しかしながら、特許文献1に記載のカレンダIC補正方法においては、CPUが一分毎にカレンダICの計時する時刻を調べる構成であるため、CPUの負担が大きいという問題がある。また、CPUを動作させる水晶振動子に温度による周波数の変動が発生しない補償はなく、特に液晶表示装置の場合にはバックライトが発する熱により周囲温度が高温となるため、CPUを動作させる水晶振動子が温度変化の少ないものであっても、周波数の変動が発生する虞がある。周波数の変動が発生しない場合であっても、高温下で温度変化が発生しない水晶振動子は高価であるため、コストが増加するという問題がある。
また、特許文献2に記載の温度補正機能付きタイマ及び温度調節器においては、発振子の周辺の温度を検知するために温度センサを備える必要がある。液晶表示装置に同様の機能を付加する場合、従来の液晶表示装置には温度センサが搭載されていないため、新たなデバイスの追加が必要であり、これによりコストが増加するという問題がある。
また、特許文献3に記載の発振基準素子の出力周波数補正方法、発振基準素子の出力周波数補正回路及び電子制御機器においては、商用電源の周波数をカウントする回路、及び水晶振動子の出力信号を任意の分周比で分周するためのプログラマブル分周器等の回路を追加する必要があるため、コストが増加するという問題がある。
一方、高熱を発するデバイスを搭載する機器においては、温度上昇を抑制するためにファンなどの冷却装置を搭載し、他のデバイスの熱による誤動作を防止するものがある。例えば液晶表示装置にファンを搭載する場合、冷却能力を高めるためにファンの回転数を高く設定すると、ファンが回転に伴って発する回転音がユーザの視聴の妨げとなる可能性があり、また、ファンの回転数を高くすることにより、消費電流が増大するという問題があるため、ファンは必要最低限の回転数で駆動する必要がある。よって、温度が高い場合にはファンの回転数を高く設定し、温度が低い場合にはファンの回転数を低く設定するなど、温度に応じてファンの回転数を制御できることが望ましい。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、表示装置が周囲の温度により動作特性が変化する電気部品、例えば水晶発振素子を用いた処理を行い、温度により処理が変化する場合に、予め記憶してあるバックライトの動作量と処理の変化を補正するための補正量との対応情報を基にして、処理の変化を補正することにより、表示装置がバックライトの動作量を検出するセンサを備える場合には、新たなデバイスを追加することなく、温度変化による処理の変化を補正することができる補正方法を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、電気部品の動作特性及び電気部品の周囲温度の対応から前記温度及び処理の変化を補正する補正量の対応情報を算出し、この対応情報とバックライトの動作量及び前記温度の対応情報とから算出されるバックライトの動作量及び処理の変化を補正する補正量の対応情報を基に補正を行うことにより、バックライトの動作量から推定される前記温度に応じた補正を行うことができる補正方法を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、表示装置が周囲の温度により動作特性が変化する電気部品を用いた処理を行い、前記温度により処理が変化する場合に、バックライトの駆動量と処理の変化を補正するための補正量との対応情報を基にして、処理の変化を補正することにより、表示装置がバックライトの動作量を検出するセンサを備えない場合であっても、新たなデバイスを追加することなく、温度変化による処理の変化を補正することができる補正方法を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、電気部品の動作特性及び電気部品の周囲温度の対応から前記温度及び処理の変化を補正する補正量の対応情報を算出し、この対応情報とバックライトの駆動量及び前記温度の対応情報とから算出されるバックライトの駆動量及び処理の変化を補正する補正量の対応情報を基に補正を行うことにより、バックライトの駆動量から推定される前記温度に応じた補正を行うことができる補正方法を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、周囲の温度により動作特性が変化する電気部品を用いた処理を行い、前記温度により処理が変化する場合に、予め記憶されたバックライトの動作量及び処理の変化を補正するための補正量の対応情報と、センサが検出するバックライトの動作量とから補正量を算出して補正を行う構成とすることにより、温度センサなどの新たなデバイスを追加することなく、温度変化による処理の変化を補正することができる表示装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、バックライトの動作量とこの動作量での駆動時間とを記憶し、所定時間に対する駆動時間の割合に応じて各動作量に対する補正量を重み付けし、この補正量を合計して最終的なバックライトの補正量とし、所定時間毎に補正を行う構成とすることにより、常に処理の変化の補正を行う場合と比較して、補正を行う頻度を少なくできるため、補正を行うことによるCPU又はマイコン等への負荷を軽減できる表示装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、周囲の温度により動作特性が変化する電気部品を用いた処理を行い、前記温度により処理が変化する場合に、予め記憶されたバックライトの駆動量及び処理の変化を補正するための補正量の対応情報と、バックライトを駆動するときの駆動量とから補正量を算出して補正を行う構成とすることにより、バックライトの動作量を検出するセンサを備えていない場合であっても、温度センサなどの新たなデバイスを追加することなく、温度変化による処理の変化を補正することができる表示装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、バックライトの駆動量とこの駆動量での駆動時間とを記憶し、所定時間に対する駆動時間の割合に応じて各駆動量に対する補正量を重み付けし、この補正量を合計して最終的なバックライトの補正量とし、所定時間毎に補正を行う構成とすることにより、常に処理の変化の補正を行う場合と比較して、補正を行う頻度を少なくできるため、補正を行うことによるCPU又はマイコン等への負荷を軽減できる表示装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、周囲の温度により動作特性が変化する発振素子を備え、発振素子の出力信号を基に計時処理を行う場合に、前記温度変化により生じる時刻の誤差を補正する構成とすることにより、より正確なタイマ機能を備えることができる表示装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、バックライトが発する輝度を検出するセンサを搭載し、検出された輝度から推定される表示装置内部の温度に応じた補正を行う構成とすることにより、例えばバックライトの輝度を制御するために予めセンサを搭載している場合に、簡単に温度を推定して補正を行うことができる表示装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、バックライトの動作時に流れる電流の電流量を検出するセンサを搭載し、検出された電流量から推定される表示装置内部の温度に応じた補正を行う構成とすることにより、例えばバックライトの駆動量を制御するために予めセンサを搭載している場合に、簡単に温度を推定して補正を行うことができる表示装置を提供することにある。
本発明に係る補正方法は、表示パネルと、該表示パネルの背面に光を照射するバックライトと、該バックライトの動作量を検出する検出手段と、周囲温度の変化に応じて動作特性が変化する電気部品と、該電気部品の動作に応じて処理を行う処理手段とを備える表示装置にて、前記処理手段の処理の変化を補正する補正方法において、前記バックライトの動作量と前記処理手段の処理の変化を補正する補正量との対応情報を予め記憶しておき、前記検出手段により前記バックライトの動作量を検出し、検出した動作量に応じて前記対応情報を基に前記処理手段に対する補正を行うことを特徴とする。
