JP4670434B2 - メータの指示値読取システム - Google Patents
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最近では、例えば特許文献1に記載されているように、情報処理装置の入力ペンにRFID装置を内蔵し、情報処理装置が入力ペンと通信して入力ペンの使用者及びその使用者の筆跡パターン情報を記憶すると共に、この使用者が入力ペンによりタッチパネルを介して手書き入力した文字を、前記パターン情報に基づいて高精度に認識するようにした情報処理システムも提供されている。
更に、河川等の水位を自動的に計測するために、計測サイトの水位中に設置した量水板をITVカメラ(工業用テレビカメラ)により撮像し、画像処理によって水位を求めるようにした水位計測装置が、特許文献3に記載されている。
これら多数のメータの指示値を操作員が人為的に読み取るには多くの労力を必要とし、また、読み取りミスが重大な事故に繋がるおそれもあることから、最近では、前述した特許文献2に記載されているように画像処理技術を応用して指示値を読み取ることも提案されている。
上記の点に鑑み、発明者は、前述の特許文献1に記載されているようなRFIDシステムをメータの指示値読み取りの分野に応用すれば、画像処理装置側でのデータ記憶容量を削減し、低コストにて画像処理による指示値の読み取りが可能になるという知見を得たものである。
前記RFIDタグは、
前記指示値読取装置との間でデータを送受信する手段と、
送受信データを記憶する記憶手段と、
自己が取り付けられたメータを同定するために表示された固有情報と、を有し、
前記指示値読取装置は、
メータ及びRFIDタグを同時に撮像可能な撮像手段と、
この撮像手段により撮像されたメータ画像から指示値読み取りのための画像パラメータを算出する機能と、この画像パラメータを用いて、前記固有情報により同定されるメータ画像から指示値を読み取る機能とを備えた画像処理手段と、
前記画像パラメータを含む初期設定情報を前記RFIDタグに送信し、かつ、メータ画像から読み取った指示値を前記RFIDタグに送信すると共に、前記RFIDタグから送信された前記固有情報及び初期設定情報を受信する送受信手段と、
前記RFIDタグとの間の送受信データを記憶する記憶手段と、を有するものである。
前記画像パラメータが、メータの指示部における目盛の上下限値を始めとした目盛の位置情報を含むことを特徴とする。
前記RFIDタグは、メータ画像の位置を補正するために表示された基線を有し、
前記画像処理手段は、前記撮像手段により撮像されたメータ画像を前記基線に基づいて補正し、補正後のメータ画像の原点を基準として前記画像パラメータを算出する機能を有することを特徴とする。
前記初期設定情報が、指示値の運用上の上下限値を含むことを特徴とする。
前記指示値読取装置は、メータ画像から読み取った指示値が運用上の上下限値を逸脱した時に警報を発する手段を備えたものである。
また、RFIDタグを撮像して得た固有情報と無線通信により得た固有情報とを同定することで、撮像しているメータとそのメータの画像パラメータ等の初期設定情報とを対応付けることができるので、指示値読取装置が多数のメータとの間で無線通信を行うような場合にも各メータの初期設定情報を確実に取得することができる。
RFIDタグに設けた基線を利用してメータ画像を補正すれば、取り込んだ画像の大きさ、位置等を常に一定にすることができ、指示値の正確な読取りが可能になる。更に、初期設定情報として指示値の運用上の上下限値を考慮することにより、この上下限値を逸脱する指示値の発生を通報することができる。
まず、図1はこの実施形態の全体構成図である。図1において、10は指示値を読み取るべきアナログ表示式のメータであり、指針12及び目盛を目視可能な指示部11を備えている。また、指示部11の下方には、後に詳述するようにRFIDタグ13が貼り付けられている。このRFIDタグ13は、周知のように無線送受信機能やアンテナ、メモリを備えたICタグにより構成されており、電池を内蔵したものを使用すれば、使用電波の周波数帯にもよるが、外部の送受信部(後述する送受信部102)との間の通信距離を例えば数10cm〜2m程度まで確保することが可能である。
