JP2003026468A - 下水汚泥焼却灰を原料とするセラミック製品の製造方法 - Google Patents

下水汚泥焼却灰を原料とするセラミック製品の製造方法

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JP2003026468A
JP2003026468A JP2001216031A JP2001216031A JP2003026468A JP 2003026468 A JP2003026468 A JP 2003026468A JP 2001216031 A JP2001216031 A JP 2001216031A JP 2001216031 A JP2001216031 A JP 2001216031A JP 2003026468 A JP2003026468 A JP 2003026468A
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sludge incineration
incineration ash
sewage sludge
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Kazuhiro Horimi
和広 堀見
Misao Iwata
美佐男 岩田
Takamitsu Isotani
孝充 磯谷
Tatsuo Sano
達雄 佐野
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Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下水汚泥焼却灰を比較的高率に含有させても
高強度のセラミック製品を製造し得る方法を提供するこ
と。 【解決手段】 上記課題を解決する本発明の製造方法
は、(a).下水汚泥焼却灰と、粉末状粘土材と、セラミッ
ク粉材とから成るセラミック成形用混合粉末を主体とす
る坏土を調製する工程、ここで該セラミック成形用混合
粉末を構成する全粒子のうちの85wt%以上は粒径50
μm以下の微粒子であり、粒径250μm以上の粒子は
全粒子のうちの0.1wt%以下とする;(b).その坏土を
所定の形状に成形する工程;(c).前記工程で得られた成
形体を焼成する工程;を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、下水汚泥の焼却
によって発生するいわゆる下水汚泥焼却灰を主要原料の
一つとして使用してセラミックス(セラミック製品)を
製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】 下水汚泥焼却灰の有効利用が望まれて
いる。従来、下水汚泥焼却灰は土壌改良材等にそのまま
利用されるほか、カラー煉瓦、透水性ブロック、陶管
(セラミックパイプ)等の主として土木・建築用セラミ
ック製品の製造に用いられている。例えば、特開平9−
87054号公報には、高分子系の凝集剤を用いて処理
された下水汚泥焼却灰を原料とする軽石代替品の製造方
法が記載されている。また、特開平8−225363号
公報には、ソーダ長石、カリ長石等の長石を添加した下
水汚泥焼却灰から酸化物セラミック製品を製造する方法
が記載されている。また、特開2000−247730
号公報には、天然粘土、陶管を砕いたシャモット及び下
水汚泥焼却灰を含む混合原料を使用して陶管を製造する
方法が記載されている。この公報に記載のように、下水
汚泥焼却灰を原料として使用すると、緻密な構造のセラ
ミック焼成体(陶管等)を形成することが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 下水汚泥焼却灰は、
主成分たるSiO2やAl2O3の他に、Fe2O3、CaO、Na2O、Mg
O、K2O及びP2O5といったフラックス成分を比較的多く含
んでいる。従って、例えば下水汚泥焼却灰の含有量が比
較的多い原料から製造された陶管は、下水汚泥焼却灰の
含有量が比較的少ない或いは下水汚泥焼却灰を全く含ま
ない原料から製造された陶管と比較してガラス形成部分
(ガラス相)の存在割合が大きくなる傾向にある。かか
るガラス相は比較的脆弱な部分である。このため、所望
するセラミック製品について所定レベルの機械的強度を
維持するために(即ちセラミック焼成体の基質中にガラ
ス相が過度に出現しないように)、従来、下水汚泥焼却
灰の含有率が制限されていた。しかし、日々大量に発生
する下水汚泥焼却灰の有効利用を図るためには、セラミ
ック製品(陶管等)の主原料として下水汚泥焼却灰を大
量に利用することが好ましい。すなわち、下水汚泥焼却
灰の含有率を高くしたセラミック製品製造用原料から、