本発明においては、表示装置が周囲の温度により動作特性が変化する水晶発振素子などの電気部品を用いた処理を行い、前記温度の変化により処理が変化する場合、バックライトの動作量から推定できる前記温度と、前記温度に応じた処理の変化に対する補正量との関係から取得できるバックライトの動作量及び処理の変化に対する補正量の対応情報を予め記憶しておく。これにより、センサによりバックライトの動作量を検出し、記憶した対応情報を基に補正量を算出して処理の変化の補正を行うことができる。温度センサを用いることなく温度変化によって処理に誤差が生じることを防止でき、動作量を検出するセンサを予め備える表示装置の場合には、新たなデバイスを追加せずに補正を行うことができる。
また、本発明に係る補正方法は、周囲温度と前記電気部品の動作特性との第1の対応情報を取得し、該第1の対応情報から、周囲温度と前記処理手段の処理の変化を補正する補正量との第2の対応情報を算出し、前記バックライトの動作量と周囲温度との第3の対応情報を取得し、前記第2の対応情報及び前記第3の対応情報を基に、前記バックライトの動作量と前記処理手段の処理の変化を補正する補正量との対応情報を算出して予め記憶しておくことを特徴とする。
本発明においては、まず、電気部品の動作特性と電気部品周囲の温度との第1の対応情報を取得し、この対応情報から前記温度と処理の変化を補正する補正量との第2の対応情報を算出する。これとは別に、バックライトの動作量と前記温度との第3の対応情報、即ちバックライトの動作量から推定される前記温度に関する情報を取得する。得られた第2の対応情報及び第3の対応情報から、バックライトの動作量と処理の変化を補正する補正量との対応情報を算出することができ、この対応情報を用いて補正を行うことによって、バックライトの動作量から推定される温度に応じた補正を行うことができる。
また、本発明に係る補正方法は、表示パネルと、該表示パネルの背面に光を照射するバックライトと、該バックライトを駆動するバックライト駆動手段と、周囲温度の変化に応じて動作特性が変化する電気部品と、該電気部品の動作に応じて処理を行う処理手段とを備える表示装置にて、前記処理手段の処理の変化を補正する補正方法において、前記バックライト駆動手段による前記バックライトの駆動量と前記処理手段の処理の変化を補正する補正量との対応情報を予め記憶しておき、前記バックライト駆動手段の駆動量に応じて前記対応情報を基に前記処理手段の処理の変化を補正することを特徴とする。
本発明においては、表示装置が周囲の温度により動作特性が変化する電気部品を用いた処理を行い、前記温度の変化により処理が変化する場合、バックライトの駆動量から推定できる前記温度と、前記温度に応じた処理の変化に対する補正量との関係から取得できるバックライトの駆動量及び処理の変化に対する補正量の対応情報を予め記憶しておく。これにより、バックライトを駆動するときの駆動量に応じて、記憶した対応情報を基に補正量を算出して処理の変化の補正を行うことができる。バックライトの動作量を検出するセンサを備えない表示装置であっても、温度センサを用いることなく温度変化によって処理に誤差が生じることを防止でき、新たなデバイスを追加せずに補正を行うことができる。
また、本発明に係る補正方法は、周囲温度と前記電気部品の動作特性との第1の対応情報を取得し、該第1の対応情報から、周囲温度と前記処理手段の処理の変化を補正する補正量との第2の対応情報を算出し、前記バックライト駆動手段による前記バックライトの駆動量と周囲温度との第3の対応情報を取得し、前記第2の対応情報及び前記第3の対応情報を基に、前記バックライト駆動手段が前記バックライトを駆動する駆動量と前記処理手段の処理の変化を補正する補正量との対応情報を算出して予め記憶しておくことを特徴とする。
本発明においては、まず、電気部品の動作特性と電気部品周囲の温度との第1の対応情報を取得し、この対応情報から前記温度と処理の変化を補正する補正量との第2の対応情報を算出する。これとは別に、バックライトの駆動量と前記温度との第3の対応情報、即ちバックライトの駆動量から推定される前記温度に関する情報を取得する。得られた第2の対応情報及び第3の対応情報から、バックライトの駆動量と処理の変化を補正する補正量との対応情報を算出することができ、この対応情報を用いて補正を行うことによって、バックライトの駆動量から推定される温度に応じた補正を行うことができる。
また、本発明に係る表示装置は、表示パネルと、該表示パネルの背面に光を照射するバックライトと、該バックライトの動作量を検出する検出手段と、周囲温度の変化に応じて動作特性が変化する電気部品と、該電気部品の動作に応じて処理を行う処理手段とを備える表示装置において、前記バックライトの動作量と前記処理手段の処理の変化を補正する補正量との対応情報を記憶する記憶手段と、前記検出手段が検出した動作量及び前記対応情報を基に、前記処理手段の処理の変化を補正する補正量を算出する算出手段と、該算出手段が算出した補正量に応じて、前記処理手段の処理の変化を補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、周囲の温度により動作特性が変化する電気部品を用いた処理を行い、前記温度により処理が変化する場合に、バックライトの動作量と処理の変化を補正するための補正量との対応情報を記憶しておき、輝度センサによりバックライトの動作量を検出して記憶した対応情報から補正量を算出し、処理の変化の補正を行う。動作量を検出するセンサを備えている場合には、簡単な対応情報をメモリに記憶しておくのみで補正を行うことができ、温度センサなどの新たなデバイスを追加する必要がない。
また、本発明に係る表示装置は、前記検出手段が検出した動作量と該動作量で前記バックライトが駆動された駆動時間とを対応付けて記憶する記憶手段を備え、前記算出手段は、所定時間に対する前記駆動時間の割合に応じて各動作量に対する補正量を重み付けし、重み付けされた補正量の合計を算出するようにしてあり、前記補正手段は、前記所定時間毎に、算出された補正量の合計に応じて前記処理手段の処理の変化を補正するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、処理の変化の補正を例えば12時間毎又は24時間毎等の所定時間毎に行い、この所定時間の間に、センサが検出する動作量とこの動作量でバックライトが駆動されていた時間とを対応付けて記憶しておく。これにより、所定時間の間に生じる誤差を推定することができ、所定の時間が経過したときに、各動作量に対する補正量について、所定の時間内に各動作量で駆動された割合に応じた重み付けを行い、重み付けされた補正量を合計して最終的な補正量を算出する。補正を行う処理が例えば表示装置のタイマ機能を実現するための計時処理である場合、電気部品周囲の温度の変化により計時処理に生じる誤差は24時間で最大数秒程度であるため、補正は12時間又は24時間程度の周期で行えば十分であり、補正を行う頻度を少なくすることによって表示装置のCPU又はマイコン等の負荷を軽減できる。
また、本発明に係る表示装置は、表示パネルと、該表示パネルの背面に光を照射するバックライトと、該バックライトを駆動するバックライト駆動手段と、周囲温度の変化に応じて動作特性が変化する電気部品と、該電気部品の動作に応じて処理を行う処理手段とを備える表示装置において、前記バックライト駆動手段による前記バックライトの駆動量と前記処理手段の処理の変化を補正する補正量との対応情報を記憶する記憶手段と、前記バックライト駆動手段の駆動量及び前記対応情報を基に、前記処理手段の処理の変化を補正する補正量を算出する算出手段と、該算出手段が算出した補正量に応じて、前記処理手段の処理の変化を補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、周囲の温度により動作特性が変化する電気部品を用いた処理を行い、前記温度により処理が変化する場合に、バックライトの駆動量と処理の変化を補正するための補正量との対応情報を記憶しておき、バックライトを駆動するときに記憶した対応情報から補正量を算出して補正を行う。バックライトの動作量を検出するセンサを備えていない場合であっても、温度センサなどの新たなデバイスを追加することなく、簡単な対応情報をメモリに記憶しておくのみで補正を行うことができる。
