JP4674777B2 - 炭化ケイ素膜の形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低エネルギーイオンビーム照射装置を用いる炭化ケイ素膜の形成方法に関し、この方法は、基板上に薄膜を形成する産業分野、例えば発光ダイオード(LED)、磁気ディスク、半導体レーザ等の分野で利用できる。
【0002】
【従来の技術】
従来の炭化ケイ素(SiC)膜の形成方法を実施するための成膜装置の概略の構成を図1に示す。成膜室1に、この成膜室を排気するための高真空ポンプ2が仕切バルブ3を介して取り付けられ、さらに成膜室1と仕切バルブ3との間にコンダクタンスバルブ4が取り付けられている。成膜室1内には、SiC膜を形成するための基板5が基板ホルダー6上に固定して取り付けられており、この基板ホルダーの背面には基板ホルダーひいては基板を加熱するための加熱ヒータ7が取り付けられている。基板ホルダー6は、図中には示されていないが、成膜室1内にブラケット等で固定されている。基板としてはSi又はSiCからなる基板が用いられている。成膜室1には、ガス導入チューブ8及び9をそれぞれ介して、2系統のガス導入系統が接続されている。すなわち、仕切バルブ8−1、ガス流量調整器8−2、仕切バルブ8−3、ガス圧力調整器8−4及びガスボンベ8−5、並びに仕切バルブ9−1、ガス流量調整器9−2、仕切バルブ9−3、ガス圧力調整器9−4及びガスボンベ9−5が、この順序で、それぞれ、ガス配管で接続されている。ガスボンベ8−5にはシランガス(SiH4)が充填されており、ガスボンベ9−5にはプロパンガス(C38)が充填されている。
【0003】
図1に示す装置を用いて、以下のようにして、熱CVDプロセスにより基板上にSiC膜を形成する。まず、仕切バルブ3とコンダクタンスバルブ4を開にし、真空ポンプ2を駆動させて成膜室1内の真空排気を行う。成膜室1内が10-3Torr以下に到達した時点で、それぞれのガス導入系統の仕切バルブ8−1及び8−3、並びに9−1及び9−3を開にし、ガス流量調整器8−2、9−2を調整し、ガスの圧力調整器8−4、9−4の2次圧力を約1気圧に設定し、2つのガスボンベ8−5、9−5から、それぞれ、シランガス、プロパンガスの所定量を成膜室1内に供給する。この2種類のガスを、基板ホルダー6上に固定した基板5の上に導入し、堆積せしめる。コンダクタンスバルブ4の開放度を調節し、成膜中の圧力を20〜30Torrに設定する。このようにして、基板5上にSiとCとHとが積層する。次いで、加熱ヒータ7を用いて基板ホルダー6を1200℃〜1500℃程度まで加熱し、基板を高温の状態にすると、膜中に含有しているHが抜けていき、膜中に純度の高いSiCが残る。基板を真空中で室温に近い温度まで冷却した後、図中には示されていないがベントバルブを開放して成膜室1内を大気圧に戻し、基板取り出し窓よりSiC膜が形成された基板を取りだす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシランガスとプロパンガスとを用いた単純な熱CVDプロセスの成膜方法では、成膜温度を非常に高温(1200℃〜1500℃)にする必要があり、様々な低温プロセス(750℃程度以下)での成膜には対応できないという問題があった。また、この熱CVDプロセスでは、成膜温度の制御によりSiC膜の結晶構造を種々の構造に変化させることが一応は可能であるが、その成膜温度の設定の制御が非常に難しく、熟練を要するため、結晶構造の異なるSiC膜を簡単に形成することは困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、従来技術のもつ上記問題点を解決するものであり、低温プロセスで、簡単にかつ再現性良く結晶構造の異なるSiC膜を形成する方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の炭化ケイ素膜(SiC膜)の形成方法は、イオン発生室、質量分離室、成膜室を有する低エネルギーイオンビーム照射装置を用い、材料ガスとしてメチルシラン(H3Si−CH3)又はジメチルシラン(CH3−SiH2−CH3)のいずれかを供給し、該成膜室内に設置された基板上に炭化ケイ素膜を形成する方法であって、該材料ガスを該イオン発生室に供給してプラズマを生成し、プラズマ分解してメチルシリレンイオン、メチルシリセニウムイオン又はメチルシランイオンのいずれかを含むイオン種を得、該イオンビーム照射装置のイオンビーム入射電圧を所定のエネルギーに設定するように印加した状態に維持しながら、該イオン種を該質量分離室のウェーブガイド内へ導入して、ここで、該メチルシリレンイオン、メチルシリセニウムイオン又はメチルシランイオンのいずれかのみを偏向し、この偏向されたイオンのビームを該基板上に照射して成膜することからなる。