高い機械的強度を有するセラミック製品を製造する技術
の開発が望まれている。
【0004】本発明は、下水汚泥焼却灰をセラミック製
品製造用原料として利用する場合における上述の問題点
を解決すべく創出されたものであり、その目的とすると
ころは、下水汚泥焼却灰の含有率が比較的高い原料を用
いつつ、比較的高い機械的強度を有するセラミック製品
(陶管等)を好適に製造し得る方法を提供することであ
る。また、本発明の他の一つの目的は、そのような製造
方法に用い得る下水汚泥焼却灰高含有坏土、ならびにそ
の調製方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、下水汚泥
焼却灰を主要原料として製造された比較的ガラス相の存
在割合が大きい従来のセラミック製品においては、セラ
ミック基質(マトリックス)中に粗大粒子(典型的には
下水汚泥焼却灰とともに原料として用いた粘土材やセラ
ミック粉材に含まれるもの)が存在すると、それが破壊
基点となってその粗大粒子の近傍に存在するガラス相の
連鎖的な破壊が生じ得ることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0006】本発明によって提供されるセラミック製品
の製造方法は、下水汚泥焼却灰を(原料として)使用し
てセラミック製品を製造する方法であって、以下の工
程:(a).下水汚泥焼却灰と、粉末状の粘土材と、セラミ
ック粉材とから成るセラミック成形用混合粉末を主体と
する坏土を調製する工程、(b).その坏土を所定の形状に
成形する工程、および、(c).上記工程で得られた成形体
を焼成する工程を包含する。そして、(a).工程におい
て、上記セラミック成形用混合粉末を構成する全粒子の
うちの85wt%以上は粒径50μm以下の微粒子であ
り、粒径250μm以上の粒子は全粒子のうちの0.1
wt%以下とすることを特徴とする。
【0007】本明細書において「セラミック粉材」と
は、「瓦・セメント・ガラス・煉瓦等」を包含する粉末
状の陶磁器系無機材料をいい、セラミック成形用混合粉
末から成るセラミック成形体を焼成する過程で発生し得
る炭酸ガスやSOxを当該成形体中から外部に排出する
経路(細隙)を形成可能なものであれば特に制限はな
い。従って、焼成温度が1100℃前後である陶管等を
破砕して得たセラミック粉砕物(陶管シャモット等)は
本明細書における好適なセラミック粉材の一典型例であ
る。また、本明細書において「粘土材」とは、粘土を構
成し得る種々の鉱物類(典型的には各種の粘土鉱物、ケ
イ酸塩鉱物)から成る無機材料をいう。カオリン、蛙目
粘土等の鉱物質材料は本明細書にいう粘土材の一典型例
である。
【0008】本発明の製造方法では、セラミック製品
(焼成体)を形成するための主原料たる上記セラミック
成形用混合粉末が、粒径(沈降法に基づくストークス径
をいう。以下同じ。)50μm以下の微粒子を主として
構成されており、上述した破壊基点となり得る粗大粒子
が実質的に排除されている。このため、本発明の製造方
法によると、目的とするセラミック製品(陶管等)中の
ガラス相の存在割合を大きくした場合であっても、上記
粗大粒子(破壊基点)に起因するようなガラス相の連鎖
的破壊が生じ難い。従って、本発明の製造方法による
と、下水汚泥焼却灰を大量且つ有効に利用することを実
現するとともに、機械的強度を高レベルに維持した緻密
性の高い陶管その他のセラミック製品を製造することが
できる。
【0009】本発明の製造方法として好ましい一方法で
は、上記(a).工程において、セラミック成形用混合粉末
を構成する下水汚泥焼却灰、粘土材及びセラミック粉材
それぞれの粒度分布がほぼ同等となるように、これら粉
末材料(即ち下水汚泥焼却灰、粘土材及びセラミック粉
材のそれぞれをいう。)について粒度調整処理が行われ
る。かかる粒度調整が行われて調製された坏土では、破
壊基点となり得る粗大粒子が実質的に含まれておらず、
さらには全体が均質で緻密な構造のセラミック成形体を
得ることができる。このため、下水汚泥焼却灰を比較的
多量に用いて高強度のセラミック製品(典型的には陶管
等の土木・建築用セラミックス)を作製することができ
る。
【0010】また、本発明の製造方法として好ましい他
の一方法では、上記(a).工程において、600rpm以
上の回転速度で回転する攪拌子によって上記セラミック
成形用混合粉末を攪拌する処理が行われる。本製造方法
では、上記セラミック成形用混合粉末の全体をほぼ均質
にするための混合処理が行われる。そして、その混合処
理の少なくとも一時期において、かかる高速攪拌処理が
行われる。このことによって、セラミック成形体を構成
する下水汚泥焼却灰、粘土材及びセラミック粉材の偏在
化、例えば坏土中における下水汚泥焼却灰の部分的な凝
