JP4668497B2 - 神経の機能的活性を刺激するテトラペプチドに基づく薬剤およびその使用方法 - Google Patents

神経の機能的活性を刺激するテトラペプチドに基づく薬剤およびその使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明は医薬品に関し、中枢神経系疾患および損傷における脳の機能的活性を刺激する薬剤として使用することを意図したものである。
【0002】
【発明の分野】
大脳組織における酸化還元工程を刺激し、グルコース利用を高め、局部的血流を改善する、ピラセタム、アミナロン、ピリジトール、パントガム、オキシブチレートナトリウムなどの幾つかの公知の医薬品が存在する(1)。前記効果は、神経の低酸素に対する抵抗性の向上をもたらす。
【0003】
前記薬剤の欠点は、それらが向神経性因子の合成を刺激するのみであり、それら自身で任意の向神経活性を持っていないことである(2)。これらの薬剤は、副作用および禁忌がないわけではない。ニューロンの変化における細胞内生合成の可能性はさほどではないので、天然の向神経性因子を導入する方法による再生の刺激がより都合がよく見える。
【0004】
またセレブロリシン、即ち、遊離アミノ酸および低分子ペプチドを含む非タンパク質脳加水分解物も公知である(3)。前記薬剤は、好気性エネルギー代謝の効率を増加させ、細胞内タンパク質合成を改善し、神経保護および向神経活性を顕在化させ、認識変性の場合に、陽性の効果を発揮する。
【0005】
前記薬剤の欠点は、その向神経性効果が、天然の向神経性因子の活性に比べて弱いことである。薬物投与によって、障害を受けた脳および脊髄神経における解剖学的構造および機能的活性の顕著な回復は提供されない(4、5、6)。セレブロリシン適用は副作用を伴う。さらに、急性腎不全が前記薬剤の禁忌である可能性がある。
【0006】
中枢神経系の細胞成分によって合成された低分子タンパク質(15〜30kDa)である向神経性因子、神経成長因子、脳派生向神経性因子、3−、4−および5−ニューロトロフィン、塩基性および酸性神経芽成長因子、表皮成長因子、星状細胞因子−S−100タンパク質、リポタンパク質が知られている(7、8)。低用量での、前記薬剤のニューロン培養への導入は、細胞の機能化を提供し、RNA、DNAおよびタンパク質生合成を介した軸索の形成および増殖を可能にする。向神経性因子は、胚形成の間、ニューロンの生存および分化のため、そして成熟細胞の形態学的および機能的特性の保持のための両方で必要である。しかしながら、その有効性が、神経保護活性にのみ限定され、向神経性効果はより遅い段階で現れるということが研究により証明された。中枢神経系での内因性ペプチド基質は、ニューロン内でのシグナルトランスデューサまたはニューロエフェクター伝達物であることが知られており、神経ホルモン、神経伝達物質、または神経調節物質として機能しうる(9、10、11)。これらの内因性基質、神経ペプチドは、標的構造が情報としてそれらを認識するように、コミュニケーション神経成分から放出される。神経ペプチドは、修繕処理、記憶、運動活性、痛みおよび圧力の感知などのようなCNS機能の統合調節の手段であることが明らかになった。
【0007】
ウシの脳から抽出されたペプチドであり、かつ該ペプチドを分ピルする細胞ポピュレーションの構造的および機能的ホメオスタシスを支持できるコルテキシン(Cortexin)およびエピタラミン(Epithalamin)(分子量10kDa)が知られている(12、13)
本願は、新規なアミノ配列:L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proによって先行技術の刊行物から区別されるものであり、ニューロンの機能的刺激活性をもった新規なペプチドを得る問題を解決するために創作されたものである。
【0008】
【発明の開示】
本発明は、ニューロンの機能的活性を刺激することが可能な、ペプチド起源の新規な生物学的に活性な物質を得ることを目的とする。開示されたペプチド化合物、即ちテトラペプチドは、任意の構造類似体を持たない。
【0009】
本発明に従えば、テトラペプチドであるL−アラニル−L−グルタミル−L−アスパルチル−L−プロリン、即ち、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proが開示される。
【0010】
本発明に従えば、以下のアミノ配列L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proを有するテトラペプチド、即ち、L−アラニル−L−グルタミル−L−アスパルチル−L−プロリンが生物学的活性を示し、代謝工程正常化、坑酸化防御パラメータの刺激、電気生理学的指数の改善によって中枢および末梢神経系での神経機能的活性を刺激する。
【0011】
当該テトラペプチドは、溶液中でのペプチド合成の古典的方法により得られる(9)。
【0012】
L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの、ニューロンの機能的活性における刺激効果が実験で明らかになった。生物学的活性の研究は、脳での坑酸化防御指数およびセロトニン代謝、並びに毒性および外傷衝撃の場合の脳保護活性を調査するラットにおいて、テトラペプチドの組織特異的効果を研究する神経組織外植片に対して行われた。
【0013】
本発明に従えば、ニューロン機能的活性を刺激する薬剤は、活性塩基として、有効量の一般式、L−アラニル−L−グルタミル−L−アスパルチル−L−プロリン(L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Pro)のテトラペプチドまたはその塩を含む。
【0014】
本発明に従えば、ニューロン機能的活性を刺激する薬剤は、アミノ基の塩(酢酸塩、塩化水素塩、シュウ酸塩)、またはカルボキシル基の塩(金属−ナトリウム、カリウム、カルシウム、リチウム、亜鉛、マグネシウムの塩、およびアンモニウム、トリエチルアンモニウムのような他の有機および塩基カチオンの塩)を含んでよい。
【0015】
本発明に従えば、薬剤は好ましくは、非経腸、鼻腔内、または経口投与のために設計される。
【0016】
ニューロンの機能的活性を刺激する適用された薬剤は、変性した神経組織構造の代謝および増殖を回復させることが可能である。
【0017】
好ましい実施形態の例を含む本願発明においては、本技術分野で認められる以下の語句用法が使用される。
【0018】
本明細書中の「薬剤」は、神経組織の構造および機能的完全性を回復するための薬剤として、予防的および/または治療的目的のために医薬品中に適用可能なテトラペプチドまたはその塩を含有する任意の薬物形態の利用を意味する。
【0019】
本明細書中の「有効量」は、その活性および毒性の定量的指標に従って、また当業者の利用可能な知識に基づいて、所定の薬物形態で効果的であるに違いない量の活性基質の使用を意味する。
【0020】
本明細書中の「薬学的組成物」は、前記薬剤の異なる薬物形態の使用を意味する。
【0021】
本発明に従った薬学的組成物を得るためには、適用したテトラペプチドまたはその薬学的に適用可能な誘導体を、活性成分として、好ましくは薬理学で認められたコンパウンド化のための方法に従って、製薬担体と混合する。
【0022】
担体は、身体への適用、例えば非経腸、鼻腔内、または経口のために望ましい薬剤の剤型に依存した異なる形態のものであり得る。
【0023】
経口投与のために好ましい剤型での組成物を製造するために、任意の公知の製薬成分を使用できる。
【0024】
非経腸的(鼻腔内)投与ついては、担体は通常は無菌水を含み、また安定性または不活性に関連して有益な他の成分を含むことも可能である。
【0025】
本発明に従えば、本方法は、治療的効果を達成するために必要な期間、病理学的工程の性質および重症度に関連して10から40日間、1日少なくとも1回、0.01から100μg/体重kgの用量で、請求項に記載の薬剤の患者への予防的、または治療的投与を包含する。
【0026】
本発明に従えば、当該テトラペプチドは、0.01から100μg/体重kgの用量で投与する場合に有効であるが、病理学的工程の性質および重症度に関して、より低い(より高い)用量を使用してもよい。
【0027】
【産業上の利用性】
本発明は、式L−アラニル−L−グルタミル−L−アスパルチル−L−プロリン(L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Pro)を持つテトラペプチドの合成例(例1)によって、前記テトラペプチドの毒性および生物学的活性に関する試験例(例2、3、4、5、6、7、8、9)によって、またその製薬特性を明らかにし、保護および/または治療的効果を達成する可能性を確かめる、テトラペプチド臨床適用の結果における例(例9および10)によって例示される。
【0028】
【実施例】
例1
L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの合成
