本実施の形態では操作リング11の嵌合凸部72を各フラップ9の波状部71の凹部に嵌合させることにより、操作リング11の移動を係止するリング部係止機構を形成したので、この機構を用いることによって、次の利点がある。すなわち、操作リング11の嵌合凸部72を各フラップ9の波状部71の凹部に嵌合させることにより、操作リング11の移動を係止することにより、使用中の予期しない透明キャップ1の脱落を防止するすることが出来る。
【0078】
さらに、透明キャップ1の内径可変部8が内視鏡5の挿入部6の先端7に固定される際の装着力量をメーカー側で設定できる。すなわち、製造工程で各フラップ9の波状部71の波の凹部の間隔や、深さを適正に設定することで、内視鏡5への透明キャップ1の装着力量を一定の設定範囲内に押さえることが出来るので、操作リング11の締付過ぎによる透明キャップ1の破損や、緩すぎる場合の透明キャップ1の脱落を防ぐことが出来る。
【0079】
なお、以上は、本発明を内視鏡的粘膜切除用透明キャップに適用した場合についての具体例であるが、本発明は本願請求項から明らかなように、上述の実施形態に限られるものではなく、内視鏡5の挿入部6の先端7に係止するもの全てを包含したものである。
【0080】
また、図14乃至図18(A),(B)は本発明の第11の実施の形態を示すものである。本実施の形態は本発明の内視鏡用補助具を図14に示すように側視型の内視鏡101における挿入部102の先端部111に装着される内視鏡のガイドワイヤ固定具141として用いた例である。
【0081】
すなわち、本実施の形態のガイドワイヤ固定具141には図15(A),(B)に示すように略漏斗形状の取付け部142と、この取付け部142の先端側に連結された略円筒形のキャップ部143とが設けられている。
【0082】
また、取付け部142には図16(A)に示すように内視鏡101の挿入部102の基端部側(図16(A)中で下側)に向かって徐々に肉厚が大きくなる状態で外径寸法が大きくなる略円筒形で、テーパー状の取付け部本体144が設けられている。この取付け部本体144の筒壁部には複数、本実施の形態では図16(B)に示すように4つのスリット145が形成されている。これらのスリット145は取付け部本体144の基端部側が開口されている。そして、各スリット145間の部分によって弾性変形可能な4つの舌片146が形成されている。
【0083】
また、ガイドワイヤ固定具141の外側には内視鏡101における挿入部102の先端部111にこのガイドワイヤ固定具141の取付け部142を係脱可能に固定する固定リング147が配設されている。この固定リング147の内径寸法は、図16(A)に示すようにガイドワイヤ固定具141における取付け部本体144の舌片146の外径寸法が最も小さい最小外径部146aよりも大きく、ガイドワイヤ固定具141における取付け部本体144の舌片146の外径寸法が最も大きい最大外径部146bよりも小さい状態に設定されている。
【0084】
そして、図16(A)に示すように固定リング147が取付け部本体144の舌片146と係合されていない係合解除位置で保持されている状態では内視鏡101の挿入部102に対してガイドワイヤ固定具141が移動自在な状態で保持されるようになっている。また、固定リング147が図16(B)に示すように取付け部本体144の舌片146と係合する係合位置方向に移動された場合には固定リング147によって取付け部本体144の舌片146が内向きに押圧されて4つの舌片146の内端部側が内向きに弾性変形されるようになっている。
【0085】
なお、本実施の形態では、内視鏡101における挿入部102の先端部111の寸法を考慮してガイドワイヤ固定具141の取付け部142の内径寸法が例えば14mm、長さが10mmで、取付け部本体144の舌片146のテーパー面が5°のテーパー角度にそれぞれ設定されている。さらに、取付け部本体144の4つのスリット145は取付け部142の円周上に略90°間隔で等間隔に配置されている。また、各スリット145の長さは取付け部142の基端側から先端側へ向かって内視鏡101の軸方向と平行で、約9mm程度に設定されている。さらに、取付け部本体144のスリット145の数に関しては、成形性や内視鏡101への装着性の容易化を考慮すれば2本から6本程度が好ましい。
