JP4666323B2 - 高速電流反転めっき用電源装置 - Google Patents

高速電流反転めっき用電源装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,高速で電流を反転させてプリント配線板等の被めっき物に均一なめっきを行う高速電流反転めっき用電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速で極性変換させることにより,電流反転させ,負電流によるめっき処理,正電流によるめっきの中断又は溶解により結晶を微細化して,被めっき物に均一なめっきを行うことができる。
【0003】
ところが,被めっき物が,部品を高密度で集積できる多層基板のプリント配線板では,板層が大きくなるほどスルホール中のめっきに均一なものが得られなくなっていた。特に負の電流が流れる時間がめっきの正の電流が流れる時間より十分少なく,正の電流より十分大きい負の電流をスルホールに流さないと,スルホールに均一なめっきが得られないことがわかってきた。
【0004】
そこで出願人は高速で極性変換させて,多層基板のプリント配線板等の被めっき物に均一なめっきを行う電源装置を特開2000−92841号で提案した。
すなわち,出願人が提案した電源装置は図5に示すような電源である。図5において,2A,2Bは直流電源装置であり,通常商用の交流電源を整流して形成されている。また,交流電源を整流した直流をインバータにより高周波に変換し,再度整流する場合もある。4A,4Bはそれぞれ直流電源装置2A,2Bの一方の出力,例えば正の出力2A1,2B1に接続された第1,第2リアクトル,6A,6Bはそれぞれ第1,第2リアクトル4A,4Bの出力にアノードが接続された逆流防止ダイオード,8A,8Bはコレクタがそれぞれの逆流防止ダイオード6A,6Bのカソードに接続された主IGBTであり,このIGBT8A,8Bのそれぞれのエミッタはお互いの直流電源装置2B,2Aの他方の出力,例えば負の出力2B2,2A2に接続されている。
【0005】
10Aは第1リアクトル4Aと一方の逆流防止ダイオード6Aとの接続点Cにコレクタが接続され,また,第1直流電源装置2Aの他の出力2A2にエミッタが接続された短絡用の第1補助IGBTである。また,10Bは第2リアクトル4Bと他方の逆流防止ダイオード6Bとの接続点Dにコレクタが接続され,また,第2直流電源装置2Bの他の出力2B2にエミッタが接続された短絡用の第2補助IGBTである。12はIGBT8Aの出力と,IGBT8Bの出力との間に接続された被めっき物の負荷である。14は主IGBT8A,8B,補助IGBT10A,10Bに制御信号を出力する制御装置である。さらに,主IGBT8A,8B及び補助IGBT10A,10Bのそれぞれのコレクタとエミッタとの間にはそれぞれスナバ回路16A,16B及び18A,18Bが接続されている。これらスナバ回路16A,16B,18A,18Bは,例えばダイオードとフィルムコンデンサとの直列回路と,上記フィルムコンデンサと並列に放電用抵抗が設けられている。
【0006】
図6は各部の波形図であり,図6(a)は負荷12に流れる電流波形を示し,図6(b)〜(e)はそれぞれ第1主IGBT8A,第1補助IGBT10A,第2主IGBT8B,第2補助IGBT10Bのゲート信号波形を示している。
今,図6に示す時刻t1より前では,第2主IGBT8Bに図6(d)に示すゲート信号が入力して,第2直流電源装置2Bから,第2リアクトル4B,第2ダイオード6B,第2主IGBT8Bを介して負荷12に図6(a)に示す正の電流が流れている。これらより,めっきの中断又は溶解が行われている。
【0007】
一方,この時刻t1より前に第1補助IGBT10Aに図6(c)に示すようにゲート信号が入力されて,第1直流電源装置2A,第1リアクトル4A,第1補助IGBT10A,第1直流電源2Aに電流が流れ,第1リアクトル4Aにエネルギーが蓄積される。
【0008】
