JP4666978B2 - コンクリート構造物壁面防食補修用タイルの製造方法 - Google Patents

コンクリート構造物壁面防食補修用タイルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート構造物壁面防食補修用セラミックタイルの製造方法に関する。本発明で云うコンクリート構造物とは、例えばマンホール、下水道、隧道、排水管などであり、横断面形状が円形、卵形、矩形、馬蹄形など様々な形態のものを含み、限定するものではないが、特に人間が中に入って作業することができる大口径のコンクリート構造物である。しかしながら、その他のコンクリート構造物であってもよい。
以下マンホールを例に説明する。一般に、下水道に付設されているマンホールはコンクリート製であり、その内壁面は下水道管内で発生する硫化水素や下水道管内へ流入する雨水中の硫黄酸化物によって長年月の間に徐々に腐蝕し、放置するとマンホールの崩壊に進展することがあり、或いは崩壊に至らないまでも、ひび割れが発生して漏水や水浸入といった事態を招き、下水処理量の増大、地盤沈下などの事態に発展するおそれがある。このような事態を防止するため、マンホールの劣化内壁面は適時に補修する必要がある。
従来、マンホール内壁面補修技術として、例えば下記特許文献1〜4に記載のものが提案されている。
何れの場合も、先ず始めにマンホールの内壁面から劣化した表層部が削り取られる。次いで、露出せしめられた未劣化内壁面に補修材が接着材により貼り付けられる。
特許文献1〜4に記載の従来技術により補修されたマンホールの内壁面は、何れも、プラスチック製補修材が内壁面側に露出した状態になっている。
しかしながら、プラスチック製補修材の場合、温度の影響を受け易く、特にマンホールや下水管路内では温度変化が繰り返し生じるため、受ける影響はかなり大きい。温度の影響を受けたプラスチック製補修材は僅かながらも次第に変形するので、所期の機能を長期に亘って維持し続けることは困難である。
このような問題に対処するために、出願人は先に、マンホール内壁面の補修をセラミックタイルの接着により行なうことを提案した(特願2003−370839)。セラミックタイルは酸等に犯され難く、また熱にも強いので、これによって内壁面を補修されたマンホールは半永久的にその機能を持続し得る。
セラミックタイルは一般に粘土や粘土質の材料を主体に製造されるが、本発明者等は、セラミックタイル製造材料として、現今大量に発生し、その有効利用が求められている下水汚泥焼却灰に着目した。
下水汚泥焼却灰は、一般家庭から排出された生活排水、工場排水、および下水管に流れ込んだ土砂を含む雨水等に含まれるいわゆる下水汚泥を、凝集剤の添加により固形成分を凝集した後、脱水、焼成することによって加工されたものである。
下水汚泥焼却灰の有効利用については、例えば下記特許文献5及び特許文献6にセラミック製品、特にセラミックパイプの製造について記載がある。
文献6には、下水汚泥焼却灰、粘土粉末、シャモット(陶管を粉砕したもの)を混合した材料を使用した陶管の製造方法が記載されているが、混合材料中のFeに言及して、この酸化鉄の含有量が8%を超えると発泡が発生するおそれがあると指摘している(段落0014)。
特開平8−74280号公報 特開平8−27822号公報 特開平9−13410号公報 特開2001−248177号公報 特開2003−26468号公報 特開2000−247730号公報
コンクリート構造物壁面防食補修用セラミックタイルを製造するに当たっての重要なファクターは製造されたタイルの透水性であり、この透水性は実質的に吸水率と同等であるとみなすことができる。コンクリートの吸水率は約4%程度もしくはそれ以上であり、従って防食などの補修目的を果たすためには補修用セラミックタイルの吸水率は4%以下のできるだけ小さい値でないと十分な機能を果たすことはできない。
また、一般に、下水汚泥焼却灰中の酸化鉄の含有量はかなり多く、下水汚泥焼却灰を使用する場合、上記のような酸化鉄の悪影響が大きな問題になる。