【0007】
入射電圧としてのエネルギー、すなわち基板上に照射するイオンビームのエネルギー0.1eV以上で100eV未満とする。0.1eV未満のエネルギーを持ったイオンビームを入射しても、経済的に所期の目的を達成することが困難であり、また、100eV以上のエネルギーを持ったイオンが入射されると、得られるSiC膜に格子欠陥が発生する場合がある。原子状イオンの場合、表面における原子変位のしきい値である25eV以上のエネルギーを持ったイオンが入射したときに格子欠陥が発生するが、本発明のように分子状イオンの場合、ケイ素1個、炭素1個、水素複数個であるので、そのしきい値は100eVであり、この値以上のエネルギーを持ったイオンが入射したときに格子欠陥が発生するものと考えられる。前記エネルギーが0.1〜50eVの場合に得られるSiC膜は4H型の結晶構造を有し、該エネルギーが60eV以上で100eV未満である場合に得られるSiC膜は3C型の結晶構造を有し、50eVを超え、60eV未満の場合に得られるSiC膜は4H型と3C型との混晶構造を有する。
【0008】
得られたSiC膜は、上記したように、4H型もしくは3C型の結晶構造又は両者の混晶構造を有しており、入射電圧を制御することによって、所望により、所定の結晶構造を有するSiC膜を形成することができる。ここでいう4H型結晶構造とは、六方晶の結晶を意味し、c軸方向繰り返しが、ABCBABCB・・・というように4つの面(ABCB)で単位格子を組んでいるものであり、3C型結晶構造とは、立方晶の結晶を意味し、c軸方向への繰り返しが、ABCABC・・・というように3つの面(ABC)で単位格子を組んでいるものである。
【0009】
本発明においては、750℃以下、例えば600℃、650℃という低い成膜温度でもSiC膜を形成することができる。現在、低温プロセスによる成膜が行われている下限温度(例えば、1300℃程度)まで、あるいはそれより低い温度でも成膜可能である。低エネルギーイオンビーム照射装置で用いるイオンビームのエネルギー拡がりは±3eV以下であることが好ましい。±3eVを超えると、エネルギーの揺らぎが大きくなって、SiC膜の結晶構造を制御できなくなるという問題がある。この結晶構造は分子イオンのエネルギーにより制御されるからである。
【0010】
また、本発明のSiC膜の形成方法は、イオン発生室、質量分離室、成膜室を有する低エネルギーイオンビーム照射装置を用い、材料ガスとしてメチルシラン又はジメチルシランのいずれかを供給し、該成膜室内に設置された基板上に炭化ケイ素膜を形成する方法であって、該材料ガスを該イオン発生室に供給してプラズマを生成し、このプラズマガスを該イオン発生室内に設けたフィラメントに接触させてプラズマ分解し、電離して得られたメチルシリレンイオン、メチルシリセニウムイオン又はメチルシランイオンのいずれかを含むイオン種を得、該イオンビーム照射装置のイオンビーム入射電圧を0.1eV以上で100eV未満のエネルギーに設定するように印加した状態で、該イオン種をイオン発生室から引き出してウェーブガイド及び質量分離電磁石を有する質量分離室のウェーブガイド内へ導入し、ここで、該ウェーブガイドの下流側に設けられた中性粒子除去電極の助けをかりて、該イオン種中のメチルシリレンイオン、メチルシリセニウムイオン又はメチルシランイオンのいずれかのみを偏向し、例えばスリット板のスリット及び中性粒子除去電極を通過させて、該成膜室内へ導入し、この偏向されたイオンのビームを、該イオンビーム入射電圧のエネルギーの状態で、750℃以下に維持されている該基板上に照射して成膜することからなる。得られた炭化ケイ素膜の結晶構造は上記の通りである。質量分離室、中性粒子除去電極(偏向電極)などが設けられているために、所望のイオンだけが特定の方向に曲がり、スリットを通過し、目的を達成することができる。中性粒子は直進するので、スリットを通過してこない。