そして,時刻t1になると,第2主IGBT8B,第1補助IGBT10Aのゲート信号がオフし,図6(b)に示すように第1主IGBT8Aにゲート信号が入力される。第1主IGBT8Aにゲート信号が入力すると,第1直流電源装置2A,第1リアクトル4A,第1ダイオード6A,第1主IGBT8A,負荷12,第1直流電源装置2Aに,図6(a)に示すような負の電流が流れる。この時,第1直流電源装置2Aの出力電流と,第1リアクトル4Aに蓄積されたエネルギーが放出して加算された電流が負荷12に流れる。このため,負荷12に流れる電流は急峻に立ち上がる。これにより,負荷12の被めっき物はめっきされる。
【0009】
一方,時刻t1に第2補助IGBT10Bにも,図6(e)に示すようにゲート信号が入力され,第2直流電源装置2B,第2リアクトル4B,第2補助IGBT10B,第2直流電源装置2Bに電流が流れ,第2リアクトル4Bにエネルギーが蓄積される。
【0010】
次に時刻t2になると,第1主IGBT8A,第2補助IGBT10Bのゲート信号がオフし,図6(d)に示すように第2主IGBT8Bにゲート信号が入力される。第2主IGBT8Bにゲート信号が入力すると,第2直流電源装置2B,リアクトル4B,ダイオード6B,第2主IGBT8B,負荷12,第2直流電源装置2Bに図6(a)に示すように正の電流が流れる。この時,第2直流電源装置2Bの出力電流と,第2リアクトル4Bに蓄積されたエネルギーが放出して加算された電流が,負荷12に流れる。このため,負荷12に流れる電流は急峻に放出される。これにより,めっきの中断又は溶解が行われる。
【0011】
一方,時刻t2に第1補助IGBT10Aにも図6(c)に示すようにゲート信号が入力され,第1直流電源装置2A,第1リアクトル4A,第1補助IGBT10A,第1直流電源装置2Aに電流が流れリアクトル4Aにエネルギーが蓄積される。
【0012】
以下順次繰り返す。第1主IGBT8Aと,第2主IGBT8Bとを高速で切り換え,かつ,第2補助IGBT10Bと第1補助IGBT10Aを高速で切り換えることにより,高速で電流を反転させるめっき用電源装置を得ることができる。
【0013】
また,めっきを行う負の電流が流れる時間をT1,めっきの中断又は溶解を行う正の電流が流れる期間をT2とすると,T2/(T1+T2)の反転比率は制御装置14を制御することにより行われる。主IGBT8A,8B,補助IGBT10A,10Bのゲート信号の期間を変更することによって行うことができる。さらに,負荷12に流れる電流の大きさは,図示していないが,負荷12に流れる電流を検出し,この検出信号に応じて制御装置14を制御して行うことができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,被めっき物はヤードでハンガーに吊され,搬送装置によりめっき槽に運ばれて,めっき槽に入れられる。そして,電源装置から被めっき物に電流が流されてめっきが行われる。また,被めっき物はめっき槽内を搬送装置により移動することもある。
【0015】
このため,負荷が給電用のハンガーに十分接触できない場合や,搬送装置の振動で接触できなくなる場合や,めっき現場の雰囲気により錆が生じ負荷と給電部が接触できないことがあった。このように負荷と給電部とが接触できなくなると,短絡用の補助IGBT10A,10Bの両端にはリアクトル4A,4Bの蓄積エネルギーによる高電圧が印加する。このため,短絡用補助IGBT10A,10Bに並列に接続されたスナバ回路18A,18Bが動作できず,IGBT10A,10Bが破損に至ることがあった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の高速電流反転用めっき用電源装置は,第1直流電源装置と,第2直流電源装置を設ける。上記第1直流電源装置の一方の出力端と,上記第2直流電源装置の他方の出力端,及び負荷の一端との間に,第1リアクトルと,高速でオン,オフする第1主スイッチング素子との直列回路を設ける。上記第2直流電源装置の一方の出力端と,上記第1直流電源装置の他方の出力端,及び負荷の他端との間に,第2リアクトルと,上記第1主スイッチング素子のオン,オフに対応し相補的にオフ,オンする第2主スイッチング素子との直列回路を設ける。