集が防止され得る。このため、全体で均質な緻密構造の
セラミック製品を容易に製造することができる。
【0011】また、本発明の製造方法として好ましい他
の一方法では、上記セラミック成形用混合粉末における
下水汚泥焼却灰の含有量は、当該セラミック成形用混合
粉末全体の15〜40wt%(乾燥重量)に相当し、その
セラミック成形用混合粉末におけるセラミック粉材の含
有量は、当該下水汚泥焼却灰含有量の70〜120wt%
に相当する量である。この製造方法では、セラミック成
形体を焼成する過程において、下水汚泥焼却灰に比較的
多量に含まれるカーボンや硫黄が坏土中の酸化鉄(Fe
2O3)と反応して生じる炭酸ガスやSOxを当該成形体中
から外部に排出するのに効果的な経路(細隙)を形成す
ることができる。このため、本構成の製造方法による
と、炭酸ガスやSOxが十分に除去され得るため、緻密
で機械的強度の高いセラミック製品を容易に製造するこ
とができる。
【0012】また、かかる構成の製造方法として好まし
い一方法は、上記重量割合の下水汚泥焼却灰とセラミッ
ク粉材に加えて、セラミック成形用混合粉末における粘
土材の含有量が当該セラミック成形用混合粉末全体の3
0wt%以上である。このような重量割合のセラミック成
形用混合粉末によると、押出し成形を容易に行い得る可
塑性を具備したセラミック成形体を形成することができ
る。このため、所望する高強度で緻密な形状のセラミッ
ク製品を精度よく製造することができる。また、本構成
の製造方法としてさらに好ましい他の一方法では、上記
重量割合の下水汚泥焼却灰とセラミック粉材と粘土材と
から成るセラミック成形用混合粉末を主体として調製さ
れた坏土の水分含有率を15〜25wt%とする。このよ
うなレベルの水分含有率に調整することによって、セラ
ミック成形体の可塑性及び保形性をさらに高めることが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の製造方法に係る
好適な実施形態について説明する。
【0014】先ず、本発明を特徴付ける上記(a).工程
(即ち原料供給及び坏土調製工程)に関して説明する。
本発明のセラミック製品製造方法においては、種々の下
水汚泥焼却灰あるいはその他の汚泥焼却灰を特に組成上
の制限なしに用いることができる。典型的な下水汚泥由
来の焼却灰は、石灰長石、リン酸化合物、石英等から構
成されており、SiO2(シリカ)を主成分とし、これ
にさらにAl23、Na2O、K2O、MgO、Fe
23、P25等を含有しているが、これらの組成比に影
響なく、また他の微量成分を含むものも利用することが
できる。また、一般的に下水汚泥焼却灰はその処理方法
によって高分子系と石灰系とに分類され得るが、いずれ
のものも用いることができる。高分子系の焼却灰が特に
好適である。
【0015】一方、本発明のセラミック製品製造方法に
使用される粘土材としては、特に制限はなく、一般的な
カオリン系粘土、木節粘土、蛙目粘土、ベントナイト等
を使用することができる。焼成時においてガラス相生成
の原因となるCaO、P25の含有量が比較的低いもの
(典型的にはこれら成分の含有率が各々鉱物質全体の1
wt%以下のもの)が好ましい。特にアルミナ(Al
23)含有率が鉱物質全体の20wt%またはそれ以上
(好ましくは25wt%以上)であるものが高強度のセラ
ミック製品を製造するうえで好適である。このような性
状の粘土材を下水汚泥焼却灰と組み合わせて使用するこ
とにより、セラミック焼成体の基質(典型的にはガラス
相)中に針状のムライト結晶を多量に析出させることが
できる。かかるムライト結晶の析出は、セラミック製品
の機械的強度の向上に寄与する。ムライト結晶とその周
囲に存するガラスとの熱膨脹係数の相違によってセラミ
ック成形体(焼成体)に圧縮応力場が形成されるからで
ある。このことにより、セラミック成形体の強度を向上
させることができる。例えば陶管についてみると、下水
汚泥焼却灰を原料として従来製法に基づいて得られた陶
管の強度は、常法(JIS R 1601)である3点曲げ試験に
基づく曲げ強度で典型的には35〜40MPaであっ
た。一方、本発明の製造方法によると、それよりも顕著
に高い強度(上記曲げ強度で典型的には50〜60MP
a又はそれ以上、好ましくは80〜100MPa)を実
現することが可能である。かかる観点から、特にカオリ
ナイトを主要構成粘土鉱物とする粘土材あるいは長石含
有率が少ない粘土材が好適である。
【0016】また、本発明のセラミック製品製造方法に
使用されるセラミック粉材としては、陶管等の土木・建
築用セラミック製品を製造するのに普通に使用されてい
るものであれば、特に制限なく用いることができる。本
