以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の一実施形態による連続端子の形成に用いられる端子原板の構成を示した上面図である。まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による連続端子の形成に用いられる端子原板の構成について説明する。
この端子原板は、図1に示すように、単一のキャリア1と、第1展開部2と、第2展開部3と、連結部4とを一体に有しており、単一の金属板からの打ち抜き加工により形成されるものである。
キャリア1は、所定方向へ延びる帯状に形成されている。このキャリア1には、その長手方向に沿って所定間隔で貫通孔1aが設けられている。また、キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側には、複数対の凹部1b(第1凹部)が設けられている。各対の凹部1b,1bは、キャリア1の長手方向において隣り合う上記貫通孔1a間の領域に設けられており、1対の凹部1b,1bを構成する各凹部1bはその領域内においてキャリア1の長手方向に所定間隔を隔てて設けられている。
上記第1展開部2は、キャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がっており、キャリア1の長手方向に沿って所定間隔で複数設けられている。また、第1展開部2は、キャリア1の長手方向に対して直交する方向に延びている。この第1展開部2は、後述する連続端子の第1端子20の展開形状を有している。また、第1展開部2は、接続部展開部2aと、ワイヤバレル展開部2bと、インシュレーションバレル展開部2cとを備えている。
接続部展開部2aは、後述する第1端子20の接続部20aの展開形状を有しており、第1展開部2のキャリア1と反対側の端部から第1展開部2の長手方向中央部辺りまでの領域に設けられている。また、ワイヤバレル展開部2bは、後述する第1端子20のワイヤバレル20bの展開形状を有しており、接続部展開部2aのキャリア1側に設けられている。このワイヤバレル展開部2bは、キャリア1の長手方向に沿って第1展開部2の左右両側に突設された一対の圧着片2d,2dを有している。また、ワイヤバレル展開部2bは、その上方に突出するとともにキャリア1の長手方向に沿って延びる3本の突起部2eを有している。この3本の突起部2eは、キャリア1の長手方向に直交する方向に所定間隔で設けられている。
インシュレーションバレル展開部2cは、後述する第1端子20のインシュレーションバレル20cの展開形状を有しており、ワイヤバレル展開部2bのキャリア1側に設けられている。このインシュレーションバレル展開部2cは、キャリア1の長手方向に沿って第1展開部2の左右両側に突設された一対の圧着片2f,2fを有している。
上記第2展開部3は、キャリア1の長手方向と直交する幅方向の他方端側、すなわちキャリア1の幅方向の上記第1展開部2と反対側の端部に上記連結部4を介して繋がっている。そして、第2展開部3は、このキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結部4を介してそれぞれ繋がっている。また、第2展開部3は、キャリア1の長手方向に対して直交する方向に延びており、後述する連続端子の第2端子30の展開形状を有している。また、第2展開部3は、上記第1展開部2をキャリア1に対して反転させた形状を有する。
第2展開部3は、上記第1展開部2の接続部展開部2a、ワイヤバレル展開部2b、インシュレーションバレル展開部2c、圧着片2d、突起部2e及び圧着片2fと同様の構成の接続部展開部3a、ワイヤバレル展開部3b、インシュレーションバレル展開部3c、圧着片3d、突起部3e及び圧着片3fを有している。接続部展開部3a、ワイヤバレル展開部3b及びインシュレーションバレル展開部3cは、それぞれ後述する第2端子30の接続部30a、ワイヤバレル30b及びインシュレーションバレル30cの展開形状を有している。また、ワイヤバレル展開部3bに設けられた突起部3eは、第2展開部3の下側に突出している。
上記連結部4は、第2展開部3をキャリア1の長手方向と直交する幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結するものである。また、この連結位置は、キャリア1の一対の凹部1b,1b間に対応する位置である。また、連結部4は、この連結部4を折り返すことによりキャリア1を跨いで第2展開部3からなる後述する第2端子30を第1展開部2側に配置可能な長さを有する。そして、連結部4は、キャリア1の一対の凹部1b,1bにそれぞれ係合可能な形状を有する一対の係合部4a,4aを有している。この係合部4aは、キャリア1の長手方向に沿って連結部4の左右両側に延設された後、キャリア1の長手方向と直交する方向で第2展開部3側に屈曲している。係合部4a,4aのこの屈曲した部分が上記一対の凹部1b,1bにそれぞれ対応する位置に配置されている。