上記第1リアクトルの出力と上記第1直流電源装置の他方の出力端との間に上記第1主スイッチング素子のオン,オフに対応し相補的にオフ,オンする第1補助スイッチング素子を設け,上記第2リアクトルの出力と上記第2直流電源装置の他方の出力端との間に,上記第2主スイッチング素子のオン,オフに対応し相補的にオフ,オンする第2補助スイッチング素子を設ける。さらに,第1,第2補助スイッチング素子とそれぞれ並列に接続された第1,第2クランプ用ダイオードと,この第1,第2クランプ用ダイオードにそれぞれ直列に接続され定常時ピーク電圧で充電される第1,第2クランプ用コンデンサにより構成される第1,第2クランプ回路と,上記第1又は第2補助スイッチング素子の両端電圧をそれぞれ検出する第1又は第2電圧検出器を設け,上記第1又は第2電圧検出器の検出信号が所定電圧以上のときに上記第1又は第2補助スイッチング素子をオンさせる制御装置とを設けたものである。
【0018】
第2主スイッチング素子にオン信号を入力しオンすると,第2直流電源装置,第2リアクトル,第2主スイッチング素子を介して負荷に電流,例えば正の電流を流し,溶解させている。この時,第1補助スイッチグ素子にもオン信号が入力しており,第1リアクトル,第1補助スイッチング素子を介して電流が流れている。この電流によって第1リアクトルにはエネルギーが蓄積する。
【0019】
次に第2主スイッチング素子及び第1補助スイッチング素子のオン信号がオフすると,これら両スイッチング素子はオフする。そして,第1主スイッチング素子にオン信号を入力しオンさせると,第1直流電源装置,第1リアクトル,第1主スイッチング素子を介して負荷に電流が流れる。この時,第1補助スイッチング素子のオフにより,第1リアクトルには第1直流電源装置の出力を加算する電圧が発生し,負荷には急峻な負の電流が流れ,被めっき物がめっきされる。また,第2補助スイッチング素子にもオン信号が入力し,第2直流電源装置,第2リアクトル,第2補助スイッチング素子を介して電流が流れ,第2リアクトルにはエネルギーが蓄積する。
【0020】
次に第1主スイッチング素子及び第2補助スイッチング素子のオン信号がオフすると,これら両スイッチング素子はオフする。そして,第2主スイッチング素子にオン信号を入力しオンさせると,第2直流電源装置,第2リアクトル,第2主スイッチング素子を介して負荷に正の電流が流れる。この時,第2補助スイッチング素子のオフにより第2リアクトルには第2直流電源装置の出力を加算する電圧が発生し,負荷には急峻な正の電流が流れる。また,第1補助スイッチング素子にもオン信号が入力し,第1直流電源装置,第1リアクトル,第1補助スイッチング素子を介して電流が流れ,第1リアクトルにはエネルギーが蓄積する。
以下順次繰り返す。
【0021】
第1又は第2主スイッチング素子に流れる電流は,急峻に立ち上がり,第一及び第2主スイッチング素子の高速のオンオフにより負荷には高速反転する電流を流すことができる。
【0022】
そして,負荷が開放されると,リアクトルの蓄積エネルギーによりオフしている第1又は第2補助スイッチング素子に高電圧が発生しようとするが,リアクトルの蓄積エネルギーはクランプ用コンデンサにより吸収され,第1又は第2補助スイッチング素子に印加する電圧の単位時間当たりの上昇率は小さく,第1又は第2補助スイッチング素子は損傷しない。そして,リアクトルの蓄積エネルギーにより第1又は第2補助スイッチング素子に印加する電圧がさらに上昇し,第1又は第2電圧検出器により検出された検出電圧が所定電圧以上になると,第1又は第2補助スイッチング素子にはオン信号が入力されてオンされ,第1又は第2補助スイッチング素子には高電圧は印加しない。
【0023】
請求項記載の高速電流反転めっき用電源装置は,請求項1記載の第1,第2補助スイッチング素子とそれぞれ並列に接続された第1,第2クランプ回路と,上記第1又は第2補助スイッチング素子の両端電圧をそれぞれ検出する第1又は第2電圧検出器とを,負荷に印加する電圧を整流する整流回路と,上記整流回路の出力に接続され定常時ピーク電圧で充電される第3クランプ用コンデンサと,上記第3クランプ用コンデンサの両端を検出する第3電圧検出器と,上記第3電圧検出器の検出信号が所定電圧以上のときに上記第1又は第2補助スイッチング素子をオンさせる制御装置とに代えたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明を,その一実施の形態を示した図1に基づいて説明する。図1において,図4と異なる点は,短絡用の補助IGBTの両端にクランプ用電解コンデンサと電圧検出器を設け,負荷が開放されたとき,リアクトルに発生する過大電圧を吸収し,電解コンデンサの両端電圧が所定電圧以上になると,この補助IGBTを短絡させるものである。
