以下、本発明の実施形態の画像形成装置としてのカラーマルチファンクションプリンタ装置(以下、「カラーMFP装置」という)を図に基づいて説明する。画像形成装置には、複写機、ファクシミリ、プリンタ、及びこれらの複合機等があり、本発明の画像形成装置は、プリンタに限定するものではない。
(カラーMFP装置)
画像形成装置としてのカラーMFP装置を図1乃至図7に基づいて説明する。カラーMFP装置101は、図1の右側からユーザに使用されるようになっている。カラーMFP装置101は、画像形成装置本体(以下装置本体と呼ぶ)104、原稿自動供給装置161、及び原稿の画像を読取ための画像読取装置103を備えている。装置本体104はレーザビームプリンタである。
図3において、原稿自動供給装置161は、原稿載置台102に積載された原稿Sを画像読取装置103に順次自動的に送り込み、画像読取装置103によって原稿情報を読み取られた原稿を圧板109の上面(背面)に排出するようになっている。圧板109は、原稿ガラス119上に置いたシート原稿やブック原稿を原稿ガラス119に押し付けるようになっている。圧板109は圧板軸109aを中心に画像読取装置103に回動自在に設けられている。圧板109の支持部109bが画像読取装置103の穴に嵌合している。圧板109は画像読取装置109に着脱可能である。つまり、圧板109の支持部109bが画像読取装置の穴に抜き差し可能である。
原稿自動供給装置161は、後述するUターン搬送ローラ106d等を有している。原稿自動供給装置161は、画像読取装置103に対して後方(図1、図2の矢印A方向)に回転させて、原稿ガラス119を開くことができるようになっている。原稿自動供給装置161を回転させたとき、圧板109が、原稿ガラス119の上面を露出させ、原稿ガラス119にシート原稿やブック原稿を置くことができるようにする。原稿自動供給装置161を元の位置に戻すと、圧板109は、原稿ガラス119上に置かれたシート原稿やブック原稿を原稿ガラス119に押し付ける。
図3に示す画像読取装置103は、原稿自動供給装置161によって送り込まれる原稿を、スキャナ107の縮小光学系読取部108で読み取ることができる。また、画像読取装置103は、原稿ガラス119に置いたシート原稿やブック原稿をスキャナ107の矢印B方向への移動によって読み取ることができる。スキャナ107は、ガイド軸114を案内にして往復移動する。画像読取装置103は、操作部105を有している。操作部105は、カラーMFP装置100全体を制御する表示部、入力キー等を備えている。
画像読取装置103は、図5に示すように、原稿自動供給装置161と一体に、ユーザによって読取装置軸103aを中心にして矢印A方向に回転する。画像読取装置103を回動するのは、例えばプロセスカートリッジ131やトナーカートリッジとしてトナーを収納した現像カートリッジ133を新たなカートリッジと交換する等の装置本体104のメインテナンスを行なうためである。
装置本体104は、レーザスキャナ110、画像形成部111、カセット給紙部112、上部シート排紙部113、開閉カバーとしてのカートリッジカバー1、マルチペーパー(MP)給紙部125等を備えている。レーザスキャナ110は、画像読取装置103が読み取った画像情報、あるいは外部から送られてくる画像情報に基づいて、レーザ光を各色に対応する像担持体131aに照射するようになっている。なお、像担持体131aはプロセスカートリッジ131に設けられていて、装置本体に対して着脱自在である。
画像形成部111は、カセット給紙部112から給送されたシートに画像を形成する。画像形成部111は、現像カートリッジ133、プロセスカートリッジ131や二次転写部134等によって構成される。現像カートリッジ133に収納された各色のトナーによって像担持体131a上にレーザスキャナ110からのレーザ光に基づいて現像される。カセット給紙部112は、収納してあるシートを1枚ずつ転写前ローラ対124に送り込むようになっている。上部シート排紙部113は、装置本体104の上面カバー、カートリッジカバー1と兼用されており、シートPを複数枚積載されるようになっている。
