JPH05109631A - 非晶質シリコン合金膜の製造方法 - Google Patents

非晶質シリコン合金膜の製造方法

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JPH05109631A
JPH05109631A JP26970091A JP26970091A JPH05109631A JP H05109631 A JPH05109631 A JP H05109631A JP 26970091 A JP26970091 A JP 26970091A JP 26970091 A JP26970091 A JP 26970091A JP H05109631 A JPH05109631 A JP H05109631A
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plasma
amorphous silicon
silicon alloy
alloy film
film
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Etsuo Ogino
悦男 荻野
Minoru Matsumoto
稔 松本
Toshio Sumi
俊雄 角
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高い膜成長速度で良質の非晶質シリコン合金膜
を形成する方法を提供する。 【構成】減圧された雰囲気が調整できる真空容器の反応
室1内に生起させたプラズマに原料ガスを供給し、原料
ガスをプラズマにより反応させて基体10表面上に非晶
質シリコン合金膜を製造する方法で、プラズマの生成し
ている反応室1内の圧力を5Pa以下、発生させるシー
ト状プラズマの中心部分の電子密度を1立方cm当たり
1×10ー11以上、プラズマ中心部分の平均電子エネル
ギーを5eV以上とした非晶質シリコン合金膜の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素化シリコン、水素
化シリコンゲルマニウム、水素化シリコンカーバイド、
水素化シリコンナイトライド等のシリコン合金の非晶質
膜の製造方法に関し、さらに詳述するとプラズマCVD
法により良質の非晶質シリコン合金膜を高速で製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、SiH4 その他の原料ガスを反応
室内に導入し、高周波電圧または直流電圧の印加により
発生したグロー放電を用いて原料ガスを分解させて、基
体上に非晶質シリコン合金膜を製造する方法が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のグロー放電
によるプラズマCVD法では、膜成長速度を向上するた
めに、放電電力を大きくして高エネルギー電子の数を増
やす、原料ガスの供給量を増やして圧力を上げ分解に寄
与する分子の密度を上げる、分解しやすい原料ガスを用
いることにより分解速度を上げる、などのことがおこな
われてきた。この方法によりある程度の膜成長速度の増
大は達成されるものの、膜成長速度を大きくすればする
ほど得られる非晶質シリコン膜などの光電特性が悪くな
り、またピンホールや異常成長などの膜欠陥が増加する
という問題点があった。グロー放電プラズマCVD法に
おいて膜成長速度を大きく場合、膜品質が劣化し、多量
の粉末が発生する原因は、例えば特開昭63−1195
20号公報に述べられている。すなわち、高エネルギー
分子により生じる原料ガスのラジカル生成物が他の原料
ガス分子と気相反応し、高分子化した粉末が生じその一
部が膜内に取り込まれて膜質を劣化させる。鎖状結合分
子(例えば(SiH2n)はそのような膜質を劣化させ
るものである。膜成長速度を大きくした場合には、非晶
質シリコン合金膜えお製造する装置内には多量の粉末が
発生し、それを除去するための作業を必要とし、装置稼
働率が上げられないという問題点もあった。さらに、S
iH4などの原料ガスの利用効率が低いことが、太陽電
池などのコスト低減に対する障害になっていた。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、大きい面積の基体に均一に高い膜
成長速度で良質の非晶質シリコン合金膜を形成し、かつ
成膜における原料ガスの利用効率を飛躍的に高める方法
を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、減圧された雰
囲気が調整できる真空容器の反応室内に生起させたプラ
ズマに原料ガスを供給し、前記原料ガスを前記プラズマ
により反応させて基体表面上に非晶質シリコン合金膜を
製造する方法であって、前記プラズマの生成している反
応室内の圧力を5Pa以下、プラズマ中心部分の電子密