この指示値読取装置100は、簡易型のCCDカメラや監視用のITVカメラ等によってメータ10の指示部11及びRFIDタグ13を同時に撮像する撮像部101と、所定周波数帯の電波を用いてRFIDタグ13との間で無線送受信する送受信部102とを備えている。
また、送受信部102には無線通信制御部105が接続されている。この無線通信制御部105は、送受信部102とRFIDタグ13との間の送受信動作を制御するものであり、重要な計測値等の漏洩を防止したい場合には無線通信制御部105を介して暗号化通信を行わせても良い。
この中央処理部104には、画像処理プログラムや通信制御プログラム、各種データが記憶されたDRAM等の主記憶部106と、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の補助記憶部107が接続されている。なお、この補助記憶部107には、後に説明する画像パラメータや読み取った指示値及びそのトレンドデータ、計測時刻(指示値を読み取った時刻)等のデータが記憶されるものである。
また、109はメータ10の撮像画像や目盛の上下限値、指示値等を表示するための液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ等の表示部、110はメータ10の指示値が上下限値を逸脱した場合等に音声にて警報を発する通報部である。なお、この警報は表示部109により表示させても良く、前記操作部108は表示部109と一体化させても良い。
RFIDタグ13の表面には、タグ識別部としてのバーコード14が設けられている。このバーコード14が表す情報は、RFIDタグ13自身ひいては当該タグ13が取り付けられたメータ10を同定する固有番号(ID番号)としてタグ13の内部メモリに予め記憶されており、RFIDタグ13から送信される固有番号と、指示値読取装置100がメータ10の撮像画像から読み取った固有番号とを照合して撮像対象であるメータ10を同定するものである。
なお、タグ識別部としては二次元コードを用いることもできる。
なお、図2において、17は指示部11に設けられた目盛である。
まず、撮像部101によるメータ10の撮像画像から、指示値を画像処理によって読み取るための画像パラメータを取得する前処理として、撮像部101が取り込んだ画像の位置や大きさを画像処理プロセッサ103により補正する画像補正処理について述べる。
このようにメータ10の位置や大きさが一定でない画像では、指示部11や指針12の位置に相当するアドレス(座標)が決まらず、画像処理によって指針12の指示値を読み取ることができないため、メータ10の様々な画像の位置等を補正して前記アドレスやその原点を一義的に固定する必要がある。以下に述べる画像補正処理は、上記の目的でメータ画像を補正するものである。
まず、画像処理プロセッサ103が図3(a)のような画像データを取り込む(ステップS1)。次に、取り込んだ画像に対し、図3(b)に示す如く上端から順次横方向に走査を行い、バーコード14を検出する(S2)。前述したように、バーコード14の内容はRFIDタグ13、言い換えればタグ13が付されたメータ10の固有番号を示しており、中央処理部104はこの固有番号を補助記憶部107に記憶する(S3)。
更に、上記中点を中心として、図3(d)に示す如く水平基線15が画面の枠内で水平になるように、演算上で画像を回転処理する(S6)。
上述した画像補正処理により、画面内の位置や角度、大きさ等が異なるメータ10の画像を一様に規格化し、指針12の指示値を読み取る際のアドレスの原点の位置を演算上、固定することができる。
例えば、原点の位置には、次に述べるように水平基線15の中点が選ばれ、この中点のアドレスが補助記憶部107に記憶される。
上記の各処理において、水平基線15、端部基線16a,16bが着色されている場合には、画像処理プロセッサ103がこれらの色を検出することで水平基線15、端部基線16a,16bを認識する。
図5は、前記補正処理後の画像を示しており、12aは指針12の回転中心、15aは水平基線15の中点である。
画像処理プロセッサ103は、水平基線15の中点15aを原点として、指針12の回転中心12aの位置をアドレスとして検出し、また、回転中心12aを中心とした指針12の移動範囲である角度等に基づいて目盛17の下限値17a、上限値17bの位置、指針12の長さ等を検出する。また、必要に応じて指針12の色を検出すると共に、これらの検出データ(すなわち画像パラメータ)と、運用上の上下限値(上述した下限値17a及び上限値17bよりも狭い範囲)とを初期設定情報として、中央処理部104を介し補助記憶部107に設定する(図6のステップS11)。