以上のように、前記端子原板では、第2展開部3が第1展開部2が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側と反対側の他方端側に設けられているとともに、この他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結部4を介して繋がっているので、第2展開部3から形成する後述する第2端子30を連結部4においてキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返すことにより第1展開部2から形成する後述する隣り合う第1端子20間の間隙に配置することができる。なお、第1展開部2と第2展開部3とは、展開状態では幅広であるが、第1展開部2と第2展開部3とがキャリア1を挟んで左右に振り分けられているので、この状態では互いに干渉しない。そして、第1展開部2と第2展開部3とをそれぞれ曲げ加工することにより第1端子20と第2端子30とを組立てて幅が小さくなった後は、第2端子20を第1端子30側に折り返すことで第1端子20と第2端子30とを交互に小さい間隔で配列された状態にすることができる。これにより、連続端子の単位長さ当たりに含まれる端子数を増加させることができるので、この連続端子が巻き取られた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。このため、このリールに巻かれた連続端子を用いて電線に端子を圧着する際により多くの電線に端子を圧着することが可能であり、電線への端子の圧着作業時に連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができる。その結果、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。
また、前記端子原板では、複数の第1展開部2がキャリア1の幅方向の一方端側に繋がっているとともに、複数の第2展開部3が連結部4を介してそのキャリア1の幅方向の他方端側に繋がっているので、複数の第1展開部2から複数の第1端子20を形成するとともに複数の第2展開部3から複数の第2端子30を形成することによって複数の第1端子20及び複数の第2端子30が単一のキャリア1に繋がる連続端子を構成することができる。これにより、2本の連続端子のキャリア部分を上下に重ねて溶着することにより1本の連続端子を作製する場合と異なり、電線への端子の圧着後は不要な部分として廃棄されるキャリア部分が増大するのを抑制することができる。これにより、キャリア部分に要する材料が増大するのを抑制することができるので、その分、材料コストの増大を抑制することができる。
図2は、本発明の一実施形態による連続端子の構成を示した上面図である。図3は、図2に示した連続端子を矢印III方向から見た側面図、図4は、図2に示した連続端子のIV−IV線に沿った断面図である。次に、図2〜図4を参照して、本発明の一実施形態による連続端子の構成について説明する。
本実施形態による連続端子は、上記端子原板を用いて形成されたものであり、上記端子原板の各部を曲げ加工することによって形成されている。この連続端子は、図2に示すように、キャリア1と、第1端子20と、第2端子30と、連結部4とを一体に有している。キャリア1は、上記端子原板のキャリア1(図1参照)と同様の構成を有している。このキャリア1は、複数の上記第1端子20及び複数の上記第2端子30を相互に連結して一連の連続した端子群として構成するものである。
また、キャリア1は、上記端子原板のキャリア1と同様の貫通孔1aを有しており、本実施形態による連続端子を用いて電線に第1端子20及び第2端子30を圧着する際に圧着機の送り機構がこの貫通孔1aの部分を引掛けて連続端子を引っ張ることによって第1端子20及び第2端子30を順番に電線への圧着部へ供給するようになっている。なお、キャリア1は、第1端子20及び第2端子30が電線に圧着された後は廃棄される部分である。また、キャリア1は、上記端子原板と同様の複数対の凹部1b,1b(第1凹部)も有している。
上記第1端子20は、上記端子原板の第1展開部2(図1参照)を曲げ加工することにより形成されている。この第1端子20は、被覆電線に圧着されるとともにコネクタのハウジングに装着され、そのコネクタと相手側のコネクタとが嵌合したときに相手側のコネクタの端子と結合して電気的な接続を取るものである。第1端子20は、キャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がっており、キャリア1の長手方向に沿って所定間隔で複数設けられている。また、第1端子20は、キャリア1の長手方向と直交する方向に延びている。そして、第1端子20は、接続部20aと、ワイヤバレル20bと、インシュレーションバレル20cとを有している。