発明の実施に好適なセラミック粉材としては、陶器や磁
器等の陶磁器質材料、セメント、ガラス、煉瓦等を粉砕
して得た破砕物が挙げられる。焼成工程において析出し
得る比較的低融点のガラス中にガス(炭酸ガス、SOx
等)が溜まるのを防止し得るものが好ましい。そのよう
なものとして、本発明の製造方法において実施されるセ
ラミック成形体の焼成温度よりも高温域(典型的には1
100℃以上)で焼成した陶管や瓦の粉状シャモットが
特に好適である。かかる高温で焼成されたセラミック焼
成体から成る粉末は、本発明の製造方法で形成される焼
成体中においても粒子の形態でそのまま残存し得る。す
なわち、これら残存粒子によって、セラミック焼成体中
のガラス相で発生したガスを外部に放出するための細隙
(気孔)を確保することができる。なお、当該細隙はセ
ラミック成形体を乾燥する際の水の抜け道ともなり得
る。
【0017】また、本発明のセラミック粉材として、ク
リストバライト、トリジマイト、石英等の結晶質SiO
2及び/又はムライト(典型的な組成式:3Al23
2SiO2)から構成される耐火性に優れるセラミック
焼成体を粉砕して得た粉末も特に好適に用いられ得る。
このような粉末から成るセラミック粉材は、本発明の製
造方法によって得られる下水汚泥焼却灰由来セラミック
製品の強度を向上するのに寄与し得る。
【0018】次に、上述の下水汚泥焼却灰、粘土材及び
セラミック粉材から成るセラミック成形用混合粉末を含
む坏土の調製に関する好適な実施形態について説明す
る。本発明に係る坏土は、セラミック成形用混合粉末を
構成する全粒子のうちの85wt%以上が粒径50μm以
下(沈降法に基づく)の微粒子であり、粒径250μm
以上の粒子は全粒子のうちの0.1wt%以下とすること
で特徴付けられるセラミック製品成形用原料である。こ
のような粒度の調整は、典型的には分級処理を行うこと
によって行うことができる。
【0019】例えば、乾燥した粉末状態に予め形成され
ている下水汚泥焼却灰、粘土材及びセラミック粉材を各
々別個独立に200メッシュ(#200:メッシュ目開
き75μm)程度の篩いで分級するとよい。或いは、乾
燥粉末状の下水汚泥焼却灰、粘土材及びセラミック粉材
のうちの全て或いはいずれか2種を予め混合したものを
同様の分級処理に供してもよい。また、粘土材について
は、乾燥粉をそのまま使用する代わりに、予め水に分散
させた後に#200メッシュ程度の篩(水篩)で分級し
てもよい。或いは、上述のような分級処理に代えて、各
種の粉砕処理を行ってセラミック成形体を構成する各材
料の粒度調整を行ってもよい。かかる粉砕処理は、下水
汚泥焼却灰、粘土材及びセラミック粉材を各々別個独立
に若しくはこれらのうちの2種以上を組み合わせて粉砕
処理を行う。ボールミルによる粉砕処理が好ましい。典
型的には、ボールミル等によって粉砕後、フィルタープ
レス等で脱水若しくはスプレードライヤー等により乾燥
させる。このことにより、所望する粒度の乾燥した粉末
材料(下水汚泥焼却灰、粘土材及びセラミック粉材)を
得ることができる。
【0020】而して、かかる分級処理や粉砕処理に基づ
いて、典型的には該セラミック成形用混合粉末を構成す
る全粒子のうちの75wt%以上(好ましくは85wt%以
上、特に好ましくは95wt%以上)が粒径50μm以下
の微粒子となり、粒径250μm以上の粒子の含有率を
全粒子のうちの1wt%以下(好ましくは0.1wt%以
下)となるように粒度調整を行う。また、下水汚泥焼却
灰、粘土材及びセラミック粉材それぞれの粒度分布がほ
ぼ同等となるように粒度調整を行うとよい(即ちこれら
粉末材料の各々に対して同程度の分級処理や粉砕処理を
行う。)。これにより、全体が均質なセラミック成形用
混合粉末ならびにそれを主原料とする坏土を調製するこ
とが容易となる。
【0021】上述したように粒度調整された各粉末原料
(下水汚泥焼却灰、粘土材、セラミック粉材)を加え合
わせ、十分に混合する。なお、下水汚泥焼却灰、粘土材
及びセラミック粉材を予め一緒にしたうえで分級処理を
行った場合でも、それらの粉末粒子から成る混合体が全
体に均質となることを確実にするために同様の混合処理
を行うことが好ましい。
【0022】本発明の製造方法は、下水汚泥焼却灰を大
量に利用することができる。典型的には、乾燥重量換算
で、下水汚泥焼却灰の含有量がセラミック成形用混合粉
末全体の15〜40wt%となり、セラミック粉材の含有
量が該下水汚泥焼却灰含有量の70〜120wt%に相当
する量となるように、これら粉末材料を混ぜ合わせると
よい。セラミック粉材としてシリカベースのシャモット
(陶管破砕物等)を用い、その含有率をセラミック成形
用混合粉末全体の20〜30wt%とするのが好ましい。
このことによって、いわゆる黒芯とよばれるセラミック