そこで本発明の目的は、原料中の下水汚泥焼却灰の配合割合が多く、従って酸化鉄の含有量が多くなっても、タイルの吸水率を4%以下にすることができ、更に発泡による悪影響を回避することのできるコンクリート構造物壁面補修用セラミックタイルの製造方法を提供することである。
上記目的を達成すべく検討を重ねた結果、下水汚泥焼却灰中に金属酸化物、特に鉄酸化物が多く含まれることが吸水率低下に利用可能であることを発見し、発明を完成させた。
即ち、請求項1に記載の発明は、コンクリート構造物壁面防食補修用タイルの製造方法であって、
(a)下水汚泥焼却灰、粘土粉末、及びセラミック粉末を主体として含む混合粉末に水を加えて混練する工程、
(b)混練して得られた坏土を所望のタイル形状に成形する工程、
(c)得られた生のタイルを乾燥する工程、
(d)得られた乾燥タイルを、窯内で材料の化学反応が終了する温度まで温度を逓増しつつ焼成する工程、
(e)窯内温度を前工程の化学反応終了温度より更に高め、少なくともタイル表層を溶融状態にする工程、
(f)溶融状態の発生後、前記窯内を還元性雰囲気にする工程、
を含むことを特徴とする。
本発明で云う下水汚泥焼却灰とは、前記のとおり、一般家庭から排出された生活排水、工場排水、および下水管に流れ込んだ土砂を含む雨水等に含まれるいわゆる下水汚泥を、凝集剤の添加により固形成分を凝集した後、脱水、焼成することによって加工され、粉砕された粉体である。
本発明で云う粘土とは、大部分が、一定量の水と混じると可塑性となり、主にシリカ、アルミニウムを含み、鉄、アルカリ、アルカリ土類等も含む細粒物質であり、粘土粉末は前記細粒物質を乾操させた粉体である。
また、本発明で云うセラミック粉末とは、瓦・セメント・ガラス・煉瓦等を包含する粉末状の陶磁器系無機材料であり、陶管を粉砕して得たセラミック粉砕物(陶管シャモット)や瓦を粉砕して得たセラミック粉砕物(瓦シャモット)は本発明で使用するセラミック粉末として好適である。
本発明方法において使用される下水汚泥焼却灰はSiO、Al、Fe、Pを主体とし、TiO、CaO、MgO、NaO、GOなどを含むものであるが、例えば下表1に示す組成の焼却灰が使用可能である。何れの下水汚泥焼却灰もFeの含有量が焼成灰全体の25質量%以上であり、またPの含有量が焼成灰全体の15質量%以上であるという特質を有している。
Figure 0004666978
粘土粉末は、例えば下表2に示す組成のものが使用可能である。
Figure 0004666978
セラミック粉末は、例えば下表3に示す組成のものが使用可能である。
Figure 0004666978
本発明の請求項1に記載の発明によれば、上記のような工程により、特に(f)の還元工程を経ることにより、タイル表層に鉄の緻密な結晶層がもたらされ、この結晶層の作用により吸水率の大幅な減少が達成される。また発泡による悪影響もこの緻密な結晶層の作用により回避することができる。
このように、本発明によれば、下水汚泥焼却灰内に鉄分が多く含まれていることを利用して、吸水率が極めて低いタイルを製造することができる。
<工程(a)>
工程(a)において配合される粉末は、下水汚泥焼却灰が粉末全体(混合されるべき全部の粉末)に対して20〜40質量%であり、セラミック粉末が粉末全体に対して30〜40質量%であり、粘土粉末が粉末全体に対して30〜50質量%であることが好ましい。上記材料の組み合わせは、例えば、上記表中のA+D+F、B+D+F、C+D+F、A+E+Fなどが好ましいが、他の組み合わせであってもよい。
上記のように配合され、次いで混合された粉末は加水設定水分が約20%になるように加水調整され、更に真空土練機により約5分間混練され、均質に土練りされ且つ含まれている気泡が除去される。
<工程(b)>
工程(a)において得られた坏土は所定形状の型内に装入され、プレス機により所定形状のタイルに成形される。
<工程(c)>
この工程における乾燥は、タイル内に物理的に存在する水を排除するためのものであって、天日干しなどの自然乾燥により、若しくは乾燥炉を用いて行なわれる。乾燥炉による場合、例えば約60℃の温度で約100時間行なわれる。