接続部20aは、上記端子原板の接続部展開部2aを曲げ加工することにより形成されており、第1端子20のキャリア1と反対側の端部から第1端子20の長手方向中央部辺りまでの領域に設けられている。この接続部20aは、上記相手側のコネクタの端子と結合して電気的な接続を取るための部分である。
ワイヤバレル20bは、上記端子原板のワイヤバレル展開部2bを曲げ加工することにより形成され、接続部20aのキャリア1側に設けられている。このワイヤバレル20bは、図3に示すように、上側に開口する断面U字形状を有しており、被覆電線の導線部に圧着される部分である。このワイヤバレル20bは、キャリア1の長手方向に所定間隔を隔てて配置された一対の圧着片20d,20dを有しており、この一対の圧着片20d,20dは、上記端子原板の一対の圧着片2d,2dが曲げ起こされた部分である。第1端子20の被覆電線への圧着時には、この一対の圧着片20d,20d間に被覆電線の導線部がセットされるとともに、その導線部に対して一対の圧着片20d,20dをかしめることによって被覆電線の導線部がワイヤバレル20bで保持されるようになっている。
また、ワイヤバレル20bの内側面にはワイヤバレル20bの内側へ突出する3つの突起部20eが設けられている。この3つの突起部20eは、上記端子原板の3つの突起部2eに対応する部分であり、キャリア1の長手方向と直交する方向に所定間隔で設けられている。ワイヤバレル20bが上記被覆電線の導線部に圧着される際、この突起部20eは導線部に食い込んで導線部がワイヤバレル20bから抜けにくくするとともに導線部とワイヤバレル20bとの電気的な接続を確実にする。
インシュレーションバレル20cは、上記端子原板のインシュレーションバレル展開部2cを曲げ加工することにより形成され、ワイヤバレル20bのキャリア1側に設けられている。このインシュレーションバレル20cは、図3に示すように、上側に開口する断面U字形状を有しており、被覆電線の被覆部に圧着される部分である。このインシュレーションバレル20cは、キャリア1の長手方向に所定間隔で配置された一対の圧着片20f,20fを有しており、この一対の圧着片20f,20fは、上記端子原板の一対の圧着片2f,2fが曲げ起こされた部分である。第1端子20の被覆電線への圧着時には、この一対の圧着片20f,20f間に被覆電線の被覆部がセットされるとともに、その被覆部に対して一対の圧着片20f,20fをかしめることによって被覆電線の被覆部がインシュレーションバレル20cで保持されるようになっている。
上記第2端子30は、上記端子原板の第2展開部3(図1参照)を曲げ加工することにより形成されている。この第2端子30は、上記第1端子20と同様の機能を有しており、被覆電線に圧着されるとともに相手側のコネクタの端子と結合して電気的な接続を取るものである。第2端子30は、キャリア1の長手方向と直交する幅方向の他方端側、すなわちキャリア1の幅方向の上記第1端子20と反対側の端部に上記連結部4を介して繋がっており、キャリア1の長手方向に沿って所定間隔で複数設けられている。
そして、図4に示すように、連結部4のキャリア1に対する結合部近傍において、第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の他方端側から一方端側(第1端子20側)へ連結部4がキャリア1上に重なるように折り返されている。これにより、隣り合う第1端子20間に第2端子30がそれぞれ配置されている。したがって、本実施形態による連続端子では、キャリア1の長手方向に沿ってこのキャリア1に共に繋がる第1端子20及び第2端子30が交互に配置されている。なお、本実施形態による連続端子では、図3に示すように、第2端子30が第1端子20に比べて連結部4の厚みの分だけ上方に位置している。
第2端子30は、上記第1端子20の接続部20a、ワイヤバレル20b、インシュレーションバレル20c、圧着片20d、突起部20e及び圧着片20fと同様の構成及び機能を有する接続部30a、ワイヤバレル30b、インシュレーションバレル30c、圧着片30d、突起部30e及び圧着片30fを備えている。この接続部30a、ワイヤバレル30b及びインシュレーションバレル30cは、上記端子原板の接続部展開部3a、ワイヤバレル展開部3b及びインシュレーションバレル展開部3cをそれぞれ曲げ加工することにより形成されている。
また、連結部4は、上記端子原板の連結部4と同様、左右両側へ突出する一対の係合部4a,4aを有している。上記のように第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返された状態でこの一対の係合部4a,4aがキャリア1の一対の凹部1b,1bに係合することによって、隣り合う第1端子20間における第2端子30の位置が固定されている。この際、係合部4aのキャリア1の長手方向に平行な部分から垂直に屈曲された部分が凹部1bに対して係合しており、この係合部4aの屈曲した部分は、その先端部側がキャリア1の下面に当接するように折り返されることによってキャリア1の凹部1bと強固に結合されている。