組織内の黒色化を抑止することができる。かかる黒芯は
セラミック焼成体にみられる発泡、膨脹の原因となり得
るため、好ましくない。特に好ましくは下水汚泥焼却灰
の含有量とセラミック粉材の含有量がほぼ等しくなる
(典型的には下水汚泥焼却灰100重量部に対してセラ
ミック粉材の含有量が90〜110重量部となる)よう
に混ぜ合わせる。
【0023】これにより、本発明の製造方法では、ガス
発生の原因物質であるカーボンや硫黄を多量に含む下水
汚泥焼却灰を高率に含有する坏土を使用するにも拘わら
ず、膨脹や発泡を抑止して緻密で高強度な陶管その他の
セラミック製品を製造することができる。すなわち、下
水汚泥焼却灰はカーボン、硫黄等の易酸化成分が多量に
含まれている。そして、これら成分を多量に含む坏土を
焼成した際、これら易酸化成分は坏土中の酸化鉄を還元
するとともに自身は酸化されて炭酸ガスやSOxを生成
する。これら酸性ガスは、セラミック焼成体の膨脹や発
泡の原因となるため、セラミック焼成体に残留させてお
くことは好ましくない。このとき、坏土中に上記セラミ
ック材を上記の割合で含有させておくことで、ガスの抜
け道を十分に形成することが実現され、セラミック焼成
体中で発生したガスを速やかに外部に排出することがで
きる。これにより、本発明の製造方法では、ガス発生の
原因物質であるカーボンや硫黄を多量に含む下水汚泥焼
却灰を高率に含有する坏土を使用するにも拘わらず、セ
ラミック成形体の焼成時における膨脹や発泡を抑止して
緻密で高強度な陶管その他のセラミック製品(焼成体)
を製造することができる。
【0024】他方、粘土材は、セラミック成形用混合粉
末全体の20wt%以上の含有量を確保することが望まし
く、セラミック成形用混合粉末全体の30wt%以上の含
有量を確保することが好ましい。乾燥重量換算で当該混
合粉末材料全体の30〜40wt%を粘土材とするものが
特に好ましい。このような含有割合で粘土材を含ませる
ことにより、坏土に対して押出し成形等を容易にする十
分な可塑性を付与することができる。また、得られたセ
ラミック焼成体の緻密性を向上させることができる。
【0025】而して、本発明の製造方法で行われる混合
処理としては、600rpm以上の回転速度で回転する
攪拌子(典型的には攪拌羽根やチョッパー)によって、
セラミック成形用混合粉末を攪拌することのできる撹拌
装置を用いるのが好ましい。例えば、粉体顔料の添加処
理、粉体塗料の混合処理、食品原料粉体の混合処理等に
使用されている高速ミキサーが好ましい。例えば、パン
ミル型のミキサーが好適に用いられ得る。具体的にはア
イリッヒミキサー(商標:日本アイリッヒ(株)製
品)、テカミキサー(商標:TEKA社(ドイツ)製
品)等が挙げられる。あるいは、鋤型シャベル羽根式の
ミキサーも本発明の実施に係る混合処理に好適に用いら
れ得る。具体的にはレーディゲミキサー(商標:松阪技
研(株)製品)、プローシェアミキサー(商標:太平洋
機工(株)製品)等が挙げられる。なお、時間的制約が
無いのであれば、これら高速ミキサーに限定されず、リ
ボンミキサー、ローラーミキサー等の一般的な低速ミキ
サーを混合処理に使用してもよい。而して、上記したよ
うな高速型ミキサーを使用する場合、使用する粉末材料
の量にも依存するので特に限定するものではないが、典
型的には粉末材料に対して適当量の水を添加し、攪拌子
(羽根やチョッパー)を600〜6000rpmで高速
回転させて攪拌・混合するとよい。これにより、単時間
に全体が均質なセラミック成形用混合粉末、換言すれば
全体に亘って下水汚泥焼却灰、粘土材及びセラミック粉
材がそれぞれ均等に分散して成るセラミック成形用混合
粉末を調製することができる。
【0026】こうして得られたセラミック成形用混合粉
末を主体として坏土を調製する。典型的には、上述の混
合処理(好ましくは列挙したような高速ミキサーによ
る)とともに水分を補給する(加水)処理を行う。或い
は、混合処理を施した後に水分を補給して混合粉末材料
の水分を所望するレベルに調整する。このことにより、
目的とする坏土を調製することができる。典型的には、
坏土の水分含有率を15〜25wt%とする。特に好まし
い坏土の水分含有率は17〜21wt%である。坏土の水
分含有率が15wt%よりも低すぎると坏土が固くなりす
ぎて、押出し成形等に不向きとなる虞がある。他方、坏
土の水分含有率が25wt%よりも高すぎると相対的に粘
土成分等が低くなりすぎ、結果、セラミック成形体を成
形した際の保形性が著しく低下するので好ましくない。
坏土の調製にあたり、好ましくは、水分調整後にさらに
混練処理を施す。典型的には、得られた坏土(典型的に
は上記高速型ミキサーで混合処理されたもの)をシート
フィーダー、土練機等の一般的な混練機を用いてよく混