【0025】
すなわち,2A,2Bは直流電源装置であり,通常商用の交流電源をサイリスタ等により整流して形成されている。また,交流電源を整流した直流を内蔵するインバータにより高周波に変換し,さらにダイオードにより再度整流して形成させる場合もある。4A,4Bはそれぞれ直流電源装置2A,2Bの一方の出力,例えば正の出力2A1,2B1に接続された第1,第2リアクトル,6A,6Bはそれぞれ第1,第2リアクトル4A,4Bの出力にアノードが接続された第1,第2逆流防止ダイオード,8A,8Bはコレクタがそれぞれの逆流防止ダイオード6A,6Bのカソードに接続された第1,第2主IGBTであり,この主IGBT8A,8Bのそれぞれのエミッタはお互いの直流電源装置2B,2Aの他方の出力,例えば負の出力2B2,2A2に接続されている。
【0026】
10Aは第1リアクトル4Aと一方の第1逆流防止ダイオード6Aのアノードとの接続点Cにコレクタが接続され,エミッタが第1直流電源装置2Aの他の出力2A2に接続された短絡用の第1補助IGBTである。また,10Bは第2リアクトル4Bと他方の第2逆流防止ダイオード6Bのアノードとの接続点Dにコレクタが接続され,エミッタが第2直流電源装置2Bの他の出力2B2に接続された短絡用の第2補助IGBTである。12は第1主IGBT8Aの出力と,第2主IGBT8Bの出力との間に接続された被めっき物の負荷である。22は主IGBT8A,8B,補助IGBT10A,10Bに制御信号を出力する制御装置である。
【0027】
さらに,主IGBT8A,8B及び補助IGBT10A,10Bのコレクタとエミッタとの間にはそれぞれスナバ回路16A,16B及び18A,18Bが接続されている。これらスナバ回路16A,16B,18A,18Bは,それぞれ例えばダイオード16Ac,16Bc,18Ac,18Bcとスナバコンデンサ,例えばフィルムコンデンサ16Aa,16Ba,18Aa,18Baとの直列回路と,スナバコンデンサ16Aa,16Ba,18Aa,18Baと並列にスナバ用抵抗16Ab,16Bb,18Ab,18Bbが設けられている。
【0028】
また,第1,第2補助IGBT10A,10Bの両端,すなわちコレクタとエミッタとの間にはそれぞれ第1,第2クランプ回路28A,28Bが接続されている。これらクランプ回路28A,28Bは,例えばクランプ用ダイオード28Ac,28Bcと,スナバ回路のフィルムコンデンサの容量より十分大きい容量例えば2000μFの容量を持つ電解コンデンサのクランプ用コンデンサ28Aa,28Baとの直列回路と,上記クランプ用コンデンサ28Aa,28Baと並列にそれぞれクランプ用抵抗28Ab,28Bbが設けられている。それとともに、第1,第2補助IGBT10A,10Bの両端にそれぞれの両端電圧を検出する第1,第2電圧検出器24A,24Bが設けられ,第1,第2電圧検出器24A,24Bが検出した検出信号はそれぞれ第1,第2比較器26A,26Bに入力される。第1,第2比較器26A,26Bは検出信号と内蔵する基準値と比較し,検出信号が基準値より高くなると制御装置22に出力信号を出力する。
【0029】
図2は各部の波形図であり,図2(a)は負荷12に流れる電流波形を示し,図2(b)〜(e)はそれぞれ第1主IGBT8A,第1補助IGBT10A,第2主IGBT8B,第2補助IGBT10Bのゲート信号波形を示している。今,図2に示す時刻t1より前では,第2主IGBT8Bに図2(d)に示すゲート信号が入力して,第2直流電源2B,第2リアクトル4B,第2ダイオード6B,第2主IGBT8B,負荷12を介して負荷に図2(a)に示す電流,例えば正の電流が流れている。これらより,めっきの中断又は溶解が行われている。