以上のように、本実施形態による連続端子では、上記端子原板と同様、各第1展開部2からそれぞれ第1端子20を形成することによって隣り合う第1展開部2間の間隙から拡大した第1端子20間の間隙が第2端子30で埋められているので、キャリア1の長手方向に沿って各端子を小さい間隔で配列することができる。これにより、連続端子の単位長さ当たりに含まれる端子数を増加させることができるので、この連続端子が巻かれた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。これにより、電線への端子の圧着作業時に端子を供給する連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができるので、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態による連続端子では、複数の第1端子20がキャリア1の幅方向の一方端側に繋がっているとともに、複数の第2端子30が連結部4を介してそのキャリア1の幅方向の他方端側に繋がっているので、上記端子原板と同様、電線への端子の圧着後は不要な部分として廃棄されるキャリア部分が増大するのを抑制することができる。これにより、キャリア部分に要する材料が増大するのを抑制することができるので、その分、材料コストの増大を抑制することができる。
また、本実施形態による連続端子では、第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の一方端側に折り返された状態で、連結部4の係合部4a,4aとキャリア1の凹部1b,1bとが係合することにより隣り合う第1端子20間における第2端子30の位置が固定されるので、第2端子30を連結部4においてキャリア1の幅方向の一方端側に折り返したときに第2端子30を隣り合う第1端子20間の位置で確実に固定することができる。
図5は、本発明による連続端子の製造方法に用いる製造ラインの構成を示した概略図である。図6〜図8は、本発明の一実施形態による連続端子の製造プロセスを説明するための図である。次に、図1〜図8を参照して、本実施形態による連続端子の製造方法について説明する。
本実施形態による連続端子の製造方法では、図5に示すような製造ラインを用いて連続した一連の工程で連続端子を作製する。この製造ラインは、端子原板を作製する打ち抜き部201と、端子原板の第1展開部2及び第2展開部3から第1端子20及び第2端子30を成形する端子成形部202と、第2端子30を第1端子20側に折り返す反転部203と、作製された連続端子をリールに巻き取る巻取り部204とを備えている。
この製造ラインにおいて、まず、端子原板及び連続端子の材料となる長尺で幅広の金属薄板100(金属板)がその長手方向に沿って順次打ち抜き部201に送り込まれる。そして、打ち抜き部201において金属薄板100の打ち抜き加工が行われることにより図1に示した端子原板が作製される。そして、作製された端子原板は順次端子成形部202に送り込まれる。
端子成形部202では、端子原板の第1展開部2及び第2展開部3の曲げ加工が行われる。この際、第1展開部2から第1端子20が形成されるとともに第2展開部3から第2端子30が形成されることによって、図6〜図7に示すような構造が形成される。この端子成形部202による加工後の構造では、複数の第1端子20がキャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側にキャリア1の長手方向に沿って所定間隔で設けられている一方、複数の第2端子30がキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1端子20間に対応する位置に連結部4を介してそれぞれ設けられている。この状態では、第1端子20と第2端子30とは、キャリア1に対して互いに反転した向きで設けられている。
なお、製造ラインの端子成形部202は単一の金型を有しており、この単一の金型内で上記第1展開部2及び第2展開部3がプレスされることにより第1端子20及び第2端子30が同時に形成される。この際、具体的には、第1展開部2の接続部展開部2aから接続部20aが形成されるとともに、第1展開部2のワイヤバレル展開部2bから断面U字形状のワイヤバレル20bが形成される。また、第1展開部2のインシュレーションバレル展開部2cから断面U字形状のインシュレーションバレル20cが形成される。
