JP4667983B2 - 通信装置、通信方法、電力線搬送通信システム - Google Patents
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Description
具体的には、各通信装置は、伝送路から受信した信号の電力(受信電力)を検出する回路を備え、その検出結果に基づいて送信を許可すべきか否かを判断する。すなわち、検出した受信電力が所定の閾値よりも大きい場合にはデータ送信を許可せず、その所定の閾値以下である場合にはデータ送信を許可する。
通常伝送路には雑音が存在するため、図1(a)に示すように、受信電力の閾値は、「雑音レベル」と「他の通信装置の信号レベル」との間に設定される。ここで、「他の通信装置の信号レベル」とは、共通の伝送路に接続された他の通信装置によって送信される信号電力を意味する。「雑音レベル」と「他の通信装置の信号レベル」は、図に示すように、それぞれ、ばらつきや各通信装置の通信特性に応じて一定のレンジを有している。
この閾値が大きすぎると他の通信装置に妨害を与えるか、または、自己の送信相手が他の通信装置の妨害を受けて受信できない場合が頻発する。逆に、閾値が小さすぎると、閾値を越える雑音を他の通信装置からの信号と誤認してしまうために送信が制限され、送信機会を度々逸することになる。
図1(a)に示すように、通常、他の通信装置から送信される信号の電力の下限値と、雑音レベルとの間には十分な電力差があるため、従来のCSMA方式の通信では、他の通信装置と干渉することが少なく、かつ、送信機会を逸することが少ないように閾値を設定することができた。
図1(b)に示すように、伝送路の雑音レベルが大きい場合には、その雑音レベルと、他の通信装置からの信号レベルとが重複する。かかる場合には、各通信装置は、伝送路からの受信電力を検出するだけでは、雑音であるのか、または、他の通信装置が送出する信号であるのかを判別することができない。したがって、通信装置は、伝送路上の雑音を他の通信装置からの信号と誤判定してしまい、送信機会を逸することになってしまう。
他の通信装置と共有する伝送路から受信した信号の受信電力を検出する検出部と、
検出された前記受信電力を、前記他の通信装置の送信する信号電力に応じて設定された第1閾値、および、その第1閾値より大きく、前記伝送路の雑音レベルに応じて設定された第2閾値と比較する比較部と、
検出された前記受信電力が前記第2閾値以下である場合に、データの送信を許可する送信制御部と、
検出された前記受信電力が前記第1閾値以下である場合に第1電力にて送信を行い、検出された前記受信電力が前記第1閾値より大きく、かつ、前記第2閾値以下である場合に、前記第1電力よりも小さい第2電力にて送信を行うように、送信電力を制御する電力制御部と、
を備えた通信装置である。
他の通信装置と共有する伝送路から受信した信号の受信電力を検出する検出部と、
検出された前記受信電力を、前記他の通信装置の送信する信号電力に応じて設定された第1閾値、および、その第1閾値より大きく、前記伝送路の雑音レベルに応じて設定された第2閾値と比較する比較部と、
データの送信完了に応じて動作を開始し、所定の値をカウントした後に動作を停止するカウンタと、
検出された前記受信電力が前記第1閾値以下である場合にデータの送信を許可し、検出された前記受信電力が前記第1閾値より大きく、かつ、前記第2閾値以下である場合には、前記カウンタが停止していることを条件として、データの送信を許可する送信制御部と、
を備えた通信装置である。
他の通信装置と共有する伝送路から受信した信号の受信電力を検出し、
検出された前記受信電力を、前記他の通信装置の送信する信号電力に応じて設定された第1閾値、および、その第1閾値より大きく、前記伝送路の雑音レベルに応じて設定された第2閾値と比較し、
検出された前記受信電力が前記第2閾値以下である場合に、データの送信を許可し、
検出された前記受信電力が前記第1閾値以下である場合に第1電力にて送信を行い、検出された前記受信電力が前記第1閾値より大きく、かつ、前記第2閾値以下である場合に、前記第1電力よりも小さい第2電力にて送信を行う
通信方法である。
他の通信装置と共有する伝送路にデータを送信し、
当該データの送信完了に応じて、カウンタが所定の値をカウントする動作を開始し、
前記伝送路から受信した信号の受信電力を検出し、
検出された前記受信電力を、前記他の通信装置の送信する信号電力に応じて設定された第1閾値、および、その第1閾値より大きく、前記伝送路の雑音レベルに応じて設定された第2閾値と比較し、