練する。これにより、坏土の可塑性を向上させることが
できる。
【0027】以上、説明したように、本発明に係る坏土
は、典型的には、下水汚泥焼却灰と、粘土材と、セラミ
ック粉材(陶管シャモット等)とから成る混合粉末に水
を適宜加えて調製され得るものであるが、これら成分以
外の成分を含むこともできる。製造対象のセラミック製
品によって異なり得るが、例えば、保形性を維持するた
めに適当なバインダー(例えば板ガラス廃材の粉末)を
若干量添加してもよい。あるいは、酸化鉄、酸化チタ
ン、酸化コバルト等の無機顔料粉末を若干量添加しても
よい。これら付加的添加成分は、上記混合処理時に混合
粉末に添加するのが好ましい。かかる付加的添加成分を
坏土全体にほぼ均等に分散させることができるからであ
る。
【0028】次に、本発明の製造方法に係る上記(b).工
程(即ち坏土の成形工程)に関して簡単に説明する。本
発明の実施において、セラミック製品を成形する手段と
しては特に制限がなく、セラミック製品製造プロセスに
おいて従来多用されている種々の方法が用いられ得る。
例えば、一般的な鋳込み成形、押出し成形、プレス成形
(1軸プレス法、CIP成形法等)を採用することがで
きる。これらのうち、陶管等の長尺物を成形する場合に
は、押出し成形が特に好適である。典型的には、一定の
サイズ・形状の口金を有する押出成形機(オーガー型
等)に坏土を供給しつつ当該口金から押し出すことによ
って、一定の横断面形状を有する管状のセラミック成形
体を形成することができる。なお、かかる押出し成形技
法自体および当該押出し成形に使用される押出成形機の
機構やそれらの運転方法自体は、当該分野において周知
であり、特に本発明を特徴付けるものでもないため、詳
細な説明は省略する。
【0029】鋳込み成形、押出し成形等を行う場合にお
いて上記坏土からなる未焼成成形体を焼成処理前にある
程度乾燥させることが望ましい。特に残存水分量が2%
またはそれよりも低くなるまで乾燥処理を施すことが好
ましい。このことによって、焼成時における水蒸気膨張
を抑止することができる。
【0030】次に、本発明の製造方法に係る上記(c).工
程(即ち成形体の焼成工程)に関して簡単に説明する。
本発明の製造方法における焼成最高温度は下水汚泥焼却
灰等の含有率によって適宜異なり得るものであるが、望
ましくは900〜1300℃であり、より好ましくは1
000〜1200℃である。また当該最高温度の保持時
間は典型的には概ね1.5時間又はそれ以下である。焼
成最高温度が上記温度範囲を大きく下回る場合は、セラ
ミック基質(マトリックス)中にムライト結晶部分が十
分に生じない虞があり、強度保持の観点から好ましくな
い。反対に、焼成最高温度が上記温度範囲を大きく上回
る場合もムライト結晶部分が十分に生じ得ず、所望する
強度が確保できない虞がある。また、そのような高い焼
成温度では、一般的な陶管シャモット(焼成温度:10
00〜1100℃)等をセラミック粉材として使用した
場合におけるガスの抜け道の形性が困難となる。
【0031】而して、焼成工程における昇温速度は、常
温から上記最高温度域に到達するまでの昇温時間が少な
くとも1.5時間以上要するように設定することが好ま
しい。過剰に速いペースで昇温が進行すると、焼成体表
面層に急速に緻密なガラス相が形成されてしまう虞があ
る。かかる緻密ガラス相形成は、焼成体内部に発生した
ガス(炭酸ガス、SOx等)がそのまま封入されるのを
助長するため好ましくない。上記昇温時間が8時間また
はそれ以上(例えば上記昇温時間が8時間〜12時間)
になるような緩慢な昇温速度が特に好ましい。かかる緩
やかな昇温速度によれば、焼成中の混合物中からのガス
除去効率を向上させ、典型的には吸水率1%以下のよう
な高緻密性のセラミックスを得ることができる。また、
さらに好ましくは、常温から500℃までの昇温を毎時
125℃またはそれよりも緩やかな昇温速度で行われる
ように設定する。かかる昇温速度の設定によって、坏土
中の粘土材に含まれ得る有機成分及び/又は下水汚泥焼
却灰に含まれ得る炭素成分を効率的に焼却・除去するこ
とができる。
【0032】
【実施例】 以下に説明する実施例によって本発明をさ
らに詳細に説明するが本発明をかかる実施例に示すもの
に限定することを意図したものではない。
【0033】
【表1】
【0034】<実施例1>表1に示す組成の下水汚泥焼
却灰と粘土材(ここでは彫塑用乾燥粘土粉末)とセラミ
ック粉材(ここでは瓦シャモット)とを用いて、セラミ
ック焼成体を作製した。すなわち、粘土粉末及び瓦シャ
モットを乾燥重量換算で50:50となるように調合
し、ボールミルで湿式にて粉砕した。次いで、#60メ
ッシュ(目開き250μm)で分級し、スプレードライ