図3において、原稿自動供給装置161の原稿搬送部106は、原稿載置台102上に積載した原稿Sを、分離パッド106bと、この分離パッド106bが圧接された分離ローラ106aとで1枚ずつに分離する。そして、不図示の押圧ばねにより押圧された搬送ころ106cと、搬送ころ106cが圧接されたUターン搬送ローラ106dとにより、外原稿ガイド116と内原稿ガイド118の一部で構成されるUターン紙パスに分離した原稿を搬送する。さらに、原稿搬送部106は、原稿を、不図示の押圧ばねにより押圧された給紙ころ106eと、この給紙ころ105eが圧接されたUターン搬送ローラ106dとで、画像読取装置103の縮小光学系読取部108に搬送する。
原稿Sは、原稿押圧部(不図示)の原稿押え板の弾力によって、縮小光学系読取部108の読取位置に押圧されて、画像読取装置103によって原稿Sの画像情報を読み取られる。その後、原稿自動供給装置161は、原稿Sを、押圧ばねにより押圧された排紙ころ106gと、この排紙ころ106gが圧接された排紙ローラ106hとによって、圧板109上に排出する。この間、以上の原稿Sの搬送において、原稿Sは外原稿ガイド116と内原稿ガイド118に案内される。
原稿載置台102には、原稿Sの搬送方向に対して直角方向(原稿Sの幅方向)にスライド可能な1対のスライダ102a(図3では、重なって1枚に見えている)が設けられている。1対のスライダ102aは、ユーザによって互いに接近離間移動させられ、互いに接近させられて、原稿載置台102上に積載された原稿Sの両サイドを揃えることが出来る。
画像読取装置103において、縮小光学系読取部108は、スキャナ107に設けてある光源としてのLEDアレイから照射光を原稿Sの画像情報面に照射する部分である。画像読取装置103は、画像情報面を反射した反射光を鏡とレンズにより縮小してCCDに結像して、原稿の画像情報を読み取る。
画像読取装置103のスキャナ107は、ガイド軸114を案内にして、原稿ガラス119の下を不図示の駆動モータによって移動して、原稿ガラス119に置かれた原稿Sを読み取ることもできる。原稿ガラス119に置かれた原稿は、圧板109によって、原稿ガラス119に押し付けられて、浮き上がりを防止されている。
図1に示すように、カセット給紙部112は、装置本体104の底部に配設されている。給紙カセット112aの中板112eにシートが積載されている。中板112eは、中板ばね112fによって上方に押されている。したがって、シートは、中板112eによって半円状の給紙ローラ112bに圧接されて、給紙ローラ112bの回転と、分離パッド112cの摩擦とによって1枚ずつに分離(摩擦片分離方式)されて、給紙カセット112aから送り出される。
この分離されたシートPは、所定時間後にトップ(TOP)センサ124fにより先端を検知される。シートの供給が開始されてから所定時間以内にTOPセンサ124fがシートPの先端を検知しない場合、不図示の制御部は、ジャムと判断して、操作部105にシート詰まりが発生したことを表示させる。
プロセスカートリッジ131に設けられたドラム状の感光体である像担持体(感光体ドラム)131a上にレーザスキャナ110によって潜像が形成される。この潜像は、回転型現像カートリッジ切り替え機構である公転ドラム132の回転によって、像担持体131aに対向する現像位置に回転移動した現像カートリッジ133によりトナー現像されて、トナー画像となる。像担持体131a上のトナー画像は、一次転写部131cで中間転写ベルト131b上に転写される。
中間転写ベルト131bは、プロセスカートリッジ131内の駆動ローラ131dにより循環する。駆動ローラ131dは、記録装置本体104の駆動源により回転する。潜像形成工程、潜像現像工程、一次転写工程が、各現像カートリッジ133Y,133M,133C,133Bkについて夫々続いて繰り返される。これによって、中間転写ベルト131b上に多色画像が形成される。ついで、二次転写部134において、中間転写ベルト131b上のトナー画像が、カセット給紙部112から送られてきたシートPに転写される。このとき、シートは、トナー画像が所定の位置に転写されるように、トナー画像の位置に合うタイミングで、転写前ローラ対124eによって、二次転写部134に送り込まれる。
図1乃至図7に基づいて、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の現像カートリッジ133Y,133M,133C,133Bkを説明する。なお、各色の現像カートリッジの構成は、同一のであるので符号「133」を使用する。