度を1立方cm当たり1×10ー11以上、プラズマ中心
部分の平均電子エネルギーを5eV以上としたことを特
徴とする非晶質シリコン合金膜の製造方法である。
【0006】本発明のプラズマの電子密度は高いため、
プラズマ中を通過する原料ガス分子と希釈ガス分子の大
部分は分解もしくは励起により活性化され、またガス圧
力が低く分子間の衝突確率を小さくすることができるの
で、原料ガス分子は気相反応が抑制された状態で膜を被
覆すべき基体に到達する。反応室内の原料ガス分子の密
度が低い状態で、高電子密度のプラズマの存在により原
料ガス分子の基体に到達する量(フラックス流束)を大
きくしても活性化は十分に行われる。したがって、高い
膜成長速度で良質の膜を基体上に形成することができ
る。
【0007】本発明の方法に用いられる原料ガスには、
SiH4 、Si26、SiF4 、Si(CH3)4等のシラ
ンまたはシラン誘導体のガスもしくはこれらのガスと水
素や不活性ガスによる希釈物、CH4 等の炭化水素、N
2 、NH3 等の窒素含有ガス、B26やPH3 等の価電
子制御用ドーピングガス等、従来のグロー放電プラズマ
CVDにより非晶質シリコン合金膜を成膜する際に用い
られるガスを用いることができる。
【0008】本発明においては、反応室内に導入された
直後の原料ガス流の広がり角度を小さくするような供給
機構を設け、かつ、原料ガス供給部をプラズマの近傍に
配置し、一方、プラズマの空間的広がり面積を大きく
し、供給された原料ガス分子の大部分が熱運動により反
応室内壁面に拡散する前に高密度のプラズマ領域を通過
させるようにするのが好ましい。非晶質シリコン合金膜
をその上に形成する基体は、前記プラズマに近い位置に
配置するのが前記プラズマ領域を通過した原料ガス分子
の大部分を基体に到達させる上で好ましい。これにより
基体表面以外の装置内壁等の機械部分に付着する非晶質
シリコン合金膜の割合は低減し、また未分解で反応室か
ら排気される原料ガスの割合も低減し、原料ガスの非晶
質シリコン合金膜への転換効率は飛躍的に向上させるこ
とができる。
【0009】本発明の方法によれば、反応室内には原料
ガスに起因する粉末の発生はなく、基体以外の部分に付
着する原料ガス成分の量が少ないので、装置の清掃のた
めの装置稼働率の低下を小さくすることができる。
【0010】5Pa以下の低ガス圧力下での高電子密度
のプラズマは、大電流アーク放電により得られる。この
ようなアーク放電は、特開昭59−27499に開示さ
れている圧力勾配型プラズマビ−ム発生装置を用いるこ
とにより得られる。そしてこの圧力勾配型プラズマビ−
ム発生装置と制御磁界とを用いることによって形成され
るシ−ト状プラズマは、低いガス圧力下で、10eV〜
百数十eV程度のエネルギーの電子からなる高密度のプ
ラズマを反応室内に大面積に発生させることができるの
で、大面積の基板に非晶質シリコン合金膜を均一に被覆
するのに好ましい。
【0011】本発明の方法に、圧力勾配型プラズマビー
ム発生装置を用いる場合は、圧力勾配型プラズマビーム
発生装置を経由して反応室内に導入する放電用のガス
は、圧力勾配型プラズマビーム発生装置内の圧力が数P
aから数千Paとなるように調整される。そしてこの放
電用ガスは、0.5Pa以下の低圧力に維持されている
反応室内に引き出される。圧力勾配型プラズマビーム発
生装置内の陰極としはホローカソード型のものが、好ん
で用いられる。
【0012】圧力勾配型プラズマビーム発生装置内に大
量に発生した電子は、圧力勾配型プラズマビーム発生装
置内に設けられた電子加速用電極に印加された電圧、反
応室内に形成したプラズマ誘導用磁場の作用、および反
応室内に設けられた陽極の電圧により加速されて反応室
内にプラズマビームとして引き出される。引き出された
直後のプラズマビームは円柱状をしているが、円柱状の
プラズマの両側に同極(N極)が互いに対向するように
配置した磁石の作用により、反応室内では偏平な面を有
するシート状に広がる。これにより大面積の高密度のプ
ラズマを発生させ、原料ガス供給装置から供給される原
料ガス流をプラズマと効率よく反応させることができ
る。
【0013】プラズマ中の電子のエネルギーは、電子加
速用電極に印加する電圧により制御することが可能であ
り、原料ガス分子を効率よく励起するためには、15e
V〜150eVにすることが望ましい。
【0014】圧力勾配型プラズマビーム発生装置に導入
する放電用のガスは水素、アルゴン、ヘリウム、キセノ
ン、クリプトンの単体ガスの他、これらの混合ガスが用
いられる。
【0015】放電用のガス、または原料ガスのいずれか
もしくは両方に水素ガスを含ませると、活性化した水素
原子が大量に発生し、基体上の非晶質シリコン合金膜の
成長面が水素原子で覆われ、その結果成長表面に吸着さ
れる活性化された原料ガス分子の表面モビリティ(拡散
長)が増大するので、形成される非晶質シリコン合金膜