【0086】
また、取付け部142上に移動自在に取り付けられた固定リング147は例えば内径寸法が16mm、外径寸法が18mm、幅が2mm程度に設定されている。なお、固定リング147はこれに限定されるものではなく、取付け部142のスリット145を締め付ける機能を有していれば良いので、固定リング147の形状についてはベルト状部材でも、糸状部材でも良い。
【0087】
また、取付け部142及び固定リング147の材質については、キャップ部143と同質のポリカーボネイトにより一体で作成されていることがコストの面からも望ましい。しかし、アクリルなど他の硬質樹脂でも、天然ゴム、合成ゴム、もしくはシリコンや、ウレタンなどの軟性樹脂でも、ステンレスなどの金属であっても良く、若干の弾性と内視鏡101の挿入部102の先端部111を傷つけない程度に滑らかな内表面を有していれば、特に透明である必要はない。
【0088】
また、ガイドワイヤ固定具141のキャップ部143の先端側には、図15(A)に示すように処置具挿通用開口部148が形成されている。この処置具挿通用開口部148は、内視鏡101の挿入部102の先端部111側が開口する状態で、内視鏡101の先端部111の側視用基準面における図示しない照明窓、観察窓および鉗子口115と対応する部位に形成されている。
【0089】
さらに、キャップ部143の処置具挿通用開口部148にはガイドワイヤ識別機構部149と、ガイドワイヤ固定機構部150とが設けられている。ここで、ガイドワイヤ識別機構部149には処置具挿通用開口部148に対してこの開口部148の片側端部(内視鏡101の観察窓の反対側)から開口部148の内部側に張り出したステンレス製の1本の針金からなるガイドワイヤ識別部材151が設けられている。このガイドワイヤ識別部材151は図15中で、キャップ部143の上端縁部に沿って処置具挿通用開口部148の右側から内部側に延出され、下向きに湾曲されている。
【0090】
また、キャップ部143には処置具挿通用開口部148の両側部にガイドワイヤ固定部材挿通穴152がそれぞれ形成されている。これらのガイドワイヤ固定部材挿通穴152はガイドワイヤ固定具141の中心線方向に沿って処置具挿通用開口部148の略中央位置に配置されている。
【0091】
さらに、ガイドワイヤ固定機構部150には、例えば外科用縫合糸によって形成された伸縮性のない糸状部材ガイドワイヤ固定部材153が設けられている。このガイドワイヤ固定部材153の一端部は図15(A)中で、処置具挿通用開口部148の左側のガイドワイヤ固定部材挿通穴152に固定されている。そして、このガイドワイヤ固定部材153は処置具挿通用開口部148上を横断し、図15(A)中で、処置具挿通用開口部148の右側のガイドワイヤ固定部材挿通穴152を通ってこのガイドワイヤ固定部材153の他端部側がガイドワイヤ識別部材151に固定されている。これにより、ガイドワイヤ固定部材153は開口部148上の両側部間に架設された状態で取付けられている。
【0092】
そして、内視鏡101の鉗子口115からガイドワイヤ130以外の処置具119(図17(A),(B)に示す)が延出された際に、内視鏡101の鉗子起上台117が図14中に仮想線で示す待機位置(倒置位置)で保持されている場合には図17(A)に示すように処置具119の先端部はガイドワイヤ識別機構部149のガイドワイヤ識別部材151から離れ、自由に移動可能な位置で保持されるようになっている。この状態で、鉗子起上台117が図14中に実線で示す最大回動位置(起上位置)方向に回動される場合には、図17(B)に示すように鉗子起上台117によって処置具119の先端部がガイドワイヤ識別機構部149のガイドワイヤ識別部材151に当接される方向に押し出される。このとき、ガイドワイヤ識別部材151の下側延出部分151aに当接される処置具119によってガイドワイヤ識別部材151の下側延出部分151aが横方向に押し出される。これにより、ガイドワイヤ固定具141の開口部148上の両側部間に架設されたガイドワイヤ固定部材153の張力は緩められるので、鉗子起上台117が最大回動位置まで回動された場合でも処置具119の先端部がガイドワイヤ固定部材153に係止されることはない。