現像カートリッジ133は、現像剤担持体である現像スリーブ133a、現像ブレード133b、現像剤収納部133d、カートリッジフレーム133g等により構成されている。現像スリーブ133aは、記録装置本体104の駆動源より回転する。該現像カートリッジ133の両端部は、突起133fによって、公転ドラム132に固定されている。突起133fは、現像カートリッジ133のカートリッジフレーム133gから外方へ突出して設けられている。また、現像カートリッジ133のカートリッジフレーム133gの長手方向端面には、装置本体104の駆動連結部材と係脱される不図示の駆動達結部材、及び現像スリーブ133aに装置本体104の高圧電源から現像バイアスを印加するための不図示接点部が設けられている。
公転ドラム132は現像カートリッジ133を保持して回転する。公転ドラム132は、円板の側板132aと、駆動側側板(不図示)と、両側板132aを周方向に等間隔の4箇所の位置に現像カートリッジ133の装着部132cとを有し、装置本体104に回転自在に設けられている。また、各現像カートリッジ133の側板132aの側面には、該現像カートリッジ133の収納部に収納してあるトナーの色に対応した不図示のフラグを設けてある。この不図示のフラグは、公転ドラム132の公転によって、装置本体に設けた不図示のフォトセンサーを横切るようになっている。このフォトセンサーは、公転ドラム132の公転位置を検出する公転センサである。公転ドラム132の外周には、歯車を形成してある。公転ドラム132は、不図示の現像モータにより回転して、各現像カートリッジ133Y,133M,133C,133Bkの現像スリーブ133aが像担持体131aに対向した現像位置で停止する。
さらに、シートPは、定着部141で画像情報を定着され、排紙ローラ151により上部シート排紙部113へと排紙される。シートPは、シートサイズに合わせて移動可能に装着された不図示のシート規制板によって側端面を規制され斜行や不送りが発生しないようになっている。画像は、給紙カセット112aに積載されたシートPの下面側に記録される。
また、シートPの有無は、不図示のカセットセンサにより検知される。カセット112aのシート積載可能枚数は、約250枚である。カセット112aは、装置本体104に対して前面方向(図1の矢印C方向)に引き出されるようになっている(フロントローディング方式)。また、積載可能なシートサイズは、A4、A5、B5、レター、リーガルの5種類である。
また、本カラーMFP装置101は、装置本体104の前面にMP(マルチペーパー)給紙部125を有している。MP給紙部125は、開閉可能なMPトレイ125fを有している。MPトレイ125fは、フロントカバーの役目もしている。MPトレイ125fは、MPトレイ125fから後端がはみ出るシートを支えるためのMP延長トレイ125eを引き出すことができるように備えている。不図示のMP中板は、不図示のMP中板ばねによって上方に付勢されているが、不図示のカムによって待機状態に押下げられて、シートPが積載されるようになっている。
カラーMFP装置101の不図示の制御部からMP給紙を開始する信号が発せられると、不図示のカムが回動して、不図示のMP中板の押下げ状態が解除される。MP中板に積載されているシートPは、MP中板から半円状のMP給紙ローラ125aによって送り出されるとともにMP給紙ローラ125aとMP分離パッド125bとの間に挟まれて、1枚ずつに分離されて(摩擦片分離方式)、搬送される。この1枚に分離されたシートPは、MP給紙ローラ125aとMP分離パッド125bによって圧接搬送し続けられて、転写前ローラ対124eに受け渡される。
なお、シート供給が開始されてから所定時間内にTOPセンサ124fが、シートPの先端を検知しない場合には、不図示の制御部は、シートにジャムが発生したものと判断する。ジャムが発生したと判断した制御部は、カラーMFP装置101シートの搬送動作を停止させるとともに、操作部105にシート詰まりが発生したことを表示する。
さらに、シートPは、転写前ローラ対124eに到達後も搬送され続けて、TOPセンサ124fにより先端位置を検知される。先端位置を検知されたシートPは、中間転写ベルト131bに形成されたトナー像がシートの所定に位置に転写できるようにタイミングを取られて二次転写部134に搬送される。