1.産物名:L−アラニル−L−グルタミル−L−アスパルチル−L−プロリン
2.構造式:H−Ala−Glu−Asp−Pro−OH
【化1】
Figure 0004668497
【0029】
3.イオン対を除く全体式:C1726
4.イオン対を除く分子量:430.41
5.イオン対:酢酸塩
6.外観:白色非晶質性無臭粉末
7.合成方法:本ペプチドは、以下の概要に従った、溶液中での古典的合成方法によって得る。
【化2】
Figure 0004668497
【0030】
Z−ベンジルオキシカルボニル基、
BOC−テトラブチルオキシカルボニル基、
OSu−N−オキシスクニミドエステル
OBzl−ベンジルエステル
DCC−N,N’−ジシクロへキシルカルボジイミド
HOBT−N−オキシベンゾトリアゾール。
【0031】
N,N’−ジメチルホルムアミドを溶媒として使用した。アスパラギン酸の導入によって、α−COOH基を、トリエチルアミンによる塩化によって保護した。BOC−保護基をトリフルオロ酢酸(TFA)溶液にて脱保護し、Z−保護基を触媒加水分解の方法によって脱保護した。産物を抽出し、逆相でのカラム上でのプレパラティブ高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)の方法にて精製した。
【0032】
得られた産物の特性
・アミノ酸アッセイ
Glu Asp Ala Pro
1.10 1.01 1.00 1.10
・ペプチド含量:98.56%(HPLC、200nm)
・薄層クロマトグラフィー(TLC)−単一:R=0.67(アセトニトリル−酢酸−水 5:1:3)
・含水量:7%
・0.001%溶液のpH:4.24
・特定偏光力:[α] 25:−78.9℃(c=1.09、HO)、「Polamat A」、Carl Zeiss Jena。
【0033】
合成の例:
1)BOC−Glu(OBzl)−Asp(OBzl)−OH(I)、N−tert−ブチルオキシカルボニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパラギン酸塩
N−tert−ブチルオキシカルボニル−(γ−ベンジル)グルタミン酸のN−オキシスクシミドエステル、BOC−Glu(OBzl)−OSu、4.34g(0.0100モル)を、20mLのジメチルホルムアミド中に溶解し、1.72mL(0.0125モル)のトリエチルアミン、および2.80g(0.0125モル)のβ−ベンジルアスパラギン酸塩を加える。混合液を室温にて24時間攪拌する。産物を0.5N硫酸溶液(150mL)にて沈殿させ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、0.5N硫酸溶液(2×20mL)、水、5%重炭酸ナトリウム溶液(1×20mL)、水、0.5N硫酸溶液(2×20mL)、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。酢酸エチルを濾過し、40℃でin vacuoにて除去する。残余物をP上でin vacuoにて乾燥させる。結果として、5.68g(〜100%)の油を得る。
【0034】
=0.42(ベンゼン−アセトン 2:1、Sorbfilプレート、8〜12μmのシリカゲル、展開−UVおよび塩素/クロジジン)
2)TFA H−Glu(OBzl)−Asp(OBzl)−OH (II)、トリフルオロ酢酸(γ−ベンジル)−グルタミル−(β−ベンジル)アスパラギン酸塩
5.68g(=0.01モル)のN−tert−ブチルオキシカルボニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパラギン酸塩(I)を20mLのジクロロメタン−トリフルオロ酢酸混合液(3:1)中に溶解する。2時間内に、溶媒を40℃にてin vacuoで除去し、さらにジクロロエタン(2×10mL)を添加して除去を繰り返し、残余物をNaOH上で、in vacuoにて乾燥させる。5.80g(=100%)の油を得る。R=0.63(n−ブタノール−ピリジン−酢酸−水、15:10:3:12)。
【0035】
3)Z−Ala−Glu(OBzl)−Asp(OBzl)−OH(III)、N−ベンジルオキシカルボニルアラニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパラギン酸塩
5.65g(0.01モル)の、(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパラギン酸塩(II)のトリフルオロ酢酸塩を、10mLのジメチルホルムアミド中に溶解し、2.80mL(0.02モル)のトリエチルアミンおよび4.14g(0.013モル)のN−ベンジルオキシカルボニルアラニンのN−オキシスクシンイミドエステルを加える。混合液を室温にて24時間攪拌する。産物を0.5N硫酸溶液(150mL)にて沈殿させ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、0.5N硫酸溶液(2×20mL)、水、5%重炭酸ナトリウム溶液(1×20mL)、水、0.5N硫酸溶液(2×20mL)、水中で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。酢酸エチルを濾過し、in vacuoにて40℃で除去し、残余物を酢酸エチル/ヘキサン系にて結晶化する。産物を濾過し、P上でin vacuoにて乾燥させる。収量は4.10g(66%)である。融解点−154℃。R=0.48(ベンゼン−アセトン、1:1)、R=0.72(n−ブタノール−ピリジン−酢酸−水、15:10:3:12)。
【0036】
4)Z−Ala−Glu(OBzl)−Asp−(OBzl)−Pro−OH(III)、N−ベンジルオキシカルボニルアラニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパラチルプロリンのベンジルエーテル
0.72g(3mmol)のHClH−Pro−OBzl、塩化水素プロリンベンジルエステルを、15mLのテトラヒドロフラン中に懸濁し、0.4mL(3mmol)のトリエチルアミンを攪拌しながら加え、続いて5分間、1.28g(2mmol)のN−ベンジルオキシカルボニルアラニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパラギン酸塩(III)および0.27g(2mmol)のN−オキシベンゾトリアゾールを加える。混合液を0℃まで冷却する。その後、0℃まで冷却した5mLのテトラヒドロフラン中の、0.42g(2mmol)のN,N’−ジシクロへキシルカルボジイミドの溶液を加える。この混合液を0℃にて2時間攪拌し、室温にて一晩、攪拌したままにする。ジクロロへキシル尿素の残余物を濾過して取り除き、溶媒をin vacuoにて除去し、残余物を30mLの酢酸エチル中に溶解する。この溶液を1N塩化水素酸溶液、水、5%重炭酸ナトリウム溶液、水、1N塩化水素酸溶液、水中で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒をin vacuoにて除去し、酢酸エチル/ヘキサン系中で結晶化する。収量は1.50g(90%)である。Tml=125〜128℃。R=0.40(ベンゼン−アセトン、2:1)。
【0037】
5)H−Ala−Glu−Asp−Pro−OH(IV)、アラニル−グルタミル−アスパラチル−プロリン
1.50gのベンジルエステル(III)のN−ベンジルオキシカルボニルアラニル−(γ−ベンジル)グルタミル−(β−ベンジル)アスパラチルプロリンを、Pd/C触媒上でメタノール−水−酢酸系(3:1:1)中で水素添加する。脱保護の進行を、ベンゼン−アセトン(2:1)およびアセトニトリル−酢酸−水(5:1:3)系中のTLC法にてモニタする。反応の完了後、触媒を濾過して除去し、濾液をin vacuoにて除去し、残余物を水/メタノール系中で結晶化する。産物をKOH上、in vacuoにて乾燥させる。収量は0.66g(86%)である。R=0.67(アセトニトリル−酢酸−水、5:1:3)。
【0038】
精製のために、508mgの産物を4mLの0.01%トリフルオロ酢酸(試料pH−2.23)中に溶解し、逆相50×250mm Diasorb−130−C16T、7μでのカラム上のHPLCにかける。使用したクロマトグラフはベックマンシステムゴールド、126溶媒モジュール、168ダイオードアレイ検出モジュールである。クロマトグラフ条件A:0.1%TFA、B:50%MeCN/0.1%TFA、勾配、240分間でB0→16%。試料容量は5mLであり、検出は215nmにより、スキャニング−190〜600nm、流速は10mL/分である。画分を127〜155分内で選択する。溶媒を、40℃を超えないように室温にてin vacuoで除去する。除去を10mLの10%酢酸溶液にて5回繰り返す。最終的に残余物を20mLの脱イオン水中に溶解し、凍結乾燥する。結果として、303mgの精製産物が、非晶質性無臭白色粉末の形態で得られる。