前記カウンタが動作しているか否かを判別し、
検出された前記受信電力が前記第1閾値以下である場合にデータの送信を許可し、検出された前記受信電力が前記第1閾値より大きく、かつ、前記第2閾値以下である場合には、前記カウンタが停止していると認識したことを条件として、データの送信を許可する
通信方法である。
各通信装置は、
前記電力線から受信した信号の受信電力を検出する検出部と、
検出された前記受信電力を、前記複数の通信装置の送信電力に応じて設定された第1閾値、および、その第1閾値より大きく、前記電力線の雑音レベルに応じて設定された第2閾値と比較する比較部と、
検出された前記受信電力が前記第2閾値以下である場合に、データの送信を許可する送信制御部と、
検出された前記受信電力が前記第1閾値以下である場合に第1電力にて送信を行い、検出された前記受信電力が前記第1閾値より大きく、かつ、前記第2閾値以下である場合に、前記第1電力よりも小さい第2電力にて送信を行うように、送信電力を制御する電力制御部と、
を備えた電力線搬送通信システムである。
各通信装置は、
前記電力線から受信した信号の受信電力を検出する検出部と、
検出された前記受信電力を、前記複数の通信装置の送信電力に応じて設定された第1閾値、および、その第1閾値より大きく、前記電力線の雑音レベルに応じて設定された第2閾値と比較する比較部と、
データの送信完了に応じて動作を開始し、所定の値をカウントした後に動作を停止するカウンタと、
検出された前記受信電力が前記第1閾値以下である場合にデータの送信を許可し、検出された前記受信電力が前記第1閾値より大きく、かつ、前記第2閾値以下である場合には、前記カウンタが停止していることを条件として、データの送信を許可する送信制御部と、
を備えた電力線搬送通信システムである。
以下、本発明の通信装置の一実施形態について説明する。
本発明の通信装置の一実施形態としてのモデム1は、他の複数のモデムと共有する伝送路に接続され、この伝送路を介して他のモデムと通信を行う。
その際、実施形態に係るモデム1は、CSMA方式の通信プロトコルに従う。すなわち、伝送路上の信号を受信し、その信号電力が小さいことを検出すると、伝送路が他のモデムによって使用されていないと判断して、データを伝送路に送出する。しかし、伝送路上の雑音レベルが大きい場合には、伝送路から受信した信号が雑音であるのか、または、他のモデムからの送信信号であるのかを判別することが困難となる。
そこで、実施形態に係るモデム1では、送信機会を失う可能性および他のモデムによる通信を妨害する可能性を低減させるために、伝送路から受信した信号と、予め設定された2つの閾値とを比較する。この2つの閾値は、他のモデムの送信する信号電力に応じて設定された第1閾値(本実施形態では、閾値TH1に相当)、伝送路の雑音レベルに応じて設定された第2閾値(本実施形態では、閾値TH2に相当)であり、これらの閾値との比較結果に応じて、送信許否の判断、送信電力の制御が行われる。
そのため、本実施形態に係るモデム1は、閾値との比較結果に応じてデータの送信許否を判断する送信制御部と、閾値との比較結果に応じて送信電力を制御する電力制御部とを備える。以下の実施形態の説明では、送信制御部および電力制御部は、制御回路18(送信制御部184)に対応する。
図2に示すように、モデム1は、他のモデムと共有する伝送路100と接続される。
モデム1は、増幅器11,17、受信回路12、受信バッファ(Rx Buffer)13、MAC層処理部14、送信バッファ(Tx Buffer)15、送信回路16、制御回路18を備える。
受信回路12は、受信信号S11の検波および復調を行うとともに、デジタルデータ(受信データ)に変換する。この受信データは、受信バッファ13に一時的に保持された後、MAC層処理部14に供給される。
MAC層処理部14は、受信データに対して誤り検出処理、ACK処理などの処理を行った後、図示しないアプリケーション処理部に供給する。
図2において、制御回路18は、イネーブル信号ENによって、送信回路16による送信処理を制御する。イネーブル信号ENがアクティブであることを条件として、送信回路16は送信処理を行い、送信信号S16を増幅器17に供給する。
また、制御回路18は、電力設定信号P_SETによって、増幅器17による増幅処理を制御する。すなわち、増幅器17は、制御回路18から供給される電力設定信号P_SETに応じた増幅率で送信信号を増幅する。これにより、伝送路100に送出される送信信号の電力が制御回路18によって制御される。