質の向上に効果がある。また放電用ガスに水素を用いた
場合には、圧力勾配型プラズマビーム発生装置内に発生
する高密度のプラズマのスパッタ作用を著しく抑制でき
るため、不純物の混入を低減できる。
【0016】本発明に用いる原料ガス供給部を構成する
ガス吹き出しノズルは、プラズマによる損傷が起きない
範囲で、シート状に広がったプラズマの近傍にプラズマ
に向かって設けるのが好ましい。また吹き出しノズルの
オリフィスの径は供給するガスの流量が確保できる限り
小さくすることが望ましい。これによりノズルから原料
ガスが吹き出す際に原料ガスの断熱膨張が起こり、ガス
の熱エネルギーをガスの吹き出し方向の運動エネルギー
に変換することができる。吹き出すガス分子の熱速度が
小さくなると共に、吹き出し方向の速度が増加するた
め、プラズマを通過して基体に到達するまでに原料ガス
が反応室壁面に向かって拡散することを抑制することが
できる。
【0017】基体は、シート状プラズマに平行に置か
れ、かつプラズマによる損傷が起きない範囲でシート状
に広がったプラズマの近傍に設けるのが好ましい。これ
によりプラズマを通過してきた原料ガス分子を効率よく
基体上に捕らえることができる。基体とノズル間の距離
が増加すると、原料ガス分子自身の熱運動による拡散に
加え、反応室内に存在するガス分子と原料ガス分子の衝
突の確率が増加するため、それによる拡散が加わり、原
料ガス分子の基体上への捕束効率が低下するので、基体
とノズル間の距離は小さいのが好ましい。
【0018】また、本発明の方法は、原料ガスSiH4
と酸素ガスとを用いるSIO2膜の成膜に適用できる。
【0019】
【作用】本発明においては、反応室のガス圧力を5Pa
以下の低圧力にし、プラズマの中心部分の電子密度を1
立方cm当たり1×1011以上、プラズマの中心部分の
平均の電子エネルギーを5eV以上の高密度、高エネル
ギーのプラズマを用いている。このことにより、大量の
原料ガスを反応室内に供給しても大部分の原料ガス分子
が電子との衝突により活性化され、かつ原料ガス分子間
の気相反応が抑制されるので、基体上に高速で良質の非
晶質シリコン合金膜が形成される。
【0020】
【実施例】本発明を以下に実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例に用いた非晶質シリコン合金膜の
成膜装置の概略断面図である。図2は本発明に用いられ
るプラズマを説明するための図である。
【0021】図1に示されるように反応室1にと圧力勾
配型プラズマビ−ム発生装置5が取り付けられる。排気
ポンプにより減圧された真空容器の反応室1に、圧力勾
配型プラズマビ−ム発生装置5と陽極6とが電気絶縁体
14を介して対向するように配置されている。圧力勾配
型プラズマビ−ム発生装置5のプラズマビーム発生陰極
2とTa製の陽極6は大電流の直流放電電源15に接続
されている。プラズマビ−ム発生陰極2は、Taパイプ
11およびLaB6 ディスク状電極12から構成される
ホローカソ−ド型の放電電極であり、Ta製パイプ11
の中を通して外部より不活性ガスまたは不活性ガスと水
素とからなる放電ガスを圧力勾配型プラズマビ−ム発生
装置内に導入する。そしてガスを導入しながらプラズマ
ビーム発生陰極2に直流電力を供給して発生する電子を
プラズマビ−ム発生陰極2と電子加速用電極3との間に
印加される電位差によって反応室1内の空間4に引き出
す。これにより、プラズマビ−ム発生陰極2と陽極6と
の間に低電圧・大電流プラズマを生起させる。
【0022】反応室1内の空間4に引き出されたプラズ
マはプラズマ誘導用コイル8aによる磁場と、互いにN
極が対向するように配置された一対のプラズマ圧縮用永
久磁石8bの磁場によって、反応室1内の空間4内で厚
みが薄く、大きい面積にわたって均一に広がったシ−ト
状プラズマ7となる。
【0023】シ−ト状プラズマ7の厚み方向の構造とし
ては、図2に概念的に示されるように、3つの領域から
なる層状構造をとっており、プラズマビ−ム発生陰極2
と電子加速用電極3との電位差に対応した電子エネルギ
−を有する電子ビ−ム20が存在し、その両側には電子
温度が約10数eVのホットプラズマ21が形成され、
更にその外層には電子温度が約数eVのコ−ルドプラズ
マ22が形成された構造となっている。非晶質シリコン
合金膜を被覆する基体10はシート状プラズマの近傍に
シート面と平行に基体ホルダー13に設けられ、基体の
背後には基体を加熱するヒーター16が設けられてい
る。
【0024】非晶質シリコン合金膜を形成するための原
料ガスはシート状プラズマを挟んで基体と対向する側に
設けられた原料ガス供給ノズル9から供給される。図1
では2つのノズルが示されているが、基体のサイズや原
料ガスの供給量に応じて1つまたは3つ以上であっても
よい。ノズルとシート状プラズマとの距離は任意に調節