ヤーで造粒乾燥した。得られた粘土・シャモット混合粉
をレーザー散乱式粒度分布測定装置で測定した。その結
果、粒径50μm以下の微粒子は全体の96wt%であっ
た。また、#60メッシュで水篩した結果、その残さは
0.0wt%であった。他方、下水汚泥焼却灰(乾燥状
態)を#200メッシュ(目開き75μm)の自動篩い
機に供試し、振動篩いで分級した。レーザー散乱式粒度
分布測定装置で測定の結果、粒径50μm以下の微粒子
は全体の89wt%であった。また、#60メッシュで水
篩した結果、その残さは0.0wt%であった。
【0035】上記のようにして分級された下水汚泥焼却
灰と粘土・シャモット混合粉とが乾燥重量換算で30:
70になるようにこれらを秤量し、テカミキサー(型式
TZ-375)に投入した。そして、主軸回転数36rpm、チョ
ッパー回転数600rpmでミキサーを作動させて混合材料を
よく混合した。含水率が凡そ20%になるように加水
し、同条件で混合を継続した。このようにして混合坏土
を得た。次いで、混合坏土を間隙1mmのロールクラッ
シャーに通し、さらに土練機を用いてφ200mmの玉
土とした。押出し成形機(ヘンドレ社製:型式PZVM8d)
を用いて玉土よりφ15mm、長さ100mmの成形体
を調製した。
【0036】得られた成形体を乾燥後、焼成処理した。
最高焼成温度は1120℃とした。なお、昇温のペース
は常温から500℃までが毎時100℃とし、500℃
から最高温度までが毎時125℃とした。このようにし
て作製した焼成体の体積を調べ、焼成前後の体積差即ち
焼成収縮率(%)を求めた。また、吸水率(%)をアル
キメデス法により測定した。すなわち吸水率は一般的な
煮沸により水置換された飽水試験片を作成して求めた。
その後、50mmスパン及びクロスヘッド速度0.5m
m/分の条件で湿潤状態(即ち吸水率を測定した試験片
を12時間以上水中に保持して乾燥させないでいる状
態)での3点曲げ強度(MPa)を万能試験機(インス
トロン社製品:型式1123)で測定した。それら測定
結果を表2に示した。
【0037】
【表2】
【0038】<実施例2>下水汚泥焼却灰(乾燥状態)
を#100メッシュ(目開き150μm)の自動篩い機
に供試し、振動篩いで分級した。レーザー散乱式粒度分
布測定装置で測定の結果、粒径50μm以下の微粒子は
全体の79wt%であった。また、#60メッシュで水篩
した結果、その残さは0.1wt%であった。このように
して分級された下水汚泥焼却灰と実施例1で調製した粘
土・シャモット混合粉とが乾燥重量換算で30:70に
なるようにこれらを秤量し、以下、実施例1と同じ処理
を行い同形状の焼成体を作製した。但し、最高焼成温度
は1130℃とした。得られた焼成体についての焼成収
縮率(%)、吸水率(%)及び湿潤状態での3点曲げ強
度(MPa)を実施例1と同様にして測定した。それら
測定結果を表2に示した。
【0039】<実施例3>粘土材として三洋化成(株)
製のキャリボンL-400(商標)を使用した。すなわち、
当該粘土材を用いて水分40%のスラリーを調製した。
その後、#200メッシュで水篩した(以下、当該水篩
したものを単に「粘土スラリー」という。)。この粘土
スラリーをレーザー散乱式粒度分布測定装置で測定の結
果、粒径50μm以下の微粒子は全体の99.5wt%で
あった。また、#60メッシュで水篩した結果、その残
さは0.0wt%であった。他方、下水汚泥焼却灰と瓦シ
ャモット(いずれも乾燥状態)は、#200メッシュ
(目開き75μm)の自動篩い機に供試し、振動篩いで
分級した。これらをレーザー散乱式粒度分布測定装置で
測定の結果、下水汚泥焼却灰と瓦シャモットのいずれも
粒径50μm以下の微粒子が全体の89wt%であった。
また、#60メッシュで水篩した結果、その残さはいず
れも0.0wt%であった。このようにして調製された下
水汚泥焼却灰、粘土スラリー及び瓦シャモットをそれぞ
れ乾燥重量換算で30:35:35になるように秤量
し、実施例1と同じ処理を行い同形状の焼成体を作製し
た。但し、最高焼成温度は1110℃とした。得られた
焼成体についての焼成収縮率(%)、吸水率(%)及び
湿潤状態での3点曲げ強度(MPa)を実施例1と同様
にして測定した。それら測定結果を表2に示した。
【0040】<実施例4>表1に示す下水汚泥焼却灰、
粘土及びシャモットを乾燥重量換算で30:35:35
となるように調合し、ボールミルで湿式にて粉砕した。
さらに、#60メッシュ(目開き250μm)で分級
し、スプレードライヤーで造粒乾燥した。得られた混合
粉末をレーザー散乱式粒度分布測定装置で測定の結果、
粒径50μm以下の微粒子は全体の98wt%であった。
また、#60メッシュで水篩した結果、その残さは0.