次に、反転部203において、上記のように形成された第2端子30が第1端子20が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返される。この際、具体的には、連結部4のキャリア1の幅方向の他方端側に対する結合部近傍の領域を折り目として連結部4がキャリア1上に重なるように第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返される。また、この際、同時に連結部4の一対の係合部4a,4aの先端部がキャリア1の下面側に折り返されるとともに、この係合部4a,4aとキャリア1の一対の凹部1b,1bとが係合する。なお、上記反転部203と上記端子成形部202とは1つの装置内に設けられており、端子成形部202における第1端子20及び第2端子30の形成と反転部203における第2端子30の折り返しとは連続した一連の工程内で行われる。上記のようにして図2〜図4に示した本実施形態による連続端子が作製され、この後、その連続端子が巻取り部204において順次リールに巻き取られる。
以上のように、本実施形態による連続端子の製造方法では、キャリア1の幅方向の一方端側に繋がる複数の第1展開部2から複数の第1端子20を形成するとともにキャリア1の幅方向の他方端側に連結部4を介して繋がる複数の第2展開部3から複数の第2端子30を形成した後、隣り合う第1端子20間にキャリア1の幅方向の他方端側から第2端子30を折り返して配置することができるので、上記端子原板及び連続端子と同様、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができるという効果を得ることができる。
また、本実施形態による連続端子の製造方法では、複数の第1展開部2から複数の第1端子20をキャリア1の幅方向の一方端側に繋がるように形成するとともに、複数の第2展開部3から複数の第2端子30を連結部4を介してそのキャリア1の幅方向の他方端側に繋がるように形成することができるので、上記端子原板及び連続端子と同様、材料コストの増大を抑制することができるという効果を得ることができる。
また、本実施形態による連続端子の製造方法では、第1端子20及び第2端子30は、端子成形部202の単一の金型内で同時に形成するので、第1端子20及び第2端子30を別個の金型内でそれぞれ形成する場合に比べて、連続端子の製造工程を簡略化することができる。
また、本実施形態による連続端子の製造方法では、端子成形部202においてキャリア1の幅方向の一方端側に第1端子20を形成するとともにキャリア1の幅方向の他方端側に第2端子30を形成する工程と、反転部203において第2端子をキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返す工程とが連続した一連の工程内で行われるので、第1端子20及び第2端子30を形成する工程と、第2端子30をキャリア1の第1端子20側へ折り返す工程とが繋がりのない別個の工程として行われる場合と異なり、第1端子20及び第2端子30を形成した後、キャリア1に繋がった第1端子20及び第2端子30を第2端子30を折り返すための装置へ移す作業等が不要となり、連続端子の製造工程を簡略化することができる。
(参考例)
図9は、本発明の参考例による端子原板の構成を示した上面図である。次に、図9を参照して、本発明の参考例による端子原板の構成について説明する。
この参考例による端子原板は、上記実施形態と異なり、第2展開部3が屈曲した連結部4を介してキャリア1に繋がっているとともに、隣り合う第1展開部2間に対応する位置からキャリア1の長手方向に所定距離だけずれた位置に第2展開部3が配置されている。
具体的には、この参考例による端子原板では、連結部4は第1連結部4b及び4cからなる。第1連結部4bは、第1展開部2が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側と反対側、すなわち、キャリア1の幅方向の他方端側に結合している。また、第1連結部4bは、このキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に結合するとともに、キャリア1の長手方向と直交する方向に延設されている。そして、第1連結部4bは、この第1連結部4を折り返すことによりキャリア1を跨いで第2展開部3からなる第2端子30を第1展開部2側に配置可能な長さを有する。
第2連結部4cは、第1連結部4bのキャリア1と反対側の端部からキャリア1の長手方向と平行に延設されており、この部分で連結部4が直角に屈曲している。この第2連結部4cの第1連結部4bと反対側の端部には、第2展開部3が結合している。第2展開部3は、この第2連結部4cの端部からキャリア1の長手方向と直交する方向に延びている。このように、第2展開部3は、第1連結部4bと第2連結部4cとの結合部で直角に屈曲した連結部4を介してキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に繋がっているとともに、その第1展開部2間に対応する位置から第2連結部4cの長さ分だけずれた位置に配置されている。また、この参考例では、上記実施形態と異なり、第2展開部3は第1展開部2を180°回転させた形状を有している。