図3は、制御回路18の構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御回路18は、受信電力測定部181、比較器182,183、送信制御部184を含んで構成される。
受信電力測定部181は、増幅器11から供給された受信信号S11の受信電力Prを測定し、その測定結果を比較器182,183に供給する。
比較器182,183は、受信電力Prをそれぞれ閾値TH1、閾値TH2と比較し、その比較結果(論理値S182,S183)を送信制御部184に出力する。
通常、伝送路100を利用するモデム(他の装置)が送出する信号レベル(信号電力)は、伝送路100に重畳する雑音レベルよりも大きく、両者のレベルの幅は重なり合わない。しかし、、伝送路100上の雑音レベルの幅が変動する(大きい方に拡がる)と、図4に示すように、他のモデムが送出する信号レベルと重なり合う場合が生ずる。
ここで、他のモデムから送出される信号電力は、通常各モデムの仕様から明らかであり、伝送路100を利用するすべてのモデムから信号電力のうち、最小のものを閾値TH1とすればよい。伝送路100に重畳する雑音レベルは、他のモデムから信号が送出されない状態で、伝送路100上の信号電力を所定時間観測することで得られ、その観測された雑音レベルを統計処理し、最大値を閾値TH2とすればよい。
以下、閾値との比較結果に応じて場合分けて説明する。
論理出力S182,S183に基づいて、受信電力Pr<閾値TH1であることを認識すると、送信制御部184は、イネーブル信号ENをアクティブにすることで、送信回路16による送信処理を許可する。さらに、電力設定信号P_SETを「レベル1」に設定し、増幅器17は、レベル1の電力となるような増幅率で送信信号S16を増幅し、伝送路100に送出する。
論理出力S182,S183に基づいて、閾値TH1<受信電力Pr<閾値TH2であることを認識すると、送信制御部184は、イネーブル信号ENをアクティブにすることで、送信回路16による送信処理を許可する。さらに、電力設定信号P_SETを「レベル2」に設定し、増幅器17は、レベル2の電力となるような増幅率で送信信号S16を増幅し、伝送路100に送出する。その際、このレベル2の電力がレベル1の電力より小さくなるように、増幅率が設定される。
すなわち、上記(2)の場合には、受信電力測定部181で測定された受信電力Prが、雑音によるものか、他のモデムが送出する信号によるものか判別することができないが、送信処理を一切禁止すると、送信機会を徒に失うことことが多くなってしまうためである。
一般に、伝送路100上に雑音レベルは平均値としては小さく、伝送路100に接続された機器の動作に応じて大きな値を示す。それゆえ、上記(2)の場合には、送信するタイミングで雑音レベルが小さくなっていれば、相手先で送信信号を受信できる可能性が高い。したがって、送信を許可することで、送信機会を失わないようにする。
論理出力S182,S183に基づいて、閾値TH2<受信電力Prであることを認識すると、送信制御部184は、イネーブル信号ENを非アクティブにすることで、送信回路16による送信処理を禁止する。上記(3)の場合には、確実に他のモデムが伝送路100を使用しているため、そのモデムの通信を妨害しないようにする。
MAC層処理部14は、図示しないアプリケーション処理部から供給された送信対象のデータに対して誤り訂正符号化等の処理を行ったうえで、送信バッファ15に供給し、送信データはそこで一時的に保持される。
イネーブル信号ENがアクティブの場合には、送信が許可されたことを意味し、かかる場合には、送信回路16は、送信バッファ15に一時的に保持された送信データを取り出し、変調する等の送信処理を行った後にアナログ信号(送信信号)に変換する。送信回路16が生成した送信信号S16は、増幅器17において、制御回路18により指示された電力設定信号P_SETに応じた増幅率で増幅され、伝送路100に送出される。すなわち、測定した受信電力Prが閾値TH1よりも小さければ、レベル1の送信電力とし、閾値TH1と閾値TH2の間でにあれば、レベル1よりも小さいレベル2の送信電力とする。
すなわち、実施形態に係るモデムは、伝送路上の信号電力が確実に他のモデムが送信する信号電力であると判断した場合(Pr>TH2)にデータの送信を禁止し、伝送路上の信号電力が確実に雑音であると判断した場合(Pr<TH1)にデータの送信を許可し、受信電力Prが、雑音によるものか、他のモデムが送出する信号によるものか判別することができない場合(TH1<Pr<TH2)には、送信電力を小さくした上で送信を許可する。