【0093】
また、内視鏡101の鉗子口115からガイドワイヤ130の先端部が導出された際に、鉗子起上台117が図14中に仮想線で示す待機位置(倒置位置)で保持されている場合にはガイドワイヤ130は図18(A)に示すようにガイドワイヤ固定部材153から離れ、自由に移動可能な係合解除位置で保持されるようになっている。この状態で、鉗子起上台117が図14中に実線で示す最大回動位置(起上位置)の方向に回動された場合には、図18(B)に示すように鉗子起上台117によってガイドワイヤ130がガイドワイヤ識別機構部149のガイドワイヤ識別部材151に当接される方向に押し出される。このとき、ガイドワイヤ識別部材151の下側延出部分151aが例えばガイドワイヤ130によって横方向に押し出されることはなく、ガイドワイヤ固定具141の開口部148上の両側部間に架設されたガイドワイヤ固定部材153の張力が緩められることはない。そのため、鉗子起上台117が図14中に実線で示す最大回動位置まで回動された場合にはこの鉗子起上台117からの押圧力によってガイドワイヤ130がガイドワイヤ固定具141の開口部148上の両側部間のガイドワイヤ固定部材153に圧接され、ガイドワイヤ130が係脱可能に係止されるようになっている。
【0094】
これにより、ガイドワイヤ固定機構部150は、内視鏡101の挿入部102の先端部111側の鉗子口115から処置具119が出ている状態では、処置具119の操作を妨げず、また鉗子口115からガイドワイヤ130のみが出ている状態では、鉗子起上台117からの押圧力によってガイドワイヤ130をガイドワイヤ固定具141の開口部148上の両側部間のガイドワイヤ固定部材153に圧接させて係止させる構造になっている。
【0095】
次に、上記構成の作用について説明する。まず、本実施の形態の内視鏡装置の内視鏡101の挿入部102に対してガイドワイヤ固定具141を取付ける場合には次の操作が行なわれる。まず、図16(A)に示すように固定リング147をガイドワイヤ固定具141の先端部側へ移動した係合解除状態で、ガイドワイヤ固定具141のスリット145側から内視鏡101における挿入部102の先端部111をガイドワイヤ固定具141の取付け部142内に挿入する。
【0096】
さらに、内視鏡101における挿入部102の先端部111を取付け部142に挿入した後、キャップ部143上の処置具挿通用開口部148と、内視鏡101の鉗子口115の位置を合わせた状態で、固定リング147を再びガイドワイヤ固定具141の基端部側へ移動する。このとき、固定リング147を基端部側へ移動させる動作にともない、図16(B)に示すように取付け部142の各スリット145間の舌片146の部分が半径方向内側へ押し込まれる。そのため、このとき、内向きに弾性変形した4つの舌片146の内端部側が内視鏡101の挿入部102の外周面に強く圧接された状態で係合され、ガイドワイヤ固定具141が内視鏡101の挿入部102に対して移動不能な状態に固定される。
【0097】
また、本実施の形態では内視鏡101の使用時に、造影チューブなどの処置具119を内視鏡101の操作部側の処置具挿通用チャンネル116に挿入して使用する場合には、処置具119の先端部を内視鏡101における挿入部102の先端部111の鉗子口115から突出させる。このとき、鉗子起上台117が図14中に仮想線で示す待機位置(倒置位置)で保持されている場合には図17(A)に示すように処置具119の先端部はガイドワイヤ識別機構部149のガイドワイヤ識別部材151から離れ、自由に移動可能な位置で保持される。
【0098】
この状態で、内視鏡101の操作部の図示しない鉗子起上台操作レバーを操作することにより、挿入部102の先端部111の鉗子起上台117が起上操作される。そして、この操作にともない鉗子起上台117によって処置具119の先端部がキャップ部143の処置具挿通用開口部148内に挿入される方向に押し出される。
【0099】