また、本発明に係る表示装置は、前記バックライト駆動手段が前記バックライトを駆動した駆動量と該駆動量で前記バックライトが駆動された駆動時間とを対応付けて記憶する記憶手段を備え、前記算出手段は、所定時間に対する前記駆動時間の割合に応じて各駆動量に対する補正量を重み付けし、重み付けされた補正量の合計を算出するようにしてあり、前記補正手段は、前記所定時間毎に、算出された補正量の合計に応じて前記処理手段の処理の変化を補正するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、処理の変化の補正を所定時間毎に行い、この所定時間の間に、バックライトを駆動した駆動量とこの駆動量でバックライトが駆動されていた時間とを対応付けて記憶しておく。これにより、所定時間の間に生じる誤差を推定することができ、所定の時間が経過したときに、各駆動量に対する補正量について、所定の時間内に各駆動量で駆動された割合に応じた重み付けを行い、重み付けされた補正量を合計して最終的な補正量を算出する。補正を行う処理が例えば表示装置のタイマ機能を実現するための計時処理である場合、電気部品周囲の温度の変化により計時処理に生じる誤差は24時間で最大数秒程度であるため、補正は12時間又は24時間程度の周期で行えば十分であり、補正を行う頻度を少なくすることによって表示装置のCPU又はマイコン等の負荷を軽減できる。
また、本発明に係る表示装置は、前記電気部品が、所定の周波数の信号を出力する発振素子であり、前記処理手段は、前記発振素子が出力する信号を基に計時処理を行うようにしてあり、前記補正手段は、前記算出手段が算出した補正量に応じて前記計時処理の変化を補正するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、発振素子からの出力信号により計時処理を行う。発振素子は周囲の温度により出力する信号の周波数特性が変化するため、計時処理に誤差を生じる虞がある。このため、バックライトの動作量又は駆動量により推定される前記温度に応じた補正を行うことにより、誤差をなくして正確なタイマ機能を実現できる。
また、本発明に係る表示装置は、前記動作量が、前記バックライトが発する光の輝度であり、前記検出手段は、前記輝度を検出するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、バックライトの輝度から表示装置の内部温度を推定して補正を行う。表示装置にはバックライトの輝度を制御するために、バックライトの輝度を検出するためのセンサを備えている場合があり、このセンサを用いることで、温度センサなどの新たなデバイスを追加せずに、補正を行うことができる。
また、本発明に係る表示装置は、前記動作量が、前記バックライトを流れる電流の電流量であり、前記検出手段は、前記電流量を検出するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、バックライトを流れる電流の電流量から表示装置の内部温度を推定して補正を行う。表示装置にはバックライトの輝度を制御するために、バックライトを流れる電流の電流量を検出するためのセンサを備えている場合があり、このセンサを用いることで、温度センサなどの新たなデバイスを追加せずに、補正を行うことができる。
本発明による場合は、表示装置が周囲の温度により動作特性が変化する電気部品を用いた処理を行い、前記温度により処理が変化する場合に、バックライトの動作量と処理の変化を補正するための補正量との対応情報を基にして処理の変化を補正することにより、表示装置がバックライトの動作量を検出するセンサを備える場合には、温度センサなどの新たなデバイスを追加することなく、温度変化による処理の変化を補正することができるため、この補正機能を備えることによる表示装置のコストの増加を抑制することができる。また、電気部品の周囲温度の影響を受けにくくなるため表示装置の信頼性を高めることができる。
また、本発明による場合は、電気部品の動作特性及び電気部品の周囲温度の対応から温度及び処理の変化を補正する補正量の対応情報を算出し、この対応情報とバックライトの動作量及び前記温度の対応情報とから算出されるバックライトの動作量及び処理の変化を補正する補正量の対応情報を基に補正を行うことにより、バックライトの動作量から推定される前記温度に応じた補正を行うことができるため、表示装置が前記温度の影響を受けにくくなり、信頼性を高めることができる。また、表示装置はバックライトの動作量と処理の変化を補正する補正量との対応情報を記憶しておくのみで簡単に補正を行うことができるため、補正機能を備えることによる表示装置のコストの増加を抑制することができる。
また、本発明による場合は、表示装置が周囲の温度により動作特性が変化する電気部品を用いた処理を行い、前記温度により処理が変化する場合に、バックライトの駆動量と処理の変化を補正するための補正量との対応情報を基にして、処理の変化を補正することにより、表示装置がバックライトの動作量を検出するセンサを備えない場合であっても、新たなデバイスを追加することなく、温度変化による処理の変化を補正することができるため、この補正機能を備えることによる表示装置のコストの増加を抑制することができる。また、電気部品の周囲温度の影響を受けにくくなるため表示装置の信頼性を高めることができる。
また、本発明による場合は、電気部品の動作特性及び電気部品の周囲温度の対応から温度及び処理の変化を補正する補正量の対応情報を算出し、この対応情報とバックライトの駆動量及び前記温度の対応情報とから算出されるバックライトの駆動量及び処理の変化を補正する補正量の対応情報を基に補正を行うことにより、バックライトの駆動量から推定される前記温度に応じた補正を行うことができるため、表示装置が温度の影響を受けにくくなり、信頼性を高めることができる。また、表示装置はバックライトの動作量と処理の変化を補正する補正量との対応情報を記憶しておくのみで簡単に補正を行うことができるため、補正機能を備えることによる表示装置のコストの増加を抑制することができる。
また、本発明による場合は、周囲の温度により動作特性が変化する電気部品を用いた処理を行い、前記温度により処理が変化する場合に、予め記憶されたバックライトの動作量及び処理の変化を補正するための補正量の対応情報と、センサが検出するバックライトの動作量とから補正量を算出して補正を行う構成とすることにより、動作量を検出するセンサを備えている場合には、温度センサなどの新たなデバイスを追加することなく、簡単な対応情報をメモリに記憶しておくのみで補正を行うことができるため、補正機能を備えることによるコストの増加を抑制することができる。また、補正機能を備えることによって、電気部品の周囲温度の影響を受けにくくなるため信頼性を高めることができる。
また、本発明による場合は、バックライトの動作量とこの動作量での駆動時間とを記憶し、所定時間に対する駆動時間の割合に応じて各動作量に対する補正量を重み付けし、この補正量を合計して最終的なバックライトの補正量とし、所定時間毎に補正を行う構成とすることにより、所定時間の間に生じる誤差を推定することができ、この誤差に応じた補正を行うことができるため、処理の変化の補正を常に行う必要がなく、CPU又はマイコン等の負荷を軽減できる。
また、本発明による場合は、周囲の温度により動作特性が変化する電気部品を用いた処理を行い、前記温度により処理が変化する場合に、予め記憶されたバックライトの駆動量及び処理の変化を補正するための補正量の対応情報と、バックライトを駆動するときの駆動量とから補正量を算出して補正を行う構成とすることにより、バックライトの動作量を検出するセンサを備えていない場合であっても、温度センサなどの新たなデバイスを追加することなく、簡単な対応情報をメモリに記憶しておくのみで補正を行うことができるため、補正機能を備えることによるコストの増加を抑制することができる。また、補正機能を備えることによって、電気部品の周囲温度の影響を受けにくくなるため信頼性を高めることができる。
また、本発明による場合は、バックライトの駆動量とこの駆動量での駆動時間とを記憶し、所定時間に対する駆動時間の割合に応じて各駆動量に対する補正量を重み付けし、この補正量を合計して最終的なバックライトの補正量とし、所定時間毎に補正を行う構成とすることにより、所定時間の間に生じる誤差を推定することができ、この誤差に応じた補正を行うことができるため、処理の変化の補正を常に行う必要がなく、CPU又はマイコン等の負荷を軽減できる。
また、本発明による場合は、周囲の温度により動作特性が変化する発振素子を備え、発振素子の出力信号を基に計時処理を行う場合に、前記温度の変化により生じる時刻の誤差を補正する構成とすることにより、より正確なタイマ機能を備えることができるため、信頼性が向上すると共に、ユーザの利便性が向上する。
また、本発明による場合は、バックライトが発する光の輝度を検出するセンサを搭載し、検出された輝度から推定される表示装置の内部温度に応じた補正を行う構成とすることにより、バックライトの輝度を制御するために、バックライトの輝度を検出するためのセンサを備えている場合には、このセンサを用いることで、温度センサなどの新たなデバイスを追加せずに、補正を行うことができるため、補正機能を備えることによるコストの増加を抑制することができる。