可能であり、また複数の種類のオリフィス径のノズルを
切り換えて使用できる。 実施例1.反応室内の空間4を5×10ー4Pa以下の圧
力に排気した後、放電ガスとしてアルゴンをTa製パイ
プ11から約30sccm導入した。この時反応室内4
の圧力は約0.1Paであった。この状態にしてプラズ
マビ−ム発生陰極2を加熱した後、約50Aの放電電流
(陰極電流)の定常的なプラズマを発生させた。この電
流の約90%は陽極6から流れ、残りは電子加速用電極
3から流れた。電子加速用電極3の陰極2に対する電圧
は約40Vであった。反応室内の空間4には、厚み約5
0mm、幅約500mmのシート状の発光が観察される
シート状プラズマを発生させた。この状態で、ラングミ
ュアープローブ法によりプラズマの状態を計測した。プ
ラズマの中心部から約8cmの位置で電子密度は1立方
cm当たり1×1010を越え、プラズマの中心部から約
2cmの位置で1立方cm当たり1×1011を越えた。
この時の電子温度は約5eVであった。さらに約50A
の電流を40Vの電圧で加速された電子が運んでいるこ
とから、このシート状プラズマの中心部には10数eV
から40eV程度のエネルギーを有する電子が大量に存
在していると考えられた。
【0025】基体10を約300℃になるようにヒータ
ー16により加熱し、上記のプラズマが発生している状
態で、原料ガス供給ノズル9よりSiH4の導入量を5
0sccm〜300sccmと変化させて膜を形成し
た。原料ガス供給ノズルの先端はシート状プラズマの中
心部から5cmの位置にセットした。この距離は3cm
より小さくするとノズルの温度が上昇し、SiH4の一
部が熱分解し、オリフィス部が詰まるという支障が生じ
るので好ましくなかった。また、この距離が大きくなる
とノズルから供給された原料ガスの内、プラズマの中心
領域を通過せずに反応室内壁面に拡散する割合が増加す
るので、500mm以下にするのが好ましく、さらには
200mm以下とするのが好ましい。
【0026】一定時間原料ガスを流した後、放電を停止
し基体を反応室より取り出した。基体には水素化非晶質
シリコン膜が形成されていることが赤外吸収スペクトル
分析により確認された。表1に、成膜の条件A〜Fと得
られた水素化非晶質シリコン膜の成長速度とを示した。
【0027】
【表1】
【0028】表中の基準値とは、ノズルから吹き出した
原料のSiH4 分子が半球状に無衝突で等方的に拡散
し、ノズル正面に設けられた基体に到達する分子の10
0%が水素化非晶質シリコン膜に変わるとして計算した
理論膜成長速度である。
【0029】これらの水素化非晶質シリコン膜の赤外吸
収スペクトルはいずれも2100cm-1付近の(SiH
2n伸縮振動による吸収に比べ、2000cm-1付近の
SiH伸縮振動の吸収が主であり、良好な品質の膜であ
ることが分かった。
【0030】A、Bの条件での膜成長速度と基準値との
比較から、ノズルから吹き出た原料ガスは高密度のシー
ト状プラズマを通過する際に、そのほぼ100%が成膜
に寄与するように活性化されていることがわかった。
【0031】またB、D、Eの成膜条件を比較すること
より膜成長速度は導入原料ガス量に比例しており、原料
ガス律速の状態が10nm/secという高い膜成長速
度においても実現している。表1のDとFの条件による
膜成長速度の比較および基準値との比較から、原料ガス
の吹き出し速度を上げて熱運動による拡散の効果を抑え
ると、ノズル正面付近へ成膜する割合を増加させ得るこ
とがわかった。さらにCの条件とA、Bの条件の結果を
比較すると、基体をシート状プラズマに近づけることに
より、ノズル正面付近の基体へ成膜する割合を増加でき
ることがわかった。
【0032】Bの条件で成膜した基体上の膜厚の分布
は、膜成長速度がノズル吹き出し口から基体までを結ぶ
線分の長さの−2乗および基体面と線分の成す角度の余
弦にほぼ比例していた(余弦(cosine)法則)。
【0033】成膜時のガス圧から推定される平均自由行
程と基板ノズル間距離を比較すると、AとBの条件の場
合には、反応室内に存在する他の分子と衝突すること無
く基板に到達する分子半数以上と考えられるが、Cの場
合には平均数回の衝突が気相中で起きていると考えられ
る。
【0034】本実施例のいずれの条件の場合において
も、成膜後反応室内には原料ガスに原因する粉末の発生
は全く見られなかった。 実施例2.実施例1で用いた放電ガスとしてアルゴンに
変えて、放電ガスとして30sccmの水素を用い、原
料ガスには100sccmのSiH4 を用いて実施1と
同様の手順で実施した。なお、ノズルはオリフイス直径
は1.0mmのものを用い、基体とノズルとの間隔は5
00mmとした。
【0035】基体には水素化非晶質シリコン膜が形成さ
れていることが赤外吸収スペクトル分析により確認され
た。この水素化非晶質シリコン膜の赤外吸収スペクトル