<工程(d)>
乾燥された素地タイルは焼成用の窯内に入れられ、窯内の温度を20時間前後の間に約900℃まで逓増させることによって素地タイルの焼成が行なわれる。
約120℃まで昇温する間に吸着水の脱水が行なわれ、更に約400℃まで上昇する間にタイル内の結晶水或いは結合水(化学結合によってタイル内に含まれている水であって、普通の乾燥では取り除くことができない水)の脱水が行なわれる。更に900℃まで上昇する間に化学反応(酸化、熱分解)が行なわれる。化学反応は、例えば、鉄か酸化鉄、硫化鉄が酸化鉄、炭酸カルシウムが石灰に変化するような、酸化反応が多い。
約400℃までの昇温は、一時間当たり35〜45℃、特に約40℃/時間前後の加熱速度で行なうことが好ましい。早すぎると素地タイルの粒子間に空隙が生じやすく、吸水率は減少しない。また、900℃までの昇温は、一時間当たり50〜60℃の加熱速度で行なうことが好ましい。早すぎると素地の変形(反りなど)が大きくなり、粒子間の隙間は埋まらず、従って緻密性が良くならないため吸水率の減少も得られない。
<工程(e)>
約900℃までにおいて素地タイルの脱水、酸化、分解を行なった終、引き続いて素地タイルの焼結が行なわれる。窯内の温度は数時間、例えば約5〜8時間の間に1000〜1200℃、若しくはこれに近い値まで高められる。このような高温域において、素地タイルの粒子の表層が幾分溶融した状態になり、液体相が生成される。液体相は固体粒子を相互に強固に結合する作用をもたらすと共に粒子間の間隙を埋め、タイルの吸水率を減少させる作用を果たす。
<工程(f)>
1000〜1200℃程度の温度に到達後、温度をそのまま維持しつつ、窯内が還元雰囲気になされる。還元雰囲気は、例えばガスバーナーを開けたまま空気弁を閉鎖することによってもたらすことができる。窯の中の環境は一酸化炭素が多くなった状態になる。
このような高温での還元状態をもたらすことにより、タイル内の酸化鉄がタイルの表層に移動集合し、表層での酸化鉄の濃度が高くなり、鉄の結晶層をもたらす。その結果、タイル表層の吸水率は更に減少せしめられる。還元時間は15〜20分程度が好ましい。還元時間が短すぎると結晶の生成が不十分となり、吸水率の十分な減少が望めない。また、還元時間が長すぎると、結晶層の形成が大きな凹凸を伴ったものとなり、タイルの表層性状は吸水率の減少をもたらすものとはならない。
上記工程(d)において昇温速度を好ましい値に選定すればタイル表層における発泡の発生は回避できるが、たとえタイル表層に発泡が生じたとしても、上記工程(e)における溶融表層の形成と、工程(f)における鉄の緻密な結晶層の生成により発泡による影響が解消される。
還元後、窯内を酸化雰囲気にすると、タイル表層に結晶した鉄は酸化鉄になり、その結果タイルには酸化鉄結晶層が形成され、従って該表層の緻密性は増し、吸水率が更に減少する。
上記の吸水率は、請求項2に記載のように、前記混合粉末の粒径を制御することにより更に減少させることができる。例えば、前記混合粉末は、混合粉末の98質量%以上が粒径200μm以下の粒子で占められているようにする。
この場合、前記混合粉末は、粒径200μm以下の粒子を98%以上含む下水汚泥焼却灰を少なくとも30質量%含み、粒径100μm以下の粒子を98%以上含む粘土粉末を少なくとも35質量%含むことが好ましい。
更に、前記粘土粉末は、粘土粉末全体の98質量%以上が粒径50μm以下の粒子で占められており、かつ粘土粉末全体の15質量%以上が粒径10μm以上の粒子で占められていることが特に好ましい。
また、前記セラミック粉末は、セラミック粉末の98質量%以上が粒径50μm以下の粒子で占められていることが好ましい。
上記のような粒径の粉末を使用することにより、得られるセラミックタイルの均質性が増し、セラミックタイルの強度の向上、吸水率の減少につながる上に、焼成温度が比較的低くても吸水率の小さいセラミックタイルが得られるため、省エネルギー化に貢献することができる。