【0030】
また,この時刻t1より前に第1補助IGBT10Aに図2(c)に示すようにゲート信号が入力されて,第1直流電源装置2A,第1リアクトル4A,第1補助IGBT10A,第1直流電源2Aに電流が流れ,第1リアクトル4Aにエネルギーが蓄積されている。
【0031】
そして,時刻t1になると,第2主IGBT8B,第1補助IGBT10Aのゲート信号がオフし,図2(b)に示すように第1主IGBT8Aにゲート信号が入力される。第1主IGBT8Aにゲート信号が入力されると,第1直流電源装置2A,第1リアクトル4A,第1ダイオード6A,第1主IGBT8A,負荷12,第1直流電源装置2Aに,図2(a)に示すような負の電流が流れる。この時,第1直流電源装置2Aの出力電流と,第1リアクトル4Aに蓄積されたエネルギーが放出して加算された電流が負荷12に流れる。そして,負荷12に流れる電流は急峻に立ち上がる。これにより,負荷12の被めっき物はめっきされる。
【0032】
一方,時刻t1に第2補助IGBT10Bにも,図2(e)に示すようにゲート信号が入力され,第2直流電源装置2B,第2リアクトル4B,第2補助IGBT10B,第2直流電源装置2Bに電流が流れ,第2リアクトル4Bにエネルギーが蓄積される。
【0033】
次に時刻t2になると,第1主IGBT8A,第2補助IGBT10Bのゲート信号がオフし,図2(d)に示すように第2主IGBT8Bにゲート信号が入力される。主IGBT8Bにゲート信号が入力されると,第2直流電源装置2B,第2リアクトル4B,第2ダイオード6B,第2主IGBT8B,負荷12,第2直流電源装置2Bに図2(a)に示すように正の電流が流れる。この時,第2直流電源装置2Bの出力電流と,第2リアクトル4Bに蓄積されたエネルギーが放出して加算された電流が,負荷12に流れる。このため,負荷12に流れる電流は急峻に放出される。これにより,めっきの中断又は溶解が行われる。
【0034】
一方,時刻t2に第1補助IGBT10Aにも図2(c)に示すようにゲート信号が入力され,第1直流電源装置2A,第1リアクトル4A,第1補助IGBT10A,第1直流電源装置2Aに電流が流れリアクトル4Aにエネルギーが蓄積される。
【0035】
以下順次繰り返す。第1主IGBT8Aと,第2主IGBT8Bとを高速で切り換え,かつ,第2補助IGBT10Bと第1補助IGBT10Aを高速で切り換えることにより,高速で電流を反転させることができるめっき用電源装置を得ることができる。
【0036】
また,めっきを行う負の電流が流れる時間をT1,めっきの中断又は溶解を行う正の電流が流れる期間をT2とすると,T2/(T1+T2)の反転比率は制御装置22を制御することにより行われる。,主IGBT8A,8B,補助IGBT10A,10Bのゲート信号の期間を変更することによって行うことができる。さらに,負荷12に流れる電流の大きさは,図示していないが,負荷12に流れる電流を検出し,この検出信号に応じて制御装置22を制御して行うことができる。
【0037】
次に,第2直流電源装置2B,第2リアクトル4B,第2リアクトル6B,第2主IGBT8B,負荷12を介して電流が流れている図2の時刻t5において,負荷12の被めっき物とハンガーなどの給電部との間で接触できなくなった場合について説明する。
【0038】
時刻t5直前まで第2補助IGBT10Bの両端に接続されたクランプ用コンデンサ28Baは第2直流電源装置2B,第2リアクトル4B,ダイオード28Bc,クランプ用コンデンサ28Ba,第2直流電源装置2Bを介して電流が流れ、第2補助IGBT10Bの定常時のスイッチングによるサージ電圧を含む電圧,すなわち図3の電圧Eまで充電されている。
【0039】