0wt%であった。かかる混合粉末を上記テカミキサーに
投入した。以下、実施例1と同じ処理を行い同形状の焼
成体を作製した。但し、最高焼成温度は1100℃とし
た。得られた焼成体についての焼成収縮率(%)、吸水
率(%)及び湿潤状態での3点曲げ強度(MPa)を実
施例1と同様にして測定した。それら測定結果を表2に
示した。
【0041】<参考例1>分級していない下水汚泥焼却
灰(表1参照)と実施例1で得た粘土・シャモット混合
粉とを乾燥重量換算で30:70となるように秤量し、
以下、実施例1と同じ処理を行い同形状の焼成体を作製
した。但し、最高焼成温度は1140℃とした。なお、
表1に示したとおり、分級していない下水汚泥焼却灰を
レーザー散乱式粒度分布測定装置で測定の結果、粒径5
0μm以下の微粒子は全体の73wt%であった。また、
#60メッシュで水篩した結果、その残さは2.1wt%
であった。得られた焼成体についての焼成収縮率
(%)、吸水率(%)及び湿潤状態での3点曲げ強度
(MPa)を実施例1と同様にして測定した。それら測
定結果を表2に示した。
【0042】<参考例2>乾燥状態の下水汚泥焼却灰
(表1)を#200(目開き75μm)の自動篩い機に
供試し、振動篩いで分級した。分級した下水汚泥焼却灰
をレーザー散乱式粒度分布測定装置で測定の結果、粒径
50μm以下の微粒子は全体の75wt%であった。ま
た、#60メッシュで水篩した結果、その残さは0.4
wt%であった。かかる下水汚泥焼却灰と実施例1で得た
粘土・シャモット混合粉とを乾燥重量換算で30:70
となるように秤量し、以下、実施例1と同じ処理を行い
同形状の焼成体を作製した。但し、最高焼成温度は11
40℃とした。得られた焼成体についての焼成収縮率
(%)、吸水率(%)及び湿潤状態での3点曲げ強度
(MPa)を実施例1と同様にして測定した。それら測
定結果を表2に示した。
【0043】<参考例3>実施例1と同様にして分級さ
れた下水汚泥焼却灰と粘土・シャモット混合粉とを乾燥
重量換算で30:70となるように秤量・調合した。次
いで、かかる調合材料を上記テカミキサーに投入した。
そして、主軸回転数36rpmでチョッパーは回転させずに
混合した後、含水率が凡そ20%になるように加水し、
60分間、同条件で混合を継続して混合坏土を得た。以
下、実施例1と同じ処理を行い同形状の焼成体を作製し
た。但し、最高焼成温度は1140℃とした。得られた
焼成体についての焼成収縮率(%)、吸水率(%)及び
湿潤状態での3点曲げ強度(MPa)を実施例1と同様
にして測定した。それら測定結果を表2に示した。
【0044】表2に示した各実施例及び参考例に係る3
点曲げ強度の比較から明らかなように、本発明の製造方
法によって得られたセラミック焼成体(実施例1〜4)
は、従来の製造方法によって得られたセラミック焼成体
(参考例1〜3)よりも湿潤状態において高強度である
ことが確認された。
【0045】
【発明の効果】 上述の実施例からも明らかなように、
本発明によると、下水汚泥焼却灰を主原料として種々の
用途のセラミック製品を製造することができる。本発明
の製造方法では、比較的高率に下水汚泥焼却灰を含有す
る坏土が用いられているにも拘わらず、高強度のセラミ
ック製品を得ることができる。例えば、本発明の坏土と
製造方法を採用することによって、高強度の地中埋設用
陶管(セラミックパイプ)等の土木用資材、煉瓦等の外
装用又は内装用建築資材を製造することができる。例え
ば、本発明によって、50〜60MPaまたはそれ以上
の三点曲げ強度(好ましくは60〜80MPa)を有す
る陶管を製造することができる。本発明によれば、産業
廃棄物である下水汚泥焼却灰のさらなる有効利用を図る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 美佐男 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 磯谷 孝充 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 佐野 達雄 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 Fターム(参考) 4G030 AA36 AA37 GA04 GA09 GA11 GA18 HA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下水汚泥焼却灰を使用してセラミック製
    品を製造する方法であって、以下の工程: (a).下水汚泥焼却灰と、粉末状の粘土材と、セラミック
    粉材とから成るセラミック成形用混合粉末を主体とする
    坏土を調製する工程、ここで該セラミック成形用混合粉
    末を構成する全粒子のうちの85wt%以上は粒径50μ
    m以下の微粒子であり、粒径250μm以上の粒子は全
    粒子のうちの0.1wt%以下とする; (b).その坏土を所定の形状に成形する工程; (c).前記工程で得られた成形体を焼成する工程;を包含
    する、製造方法。
  2. 【請求項2】 前記(a).工程において、前記セラミック
    成形用混合粉末を構成する下水汚泥焼却灰、粘土材及び
    セラミック粉材それぞれの粒度分布がほぼ同等となるよ
    うに、これら粉末材料について粒度調整処理が行われ
    る、請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記(a).工程において、600rpm以
    上の回転速度で回転する攪拌子によって前記セラミック
    成形用混合粉末を攪拌する処理が行われる、請求項1又
    は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記セラミック成形用混合粉末における
    下水汚泥焼却灰の含有量は、該セラミック成形用混合粉
    末全体の15〜40wt%に相当し、そのセラミック成形
    用混合粉末におけるセラミック粉材の含有量は、該下水
    汚泥焼却灰含有量の70〜120wt%に相当する量であ
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記セラミック成形用混合粉末における
    粘土材の含有量は、該セラミック成形用混合粉末全体の
    30wt%以上である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記セラミック成形用混合粉末を主体と
    して調製された坏土の水分含有率を15〜25wt%とす
    る、請求項5に記載の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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