MP給紙部125にはレジスト機構を備えていない。このため、シートPは、シートサイズに合わせて移動可能に装着された不図示シート規制板によって側端面を規制されて斜行や不送りが発生しないようになっている。画像は、MPトレイ125fに積載されているシート、あるいは、積載されていたシートPの上面側に記録される。
また、シートPの有無は、不図示のMPセンサにより検知される。MP給紙部125の積載可能枚数は、約100枚である。本カラーMFP装置101は、MP給紙部125を備えていることにより、シート供給可能なシートサイズにハガキや、名刺を加えることもできるようになっている。
また、カセット給紙部112と、カセット給紙部112と同様な構造の不図示の2段目カセット給紙部は、それぞれオプションとして分離、結合できるようになっている。装置全体のシート積載可能枚数は、約250枚から約600枚まで変えることができる。
(カラーMFP装置のカートリッジカバー)
図7で示すように、プロセスカートリッジ131、及び現像カートリッジ133は、カートリッジカバー1を開けると、装置本体104の着脱口135から取り出せるようになっている。着脱口135は装置本体104に形成された本発明の開口である。
図1は、カートリッジカバー1を閉じた状態のカラーMFP装置101の断面図である。図5乃至図7は、カートリッジカバー1を開放したときのカラーMFP装置101の断面図である。開閉カバーとしてのカートリッジカバー1は、カバー部材としての第1カバー2と第2カバー3とを有する。図8は、カートリッジカバー1が着脱口を閉じた状態におけるカートリッジカバー1の断面図である。図9は、カートリッジカバー1が着脱口を開いた状態におけるカートリッジカバー1の断面図である。
第1カバー2は、第1カバー2の一端側に設けられた軸2aと、装置本体104の上部カバーであるトップ(TOP)カバー4に設けられた軸受部4aとにより、装置本体104に対して約90度以上回動できるように設けられている。第1カバー2を回動することによって着脱口135を開放することができる。また、第1カバー2の他端には、軸受け部2bを設けてある。第2カバー3には、第1カバー2側に軸3aを有する。第1カバー2に設けた軸受け2bが第2カバー3に設けた軸3aを回動自在に保持する。つまり、第2カバー3は、軸3aを中心として、第1カバー2に対し回動自在に軸支されている。
第1カバー2を装置本体104に対して着脱口を開放する方向に回動したとき第1カバー2に対して第2カバー3が装置本体104側に回動する。
第1カバー2と第2カバー3の合わせ部2e,3cは重なり合っている。合わせ部2e,3cが合わされることで、開方向には回動できなくなっている。すなわち、カートリッジカバー1は、内側にしか曲がらないようになっている。合わせ部2e,3cは、第1カバー2に対して第2カバー2が装置本体104と反対側に回動することを防止するストッパである。つまり、合わせ部2e,3cは、カートリッジカバー1が着脱口135を閉じたとき、着脱口135に沿った形状になり、着脱口135から離れる方向に屈曲するのを防止するストッパの役目をしている。
また、第1カバー2と第2カバー3の合わせ部2e、3cは、重なり合わせることで、異物等によりレーザ光が反射し装置外部に向かった場合においても装置外部に漏れることが無い。また、カートリッジカバー1は、着脱口135に沿った形状をしたまま着脱口135を閉じるようになっているので、カートリッジカバー1の自重で着脱口135を容易に閉じることができる。
また、カートリッジカバー1は、閉方向においても第2カバー3の第2カバーストッパ3dが第1カバー3に当接することにより、回動範囲を規制されている(図9参照。)。カートリッジカバー1が着脱口を開放しているとき(図9に示した状態)、第1カバー2に対する第2カバー2の角度が所定の角度に保持される。カートリッジカバー1を開放した状態からカートリッジカバー1を閉じるとき、第1カバー2に対する第2カバー3の角度が所定の角度より小さくならない(図10を参照。)。
図5に示すように着脱口の上方を開放できるように画像読取装置103が装置本体104に回転自在に設けられている。画像読取装置103の回転方向と第1カバー2の回動方向とは同一である。