【0011】
本発明によれば、材料としてジメチルシランを用いた場合、ジメチルシランがプラズマ分解され、電離されてメチルシリセニウムイオン(Si+−CH3)を生じ、このイオンを基板に照射することでSiC膜を形成することができ、また、メチルシランの場合、メチルシランがプラズマ分解され、電離されてメチルシリレンイオン(HSiCH3 +)を生じ、このイオンを基板に照射することでSiC膜を形成することができる。ジメチルシランを用いた方がイオンビーム電流量が多く、好ましい。また、イオン種としてはメチルシランイオン(H3SiCH3 +)も発生し、本発明の成膜方法で使用できる。これらのイオンはプラズマ分解生成物の中でエネルギー状態が安定なものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のSiC膜の形成方法を実施するための成膜装置の概略の構成を図2に示す。本成膜装置は、イオン発生室、質量分離室、成膜室を備えている低エネルギーイオンビーム照射装置である。
【0013】
イオン発生室11には、生成したプラズマイオンを電離するためのフィラメント11bが電流導入端子(図示せず)を介して電気的に絶縁されて取り付けられ、フィラメント11bにはフィラメント電源11cが接続されている。イオン発生室11にはまた、導入されたガスをアーク放電によりプラズマにするためのアーク電源11a及びプラズマ内の電離された分子状イオンを下流側の質量分離室を経て成膜室内に導入するための入射電圧用電源11dが接続されている。イオン発生室11の上流側には、ガス導入チューブ12を介して、ガス導入系統として、仕切バルブ12a、ガス流量調整器12b、仕切バルブ12c、ガス圧力調整器12d及びガスボンベ12eが、この順序で、それぞれ、一連の金属配管で接続されている。イオン発生室11の下流側には、発生したイオンのエネルギーを制御するための加速/減速電極13及び該イオンを引き出すための引出電極14が、イオン発生室に対向して、絶縁物(図示されていない)で電気的に絶縁されて取り付けられ、発生したイオンを質量分離室へと導くための通路が構成されている。加速/減速電極13には加速/減速電極用電源13aが接続され、引出電極14には引出電極用電源14aが接続されて、それぞれ、イオンに電力が印加できるようになっている。
【0014】
質量分離室は、質量分離電磁石15、ウェーブガイド16、質量分離電磁石に接続された質量分離電磁石用電源15aからなっており、ウェーブガイド16は、質量分離電磁石15のポールピース(図示されていない)間に取り付けられており、その形状は直管ではなく、曲がり管である。この質量分離室において特定のイオンのみが偏向され、その後ウェーブガイド16の下流側に設けられた可動ファラデーカップ17に到達するようになっている。可動ファラデーカップ17の下流側には、所望のイオンを偏向せしめる中性粒子除去電極(以下、偏向電極と呼称)18が取り付けられ、偏向電極18には偏向電極用電源18aが接続されている。可動ファラデーカップ17と偏向電極18との間には、特定イオンのみを通す通路を構成するスリットを有するスリット板19が設けられ、偏向電極用電源18aの下流側には成膜室20が設けられている。
【0015】
成膜室20内には、SiC膜を形成するための基板21と、基板を取り付けるための基板ホルダー22とが配置されており、基板ホルダーの背面には基板を加熱するための加熱ヒータなどの加熱手段23が取り付けられ、加熱手段には電源23aが接続されている。基板ホルダー22は、図中には示されていないが、成膜室20内にブラケット等の固定具で固定されており、基板ホルダーにはケーブルを介して電流計24が取り付けられている。基板の材料としては特に制限されないが、例えばSi又はSiCなどからなる基板を用いることができる。成膜室20内の入り口付近には、導入されたイオンのエネルギーを正確に調節するための加速/減速電極群25が設けられている。図2中には3個の電極が例示されており、電極群のそれぞれに加速/減速電極用電源25a、25b及び25cが接続されている。