そして,時刻t5において,負荷12の被めっき物とハンガーなどの給電部との間で接触できなくなると,第2リアクトル4Bに流れていた電流が遮断し,図3のEで示す電圧より大きな過大電圧が発生する。このとき,第2リアクトル4Bの蓄積エネルギーはクランプ用コンデンサ28Baにより吸収され,第2補助IGBT10Bに印加する電圧の単位時間当たりの上昇率は小さく,第2補助IGBT10Bはこの立ち上がりでは損傷しない。そして,この過大電圧が第2リアクトル4B,配線インダクタンスにより図3のように上昇していくと,第2電圧検出器24Bがこの電圧を検出する。検出信号は第2比較器26Bにより基準値と比較され,第2IGBT10Bの電圧がF点の電圧に達すると,比較器26Bから出力信号を制御装置22に出力し,図2(d)に示すように第2主IGBT8Bのゲート信号をオフ指令し,図2(e)に示すように第2補助IGBT10Bのゲート信号をオン指令する。この指令信号により第2主IGBT8Bはオフし,第2補助IGBT素子10Bはオンする。これにより,第2リアクトル4Bの蓄えられたエネルギーは第2補助IGBT10Bを介して直流電源装置2Bに回収される。第2補助IGBT10Bには高電圧が印加されることがなく,第2補助IGBT10Bは保護される。
【0040】
また,第1補助IGBT10Aには図2(c)に示すように継続してゲート信号をオンさせる。さらに,第2リアクトル4Bのエネルギーが第2補助IGBT10Bを介して第2直流電源装置2Bに回収されたあと,制御装置22から直流電源装置2B及び2Aにオフ指令信号を出力して,直流電源装置2B及び2Aともオフさせる。これにより,第1,第2リアクトル4A,4B及び第1,第2補助IGBT10A,10Bには電流が流れなくなり,第1,第2補助IGBT10A,10Bとも保護される。さらに,表示装置30が負荷12の開放を表示する。これにより作業者により負荷の接触状態の点検が行われ負荷を正常状態に移行される。なお,32はリセットスイッチで再起動時に使用される。
【0041】
上記実施の形態では負荷12が開放されると補助IGBT10Bをオンし,第2リアクトル4Bのエネルギーが第2補助IGBT10Bを介して第2直流電源装置2Bに回収され,このあと,直流電源装置を遮断されているが,補助IGBTを短絡させた後,所定時間後に再度開放させて,負荷に電流を流すこともできる。そして,負荷が開放から短絡に戻った場合高速電流反転めっき用電源装置を正常に動作させることができる。また,再度電圧検出器が動作すると制御装置24から補助IGBTをオンするように指令を出すと直流電源装置を遮断することもできる。
【0042】
図4のものは、図1に示す第1,第2補助スイッチング素子10A,10Bとそれぞれ並列に接続された第1,第2クランプ回路28A,28Bと,第1又は第2補助スイッチング素子10A,10Bの両端電圧をそれぞれ検出する第1又は第2電圧検出器24A,24Bとを,負荷12に印加する電圧をダイオード35A〜Dにより整流する整流回路35と,上記整流回路の出力に接続され定常時ピーク電圧で充電される第3クランプ用コンデンサ36と,上記第3クランプ用コンデンサ35の両端を検出する第3電圧検出器38と,第3電圧検出器38が検出した検出信号と内蔵する基準値と比較する第3比較器39と,上記第3電圧検出器の検出信号が所定電圧以上のときに上記第1又は第2補助スイッチング素子をオンさせる制御装置とに代えたものである。図4の装置の動作は図1のものと同様に動作する。
【0043】
また,上記実施の形態では第2主IGBTがオンしている期間の第2補助IGBTのオン動作を説明しているが,第1主IGBTがオンしている期間に負荷が開放したときは第1補助IGBTをオンさせることもできる。また,IGBTに代えてFET,バイポーラトランジスタ等の他のスイッチング素子にすることができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明では,負荷が開放されると,リアクトルの蓄積エネルギーによりオフしている第1又は第2補助スイッチング素子に過大電圧が発生しようとするが,この過大電圧の立ち上がりはクランプ用コンデンサにより抑制され,第1又は第2補助スイッチング素子は保護される。この過大電圧を第1又は第2電圧検出器により検出し,この検出電圧が所定電圧以上になると,第1又は第2補助スイッチング素子はオンされ,第1又は第2補助スイッチング素子には高電圧は印加することはない。このため,第1又は第2補助スイッチングと並列に設けられたスナバ回路を従来のようにリアクトルの蓄積エネルギーによる高電圧に対応する容量のものを採用する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高速電流反転めっき用電源装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の各部の波形図である。