画像読取装置103の下部には、ストッパ受け103aを設けてある。図6に示すように、カートリッジカバー1が着脱口135を開いている状態で、画像読取装置103を閉じようとすると、第1カバー2のストッパ(係合部)2cにストッパ受け103aが係合し、画像読取装置103は、単独では閉じられないようになっている。このため、第2カバー3とTOPカバー4の間に、手や物を挟むことを防止することができる。第1カバー2のストッパ2cは、画像読取装置103とカートリッジカバー1とを開放した状態において画像読取装置103が閉じられるのを阻止するストッパである。つまり、カートリッジカバー1が開放された状態で画像読取装置103の閉じる方向の回動をストッパ2cが規制する。
TOPカバー4の上面、特に、着脱口135の周囲、及び第2カバー3の特に先端は、第2カバー3の閉方向に対し滑らかに形成されている。TOPカバー4と第2カバー3の先端とを滑らかにすると、例えば、カートリッジカバー1を図5に示すように、「く」の字状に屈曲させた状態で、図の右側に倒して閉じる途中で、手を放しても、カートリッジカバー1は、自重でTOPカバー4を滑る。よってカートリッジカバー1がTOPカバーの上面を滑ることによって、着脱口135を容易に、かつ確実に閉じることができる。このとき、装置本体104に対する第2カバー3のロックは、カートリッジカバー1の自重で閉まる強さに設定しておく。
第2カバー3に設けた軸3aの近傍に、第1カバー2と第2カバー3の夫々に当接部2d,3b(図8)が設けられている。当接部2d,3bは、カートリッジカバー1がTOPカバー4を閉じた状態で、TOPカバー4における対向部4bと接触する構成となっている。第1カバー2と第2カバー3との合わせ部2e,3cは、図8の上方から押圧されても、対向部4bで受け止められようになっている。このため、第1カバー2の第2カバー軸受部2bと第2カバー3の第1カバー側軸3aとのみに力が集中しない。このような構成によってカートリッジカバー1の破損を防止するようになっている。ここで、カバーの合わせは偶然異物等によりレーザ光が反射した場合でも、レーザ光が外部に漏れないように、重ね合わせられている。
また、カートリッジカバー1が開いているときの誤作動を防止する停止スイッチとしてのインターロックスイッチ136を各カバーに設ける必要が無くなる。つまりインターロックスイッチは1個にすることができ、カートリッジカバー1が一体で構成されたときと同等のコストを実現することができる。
すなわち、カートリッジカバー1の開閉を検知する検知センサとしてのインターロックスイッチを、分割した全カバー部材のために1個だけ設けている。これによってカートリッジカバー1を複数個に分けたことによるコストアップを防ぐことができる。このとき、複数のカバー部材のうち、最も先端のカバーにインターロックスイッチを設け、最も先端のカバーの位置に基づいてカートリッジカバー1の開閉を検知する。複数のカバー部材のうち、途中のカバーが正常動作位置から外れた場合、検知位置からズレるため、インターロックスイッチは、カバー開状態を検知しない。このような誤動作を防止することができる。また、第1カバー2の根元部にインターロックスイッチを設けることで、最も触れにくい場所に配置でき、誤検知を防ぐことができる。第1カバー2の根元部に設ける場合、外曲げできないため第2カバー3を単独であけることは出来ないため、安全性は確保できる。さらに、カートリッジカバー1開放時のユーザの安全を確保するため、第2カバー3の分割部の強度及び、第2カバー3の回動を可能とするために軸支する支持部の強度を上げることで通常使用では破損しないようにしている。なお、インターロックスイッチ136はカートリッジカバー1が開いているときに、開状態であることを検知して画像形成部111の動作を停止させ為の信号を発するものである。
カートリッジカバー1を第1カバー2と第2カバー3との複数枚に分けて、カバー2,3間を内側に折り曲げ可能とすることで、カートリッジカバー1の開閉に必要な装置本体104の上方の開閉スペースを少なくすることができる。特に、開閉スペースの高さを低くすることができる。