【0016】
図2中には示していないが、上記低エネルギーイオンビーム照射装置には、例えばイオン発生室、質量分離室、成膜室などのそれぞれの所定の場所に、真空排気システムが取り付けられており、該装置内が10-6Torr以下に保持できるよう構成されている。
【0017】
【実施例】
図2に示す成膜装置を用いて、低温プロセスにより、基板上にSiC膜を以下のようにして形成した。
【0018】
まず、真空排気システムを稼働させてイオン発生室11内を10-5Torr以下に到達せしめ、その時点でガス導入チューブ12を介してイオン発生室に接続されている仕切バルブ12a、12cを開にし、ガス流量調整器12bを調整し、ガス圧力調整器12dの2次圧力を約1気圧に設定して、ガスボンベ12eから所定量のジメチルシランガス(CH3−SiH2−CH3)をイオン発生室11内に供給した。次いで、アーク電源11aより電力を投入すると共に、フィラメント11bにフィラメント電源11cより電力を導入した。これにより、供給されたジメチルシランガスがプラズマになり、様々な分子状イオンとなった。これらの分子状イオンからなるプラズマガスがフィラメント11bに接触すると、電離し、メチルシリセニウムイオン(Si+−CH3)を含むイオン種が発生した。
【0019】
内部が上記したような状態になっているイオン発生室11に、入射電源11dから所定電圧(100eV未満)の出力電圧を印加した。イオン発生室11内で発生したイオン種を、引出電極14に印加された電力と加速/減速電極に印加された電力とにより、25keV程度まで加速して、質量分離室のウェーブガイド16内に入射した。この質量分離室において、質量分離電磁石15に電力を投入することによって質量分離電磁石15から発生した磁場強度と、入射電源11dからの出力電圧及び引出電源14aからの出力電圧の和の電圧と、前記メチルシリセニウムイオンの質量とから決まるファクターに基づき、加速されたイオンビーム中のメチルシリセニウムイオンのみが偏向され、可動ファラデーカップ17に到達した。
【0020】
次いで、可動ファラデーカップ17をイオンビームラインからはずし、偏向電極18により、メチルシリセニウムイオンのみが特定の方向に曲がり、スリット板19のスリットを通過するようにした。かくして、純度の高いSiC膜の形成が可能となる。次いで、スリット板19を通過したメチルシリセニウムイオンを成膜室20へ導入した。すなわち、入射電源11dからの出力電圧と引出電源13aからの出力電圧との和の電圧に応じて、電源18aからの出力を偏向電極18に印加することにより、スリット板19を通過したイオンビームを偏向電極の間を通過させて、成膜室20内に導入し、加速/減速電極群25の間を通過させた。この加速/減速電極群25のそれぞれに接続された電源25a、25b及び25cのそれぞれから電圧を出力し、加速/減速電極群25に所定の電圧を印加し、メチルシリセニウムイオンのエネルギーを正確に調節して、入射電源11dからの出力電圧に相当するエネルギーをもって基板21上にメチルシリセニウムイオンを照射し、SiC膜を形成した。基板21の取り付けられた基板ホルダー22は、加熱ヒータ23に加熱電源23aから出力して600℃又は650℃に加熱されていた。基板を室温に近い温度まで冷却した後、取り出し窓よりSiC膜の形成された基板を取りだした。
【0021】
上記成膜方法において、入射電源11dからの出力電圧、すなわち入射電圧を20eV、50eVに設定した場合、基板21上には4H型結晶構造のSiC膜が形成され、この入射電圧を60eVに設定した場合、基板21上には3C型結晶構造のSiC膜が形成され、また、この入射電圧を55eVに設定した場合、基板21上には4H型と3C型との混合した混晶構造のSiC膜が形成された。これらの膜の形成はX線回折、赤外吸収分光により確認された。なお、基板としては(111)Si基板を用いた。
【0022】