【図3】図1の補助スイッチング素子に印加する電圧波形図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示すブロック図である。
【図5】従来の高速電流反転めっき用電源装置のブロック図である。
【図6】図5の各部の波形図である。
【符号の説明】
2A (第1)直流電源装置
2B (第2)直流電源装置
4A (第1)リアクトル
4B (第2)リアクトル
6A,6B ダイオード
8A (第1)主スイッチング素子(IGBT)
8B (第2)主スイッチング素子(IGBT)
10A (第1)補助スイッチング素子(IGBT)
10B (第2)補助スイッチング素子(IGBT)
12 負荷(被めっき物)
16A,16B,18A,18B スナバ回路
22 制御装置
24A,24B 電圧検出器
26A,26B 比較器
28A,28B クランプ回路
28Aa,28Ba クランプ用コンデンザ

Claims (2)

  1. 第1直流電源装置と,第2直流電源装置と,上記第1直流電源装置の一方の出力端と,上記第2直流電源装置の他方の出力端及び負荷の一端との間に設けられた第1リアクトルと,高速でオン,オフする第1主スイッチング素子との直列回路と,上記第2直流電源装置の一方の出力端と,上記第1直流電源装置の他方の出力端及び負荷の他端との間に設けられた第2リアクトルと,上記第1主スイッチング素子のオン,オフに対応し相補的にオフ,オンする第2主スイッチング素子との直列回路と,上記第1リアクトルの出力と上記第1直流電源装置の他方の出力端との間に上記第1主スイッチング素子のオン,オフに対応し相補的にオフ,オンする第1補助スイッチング素子と,上記第2リアクトルの出力と上記第2直流電源装置の他方の出力端との間に,上記第2主スイッチング素子のオン,オフに対応し相補的にオフ,オンする第2補助スイッチング素子と,第1,第2補助スイッチング素子とそれぞれ並列に接続され,第1,第2クランプ用ダイオードと上記第1,第2クランプ用ダイオードにそれぞれ直列に接続され定常時ピーク電圧で充電される第1,第2クランプ用コンデンサにより構成される第1,第2クランプ回路と,上記第1又は第2補助スイッチング素子の両端をそれぞれ検出する第1又は第2電圧検出器と,上記第1又は第2電圧検出器の検出信号が所定電圧以上のときに上記第1又は第2補助スイッチング素子をオンさせる制御装置とにより構成された高速電流反転めっき用電源装置。
  2. 第1直流電源装置と,第2直流電源装置と,上記第1直流電源装置の一方の出力端と,上記第2直流電源装置の他方の出力端及び負荷の一端との間に設けられた第1リアクトルと,高速でオン,オフする第1主スイッチング素子との直列回路と,上記第2直流電源装置の一方の出力端と,上記第1直流電源装置の他方の出力端及び負荷の他端との間に設けられた第2リアクトルと,上記第1主スイッチング素子のオン,オフに対応し相補的にオフ,オンする第2主スイッチング素子との直列回路と,上記第1リアクトルの出力と上記第1直流電源装置の他方の出力端との間に上記第1主スイッチング素子のオン,オフに対応し相補的にオフ,オンする第1補助スイッチング素子と,上記第2リアクトルの出力と上記第2直流電源装置の他方の出力端との間に,上記第2主スイッチング素子のオン,オフに対応し相補的にオフ,オンする第2補助スイッチング素子と,上記負荷に印加する電圧を整流する整流回路と、上記整流回路の出力に接続され定常時ピーク電圧で充電される第3クランプ用コンデンサと,上記第3クランプ用コンデンサの両端を検出する第3電圧検出器と,上記第3電圧検出器の検出信号が所定電圧以上のときに上記第1又は第2補助スイッチング素子をオンさせる制御装置とにより構成された高速電流反転めっき用電源装置。
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