また、本発明による場合は、バックライトの動作時に流れる電流の電流量を検出するセンサを搭載し、検出された電流量から推定される表示装置の内部温度に応じた補正を行う構成とすることにより、バックライトの輝度を制御するためにバックライトを流れる電流の電流量を検出するためのセンサを備えている場合には、このセンサを用いることで、温度センサなどの新たなデバイスを追加せずに、補正を行うことができるため、補正機能を備えることによるコストの増加を抑制することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る表示装置の構成を示すブロック図である。図において1は表示装置の各部を制御する制御部であり、制御部1がバックライト3を駆動するインバータ6の制御、及び液晶パネル2に表示する映像に係る信号の処理を行う映像処理部5の制御等を行うことにより、チューナ12にて受信したテレビ番組又は外部機器から入力された映像等を液晶パネル2に表示するようにしてある。
液晶パネル2は、外部電界で制御可能な厚さ数μmの液晶層の複屈折性を利用した光透過型の表示デバイスであり、液晶パネル2自身は発光機能を有していないため、外部光源であるバックライト3から照射される光により映像の表示を行うようにしてある。液晶パネル2は液晶駆動部4により駆動されて映像を表示するようにしてあり、液晶駆動部4は、映像処理部5から与えられる制御信号に応じて、液晶パネル2の水平方向及び垂直方向にマトリックス状に配された駆動用配線に選択的に電圧を供給することで液晶パネル2の駆動を行うようにしてある。映像処理部5は、公共のテレビジョン放送に係る電波を受信するチューナ12、又はDVDプレーヤ若しくはハードディスクレコーダ等の外部機器にケーブルを介して接続される入力端子を有する入力部13から与えられる映像データを、液晶パネル2を駆動するための制御信号に変換して液晶駆動部4へ与えるようにしてある。
バックライト3は、例えば冷陰極管により実現されるものであり、インバータ6から与えられる電圧・電流により駆動されて点灯し、液晶パネル2の背面に光を照射するようにしてある。インバータ6は制御部1から与えられるPWM方式の制御信号に応じてバックライト3の駆動を行うようにしてあるため、制御部1は、制御信号のパルス幅を調整することでバックライト3の輝度を調整できるようにしてある。
表示装置は、筐体の前面若しくは側面等に設けられた複数のボタン若しくはスイッチ等、又は複数のボタン若しくはスイッチ等が設けられたリモートコントローラが送信する赤外線信号の受信回路を有し、ユーザからの操作を受け付ける操作部11を備えている。制御部1は、例えば、液晶パネル2にて表示する映像の輝度設定に係る操作を操作部11が受け付けた場合に、インバータ6へ与える制御信号のパルス幅を調整して、バックライト3の輝度を調整するようにしてある。
また、本実施の形態に係る表示装置は、ユーザが指定した任意の時刻に映像の表示又は非表示を行う機能、所謂タイマ機能を備えている。タイマ機能を実現するために、表示装置は水晶発振素子7を備えており、水晶発振素子7が出力するクロック信号により制御部1が計時処理を行い、ユーザが指定した時刻に、制御部1が映像処理部5を制御することによって、映像を表示又は非表示にする処理を行うようにしてある。
水晶発振素子7は表示装置の筐体内のバックライト3近傍に配設されており、表示装置が映像を表示する場合、バックライト3は点灯し、光を発して液晶パネル2の背面に照射すると共に熱を発するため、バックライト3の周囲の温度が上昇し、水晶発振素子7の周囲温度が上昇する。このため、水晶発振素子7は、周囲の温度の変化によって動作特性、即ち出力するクロック信号の周波数が変化する。図2は、水晶発振素子7の動作特性の一例を示すグラフであり、横軸に水晶発振素子7の周囲温度を示し、縦軸に水晶発振素子7が出力するクロック信号の周波数の偏差を示してある。図3は、水晶発振素子7を用いた場合の計時処理に発生する時刻誤差の一例を示すグラフであり、横軸に水晶発振素子7の周囲温度を示し、縦軸に時刻誤差を示してある。なお、時刻誤差は該当する温度で計時処理を24時間行った場合に発生する誤差であり、時刻誤差の正値は時刻の進みを示し、負値は時刻の遅れを示す。
図2及び図3のグラフに示すように、水晶発振素子7は、周囲温度が上昇すると共に出力信号の周波数が低下し、制御部1が行う計時処理による時刻誤差は、水晶発振素子7の出力信号の周波数変動に比例するため、24時間で3秒程度の誤差が発生する可能性がある。なお、制御部1による計時処理は、水晶発振素子7が出力するクロック信号の所定のパルス数をカウントして例えば1秒を計時するようにしてあるため、水晶発振素子7の周波数の変化から所定時間での時刻の誤差を一意的に算出することが可能である。
このため、本実施の形態に係る表示装置は、計時処理に発生する時刻誤差の補正を行う機能を備えており、この処理は、バックライト3が発する光の輝度から推定される周囲の温度に応じた時刻誤差の補正を制御部1が行うことで実現している。表示装置は、バックライト3が発する光の輝度を検出する輝度センサ8を備えており、また、フラッシュメモリ又はEEPROM等の不揮発性でデータの書き換えが可能なメモリ9を備え、輝度センサ8が検出するバックライト3の輝度と計時処理に発生する時刻誤差を補正する補正値との対応情報である補正テーブル10をメモリ9に記憶してある。
図4は、時刻誤差を補正するための補正テーブル10の作成工程を示すフローチャートである。まず、表示装置の設計段階又は試作段階等にて、周囲温度に対する水晶発振素子7の発振周波数の特性(以下、”周波数偏差−温度”特性という)を測定する(ステップS1)。この測定結果の一例が図2に示すグラフである。測定により得られた”周波数偏差−温度”特性から、周囲温度に対する所定時間での時刻誤差を一意的に算出することができ(図3参照)、時刻誤差を補正する補正値を一意的に算出することができるため、これを算出して、周囲温度に対する時刻補正値のテーブル(以下、”時刻補正値−温度”テーブルという)を作成する(ステップS2)。
図5は、水晶発振素子7の周囲温度に対する時刻補正値の一例を示すグラフであり、”時刻補正値−温度”テーブルをグラフ化したものである。なお、時刻補正値の正値は計時した時刻を進めるように補正することを示し、負値は計時した時刻を遅らせるように補正することを示す。図示の通り、図5に示すグラフは、図3に示すグラフを横軸(温度)を中心に反転させたものであり、図3から一意的に算出することができる。
次いで、表示装置の設計段階又は試作段階等にて、バックライト3の輝度に対する水晶発振素子7の周囲温度の特性(以下、”温度−バックライトの輝度”特性という)を測定する(ステップS3)。図6は、バックライト3の輝度に対する水晶発振素子7の周囲温度の特性の一例を示すグラフであり、横軸にバックライト3の輝度を示し、縦軸に周囲温度を示してある。なお、バックライト3の輝度は、表示装置が備える輝度センサ8により測定したものではなく、より高精度の輝度測定計を用いて測定したものである(測定手順については後述する)。図6に示すとおり、バックライト3の輝度が大きいほど温度は高くなる。
次いで、ステップS2にて得られた”時刻補正値−温度”テーブル、及びステップS3にて得られた”温度−バックライトの輝度”特性を基に、バックライト3の輝度に対する時刻補正値を算出して、テーブル(以下、”時刻補正値−バックライトの輝度”テーブルという)を作成する(ステップS4)。図7は、バックライト3の輝度に対する時刻補正値の一例を示すグラフであり、”時刻補正値−バックライトの輝度”テーブルをグラフ化したものである。このテーブル中の時刻補正値は、対応するバックライトの輝度にて24時間連続してバックライト3を駆動した場合に、計時処理による時刻に対して補正しなければならない補正量である。
ステップS4にて作成した”時刻補正値−バックライトの輝度”テーブルを用いて、制御部1は計時処理に生じる時刻誤差を補正することが可能であるが、表示装置に搭載される輝度センサ8の検出結果には個体差が存在するため、精度の高い輝度測定計による輝度の検出結果に対する輝度センサ8の検出結果である出力値の特性(以下、”輝度センサの出力値−バックライトの輝度”特性という)を測定する(ステップS5)。なお、この測定は、表示装置の製造工程、検査工程又は試験工程等にて行うものである(測定手順については後述する)。図8は、バックライト3の輝度に対する輝度センサ8の出力値の特性の一例を示すグラフであり、バックライト3が特定の輝度で点灯している場合に、輝度測定計にて測定したバックライト3の輝度を横軸に示し、輝度センサ8の出力値を縦軸に示してある。図8に示すように、輝度センサ8の出力値と輝度測定計によるバックライト3の輝度とはほぼ比例するため、測定はバックライト3の輝度の設定を変更しながら数回〜数十回程度行い、測定を行わない部分は線形補間により値を算出することができる。