請求項3に記載のように、前記下水汚泥焼却灰中のFeの含有量が少なくとも20%以上であれば、一般に入手可能の略全ての下水汚泥焼却灰が利用可能である。
請求項4に記載のように、前記混合粉末中の下水汚泥焼却灰の含有量が少なくとも25%以上であれば、多くの量の下水汚泥焼却灰が消費されることになる。
以下実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
図1〜図6はマンホール内壁面補修用タイルの例を示すものであって、図1〜図3は第1のタイルを示し、図4〜図6は第2のタイルを示している。
図1は第1タイル1を背面側、即ちマンホール内壁面と接触する側から見た図、図2は図1中のII−II線に沿う断面図、図3は図1に示すタイルを底面側から見た図である。
図4は第2タイル2の図1と同様の背面側から見た図、図5は図4中のV−V線に沿う断面図、図6は図4に示すタイルを底面側から見た図である。
両タイル1、2のタイル寸法は、長さ(L)312mm、幅(W)168mm、厚さ(T)20mmである。
タイル1は背面側に、周縁部の各縁辺に設けた20mm幅のリブ11a〜11dと、タイル幅方向中央部に設けた20mm幅のリブ11eとで形成される深さ8mmの凹陥部12a、12bを有している。タイル1の正面側は湾曲した平滑面である。
一方、タイル2は背面側に、タイルの対角線方向へ延びる10mm幅の2つの交差リブ21a、21bと、周縁部の各縁辺に設けた15mm幅のリブ22a〜22dとで形成される深さ8mmの凹陥部23a〜23dを有している。このタイル2の正面側も湾曲した平滑面である。
以下の実施例は何れも上記寸法形状のタイル1の製造に係るものであり、材料として、上記表1〜3に示す焼却灰(A〜C)、粘土粉末(D,E)、セラミック粉末(F)が組み合わせて使用された。
<実施例1a>
上記の焼却灰A、粘土粉末D、セラミック粉末Fを用い、各粉末は特に粒径を制御することなく使用した。A:D:Fを25質量%:50質量%:25質量%の比率で配合し、混合し、次いで、加水設定水分が21%になるように加水調整し、更に真空混練機により0.03Kgf/cmの気圧で5分間混練して坏土を得た(工程a)。
得られた坏土はそのまま一晩静置し、次いでこの坏土を成形型内に装入し、プレス成形して生の素地タイルを作成した(工程b)。
この素地タイルを自然条件で5日間乾燥した(工程c)。
次に、この乾操タイルを焼成窯内に入れ、プロパンガスの燃焼により焼成温度を最初の2時間で100℃から180℃まで、次の5時間で320℃まで、次の1時間半で440℃まで、次の4時間で600℃まで、次の2時間で740℃まで、次の4時間で880℃まで、次の4時間で1060℃まで、次の4時間で1200℃まで連続的に逓増させた(工程d−工程e)。
1200℃に達したとき、窯内への空気の供給を停止すると共に生ガスを注入し、生ガスを一酸化炭素化することによって、窯内を還元雰囲気にした。生ガスの注入は15分間行なった(工程f)。
<実施例1b>
工程(a)において、混合粉末の98質量%以上が粒径200μm以下の粒子で占められているように制御した。この粒径制御以外、実施例1aの場合と実質的に同一の作業を工程(f)まで行なった。
<比較例1a>
工程(a)〜工程(e)の作業を実施例1aの場合と実質的に同一に行ない、工程(f)は行なわなかった。
<比較例1b>
工程(a)において、混合粉末の98質量%以上が粒径200μm以下の粒子で占められているように制御し、それ以外は比較例1aの場合と実質的に同一の作業を行なった。
<実施例2a>
工程(a)において、上記の焼却灰B、粘土粉末D、セラミック粉末Fを用い、各粉末は特に粒径を制御することなく使用した。それ以外は工程(f)まで実施例1aの場合と実質的に同様の作業を行なった。
<実施例2b>
工程(a)において、混合粉末の98質量%以上が粒径200μm以下の粒子で占められているように制御した以外、実施例2aの場合と実質的に同一の作業を工程(f)まで行なった。
<比較例2a>
工程(a)〜工程(e)の作業を実施例2aの場合と実質的に同一に行ない、工程(f)は行なわなかった。