したがって、本実施形態に係るモデムによれば、雑音レベルが大きく変動するような伝送路を用いた通信において、送信機会を失う可能性、および、他のモデムによる通信を妨害する可能性を極力低減するようにすることができる。
以下、本発明の通信装置の別の実施形態としてのモデムについて説明する。
本実施形態に係るモデム2は、第1の実施形態に係るモデム1同様、複数のモデムで単一の伝送路を共有し、CSMA方式の通信プロトコルに従った通信を行う。その際、その伝送路上の雑音レベルのレンジが広いために、伝送路から受信した信号電力が、雑音によるものか、他のモデムが送出する信号によるものか判別することができない場合には、第1の実施形態で述べた送信処理とは異なる処理を行う。すなわち、かかる場合に、本実施形態に係るモデム2は、送信電力を小さくするのではなく、送信頻度を低下させる。
かかる観点から、本実施形態に係るモデムは、データの送信頻度を規定するために所定の値をカウントするカウンタと、そのカウンタの動作/非動作と受信電力とに応じて、データの送信許否を判断する送信制御部とを備える。以下の実施形態の説明では、カウンタはカウンタ22に対応し、送信制御部は制御回路21に対応する。
図6において、図2に示した第1の実施形態に係るモデム1と同一のブロックについては、共通の符号が付してあり、これらのブロックの説明については省略する。基本的な送受信動作は、モデム1と全く同一である。
本実施形態に係るモデム2は、モデム1と比較して、送信回路20、制御回路21およびカウンタ22が異なる。
制御回路21は、イネーブル信号ENをアクティブにしてデータの送信を許可した後、そのデータの送信が完了すると、初期化信号INTを所定期間(たとえば1クロック)アクティブにする。
カウンタ22は、自己の動作/非動作を示す動作信号ACT(アクティブ:動作、非アクティブ:非動作)を、制御回路21に逐次出力する。
図7は、制御回路21の構成を示すブロック図である。図7に示すように、制御回路21は、受信電力測定部211、比較器212,213、送信制御部214を含んで構成される。
受信電力測定部211は、増幅器11から供給された受信信号S11の受信電力Prを測定し、その測定結果を比較器212,213に供給する。
比較器212,213は、受信電力Prをそれぞれ閾値TH1、閾値TH2と比較し、その比較結果(論理値S212,S213)を送信制御部214に出力する。
また、閾値TH1,TH2についても、第1の実施形態と同様である。すなわち、他のモデムから伝送路100に送出される信号電力の最小値を閾値TH1に設定し、伝送路100に重畳する雑音レベルの最大値を閾値TH2に設定する。
また、送信制御部214は、イネーブル信号ENをアクティブにして送信を許可することでデータの送信が完了すると、初期化信号INTを所定期間(たとえば1クロック)アクティブにする。
以下、閾値との比較結果に応じて場合分けて説明する。
論理出力S212,S213に基づいて、受信電力Pr<閾値TH1であることを認識すると、送信制御部184は、イネーブル信号ENをアクティブにすることで、送信回路20による送信処理を許可する。このとき、初期化信号INTは非アクティブのままであり、カウンタ22に対する制御は行われない。
論理出力S212,S213に基づいて、閾値TH1<受信電力Pr<閾値TH2であることを認識すると、送信制御部214は、図8に示すように、カウンタ22が動作中である、すなわち、カウンタ22からの動作信号ACTがアクティブであることを条件として、イネーブル信号ENを非アクティブとすることで、送信回路20による送信処理を禁止する。このとき、初期化信号INTは非アクティブのままであり、カウンタ22に対する制御は行われない。
一方、カウンタ22が動作中でない、すなわち、カウンタ22からの動作信号ACTが非アクティブであることを条件として、イネーブル信号ENをアクティブとすることで、送信回路20による送信処理を許可する。さらに、送信制御部214は、初期化信号INTを所定期間アクティブとすることでカウンタ22を初期化する。これにより、カウンタ22は初期値からのカウントダウン動作を開始する。
たとえばTVセットに対する画像データの伝送など、伝送速度を保証すべき帯域保証型モデムは、定期的なタイミングで伝送路に対して信号を送信するため、この定期的なタイミング以外の時間にモデム2がデータを送信すれば、帯域保証型モデムによる通信を妨害しないで済む。