次いで、ステップS4にて作成した”時刻補正値−バックライトの輝度”テーブル、及びステップS5にて得られた”輝度センサの出力値−バックライトの輝度”特性から、輝度センサ8の出力値と時刻補正値との対応を有するテーブル(以下、”時刻補正値−輝度センサの出力値”テーブルという)を作成する(ステップS6)。図9は、”時刻補正値−輝度センサの出力値”テーブルの一例である。また、図10は、輝度センサ8の出力値に対する時刻補正値の一例を示すグラフであり、図9の”時刻補正値−輝度センサの出力値”テーブルをグラフ化したものである。ただし、図9には一例として29個の輝度センサ8の出力値と時刻補正値との対応関係が示してあるが、実際には256個又は512個程度の対応関係を算出してテーブルとすることが望ましい。
次いで、ステップS6にて作成した”時刻補正値−輝度センサの出力値”テーブルを表示装置のメモリ9に補正テーブル10として記憶し(ステップS7)、工程を終了する。
図11は、”温度−バックライトの輝度”特性の測定手順を示すフローチャートであり、図4のステップS3にて行う測定の手順を示すものである。まず、表示装置の周囲の温度を25℃に設定し(ステップS21)、輝度設定を最大にしてバックライト3を点灯する(ステップS22)。バックライト3が発する熱により表示装置の内部温度が上昇し、温度が安定するまで待機して(ステップS23)、その後にバックライト3の輝度を輝度測定計を用いて測定し(ステップS24)、このときの表示装置内の水晶発振素子7の近傍の温度又は水晶振動素子7の表面温度等の温度測定を行う(ステップS25)。
次いで、バックライト3の輝度設定が最小であるか否かを調べ(ステップS26)、輝度設定が最小でない場合には(S26:NO)、輝度設定を一定量低下させて(ステップS27)、ステップS23へ戻り、輝度及び温度の測定を繰り返して行う。バックライト3の輝度設定を低下させながら輝度及び温度の測定を行い、ステップS26にて輝度設定が最小である場合(S26:YES)、バックライト3を消灯して(ステップS29)、温度が低下して安定するまで待機し(ステップS30)、その後に温度測定を行って(ステップS31)、測定を終了する。
以上の手順により、”温度−バックライトの輝度”特性の測定を行うことができる。なお、ステップS27にて一定量毎にバックライト3の輝度設定を低下させながら測定を繰り返し行うため、測定値を得ることができない輝度と温度との対応については、線形補間により算出する。
図12は、”輝度センサの出力値−バックライトの輝度”特性の測定手順を示すフローチャートであり、図4のステップS5にて行う測定の手順を示すものである。まず、輝度設定を最大にしてバックライト3を点灯する(ステップS41)。次いで、バックライト3の輝度を輝度測定計を用いて測定し(ステップS42)、このときの輝度センサ8の出力値を取得する(ステップS43)。なお、ステップS42にて行う輝度の測定は、表示装置内の輝度センサ8の配設位置近傍にて行うことが望ましい。
次いで、バックライト3の輝度設定が最小であるかいなを調べ(ステップS44)、輝度設定が最小でない場合には(ステップS44:NO)、輝度設定を一定量低下させて(ステップS45)、ステップS42へ戻り、輝度測定計による輝度の測定及び輝度センサ8の出力値の取得を繰り返して行う。バックライト3の輝度設定が最小である場合(S44:YES)、測定を終了する。
以上の手順により、”輝度センサの出力値−バックライトの輝度”特性の測定を行うことができる。なお、ステップS45にて一定量毎にバックライト3の輝度設定を低下させながら測定を繰り返し行うため、測定値を得ることができないバックライト3の輝度と輝度センサ8の出力値との対応については、線形補間により算出する。
図11及び図12に示す手順で得られた測定結果を基に、図4に示す工程で”時刻補正値−輝度センサの出力値”テーブル、即ち補正テーブル10を予め作成して表示装置のメモリ9に記憶しておくことができ、本実施の形態に係る表示装置はメモリ9から補正テーブル10を読み出して、計時処理に生じた誤差の補正を行うことができる。図13は、本発明の実施の形態1に係る表示装置の制御部1が行う時刻補正の処理手順を示すフローチャートである。
制御部1は、水晶発振素子7を用いた計時処理による現在の時刻が、予め定められた所定時刻(例えば、1日に1回補正を行うのであれば午前0時、又は2回補正を行うのであれば午前0時及び午後12時などの時刻)であるか否かを調べ(ステップS61)、所定時刻でない場合には(S61:NO)、更に、バックライト3が点灯されているか否かを調べる(ステップS62)。バックライト3が点灯されていない場合(S62:NO)、ステップS61へ戻り、所定時刻となるか又はバックライト3が点灯されるかするまで待機する。
制御部1は、輝度センサ8の出力値と、この出力値が得られる輝度でバックライト3が点灯された点灯時間の累積時間とを、メモリ9に点灯時間テーブルとして記憶しており、上述の所定時刻に達するまでは点灯時間テーブルの更新処理を行うようにしてある。図14は、点灯時間テーブルの一例である。図示のように、点灯時間テーブルには、輝度センサ8の出力値に対するバックライト3の点灯時間が対応付けて記憶されている。ただし、バックライト3が点灯していないときには更新処理を行わないため、点灯時間テーブルに輝度センサ8の出力値が0の場合の点灯時間は記憶していない。
ステップS62にて、バックライト3が点灯されている場合(S62:YES)、輝度センサ8の出力値を取得し(ステップS63)、取得した出力値に対応する点灯時間テーブルのバックライト点灯時間を増して、点灯時間テーブルの更新を行う(ステップS64)。次いで、予め定められた輝度センサ8による輝度測定の周期が経過したか否かを調べ(ステップS65)、経過していない場合は(S65:NO)、測定の周期が経過するまで待機し、また、経過した場合には(S65:YES)、ステップS61へ戻って上述の処理を繰り返し行う。例えば、輝度センサ8による測定の周期が100msである場合、ステップS64では輝度センサ8の出力値に対応するバックライト点灯時間を100ms増し、ステップS65では100msを待機した後に、ステップS61の処理へ戻るようにしてある。
ステップS61にて、計時処理による現在の時刻が所定時刻である場合(S61:YES)、点灯時間テーブルを基に、補正を行う周期をなす所定時間(例えば、1日に1回補正を行うのであれば24時間、又は2回補正を行うのであれば12時間などの時間)に対して、輝度センサ8の各出力値でバックライト3が点灯されていた時間が占める割合をそれぞれ算出する(ステップS66)。次いで、メモリ9から補正テーブル10を読み出して、輝度センサ8の各出力値に対する補正値を算出し(ステップS67)、各補正値をステップS66にて算出した割合で重み付けし、重み付けした補正値の合計値を算出する(ステップS68)。
即ち、ステップS66、S67、S68にて行う処理は、以下に示す数式で表すことができる。なお、以下の数式において、si は輝度センサ8の出力値であり、ti はsi に対応するバックライト3の点灯時間であり、Tは補正を行う周期(所定時間)であり、wi はsi に対応する重みであり、ai はsi に対応する時刻補正値である。また、iは1からnまでの自然数であり、nは補正テーブル10に記憶されている時刻補正値の数である。
ステップS66にて(1)式の処理を行い、ステップS67にて(2)式のように補正テーブル10を基にsi からai を算出し、ステップS68にて(3)式の処理を行うようにしてある。(1)式、(2)式及び(3)式から算出されるAが計時処理による現在の時刻に対して実際に補正を行う値であり、この値が正値の場合には時刻を進める補正を行い、負値の場合には時刻を遅らせる補正を行うようにしてある。例えば、図9及び図14に示した例の数値を用いて計算を行った場合、以下に示す(4)式の算出結果となり、計時処理による時刻を0.4824秒進める補正を行う。なお、点灯時間テーブルには輝度センサ8の出力値が0の場合の点灯時間は記憶されていないが、所定時間からバックライト3が点灯していた時間の合計値を減算することにより算出できる。
ステップS68にて合計値を算出した後、この合計値に従って計時処理による時刻を補正し(ステップS69)、処理を終了する。ただし、制御部1は、計時処理を行っている間は、補正を行った後に点灯時間テーブルを初期化して、図13に示す処理を繰り返し行うようにしてある。