また、第1展開部2が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側には、上記実施形態による複数対の凹部1b,1bの代わりに複数の凹部1c(第2凹部)が設けられている。この複数の凹部1cは、上記第1連結部4bのキャリア1への結合位置に対応する位置にそれぞれ設けられている。参考例による端子原板の上記以外の構成は、上記実施形態による端子原板の構成と同様である。
以上のように、参考例による端子原板では、複数の第1展開部2がキャリア1の幅方向の一方端側に繋がるとともに、第2展開部3がキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結部4を介して繋がっているので、上記実施形態による端子原板と同様、材料コストの増大を抑制しながら、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができるという効果を得ることができる。
図10は、本発明の参考例による連続端子の構成を示した上面図である。図11は、図10に示した連続端子を矢印XI方向から見た側面図であり、図12は、図10に示した連続端子のXII−XII線に沿った断面図である。次に、図9〜図12を参照して、本発明の参考例による連続端子の構成について説明する。
この参考例による連続端子は、上記実施形態による連続端子と連結部4の部分が異なっている。具体的には、この参考例による連続端子は、図9に示した参考例による端子原板を曲げ加工することにより形成されるものであり、この連続端子の連結部4は、上記端子原板の連結部4と同様、第1連結部4b及び第2連結部4cを有している。この連続端子の第1連結部4bは、図12に示すように、上記端子原板の第1連結部4b(図9参照)がキャリア1上に重なるようにキャリア1への結合部近傍の領域を折り目として第1端子20が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返されたものである。
また、この参考例による連続端子の第2連結部4cは、図9に示した端子原板の第2連結部4cが曲げ加工により折り重ねられたものである。この連続端子の第2連結部4cは、長手方向の一方端部が第1連結部4bに繋がるとともに長手方向の他方端部が第2端子30に繋がっている。そして、第2連結部4cは、この長手方向の他方端部が長手方向の一方端部の下面上に重なるように折り重ねられている。これにより、第2端子30の第2連結部4cとの結合部は、第2連結部4cの板厚分だけキャリア1上に重なる第1連結部4bの下方に位置するので、キャリア1と同じ高さ位置に配置される。このため、参考例では、図11に示すように、第2端子30がキャリア1に直接繋がる第1端子20と同じ高さ位置に配置されている。
また、第1端子20が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側には、図9に示した端子原板と同様の複数の凹部1c(第2凹部)が設けられている。この複数の凹部1cは、キャリア1の幅方向の一方端側の第2端子30に対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、この凹部1c内に上記の折り重ねられた第2連結部4cが収容されている。これにより、第2端子30の第2連結部4cへの結合部が、第1端子20が結合するキャリア1の幅方向の一方端側の縁部近傍に配置される。このため、第2端子30の第2連結部4cへの結合位置と、第1端子20のキャリア1への結合位置とが揃うので、キャリア1の長手方向に沿って配列された複数の第1端子20及び複数の第2端子30のキャリア1からの距離が揃うように配置されている。
参考例による連続端子の上記以外の構成は、上記実施形態による連続端子の構成と同様である。
以上のように、参考例による連続端子では、連結部4がキャリア1の幅方向の他方端側から幅方向の一方端側へキャリア1上に重なるように折り返された第1連結部4bと、一方端部が第1連結部4bに繋がるとともに他方端部が第2端子30に繋がり、その他方端部が一方端部の下に重なるように折り重ねられた第2連結部4cとを含むので、キャリア1上に重なるように折り返された第1連結部4bに繋がる第2連結部4cの一方端部の下側に第2連結部4cの他方端部を配置することができる。これにより、第2連結部4cの他方端部をキャリア1と同じ高さ位置に配置することができるので、第2連結部4cの他方端部に繋がる第2端子30とキャリア1に繋がる第1端子20とを同じ高さ位置に配置することができる。このため、第1端子20の高さ位置と第2端子30の高さ位置とがばらつくのを抑制することができるので、第1端子20及び第2端子30の高さ位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