【0039】
カルボキシル基の相当する塩を得るために、遊離テトラペプチドに、計算量の相当する水酸化金属の水溶液(NaOH、KOH、ZnOH、LiOH、CaOH、MgOH、NHOH)を加える。トリエチルアンモニウム塩を得るために、処理を、塩基としてトリエチルアミンを用いて同様に実施する。
6)得られた産物の解析
・ペプチド含量は、Supelco LC−18−DBカラム、4.6×250mm、grad.LC−18−DB、A:0.1%TFA、B:50% MeCN/0.1% TFA、勾配 30分間、B 0→20%上のHPLC法によって定義する。220nmの検出、スキャニング−190〜600nm、試料容量は20μl。ペプチド含量−98.56%。
【0040】
・アミノ酸アッセイを、テスターAAA「T−339」Prague上で実施する。加水分解を24時間以内で150℃にて6N HCl中で実施する。
Glu Asp Ala Pro
1.10 1.01 1.00 1.10
・TLC:単一、R=0.67(アセトニトリル−酢酸−水 5:1:3 、Sorbfilプレート、8〜12μmシリカゲル、塩素/ベンジジン中で展開)
・含水量:7%(乾燥による質量欠損に重量測定的に従って、100℃にて−20mg)
・0.001%溶液のpH:4.24(電位差滴定)
・特定偏光力:[α] 25:−78.9℃(c=1.09、HO)、「Polamat A」、Carl Zeiss Jena。
【0041】
例2
毒性に関するL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの研究
L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの、生物における可能性のある毒性効果を、1997年12月29日のDepartment of State Control on Medicinal Agents and Medical Equipment of the Russian Federationによって承認された「薬剤の安全性の前臨床判断のルール」に従って研究した。
【0042】
本研究の目的は、薬剤の許容毒性薬物用量を定義すること、種々の器官および系での病理学的変化の段階および特徴を見積もること、および毒性効果と、薬物適用の用量および期間の間の関係を調査することを考慮している。
【0043】
L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの急性毒性を、Kerberに従って測定した。本研究は、標準の比で、標準の処方計画および給餌下で、飼育所においた、20から23gの体重の、66匹の白色アンブレッドオスマウスにて実施した。動物を無作為に、それぞれ11匹のマウスごと、6等群に分けた。動物に1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg(臨床試験に対して推奨される治療適薬剤の数千倍超過)の用量で、0.25mLの調製物の単一筋肉内投与を行った。対照動物には同量の生理食塩水を投与した。
【0044】
72時間以内およびその後14日間、いずれの群のマウスも死亡しなかった。一般的状態、振る舞い、運動活性、毛および皮膚外皮、動物の生理学的排出に変化は記録されなかった。
【0045】
従って、臨床試験で推奨される治療適量の数千倍の用量でのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、任意の急性毒性応答を誘導せず、このことは、本調製物の幅広い治療的適用性を示している。
【0046】
L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの亜急性毒性を、体重150から250gの60匹の白色アンブレッドラットで試験した。実験動物に、筋肉内に1日1回、90日間毎日、0.1mLの食塩水中1μg/kg、0.3mg/kg、3mg/kgの用量で本調製品を投与した。対照動物には、同量の生理食塩水を投与した。
【0047】
研究の全期間内で、動物を日々監視下においた。動物の振る舞い、食事および水消費、毛外皮および粘膜の状態を記録した。動物は週に1回体重計測した。薬物投与の前、および30日目、60日目、および90日目に、動物の末梢血の形態学的組成および性質を試験した。研究の完了時に、生化学的、凝固学的血液指標を調査した。
【0048】
請求した方法によって得たL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの慢性毒性を、150〜250gの体重のラットへの、それらの長期投与によって調査した。動物に、6ヶ月間、0.5mLの食塩水中1μg/kg、0.1mg/kg、1mg/kg用量で、薬物を筋肉内に毎日投与した。動物の振る舞い、食事および水消費、毛外皮および粘膜の状態を記録した。動物を実験の最初の3ヶ月間毎日、ついでその後1ヶ月に1回体重測定した。血液学的、および生化学的調査を、薬物投与の開始、および実験の完了の後3ヶ月間実施した。心臓血管系、肝臓、膵臓、腎臓および副腎の機能を査定した。処置完了後、何匹かの動物において、脳および脊髄、心臓、大動脈、肺、肝臓、腎臓、内分泌および免疫器官の異なる区域の状態を見積もる目的で、病理形態学的試験を行った。
【0049】
動物の一般的状態の査定、末梢血の形態学的および生化学的指数、固有の器官の形態学的状態、心臓血管および呼吸器系の状態、肝臓および腎臓機能は、病理学的変化を示さなかった。
【0050】
L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの、亜急性および慢性毒性に関する研究により、治療的用量を100から1000倍超過した用量での延長した薬物投与の場合でも何の副作用も存在しないことが示唆された。
【0051】
例3
L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの、大脳皮質外植片の発達における効果
実験を、10〜11日齢ニワトリ胚の73の大脳皮質断片にて実施した。外植片のための培養培地は、35%イーグル溶液、25%ウシ胎児血清、35%ハンクス溶液、5%ニワトリ胚抽出液からなる。培地にはまた、グルコース(0.6%)、インスリン(0.5IU/mL)、ペニシリン(100IU/mL)、グルタミン(2mM)を加えた。大脳皮質断片を、前記培養液中におき、36.7℃にて2日間、サーモスタット内のペトリディッシュ内で培養した。0.5、1、2、20、50、100、200、400、800、1000ng/mLの濃度でのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドおよびセレブロリシンを実験培地内に加えた。面積指数(AI)を、生物学的活性の基準として利用し、これは皮質断片の初期領域に対する増殖区域を含む全移植領域の比を反映している。スチューデントのt検定を適用し、比較平均AI値間の有意な差を査定した。AI値はパーセントにて表した。対照AI値は100%と認識した。
【0052】
対照皮質移植片の増殖領域には、短軸索が含まれ、神経膠細胞は末梢および繊維芽細胞様細胞に移動する。
【0053】
以下の連続実験を実施し、大脳皮質断片における本薬物の直接の効果を研究した。
【0054】
種々の濃度でのセレブロリシンを、ニワトリ胚の大脳皮質外植片の培養培地に加えた。培養の3日の時点で、対照AI値と比較して、100ng/mLの濃度で、外植片AI(30±2%まで)において有意な増加が起こったことが記録された。他の濃度でのセレブロリシンの適用の場合、皮質外植片の有意なAI値は観察されなかった(図1)。大脳皮質の発達は、20ng/mLの濃度でのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドによって著しく刺激された。それによって、実験移植片のAIは、対照大脳皮質断片のAIと比較して40±7%まで高かった。
【0055】
同一の濃度での同一の軸索刺激効果が、皮質外植片の延長(7日間)培養の場合に明らかになった。時折、移植片AIにおける統計学的に有意な減少が観察され、それはおそらく、延長培養の場合、神経繊維のためである。
【0056】
従って、大脳組織に関して、セレブロリシンに関するものとの比較で、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果的濃度の閾値の減少が記録された。例えば、100ng/mLの濃度で、セレブロリシンは培養皮質断片を刺激し、一方で、テトラペプチドは、20ng/mLの濃度で刺激し、このことは、大脳皮質ニューロンにおけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドのより注目され、標的化された活性を示している。
【0057】
例4
大脳皮質での脂質過酸化物酸化反応の強度におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