上記固有番号を自己の固有番号として認識したRFIDタグ13は、初期設定情報を受信して内部のメモリに書き込む(図6のステップS12)。
以上の処理によって初期設定が完了し、RFIDタグ13には、そのタグ13が貼り付けられているメータ10の画像パラメータや運用上の上下限値が記憶されることになる。
なお、図4に示した画像補正処理、図6に示したメータ情報初期設定処理は、メータが複数ある場合にすべてのメータに対し実行されるものである。
まず、撮像部101によりメータ10を撮像し、図6の場合と同様に図4の画像補正処理を実行する(S1〜S8)。また、送受信部102とRFIDタグ13との無線通信により、メータ情報初期設定処理においてステップS12により書き込んだ初期設定情報をタグ13の固有番号と共に送受信部102が読み出す。中央処理部104は、画像補正処理の際にステップS3で記憶した固有番号が無線通信により読み出した固有番号と一致することを確認して、RFIDタグ13から送信された初期設定情報を読み込む(S21)。
また、初期設定情報には運用上の上下限値も含まれているので、中央処理部104では読み取った指示値が運用上の上下限値の範囲内か否かを判断することができ(S22)、この範囲を逸脱している場合には通報部110を動作させて警報音を鳴動させたり、表示部109を介して警告表示を行えばよい(S23)。
11:指示部
12:指針
12a:回転中心
13:RFIDタグ
14:バーコード
15:水平基線
15a:中点
16a,16b:端部基線
17:目盛
17a:下限値
17b:上限値
100:指示値読取装置
101:撮像部
102:送受信部
103:画像処理プロセッサ
104:中央処理部
105:無線通信制御部
106:主記憶部
107:補助記憶部
108:操作部
109:表示部
110:通報部
Claims (5)
- 指示値読み取りの対象となるメータに取り付けられたRFIDタグと、前記メータを撮像して画像処理により指示値を読み取る指示値読取装置と、を備え、
前記RFIDタグは、
前記指示値読取装置との間でデータを送受信する手段と、
送受信データを記憶する記憶手段と、
自己が取り付けられたメータを同定するために表示された固有情報と、を有し、
前記指示値読取装置は、
メータ及びRFIDタグを同時に撮像可能な撮像手段と、
この撮像手段により撮像されたメータ画像から指示値読み取りのための画像パラメータを算出する機能と、この画像パラメータを用いて、前記固有情報により同定されるメータ画像から指示値を読み取る機能とを備えた画像処理手段と、
前記画像パラメータを含む初期設定情報を前記RFIDタグに送信し、かつ、メータ画像から読み取った指示値を前記RFIDタグに送信すると共に、前記RFIDタグから送信された前記固有情報及び初期設定情報を受信する送受信手段と、
前記RFIDタグとの間の送受信データを記憶する記憶手段と、
を有することを特徴とするメータの指示値読取システム。 - 請求項1に記載したメータの指示値読取システムにおいて、
前記画像パラメータは、
メータの指示部における目盛の位置情報を含むことを特徴とするメータの指示値読取システム。 - 請求項1または2に記載したメータの指示値読取システムにおいて、
前記RFIDタグは、メータ画像の位置を補正するために表示された基線を有し、
前記画像処理手段は、前記撮像手段により撮像されたメータ画像を前記基線に基づいて補正し、補正後のメータ画像の原点を基準として前記画像パラメータを算出する機能を有することを特徴とするメータの指示値読取システム。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載したメータの指示値読取システムにおいて、
前記初期設定情報は、
指示値の運用上の上下限値を含むことを特徴とするメータの指示値読取システム。 - 請求項4に記載したメータの指示値読取システムにおいて、
前記指示値読取装置は、メータ画像から読み取った指示値が運用上の上下限値を逸脱した時に警報を発する手段を備えたことを特徴とするメータの指示値読取システム。
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