論理出力S212,S213に基づいて、閾値TH2<受信電力Prであることを認識すると、送信制御部214は、イネーブル信号ENを非アクティブにすることで、送信回路20による送信処理を禁止する。上記(3)の場合には、確実に他のモデムが伝送路100を使用しているため、そのモデムの通信を妨害しないようにする。
MAC層処理部14は、図示しないアプリケーション処理部から供給された送信対象のデータに対して誤り訂正符号化等の処理を行ったうえで、送信バッファ15に供給し、そこで送信データは一時的に保持される。
イネーブル信号ENがアクティブの場合には、送信が許可されたことを意味し、かかる場合には、送信回路20は、送信バッファ15に一時的に保持された送信データを取り出し、変調等の送信処理を行った後にアナログ信号(送信信号)に変換する。送信回路20が生成した送信信号S20は、増幅器17において増幅されて、伝送路100に送出される。
一方、イネーブル信号ENが非アクティブの場合には、送信が禁止されたことを意味し、かかる場合には、送信回路20は送信処理を行わない。
測定した受信電力Prが閾値TH1と閾値TH2の間にある場合には、カウンタ22が動作中、イネーブル信号ENが非アクティブとなって送信が禁止され、カウントし終わるとイネーブル信号ENがアクティブとなって送信が許可される。したがって、送信頻度が制限されたうえで、データの送信が行われる。
すなわち、実施形態に係るモデムは、伝送路上の信号電力が確実に他のモデムが送信する信号電力であると判断した場合(Pr>TH2)にデータの送信を禁止し、伝送路上の信号電力が確実に雑音であると判断した場合(Pr<TH1)にデータの送信を許可するとともに、受信電力Prが、雑音によるものか、他のモデムが送出する信号によるものか判別することができない場合(TH1<Pr<TH2)には、カウンタ22の初期値に応じて送信頻度を制限したうえで、送信を許可する。
したがって、本実施形態に係るモデムによれば、雑音レベルが大きく変動するような伝送路を用いた通信において、送信機会を失う可能性、および、他のモデムによる通信を妨害する可能性を極力低減するようにすることができる。
以下、本発明の電力線搬送通信システムの一実施形態について説明する。
電力線(一般に電灯線とも称する)を利用して通信を行う電力線搬送通信は150kHzから450kHzを利用するものと、2MHzから30MHzを利用するものがあり、日本では前者の周波数帯を利用する装置のみ認可されている。近年、後者の周波数帯を利用する装置が米国において認可され、日本においても現在認可に向けて利用条件の検討が行われている。後者の周波数帯を利用する通信装置は高速伝送が可能であることから、様々な用途が提案されおり、今後普及が進むことが予想される。
図9において、分電盤200からは複数の電灯線が配線されていて、各電灯線には、複数のモデムの他、コンセントや照明装置を初めとする様々な家電製品(図示しない)が接続されている。図9では、分電盤200からは電灯線300,301が取り出されている。電灯線300にはモデム31〜33が接続されている。また、電灯線301にはモデム34〜36が接続されている。
図9において、各モデムは、CSMA方式の通信プロトコルに従った通信を行う。
すなわち、電力線搬送通信システム3では、たとえばLANケーブルなどを用いた有線通信と比較して、伝送路の雑音レベルが大きく変動するため、図4に示したように、電灯線上では、雑音レベルの変動に応じて、雑音レベルのレンジとモデム31〜36が送出する信号レベルのレンジとが重なり合う場合が生ずる。
また、上述した複数の実施形態の内容を組み合わせることもできる。たとえば、受信電力Prが、雑音によるものか、他のモデムが送出する信号によるものか判別することができない場合(TH1<Pr<TH2)に、送信電力を小さくし、かつ、送信頻度を低下させるようにしてもよい。
11…増幅器、12…受信回路、13…受信バッファ、14…MAC層処理部、
15…送信バッファ、16…送信回路、17…増幅器、
18…制御回路
181…受信電力測定部、182,183…比較器、184…送信制御部
2…モデム
20…送信回路、21…制御回路
211…受信電力測定部、212,213…比較器、214…送信制御部
22…カウンタ
100…伝送路
3…電力線搬送通信システム
31〜36…モデム
200…分電盤、300,301…電灯線
Claims (8)
- 他の通信装置と共有する伝送路から受信した信号の受信電力を検出する検出部と、
検出された前記受信電力を、前記他の通信装置の送信する信号電力に応じて設定された第1閾値、および、その第1閾値より大きく、前記伝送路の雑音レベルに応じて設定された第2閾値と比較する比較部と、