また、前記ジメチルシランガスの代わりにメチルシランガスを用いて、前記と同様の条件下で低温成膜プロセスを行った場合(安定なメチルシリレンイオン、メチルシランイオンが発生する)、ジメチルシランガスを用いた場合と同じ傾向を示した。なお、ケイ素1個と炭素1個とが結合したメチルシランイオンの場合も、前記メチルシリセニウムイオン及びメチルシリレンイオンの場合と同様のSiC膜を形成することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、低エネルギーイオンビーム照射装置を用い、膜材料ガスとしてジメチルシラン又はメチルシランを供給してプラズマを生成し、プラズマガス分解により得られる、電離されたメチルシリセニウムイオン、メチルシリレンイオン又はメチルシリルイオンのいずれかを特定の入射電圧(0.1eV以上で100eV未満)で基板に照射することにより、750℃以下の低温で高純度のSiC膜を簡単にかつ再現性よく形成することができる。入射電圧を0.1〜50eVに設定することによって4H型結晶構造のSiC膜が形成され、入射電圧を60eV以上で100eV未満に設定することによって3C型結晶構造のSiC膜が形成され、また、入射電圧を50eVを超え60eV未満に設定することによって4H型と3C型との混晶構造のSiC膜が形成され、目的に合った構造を有するSiC膜を任意に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の熱CVDプロセスを実施するために用いるSiC成膜装置の概略の構成図。
【図2】 本発明のSiC成膜方法を実施するために用いる低エネルギーイオン照射装置からなるSiC成膜装置の一例を示す概略の構成図。
【符号の説明】
1 成膜室 2 高真空ポンプ
3 仕切バルブ 4 コンダクタンスバルブ
5 基板 6 基板ホルダー
7 加熱ヒータ 8、9 ガス導入チューブ
8−1、8−3、9−1、9−3 仕切バルブ
8−2、9−2 ガス流量調整器 8−4、9−4 ガス圧力調整器
8−5、9−5 ガスボンベ 11 イオン発生室
11a アーク電源 11b フィラメント
11c フィラメント電源 11d 入射電圧用電源
11 ガス導入チューブ 12a、12c 仕切バルブ
12b ガス流量調整器 12d ガス圧力調整器
12e ガスボンベ 13 加速/減速電極
13a 加速/減速電極用電源 14 引出電極
14a 引出電極用電源 15 質量分離電磁石
16 ウェーブガイド 17 可動ファラデーカップ
18 中性粒子除去電極(偏向電極) 18a 偏向電極用電源
19 スリット板 20 成膜室
21 基板 22 基板ホルダー
23 加熱手段 13a 電源
24 電流計 25 加速/減速電極群
25a、25b、25c 加速/減速電極用電源

Claims (1)

  1. イオン発生室、質量分離室、成膜室を有する低エネルギーイオンビーム照射装置を用い、材料ガスとしてメチルシラン又はジメチルシランのいずれかを供給し、該成膜室内に設置された基板上に炭化ケイ素膜を形成する方法であって、該材料ガスを該イオン発生室に供給してプラズマを生成し、このプラズマガスを該イオン発生室内に設けたフィラメントに接触させてプラズマ分解し、電離して得られたメチルシリレンイオン、メチルシリセニウムイオン又はメチルシランイオンのいずれかを含むイオン種を得、該イオンビーム照射装置のイオンビーム入射電圧を0.1eV以上で100eV未満のエネルギーに設定するように印加した状態で、該イオン種をイオン発生室から引き出してウェーブガイド及び質量分離電磁石を有する質量分離室のウェーブガイド内へ導入し、ここで、該ウェーブガイドの下流側に設けられた中性粒子除去電極の助けをかりて、該イオン種中のメチルシリレンイオン、メチルシリセニウムイオン又はメチルシランイオンのいずれかのみを偏向して、この偏向されたイオンのビームを、該イオンビーム入射電圧のエネルギーの状態で、750℃以下に維持されている該基板上に照射して成膜すること、該エネルギーが0.1〜50eVの場合に4H型の結晶構造を有する炭化ケイ素膜が得られ、該エネルギーが60eV以上で100eV未満である場合に3C型の結晶構造を有する炭化ケイ素膜が得られ、該エネルギーが50eVを超え60eV未満の場合に4H型と3C型との混晶構造を有する炭化ケイ素膜が得られることを特徴とする炭化ケイ素膜の形成方法。
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