以上の構成の表示装置においては、バックライト3が発する熱により水晶発振素子7の周囲の温度が上昇し、水晶発振素子7の発振周波数が変化し、水晶発振素子7を用いた制御部1による計時処理に誤差が生じた場合であっても、バックライト3が発する光の輝度から推定できる温度を基にして算出された補正値をメモリ9に補正テーブル10として記憶しておき、補正テーブル10に基づいて時刻補正を行う構成としたため、表示装置が輝度センサ8をすでに備えている場合には新たなデバイスを追加することなく、水晶発振素子7の周囲の温度変化による計時処理の誤差を簡単に補正することができる。
また、バックライト3の点灯時間のみを点灯時間テーブルに記憶しておき、1日に数回程度の所定時刻にのみ時刻補正を行う構成とすることにより、制御部1が行う他の処理に対して妨げとなることがなく、制御部1の負荷の増大を抑制することができる。計時処理に生じる誤差は24時間で最大3秒程度(輝度を最大の設定としてバックライト3を24時間点灯させた場合)であるため、1日に数回の時刻補正で表示装置のタイマ機能のための計時処理としては十分な精度を保つことができる。
なお、本実施の形態においては、メモリ9に輝度センサ8の出力値と時刻補正値との対応をテーブルとして記憶しておく構成としたが、これに限るものではなく、時刻補正値は計時処理に生じる誤差量から一意的に導くことができるため、輝度センサ8の出力値と計時処理に生じる誤差量、又は水晶発振素子7の偏差等との対応をテーブルとして記憶しておく構成としてもよい。また、図13に示す処理手順では、点灯時間テーブルにバックライト3が点灯していない場合の時間を記憶しない構成としたが、これに限るものではなく、点灯時間テーブルにバックライト3が点灯していない場合の時間、即ち輝度センサ8の出力値が0の場合の時間を記憶する構成であってもよい。また、時刻補正を1日に数回程度行う構成としたが、これに限るものではなく、1分毎、1秒毎又は100ms毎等のより短い周期で時刻補正を行う構成であってもよい。また、水晶発振素子7を用いた計時処理を補正する構成としたが、これに限るものではなく、周囲温度の変化によって動作特性が変化する他のデバイスを用いた処理の変化を補正する場合に同様の構成を適用することが可能である。
また、図4、11、12において示したテーブルの作成手順は一例であって、これに限るものではない。また、図2、3、5、6、7、8、9、10、14に示すグラフ及びテーブルの数値は一例であり、これに限るものではない。
(変形例)
図15は、本発明の実施の形態1の変形例に係る表示装置の構成を示すブロック図である。変形例に係る表示装置は、バックライト3の輝度を検出する輝度センサ8に代えて、バックライト3を流れる管電流を検出する管電流検出部8aを備えている。バックライト3の輝度は、バックライト3を流れる管電流に比例するため、制御部1aは、管電流検出部8aの検出結果に応じてバックライト3の輝度を制御するようにしてある。また、メモリ9には、管電流検出部8aが検出する管電流の検出値と、水晶発振素子7を用いた計時処理に生じる時刻誤差を補正するための補正値との対応が補正テーブル10aに記憶されている。
以上のように、表示装置が輝度センサ8を備えない場合であっても、バックライト3を流れる管電流を検出する管電流検出部8aを備える場合であれば、検出された管電流により水晶発振素子7の周囲の温度の変化を推定することが可能であり、管電流に応じて計時処理に生じる時刻誤差を補正することが可能である。なお、補正テーブル10aの作成工程及び時刻補正の処理手順等は図4及び図13等に示すフローチャートと同様であるため詳細な説明は省略する。
(実施の形態2)
図16は、本発明の実施の形態2に係る表示装置の構成を示すブロック図である。実施の形態2に係る表示装置は、輝度センサ8又は管電流検出部8a等のバックライト3の動作量を検出する機構を備えていない。バックライト3の輝度は、インバータ6から与えられる電圧・電流に応じて変化し、インバータ6が出力する電圧・電流は制御部101から与えられるPWM方式の制御信号に応じて変化する。よって、制御部101は、インバータ6へ与える制御信号のパルス幅からバックライト3の輝度を推定することができ、バックライト3が発する熱による周囲の温度の変化を推定することができる。メモリ9には、インバータ6へ与える制御信号のパルス幅と、計時処理に生じる時刻誤差を補正するための補正値との対応が補正テーブル110に記憶されており、制御部101は補正テーブル110を基にして水晶発振素子7を用いた計時処理に生じる時刻誤差の補正を行なうようにしてある。
図17は、時刻誤差を補正するための補正テーブル110の作成工程を示すフローチャートである。まず、表示装置の設計段階又は試作段階等にて、周囲温度に対する水晶発振素子7の発振周波数の特性(以下、”周波数偏差−温度”特性という)を測定する(ステップS101)。測定により得られた”周波数偏差−温度”特性から、温度に対する所定時間での時刻誤差を一意的に算出することができ、時刻誤差を補正する補正値を一意的に算出することができるため、これを算出して、温度に対する時刻補正値のテーブル(以下、”時刻補正値−温度”テーブルという)を作成する(ステップS102)。
次いで、表示装置の設計段階又は試作段階等にて、バックライト3の輝度に対する水晶発振素子7の周囲温度の特性(以下、”温度−バックライトの輝度”特性という)を測定する(ステップS103)。次いで、ステップS102にて得られた”時刻補正値−温度”テーブル、及びステップS103にて得られた”温度−バックライトの輝度”特性を基に、バックライト3の輝度に対する時刻補正値を算出して、テーブル(以下、”時刻補正値−バックライトの輝度”テーブルという)を作成する(ステップS104)。
次いで、制御部101がインバータ6へ与えるPWM方式の制御信号のパルス幅に対するバックライト3の輝度の特性(以下、”バックライトの輝度−パルス幅”特性という)を測定する(ステップS105)。なお、この測定は、表示装置の製造工程、検査工程又は試験工程等にて、表示装置毎に行うものである。
次いで、ステップS104にて作成した”時刻補正値−バックライトの輝度”テーブル、及びステップS105にて得られた”バックライトの輝度−パルス幅”特性から、PWM方式の制御信号のパルス幅と時刻補正値との対応を有するテーブル(以下、”時刻補正値−パルス幅”テーブルという)を作成し(ステップS106)、作成した”時刻補正値−パルス幅”テーブルを表示装置のメモリ9に補正テーブル110として記憶して(ステップS107)、工程を終了する。
図18は、本発明の実施の形態2に係る表示装置の制御部101が行う時刻補正の処理手順を示すフローチャートである。制御部101は、時刻補正を行うために内部に図示しないカウンタを備えており、このカウンタのリセットを行う(ステップS121)。その後、水晶発振素子7を用いた計時処理による現在の時刻が、予め定められた所定時刻であるか否かを調べ(ステップS122)、所定時刻でない場合には(S122:NO)、更に、バックライト3が点灯さているか否かを調べる(ステップS123)。バックライト3が点灯されていない場合(S123:NO)、ステップS122へ戻り、所定時刻となるか又はバックライト3が点灯されるかするまで待機する。
ステップS123にて、バックライト3が点灯されている場合(S123:YES)、内部に備えるカウンタをカウントアップする(ステップS124)。その後、例えばユーザが表示装置の操作部11を操作して表示する映像の輝度に関する設定を変更するなどし、輝度を変更するためにインバータ6へ与える制御信号のパルス幅に変更が生じたか否かを調べ(ステップS125)、パルス幅が変更されていない場合には(S125:NO)、ステップS122へ戻り、上述の処理を繰り返し行う。
制御部101は、インバータ6へ与えたPWM方式の制御信号のパルス幅と、このパルス幅に応じてバックライト3が駆動された累積時間とを、メモリ9に点灯時間テーブルとして記憶しており、上述の所定時刻以外には点灯時間テーブルの更新処理を行うようにしてある。ステップS125にて、パルス幅が変更されていた場合には(S125:YES)、カウンタのカウント値からバックライト3が点灯されていた時間を算出し、算出した時間を点灯時間テーブルの対応する累積時間に加算することで点灯時間テーブルの更新を行う(ステップS126)。点灯時間テーブルの更新終了後、ステップS121へ戻り、カウンタをリセットして上述の処理を繰り返し行う。バックライト3が点灯されていた時間は、カウンタのカウントアップを行う周期と、カウンタのカウント値とを積算することにより算出することが可能である。