このときの処置具119の移動動作によってキャップ部143の処置具挿通用開口部148内のガイドワイヤ識別部材151の下側延出部分151aが横方向に押し出される。そして、このガイドワイヤ識別部材151の移動動作によってガイドワイヤ識別部材151に固定されたガイドワイヤ固定部材153の張力が弛緩される。このようにガイドワイヤ固定部材153の張力が緩むことにより、鉗子起上台117によって処置具119の先端部がキャップ部143の処置具挿通用開口部148内に挿入される方向に押し出された際に、処置具119はガイドワイヤ固定部材153と干渉せず、処置具119の起上動作が通常の通り、行なわれる。
【0100】
また、内視鏡101の鉗子口115からガイドワイヤ130の先端部が導出された状態で、内視鏡101の操作部の図示しない鉗子起上台操作レバーが操作され、挿入部102の先端部111の鉗子起上台117が起上操作される場合には、図18(B)に示すように鉗子起上台117によってガイドワイヤ130がガイドワイヤ識別機構部149のガイドワイヤ識別部材151に当接される方向に押し出される。このとき、ガイドワイヤ識別部材151の下側延出部分151aはガイドワイヤ130によって横方向に押し出されることはなく、ガイドワイヤ固定具141の開口部148上の両側部間に架設されたガイドワイヤ固定部材153の張力が緩められることはない。そのため、この場合には図示しない鉗子起上台操作レバーの操作により、挿入部102の先端部111の鉗子起上台117が起上操作される動作にともない、鉗子起上台117からの押圧力によってガイドワイヤ130がガイドワイヤ固定具141の開口部148上の両側部間のガイドワイヤ固定部材153に圧接される。このとき、ガイドワイヤ130は鉗子起上台117とガイドワイヤ固定部材153との間でせん断的に互い違いに反対方向に力を受けるため、係脱可能に係止される。
【0101】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではガイドワイヤ130以外の処置具119は、鉗子起上台117の操作によって従来通り、起上や、進退などの操作が可能であり、ガイドワイヤ130のみが鉗子起上台117の操作によって鉗子起上台117とガイドワイヤ固定部材153との間で挟まれて係止される状態で固定される。そのため、内視鏡用処置具119の交換作業時には鉗子起上台117の操作によって鉗子起上台117とガイドワイヤ固定部材153との間でガイドワイヤ130のみを係止させることにより、従来のように内視鏡101の操作部側でガイドワイヤ130を把持する必要を無くすことができる。したがって、本実施の形態では内視鏡用処置具119を交換する作業が容易になる効果があるので、処置具119の交換作業に要する作業時間を短縮することができる。
【0102】
さらに、本実施の形態では1つのガイドワイヤ識別部材151によってガイドワイヤ固定部材153の張力を調整することができるので、2本のガイドワイヤ識別部材を使用する場合に比べて内視鏡101の観察窓の視野が確保される効果がある。
【0103】
また、ガイドワイヤ固定具141を内視鏡101における挿入部102の先端部111に取付ける固定部の原理が、ゴム弾性を利用しない固定リング147の機械的な係脱操作によるものであるため、1種類のガイドワイヤ固定具141の取付け部142でサイズが異なる複数種類の内視鏡101に対応できる効果がある。
【0104】
さらに、ガイドワイヤ固定具141の装着時に内視鏡101の挿入部102のゴム製部品を擦ることが無い為、内視鏡101の挿入部102を傷つけにくく、ガイドワイヤ固定具141の装着作業が一層容易になる効果がある。
【0105】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 先端部と、中間部と、基端部とから構成され、
前記先端部は、内視鏡用補助具の機能部分を有し、
前記中間部は、内視鏡先端を係止する係止部分を有し、
前記基端部は、内径が縮少可能な第1略円筒形部材と、前記第1略円筒形部材の外側に移動可能に配置された第2略円筒形部材とを含んでいる装着部分を有した内視鏡用補助具。
【0106】
(付記項2) 前記第1略円筒形部材には、前記第2略円筒形部材を希望の位置で係止することが出来る係止機構がついている請求項1の内視鏡用補助具。
【0107】