脂質過酸化物酸化(LPO)の強度を、初期LPO産物の内容−ジエン共役物(diene conjugate)および最終産物−シフ塩基によって査定した。タンパク質過酸化の程度は、2,4−ジニトロフェニルヒドラジンとのその相互作用の後に、タンパク質中のカルボニル誘導アミノ酸の含量によって見積もった。
【0058】
本研究は、20匹のアンブレッドラットにて実施した。1μgのテトラペプチドを動物に、5日間毎日腹膜内に投与した。
【0059】
試験したテトラペプチドは、大脳皮質でのLPO産物の形成を有意に抑制することが明らかになった。テトラペプチド効果の下、ジエン共役物の含量が有意に減少し、シフ塩基は同様に増加する傾向にある。さらに、テトラペプチド適用は、タンパク質過酸化ならびにLPOを阻害した(表1)。
[表1]ラットの大脳皮質での過酸化脂質酸化反応の強度におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
【表1】
Figure 0004668497
【0060】
*−対照と比較した場合、P<0.01。
【0061】
得られたデータは、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの適用が、大脳皮質において、過酸化脂質産物の形成およびタンパク質過酸化を抑制することを示した。
【0062】
例5
向神経性剤の毒性効果におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
種々の製薬群の向神経性剤の毒性効果におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの活性を調査した。
【0063】
食塩水(対照)またはL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチド(5μg/kg)の筋肉内注射後1時間で、ラットに毒性量の異なる神経薬剤(アポモルフィン、ハロペリドール、ニコチンおよびカフェイン)を腹膜内に投与した。これにより、垂直(不安)および水平(運動活性)自発的運動活性のパラメータを記録した。
【0064】
アポモルフィンは、延髄での化学受容トリガー領域の刺激により、嘔吐効果を発揮する。さらにアポモルフィンは、ドーパミンレセプターと相互作用可能であり、脳のドーパミン作用性構造を刺激可能である。実験において、高運動活性、高熱、「精神病」および筋緊張症が観察された。L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドはアポモルフィンを中和する(不安および運動活性を減少させる)。
【0065】
ハロペリドールは、神経弛緩薬に関連し、低い抗アドレナリン活性を示す。実験において、前記薬剤は、低体温、強硬症、「鬱病」、myoplegiaおよび運動活性の減少を引き起こした。L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドはハロペリドールの製薬アンタゴニストとして働いた(不安および運動活性を増加させた)。
【0066】
ニコチンはn−コリン作用性活性を持つ。実験において、前記薬剤は、垂直および水平運動活性並びに筋肉緊張を増強した。L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、動物の不安におけるニコチン影響を減少させた。
【0067】
カフェインは、神経刺激剤である。その活性の機構は、ホスホジエステラーゼ活性の抑制およびそれに関連したcAMP含量の増加に基づいている。実験において、カフェインは動物内で、高運動活性および化膿zoosocial接触を引き起こした。L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドはカフェイン誘導不安を低下させたが、運動活性には影響を与えなかった。
【0068】
L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの、アドレナリン刺激剤、神経弛緩薬、神経遮断薬および神経刺激薬のような薬剤の毒性効果を抑制する性質が、向神経性中毒の処置で利用できる。
【0069】
例6
セロトニン代謝におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
研究は、電気的誘導痛みストレスのモデルで構築した。
【0070】
L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドを、電気的誘導痛みストレスの直前または直後に、5μg/kgの用量で、ラットに投与した。1時間内で、セロトニンおよびその代謝物、5−オキシインドール酢酸の含量を、脳の頭頂および後前の領域で測定した。
【0071】
感情的に誘導された痛みストレスの場合、セロトニンの合成および減衰両方が、これらの工程に続く早い枯渇によって刺激された。特徴における補償、セロトニン代謝の刺激が、痛み衝撃の感情知覚を減少させる。前記機構の本来の「欠点」は、代償不全状態への早期の移行にある。対照(未処理ストレス)において、セロトニンの濃度は低く、一方で5−オキシインドール酢酸の濃度は増加した(代謝枯渇相)。
【0072】
L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドのストレス後導入により、脳内のセロトニンの含量が増加し、5−オキシインドール酢酸の含量が減少した。L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドのストレス前投与も同様の効果を促進したが、しかし、ほんのわずかであった。L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、未処理の動物内で、セロトニンおよびその代謝物の濃度に任意の変化を誘導しなかった。
【0073】
従って、電気的誘導痛みストレスの直後の、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの導入は、脳内の、セロトニンおよびその代謝物、5−オキシインドール酢酸の含量を正常化した。
【0074】
例7
電気痙攣ショックおよびエタノール中毒の健忘症衝撃の場合の、記憶および学習指数におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドのnootropic活性を、未処理の動物での受容回避の条件反射(CRPA)の適用を用いて、健忘症衝撃(電気痙攣ショックおよびエタノール中毒)の条件下で研究した。
【0075】
実験は、体重20から24gのオスマウスで実施した。各動物に対し、暗チャンバおよび照光チャンバ部分にいる時間を、2分間記録した。照光部分の滞在時間が40秒間を越えない動物のみを実験群に加えた。動物を、好ましい暗所部分で電気的痛み刺激を適用して、これを動物が去るまで行ってしつけた。L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドをしつけの60分前に、腹膜内に注入した。試験をしつけの後2および24時間で実施した。動物が暗所および照光チャンバ部分にいた時間、および暗所部分に入らなかった動物(「学習した」動物)の数を記録した。
【0076】
電気痙攣ショック(ECS)をマウスに、25mAの電気インパルスにて、角膜電極を介して、しつけの後10秒以内に、0.5秒間で導入した。L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドを、しつけの60分前に腹膜内に導入した。試験をしつけの24時間後に実施した。
【0077】
エタノールを、10%溶液の形態で、13日間マウスに経口で投与した。しつけを2回、エタノール投与の第14日目、および最初のしつけ後24時間で行った。L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドを、しつけの30分前に腹膜内に投与した。試験を第一および第二しつけセッションの後、2および24時間で行った。本研究の結果を表2〜4に示している。
[表2]未処理白色マウスでのCRPAの形成におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
【表2】
Figure 0004668497
【0078】
[表3]ECS−誘導健忘症衝撃に対するマウス対象でのCRPAの形成におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
【表3】
Figure 0004668497
【0079】
*−対照指数との比較において、P<0.001
[表4]エタノール誘導健忘症衝撃に対するマウス対象でのCRPAの形成におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
【表4】
Figure 0004668497
【0080】
*−対照指数との比較において、P<0.001
注:1−しつけ後2時間
2−しつけ後24時間
3−繰り返ししつけ後2時間