<比較例2b>
工程(a)において、混合粉末の98質量%以上が粒径200μm以下の粒子で占められているように制御した以外は比較例2aの場合と実質的に同一の作業を行なった。
<実施例3a>
工程(a)において、上記の焼却灰C、粘土粉末D、セラミック粉末Fを用い、各粉末は特に粒径を制御することなく使用した。それ以外は工程(f)まで実施例1aの場合と実質的に同様の作業を行なった。
<実施例3b>
工程(a)において、混合粉末の98質量%以上が粒径200μm以下の粒子で占められているように制御した以外、実施例3aの場合と実質的に同一の作業を工程(f)まで行なった。
<比較例3a>
工程(a)〜工程(e)の作業を実施例3aの場合と実質的に同一に行ない、工程(f)は行なわなかった。
<比較例3b>
工程(a)において、混合粉末の98質量%以上が粒径200μm以下の粒子で占められているように制御した以外は比較例2aの場合と実質的に同一の作業を行なった。
<実施例4a>
工程(a)において、上記の焼却灰A、粘土粉末E、セラミック粉末Fを用い、各粉末は特に粒径を制御することなく使用した。それ以外は工程(f)まで実施例1aの場合と実質的に同様の作業を行なった。
<実施例4b>
工程(a)において、混合粉末の98質量%以上が粒径200μm以下の粒子で占められているように制御した以外、実施例4aの場合と実質的に同一の作業を工程(f)まで行なった。
<比較例4a>
工程(a)〜工程(e)の作業を実施例4aの場合と実質的に同一に行ない、工程(f)は行なわなかった。
<比較例4b>
工程(a)において、混合粉末の98質量%以上が粒径200μm以下の粒子で占められているように制御した以外は比較例4aの場合と実質的に同一の作業を行なった。
上記実施例及び比較例における各混合粉末の化学組成は下表4に示すとおりであった。これら混合粉末の特質は、混合粉末中のFe23の含有量が約11〜17%であり、高含有率を示していることである。
実施例1a〜4b、比較例1a〜4bによって得られたタイルについて吸水率を測定した結果は表5に示すとおりである。
<実施例5,比較例5>
実施例1aの場合と同じ材料を使用したが、材料の配合割合を変更し(A:30%、D:40%,F:30%)、実施例1aと実質的に同じ作業を行なって製作したタイルと、比較例1aと実質的に同じ作業を行なって製作したタイルの吸水率を比較した。結果は下表6に示すとおりであった。
Figure 0004666978
Figure 0004666978
Figure 0004666978
上記表5の実施例1aと比較例1aとの対比から明らかなとおり、実施例1aのタイルは還元無しの比較例1aのタイルに比較して吸水率が大幅に減少(8.67%→2.33%)しており、実施例1aによって達成された吸水率(2.33%)は、コンクリート構造物壁面補修用タイルとして申し分のない値である。更に、粒度を制御した場合、吸水率が飛躍的に減少する傾向にあるが、粒度制御を伴う実施例1bの場合には、伴わない比較例1bの場合と比較して吸水率が更に減少する(3.21%→0.68%)ことが明らかである。
同様に、混合粉末中の成分の割合が異なる場合でも、実施例2a:比較例2a、実施例2b:比較例2b、実施例3a:比較例3a、実施例3b:比較例3b、実施例4a:比較例4a、実施例4b:比較例4bの対比から明らかなように、本発明によるタイルの吸水率は減少し、この吸水率は粒度を制御することにより更に減少する。
上記何れの実施例においても、混合粉末中のFe23の含有量が比較的多い(表4参照)にも拘わらず、コンクリート構造物壁面補修用タイルとして申し分のない吸水率がもたらされている。