この結果、カラーMFP装置101を装置本体104単独で使用するとき、装置本体104に必要な空間スペースを従来よりも狭くできて、装置本体104を棚に設置する場合、棚事態を低くしたり、棚間隔を狭くしたりすることができる。
また、記録装置本体104の上方に原稿自動供給装置161、及び画像読取装置103を備えている場合、画像読取装置103を記録装置本体104に近接して配置することができる。したがって、カラーMFP装置101を高さ方向について小型にすることができる。
また、原稿自動供給装置161と画像読取装置103は、装置本体104に対し回動自在に設けられている。上述のようにカートリッジカバー1の開閉スペースが狭くて済むようになっているので、原稿自動供給装置161と画像読取装置103との開放角度を小さくすることができる。したがって、原稿自動供給装置161と画像読取装置103との開閉を容易に行うことができる。
原稿自動供給装置161と画像読取装置103との開放角度を小さくすることができる。よって、原稿自動供給装置161と画像読取装置103とを図1の矢印A方向に回転させて、圧板109を原稿ガラス119から離して、原稿ガラス119を開いたときに、圧板109に手が届かなくなるようなことがなくなる。
また、原稿自動供給装置161に対する圧板109の取り付け構造を簡単にするために、本実施形態では、圧板109が原稿自動供給装置161に対して抜差しされる形態である。ここで、上述のように原稿自動供給装置161と画像読取装置103との開放角度を小さくできるために、圧板109が原稿自動供給装置161から抜け落ちることを防止することができる。すなわち、圧板109を開放した状態で前記画像読取装置を回動させた場合においても、圧板109が落下しないように所定角度以上は画像読取装置103が回動しないように構成されている。
また、カートリッジカバー1は、図5に示したように、着脱口135を開いたとき、「く」の字状に屈曲した状態で保持される。第1カバー2に設けた突片2gが、装置本体104に設けられた規制部材としての受け部104aに受け止められ、屈曲した状態を維持できる位置にカートリッジカバー1の重心Gを設定してある。カートリッジカバー1が着脱口を開放したとき、カートリッジカバー1は着脱口を開放した状態を自身の自重によって維持される。これによって、カートリッジカバー11を開いたまま、プロセスカートリッジ131、現像カートリッジ133の交換作業を容易に行なうことができる。
第1カバー2が受け部104aによって回動を規制されている状態における第1カバー2に対する第2カバー3の回動角度は所定の角度となるように第2カバー3保持される。所定の角度は、第1カバー2の回動が規制されている状態からカートリッジカバー1を閉じる際に第2カバー3が第1カバー2に対して装置本体側に回動しないような角度である。
なお、図5に示すように、原稿自動供給装置161と画像読取装置103とを開いたとき、画像読取装置103に連動してカートリッジカバー11を開く連結手段としてのワイヤ160を、画像読取装置103とカートリッジカバー11との間に設けてもよい。ワイヤ60によって、画像読取装置103を開いたとき、カートリッジカバー11も連動して開くために、プロセスカートリッジ131、現像カートリッジ133の交換を容易に行なうことができる。着脱口の上方を開放する方向への画像読取装置103の回動によってカートリッジカバー1が連動するための連結手段は、ワイヤ160に限らず、チェーン、リンク機構を使用してもよい。
また、図11は、本実施形態のカラーMFP装置101のカートリッジカバー1を閉じた状態の断面図である。カートリッジカバー1は、シートが積載されるようになっている。また、第1カバー2のみに2段に形成した2本のリブ2fを定型紙幅の内側に設けると、定型紙(本実施例ではA4及びLTR)が排出されたとき、定型紙を2本のリブ2f間で樋カール状に形成して積載性の高めることができる。また、先端が下カールしたシートが排紙された場合は、1段目の突起を越えたときに、2段目の突起で先端を抑えることができ、良好な積載が可能となる。
以下に本発明の他の実施形態について説明する。
図12は、本実施形態のカラーMFP装置のカートリッジカバー701を閉じた状態の断面図である。図13は本実施形態におけるカラーMFP装置のカートリッジカバー701を開けた状態の断面図である。本実施形態のカラーMFP装置は上述したカラーMFP装置101とカートリッジカバーの構成のみが異なる。上記カラーMFP装置101と異なる構成について以下で詳述し、同じ構成については説明を省略する。