4−繰り返ししつけ後24時間
得られたデータは、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドが、未処理動物でのCRPAの形成に影響を与えないことを示している。しかしながら、本剤は、健忘症衝撃の場合の、記憶および学習の指数を改善し、このことは試験した薬剤のnootropic活性、およびそのECSおよびエタノールの健忘性効果を抑制する能力を示唆している。
【0081】
例8
頭蓋外傷後の脳での修復工程におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
脳の修復工程におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果を、急性重症頭蓋外傷のモデルで査定した。CNS機能修復の力学を、動物の運動および筋肉緊張の協調における、ならびに学習および条件反射スキルの再生に対するその能力における試験によって定義した。
【0082】
ラットにおける重症頭蓋圧迫を鉛のおもりの落下によって引き起こした。1、12、48および96時間で、実験動物に、筋肉内にL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドを注射した。第二群の動物にはセレブロリシンを与えた。
【0083】
学習およびスキル再生に関する能力を、受容回避の条件反射(CRAA)における試験によって見積もった。筋肉緊張および運動の協調を見積もるために、ラットを速度を上げながらピボット上で回転させた。同時に、保持時間を測定した。
【0084】
48時間に、すべての生存動物はしつけに対するその能力を欠失していた。96時間に、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドで処理したラットのうちのしつけが可能な動物の数は、対照における数よりも2倍であった。30日において、テトラペプチド注入ラットでの学習指数はまた、対照での指数に比べて高かった。
【0085】
重症頭蓋外傷は、動物における明白な無力神経症候群を伴い、その協調および筋肉緊張を減少させる。「回転ピボット」の方法による試験は、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドが、外傷の48時間後、運動協調および筋肉緊張の再生を促進することを示した(ピボットの保持時間は対照での時間より2倍長い)。
【0086】
重症頭蓋圧迫の場合、セレブロリシンは、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドよりも効果が小さかった。
【0087】
従って、研究した薬剤の適用は、学習および条件反射スキル再生に対する動物の能力を有意に改善し、またその運動と筋肉緊張の協調を回復させた。本薬物の都合のよい効果が、外傷後第4日目にすでに観察された。第13日目までに、学習の指標が正常値に近づいた。
【0088】
急性重症頭蓋外傷の場合、脳の灰白質中のニューロンの集団が障害を受け、破壊される。L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果による、早期外傷後期間でのCNS機能の回復の加速は、本テトラペプチドが脳での修繕工程を刺激することを証明した。
【0089】
例9
圧迫末梢神経の再生におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
研究を、25から30gの体重の、22匹の白色アンブレッドオスマウスで実施した(7匹実験、15匹対照動物)。
【0090】
研究の第一段階にて、マウスを、腓側神経を圧迫するために慢性的に手術を施した。ネンブタール麻酔マウス(60mg/kg、腹膜内)での腓側神経(n.peroneus communus)を、刺激筋肉−長デジタル伸筋(m.extendor digitorum longus−EDL)から8〜9mmの距離で圧迫した。動物を左後ろ足を手術したが、一方で右足の相当する神経および筋肉はそのままであり、これをさらに未処理対照として使用した。
【0091】
その後、神経圧迫の3日後から、マウスに、8日間毎日、10μg/kgの用量で、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドを腹膜内に注射した。対照マウスは等量の生理食塩水で処理した。
【0092】
神経圧迫手術11日後(および最終テトラペプチド注射後24時間以内)に、ネンブタール麻酔マウス(60mg/kg)で、in vivoにて、すでに発生した神経および再刺激した骨格筋繊維(EDL)の異なる機能的パラメータに関する電気生理学的試験を実施した。
【0093】
得られたデータは、実験動物において、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドが、興奮性閾値の回復を高め、神経圧迫後第11日目までに再生神経筋肉系に対する「強度−期間」曲線での相当する変化を促進したことを示唆している(図2)。図2は、神経幹に適用した刺激の強度−期間曲線におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果を示している。注:
a−曲線形態に関する係数(双曲線)
b−Y軸にそった強度−期間曲線移動に関する係数、
aおよびbパラメータは、神経電気的興奮およびその興奮閾値の特徴を表している。
【0094】
このことは、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの導入が、明らかに、そして相当(30〜50%まで)、再生神経の主要な機能指標の1つ−再生神経の電気的閾値を改善し、従って、正常値へのその回復の時間を早めていることを意味している。
【0095】
M応答の潜在的時間が、テトラペプチド導入後、末梢「神経−筋肉」系で有意に変化した他の指標であることがわかった。筋肉M応答は、運動神経過敏に対する応答で記録された集約電気応答(筋肉活性の総電位)である。潜在M応答期間の短縮は、再生神経(および筋肉)(59%まで)と比較して、もともとの神経筋肉系(89%まで)で明らかであることに注目すべきである。潜在的M応答期間は、軸索を介した刺激伝導率、その良好な筋肉内分岐、ならびに末梢運動シナプスでのシナプス伝達率を示している積分パラメータである。M応答の潜在的期間におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果が、もともとの神経および筋肉でより大きいので、テトラペプチド活性のこの特定の特徴は、神経および筋肉再生工程に直接的に関わっているのではなく、むしろ末梢興奮性構造(神経繊維、末端部位、シナプスなど)に影響を与え、末梢神経筋肉系での刺激伝達を促進する本剤の能力を示しているように見える。
【0096】
マウスでのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの導入と共に、筋肉繊維の表面上での神経除去の後に保存された残余非シナプス性コリン受容によって引き起こされる、アセチルコリン筋肉収縮率を減少させる傾向が発見された(図3)。アセチルコリン筋肉収縮は、言い換えれば主として運動ニューロンからの、筋肉における向神経性影響の発現程度に関するよく知られた指標である、非シナプス性コリン受容で仲介されることが知られている。それによって、テトラペプチド導入のバックグラウンドに対して、アセチルコリン筋肉収縮を有意に抑制する傾向は、本薬剤によって増強された筋肉繊維のコリン受容における向神経性運動ニューロン作用の結果として、または筋肉繊維模倣向神経性運動ニューロン活性におけるテトラペプチドそれ自身の直接の向神経性効果の示唆として見なされうる。
【0097】
L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの適用は、圧迫の後の神経再生での種々の重要な機能指標の回復を早めた。その上、テトラペプチドは、神経および筋肉両方での再生を刺激し、本来の「健康な」運動単位に対して特徴的な状態にまで近づけた。
【0098】
従って、実施した実験の後に、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドが非毒性であり、顕著な脳保護活性、代謝活性および高い向神経活性において明らかである脳ニューロンの活性を刺激できることがわかった。
【0099】
実験的前臨床試験でわかったL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの特性により、このL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドを種々の脳疾患での治療的および予防的適用に推奨することが可能である。疾患およびそのコードのリストを、疾患国際分類ICD−9−CM(14)に準拠して以下に示している。
【0100】