実施例4a,4b、比較例4a,4bにおいて使用した粘土粉末Eは、表2に示すとおり、同粉末におけるAlの含有量が粘土粉末全体の23質量%以下であり、Feの含有量が粘土粉末全体の4.5質量%以下である。粘土において、SiOおよびAlは、実際上、含水ケイ酸アルミニウムとして存在し、Alの含有量が多い粘土はカオリン系粘土(カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト、加水ハロイサイト等の1種以上からなる粘土)である。従って、カオリン系粘土は材料として好適である。このようなカオリン系粘土を使用すると、特にFeの含有量が多い下水汚泥焼成灰を使用する場合でも、吸水率が小さい緻密質のセラミックタイルを得ることができることが表5から明らかである。
更に、実施例4a,4b、比較例4a,4bにおいて使用した粘土粉末Eについては、粘土粉末全体の98質量%以上が粒径50μm以下の粒子で占められており、かつ90%粒径d90の50%粒径d50に対する比が約3であるという特質を有している。これは、微粒子から構成される粒度分布の広い粘土粉末が使用されたことを意味している。実施例4a、4bによるタイルの吸水率が極めて好ましい結果を示しているのは、このような粒度分布の広い粘土粉末が使用されたことも一因であると考えられる。即ち、坏土中に微細な粘土粉末が分散し、坏土を所定形状に成形した際に、粒度分布の比較的広い下水汚泥焼成灰粒子どうしの間に粘土粉末が緻密に充填されるため、成形体の緻密度が増すと考えられる。
上記の表6から明らかなように、材料の配合割合を変更した場合であっても、本発明方法を実施することにより、吸水率の小さいタイルを製作することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、A〜Gの材料は上記以外にも様々に組み合わせることができ、更に上掲以外の材料を使用してもよい。また、上記のようにして得られたタイルの表面、特にマンホール内空間に露出する側の表面に上薬を塗布し、窯内で焼成することによって表面に融着するようにしてもよい。更に、タイルは上記実施形態の図3、図6に示すような湾曲形状のみではなく、必要に応じ扁平又は平板形状のものも製作可能である。
本発明方法によって製造されるマンホール内壁面補修用セラミックタイルの1例を、マンホール内壁面との接着面側から見た図である。 図1中のII−II線に沿う断面図である。 図1のタイルを底面側から見た図である。 本発明方法によって製造されるマンホール内壁面補修用セラミックタイルの他の例を、マンホール内壁面との接着面側から見た図である。 図4中のV−V線に沿う断面図である。 図4のタイルを底面側から見た図である。

Claims (5)

  1. コンクリート構造物壁面防食補修用タイルの製造方法であって、
    (a)下水汚泥焼却灰、粘土粉末、及びセラミック粉末を主体として含む混合粉末に水を加えて混練する工程、
    (b)混練して得られた杯土を所望のタイル形状に成形する工程、
    (c)得られた生のタイルを乾燥する工程、
    (d)得られた乾燥タイルを、窯内で材料の化学反応が終了する温度まで温度を逓増しつつ焼成する工程、
    (e)窯内温度を前工程の化学反応終了温度より更に高め、少なくともタイル表層を溶融状態にする工程、
    (f)溶融状態の発生後、前記窯内を還元性雰囲気にする工程、
    を含むことを特徴とするコンクリート構造物壁面防食補修用タイルの製造方法。
  2. 前記混合粉末の粒径を最大粒径200μm以下に制御することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記下水汚泥焼却灰中のFeの含有量が少なくとも20%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記混合粉末中の下水汚泥焼却灰の含有量が少なくとも25%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の製造方法。
  5. 前記工程(d)において、900℃までの昇温を一時間当たり50〜60℃の加熱速度で行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の製造方法。
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