(付記項1、2の従来技術) 内視鏡先端に取り付けて使用する内視鏡用補助具として、内視鏡的粘膜切除術に用いる内視鏡用フード(特開平8−131397号公報)、観察用に用いられる内視鏡用フード(特開平11−128159号公報)、食道胃静脈瘤結紮術などに用いられる軟性内視鏡結紮装置(USP4,735,194)、および異物回収用フードなどがある。
【0108】
まず、特開平8−131397号公報によって開示された内視鏡用フード(以下、透明キャップ)とは、内視鏡に接続される基端部がゴム弾性を有した円筒状部材から成り、前記ゴム弾性を有した円筒状部材の先端側に硬質の透明性樹脂からなる円筒状部材が接着剤で固定されており、前記硬質の透明性樹脂からなる円筒状部材の基端側には内視鏡先端を係止するフランジがあり、先端にはスネアを係止する為に内側に向かって爪が設けてある。
【0109】
使用方法は、前記透明キャップの先端の前記爪に高周波スネアを係止する段階と、粘膜を前記透明キャップの中に吸引し、前記スネアにて緊縛する段階と、前記緊縛した粘膜を前記透明キャップ内から開放した後に、前記高周波スネアに通電し、切除する段階とからなる。
【0110】
次に、特開平11−128159号公報によって開示された内視鏡用フードとは、軟質の透明性樹脂からなる略円筒状の一体品である。使用方法は、観察したい粘膜に前記フードを押し付ける段階と、内視鏡の観察窓と粘膜との位置関係を固定し容易に観察を行う段階とからなる。
【0111】
次に、USP4,735,194によって開示された軟性内視鏡結紮装置(以下、EVL)とは、内視鏡に接続された筒状部材の上に結紮用ゴムバンドが装着されており、前記ゴムリングを開放する手段を有した装置である。使用方法は、結紮したい粘膜を前記硬質の透明性樹脂からなる円筒状部材内に吸引する段階と、前記筒状部材先端から前記結紮用ゴムバンドを押し出し、前記粘膜を結紮する段階とからなる。なお、実際に使用されているものは、前記筒状部材を内視鏡先端に固定する手段は、前記透明キャップと同様である。
【0112】
最後に、異物回収用フードとは、基端側が円筒状であり、先端側に向かって略円錐状に開口部が広がっていく形状をしている軟性部材からなる一体品である。使用方法は、把持鉗子などで異物を把持する段階と、前記把持した異物を前記異物回収用フードの略円錐状の開口部内に引き込む段階と、内視鏡ごと体外へ取出す段階とからなる。
【0113】
以上の、内視鏡用補助具に共通して言えることは、前記内視鏡用補助具を内視鏡先端に固定する方法は、前記内視鏡用補助具基端側にある軟性の円筒状部材内に内視鏡先端を挿入し、前記軟性の円筒状部材と内視鏡先端との摩擦によって固定している点である。
【0114】
(付記項1、2が解決しようとする課題) 従来の技術では、大きく以下のような問題点があった。
【0115】
まず第1に、従来型円筒状取付け部材は、着脱の際に内視鏡先端を擦るため、サイズを間違えて使用した場合や、適応しないサイズを使用した場合には、内視鏡用補助具や内視鏡先端を傷めたり、使用中に予期しない脱落が発生する可能性がある。
【0116】
第2に、内視鏡用補助具の内視鏡への固定力量は、使用中に容易に内視鏡から脱落しない程度に強力であり、また、着脱時に内視鏡を破損しない程度に緩やかでなければならず、1サイズの従来型円筒状取付け部材に対応できる内視鏡の先端外径は大きく限定される。
【0117】
よって、全ての内視鏡に対応する為には、多くのサイズの従来型円筒状取付け部材が必要となり、ラインナップが多くなる。ラインナップが多くなると、量産効果が得らず高価になる。
【0118】
第3に、上述の通りラインナップが多くなってしまうと、ユーザーは、所持している内視鏡毎に内視鏡用補助具を買い揃えておかなければならないため、購入時に混乱しやすく、また煩わしくなる。
【0119】
第4に、透明キャップや、EVLなどのように先端側と基端側とが異材質によって構成されている場合、それらの部材を接着剤によって固定している。この際に、接着剤中に気泡が入ったり、接着部分以外の部分に接着剤がはみ出してしまうと固定強度が低下したり、視野が妨げられる可能性があった。
【0120】