本発明の1つの実施形態において、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、脳再生工程を刺激し、脳保護活性を表している薬物として利用でき、
・頭蓋円蓋部(1500)、頭蓋底(801)の骨折、多重骨折(804)後の脳損傷の治療を含む、外傷に関連した脳損傷(800〜959)の治療および予防、
・頭蓋内外傷(850〜854)(外傷後脳震とう(850)、脳損傷および挫傷(851)、くも膜下、硬膜下、および硬膜外出血(852))の場合の脳損傷の治療、
・外傷性ショック(958.4)の治療および予防、
・照射(990)、低温(991)、熱および光(992)、気圧(993)、電気的および超高周波数電流の衝撃に関連した脳損傷の治療、
・頭蓋骨骨折(905.0)の遅延兆候影響の治療および処置、
・頭蓋内外傷(907.0)の遅延兆候影響の治療および処置、
・照射によって誘導された遅延兆候脳障害(909.2)、手術および他の医学的介入の後の合併症(909.3)の処置および予防、
のための薬剤として利用できる。
【0101】
本発明の他の実施形態において、向神経性薬剤の毒性効果を抑制し、脳修復工程を刺激し、脳保護活性を示している薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドを、以下の
・治療的薬剤、医学的および生物学的化合物で毒された後の脳障害の治療(960〜979)、
・非医学的由来の薬剤での脳障害の治療(980〜989)、
・薬物(909.0)および非医学的基質(909.1)で毒すことによって誘導された遅延兆候脳障害の治療および予防、
を含む毒した後の脳損傷(960〜999)の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0102】
本発明の他の実施形態において、nootropic活性を伴って脳修復工程を刺激する薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・小児脳変性疾患(330)の治療および予防、
・アルツハイマー病(331.0)、ピック病(331.1)、老年性脳変性(331.2)および水頭症(331.3〜331.4)の治療および予防、
・パーキンソン病(332)および他の錐体外路系疾患(333)(脳幹神経節の変性疾患(333.0)、本態性振せん(333.1)、ミオクローヌス(333.2)、器官由来チック(333.3)、ハンティングトン(遺伝)舞踏病(333.4)、および他の型の舞踏病、ねじれ失調症(333.6〜333.8)の治療および予防、
・脊髄−小脳疾患(フレドリック運動失調(334.0)、遺伝痙性対麻痺(334.1)および他の疾患での小脳運動失調(334.4))の治療および予防、
を含む大脳変性疾患(330〜337)の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0103】
本発明の他の実施形態において、脳修復工程を刺激する、nootropic活性を持つ薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・アルツハイマー病(331.0)、ヤコブ−クロイツフェルト病(046.0)、およびピック病(331.1)の併発を含む老年痴呆(290.1)の治療および予防、
・非併発老年痴呆(290.1)の治療および予防、
・うつジノせん妄を伴う老年痴呆(290.2)の治療および予防、
・せん妄を伴う老年痴呆(290.3)の治療および予防、
・アテローム性動脈硬化症痴呆(290.4)の治療および予防、
を含む痴呆および前痴呆器官精神病疾患(290)の治療および予防のための薬物として使用される。
【0104】
本発明の他の実施形態において、脳修復工程を刺激する、nootropic活性を持つ薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・非アルコール性コルサコフ精神病(294.0)の治療および予防、
・種々の疾患の場合の痴呆(294.1)(HIV感染患者での痴呆(HIV−脳障害)、脳リピドーシス(330.1)、てんかん(345.0〜345.9)、梅毒(049.1)、肝レンズ核変性症(275.1)、ハンティングトン(遺伝)舞踏病(333.4)、多発性硬化症(340)および結節性動脈周囲炎(446.0))の治療および予防、
・AIDS脳傷害(042.9)を含む慢性非分化器質性脳傷害(294.9)の症状の治療および予防、
を含む、健忘症疾患(294.0)の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0105】
本発明の他の実施形態において、脳保護活性を伴う脳修復工程を刺激する薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、多発性硬化症(340)および他の脱髄性大脳疾患の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0106】
本発明の他の実施形態において、大脳修復工程を刺激する、nootropic活性を伴う薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、精神遅滞(317〜319)の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0107】
本発明の他の実施形態において、脳修復工程および運動活性を刺激する薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・片麻痺(342)の治療および予防、
・乳児脳性麻痺(343)の治療および予防、
・他の麻痺性症候群(344)(四肢麻痺(344.0)、対麻痺(344.1)、上肢の両麻痺(344.2)、下肢の単麻痺(344.3〜344.4))の治療および予防、
を含む麻痺性疾患(342〜344)の治療および処置のための薬剤として使用される。
【0108】
本発明の他の実施形態において、脳保護活性を伴う、脳修復工程を刺激する薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、ダウン症候群を含むクロモソーム異常(758)の場合の脳障害の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0109】
本発明の他の実施形態において、脳保護活性を伴う脳修復工程を刺激する薬物としてののL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・AIDS患者でのクリプトコックス髄膜炎を含む細菌性髄膜炎(320)の場合の脳障害の治療および予防、
・非細菌性髄膜炎(321)の場合の脳障害の治療および予防、
・不正確な起源の髄膜炎(322)の場合の脳障害の治療および予防、
・AIDS患者での脳トキソプラソマ症を含む、脳炎、脊髄炎および脳脊髄炎(323)の場合の脳障害の治療および予防、
・頭蓋内膿瘍(324)の場合の脳障害の治療および予防、
・頭蓋内静脈洞の静脈炎および血栓性静脈炎(325)の場合の脳障害の治療および予防、
・頭蓋内膿瘍または化膿性感染(326)の後の後遺症の治療および予防、
を含む炎症性脳疾患(320〜326)の場合の脳障害の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0110】
本発明の他の実施形態において、脳保護およびnootropic活性を伴う脳修復工程を刺激する薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・くも膜下出血(430)の場合の脳障害の治療および予防、
・脳出血(431)の場合の脳障害の治療および予防、
・頸動脈の閉塞および狭窄(433)の場合の脳障害の治療および予防、
・大脳動脈の閉塞(434)の場合の脳障害の治療および予防、
・一時的脳虚血(435)の場合の脳障害の治療および予防、
・他の脳血管障害(急性脳血管障害(436)、脳アテローム性動脈硬化症(437.0)および他の一般的な脳血管障害(437.1)、高血圧エンセファロパシー(437.2)、脳動脈瘤(437.3)、脳動脈炎(472.4)および頭蓋内静脈洞の非化膿性血栓症(437.6))の場合の脳障害の治療および予防、
を含む脳血管疾患(430〜438)の場合の脳障害の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0111】
本発明の他の実施形態において、脳修復工程を刺激し、脳保護およびnootropic活性を持つ薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・禁断症状群の振せんせん妄(291.1)の治療および予防、
・アルコール性健忘症(291.1)および他のアルコール性痴呆疾患(291.2)の治療および予防、
・病的アルコール性中毒(291.3)の治療および予防、
・アルコール性パラノイアおよび妄想型のアルコール性精神病(291.5)の治療および予防、