図12、図13において、開閉カバーとしてのカートリッジカバー701は、第1カバー702と第2カバー703により構成される。
第1カバー702は、画像形成装置本体104側に設けられた軸702aを有する。画像形成装置本体104の上部カバーであるTOPカバー704には軸702aを回転自在に保持する軸受部704aが設けられている。第1カバー702は軸受け部704aによって画像形成装置本体104に対し回動可能に設けられている。第1カバー702は、90度以上開放することができる。
第1カバー702は軸受部2bを有する。第2カバー703は、第1カバー702側に、軸703aを有する。第1カバー702の軸受部2bにより、第1カバー702に対し軸703aを中心に第2カバー703は回動自在に軸支されている。つまり、第1カバー702は第2カバー703を回動自在に保持する。
第1カバー702と第2カバー703の合わせ部702e、703cは重なり合っている。
カートリッジカバー701の開放角度は、カートリッジカバー701を開状態で放置した場合に第1カバー702及び第2カバー703の自重により開状態を維持できる角度に設定している。第1カバー702に設けた突片702gが、装置本体104の規制部材としての受け部104aに受け止められ、第1カバー702の開放方向の回動が受け部104aによって規制される。第1カバー702の突片702gが受け部104aに当接した状態で、カートリッジカバー2は開放された状態を維持する。突片702gと受け部704aと当接した状態で、カートリッジカバー701の重心(第1カバー702と第2カバー703を合わせた重心)が、カートリッジカバー701が開放した位置を維持するような位置に設定されている。
画像読取装置103およびカートリッジカバー701とを開放した状態から、画像読取装置103のみを閉じようとした場合でも、カートリッジカバー701が閉じる方向に画像読取装置103によって力が伝わる。つまり、画像読取装置103と前記開閉カバーとを開放した状態から、画像読取装置103を閉じると、カートリッジカバー701が画像読取装置103と当接することによって閉じられる。
画像読取装置103およびカートリッジカバー701を開いた状態から、画像読取装置103を閉じようとしたときに、画像読取装置103に設けられたカバーガイド705が第1カバー702の端部と当接する(図13参照)。画像読取装置103を閉じる方向に回動したとき、画像読取装置103の回転力Pは、第1カバー702に対しカバーガイド705の直交方向の分力P1に分けられる。第1カバー702は軸702aにより軸支されている。分力P1の作用点と第1カバー702の回動支点となる軸702aを結んだ線との直交方向の分力P2に分力P1は分けられる。したがって、画像読取装置103と第1カバー702の端部とが当接すると、カートリッジカバー701にはカートリッジカバー701を閉める方向に力が加わる。カバーガイド705は画像読取装置103の回転力Pがカートリッジカバー701を閉める力となる形状としている。画像読取装置103が閉じる方向に回動している途中において、カバーガイド705と第1カバー702の端部とは摺接する。カバーガイド705の閉じる方向の回動に伴って、第1カバー702(カートリッジカバー701)を閉じる方向に移動する(図14参照。)。なお、カバーガイド705は、画像読取装置103の枠体により構成することも可能である。
そして、カートリッジカバー701の重心位置が第1カバー702の回動軸2aを越えると、カートリッジカバー701は自重により閉じる(図15参照。)。
ここで、本実施形態では、第2カバー703の長さを、第1カバー702の長さよりも長くしている。カートリッジカバー701を開いた状態においても第2カバー703の先端がTOPカバー704に接触している。カートリッジカバー701に閉じる力が加わった際、第2カバー703の先端がTOPカバー704の上面を滑って第2カバー703が第1カバー702に対して着脱口から離れる方向に回動する。したがって、カートリッジカバー701が折られた状態で閉まることが防がれる。