ステップS122にて、計時処理による現在の時刻が所定時刻である場合(S122:YES)、カウンタのカウント値に応じて点灯時間テーブルの更新を行い(ステップS127)、点灯時間テーブルを基に、補正を行う周期をなす所定時間に対して、各パルス幅でバックライト3が駆動されていた時間が占める割合をそれぞれ算出する(ステップS128)。次いで、メモリ9から補正テーブル110を読み出して、各パルス幅に対する補正値を算出し(ステップS129)、各補正値をステップS128にて算出した割合で重み付けして、重み付けした補正値の合計値を算出する(ステップS130)。その後、算出した合計値に従って時刻の補正を行い(ステップS131)、処理を終了する。ただし、制御部101は、計時処理を行っている間は、時刻の補正を行った後に点灯時間テーブルを初期化して、図18に示す処理を繰り返し行うようにしてある。
以上の構成の実施の形態2に係る表示装置においては、バックライト3の輝度を検出する輝度センサ8又はバックライト3を流れる管電流を検出する管電流検出部8aを備えていない場合であっても、制御部101がバックライト3を駆動するインバータ6へ与えるPWM方式の制御信号のパルス幅に応じてバックライト3の輝度を推定し、バックライト3が発する熱による水晶発振素子7の周囲の温度の変化を推定できるため、制御信号のパルス幅に応じて計時処理に発生する誤差の補正を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、PWM方式の制御信号のパルス幅に応じて補正を行う構成としたが、これに限るものではなく、例えば制御信号のデューティー比に応じて補正を行う構成としてもよく、制御部101がインバータ6へバックライト3を駆動する電圧値又は電流値等を数値として与える場合には、この数値に応じて補正を行う構成としてもよく、また、ユーザが操作部11により設定する輝度の設定から、制御部101がインバータ6へ与える制御信号が一意的に決定される場合には、ユーザが設定する輝度の設定に応じて補正を行う構成としてもよい。
なお、実施の形態2に係る表示装置のその他の構成は、実施の形態1に係る表示装置の構成と同様であるため、対応する箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態3)
図19は、本発明の実施の形態3に係る表示装置の構成を示すブロック図である。実施の形態3に係る表示装置は、バックライト3が発する熱による表示装置内部の温度の上昇を抑制するためのファン222と、ファン222に所定の電圧を印加してファン222を回転駆動するファン駆動部221とを備えている。ファン駆動部221は、表示装置の各部の制御を行う制御部201から与えられる回転指令に応じて回転を行うようにしてある。制御部201から与えられる回転指令にはファン222の回転数に係るデータが含まれており、ファン駆動部221は、この回転数でファン222が回転するように電圧の印加を行うようにしてある。
メモリ9には、輝度センサ8の出力値とファン222の回転数との対応が駆動テーブル210に記憶されており、制御部201は、バックライト3の輝度を検出する輝度センサ8の出力値を取得し、駆動テーブル210を読み出してファン222の回転数を決定し、ファン駆動部221へ回転指令を与えるようにしてある。これは、バックライト3の輝度により表示装置内部の温度を推定することができ、推定した前記温度及びファン222の吸気・排気能力から、前記温度を所定の温度以下に低下させるために必要なファン222の回転数を推定することができるためである。
図20は、ファン222を駆動するための駆動テーブル210の作成工程を示すフローチャートである。まず、表示装置の設計段階又は試作段階等にて、ファン222の回転数に対する表示装置内部の温度の変化量の特性(以下、”温度変化量−回転数”特性という)を測定する(ステップS151)。次いで、バックライト3の輝度に対する表示装置内部の温度の特性(以下、”温度−バックライトの輝度”特性という)を測定する(ステップS152)。なお、バックライト3の輝度は、表示装置が備える輝度センサ8により測定したものではなく、より高精度の輝度測定計を用いて測定したものである。
ステップS151にて得られた”温度変化量−回転数”特性から表示装置内部の温度を所定の温度以下に冷却するために必要なファン222の回転数を算出することができ、この算出結果及びステップS152にて得られた”温度−バックライトの輝度”特性から、バックライト3の輝度に対するファン222の最適な回転数の対応情報を有するテーブル(以下、”回転数−バックライトの輝度”テーブルという)を作成する(ステップS153)。
次いで、精度の高い輝度測定計により検出されたバックライト3の輝度に対する輝度センサ8の出力値の特性(以下、”輝度センサの出力値−バックライトの輝度”特性という)を測定する(ステップS154)。なお、この測定は、バックライト3に個体差があるため表示装置の製造工程、検査工程又は試験工程等にて行うものである。
次いで、ステップS153にて作成した”回転数−バックライトの輝度”テーブル、及びステップS154にて得られた”輝度センサの出力値−バックライトの輝度”特性から、輝度センサ8の出力値とファン222の回転数との対応を有するテーブル(以下、”回転数−輝度センサの出力値”テーブルという)を作成する(ステップS155)。その後、”回転数−輝度センサの出力値”テーブルを駆動テーブル210としてメモリ9に記憶させ(ステップS156)、工程を終了する。
図21は、本発明の実施の形態3に係る表示装置の制御部201が行うファン222の駆動処理の手順を示すフローチャートである。まず、制御部201は、バックライト3が点灯されているか否かを調べ(ステップS171)、バックライト3が点灯されていない場合には(S171:NO)、バックライト3が点灯されるまで待機する。バックライト3が点灯されている場合には(S171:YES)、ファン222の回転を開始する(ステップS172)。なお、制御部201は、ファン222の回転を停止させる場合にメモリ9に回転数を記憶するようにしてあり、ステップS172ではこの回転数を読み出してファン222を回転させるようにしてある。
制御部201は、ファン222の回転数を変更する周期(所定時間)を計時する機能を有しており、ファン222の回転開始後、所定時間の計時を開始する(ステップS173)。その後、所定時間(例えば10秒程度の時間)が経過したか否かを調べ(ステップS174)、所定時間が経過していない場合には(S174:NO)、バックライト3の輝度の検出結果である輝度センサ8の出力値を取得する(ステップS175)。制御部201は、輝度センサ8の出力値と、この出力値に対応する輝度でバックライト3が点灯された時間とを、メモリ9に点灯時間テーブルとして記憶しており、ステップS175にて輝度センサ8の出力値を取得した後、取得した出力値に対応する点灯時間を一定時間(輝度センサ8による輝度測定の周期)だけ増して、点灯時間テーブルの更新を行う(ステップS176)。点灯時間テーブルの更新を行った後は、ステップS174へ戻り、所定時間が経過するまで点灯時間テーブルの更新を繰り返し行う。
ステップS174にて、所定の時間が経過した場合(S174:YES)、点灯時間テーブルを基に、所定時間に対して、輝度センサ8の各出力値にてバックライト3が点灯していた時間が占める割合をそれぞれ算出する(ステップS177)。次いで、メモリ9から駆動テーブル210を読み出して、各出力値に対するファン222の回転数を算出し(ステップS178)、各回転数をステップS177にて算出した割合で重み付けして、重み付けした回転数の合計値を算出する(ステップS179)。その後、算出した合計値に従ってファン222の回転数を変更する(ステップS180)。
ファン222の回転数を変更した後、バックライト3が点灯されているか否かを調べ(ステップS181)、バックライト3が点灯されている場合には(S181:YES)、点灯時間テーブルに記憶されている点灯時間を初期化して(ステップS182)、ステップS173へ戻り、上述の処理を繰り返し行う。バックライト3が点灯されていない場合には(S181:NO)、ファン222の回転を停止し(ステップS183)、処理を終了する。