を含むアルコール性精神病(291)の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0112】
本発明の他の実施形態において、脳修復工程を刺激し、脳保護およびnootropic活性を持つ薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、アルコール中毒(303)の場合の脳障害の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0113】
本発明の他の実施形態において、向神経性剤の毒性効果を抑制し、脳保護およびnootropic活性を持つ薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・薬物禁断症状群(292.0)の治療および予防、
・薬物誘導妄想および/または幻覚性神経痛疾患(292.1)の治療および予防、
・医薬品での病的中毒(292.2)の治療および予防、
・他の薬物誘導精神疾患(292.8)(せん妄(292.81)、痴呆(292.82)、健忘症候群(292.83)および器質性感情症候群(292.84))の治療および予防、を含む薬物誘導精神病(292)の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0114】
本発明の他の実施形態において、向神経性剤の毒性効果を抑制し、脳保護活性を持つ薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・オピオイド剤に対する嗜癖(304.1)の治療および予防、
・バルビツレート、鎮痛剤、およびトランキライザに対する嗜癖(304.1)の治療および予防、
・コカイン嗜癖(304.2)の治療および予防、
・大麻誘導体に対する嗜癖(304.3)の治療および予防、
・アンフェタミンおよび精神刺激薬に対する嗜癖(304.4)の治療および予防、
・幻覚誘発剤に対する嗜癖(304.5)の治療および予防、
・薬物嗜癖なしの薬物乱用(305)(アルコール(305.0)、タバコ(305.1)、大麻(305.2)、幻覚剤(305.3)、オピオイド(305.5)、コカイン(305.6)、精神刺激薬(305.7)、抗うつ剤(305.8)の乱用)による脳障害の治療および予防、
を含む薬物嗜癖(304)の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0115】
本発明の他の実施形態において、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・精神性生理学的障害(306)の治療および予防、
・他の精神性症状および症候群(306)(構音障害および言語障害(307.0)、精神性食欲不振(307.1)、チック(307.2)、ステレオタイプ運動の繰り返し(307.3)、非器質性睡眠障害(307.4)、精神性食事障害(307.5)、遺尿症(307.7)、精神疼痛(307.8))の治療および予防、
・急性ストレス応答(308)の治療および予防、
・心理学的傾向(309)によって誘導された応答の治療および予防、
を含む精神性症状および症候群(306〜309)の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0116】
本発明の他の実施形態において、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・分裂病疾病(295)の治療および予防、
・情動精神病(296)の治療および予防、
・妄想状態(297)の治療および予防、
・他の非器質性精神病(298)(うつ(298.1)および激越性うつ病(298.2)の精神病、反応性錯乱(298.2)、急性妄想応答(298.3)、精神性妄想精神病(298.4)およびAIDS患者での脳障害によって誘導された精神病(042.9)を含む非分裂精神病(298.9))の治療および予防、
・幼児自閉症(299.1)および崩壊精神病(299.2)を含む幼児精神病(299)の治療および予防、
を含む非器質性精神病(295〜299)の治療および予防のための薬剤として使用される。
【0117】
本発明の他の実施形態において、大脳修復工程を刺激し、脳保護およびnootropic活性を持つ薬物としてのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・脳嚢腫(348.0)の場合の脳障害の治療および予防、
・低酸素脳傷害(348.1)の治療および予防、
・頭蓋内高血圧(348.2)の場合の脳障害の治療および予防、
・エンセファロパシー(348.3)の場合の脳障害の治療および予防、
を含む他の脳疾患(348)の場合の脳障害の治療および予防のための薬物として使用される。
【0118】
本発明の他の実施形態において、大脳修復工程および運動活性を刺激し、脳保護およびnootropic効果を持つ、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドは、以下の、
・認識障害、記憶および注意障害(例えば、健忘疾患、精神遅滞、非器質性精神病などの場合)の治療および予防、
・失語症および失行症(例えば、健忘疾患、精神遅滞、クロモソーム異常による大脳障害の場合)の治療および予防、
・感情障害(例えば、精神遅滞、脱髄性大脳疾患などの場合)の治療および予防、
・生理病理学的症候群(例えば伝統的な器質性精神病性状態、薬物誘導精神病、薬物嗜癖などの場合)の治療および予防、
・無力うつ症状(例えば、非器質性精神病、クロモソーム異常による大脳障害などの場合)の治療および予防、
・せん妄症候群(例えば、薬物誘導精神病および薬物嗜癖、非基質性精神病などの場合)の治療および予防、
・睡眠疾患(例えば、大脳腫瘍、伝統的な器質性精神病状態などの場合の)治療および予防
・大脳−限局性症候群(限局性病的症状)(例えば、手術または他の医学的介入の合併症、脱髄性大脳疾患などの場合)の治療および予防、
・運動疾患(例えば大脳腫瘍、毒化による大脳障害などの場合)の症状の治療および予防、
を含む種々の大脳疾患の場合の症状および症候群の予防および治療のための薬剤として使用される。
【0119】
テトラペプチド、L−アラニル−L−グルタルニル−L−アスパラギル−L−プロリン(L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Pro)の臨床適用は、大脳ニューロンの障害または欠失によって引き起こされたか、またはそれらに関連する疾患および疾病での前記薬剤の効果における、実験的データを追認した。
【0120】
提案されたテトラペプチドにおける臨床試験の以下に列記した例は、その製薬特性を示しており、本発明を実行する可能性を支持している。
【0121】
例10
頭蓋脳障害合併症の場合の、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
試験を、頭蓋脳障害の遠隔合併症の35人の患者で実施した。彼らを3つの群に分類した。対照群(10人の患者−標準処置)、試験下群(15人の患者−標準処置+1μgのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチド、10日間毎日腹膜内)および比較群(10人の患者−標準の処置+セレブロリシン)。患者における被った頭蓋脳障害の遠隔性が1〜10年間で構成される。外傷後処理の代償不全がすべての患者で起こり、流体力学的疾患、神経循環失調、大脳焦点および生理病理学的症候群にて顕著であった。
【0122】
患者の注意におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドでの処理の効果を治、療の前後の検定試験データによって査定した。調査した印の数の有意な増加および間違えの数の減少が見られ、このことは、注意の増強、およびテトラペプチド活性によって促進された注意の復元力の増加を示していた。
【0123】
テトラペプチドで処置した患者において、治療の前後での検定試験における変化の解析において、他の群の患者と比べて、よりよい結果が得られた。このことは、タスク実行の中間時点での「順応」期間、およびタスクの終わりによる曲線の穏やかな減衰における、等期間中、観察された兆候の数(reviewed symbol)における鋭い変化がない場合に明らかになる。このことは、本薬剤での処置の後の注意のより大きな安定性を示していた。
[表5]検定試験性能の指標におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
【表5】
Figure 0004668497
【0124】
*−従来の処置の結果と比較して、P<0.05
大脳生態電活性におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの影響を査定するために、可視EEG(脳波)を、処置の前後でのα−指標の型および計算におけるその分布にて実施した。EEG試験は、疾患の最も顕著な兆候を示している異なる群の患者で選択的に実施した。