カートリッジカバー701を開いた状態では、常に際1カバー703の先端がTOPカバー704に接触した状態である。よって、操作者が意識せずにカートリッジカバー701が閉まった場合であっても、カートリッジカバー701と装置本体104との間にものを挟んでしまって、挟んだものを損傷すること等が防止される。カートリッジカバー701が閉まった時に発生する音も小さくできる。
第1カバー702と第2カバー703の間にダンパDが設けられている。ダンパDはカートリッジカバー701が閉じる際にカートリッジ701の回動抵抗を生じさせるものである。ダンパDは、カートリッジカバー701が閉じる時は自重落下を抑制し、カートリッジカバー701を閉める時の質感を向上する。また、意図せずにカートリッジカバー701を閉じた時の音も極めて小さくすることができる。
第1カバー702と第2カバー703の間にワンウェイのダンパを設けてもよい。カートリッジカバー701を閉じる時の自重落下を抑制し質感を向上し、音も小さくし、さらにカートリッジカバー701を開らく時は軽く開ける事ができる。このとき、一体形カバーにつけた場合に比べカートリッジカバー1の自重に対するモーメントが小さくて済むことから、より安価なダンパで質感の向上と消音化の効果が得られる。
TOPカバー704の上面及び第2カバー703の先端は、第2カバー703の閉方向に対し滑らかに構成されている。合わせ部702e、703cの段差を閉方向に対し下流側を凹とすることで、カートリッジカバー701を閉じる過程で放してしまっても、カートリッジカバー701の自重で閉まる構成となっている。また、カートリッジカバー701の閉まりそこないを防ぐことができる。この時、画像形成装置本体104に対する第2カバー703のロックはカートリッジカバー701の自重で閉まる強さに設定しておく。
画像読取装置103を画像形成装置本体104に対し回動自在にすることにより、さらに画像形成装置本体104に近接して配置することができる。よってカラーMFP装置をより小さくすることができる。画像読取装置103の開放角度を少なくできる。
上述の2つの実施形態では、カートリッジカバー1が2個の形態について説明したが、3個以上においても開放角を調整することで同様の効果が得られる。
第2カバーが複数枚ある場合、第2カバーは、複数枚連続して屈曲可能に第1カバーに接続されて、第1カバーの装置本体側の面に折り曲げられて重なるようになっている。したがって、画像読取装置が上部にない画像形成装置であっても、例えば、棚に設置するとき、棚段間隔を狭くして、棚の空間を有効に使用することができる。また、画像読取装置が上部に設けられた画像形成装置であっても、カートリッジ等の着脱のための着脱口を広く開放して操作性を向上させながら装置本体の高さを低くすることができる。
上述の2つの実施形態では、像担持体を備えたプロセスカートリッジとトナーカートリッジである現像カートリッジの両方が着脱口から取り出し可能な構成を例示した。しかし、着脱口からプロセスカートリッジとトナーカートリッジの一方が着脱口を介して装置本体に着脱可能な構成であっても本発明を適用できる。
また、本実施形態のカラーMFP装置101は、プロセスカートリッジに設けられたドラム1個に対し4つの現像カートリッジを有する構成を例示した。しかし、例えば、4個のプロセスカートリッジを備えた構成や、複数の現像カートリッジを備えた構成、及び中間転写ベルトを有するプロセスカートリッジを備えた構成のカラー電子写真記録装置であっても本発明は適応できる。さらに、感光体を保持するカートリッジがトナーをも収納したプロセスカートリッジを画像形成装置本体から着脱自在とした画像形成装置であっても本発明は適応できる。このようなカラー電子写真記録装置では、夫々のカートリッジ全体、または、カートリッジの一部を装置上方から交換する。また、装置高さを低くするため、プロセスカートリッジを平坦に配置して、プロセスカートリッジを装置上方から交換可能にしたモノクロ電子写真記録装置等、記録部の上カバーを開く、あらゆる装置に対して本発明は有効である。
上述の実施形態では、カートリッジカバーが、連続して接続された複数枚のカバー部材を有する。そして、複数枚のカバー部材の内、装置本体に回転自在に設けられたカバー部材の装置本体側に残りのカバー部材が回動可能になっているので、カートリッジカバーの開閉領域、特に開閉領域の高さを低くして狭くすることができる。