は2100cm-1付近の(SiH2n伸縮振動による吸
収がほとんど見られず、2000cm-1付近のSiH伸
縮振動の吸収が大部分の良好な品質の膜であった。
【0036】この膜に、真空蒸着によりギャップセル型
のクロム電極を形成し、AM−1の光源を用い1平方c
m当たり100mWの光を照射して導電率の測定を行っ
た。その結果、1×10ー4以上の高い導電率が繰り返し
て得られた。 実施例3 実施例1と同じように放電ガスとしてアルゴンを用い、
原料ガスとしてSiH4 とNH3を同時に導入して成膜
を行った。基体の温度は約350℃、SiH4の流量2
00sccm、NH3の流量は1200sccmであっ
た。ノズルより500mm離れた基体上に無色透明な膜
が形成された。この時の膜成長速度は1.2nm/se
cであった。この膜の光学的バンドギャップは約5.5
eVであった。またこの膜の赤外吸収スペクトルには、
850cm-1付近にSi−N結合による強い吸収が見ら
れ、非晶質窒化シリコン膜であることがわかった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、良質の非晶質シリコン
合金膜を大面積の基体に高速で成膜できるので、太陽電
池、液晶ディスプレイ用薄膜トランジスタ、電子写真用
感光ドラムなどのデバイスを能率よく製造することがで
きる。また本発明によれば非晶質シリコン合金膜の製造
をより少ない原料ガスにより製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた非晶質シリコン合金膜
の成膜装置の概略断面図である。
【図2】本発明にかかるシート状プラズマを説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1・・真空容器の反応室、2・・プラズマビ−ム発生陰
極、3・・電子加速用電極、4・・反応室内空間、5・
・圧力勾配型プラズマビーム発生装置、6・・陽極、7
・・シ−ト状プラズマ、8a・・プラズマ誘導用コイ
ル、8b・・プラズマ圧縮用永久磁石、9・・原料ガス
供給ノズル、10・・基体、11・・パイプ、12・・
LaB6陰極板、13・・基体ホルダ、14・・電気絶
縁体、15・・放電電源、16・・ヒーター、20・・
高エネルギーのプラズマ、21・・ホットプラズマ、2
2・・コールドプラズマ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減圧された雰囲気が調整できる真空容器の
    反応室内に生起させたプラズマに原料ガスを供給し、前
    記原料ガスを前記プラズマにより反応させて基体表面上
    に非晶質シリコン合金膜を製造する方法において、前記
    プラズマの生成している反応室内の圧力を5Pa以下、
    プラズマ中心部分の電子密度を1立方cm当たり1×1
    ー11以上、プラズマ中心部分の平均電子エネルギーを
    5eV以上としたことを特徴とする非晶質シリコン合金
    膜の製造方法。
  2. 【請求項2】前記原料ガスを、前記プラズマが存在する
    領域を通過させて前記基体表面に到達するように供給す
    ることを特徴とする請求項1に記載の非晶質シリコン合
    金膜の製造方法。
  3. 【請求項3】前記プラズマが、圧力勾配型プラズマビ−
    ム発生装置およびプラズマビ−ム制御磁界によって形成
    されたシート状プラズマであることを特徴とする請求項
    1または2に記載の非晶質シリコン合金膜の製造方法。
  4. 【請求項4】前記プラズマが15eV〜150eVの電
    子エネルギ−を有する電子ビ−ム成分を含むことを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非晶質シリコ
    ン合金膜の製造方法。
  5. 【請求項5】前記プラズマが不活性ガスと水素の少なく
    とも一つを含む放電ガスによって生成されていることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに項に記載の非晶
    質シリコン合金膜の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011060852A (ja) * 2009-09-07 2011-03-24 Mitsubishi Electric Corp 半導体膜の製造装置及び方法

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JP2011060852A (ja) * 2009-09-07 2011-03-24 Mitsubishi Electric Corp 半導体膜の製造装置及び方法

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