最後に、接着剤中に気泡が入らないように部材の寸法精度を高めるための加工費の増加、一度入ってしまった気泡の除去や、はみ出した接着剤の拭き取りの為の工数増加、さらに前記行程後の検査に要する工数の増加により、製造原価が高くなってしまう。
【0121】
(付記項1、2の課題を解決するための手段) 前述の問題を解決する為に以下の内視鏡用補助具を提案する。先端部と、中間部と、基端部とから構成され、前記先端部は、内視鏡用補助具の機能部分を有し、前記中間部は、内視鏡先端を係止する係止部分を有し、前記基端部は、内径が縮少可能な第1略円筒形部材と、前記第1略円筒形部材の外側に移動可能に配置された第2略円筒形部材とを含んでいる装着部分を有した内視鏡用補助具。
【0122】
(付記項1、2の作用) 次に前記内視鏡用補助具を内視鏡へ取付ける方法を述べる。まず、第2略円筒形部材を移動し、第1略円筒形部材の内径が縮小していない状態にする。次に、前記第1略円筒形部材に基端側から内視鏡先端を挿入し、中間部にあるフランジなどの係止部分に突き当てる。最後に、前記第2略円筒形部材を移動し、前記第1略円筒形部材の内径を縮小させ、内視鏡先端に固定する。
【0123】
最後に内視鏡からの取外し方法を述べる。まず、前記第2略円筒形部材を移動し、前記第1略円筒形部材の内径を縮小状態から開放する。次に、前記第1略円筒形部材から内視鏡先端を抜き取る。
【0124】
(付記項1、2の効果) 本発明によれば、内視鏡用補助具を内視鏡先端に着脱する際に内視鏡先端と擦れることが無い為、内視鏡先端を傷めない。さらに、内視鏡先端外径に合わせて固定力量を変化させることが出来る為、使用中の脱落も防止できる。また、1つのサイズでより多くの内視鏡に対応させることが出来るため、ラインナップの縮少が可能である。最後に、接着剤による組立工程が省略できる為、安価に製造できるようになる。
【0125】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、内視鏡の挿入部の先端に着脱する際に内視鏡の挿入部の先端を傷めることがないうえ、使用中の脱落も防止でき、かつ1つのサイズでより多くの内視鏡に対応させることができ、安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の透明キャップの全体を示す斜視図。
【図2】 (A)は図1の透明キャップを先端側から見た正面図、(B)は図1の透明キャップを基端側から見た背面図。
【図3】 第1の実施の形態の透明キャップを内視鏡の挿入部の先端に取付ける作業を説明するもので、(A)は内視鏡の挿入部の先端に取付ける装着前の透明キャップと内視鏡の挿入部の先端とを示す要部の縦断面図、(B)は透明キャップの基端側から挿入した内視鏡の挿入部の先端をフランジに突き当てた状態を示す要部の縦断面図、(C)は内視鏡の挿入部の先端に透明キャップを固定した状態を示す要部の縦断面図。
【図4】 本発明の第2の実施の形態を示すもので、(A)は透明キャップの内周面のフランジ部分の第1の変形例を示す要部の縦断面図、(B)は第2の実施の形態の透明キャップのフランジ部分を基端側から見た状態を示す背面図。
【図5】 本発明の第3の実施の形態を示すもので、(A)は透明キャップの内周面のフランジ部分の第2の変形例を示す要部の縦断面図、(B)は第3の実施の形態の透明キャップのフランジ部分を基端側から見た状態を示す背面図。
【図6】 本発明の第4の実施の形態を示すもので、(A)は透明キャップの内周面のフランジ部分の第3の変形例を示す要部の縦断面図、(B)は第4の実施の形態の透明キャップのフランジ部分を基端側から見た状態を示す背面図。
【図7】 本発明の第5の実施の形態を示すもので、(A)は透明キャップの内周面のフランジ部分の第4の変形例を示す要部の縦断面図、(B)は第5の実施の形態の透明キャップのフランジ部分を基端側から見た状態を示す背面図。
【図8】 本発明の第6の実施の形態を示すもので、(A)は透明キャップの内周面のフランジ部分の第5の変形例を示す要部の縦断面図、(B)は第6の実施の形態の透明キャップのフランジ部分を基端側から見た状態を示す背面図。
【図9】 本発明の第7の実施の形態を示すもので、(A)は内視鏡の挿入部の先端に取付ける装着前の透明キャップを示す要部の縦断面図、(B)は内視鏡の挿入部の先端に透明キャップを装着した状態を示す要部の縦断面図。