検出された前記受信電力が前記第2閾値以下である場合に、データの送信を許可する送信制御部と、
検出された前記受信電力が前記第1閾値以下である場合に第1電力にて送信を行い、検出された前記受信電力が前記第1閾値より大きく、かつ、前記第2閾値以下である場合に、前記第1電力よりも小さい第2電力にて送信を行うように、送信電力を制御する電力制御部と、
を備えた通信装置。 - 他の通信装置と共有する伝送路から受信した信号の受信電力を検出する検出部と、
検出された前記受信電力を、前記他の通信装置の送信する信号電力に応じて設定された第1閾値、および、その第1閾値より大きく、前記伝送路の雑音レベルに応じて設定された第2閾値と比較する比較部と、
データの送信完了に応じて動作を開始し、所定の値をカウントした後に動作を停止するカウンタと、
検出された前記受信電力が前記第1閾値以下である場合にデータの送信を許可し、検出された前記受信電力が前記第1閾値より大きく、かつ、前記第2閾値以下である場合には、前記カウンタが停止していることを条件として、データの送信を許可する送信制御部と、
を備えた通信装置。 - 前記カウンタがカウントする前記所定の値は、乱数によって設定される
請求項2記載の通信装置。 - 他の通信装置と共有する伝送路から受信した信号の受信電力を検出し、
検出された前記受信電力を、前記他の通信装置の送信する信号電力に応じて設定された第1閾値、および、その第1閾値より大きく、前記伝送路の雑音レベルに応じて設定された第2閾値と比較し、
検出された前記受信電力が前記第2閾値以下である場合に、データの送信を許可し、
検出された前記受信電力が前記第1閾値以下である場合に第1電力にて送信を行い、検出された前記受信電力が前記第1閾値より大きく、かつ、前記第2閾値以下である場合に、前記第1電力よりも小さい第2電力にて送信を行う
通信方法。 - 他の通信装置と共有する伝送路にデータを送信し、
当該データの送信完了に応じて、カウンタが所定の値をカウントする動作を開始し、
前記伝送路から受信した信号の受信電力を検出し、
検出された前記受信電力を、前記他の通信装置の送信する信号電力に応じて設定された第1閾値、および、その第1閾値より大きく、前記伝送路の雑音レベルに応じて設定された第2閾値と比較し、
前記カウンタが動作しているか否かを判別し、
検出された前記受信電力が前記第1閾値以下である場合にデータの送信を許可し、検出された前記受信電力が前記第1閾値より大きく、かつ、前記第2閾値以下である場合には、前記カウンタが停止していると認識したことを条件として、データの送信を許可する
通信方法。 - 前記カウンタがカウントする前記所定の値は、乱数によって設定される
請求項5記載の通信方法。 - 宅内の電力線を利用して複数の通信装置間の通信を行う電力線搬送通信システムであって、
各通信装置は、
前記電力線から受信した信号の受信電力を検出する検出部と、
検出された前記受信電力を、前記複数の通信装置の送信電力に応じて設定された第1閾値、および、その第1閾値より大きく、前記電力線の雑音レベルに応じて設定された第2閾値と比較する比較部と、
検出された前記受信電力が前記第2閾値以下である場合に、データの送信を許可する送信制御部と、
検出された前記受信電力が前記第1閾値以下である場合に第1電力にて送信を行い、検出された前記受信電力が前記第1閾値より大きく、かつ、前記第2閾値以下である場合に、前記第1電力よりも小さい第2電力にて送信を行うように、送信電力を制御する電力制御部と、
を備えた電力線搬送通信システム。 - 宅内の電力線を利用して複数の通信装置間の通信を行う電力線搬送通信システムであって、
各通信装置は、
前記電力線から受信した信号の受信電力を検出する検出部と、
検出された前記受信電力を、前記複数の通信装置の送信電力に応じて設定された第1閾値、および、その第1閾値より大きく、前記電力線の雑音レベルに応じて設定された第2閾値と比較する比較部と、
データの送信完了に応じて動作を開始し、所定の値をカウントした後に動作を停止するカウンタと、
検出された前記受信電力が前記第1閾値以下である場合にデータの送信を許可し、検出された前記受信電力が前記第1閾値より大きく、かつ、前記第2閾値以下である場合には、前記カウンタが停止していることを条件として、データの送信を許可する送信制御部と、
を備えた電力線搬送通信システム。
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