なお、ファン222の回転数を変更する場合に回転数を下げるときには、一定の時間をかけて徐々に回転数を下げることが望ましい。これは、バックライト3の輝度が変化した後に、表示装置内部の温度が変化するまでに時間を要するためである。回転数を変化させるために必要な上述の一定時間は、表示装置の設計段階又は試作段階等に、バックライト3の輝度を低下させた場合の表示装置内部の温度変化を測定し、測定結果から見積もることが可能である。また、回転数を変更する場合に回転数を上げるときには、ファン222の回転数を即座に変更することが望ましい。また、ステップS183にてファン222の回転を停止する場合も同様に、一定時間をかけて徐々にファン222の停止を行うことが望ましい。
以上の構成の実施の形態3に係る表示装置においては、バックライト3の輝度を検出する輝度センサ8の出力値から、バックライト3が発する熱による表示装置内部の温度上昇を推定し、推定される温度上昇を抑制するために必要な回転数でファン222を回転させることができるため、表示装置に温度センサなどのデバイスを追加することなく、温度上昇に最適なファン222の駆動を行うことができる。
なお、実施の形態3においては、ファン222の回転数の変更を10秒程度の所定の時間毎に行う構成としたが、これに限るものではなく、10秒より長い時間毎に回転数の変更を行う構成としてもよく、また、10秒より短い時間毎に回転数の変更を行う構成としてもよい。また、輝度センサ8の出力値を取得する毎に回転数の変更を行う構成としてもよい。また、表示装置が輝度センサ8を備えてバックライト3の輝度を検出する構成としたが、これに限るものではなく、例えば実施の形態1の変形例に示すように、管電流検出部8aを備えてバックライト3の管電流を検出する構成としてもよい。
なお、実施の形態3に係る表示装置のその他の構成は、実施の形態1に係る表示装置の構成と同様であるため、対応する箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態4)
図22は、本発明の実施の形態4に係る表示装置の構成を示すブロック図である。実施の形態4にかかる表示装置は、実施の形態3にかかる表示装置が備える輝度センサ8を備えない構成である。バックライト3の輝度は、インバータ6から与えられる電圧・電流に応じて変化し、インバータ6が出力する電圧・電流は制御部301から与えられるPWM方式の制御信号に応じて変化する。よって、制御部301は、インバータ6へ与える制御信号のパルス幅からバックライト3の輝度を推定することができ、バックライト3が発する熱による周囲の温度の変化を推定することができる。
メモリ9には、インバータ6へ与える制御信号のパルス幅とファン222の回転数との対応が駆動テーブル310に記憶されており、制御部301は、インバータ6へ与える制御信号のパルス幅及び駆動テーブル310からファン222の回転数を決定し、ファン駆動部221へ回転指令を与えるようにしてある。これは、制御信号のパルス幅からバックライト3の輝度を推定することができ、バックライト3の輝度により内部温度を推定することができ、推定した温度及びファン222の吸気・排気能力から、内部温度を所定の温度以下に低下させるために必要なファン222の回転数を推定することができるためである。
図23は、ファン222を駆動するための駆動テーブル310の作成工程を示すフローチャートである。まず、表示装置の設計段階又は試作段階等にて、ファン222の回転数に対する内部温度の変化量の特性(以下、”温度変化量−回転数”特性という)を測定する(ステップS201)。次いで、バックライト3の輝度に対する内部温度の特性(以下、”温度−バックライトの輝度”特性という)を測定する(ステップS202)。なお、バックライト3の輝度は、表示装置が備える輝度センサ8により測定したものではなく、より高精度の輝度測定計を用いて測定したものである。
ステップS201にて得られた”温度変化量−回転数”特性から温度を所定の温度以下に冷却するために必要なファン222の回転数を算出することができ、この算出結果及びステップS202にて得られた”温度−バックライトの輝度”特性から、バックライト3の輝度に対するファン222の最適な回転数をテーブル(以下、”回転数−バックライトの輝度”テーブルという)を作成する(ステップS203)。
次いで、インバータ6へ与える制御信号のパルス幅に対するバックライト3の輝度の特性(以下、”バックライトの輝度−パルス幅”特性という)を測定する(ステップS204)。なお、この測定は、バックライト3に個体差があるため、表示装置の製造工程、検査工程又は試験工程等にて行うものである。
次いで、ステップS203にて作成した”回転数−バックライトの輝度”テーブル、及びステップS204にて得られた”バックライトの輝度−パルス幅”特性から、制御信号のパルス幅とファン222の回転数との対応を有するテーブル(以下、”回転数−パルス幅”テーブルという)を作成する(ステップS205)。その後、”回転数−パルス幅”テーブルを駆動テーブル310としてメモリ9に記憶させ(ステップS206)、工程を終了する。
図24は、本発明の実施の形態4に係る表示装置の制御部301が行うファン222の駆動処理の手順を示すフローチャートである。まず、制御部301は、バックライト3が点灯されているか否かを調べ(ステップS221)、バックライト3が点灯されていない場合には(S221:NO)、バックライト3が点灯されるまで待機する。バックライト3が点灯されている場合には(S221:YES)、ファン222の回転を開始する(ステップS222)。なお、制御部301は、ファン222の回転を停止させる場合にメモリ9に回転数を記憶するようにしてあり、ステップS222ではこの回転数を読み出してファン222を回転させるようにしてある。
次いで、制御部301は、ユーザが操作部11を操作するなどして輝度設定が変更され、インバータ6へ与える制御信号のパルス幅に変更が生じたか否かを調べる(ステップS223)。パルス幅に変更が生じた場合(S223:YES)、メモリ9から駆動テーブル310を読み出して(ステップS224)、変更したパルス幅に対応する回転数を駆動テーブル310を基に算出し(ステップS225)、算出結果に応じてファン222の回転数を変更する(ステップS226)。その後、ステップS223に戻り上述の処理を行う。
ステップS223にて、制御信号のパルス幅に変更が生じていない場合(S223:NO)、更に、バックライト3が点灯しているか否かを調べ(ステップS227)、バックライト3が点灯している場合には(S227:YES)、ステップS223へ戻り、パルス幅に変更が生じるか、又はバックライト3が消灯されるかするまで待機する。バックライト3が点灯していない場合、即ち消灯された場合には(S227:NO)、ファン222の回転を停止し(ステップS228)、処理を終了する。
なお、ステップS226にてファン222の回転数を変更する場合に回転数を下げるときには、一定の時間をかけて徐々に回転数を下げることが望ましい。また、回転数を変更する場合に回転数を上げるときには、ファン222の回転数を即座に変更することが望ましい。また、ステップS228にてファン222の回転を停止する場合も同様に、一定時間をかけて徐々にファン222の停止を行うことが望ましい。
以上の構成の実施の形態4に係る表示装置においては、バックライト3の輝度を検出するための輝度センサ8又はバックライト3を流れる管電流を検出する管電流検出部8aを備えていない場合であっても、制御部301がインバータ6へ与えるPWM方式の制御信号のパルス幅に応じてバックライト3の輝度を推定し、バックライト3が発する熱による表示装置内部の温度の変化を推定できるため、制御信号のパルス幅に応じてファン222の回転数を制御することができる。よって、温度センサなどのデバイスを追加することなく、温度上昇に最適なファン222の駆動を行うことができる。
なお、実施の形態4においては、ファン222の回転数の変更を、インバータ6へ与える制御信号のパルス幅に変更が生じた場合に行う構成としたが、これに限るものではなく、実施の形態3と同様に、所定の時間毎に行う構成としてもよい。また、制御信号のパルス幅に応じてファン222の回転数の変更を行う構成としたが、これに限るものではなく、例えば制御信号のデューティー比に応じて回転数の変更を行う構成としてもよく、制御部301がインバータ6へバックライト3を駆動する電圧値又は電流値等を数値として与える場合には、この数値に応じて回転数の変更を行う構成としてもよく、また、ユーザが操作部11により設定する輝度の設定から、制御部301がインバータ6へ与える制御信号が一意的に決定される場合には、ユーザが設定する輝度の設定に応じて回転数の変更を行う構成としてもよい。
なお、実施の形態4に係る表示装置のその他の構成は、実施の形態3に係る表示装置の構成と同様であるため、対応する箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。