【図10】 本発明の第8の実施の形態の透明キャップを示す要部の縦断面図。
【図11】 第8の実施の形態の透明キャップの動作を示すもので、(A)は図10の透明キャップのリング部の突起とフラップとが干渉しない位置に配置されている状態を示す要部の背面図、(B)は透明キャップのリング部の突起とフラップとが干渉する位置に移動された状態を示す要部の背面図。
【図12】 本発明の第9の実施の形態を示すもので、(A)は透明キャップのリング部が係合解除位置で保持されている状態を示す要部の縦断面図、(B)は透明キャップのリング部が係合位置に移動された状態を示す要部の縦断面図。
【図13】 本発明の第10の実施の形態を示すもので、(A)は透明キャップのリング部が係合解除位置で保持されている状態を示す要部の縦断面図、(B)は透明キャップのリング部が係合位置に移動された状態を示す要部の縦断面図。
【図14】 第11の実施の形態の内視鏡用補助具であるガイドワイヤ固定具を用いてガイドワイヤを係止させた状態を示す要部の縦断面図。
【図15】 本発明の第11の実施の形態の内視鏡用補助具であるガイドワイヤ固定具を示すもので、(A)はガイドワイヤ固定具の構成を示す要部の斜視図、(B)はガイドワイヤ固定具の取付け部を示す平面図。
【図16】 第11の実施の形態のガイドワイヤ固定具の取付け機構を示すもので、(A)は内視鏡の挿入部の先端部にガイドワイヤ固定具を取り付ける前の状態を示す要部の縦断面図、(B)は内視鏡の挿入部の先端部にガイドワイヤ固定具を取り付けた状態を示す要部の縦断面図。
【図17】 第11の実施の形態のガイドワイヤ固定具を用いてガイドワイヤ以外の処置具を起上する場合の操作を示すもので、(A)は鉗子起上台を起上する前の状態を示す斜視図、(B)は鉗子起上台を起上させた状態を示す斜視図。
【図18】 第11の実施の形態のガイドワイヤ固定具を用いてガイドワイヤを起上する場合の操作を示すもので、(A)は鉗子起上台を起上する前の状態を示す斜視図、(B)は鉗子起上台を起上させた状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 透明キャップ(内視鏡用補助具)
2 キャップ本体(補助具本体)
3 キャップ部(機能部分)
4 フランジ部(係止部)
5 内視鏡
6 挿入部
8 内径可変部
11 操作リング(操作部材)
Claims (1)
- 内視鏡の挿入部の先端に取り付けて使用される内視鏡用フードにおいて、
略円筒形状のキャップ本体の先端部に、前記内視鏡用フードの機能部分が配設され、前記キャップ本体の筒内に前記内視鏡の挿入部の先端を係止する係止部が配設されるとともに、
前記キャップ本体の基端部に内径寸法を縮少させる方向に弾性変形可能な内径可変部が配設され、
かつ前記内径可変部の外側に前記キャップ本体上に移動可能に配置され、前記内径可変部の内径寸法を縮少させる方向に前記内径可変部を弾性変形させて前記内視鏡の挿入部の先端に係脱可能に係止する方向に付勢する係止位置と、前記内径可変部への付勢力を解除する係止解除位置とに切換え可能な操作部材が装着され、
前記内径可変部は、円筒体を周方向に複数のブロックに分割したフラップが形成され、このフラップの外周面にキャップ本体の軸方向の中央部分から後端部側に向かうにしたがって外径寸法が徐々に大きくなるテーパー状の傾斜面が形成されているとともに、
前記操作部材は、前記フラップ上を前記キャップ本体の軸方向に沿って移動可能に配置された操作リングを有し、
前記操作リングの内径寸法は前記フラップの外周面の傾斜面における小径部側の外径寸法と略同径に設定され、
前記操作リングを前記フラップの後部側に向けてスライド移動させ、前記フラップの外周面の傾斜面における大径部側に移動することにより、前記操作リングの移動に応じて前記フラップを縮径する方向に弾性変形させるものであり、
前記係止部は、前記キャップ本体の筒内に内部側に向けて突設されたリング状のフランジ部によって形成され、前記フランジ部に前記内視鏡の挿入部の先端が突き当てられた状態で係止されることを特徴とする内視鏡用フード。
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