また、参考例による連続端子では、キャリア1の幅方向の一方端側の第2端子30に対応する位置に設けられた凹部1c内に折り重ねられた第2連結部4cが収容されているので、第2連結部4cに対する第2端子30の結合位置をキャリア1の幅方向の一方端側に対する第1端子20の結合位置と揃えることができる。これにより、第1端子20のキャリア1からの位置と第2端子30のキャリア1からの位置とを揃えることができるので、第1端子20及び第2端子30のキャリア1からの位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
参考例による連続端子の上記以外の効果は、上記実施形態による連続端子の効果と同様である。
図13〜図18は、本発明の参考例による連続端子の製造方法を説明するための図である。次に、図5及び図9〜図18を参照して、本発明の参考例による連続端子の製造方法について説明する。
この参考例による連続端子の製造方法では、図5に示した上記実施形態と同様の製造ラインを用いて連続端子を作製する。具体的には、製造ラインの打ち抜き部201により金属薄板100を打ち抜き加工することによって図9に示した参考例による端子原板を作製する。
そして、その端子原板が順次端子成形部202に送り込まれるとともに、端子成形部202において、端子原板の第1展開部2及び第2展開部3の曲げ加工が行われる。この際、第1展開部2から第1端子20が形成されるとともに第2展開部3から第2端子30が形成されることによって、図13〜図15に示すような構造が形成される。この端子成形部202による加工後の構造では、複数の第1端子20がキャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側にキャリア1の長手方向に沿って所定間隔で設けられる一方、複数の第2端子30がキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1端子20間に対応する位置に連結部4を介して繋がっている。
そして、第2端子30は、連結部4の第2連結部4cの長さ分だけ第1連結部4bがキャリア1に繋がった位置からキャリア1の長手方向に沿ってずれた位置に配置される。また、この状態において第1端子20と第2端子30とは、上記実施形態と異なり共に上向きに配置されている。
この後、参考例では上記実施形態と異なり、反転部203において第2連結部4cの第1連結部4b側の端部上にその第2連結部4cの第2端子30側の端部が重なるように第2連結部4cが折り重ねられることによって第2端子30が反転される。これにより、図16〜図18に示すような構造が形成される。この構造では、第1連結部4bの延長線上に第2端子30が位置する。すなわち、第2端子30は、隣り合う第1端子20間の中心位置に対応する位置に配置される。また、この状態では、第2端子30が第1端子20をキャリア1に対して反転させた形状を有している。
そして、この状態から反転部203において、第2端子30が第1端子20が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返される。この際、具体的には、第1連結部4bのキャリア1の幅方向の他方端側に対する結合部近傍の領域を折り目として第1連結部4bがキャリア1上に重なるように第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返される。また、この際、折り重ねられた第2連結部4cがキャリア1の幅方向の一方端側に設けられた凹部1c内に収容される。上記のようにして図10〜図11に示した参考例による連続端子が作製され、この後、その連続端子が巻取り部204において順次リールに巻き取られる。参考例による連続端子の製造方法の上記以外の構成は、上記実施形態による連続端子の製造方法と同様である。
以上のように、参考例による連続端子の製造方法では、第2連結部4cの第1連結部4b側の端部上にその第2連結部4cの第2端子30に繋がる端部が重なるように第2連結部4cを折り重ね、その後、第1連結部4bがキャリア1上に重なるように第2端子30及び第1連結部4bをキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返すので、上記参考例による端子原板及び連続端子と同様、第1端子20の高さ位置と第2端子30の高さ位置とがばらつくのを抑制することができる。その結果、第1端子20及び第2端子30の高さ位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
参考例による連続端子の製造方法の上記以外の効果は、上記実施形態による連続端子の製造方法の効果と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。