【0125】
処置の前に、EEGの患者病理学的型(III、IVおよびV)が、すべての群で明らかになった。第III型EEGは、低振幅速度(30〜35μV以上ではない)と並んで、いわゆる「非優性」曲線の存在、不規則またはまたはα−活性がないことによっても、特徴づけられた。第IV型EEGは、極度に協調されたリズム調和と不鮮明な帯差異によって特徴づけられた、第VgたEEGは、不規則なゆっくりした活性(35μVを超える増幅)、鋭い波および発作波を示した。
【0126】
大脳生態電活性における最もはっきりとした変化は、主に、αリズム帯差のよりはっきりとした調節および回復、刺激性工程の発現の減少、いくつかの場合、発作波の消滅によってEEGにて明らかであった、テトラペプチドによって処置した患者で現れた。
【0127】
処置は、研究した患者でのα指数における有意な増加効果を持っていることがわかった。しかしながら、異なる治療方法での患者におけるα指数の変化の程度は、異なった。α指数変化は、他の群のパラメータと比較して、本テトラペプチドで処理した患者で有意に高かった。
[表6]患者でのα指数EEG変化におけるL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
【表6】
Figure 0004668497
【0128】
*−健康ボランティアでの指数と比較して、P<0.05
*−処置前の指数と比較して、P<0.05
得られたデータは、すべての研究群での、α指数の有意な増加を示しており、同時に、テトラペプチドで処置した患者で前記指数がより多量に増加していることを示唆している。
【0129】
テトラペプチドでの処置の前後の患者の状態の主観的指数の比較により、記憶と精神敏捷性改善、頭痛の強度および期間の減少、情緒平静が、この場合の71%で、夜間休息の後に活性化および回復する可能性があることが示された。
【0130】
従って、以下は、外傷後工程代償不全の期間の頭蓋障害の最終sequalaeの患者での、L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチド投与後の治療的効果である。脳の認識機構の改善、記憶および注意、大脳生態電活性の回復。
【0131】
例11
血管性痴呆の治療でのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの効果
長期間、高血圧疾患および大脳血管のアテローム性動脈硬化症を患っている、年齢69から76歳の12人の患者(7人の男性および5人の女性)を研究に登録した。そのうち3人が、医療歴で卒中をおこしていた。治療の前に同様の患者で得られた初期データを対照として使用した。L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドを30日間毎日1回、3μgの単一用量で筋肉内に注射した。
【0132】
結果を、治療の前に得たデータと比較して、治療の後に査定した。実験結果に基づくと、患者の状態の変化は、以下の段階変化で定義される。改善(相当、平均的または小)、悪化、変化なし。
【0133】
知的記憶欠陥の前治療実験兆候がすべての患者で見られた。記憶障害、知的悪化、失語症、失行症、および失書症疾患。9人の患者で、時間および場所の見当識障害の兆候が見られた。患者の情緒状態は不安定であり、無関心、多幸感、無頓着および怒り傾向を明らかに示した。心理学的試験は、記憶の顕著な障害および、効率的な知的活性能力、失語症が存在することを示した。
【0134】
臨床状態は4〜5日目で改善した。いくつかの活動に関する活性および意図の改善が見られ、患者はベッドにいることが少なくなり、患者の情緒不安定性は減少した。5〜7日目に、患者の睡眠は平常化し、実行時の疲労が減少し、患者は環境によりよく順応した。失語症、失行症、失書症の兆候は減衰した。さらに、患者の、先の経験の再生、および現在の事象に対する記憶が改善した。情緒状態は、患者の先の情緒背景に依存して変化した。うつの患者は、一般緊張の増加およびよりよい身体状態を伴って、気分の改善が見られ、無欲患者はより活発になった。情緒不安定性および被刺激性増加の場合、患者の情緒状態は、治療の経過の中でより安定した。
【0135】
神経心理学、心理生理学的実験により、テトラペプチドの活性下、短期記憶、焦点合わせの改善、記憶情報量の増加が見られたことが示された。さらに、ミスの数の減少を伴って、算術計算の時間の短縮を示した。治療の後、患者は有意な注意期間の増加を示し、また選別での複雑な感覚運動反応が改善した。
従って、低薬物用量での適用処置の最中、患者の74.8%が病理学的症状の逆行進展を示したので、血管性痴呆の患者でのL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの予備臨床試験によって、本調製物の有意な治療的効果が示された。
【0136】
示されたデータは、血管性痴呆の患者での認識障害、記憶および注意疾患、失語症、失行症および情緒障害の場合のL−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチドの高い有効性を示している。
【参照文献】
Figure 0004668497
【0137】
【図面の簡単な説明】
【図1】 種々の濃度でのセレブロリシンまたは本発明のテトラペプチドをニワトリ胚の大脳皮質外植片の培養培地に加えて培養したときのの、培養3日の時点での結果を示すグラフである。
【図2】 図2は、神経幹に適用した刺激の強度−期間曲線における本発明のテトラペプチドの効果を示すグラフである。
【図3】 本発明のテトラペプチドの導入がマウスのアセチルコリン筋肉収縮率を減少させる効果を示すグラフである。

Claims (16)

  1. 一般式L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−ProであらわされるテトラペプチドL−アラニル−L−グルタミル−L−アスパルチル−L−プロリン。
  2. ニューロンの機能的活性刺激剤としての、一般式L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−ProであらわされるテトラペプチドL−アラニル−L−グルタミル−L−アスパルチル−L−プロリン。
  3. 活性塩基および薬学的に許容可能なキャリアを含有する、ニューロンの機能的活性を刺激する薬理学的薬剤であって、活性塩基として有効量のL−Ala−LGlu−L−Asp−L−Proテトラペプチドまたはその塩を含有することを特徴とする薬剤。
  4. 請求項3に記載の薬剤であって、アミノ基の塩を含有することを特徴とする薬剤。
  5. 請求項4に記載の薬剤であって、前記アミノ基の塩は、酢酸塩、塩酸塩または蓚酸塩であることを特徴とする薬剤。
  6. 請求項3に記載の薬剤であって、カルボキシル基の塩を含有することを特徴とする薬剤。
  7. 請求項6に記載の薬剤であって、前記カルボキシル基の塩が、ナトリウム塩、カルシウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、または有機陽イオンもしくは無機陽イオンの塩であることを特徴とする薬剤
  8. 請求項7に記載の薬剤であって、前記有機陽イオンもしくは無機陽イオンの塩が、アンモニウム塩またはトリエチルアンモニウム塩であることを特徴とする薬剤。
  9. 請求項3に記載の薬剤であって、非経腸的投与が意図されることを特徴とする薬剤。
  10. 請求項3に記載の薬剤であって、鼻腔内投与が意図されることを特徴とする薬剤。
  11. 請求項3に記載の薬剤であって、経口投与が意図されることを特徴とする薬剤。
  12. L−Ala−L−Glu−L−Asp−L−Proテトラペプチド、またはアミノ基のその塩、またはカルボキシル基のその塩の使用であって、ニューロンの機能的活性の刺激を必要とする疾患および病理学的状態を治療する薬剤の製造のための使用。
  13. 請求項12に記載の使用であって、前記アミノ基の塩が酢酸塩、塩酸塩、または蓚酸塩であることを特徴とする使用。
  14. 請求項12に記載の使用であって、前記カルボキシル基の塩がナトリウム塩、カルシウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、または有機陽イオンもしくは無機陽イオンの塩であることを特徴とする使用。
  15. 請求項14に記載の薬剤であって、前記有機陽イオンもしくは無機陽イオンの塩が、アンモニウム塩またはトリエチルアンモニウム塩であることを特徴とする使用。
  16. 請求項12〜15の何れか1項に記載の使用であって、前記薬剤が非経腸的、鼻腔内、または経口での投与のための医薬として調製され、また0.01〜100μg/体重kgの用量で適用されるときに有効である使用
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